JP3092773B2 - 発泡性有機高分子組成物および発泡体の製造方法 - Google Patents

発泡性有機高分子組成物および発泡体の製造方法

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JP3092773B2 JP06019686A JP1968694A JP3092773B2 JP 3092773 B2 JP3092773 B2 JP 3092773B2 JP 06019686 A JP06019686 A JP 06019686A JP 1968694 A JP1968694 A JP 1968694A JP 3092773 B2 JP3092773 B2 JP 3092773B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一、微細でかつ例え
ば75%以上の高度の発泡性を有し、特に同軸ケーブル
の絶縁層等に好適に使用し得る発泡性有機高分子組成
物、およびそれを用いた発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】高発泡度を有する発泡体を得るため従来
は、発泡剤として各種のフロンガスを使用していたが、
それはオゾン層の破壊を引き起こすという理由から、環
境保護上その使用が規制される方向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、フロンガスに代
わる発泡剤が種々検討されているが、これらはいずれも
均一に発泡した高発泡体が得難いという問題がある。従
って、フロンガスを用いることなく高発泡度で、均一か
つ微細な発泡構造を有する発泡体が得られ、しかもオゾ
ン層の破壊という環境問題も引き起こさない発泡体の製
造方法、あるいはこのような発泡体を提供しうる発泡性
組成物が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機高分子
(A−1)および化学発泡剤(A−2)を含む50%以
上発泡用コンパウンド(A)と、物理発泡剤として希ガ
スおよび炭酸ガスから選ばれる少なくとも一種(B)を
含有する発泡性有機高分子組成物、およびこれを使用し
て高発泡度の発泡体を得る発泡体の製造方法に関する。
【0005】本発明で用いられる物理発泡剤(B)は、
ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンお
よびラドンの希ガス、および炭酸ガスから選ばれる少な
くとも1種である。なかでもアルゴンは、より高い発泡
度を持ちかつより均一な発泡体が得られる点、フロンガ
スのようにオゾン層を破壊するものではない点、極めて
安定であり化学的な反応を示さない点、爆発等の危険性
もない点等から特に好ましい。なお、発泡度は比重法で
測定したもので、次式で定義されるものである。
【0006】
【数1】
【0007】(式中、ρ0 は発泡前の樹脂の密度、ρは
発泡体の密度を示す。)
【0008】(B)成分として希ガスおよび炭酸ガスの
混合物を用いる場合、その成分比(体積比)は、30:
70〜70:30(希ガス:炭酸ガス)が好ましく、4
0:60〜60:40がさらに好ましい。希ガスおよび
/または炭酸ガスには、少量、好ましくは希ガスおよび
/または炭酸ガスに対し、30容量%以下の窒素を併用
してもよい。
【0009】(B)成分の純度は、99.9%以上が好
ましく、さらに好ましくは99.99%以上である。
【0010】本発明で使用される50%以上発泡用コン
パウンド(A)とは、発泡させるべき有機高分子(A−
1)および多量の化学発泡剤(A−2)を含む混合物
で、物理発泡剤を使用しなくても含有されている化学発
泡剤の作用によって、周知の押出発泡条件でそのコンパ
ウンドを発泡させた時に50%以上の発泡度をもつ発泡
体が得られるものである。本発明では、同じ定義で、6
0%以上発泡用コンパウンド、特に70%以上発泡用コ
ンパウンドが好ましい。
【0011】(A)成分に使用される有機高分子(A−
1)としては、オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタンエラストマー、
フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂が対象となる。なかでもオ
レフィン系樹脂が好ましく、特にポリエチレンが好まし
い。これらは単独、あるいは混合物として用いられる。
【0012】ポリエチレンとしては、超低密度ポリエチ
レン(V−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDP
E)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、これらの混合物等、いかなるものでも使用可能で
ある。特に、HDPE単独、LDPE単独、HDPEと
LDPEの混合物は非常に好ましい。
【0013】ここでLDPEとは密度が0.89〜0.
935、就中、0.91〜0.926の範囲のものをい
い、HDPEとは密度が0.94〜0.96の範囲のも
のをいう。
【0014】上記オレフィン系樹脂の好適なメルトフロ
ーレイト(以下MFRと略す)の範囲は、例えばポリエ
チレンの場合は0.1〜5g/10分、好ましくは0.
