JPH09252136A - 半導体装置およびその製造方法とアクティブマトリックスアレイ基板およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法とアクティブマトリックスアレイ基板およびそれを用いた液晶表示装置

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JPH09252136A
JPH09252136A JP5891896A JP5891896A JPH09252136A JP H09252136 A JPH09252136 A JP H09252136A JP 5891896 A JP5891896 A JP 5891896A JP 5891896 A JP5891896 A JP 5891896A JP H09252136 A JPH09252136 A JP H09252136A
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thin film
gate insulating
conductivity type
film transistor
insulating film
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JP5891896A
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Mamoru Furuta
守 古田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 pチャネルとnチャネルのTFT(薄膜トラ
ンジスタ)を同一基板に形成する際に、不純物の注入時
間を短縮し、スループットを向上させる。 【解決手段】 基板11上に多結晶シリコン薄膜13を
形成した後、酸化シリコン薄膜14aと窒化シリコン薄
膜14bからなるゲート絶縁膜14を形成する。pチャ
ネルTFTのゲート電極15Aを形成し、nチャネルT
FT側はゲート電極材料15で被覆する。pチャネルT
FTへホウ素イオンを注入する。nチャネルTFT側に
おいて、ゲート電極15Bを形成し、上層のゲート絶縁
膜14である窒化シリコン薄膜14bを部分的に除去し
た後、燐イオンを注入する。このときpチャネルTFT
では、2層からなるゲート絶縁膜14を通して燐イオン
が注入されることになり、注入される燐濃度を低減でき
る。このため、ホウ素イオンの注入量を燐イオンの2倍
程度に減少でき、ホウ素イオンの注入時間を削減でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置等
に用いる半導体装置およびその製造方法とアクティブマ
トリックスアレイ基板およびそれを用いた液晶表示装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の半導体装置の製造方法を示
す工程断面図である。この半導体装置はpチャネル薄膜
トランジスタおよびnチャネル薄膜トランジスタからな
るCMOS回路を構成するものであり、液晶表示装置の
アクティブマトリックスアレイ基板に集積化される走査
側駆動回路やデータ側駆動回路に用いられている。
【0003】まず、図6(a)に示すように、ガラス基
板などの透光性基板11上に、pチャネル薄膜トランジ
スタおよびnチャネル薄膜トランジスタの活性層となる
多結晶シリコン薄膜13を形成し、薄膜トランジスタの
形状に加工する。その後、酸化シリコン薄膜からなるゲ
ート絶縁膜14を形成し、その上にゲート電極材料15
を形成し、pチャネル薄膜トランジスタ側のゲート電極
15Aを加工成形する。このとき、nチャネル薄膜トラ
ンジスタ側はゲート電極材料15にて被覆しておく。そ
の後、pチャネル薄膜トランジスタのゲート電極15A
をマスクとしてホウ素(B)イオンを注入する。ホウ素
の注入条件は加速電圧60kV,注入量5×1015 ion
/cm2 である。これにより、pチャネル薄膜トランジ
スタのソース・ドレイン領域にのみホウ素イオンが注入
される。
【0004】次に、図6(b)に示すように、nチャネ
ル薄膜トランジスタ側のゲート電極15Bを加工成形
し、燐(P)イオンを注入する。燐イオンの注入条件は
加速電圧80kV,注入量1×1015 ion/cm2 であ
る。この結果、nチャネル薄膜トランジスタのソース・
ドレイン領域には燐イオンのみが注入されるが、pチャ
ネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域にはホウ
