JP4456793B2 - 樹脂組成物及びそのシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物およびそれからなるシートに関するものである。さらに詳しくは、樹脂組成物を金属ロール間の接線部で挟圧し冷却・固化する徐冷条件でシートに加工する場合において、透明性および剛性に優れたシートを得ることができる樹脂組成物およびそれからなるシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは、耐熱性、耐油性、防湿性などの物性に優れているため、シートやシート成形容器として用いられている。
例えば、特開平7−148853号公報には、優れた成形性、透明性、光沢性、耐透湿性を備えたポリプロピレン系樹脂シートとして、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレンおよび造核剤とを含有し、前記ホモポリプロピレンと前記ランダムポリプロピレンの合計含有量が99〜99.99重量%、前記造核剤の含有量が0.01〜1重量%であり、前記ホモポリプロピレンおよび前記ランダムポリプロピレンの合計量中のホモポリプロピレン含有量が40〜60重量%であるポリプロピレン系樹脂を溶融成形したポリプロピレン系樹脂シートが記載されている。
【0003】
また、特開平8−269266号公報には、透明シートに公的なポリプロピレン組成物として、沸騰n−ヘプタン不溶部のアイソタクチックペンタッド分率が0.975以上および2個の異種コンフィギュレーションを有するペンタッド分率が0.002以下でありかつエチレンを0.1〜3.0重量%共重合してなる高結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体に造核剤を0.01〜0.30重量%含有させたポリプロピレン組成物が記載されている。
【0004】
また、透明性に優れたポリプロピレン製シートの成形方法としては、ポリプロピレン膜を特殊な水冷装置で急冷成形する方法(特開昭61−189920号公報)、金属製無端ベルトと冷却ロール間に導入し、透明性シートを製造する方法(特開平5−286020号公報や特開平6−55613号公報)等が知られている。
しかし、上記の公報等のポリプロピレン系樹脂シートにおいては、透明性だけでなく、剛性についてもさらなる改良が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、樹脂組成物を金属ロール間の接線部で挟圧し冷却・固化する徐冷条件でシートに加工する場合において、透明性および剛性に優れたシートを得ることができる樹脂組成物およびそれからなるシートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる実情に鑑み、鋭意検討の結果、結晶性プロピレン重合体に造核剤と有機過酸化物を配合し、前記結晶性プロピレン重合体を分解させて得られる樹脂組成物であって、得られた樹脂組成物のメルトフローレートが一定の範囲にあり、分子量分布が一定の範囲にあり、得られた樹脂組成物のメルトフローレートと結晶性プロピレン重合体のメルトフローレートの比が一定の範囲にある樹脂組成物およびそれからなるシートが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
結晶性プロピレン重合体(A)に造核剤(B)と有機過酸化物(C)を配合し、前記結晶性プロピレン重合体(A)を分解させて得られる樹脂組成物(D)からなるシートであって、
得られた樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)が1〜4.0g/10分であり、分子量分布が4以下であり、得られた樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)と結晶性プロピレン重合体(A)のメルトフローレート(MFRA)の比(MFRD/MFRA)が1.1〜10であり、
造核剤(B)が下記一般式(I)で示される少なくとも一種の芳香族燐酸エステル類であり、その含有量が結晶性ポリプロピレン重合体(A)100重量部に対して0.05〜0.5重量部であることを特徴とする、前記シート
(式中、R 1 は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、R 2 およびR 3 はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、lは1または2である。)に係るものである。以下、本発明について、詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)としては、プロピレン単独重合体および/またはプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体等が挙げられる。炭素数が4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン等が挙げられる。
また、結晶性プロピレン重合体(A)がプロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体である場合、炭素数が4〜12のα−オレフィンの含有量は剛性の観点から、好ましくは1モル%以下である。(ただし、プロピレンと炭素数が4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体の全量を100モル%とする。)
【0009】
本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)の製造方法としては、一般に公知の触媒を用いる製造方法が挙げられ、公知の触媒としては、例えば、プロピレンの立体規則性重合用触媒が挙げられる。プロピレンの立体規則性重合用触媒としては、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分からなるTi−Mg系触媒、前記の固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分を組み合わせた触媒系、および、メタロセン系触媒等が挙げられる。好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及び電子供与性化合物からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系である。
【0010】
本発明で用いられる結晶性プロピレン重合体(A)のメルトフローレート(MFRA)として、好ましくは0.5〜2g/10分であり、より好ましくは0.5〜1.5g/10分である。
【0011】
本発明で用いられる造核剤(B)としては、芳香族燐酸エステル類やカルボン酸の金属塩が挙げられ、カルボン酸と金属塩としては、脂肪酸の金属塩が挙げられる。これらの造核剤は、単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
造核剤(B)として、好ましくは下記一般式(I)で示される芳香族燐酸エステル類である。
(式中、R1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、lは1または2である。)