5〜3.0g/10分、ポリプロピレンの場合は0.1
〜10g/10分、好ましくは0.3〜5.0g/10
分、プロピレン・エチレン共重合体の場合は0.1〜1
0g/10分、好ましくは0.3〜5.0g/10分で
ある。本発明においてMFRはJIS K7210に準
拠して測定した値である。測定条件は、ポリエチレンの
場合は荷重2.16kg、温度190℃、ポリプロピレン
あるいはプロピレン・エチレン共重合体の場合は荷重
2.16kg、温度230℃である。
【0015】(A−1)成分のスウェリング比(膨潤
度)は、30〜80%程度が好ましく、より好ましくは
45〜80%、特に好ましくは50〜70%である。こ
こでスウェリング比とは、特公昭61−11412号公
報(第3、4欄、第1〜20行の記載)等において定義
された値であり、同公報に示された条件にて測定される
ものである。
【0016】オレフィン系樹脂の分子量分布は、シャー
プなものより広がりのあるものが、溶融張力が大きく
て、このため均一、高発泡体を得易い傾向にあるため好
ましい。
【0017】HDPE・LDPE混合物の好適なMFR
の範囲は0.1〜5.0g/10分、好ましくは0.5
〜3.0g/10分である。
【0018】(A)成分のもう一つの構成成分である化
学発泡剤(A−2)としては、有機発泡剤や無機分解性
化合物等のような、熱等により自ら分解してガスを発生
するものが使用される。化学発泡剤(A−2)は、使用
する樹脂の溶融温度、溶融粘度等に応じて、公知の発泡
剤の中から適宜選ばれ、単独あるいは混合物として用い
られる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N,N’−
ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p−
トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、4,4'- オキ
シビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、重
炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が使用できる。なかで
もポリエチレンを使用する場合、OBSH、ADCA又
はこれらの混合物は特に高い発泡度が得られるという点
から好ましい。
【0019】(A)成分中の(A−1)成分と(A−
2)成分の含有量は使用する有機高分子あるいは化学発
泡剤の種類によって異なり一概に言えない。一般的に
は、50%以上発泡用コンパウンドで、(A−2)成分
の量は、(A−1)成分に対し1.5〜20.0重量
%、好ましくは1.6〜18.0重量%である。具体的
には、(A−1)成分に対する(A−2)成分の量は、
発泡度が50%以上60%未満の発泡用コンパウンドで
あれば、1.5〜10.0重量%、好ましくは1.6〜
5.0重量%、発泡度が60%以上70%未満の発泡用
コンパウンドであれば、1.6〜15.0重量%、好ま
しくは1.8〜10.0重量%であり、70%以上発泡
用コンパウンドであれば、(A−1)成分に対し1.9
〜20.0重量%、好ましくは2.0〜18.0重量%
である。
【0020】(A)成分の具体例は、70%発泡用コン
パウンドとして、日本ユニカー(株)製のWN866、
60%発泡用コンパウンドとして、宇部興産(株)製の
UBEC−481、UBEC−485、50%発泡用コ
ンパウンドとして、日本ユニカー(株)製のDFDJ−
4960等が挙げられる。
【0021】上記の(A)成分に、(B)成分を注入
し、発泡させることによって、発泡度75%以上という
高発泡度をもち、かつ発泡構造が均一で緻密な発泡体を
得ることができる。
【0022】本発明によれば、(A)成分に非発泡性の
有機高分子(C)を加え、該混合物に(B)成分を添加
すると、得られる発泡体は高発泡度かつ表面の平滑性が
増し、硬度も上昇する。従って耐座屈性がさらに向上し
耐熱性も改善された発泡体を得ることができる。
【0023】(C)成分としては、オレフィン系樹脂、
ポリスチレン、塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン
エラストマー、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げら
れ、(A−1)成分と同種、あるいは異種のものが用い