素イオンと燐イオンの両方が注入されることになる。こ
こで、ホウ素イオンの注入量を燐イオンの注入量より大
きく設定することにより、pチャネル薄膜トランジスタ
のpチャネル動作が可能になる。
【0005】燐イオンの注入後、注入した不純物の活性
化処理を行い、その後、図6(c)に示すように、酸化
シリコンからなる層間絶縁膜18を形成する。層間絶縁
膜18を形成後、pチャネルおよびnチャネルの薄膜ト
ランジスタのソース・ドレイン領域上にコンタクトホー
ルを開口し、Alからなるソース・ドレイン配線19を
形成してCMOS構成の半導体装置が完成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例において
は、pチャネル(第1の導電型チャネル)の薄膜トラン
ジスタのホウ素イオン(第1の導電型の不純物)を注入
したソース・ドレイン領域には、nチャネル(第2の導
電型チャネル)の薄膜トランジスタへ注入する燐イオン
(第2の導電型の不純物)が多量に注入されるため、第
1の導電型チャネルの薄膜トランジスタの特性を確保す
るためには、第1の導電型の不純物を第2の導電型の不
純物の3〜5倍程度注入しなければならず、第1の導電
型の不純物の注入時間が長くなり、スループットが悪化
するという問題があった。
【0007】この発明の目的は、第1の導電型チャネル
の薄膜トランジスタと第2の導電型チャネルの薄膜トラ
ンジスタとを同一基板に形成する際に、不純物の注入時
間を短縮し、スループットを向上することのできる半導
体装置およびその製造方法を提供することである。ま
た、この発明の他の目的は、駆動回路に用いられる第1
の導電型チャネルの薄膜トランジスタと第2の導電型チ
ャネルの薄膜トランジスタとを形成する際に、不純物の
注入時間を短縮し、スループットを向上することのでき
るアクティブマトリックスアレイ基板およびそれを用い
た液晶表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の半導体装
置は、同一基板上に、ソース・ドレイン領域およびチャ
ネル領域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、多結晶シ
リコン薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成
した第1および第2の導電型チャネルの薄膜トランジス
タからなる半導体装置であって、第1の導電型チャネル
の薄膜トランジスタのゲート絶縁膜は、ソース・ドレイ
ン領域上を被覆するように異種材料を積層した多層構造
のゲート絶縁膜からなり、第2の導電型チャネルの薄膜
トランジスタのゲート絶縁膜は、第1の導電型チャネル
の薄膜トランジスタと同種の多層構造のゲート絶縁膜か
らなり、かつ、第2の導電型チャネルの薄膜トランジス
タのゲート絶縁膜の多層構造のうち少なくとも最上層の
ソース・ドレイン領域上における少なくとも一部を除去
したことを特徴とする。
【0009】この構成によれば、第2の導電型チャネル
の薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の多層構造のうち少
なくとも最上層のソース・ドレイン領域上における少な
くとも一部を除去しているため、第2の導電型チャネル
の薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース・ド
レイン領域を形成するために第2の導電型の不純物を注
入する際、最上層のゲート絶縁膜の除去部分下のソース
・ドレイン領域の不純物濃度が最大となるように注入
し、このとき、第1の導電型チャネルの薄膜トランジス
タのソース・ドレイン領域にも第2の導電型の不純物が
注入されるが、除去されていない多層構造のゲート絶縁
膜を通して注入されるため、注入量が少なくなる。この
ように、第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのソ
ース・ドレイン領域に注入される第2の導電型の不純物
を低減できるため、従来、第1の不純物の注入量が第2
の不純物の3〜5倍程度であったのを2倍程度に第1の
不純物の注入量を低減しても第1の導電型チャネルの薄
膜トランジスタの特性を確保できる。したがって、第1
の不純物の注入量を低減して不純物の注入時間を短縮
し、スループットを向上することができる。
【0010】また、ゲート絶縁膜を多層構造にすること
により、ピンホール等に対するマージンが増大し、歩留
