JP3241126B2 - 細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブルおよびその製造方法

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JP3241126B2 JP30492492A JP30492492A JP3241126B2 JP 3241126 B2 JP3241126 B2 JP 3241126B2 JP 30492492 A JP30492492 A JP 30492492A JP 30492492 A JP30492492 A JP 30492492A JP 3241126 B2 JP3241126 B2 JP 3241126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は細径高発泡ポリエチレン
絶縁ケーブル用発泡性樹脂組成物およびその製造方法、
ならびに該発泡性樹脂組成物を用いた細径高発泡ポリエ
チレン絶縁ケーブルおよびその製造方法に関する。本発
明における上記細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブルは
高周波伝送用ケーブル、コンピュータ用ケーブル、精密
電子機器用ケーブルまたは映像機器用ケーブル等として
利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波信号伝送に用いられている
同軸ケーブル等においては、絶縁被膜の発泡率を上げる
ことによって誘電率やtanδの低下を図り、これによ
りケーブル等の漏洩減衰率を低減させ、画像や音声の鮮
明化および中継器の数の減少を図ってきた。このような
高発泡率の絶縁電線を製造するには、化学発泡法やガス
発泡法が一般的に行われている。化学発泡法は、樹脂成
分に化学発泡剤をその分解温度以下で配合し、それを押
出機に供給し、前記化学発泡剤の分解温度以上の温度で
導体上に押出被覆し、次いでこれを大気中で発泡させた
後、冷却固化する方法である。この化学発泡法はガス発
泡法に比べ設備コストが低く、操作も簡単であるので、
ガス発泡法による場合より発泡率が低いにもかかわら
ず、一定のシェアを獲得している。上記化学発泡法にお
いては、樹脂として高圧法低密度ポリエチレン(以下、
HP−LDPEと記載する)が主に使用されてきた。こ
れは、HP−LDPEの分子内に極性基がないので誘電
率やtanδが低く同軸ケーブル用発泡絶縁体としてす
ぐれており、また、HP−LDPEの融点が代表的なも
のは107℃前後であり、融点のより高い高密度ポリエ
チレン(代表的なものが133℃前後)と比較して低温
で加工可能で、さらにHP−LDPEの溶融張力が高密
度ポリエチレンより大きいので高発泡体の製造が容易で
あるからである。近年、同軸ケーブルの特性向上が要求
されている。この特性とは上記した誘電率やtanδの
低下によるケーブルの漏洩減衰率の低減であり、このた
めには絶縁被膜の発泡度を60%以上、望ましくは70
%付近まで上昇させる必要がある。しかしながら、HP
−LDPEを用いて発泡度60%以上の高発泡体を製造
すると、発泡体細胞膜は薄くなり発泡体の機械的強度が
低下し、偏平な同軸ケーブルや、取扱い中に破損しやす
い同軸ケーブルを生ずる等の問題がある。この問題を解
決するため、機械的強度のすぐれた高密度ポリエチレン
をHP−LDPEに配合すること等が試みられている。
例えば、ガス発泡法において、高密度ポリエチレン10
0重量部と低密度ポリエチレン20〜50重量部とから
なる樹脂組成物を用いて機械的強度にすぐれた高発泡体
を製造することが、特開昭54−44787号に開示さ
れているが、この方法をそのまま化学発泡法に適用する
ことは不可能である。また、特開昭58−174423
号の特許請求の範囲には、メルトインデックスが1〜7
g/10分の低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン
との混合物が使用される場合があると記載されている
が、この発明は2種類の化学発泡剤を使用するところに
特徴があるものであり、樹脂の組合せそのものには特別
な意味がなく、その実施例においては低密度ポリエチレ
ンの場合のみが記載されており、低密度ポリエチレンと
高密度ポリエチレンとの組合せの例はなんら記載されて