られる。なかでも(A−1)成分として使用した有機高
分子と同種類のものを用いると好ましい結果を得ること
ができる。即ち(A−1)成分がポリエチレンの場合、
(C)成分もポリエチレンが良い。なお、(A−1)、
(C)成分ともにポリエチレンを用いる場合、(A−
1)としてLDPEを用いるときは(C)としてHDP
Eを、(A−1)としてHDPEを用いるときは(C)
としてLDPEを、さらに(A−1)および(C)とし
てともにHDPEあるいはLDPEを用いる場合は、密
度に差があるものを用いると良い。特に(A−1)は
(C)より密度の低いものを用いるのが良い。
【0024】(A)成分と(C)成分の配合割合は、使
用する樹脂や発泡剤の種類や目的とする発泡度によって
変化し、一概には決められないが、(A)成分:(C)
成分が重量比で、普通100:10〜10:100、好
ましくは100:15〜15:100、さらに好ましく
は100:20〜20:100である。
【0025】(C)成分を混合する場合、(A−1)成
分と(C)成分の混合物のスウェリング比が、好ましく
は30〜80%、より好ましくは45〜80%、特に好
ましくは50〜70%のものを用いるのがよい。
【0026】本発明において特に好ましい発泡性組成物
としては、LDPE(A−1)と化学発泡剤(A−
2)からなる50%以上発泡用コンパウンド(A)とH
DPE(C)に物理発泡剤(B)の組み合わせであって
(A)と(C)の配合比(重量比)が20:80〜8
0:20、好ましくは30:70〜70:30のもの、
HDPE(A−1)と化学発泡剤(A−2)からなる
50%以上発泡用コンパウンド(A)とLDPE(C)
に物理発泡剤(B)の組み合わせであって(A)と
(C)の配合比(重量比)が20:80〜80:20、
好ましくは30:70〜70:30のもの等が挙げられ
る。
【0027】本発明の発泡性組成物には、さらに成核剤
を含有させてもよい。成核剤としては、酸化ケイ素、チ
ッ化ホウ素(BN)等の無機粒子及び/又は一般的に成
核剤の役割も果たすと考えられている化学発泡剤が挙げ
られる。成核剤の使用量は、組成物中の有機高分子10
0重量部に対し0.1〜10重量部、特に0.2〜5重
量部、更には0.3〜3重量部が好ましい。
【0028】通常成核剤は、予め(押出成形機に供給す
る前)(A)成分、あるいはこれと(C)成分と混合し
た状態で用いられるのがよい。
【0029】(B)成分の添加量は、その種類や使用す
る(A)成分、(C)成分によって異なり一概に決まら
ないが、一般的には、組成物中の有機高分子100重量
部に対し0.005〜2重量部、好ましくは0.1〜
0.5重量部である。
【0030】本発明の発泡性組成物には、必要に応じ
て、銅害防止剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を適宜
配合してもよい。
【0031】本発明の発泡方法によれば、特に発泡押出
成形が好ましい態様で、そのなかでも発泡性組成物を導
体上に発泡押出成形し、導体上に発泡絶縁層を形成して
通信用同軸ケーブルを製造する方法は特に好ましい態様
である。
【0032】すなわち、導体上に絶縁層を形成すべく該
発泡性組成物を押出成形方式で導体上に供給し、成形と
同時に発泡構造の絶縁層を形成することができる。例え
ば、(A)成分、あるいはこれと(C)成分の混合物を
押出機に供給し、かつ別途に形成された発泡剤注入孔よ
り(B)成分を押出機のバレル内に圧入し、バレル内で
両者を混合して発泡性組成物とし、これを導体上に発泡
押出成形し、発泡絶縁層を有する絶縁導体を形成する。
形成された発泡絶縁層は、さらに架橋処理や後発泡処理
等の後続処理を施してもよい。なお、上記発泡体製造に
おいて、(A)成分として、(A−1)成分に予め(A
−2)成分を配合したものを用いるほか、発泡体製造の
過程で(A−1)に(A−2)を、(B)の注入の前ま
たは後に、あるいは同時に加えるようにしてもよい。
【0033】
【実施例】図1に本発明の発泡押出成形法の一実施態様
として高発泡絶縁ケーブルの製造ライン図を示す。
【0034】第1押出機4に供給されている(A)成
分、あるいはこれと(C)成分、さらに必要に応じて加
えられる成核剤の混合物は、押出機4内で溶融される。
そこへ(B)成分が、ポンプ3を通じて押出機4内に圧
入され、上記溶融物と充分に混合される。
【0035】第1押出機4内の温度および圧力は使用す