りが向上する。請求項2記載の半導体装置は、請求項1
記載の半導体装置において、ゲート絶縁膜が、多結晶シ
リコン薄膜上に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化
シリコン薄膜上に形成した窒化シリコン薄膜とからなる
ことを特徴とする。
【0011】このように、ゲート絶縁膜に酸化シリコン
薄膜と窒化シリコン薄膜の積層膜を用いることにより、
窒化シリコン薄膜は酸化シリコン薄膜の約1.5倍の誘
電率を有し、ゲート絶縁膜が酸化シリコン薄膜の単層膜
である場合に比べて、ゲート絶縁膜容量の減少が少な
く、薄膜トランジスタのオン電流に与える影響が少なく
なる。
【0012】請求項3記載の半導体装置は、請求項1記
載の半導体装置において、ゲート絶縁膜は、多結晶シリ
コン薄膜上に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シ
リコン薄膜上に形成した酸化タンタル薄膜とからなるこ
とを特徴とする。このように、ゲート絶縁膜に酸化シリ
コン薄膜と酸化タンタル薄膜の積層膜を用いることによ
り、酸化タンタル薄膜は酸化シリコン薄膜の5〜6倍の
誘電率を有し、ゲート絶縁膜が酸化シリコン薄膜の単層
膜である場合に比べて、ゲート絶縁膜容量の減少が少な
く、薄膜トランジスタのオン電流に与える影響が少なく
なる。
【0013】請求項4記載の半導体装置は、請求項2記
載の半導体装置において、窒化シリコン薄膜の膜厚が3
0nm以上150nm以下であることを特徴とする。こ
れにより、第2の導電型の不純物注入による低濃度不純
物注入領域のドーズ量を高濃度不純物注入領域のドーズ
量と比較して、1〜3桁低減することが可能となる。
【0014】請求項5記載の半導体装置は、請求項3記
載の半導体装置において、酸化タンタル薄膜の膜厚が2
0nm以上100nm以下であることを特徴とする。こ
れにより、第2の導電型の不純物注入による低濃度不純
物注入領域のドーズ量を高濃度不純物注入領域のドーズ
量と比較して、1〜3桁低減することが可能となる。
【0015】請求項6記載の半導体装置は、請求項2,
3,4または5記載の半導体装置において、酸化シリコ
ン薄膜の膜厚が30nm以上100nm以下であること
を特徴とする。これにより、窒化シリコン薄膜または酸
化タンタル薄膜との膜厚バランスにより第2の導電型の
不純物注入による低濃度不純物注入領域のドーズ量を高
濃度不純物注入領域のドーズ量と比較して、1〜3桁低
減することができる。
【0016】請求項7記載の半導体装置の製造方法は、
同一基板上に、ソース・ドレイン領域およびチャネル領
域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、多結晶シリコン
薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した第
1および第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタから
なる半導体装置の製造方法であって、第1および第2の
導電型チャネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄
膜を被覆するように、異種材料を積層した多層構造のゲ
ート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上をゲート
電極材料により被覆する工程と、第1の導電型チャネル
の薄膜トランジスタのゲート電極をゲート電極材料から
パターン形成した後、第2の導電型チャネルの薄膜トラ
ンジスタ領域上はゲート電極材料により被覆した状態
で、第1の導電型の不純物を注入して第1の導電型チャ
ネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース
・ドレイン領域を形成する工程と、第2の導電型チャネ
ルの薄膜トランジスタのゲート電極をゲート電極材料か
らパターン形成し、かつ第2の導電型チャネルの薄膜ト
ランジスタのゲート絶縁膜の多層構造のうち少なくとも
最上層のソース・ドレイン領域上における少なくとも一
部を除去した後に、第1の導電型チャネルの薄膜トラン
ジスタのゲート絶縁膜はソース・ドレイン領域上を多層
構造により被覆した状態で、第2の導電型の不純物を注
入して第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタの多結
晶シリコン薄膜にソース・ドレイン領域を形成する工程