いない。化学発泡法により、高密度ポリエチレンを配合
したHP−LDPEから発泡度60%以上の高発泡体を
製造するには、樹脂の溶融張力が発泡温度において十分
大きくなければならず、そのためには発泡温度が130
〜160℃の範囲に限定され、従って化学発泡剤の分解
温度も130〜160℃の範囲のものに限定される。こ
のような分解温度130〜160℃の化学発泡剤を、予
め高密度ポリエチレンを配合したHP−LDPEに均一
に分散させるには、高密度ポリエチレンの融点(代表的
なものが約133℃)以上で混練しなければならない。
しかし、この処理により化学発泡剤は分解して発泡が始
まるため、発泡性樹脂組成物の製造は不可能である。以
上記載したような理由から、高密度ポリエチレンを配合
したHP−LDPEを主体とする発泡度60%以上の高
発泡ポリエチレンを製造することは困難だった。本発明
者等は、低密度ポリエチレンに特定の高密度ポリエチレ
ンを特定量配合することにより、上記問題点を解決でき
ることを見出し、発泡度60%以上の高発泡絶縁ポリエ
チレンを化学発泡法により製造できる、高発泡絶縁ポリ
エチレン用発泡性樹脂組成物およびその製造方法として
先に出願した(特開平4−76028号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、電話、ラジオ、
テレビ、ファクシミリ、複写機、コンピュータ等の通信
機器、画像処理機器およびコンピュータ等は小型化、高
密度実装化の傾向が著しく、それに対応するために、従
来の大口径同軸ケーブル等の発泡絶縁体に比べ、かなり
細径の高発泡絶縁ケーブルが使用されるようになってき
た。従来の大口径絶縁ケーブルの製造は、例えば、上記
したような本発明者等が開発した特開平4−76028
号公報に開示されている発泡性樹脂組成物を導体に発泡
被覆することによって何ら問題なく行われていたが、こ
の発泡性樹脂組成物を薄膜として発泡被覆して細径絶縁
体とする場合、発泡度が目的とする60%以上の高発泡
とならず、解決が求められていた。従って、本発明は、
細径絶縁ケーブルの被覆に用いても、化学発泡法により
60%以上の高い発泡度が得られ、しかも該絶縁ケーブ
ルを耐熱性および機械的強度にすぐれたものとし得る、
発泡性樹脂組成物およびその製造方法ならびに該発泡性
樹脂組成物を用いた細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブ
ルおよびその製造方法の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、先の発明
である特開平4−76028号公報に開示されている発
泡性樹脂組成物を細径ケーブルの製造にそのまま用いた
場合、何故に60%以上の高発泡絶縁体が得られないか
について検討したところ、発泡絶縁体の表面が非常に荒
れており、表面付近の独立気泡体の細胞膜が破損してい
る割合が高く、発泡絶縁体の内部において化学発泡剤か
ら発生したガスが表面から大気中に逃げやすくなり、ガ
スが有効に発泡に寄与していないので、高発泡とならな
いことに想到し、発泡絶縁体の表面状態を変えるため数
多くの界面活性剤、重合体、その他の化学物質を上記発
泡性樹脂組成物に配合し、種々の実験を行ったところ、
特定の樹脂組成物に特定の発泡被覆条件を採用した場合
のみ、良好な結果が得られることを見出し、本発明を完
成させた。
【0005】すなわち本発明は、密度が0.890〜
0.925g/mlの低密度ポリエチレン100重量
部、DSC測定による融点が130℃以上の高密度ポリ
エチレン1〜110重量部および平均分子量1500〜
8000、DSC測定による融点が100℃以上160
℃未満の低分子量ポリオレフィンワックス0.3〜5重
量部からなる樹脂組成物を、135℃以上の温度で混練
して得た混練物100重量部に、分解温度範囲が130
〜160℃の低温分解性化学発泡剤0.5〜5重量部を
添加し、120℃以上130℃未満の温度で混練し予備
発泡度を5%以下にすることを特徴とする細径高発泡ポ
リエチレン絶縁ケーブル用発泡性樹脂組成物の製造方法
に関する。また、本発明は、上記方法により製造された
細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブル用発泡性樹脂組成
物に関する。さらに、本発明は、上記発泡性樹脂組成物