る樹脂や発泡剤によって変化し、一概には決められない
が、通常、140〜240℃、80〜120気圧、好ま
しくは150〜230℃、50〜150気圧である。具
体的には例えば、HDPEとLDPEとを使用する場
合、180〜210℃、50〜150気圧に調整するの
が好ましい。また、ポリエチレンに化学発泡剤としてO
BSHを含む(A)を使用する場合は150〜170
℃、100〜150気圧に、また、ポリエチレンにAD
CAを含む(A)を使用する場合は200〜230℃、
100〜150気圧に調整するのが好ましい。
【0036】(B)成分を圧入するときの圧力も、前記
同様、一概には決められないが、普通100〜200気
圧、好ましくは150気圧前後に調整する。
【0037】第1押出機4内で(A)あるいはこれと
(C)の混合物、(B)等が充分混合された発泡性組成
物は、第2押出機5に移動する。ダイ6より押出された
組成物が、発泡直後に隣接する泡が合体して粗大化しな
いように、発泡性組成物の温度をダイ6の直前で有機高
分子の溶融温度より少しだけ高い温度になるように温度
調節するのが好ましい。例えばHDPEとLDPEとを
使用した場合、130〜140℃に調整するのが好まし
い。また押出機5内の圧力は30〜50気圧に調整する
のが好ましい。
【0038】導線供給部1から供給される導線は、予備
加熱器2で予備加熱され、押出機に供給されるのが好ま
しい。一方、第2押出機5内の発泡性組成物はダイ6を
通して放出されると同時に、ダイ6の軸芯部を通過して
送り込まれた導線の周囲に送り込まれることになり、導
線に圧着されると同時に発泡する。
【0039】図2は、図1のダイ6の吐出口とサイジン
グダイ7付近の説明図である。(B)としてアルゴンを
使用した場合、発泡性組成物はダイ6を出た後すぐに発
泡し、さらに発泡後そのままにしておくとしぼんでしま
う。従って発泡しすぎることを防ぎ、発泡層を一定の厚
さに保つため、ダイ6の吐出口にできるだけ近い場所に
サイジングダイ7を設けるのがよい。導線が電線の場
合、ダイ6の出口からサイジングダイ7までの距離mは
0.5〜10cm程度、特に1〜5cm程度が好まし
い。mが0.5cm未満の場合、発泡体の表面に粗れが
生じる。また10cmを越える場合は、発泡体がしぼ
み、十分な発泡度が得られない傾向がある。ダイ6から
出た発泡層の表面に、サイジングダイ7に入る前に、空
気を軽く吹きつけかたまらせてもよい。そうした場合、
得られた発泡層10は平滑な表面を有しかつ目標の高発
泡体が得易い。サイジングダイ7は普通、ステンレス製
パイプで、冷却されている必要はない。なお、サイジン
グダイ7を通過させるかわりに、組成物吐出直後、発泡
層に空気を吹きつけかたまらせた後、冷却させてもよ
い。
【0040】サイジングダイ7を出た、発泡層10で被
覆された導線11は、図3に示すように、適当な間隔を
おいて、例えば水、冷ガス等で冷却される。サイジング
ダイ7の出口と冷却器の間隔は、電線被覆の場合普通、
1〜3mである。
【0041】上記発泡層10は、導線11上に直接形成
されていてもよいが、発泡層10と導線11との密着性
を改良するために、導線11のまわりにあらかじめ、非
発泡の有機高分子の薄い被膜を造り、その上に発泡層を
形成させてもよい。
【0042】なお、本発明はこれまで説明した50%以
上発泡用コンパウンドを全く用いなくても、特定の成核
剤と物理発泡剤とを非発泡性有機高分子に添加すること
によっても、例えば75%以上の高度の発泡性を有し、
しかも電気特性が一層優れた発泡体を得ることができ
る。得られた発泡体は、同軸ケーブル、特に高周波で用
いられる同軸ケーブルの絶縁体として好適である。以下
は、このような発泡体を製造する方法の説明である。
【0043】成核剤としては、tanδ増加量が0.3
×10-4以下、好ましくは0.2×10-4以下の有機微
粉体及び/又は無機微粉体であって、平均粒径が例えば
50μm以下、好ましくは0.1〜20μm、特に好ま
しくは0.1〜10μmのものが用いられる。
【0044】上記tanδ増加量は、以下に述べる方法
により測定される値である。温度20℃、周波数1.0
GHzにおける誘電損角δの正接、すなわちtanδが
1.0×10-4から2.0×10-4のポリエチレン10
0重量部あたり被検成核剤2重量部を混合し、均一混合
物を得る。この混合物を導体上に押出被覆して、非発泡