【0012】
一般式(I)において、置換基R1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、炭素数1〜10の2価の炭化水素基としてはアルキレン基、アルキリデン基等が挙げられる。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、好ましくはメチレン基であり、アルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、n−プロピレリデン基、i−プロピリデン基等が挙げられ、好ましくはエチリデン基である。
【0013】
R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、炭素数1〜10の炭化水素基としては、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、好ましくはR9およびR10が共にt−ブチル基である。lは1または2である。
【0014】
一般式(I)で示される芳香族燐酸エステル類としては、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]である。
【0015】
本発明で用いられる芳香族燐酸エステル類としては、市販品を用いても良く、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]と炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩混合物(旭電化(株)製、商品名:アデカスタブNA21)等が挙げられる。
【0016】
本発明で用いられる芳香族燐酸エステル類の配合量としては、透明性の観点から、好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0017】
本発明で用いられる有機過酸化物(C)としては、工業的に取り扱いが容易なものが好ましく、例えば、半減期が150℃で0.5分以上のものが好ましい。このような有機過酸化物の具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、1,3ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等を挙げることができる。
【0018】
本発明で用いられる有機過酸化物(C)の添加量は、結晶性プロピレン重合体(A)のメルトフローレート(MFRA)、得られる樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)、有機過酸化物の分解温度や時間等を考慮して、適宜決定すればよい。
そして、本発明で用いられる有機過酸化物(C)を分解させる方法としては、公知の方法が挙げられる。
【0019】
本発明の樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)と結晶性プロピレン重合体(A)のメルトフローレート(MFRA)の比(MFRD/MFRA)は1.1〜10であり、好ましくは1.4〜8である。
【0020】
本発明の樹脂組成物(D)の分子量分布(Aw/An)は、4以下であり、好ましくは3.8以下である。分子量分布が4を超えた場合、透明性が劣ることがある。
【0021】
本発明の樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)としては、好ましくは1〜10g/10分であり、より好ましくは1.5〜5g/10分である。
【0022】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加剤、例えば、中和剤、酸化防止剤、耐侯剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、銅害防止剤、無機充填剤(タルク、シリカ、チタン等)等を添加してもよい。
【0023】
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、結晶性プロピレン重合体(A)に、造核剤(B)と有機過酸化物(C)を、さらには必要に応じて添加される他の各種添加剤を、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練して均一にする方法が挙げられる。
【0024】
本発明のシートの製造方法としては、通常用いられる公知のインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法が挙げられる。好ましくはTダイ法であり、より好ましくは冷却ロールと溶融樹脂の両面をロールの表面で挟圧し冷却する加工方法であり、例えば、フレックスロール式(WO97/28950号公報等に記載されている弾性変形が可能な金属薄膜からなる金属製弾性外筒と、該金属製弾性外筒の両端部を閉塞する軸部とを具えてなる薄膜シート成形用ロールを用いる方法)、特開平7−309961号公報や特開平8−269266号公報に記載されているベルト式等が例示される。
【0025】
本発明のシートは、単独で用いてもよく、異なる樹脂とからなる多層シートの少なくとも1層として用いてもよい。多層シートの製造方法としては、通常よく用いられる押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等によって、多層シートを製造する方法が挙げられる。
【0026】
本発明のシートを、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などにより一軸または二軸に延伸して使用してもよい。
また、本発明のシートに、通常のコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施してもよい。
【0027】
本発明のシートからなる成形品としては、ボトル、容器や射出成形品等が挙げられる。ボトルの成形方法としては、ダイレクトブロー成形法、2軸延伸ブロー成形法等が挙げられ、容器の成形方法としては、真空成形、圧空成形等が挙げられ、射出成形品の成形方法としては、射出成形法等が挙げられる。
【0028】
本発明のシートを単独で用いて成形品としてもよく、異なる樹脂とからなる多層シートの少なくとも1層として、本発明のシート用いられている多層シートを用いて、成形品としてもよい
【0029】
本発明のシートからなる成形品として、特に好ましくは食品向け熱成形容器・蓋・トレー、ブリスターパック、文具ファイル、フォルダー、プレススルーパック(PTP)である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって、本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた試料の調整および物性の測定は、下記の方法に従って行った。
【0031】
(1)試料の調整方法
(1−1)ペレット化
結晶性ポリプロピレン重合体(A)と造核剤(B)と有機過酸化物(C)に塩素補足剤、酸化防止剤を添加し、ヘンシェルミキサ−で3分間混合した後、スクリュ−径65mmφの押出造粒機を用いて250℃で押し出し樹脂組成物(D)を得た。
【0032】
(1−2)シート化