を樹脂温度130〜160℃の範囲で導体上に押出被覆
することを特徴とする細径高発泡ポリエチレン絶縁ケー
ブルの製造方法に関する。本発明はまた、上記方法によ
り製造された細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブルに関
する。
【0006】なお、本明細書における、細径高発泡ポリ
エチレン絶縁ケーブルの「細径」とはケーブル外径が
2.5mm以下であることを意味し、そして「高発泡」
とは発泡度が60%以上であることを意味する。
【0007】本発明において使用される密度が0.89
0〜0.925g/mlの低密度ポリエチレンは、高圧
法または気相法により製造されたものであり、非極性で
あるので電気的特性にすぐれている。特に、ラジカル重
合触媒を用いて高圧で製造されるスウェリング比が55
%以上のものが130〜160℃の通常の発泡温度にお
ける溶融張力が大きく、高発泡体になりやすいため好ま
しい。
【0008】本発明において使用される高密度ポリエチ
レンは、DSC測定による融点が130℃以上のもので
あるが、ここで「DSC測定による融点」とは、差動走
査熱量計(Differential Scanning Calorimeter) で結晶
性樹脂の融解潜熱を測定することにより決定される融点
である。また、以下の記載において、融点は全てDSC
測定による値である。このような高密度ポリエチレン
は、例えば重合触媒として酸化クロム担持触媒を使用す
るフィリップス法、有機アルミニウム化合物とハロゲン
化チタンからなる触媒を使用するチーグラー法、マグネ
シウム・チタン錯体触媒を使用する気相法等によって、
エチレンを単独重合、またはエチレンとプロピレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、4−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1
等を共重合させることによって得られる融点が130〜
137℃、密度が0.945〜0.961g/ml、メ
ルトインデックスが0.15〜20g/10分のもので
ある。
【0009】本発明において、平均分子量1500〜8
000、DSC測定による融点が100℃以上160℃
未満の低分子量ポリオレフィンワックスとは、例えばエ
チレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1、4−メチル−ペンテン−1を単独または併用
してチーグラー触媒を用いて重合したものが好ましい。
中でも、低分子量ポリエチレンワックスおよび低分子量
ポリプロピレンワックスが特に好ましい。平均分子量が
1500未満であると、発泡絶縁体の表面に移行し、電
気特性に悪影響を与えることがあり、8000を越える
と発泡度が60%以上にならず望ましくない。また、融
点が100℃未満であると絶縁ケーブルの耐熱性が不十
分で、160℃以上であると発泡体の表面が荒れ、発泡
度60%以上の高発泡体が製造できず望ましくない。
【0010】本発明において用いられる化学発泡剤は、
分解温度範囲が130〜160℃の低温分解性化学発泡
剤である。分解温度が130℃未満であると、120℃
以上130℃未満で行う予備発泡体の製造時に分解して
しまい発泡性樹脂組成物が製造できず、また、後記する
ように該樹脂組成物による導体の被覆を160℃以下で
行わなければならないので、化学発泡剤の分解温度が1
60℃を越えるものであると、化学発泡剤が分解せず望
ましくない。本発明の好ましい低温分解性化学発泡剤と
しては、p,p’−オキシ−ビス−ベンゼンスルホニル
ヒドラジド(以下、OBSHと記載する)、およびこれ
と発泡助剤で処理されたアゾジカルボンアミド(以下、
ADCAと記載する)との混合比率1:1〜2:1の化
学発泡剤混合物を挙げることができるが、上記分解温度
範囲内であり、樹脂組成物を発泡度60%以上とするも
のであれば、これらに限定されない。
【0011】本発明においては、まず低密度ポリエチレ
ン100重量部に高密度ポリエチレン1〜110重量部
および低分子量ポリオレフィンワックス0.3〜5重量
部を添加し、135℃以上の高められた温度で均一に混
練し、混練物を得る。この混練物は融点が121〜12
8℃となっており、化学発泡剤の分解温度130〜16
0℃より低い温度で、上記混練物と化学発泡剤とを予備