の絶縁層を形成し、その上に外部導体を形成して、導体
外径1mm、絶縁層厚5mmのテスト同軸ケーブルを得
る。一方、被検成核剤の混合されていない点を除けば全
て上記と同寸法、同構造のコントロール同軸ケーブルを
得る。両ケーブルにつき、上記と同じ温度並びに周波数
にて各ケーブルの電送損失を測定し、その値から周知の
計算方法、即ち例えば、三菱電線工業株式会社発行、三
菱電線工業株式会社特許管理部編、電線要覧、第101
2頁に示される式を用いて求める。
【0045】次いで次式からtanδ増加量を算出す
る。
【0046】tanδ増加量=(テスト同軸ケーブルの
tanδ)−(コントロール同軸ケーブルのtanδ)
【0047】上記の条件を満足する成核剤として、例え
ばBN、ZrO2 、MgO等が挙げられる。就中、BN
が好ましい。
【0048】物理発泡剤及び非発泡性の有機高分子とし
ては、それぞれ前記した物理発泡剤(B)、有機高分子
(A−1)が用いられ、それぞれについての前記した説
明(一般的な説明、好ましい態様、使用量の説明等)が
ここでもあてはまる。また、発泡体の製造方法等につい
ても前記した説明がここでもあてはまる。
【0049】50%以上発泡用コンパウンドを用いない
場合における成核剤の使用量は、非発泡性の有機高分子
100重量部に対し0.3〜10重量部、特に好ましく
は0.8〜5重量部、さらに好ましくは0.9〜1.5
重量部である。
【0050】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0051】実施例1 発泡絶縁ケーブルの製造ラインを用いて、低密度ポリエ
チレン(密度:0.925g/cm3 )と化学発泡剤と
してOBSHを含む50%発泡用コンパウンドであるD
FDJ−4960〔日本ユニカー(株)製〕と高密度ポ
リエチレン(密度:0.946g/cm3 )を50:5
0(重量比)で溶融混合し(ポリエチレン混合物のスウ
ェリング比:54)、これに物理発泡剤としてアルゴン
をポリエチレン100重量部に対し0.2重量部圧入し
た。これを下記押出条件で銅線(9.6mm)上に押出
発泡した。 第1押出機(65mm)の内部温度:160〜170℃ 第2押出機(90mm)の内部温度:150〜135℃ ダイを出た発泡層が設けられた銅線は、発泡層の表面を
固めるために、冷却エアーが吹きつけられ、その後冷却
水槽を通り、巻き取られた。得られた発泡絶縁ケーブル
の外径は22mmであった。
【0052】実施例2 (A)成分として50%発泡用コンパウンドの代わり
に、低密度ポリエチレン(密度:0.923g/c
3 )の70%発泡用コンパウンドであるWN−866
(日本ユニカー製)を使用した以外は実施例1と同様に
して、発泡絶縁ケーブルを製造した。
【0053】実施例3 物理発泡剤(B)として、アルゴンと炭酸ガスの50:
50(体積比)混合物を用いた以外は実施例2と同様に
して、発泡絶縁ケーブルを製造した。
【0054】比較例1 50%発泡用コンパウンドの代わりに化学発泡剤を含ま
ない低密度ポリエチレン(密度:0.925g/c
3 )、および成核剤として酸化ケイ素を樹脂100重
量部に対し0.5重量部を使用した以外は実施例1と同
様にして、発泡絶縁ケーブルを製造した。
【0055】実施例1〜3及び比較例1でえられた発泡
絶縁ケーブルに関し、発泡層の発泡度、セルの平均径お
よび発泡絶縁ケーブルのVSWR特性、座屈発生の曲げ
径、減衰量を測定した。なお、座屈発生の曲げ径とは、
得られた発泡絶縁ケーブル(外径:22mm)をマンド
リルに巻きつけ、初めて座屈が生じたときのマンドリル
の径を示す。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】また、実施例1で用いた50%発泡用コン
パウンドであるDFDJ−4960及び実施例2、3で
用いた70%発泡用コンパウンドであるWN−866の
発泡度を、以下のようにして測定した。即ち、L/Dが
20の押出機を用い、シリンダー温度:165℃、ダイ
ス近傍の温度:130℃、スクリューの回転数:20r
pm、スクリュー形状:通常のフルフライトスクリュー
の押出条件下で、物理発泡剤等を用いず、DFDJ−4
960単独、あるいはWN−866単独を発泡押出成形
した。発泡度は、DFDJ−4960が50.2%、W
N−866が70.3%であった。
【0058】実施例4〜12、比較例2 DFDJ−4960と高密度ポリエチレン(密度:0.