とを含むことを特徴とする。
【0017】この製造方法によれば、第2の導電型チャ
ネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース
・ドレイン領域を形成するために第2の導電型の不純物
を注入する際、第2の導電型チャネルの薄膜トランジス
タのゲート絶縁膜の多層構造のうち少なくとも最上層の
ソース・ドレイン領域上における少なくとも一部を除去
しているため、この除去部分下のソース・ドレイン領域
の不純物濃度が最大となるように注入され、このとき、
第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのソース・ド
レイン領域にも第2の導電型の不純物が注入されるが、
除去部分がない多層構造のゲート絶縁膜を通して注入さ
れるため、注入量が少なくなる。このように、第1の導
電型チャネルの薄膜トランジスタのソース・ドレイン領
域に注入される第2の導電型の不純物を低減できるた
め、従来、第1の不純物の注入量が第2の不純物の3〜
5倍程度であったのを2倍程度に第1の不純物の注入量
を低減しても第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタ
の特性を確保できる。したがって、第1の不純物の注入
量を低減して不純物の注入時間を短縮し、スループット
を向上することができる。
【0018】請求項8記載の半導体装置の製造方法は、
同一基板上に、ソース・ドレイン領域およびチャネル領
域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、多結晶シリコン
薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成した第
1および第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタから
なる半導体装置の製造方法であって、第1および第2の
導電型チャネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄
膜を被覆するように、異種材料を積層した多層構造のゲ
ート絶縁膜を形成する工程と、ゲート絶縁膜上に第1お
よび第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート
電極を形成する工程と、ゲート電極を形成した後、第2
の導電型チャネルの薄膜トランジスタ領域上を有機物か
らなるマスクにより被覆し、その後、第1の導電型の不
純物を注入して第1の導電型チャネルの薄膜トランジス
タの多結晶シリコン薄膜にソース・ドレイン領域を形成
する工程と、有機物からなるマスクを除去し、第2の導
電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の多層
構造のうち少なくとも最上層のソース・ドレイン領域上
における少なくとも一部を除去した後に、第1の導電型
チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜はソース・
ドレイン領域上を多層構造により被覆した状態で、第2
の導電型の不純物を注入して第2の導電型チャネルの薄
膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース・ドレイ
ン領域を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0019】この製造方法によれば、請求項7記載の製
造方法と同様の効果が得られる。請求項9記載の半導体
装置の製造方法は、請求項7または8記載の半導体装置
の製造方法において、ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン
薄膜上に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコ
ン薄膜上に形成した窒化シリコン薄膜とからなることを
特徴とする。
【0020】請求項10記載の半導体装置の製造方法
は、請求項7または8記載の半導体装置の製造方法にお
いて、ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン薄膜上に形成し
た酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコン薄膜上に形成
した酸化タンタル薄膜とからなることを特徴とする。請
求項11記載のアクティブマトリックスアレイ基板は、