発泡度が5%以下となるように混練することを可能とす
る。低密度ポリエチレン100重量部に対する高密度ポ
リエチレンの配合量が1重量部未満であると、発泡性樹
脂組成物から製造された発泡体の機械的強度、特に硬度
が不足して望ましくなく、逆に110重量部を越えると
発泡性樹脂組成物の発泡温度(130〜160℃)にお
ける溶融張力が不足し、発泡度60%以上の均一な高発
泡体が得られず、さらに低密度ポリエチレンと高密度ポ
リエチレンと低分子量ポリオレフィンワックスとの混練
物の融点が128℃以下に低下せず、この混練物と上記
化学発泡剤とを120℃以上130℃未満の温度で混練
することが不可能となり望ましくない。低分子量ポリオ
レフィンワックスの配合量が0.3重量部未満であると
60%以上の高発泡絶縁体が得られず、5重量部を越え
ると製造されたケーブルの機械的強度、耐熱性が低下し
望ましくない。
【0012】また、化学発泡剤を混練樹脂組成物に配合
する工程で、1分半減期を得るための分解温度が該化学
発泡剤の分解温度とほぼ同等の有機過酸化物を分解しな
いように配合する場合は、スウェリング比が55%未満
の低密度ポリエチレンを使用しても、本発明の目的は達
成される。
【0013】本発明においては、化学発泡剤は、樹脂混
練物100重量部に対して0.5〜5重量部配合する。
本発明における化学発泡剤は他のポリエチレン用の化学
発泡剤に比べて分解温度が低いため、本発明の発泡性樹
脂組成物の適正な発泡温度範囲である130〜160℃
において十分に分解し、ガス(例えば窒素ガス)を発生
し発泡させることができるものである。化学発泡剤の配
合量が樹脂混練物に対して0.5重量%未満であると発
泡性樹脂組成物から高発泡度の発泡体が得られず、5重
量部を越えると発泡体の電気特性が悪くなり、望ましく
ない。本発明における化学発泡剤を樹脂混練物に添加し
混練する温度は120℃以上130℃未満であるが、こ
れは120℃未満であると均一に発泡剤が分散されず発
泡性樹脂組成物から発泡体の製造の際の発泡が不均一と
なり、また130℃以上であると発泡剤の分解が相当起
こり、過発泡現象がみられ望ましくないことによる。ま
た、本発明において使用される化学発泡剤として好まし
くは上記したように、OBSHまたはOBSHと発泡助
剤で処理したADCAとの混合比率1:1〜2:1の混
合物である。なお、発泡助剤としては、サリチル酸、ス
テアリン酸、フタル酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシ
ウム、エチレングリコール、グリセリン、エタノールア
ミン、尿素、尿素誘導体、メラミン、二塩基性亜リン酸
鉛、三塩基性硫酸鉛、酸化亜鉛等から選択されるもので
あり、ADCA1重量部に対して上記発泡助剤0.00
03〜0.6重量部をVブレンダー、リボンミキサー、
ヘンシェルミキサー、タンブラー等の混合機で20〜1
20℃、望ましくは30〜80℃で混合処理することに
より化学発泡剤混合物とされる。
【0014】本発明の細径高発泡ポリエチレン絶縁ケー
ブルの製造は、まず上記発泡性樹脂組成物を押出機に供
給し、次いで樹脂温度130〜160℃で導体上に押出
被覆することにより行われる。130℃未満であると樹
脂組成物の一部が溶融しておらず、押出被覆ができず、
また、160℃を越えると樹脂組成物の溶融張力が低す
ぎ60%以上の高発泡体が得られない。
【0015】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1 メルトインデックス2.0g/10分、密度0.917
g/ml、スウェリング比60%のHP−LDPE10
0重量部に対して、メルトインデックス3.0g/10
分、密度0.960g/ml、スウェリング比45%、
融点135℃の高密度ポリエチレン30重量部、平均分
子量2800、融点116℃のポリエチレンワックス1
重量部および酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトルエン
0.2重量部を配合し、バンバリーミキサー内140℃
で10分間混練して融点124℃の混練物を得た。この
混練物100重量部にOBSH1.3重量部を添加し、
バンバリーミキサー内127℃で10分間混練し、予備
発泡度4%のシートを製造し、これをシートカッターで
