JP2008222728A - ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器 Download PDF

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Abstract

【課題】色相安定性に優れ、さらに透明性、剛性にも優れているポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を提供すること。
【解決手段】プロピレン系樹脂成分(A)と、下記式(I)で表される芳香族燐酸エステル化合物類(B)と、炭素数12〜22の脂肪酸アミド(C)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対し、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部が0.01〜0.5重量部であり、芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部と脂肪酸アミド(C)の重量部との比(b/c)が0.4〜1.8である、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(ここで、bは芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部を表し、cは脂肪酸アミド(C)の重量部を表す)。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器に関するものである。さらに詳細には、透明性、剛性、色相安定性の全てに優れるポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器に関するものである。
従来から、ポリプロピレン系樹脂は、各種の成形品として用いられることが知られている。
例えば、特開平9−111055号公報には、成形時に金型やロールへの付着物発生が改良された、透明性に優れたポリプロピレン樹脂組成物として、ポリオレフィン系樹脂に、特定の構造を有する燐酸アリールエステル化合物を主成分とする透明造核剤及び炭素原子数12〜22の脂肪酸アミドをそれぞれ特定量配合してなるポリオレフィン組成物が記載されている。
また、特開2005−120237号公報には、透明性について十分な添加効果を奏する結晶核剤組成物を含有してなる結晶性高分子組成物として、ポリオレフィン系高分子に、特定の構造を有する環状リン酸エステルのリチウム塩、脂肪族有機酸金属塩及び有機酸アミド化合物から構成される特定の化合物を含有してなる結晶性高分子組成物が記載されている。
特開平9−111055号公報 特開2005−120237号公報
しかしながら、上記公報に記載されているポリオレフィン樹脂組成物からなる容器は、色相安定性が低下することがあり、未だ満足のいくものは開発されていないのが現状であった。
かかる状況の下、本発明の目的は、色相安定性に優れ、さらに透明性、剛性にも優れているポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
プロピレン系樹脂成分(A)と、下記式(I)で表される芳香族燐酸エステル化合物類(B)と、炭素数12〜22の脂肪酸アミド(C)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対し、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部が0.01〜0.5重量部であり、さらに芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部と脂肪酸アミド(C)の重量部との比(b/c)が0.4〜1.8である、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(ここで、bは芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部を表し、cは脂肪酸アミド(C)の重量部を表す)に係るものである。
Figure 2008222728
(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
本発明によれば、透明性、剛性、色相安定性の全てに優れるポリプロピレン系樹脂組成物ならびに、それからなるシートおよび容器を得ることができる。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂成分(A)は、プロピレン単独重合体、またはプロピレン系共重合体であり、これらを単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用しても良い。
プロピレン系樹脂成分(A)がプロピレン系共重合体である場合、透明性に優れるという観点から、好ましくは、プロピレン系ランダム共重合体が挙げられる。
プロピレン系ランダム共重合体としては、例えば、プロピレンとエチレンとを共重合して得られるプロピレン−エチレン共重合体、プロピレンと炭素原子数4〜20個を有する少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレンとエチレンと炭素原子数4〜20個を有する少なくとも1種のα−オレフィンとを共重合して得られるプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
プロピレン系樹脂成分(A)が、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体、またはプロピレン−α−オレフィン共重合体である場合のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチルー1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2, 3―ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3, 3―ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−へプテン、メチルエチル−1−へプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、透明性および剛性を高めるという観点から1−ブテン、1−ヘキセンである。
プロピレン系樹脂成分(A)がプロピレン−α−オレフィン共重合体である場合、プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、透明性や剛性に優れるという観点から、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体である。
プロピレン系樹脂成分(A)のプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体におけるエチレンおよび/または炭素原子数4〜20のα−オレフィンの含有量は、特に制限はないが、通常、0.5〜15重量%であり、剛性に優れるという観点から、好ましくは、0.5〜10重量%である。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、ポリエチレン、ポリブテン−1共重合体、スチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等のポリオレフィン系樹脂成分を添加しても良い。