同一基板上に、表示領域を形成するマトリックスアレイ
と、マトリックスアレイを駆動する走査側駆動回路およ
びデータ側駆動回路とを集積化したアクティブマトリッ
クスアレイ基板であって、走査側およびデータ側駆動回
路の少なくとも一部に、請求項1記載の半導体装置を用
いたことを特徴とする。
【0021】このように、請求項1記載の半導体装置を
用いることにより、不純物の注入時間を短縮し、アクテ
ィブマトリックスアレイ基板のスループットを向上する
ことができる。請求項12記載の液晶表示装置は、請求
項11記載のアクティブマトリックスアレイ基板と、対
向基板との間に液晶を挟持したことを特徴とする。
【0022】このように、請求項11記載のアクティブ
マトリックスアレイ基板を用いることにより、液晶表示
装置のスループットを向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の実施
の形態では、ホウ素を第1の導電型の不純物,pチャネ
ルを第1の導電型チャネルとし、燐を第2の導電型の不
純物,nチャネルを第2の導電型チャネルとして説明す
る。
【0024】〔第1の実施の形態〕図1はこの発明の第
1の実施の形態における半導体装置の製造方法を示す工
程断面図である。まず、図1(a)に示すように、ガラ
ス基板等の透光性基板11上に多結晶シリコン薄膜13
を形成する。この多結晶シリコン薄膜13は、プラズマ
CVD法にて膜厚50nmの非晶質シリコン薄膜を形成
し、450℃,90分の熱処理により膜中の水素濃度を
低減したのち、エキシマレーザ光を照射して溶融・結晶
化させ形成する。エキシマレーザの光源としては波長3
08nmのXeClエキシマレーザを用い、エネルギー
密度350mJ/cm2 にて結晶化を行った。多結晶シ
リコン薄膜13を形成後、薄膜トランジスタの形状に加
工し、プラズマCVD法を用いて酸化シリコン薄膜14
aを100nm形成し、その上に窒化シリコン薄膜14
bを100nm真空中で連続堆積し、2層薄膜を積層し
たゲート絶縁膜14を形成する。ゲート絶縁膜14を形
成後、その上にAl−9.5%Zrのゲート電極材料15を
形成し、pチャネル薄膜トランジスタ側のゲート電極1
5Aを加工成形する。このとき、nチャネル薄膜トラン
ジスタ側はゲート電極材料15にて被覆しておく。
【0025】その後、pチャネル薄膜トランジスタのゲ
ート電極15Aをマスクとしてホウ素(B)イオンを注
入する。ホウ素イオンは水素希釈率95%のB2 6
スをプラズマ分解してイオンを生成し、生成したイオン
の質量分離工程を行うことなく加速して基板に注入して
いる。注入条件は加速電圧70kV,注入量2×10 15
ion/cm2 である。これにより、nチャネル薄膜トラ
ンジスタ側はゲート電極材料15にて被覆されているた
め、pチャネル薄膜トランジスタ側にのみホウ素イオン
が注入されソース・ドレイン領域が形成される。
【0026】次に、図1(b)に示すように、nチャネ
ル薄膜トランジスタ側において、ゲート電極15Bを加
工成形し、上層のゲート絶縁膜14である窒化シリコン
薄膜14bを、ゲート電極15Bの外側に各々2μmず
つ大きく残してその他の領域を除去する。その後、nチ
ャネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域を形成
するため、燐(P)イオンを注入する。このとき、nチ
ャネル薄膜トランジスタの窒化シリコン薄膜14bが除
去されている領域下の多結晶シリコン薄膜13中の燐濃
度が最大となるような加速電圧にて注入する。この燐イ
オンの注入条件は加速電圧70kV,注入量1×1015
ion/cm2 であり、水素希釈率95%のPH3 ガスを
プラズマ分解してイオンを生成し、生成したイオンの質
量分離工程を行うことなく加速して基板に注入してい
る。
【0027】これにより、窒化シリコン薄膜14bが残
存する領域下の多結晶シリコン薄膜13では、燐イオン
は窒化シリコン薄膜14bおよび酸化シリコン薄膜14
aの積層膜を通して注入されるため、燐濃度は窒化シリ
コン薄膜14bが除去されている領域下の多結晶シリコ
ン薄膜13中に比べて2桁以上小さくなり、一度の不純
物注入により、LDD(Lightly-Doped-Drain)領域すな
わち低濃度不純物注入領域13bと高濃度不純物注入領
域13cとが形成できる。なお、13aは不純物が注入
されていない多結晶シリコン薄膜13からなるチャネル
領域である。
【0028】燐イオンを注入後、注入した不純物の活性