切断し、厚さ3mm、長さ5mm、幅4mmのペレット
とした。次に、50mmφの押出機(L/D=24)に
前記ペレットを供給し、供給領域のシリンダ温度を13
0℃、圧縮領域のシリンダ温度を140℃、計量領域の
シリンダ温度を147℃とし、50℃に予熱した0.3
8mmφの銅芯線(φ0.127×7ヨリ)上に線巻取
り速度300m/分で押出被覆し、外径0.7mmの発
泡絶縁同軸ケーブルを得た。このようにして得られた発
泡体は、発泡度63.0%、気泡径50〜100μを有
していた。
【0016】比較例1 実施例1の樹脂組成物において、ポリエチレンワックス
を配合しない樹脂組成物を準備し、これを用いて実施例
1と同様な実験を行ったところ、得られた発泡体は発泡
度が42.1%であった。
【0017】実施例2 メルトインデックス3.0g/10分、密度0.918
g/ml、スウェリング比63%のHP−LDPE10
0重量部に対して、メルトインデックス5.0g/10
分、密度0.950g/ml、スウェリング比50%、
融点131℃の高密度エチレン−ブテン−1共重合体1
00重量部、平均分子量4500、融点150℃のポリ
プロピレンワックス0.7重量部および酸化防止剤ブチ
ル化ヒドロキシトルエン0.2重量部を配合し、バンバ
リーミキサー内136℃で10分間混練して融点126
℃の混練物を得た。この混練物100重量部にOBSH
4重量部を添加し、バンバリーミキサー内129℃で1
0分間混練し、予備発泡度5%のシートを製造し、これ
をシートカッターで切断し、厚さ3mm、長さ5mm、
幅4mmのペレットとした。次に、50mmφの押出機
(L/D=24)に前記ペレットを供給し、供給領域の
シリンダ温度を135℃、圧縮領域のシリンダ温度を1
42℃、計量領域のシリンダ温度を149℃とし、50
℃に予熱した0.38mmφの銅芯線(φ0.127×
7ヨリ)上に線巻取り速度300m/分で押出被覆し、
外径0.7mmの発泡絶縁同軸ケーブルを得た。このよ
うにして得られた発泡体は、発泡度63.6%、気泡径
50〜100μを有していた。
【0018】比較例2 実施例2の樹脂組成物において、ポリプロピレンワック
スを配合しない樹脂組成物を準備し、これを用いて実施
例2と同様な実験を行ったところ、得られた発泡体は発
泡度が38.7%であった。
【0019】実施例3 メルトインデックス2.0g/10分、密度0.920
g/ml、スウェリング比54%のHP−LDPE10
0重量部に対して、メルトインデックス7.0g/10
分、密度0.959g/ml、スウェリング比53%、
融点133℃の高密度ポリエチレン50重量部、平均分
子量7000、融点123℃の低分子量ポリエチレンワ
ックス4重量部および酸化防止剤ブチル化ヒドロキシト
ルエン0.2重量部を配合し、バンバリーミキサー内1
40℃で10分間混練して融点124℃の混練物を得
た。この混練物100重量部にOBSH3.5重量部お
よび1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン(1分半減期温度148
℃)200ppmを添加し、バンバリーミキサー内12
8℃で10分間混練し、予備発泡度4.5%のシートを
製造し、これをシートカッターで切断し、厚さ3mm、
長さ5mm、幅4mmのペレットとした。次に、50m
mφの押出機(L/D=24)に前記ペレットを供給
し、供給領域のシリンダ温度を135℃、圧縮領域のシ
リンダ温度を140℃、計量領域のシリンダ温度を14
8℃とし、50℃に予熱した0.38mmφの銅芯線
(φ0.127×7ヨリ)上に線巻取り速度20m/分
で押出被覆し、外径0.7mmの発泡絶縁同軸ケーブル
を得た。このようにして得られた発泡体は、発泡度6
3.5%、気泡径50〜100μを有していた。
【0020】実施例4 メルトインデックス3.0g/10分、密度0.918
g/ml、スウェリング比60%のHP−LDPE10
0重量部に対して、メルトインデックス3.5g/10
分、密度0.960g/ml、スウェリング比48%、
融点135℃の高密度ポリエチレン20重量部、平均分
子量2000、融点158℃のポリプロピレンワックス
4.5重量部および酸化防止剤ブチル化ヒドロキシトル
エン0.2重量部を配合し、バンバリーミキサー内14
5℃で10分間混練して融点126℃の混練物を得た。
この混練物100重量部にOBSH3重量部、尿素0.