プロピレン系樹脂成分(A)の温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)は1〜10g/10分であり、好ましくは2〜9g/10分であり、より好ましくは2〜8g/10分である。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂成分(A)のMFRが、前記下限を下回ると押出加工時の押出負荷が大きくなる場合がある。また、前記上限を上回ると、押出加工時の樹脂の流動性が悪化する場合があったり、シートや容器の成形性が悪化する場合がある。
プロピレン系樹脂成分(A)の製造方法としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて用いられる電子供与性化合物等の第3成分とからなる触媒系、
(2)シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、
(3)シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系
等が挙げられる。
好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、電子供与性化合物からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平1−319508号、特開平7−216017号公報等に記載されている触媒系である。
公知の重合方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒を用いるスラリー重合法や溶媒重合法、無溶媒である液相重合法や気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法である。
さらに、前記の重合法を組み合わせ、それらを連続的に行う方法、例えば、液相−気相重合法等が挙げられる。例えば、特開平7−216017号公報等に記載されている重合方法が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族燐酸エステル化合物類(B)は、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 2008222728


(式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
本発明で用いられる上記式(I)で表される芳香族燐酸エステル化合物類(B)において、R1で示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられ、R2およびR3で示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、t−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、i−デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、t−ドデシル基等が挙げられる。
本発明で用いられる上記式(I)の芳香族燐酸エステル化合物類としては、例えば、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−i−プロピルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−i−プロピルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−t−ブチル−6−メチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−t−ブチル−6−メチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート等が挙げられる。
式(I)で示される芳香族燐酸エステル化合物類としては、市販品を用いても良く、例えば、ADEKA(株)製のアデカスタブNA71(商品名)が挙げられる。
本発明で用いられる脂肪酸アミド(C)は、炭素原子数12〜22の脂肪酸アミドであり、好ましくは、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどである。これらは、1種類または2種類以上の混合物で用いてもよい。炭素原子数が12未満では、脂肪酸アミドが成形品の表面に出すぎるために白化したり粘着性が出てくるため好ましくなく、炭素原子数が22を超えると、成形品の表面への移行速度が非常に遅くなるため、容器の耐傷つき性効果が低減する可能性がある。
本発明で用いられる芳香族燐酸エステル化合物類(B)および脂肪酸アミド(C)含有量は、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対して、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部で、0.01〜0.5重量部であり、色相安定性に優れるという観点から、好ましくは0.02〜0.4重量部であり、より好ましくは0.04〜0.2重量部である。
芳香族燐酸エステル化合物類(B)の含有量は、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対して、0.005〜0.25重量部であり、透明性に優れるという観点から、好ましくは0.01〜0.2重量部であり、より好ましくは0.02〜0.1重量部である。
脂肪酸アミド(C)の含有量は、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対して、通常、0.005〜0.25重量部であり、色相安定性に優れるという観点から、好ましくは0.012〜0.2重量部であり、より好ましくは0.02〜0.1重量部である。
芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部が、前記下限を下回ると、透明性および剛性に問題が生じる場合があり、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部が、前記上限を上回ると、成形体にブツが発生する場合がある。
芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部と、脂肪酸アミド(C)の重量部との比(b/c)は、0.4〜1.8であり、色相安定性が良好であるという観点から、好ましくは0.4〜1.6であり、より好ましくは0.4〜1.5である(ここで、bは芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部を表し、cは脂肪酸アミド(C)の重量部を表す)。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、例えば、中和剤、有機過酸化物、耐候性、難燃性、帯電防止剤、可塑剤、銅害防止剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。他の添加剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中和剤としては、例えば、脂肪酸カルシウム塩、ハイドロタルサイトが挙げられ、その含有量として、好ましくは、プロピレン系樹脂成分(A)を含有する樹脂成分100重量部に対して0.005〜0.5重量部である。