化処理を行い、その後、図1(c)に示すように、酸化
シリコンからなる層間絶縁膜18を形成する。層間絶縁
膜18を形成後、pチャネルおよびnチャネルの薄膜ト
ランジスタのソース・ドレイン領域上にコンタクトホー
ルを開口し、Alからなるソース・ドレイン配線19を
形成してCMOS構成の半導体装置が完成する。
【0029】この製造方法によれば、nチャネル薄膜ト
ランジスタのソース・ドレイン領域には燐イオンのみが
注入されるが、pチャネル薄膜トランジスタのソース・
ドレイン領域にはホウ素イオンと燐イオンの両方が注入
されることになる。しかしながら、pチャネル薄膜トラ
ンジスタでは、燐イオンは窒化シリコン薄膜14bと酸
化シリコン薄膜14aの2層からなるゲート絶縁膜14
を通してソース・ドレイン領域に注入されることにな
り、注入量はnチャネル薄膜トランジスタの低濃度不純
物注入領域13bと等価になり、従来例で示した手法に
比べ、pチャネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン
領域に注入される燐濃度を2桁以上低減することができ
るため、pチャネル薄膜トランジスタの特性を確保する
ために従来はホウ素イオンの注入量が燐イオンの注入量
の3〜5倍程度必要であったのに対し、ホウ素イオンの
注入量を燐イオンの注入量の2倍程度に減少させること
が可能となり、ホウ素イオンの注入時間を約60%削減
でき、製造工程のスループットを向上させることができ
る。
【0030】また、ゲート絶縁膜14が多層構造である
ため、ピンホール等に対する冗長性が向上し、製造歩留
まりを大幅に向上することができるとともに、ゲート絶
縁膜14の耐圧ならびに薄膜トランジスタの信頼性を大
幅に向上することができる。また、ゲート絶縁膜14を
酸化シリコン薄膜14aと窒化シリコン薄膜14bとで
構成し、酸化シリコン薄膜14aの膜厚を30nm以上
100nm以下とし、かつ窒化シリコン薄膜14bの膜
厚を30nm以上150nm以下とすることにより、低
濃度不純物注入領域13bのドーズ量を高濃度不純物注
入領域13cのドーズ量と比較して1〜3桁低減するこ
とができ、一度の不純物注入により、LDD(Lightly-D
oped-Drain)構造を実現することができる。
【0031】なお、窒化シリコン薄膜14bの代わり
に、膜厚20nm以上100nm以下の酸化タンタル薄
膜を用いて同様にしても、一度の不純物注入により、L
DD構造を実現することができる。 〔第2の実施の形態〕図2はこの発明の第2の実施の形
態における半導体装置の製造方法を示す工程断面図であ
る。
【0032】まず、図2(a)に示すように、透光性基
板11上に多結晶シリコン薄膜13を形成する。多結晶
シリコン薄膜13は、プラズマCVD法にて膜厚50n
mの非晶質シリコン薄膜を形成し、450℃,90分の
熱処理により膜中の水素濃度を低減したのち、エネルギ
ー密度400mJ/cm2 のエキシマレーザ光を照射し
て溶融・結晶化させ形成する。多結晶シリコン薄膜13
を形成後、薄膜トランジスタの形状に加工し、プラズマ
CVD法を用いて酸化シリコン薄膜14aを90nm形
成し、その上に酸化タンタル薄膜14cを50nm堆積
し、ゲート絶縁膜14を形成する。酸化タンタル薄膜1
4cは反応性スパッタリング法にて、タンタルターゲッ
トをアルゴンと酸素の混合ガスによりスパッタすること
により形成している。2層薄膜を積層したゲート絶縁膜
14を形成後、その上にゲート電極材料15を形成し、
pチャネル薄膜トランジスタ側のゲート電極15Aを加
工成形する。このときnチャネル薄膜トランジスタ側は
ゲート電極材料15にて被覆しておく。
【0033】その後、pチャネル薄膜トランジスタのゲ
ート電極15Aをマスクとしてホウ素(B)イオンを注
入する。ホウ素イオンは水素希釈率95%のB2 6
スをプラズマ分解してイオンを生成し、生成したイオン
の質量分離工程を行うことなく加速して基板に注入して
いる。注入条件は加速電圧70kV,注入量2×10 15
ion/cm2 である。これにより、nチャネル薄膜トラ
ンジスタ側はゲート電極材料15にて被覆されているた
め、pチャネル薄膜トランジスタ側にのみホウ素イオン
が注入されソース・ドレイン領域が形成される。
【0034】次に、図2(b)に示すように、nチャネ
ル薄膜トランジスタ側において、ゲート電極15Bを加
工成形し、上層のゲート絶縁膜14である酸化タンタル
薄膜14cを、ゲート電極15Bと同一形状に加工す
る。その後、nチャネル薄膜トランジスタのソース・ド
レイン領域を形成するため、燐(P)イオンを注入す