943g/cm3 )を表2に示す配合比(重量比)で使
用した以外は実施例1に準じて発泡絶縁ケーブルを製造
した。なお、比較例2の場合には、成核剤として酸化ケ
イ素を樹脂100重量部に対して0.5重量部を使用し
た。得られた発泡層の発泡度、外観、セル平均径を調べ
た。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例13〜21 実施例1と同じ発泡絶縁ケーブルの製造ラインを用い、
かつ同じ条件で、同構造の発泡絶縁ケーブルを得た。た
だし、被発泡ポリエチレンとして、低密度ポリエチレン
(密度:0.925g/cm2 )と高密度ポリエチレン
(密度:0.943g/cm2 )とを表3に示す割合で
使用し、また成核剤として用いたBNはマスターバッチ
の形態として上記ポリエチレンと一緒に押出機のホッパ
ーに投入した。得られた各ケーブルの発泡層の発泡度、
外観、セル平均径を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、50%以上発泡用コン
パウンド(A)あるいはこれと非発泡性有機高分子
(C)の混合物を用いて、物理発泡剤(B)として希ガ
スおよび/または炭酸ガスを用いることにより、オゾン
層の破壊等の問題なしに発泡度75%以上という、フロ
ンガスを使用したときと同じくらいの超高発泡度をも
ち、かつ均一、微細な発泡構造をもつ発泡体を得ること
ができる。特に高度の絶縁特性が要求され、またその布
設時にかなりの過酷な条件下におかれることのある発泡
絶縁電線等の絶縁導体の発泡層に適用した場合、座屈等
が生じない好適な絶縁導体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡押出成形法の一実施態様を示す図
である。
【図2】図1のダイの吐出口とサイジングダイ付近の説
明図である。
【図3】図1のサイジングダイと冷却装置付近の説明図
である。
【符号の説明】 1 導線供給部 2 予備加熱器 3 ポンプ 4 第一押出機 5 第二押出機 6 ダイ 7 サイジングダイ 8 冷却器 9 導線引取部 10 発泡層 11 導線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 拓真 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱 電線工業株式会社内 (72)発明者 和田 睦 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱 電線工業株式会社内 (72)発明者 菅 兼春 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電 線工業株式会社伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−168634(JP,A) 特開 昭56−152847(JP,A) 特開 平4−363227(JP,A) 特開 平3−195746(JP,A) 特公 昭49−22547(JP,B1) 特公 昭61−11412(JP,B2) 特公 昭43−13375(JP,B1) 国際公開91/15358(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/44 C08J 9/00 - 9/42 H01B 11/18 H01B 13/14 C08L 1/00 - 101/16

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエ
    チレンから選ばれる少なくとも1種(A−1)および
    (A−1)に対して1.5重量%以上の化学発泡剤(A
    −2)を含む50%以上発泡用コンパウンド(A)
    対して、物理発泡剤として希ガスおよび炭酸ガスから選
    ばれる少なくとも一種(B)を含有させてなる発泡度が
    75%以上の絶縁層をもつ同軸ケーブル用発泡性有機高
    分子組成物。
  2. 【請求項2】 さらに非発泡性有機高分子(C)を含む
    請求項1記載の同軸ケーブル用発泡性有機高分子組成
    物。
  3. 【請求項3】 非発泡性有機高分子(C)がオレフィン
    系樹脂である請求項2記載の同軸ケーブル用発泡性有機