有機過酸化物としては、工業的に取り扱いが容易なものが好ましく、例えば、半減期が150℃で0.5分以上のものが好ましい。このような有機過酸化物の具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、1,3ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。有機過酸化物の含有量としては、プロピレン系樹脂成分(A)を含有する樹脂成分100重量部に対して0.001〜1重量部である。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、その含有量としては、プロピレン系樹脂成分(A)を含有する樹脂成分100重量部に対して0.001〜1重量部である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の製造法としては、プロピレン系樹脂成分(A)と、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と、脂肪酸アミド(C)とを、さらには必要に応じて添加される前記の各種添加剤とを、溶融混練する方法が挙げられる。例えば、プロピレン系樹脂成分(A)と、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と、脂肪酸アミド(C)とを、さらには必要に応じて添加される前記の各種添加剤とを、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機を用いて混合した後、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練して、ペレット化する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートである。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物をシートに成形する方法としては、押出成形方法、射出成形方法、プレス成形方法、カレンダー成形方法などの通常のシート製造に用いられる成形方法が挙げられる。生産性が良好であるという観点や、透明性が良好であるという観点から、好ましくは押出成形方法であり、より好ましくは押出Tダイ成形方法である。押出Tダイ成形方法としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ギヤ押出機などを用い、溶融したポリプロピレン樹脂組成物をTダイより、シート状に押出し、金属冷却ロールで冷却固化しながら引き取る押出Tダイ成形方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートの厚みとしては、十分な強度や透明性を得るという観点から、0.1〜3.0mmであり、好ましくは0.3〜2.5mmである。また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物からなるシートは、単独のシートでもよく、異なる樹脂とからなる多層シートでもよい。多層シートの製造方法としては、通常よく用いられる押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂シートを、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等によって、一軸または二軸に延伸してもよい。また、通常用いられるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等によって、表面処理を施してもよい。
本発明のポリプロピレン系樹脂容器は、本発明のポリプロピレン系樹脂シートを熱成形してなる容器である。本発明のポリプロピレン系樹脂シートを二次成形体であるポリプロピレン系樹脂容器に熱成形する方法としては、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等の公知の熱成形法が挙げられる。熱成形する時の加熱方式としては、熱板による直接加熱や遠赤外線ヒータによる間接加熱などの方式が挙げられる。
熱成形法として好ましくは、良好な金型転写性を確保するために比較的高い圧空圧力で熱成形する方法であり、より好ましくは、金型合わせ面からの空気の漏れや金型寿命の低下が起こり難い範囲、例えば0.2〜0.5MPaの範囲で熱成形する方法である。
本発明のポリプロピレン系樹脂容器の形状としては、目的に応じて任意の形状を選択することができる。例えば、弁当箱型、丼型、ドリンクカップ型、ゼリーカップ型等の食品包装用途に応じた任意の形状や、精密部品を入れるトレイ等の工業用途に応じた形状等を選択することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。実施例および比較例で用いた物性の測定および試料の調整は、下記の方法に従って行った。
[物性の測定方法]
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210の条件14(Condition Number 14)の方法に従って温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
(2)エチレン含量および1−ブテン含量(単位:重量%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616〜619頁に記載されているIRスペクトルによる定量方法に従って測定を行い求めた。
(3)容器の透明性(ヘイズ、単位:%)
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、JIS K7105に従って測定した。
(4)容器の剛性(ヤング率、単位:MPa)
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、JIS K7113に従って測定した。
(5)色相安定性
圧空成形して得られたポリプロピレン系樹脂容器の底部から切り取った試験片を5枚重ねにし、5枚重ねの容器底部試験片を、スガ試験機製SMカラーコンピュータ(モデルSM−5)を用いて色差を測定することによって求めた。測定は、SM−5−CH型式、45°拡散方式光学系により、集光レンズ:φ12、試験台:φ12の条件で行った。色差の値が小さい方が色相安定性に優れることを示す。
(プロピレン系樹脂成分(A)の製造方法)
特開平7−216017号公報の実施例1記載の方法によって得られる触媒系を用いてプロピレンを気相重合することによって、本発明で用いた下記のプロピレン―エチレン−1−ブテン共重合体(A−1)および(A−2)を得た。
(A−1)プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体
MFRが7.0g/10分であり、エチレン含有量が1.0重量%であり、1−ブテン含有量が4.2重量%であった。
(A−2)プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体
MFRが3.2g/10分であり、エチレン含有量が2.4重量%であり、1−ブテン含有量が6.8重量%であった。
(芳香族燐酸エステル化合物類)