5重量部で処理されたADCA2重量部および1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン(1分半
減期温度153℃)300ppmを添加し、バンバリー
ミキサー内129℃で10分間混練し、予備発泡度4.
9%のシートを製造し、これをシートカッターで切断
し、厚さ3mm、長さ5mm、幅4mmのペレットとし
た。次に、50mmφの押出機(L/D=24)に前記
ペレットを供給し、供給領域のシリンダ温度を135
℃、圧縮領域のシリンダ温度を142℃、計量領域のシ
リンダ温度を155℃とし、50℃に予熱した0.38
mmφの銅芯線(φ0.127×7ヨリ)上に線巻取り
速度20m/分で押出被覆し、外径0.7mmの発泡絶
縁同軸ケーブルを得た。このようにして得られた発泡体
は、発泡度61.7%、気泡径40〜80μを有してい
た。
【0021】比較例3 実施例1の樹脂組成物において平均分子量2800、融
点116℃のポリエチレンワックスに代えて平均分子量
1200、融点104℃のポリエチレンワックスを使用
した以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、得ら
れた同軸ケーブルの電気特性が悪かった。
【0022】比較例4 実施例1の樹脂組成物において平均分子量2800、融
点116℃のポリエチレンワックスに代えて平均分子量
9000、融点157℃のポリエチレンワックスを使用
した以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、得ら
れた同軸ケーブルの発泡度が58.9%であり、60%
の高発泡度まで達しなかった。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
外径2.5mm以下、特に1.0mm以下の細径絶縁ケ
ーブルの被覆に用いても、化学発泡法により60%以上
の高い発泡度が得られる、低密度および高密度ポリエチ
レン配合の発泡性樹脂組成物の提供を初めて可能にした
ものである。また、本発明の上記発泡性樹脂組成物を導
体に押出被覆して製造される細径高発泡ポリエチレン絶
縁ケーブルは、耐熱性および機械的強度が高く、しかも
誘電特性等の電気特性にすぐれたものであるので、通信
機器、画像処理機器およびコンピュータ等の小型化、高
密度実装化に大きく寄与する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:04 C08L 23:04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/06 H01B 3/44 H01B 7/02 C08L 23/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.890〜0.925g/ml
    の低密度ポリエチレン100重量部、DSC測定による
    融点が130℃以上の高密度ポリエチレン1〜110重
    量部および平均分子量1500〜8000、DSC測定
    による融点が100℃以上160℃未満の低分子量ポリ
    オレフィンワックス0.3〜5重量部からなる樹脂組成
    物を、135℃以上の温度で混練して得た混練物100
    重量部に、分解温度範囲が130〜160℃の低温分解
    性化学発泡剤0.5〜5重量部を添加し、120℃以上
    130℃未満の温度で混練し予備発泡度を5%以下にす
    ることを特徴とする細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブ
    ル用発泡性樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 低分子量ポリオレフィンワックスが低分
    子量ポリエチレンワックスまたは低分子量ポリプロピレ
    ンワックスである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 低温分解性化学発泡剤がp,p’−オキ
    シ−ビス−ベンゼンスルホニルヒドラジドであるか、ま
    たはこれと発泡助剤で処理されたアゾジカルボンアミド
    との混合比率1:1〜2:1の化学発泡剤混合物である
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の方法により製造された細径高発泡ポリエチレン絶縁ケ
    ーブル用発泡性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発泡性樹脂組成物を樹脂
    温度130〜160℃の範囲で導体上に押出被覆するこ
    とを特徴とする細径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブルの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法により製造された細
    径高発泡ポリエチレン絶縁ケーブル。
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