Tダイフィルム成形機(ダイ幅600mm)にて、シリンダー温度240℃、押出量16Kg/hr、引き取り速度3.0m/min、エンボスロール(鏡面)温度50℃、フレックスロール(CBCテック(株)社製)温度50℃の冷却条件で製膜シートを得た。
【0033】
(2)実施例および比較例で用いた結晶性ポリプロピレン重合体(A)、樹脂組成物(D)の物性測定。
(2−1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210に従って、測定した。
【0034】
(2−2)分子量分布(Aw/An)
下記の装置およびカラムを用いて下記の温度で測定した。
装置:ウォ−ターズ製 GPC150C型
カラム:Shodex 80M/S
測定温度:140℃
【0035】
(2−3)透明性(単位:%)
JIS K7105に従って、測定した。
【0036】
(2−4)ヤング率(単位:MPa)
JIS K7113に従って、測定した。
【0037】
実施例または比較例で、結晶性プロピレン重合体(A)として、下記の試料を用いた。
実施例1〜3:住友化学工業株式会社製、HD100G
実施例4〜6、比較例3:住友化学工業株式会社製、HD100G2
比較例1:住友化学工業株式会社製、HS200XG4
比較例2:住友化学工業株式会社製、HW100XG
【0038】
実施例−1
結晶性ポリプロピレン重合体(A)100重量%、造核剤(B)として旭電化(株)製、商品名アデカスタブNA21を0.2重量部、有機過酸化物(C)として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを配合して、塩素補足剤としてステアリン酸カルシウム0.045重量部、酸化防止剤としてトリス(2.4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト/テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタンの3:1の混合物を0.3重量部、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタンを0.1重量部添加し、ヘンシェルミキサ−で3分間混合した後、スクリュ−径65mmφの押出造粒機を用いて250℃で押し出し樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。
得られた樹脂組成物(D)を、Tダイフィルム成形機(ダイ幅600mm)にて、シリンダー温度240℃、押出量16Kg/hr、引き取り速度3.0m/min、エンボスロール(鏡面)温度50℃、フレックスロール(CBCテック(株)社製)温度50℃の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0039】
実施例−2
有機過酸化物(C)の量を変更した以外は、実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0040】
実施例−3
造核剤(B)の量を変更した以外は、実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0041】
実施例−4
結晶性ポリプロピレン(A)のMFR、及び有機過酸化物(C)の量を変更した以外は、実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0042】
実施例−5
実施例−4と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。加工速度を変更した以外は実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0043】
実施例−6
実施例−4と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。加工速度を変更した以外は実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0044】
比較例−1
有機過酸化物(C)を用いなかった以外は実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0045】
比較例−2
有機過酸化物(C)を用いなかった以外は実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0046】
比較例−3
造核剤(B)および有機過酸化物(C)を用いなかった以外は比較例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0047】
比較例−4
造核剤(B)を用いなかった以外は実施例−1と同様の方法でペレット化を行って樹脂組成物(D)を得た。得られた樹脂組成物(D)組成および物性を表1に示した。実施例−1と同様の条件で製膜シートを得た。得られたシートの評価結果を表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
本発明の要件を満足する実施例−1〜6は、金属ロール間の接線部で挟圧し冷却・固化する徐冷条件で加工して得られたシートであって、透明性および剛性に優れるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件である有機過酸化物(C)を用いなかった比較例−1は透明性および剛性が低いものであり、比較例−2は剛性が低いものであり、造核剤(B)と有機過酸化物(C)を用いなかった比較例−3は透明性および剛性が低いものであり、造核剤(B)を用いなかった比較例−4は透明性が不充分なものであることが分かる。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明によって、樹脂組成物を金属ロール間の接線部で挟圧し冷却・固化する徐冷条件でシートに加工する場合において、透明性および剛性に優れたシートを得ることができる樹脂組成物およびそれからなるシートを得ることができる。
Claims (2)
- 結晶性プロピレン重合体(A)に造核剤(B)と有機過酸化物(C)を配合し、前記結晶性プロピレン重合体(A)を分解させて得られる樹脂組成物(D)をTダイ法で成形して得られるシートであって、
得られた樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)が1〜4.0g/10分であり、分子量分布が4以下であり、得られた樹脂組成物(D)のメルトフローレート(MFRD)と結晶性プロピレン重合体(A)のメルトフローレート(MFRA)の比(MFRD/MFRA)が1.1〜10であり、
造核剤(B)が下記一般式(I)で示される少なくとも一種の芳香族燐酸エステル類であり、その含有量が結晶性ポリプロピレン重合体(A)100重量部に対して0.05〜0.5重量部であることを特徴とする、前記シート。
(式中、R1は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、lは1または2である。) - 樹脂組成物を金属ロール間の接線部で挟圧し冷却することを特徴とする、請求項1に記載のシートの製造方法。
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