    高分子組成物。
  4. 【請求項4】 上記オレフィン系樹脂がポリエチレンで
    ある請求項3記載の同軸ケーブル用発泡性有機高分子
    成物。
  5. 【請求項5】 上記ポリエチレンが高密度ポリエチレン
    および低密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種
    である請求項4記載の同軸ケーブル用発泡性有機高分子
    組成物。
  6. 【請求項6】 化学発泡剤(A−2)としてADCAお
    よび/またはOBSHを含む請求項1または2記載の同
    軸ケーブル用発泡性有機高分子組成物。
  7. 【請求項7】 発泡用コンパウンド(A)が60%以上
    発泡用コンパウンドである請求項1または2記載の同軸
    ケーブル用発泡性有機高分子組成物。
  8. 【請求項8】 発泡用コンパウンド(A)が70%以上
    発泡用コンパウンドである請求項1または2記載の同軸
    ケーブル用発泡性有機高分子組成物。
  9. 【請求項9】 高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエ
    チレンから選ばれる少なくとも1種(A−1)および該
    (A−1)に対して1.5重量%以上の化学発泡剤(A
    −2)とを含む50%以上発泡用コンパウンド(A)
    に、物理発泡剤として希ガスおよび炭酸ガスから選ばれ
    る少なくとも一種(B)を注入して発泡させることによ
    る発泡度が75%以上の絶縁層を持つ同軸ケーブルに用
    いられる高発泡度発泡体の製造方法
  10. 【請求項10】 50%以上発泡用コンパウンド(A)
    とともに非発泡性有 機高分子(C)も使用する請求項9
    記載の高発泡度発泡体の製造方法
  11. 【請求項11】 非発泡性有機高分子(C)がオレフィ
    ン系樹脂である請求項10記載の高発泡度発泡体の製造
    方法
  12. 【請求項12】 上記オレフィン系樹脂がポリエチレン
    である請求項11記載の高発泡度発泡体の製造方法
  13. 【請求項13】 上記ポリエチレンが高密度ポリエチレ
    ンおよび低密度ポリエチレンから選ばれる少なくとも1
    種である請求項12記載の高発泡度発泡体の製造方法
  14. 【請求項14】 発泡させる方法が、発泡押出成形であ
    る請求項9または10記載の高発泡度発泡体の製造方
  15. 【請求項15】 前記発泡押出成形が、導線を被覆する
    ための発泡押出コーティングである請求項14記載の高
    発泡度発泡体の製造方法
  16. 【請求項16】 化学発泡剤(A−2)として、ADC
    Aおよび/またはOBSHを使用する請求項9または1
    0記載の高発泡度発泡体の製造方法
  17. 【請求項17】 発泡用コンパウンド(A)として、6
    0%以上発泡用コンパウンドを用いる請求項9または1
    0記載の高発泡度発泡体の製造方法
  18. 【請求項18】 発泡用コンパウンド(A)として、7
    0%以上発泡用コンパウンドを用いる請求項9または1
    0記載の高発泡度発泡体の製造方法
  19. 【請求項19】 ダイの出口から1〜5cmの位置にサ
    イジングダイを設けた請求項9または10記載の高発泡
    度発泡体の製造方法
  20. 【請求項20】 有機高分子、成核剤としてtanδ増
    加量が0.3×10 -4 以下の有機微粉末及び無機微粉末
    から選ばれる少なくとも一種を有機高分子100重量部
    に対し0.3〜10重量部、及び物理発泡剤として希ガ
    ス及び炭酸ガスから選ばれる少なくとも一種とを含有す
    る発泡性有機高分子組成物
  21. 【請求項21】 有機高分子、及び成核剤として有機高
    分子100重量部に対し0.3〜10重量部のtanδ
    増加量が0.3×10 -4 以下の有機微粉末及び無機微粉
    末から選ばれる少なくとも一種に、物理発泡剤として希
    ガス及び炭酸ガスから選ばれる少なくとも一種を注入し
    て発泡させることによる高発泡度発泡体の製造方法
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