る。このとき、nチャネル薄膜トランジスタのソース・
ドレイン領域の燐濃度が最大となるような加速電圧にて
注入する。この燐イオンの注入条件は、加速電圧70k
V,注入量1×1015 ion/cm2 であり、水素希釈率
95%のPH3 ガスをプラズマ分解してイオンを生成
し、生成したイオンの質量分離工程を行うことなく加速
して基板に注入している。
【0035】燐イオンを注入後、注入した不純物の活性
化処理を行い、その後、図2(c)に示すように、酸化
シリコンからなる層間絶縁膜18を400nm形成す
る。層間絶縁膜18を形成後、pチャネルおよびnチャ
ネルの薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域上にコ
ンタクトホールを開口し、Alからなるソース・ドレイ
ン配線19を形成してCMOS構成の半導体装置が完成
する。
【0036】この製造方法によれば、第1の実施の形態
同様、nチャネル薄膜トランジスタのソース・ドレイン
領域には燐イオンのみが注入され、pチャネル薄膜トラ
ンジスタのソース・ドレイン領域にはホウ素イオンと燐
イオンの両方が注入されることになるが、pチャネル薄
膜トランジスタでは、燐イオンは酸化タンタル薄膜14
cと酸化シリコン薄膜14aの2層からなるゲート絶縁
膜14を通してソース・ドレイン領域に注入されること
になり、従来例で示した手法に比べ、pチャネル薄膜ト
ランジスタのソース・ドレイン領域に注入される燐濃度
を2桁以上低減することができる。このため、pチャネ
ル薄膜トランジスタの特性を確保するために従来はホウ
素イオンの注入量が燐イオンの注入量の3〜5倍程度必
要であったのに対し、ホウ素イオンの注入量を燐イオン
の注入量の2倍程度に減少させることが可能となり、ホ
ウ素イオンの注入時間を約60%削減でき、製造工程の
スループットを向上させることができる。
【0037】また、第1の実施の形態同様、ゲート絶縁
膜14が多層構造であるため、ピンホール等に対する冗
長性が向上し、製造歩留まりを大幅に向上することがで
きるとともに、ゲート絶縁膜14の耐圧ならびに薄膜ト
ランジスタの信頼性を大幅に向上することができる。な
お、ゲート絶縁膜14を、第1の実施の形態では酸化シ
リコン薄膜14aと窒化シリコン薄膜14bの2層構造
の積層膜とし、第2の実施の形態では酸化シリコン薄膜
14aと酸化タンタル薄膜14cの2層構造の積層膜と
したが、3層以上の多層構造の積層膜としてもよい。例
えば、ゲート絶縁膜として、酸化シリコン薄膜,酸化タ
ンタル薄膜,窒化シリコン薄膜を積層した多層構造を用
いることができ、燐イオンの注入時に、nチャネル薄膜
トランジスタ側のゲート絶縁膜の多層のうち少なくとも
最上層のソース・ドレイン領域上における少なくとも一
部を除去するようにすればよい。
【0038】なお、上記第1および第2の実施の形態で
は、nチャネル薄膜トランジスタ側において、ゲート電
極材料15で被覆した状態でホウ素イオンを注入し、そ
の後でゲート電極15Bを加工成形するようにしたが、
pチャネル薄膜トランジスタのゲート電極15Aを形成
するときに同時にnチャネル薄膜トランジスタのゲート
電極15Bを形成しておき、その後、レジスト等の有機
物からなるマスクでnチャネル薄膜トランジスタ側のみ
ホウ素イオンが注入されないように被覆し、その後でホ
ウ素イオンを注入し、注入後、有機物からなるマスクを
除去するようにしてもよい。
【0039】また、上記第1および第2の実施の形態で
は、ホウ素を第1の導電型の不純物,pチャネルを第1
の導電型チャネルとし、燐を第2の導電型の不純物,n
チャネルを第2の導電型チャネルとしたが、ホウ素を第
2の導電型の不純物,pチャネルを第2の導電型チャネ
ルとし、燐を第1の導電型の不純物,nチャネルを第1
の導電型チャネルとして、まず、燐イオンをnチャネル
薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に注入し、そ
の後、pチャネル薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の上
層の一部を除去した後、ホウ素イオンを注入するように
しても同様の効果が得られる。
【0040】また、基板として、ガラス基板等の透光性
基板11を用いたが、これは、液晶表示装置用の駆動回
路に用いることを前提としたためであり、液晶表示装置
以外のものに用いる場合には、基板として透光性基板1
1に限定する必要はない。また、ホウ素および燐イオン