ADEKA(株)製アデカスタブNA71(商品名)、またはADEKA(株)製アデカスタブNA21(商品名)を用いた。
(脂肪酸アミド)
エルカ酸アミドを用いた。
実施例1
プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体(A−1)70重量部と、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体(A−2)30重量部とからなるプロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対して、芳香族燐酸エステル化合物類のADEKA(株)製、商品名アデカスタブNA71を0.04重量部、エルカ酸アミドを0.03重量部、塩素補足剤としてステアリン酸カルシウムを0.05重量部、酸化防止剤としてトリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイト/テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)の3/1の混合物を0.255重量部加え、窒素雰囲気下においてヘンシェルミキサ−で3分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出造粒機を用いて、250℃で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットのMFRは5.5g/10分であった(表1)。
Tダイシート加工機(ダイ幅450mm)によって、スクリュー径65mmφ、シリンダー温度250℃、ダイ温度250℃、引き取り速度1.8m/分、冷却ロール温度60℃の条件で、上記で得られたペレットを押出し、押出シート(厚み1.65mm、幅45cm)を成形した。
開口部の口径93mmφ、深さ116mm、底部の口径55.1mmのドリンクカップ形状の雌型の成形金型を使用し、圧空圧力0.3MPa、遠赤外線ヒータ温度350℃、圧空3MPaの条件で、上記で得られた押出シートを圧空成形し、二次成形体であるポリプロピレン系樹脂容器を得た。得られた二次成形体であるポリプロピレン系樹脂容器の胴部中央から切り取った試験片を用いて、ポリプロピレン系樹脂容器の物性を測定した。また、得られたポリプロピレン系樹脂容器の底部中央から試験片を切り取り、切り取った試験片を5枚重ねて色相安定性を測定した。その結果を表2に示した。
実施例2
エルカ酸アミドの重量部を0.04重量部に変更した以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.4g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
実施例3
エルカ酸アミドの重量部を0.08重量部に変更した以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.4g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例1
エルカ酸アミドの重量部を0.02重量部に変更した以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.5g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例2
エルカ酸アミドの重量部を0.12重量部に変更した以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.6g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例3
エルカ酸アミドの重量部を0.04重量部に変更し、アデカスタブNA71を、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]と炭素原子数8〜20の脂肪族モノカルボン酸リチウム塩との混合物であるアデカスタブNA21(商品名)(ADEKA(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.6g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例4
エルカ酸アミドの重量部を0.08重量部に変更した以外は、比較例3と同様にペレット化し(MFR=5.6g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例5
実施例1で用いたエルカ酸アミドを用いなかった以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.5g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
比較例6
実施例1で用いたアデカスタブNA71を用いなかった以外は、実施例1と同様にペレット化し(MFR=5.4g/10分)(表1)、シートおよび容器を成形し、容器物性を測定した。その結果を表2に示した。
Figure 2008222728
Figure 2008222728
本発明の要件を満足する実施例1〜3のポリプロピレン系樹脂容器は、剛性、透明性、および色相安定性の全てに優れていることが分かる。
これに対して、本発明の要件である芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量と、脂肪酸アミド(C)の重量の比(b/c)の上限を上回る比較例1のポリプロピレン系樹脂容器は色相安定性に優れるが、剛性および透明性が不十分である。また、本発明の要件であるb/cの下限を下回る比較例2は、透明性が不十分であることが分かる。さらに、本発明の要件である芳香族燐酸エステル化合物類(B)以外の芳香族燐酸エステル化合物を用いた比較例3,4は、色相安定性に劣ることが分かる。
本発明の要件である脂肪酸アミド(C)を含有しない比較例5は剛性に劣り、本発明の要件である芳香族燐酸エステル化合物類(B)を含有しない比較例6は透明性に劣ることが分かる。

Claims (3)

  1. プロピレン系樹脂成分(A)と、下記式(I)で表される芳香族燐酸エステル化合物類(B)と、炭素数12〜22の脂肪酸アミド(C)とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂成分(A)100重量部に対し、芳香族燐酸エステル化合物類(B)と脂肪酸アミド(C)との合計重量部が0.01〜0.5重量部であり、芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部と脂肪酸アミド(C)の重量部との比(b/c)が0.4〜1.8である、前記ポリプロピレン系樹脂組成物(ここで、bは芳香族燐酸エステル化合物類(B)の重量部を表し、cは脂肪酸アミド(C)の重量部を表す)。
    Figure 2008222728
    (式中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。)
  2. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系樹脂シート。
  3. 請求項2に記載のポリプロピレン系樹脂シートを熱成形してなるポリプロピレン系樹脂容器。
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