の注入は、上記実施の形態で述べた方法に限定されるも
のではなく、生成したイオンを質量分離し、加速注入し
てもよい。
【0041】また、nチャネル薄膜トランジスタには、
不純物として燐を導入したが、砒素などドナーとして働
くものなら何でもよく、pチャネル薄膜トランジスタに
は、ほう素のほかアクセプタとして働くものならば何で
もよい。 〔第3の実施の形態〕図3はこの発明の第3の実施の形
態における液晶表示装置用のアクティブマトリックスア
レイ基板の製造方法を示す工程断面図である。このアク
ティブマトリックスアレイ基板は、表示領域を形成する
マトリックスアレイと駆動回路とを同一基板上に集積化
している。
【0042】図4は図3に示した製造方法より作製され
るアクティブマトリックスアレイ基板を用いた液晶表示
装置の回路構成図の一例であり、図4(a)はその1つ
の表示画素について示し、図4(b)は全体を示してい
る。図4(a)に示すように、1画素は走査線nおよび
データ線nに接続された薄膜トランジスタ31から形成
されており、薄膜トランジスタ31を介して液晶容量C
LCが充電され画像表示される。補助容量CS は、1フレ
ーム中で液晶容量C LCに充電された電荷を保持するた
め、液晶容量CLCに並列に形成されている。図4(b)
において、34が図4(a)に示した1画素であり、走
査線は走査側駆動回路32に、データ線はデータ側駆動
回路33に接続されている。各駆動回路32,33はC
MOS構成からなるシフトレジスタやバッファ等の回路
要素にて構成されている。
【0043】図3(a),(b),(c)におけるそれ
ぞれの左側は図4中の駆動回路32,33を形成する回
路要素の1つであるインバータの製造工程断面図の一例
であり、図3(a),(b),(c)におけるそれぞれ
の右側は図4中の画素34を駆動する薄膜トランジスタ
31の製造工程断面図の一例を示したものである。ま
ず、図3(a)に示すように、透光性基板11上に多結
晶シリコン薄膜13を形成する。多結晶シリコン薄膜1
3は、プラズマCVD法にて膜厚50nmの非晶質シリ
コン薄膜を形成し、450℃,90分の熱処理により膜
中の水素濃度を低減したのち、エネルギー密度400m
J/cm2 のエキシマレーザ光を照射して溶融・結晶化
させ形成する。多結晶シリコン薄膜13を形成後、薄膜
トランジスタの形状に加工し、プラズマCVD法を用い
て酸化シリコン薄膜14aを90nm形成し、その上に
酸化タンタル薄膜14cを50nm堆積し、ゲート絶縁
膜14を形成する。酸化タンタル薄膜14cは反応性ス
パッタリング法にて、タンタルターゲットをアルゴンと
酸素の混合ガスによりスパッタすることにより形成して
いる。2層薄膜を積層したゲート絶縁膜14を形成後、
その上にゲート電極材料15を形成し、駆動回路部のp
チャネル薄膜トランジスタ側のゲート電極15Aを加工
成形する。このとき、駆動回路部のnチャネル薄膜トラ
ンジスタ側と画素部のnチャネル薄膜トランジスタ側と
はゲート電極材料15にて被覆しておく。その後、pチ
ャネル薄膜トランジスタのゲート電極15Aをマスクと
してホウ素(B)イオンを注入する。ホウ素イオンは水
素希釈率95%のB2 6 ガスをプラズマ分解してイオ
ンを生成し、生成したイオンの質量分離工程を行うこと
なく加速して基板に注入している。注入条件は加速電圧
70kV,注入量2×1015 ion/cm2 である。これ
により、駆動回路部および画素部のnチャネル薄膜トラ
ンジスタ側はゲート電極材料15にて被覆されているた
め、pチャネル薄膜トランジスタ側にのみホウ素イオン
が注入されソース・ドレイン領域が形成される。
【0044】次に、図3(b)に示すように、駆動回路
部および画素部のnチャネル薄膜トランジスタ側におい
て、ゲート電極15B,15Cを加工成形した後、上層
のゲート絶縁膜14である酸化タンタル薄膜14cを選
択的に除去して図3(b)に示した形状に加工する。す
なわち、駆動回路部のnチャネル薄膜トランジスタ側の
酸化タンタル薄膜14cはゲート電極15Bと同一形状
に加工し、画素部のnチャネル薄膜トランジスタの酸化
タンタル薄膜14cはゲート電極15Cの外側に各々2
μmずつ大きく残してその他の領域を除去する。
【0045】つぎに、nチャネル薄膜トランジスタのソ
ース・ドレイン領域を形成するため、燐(P)イオンを
注入する。このとき、nチャネル薄膜トランジスタの酸
化タンタル薄膜14cが除去されている領域下の多結晶
シリコン薄膜13中の燐濃度が最大となるような加速電
圧にて注入する。この燐イオンの注入条件は加速電圧7
0kV,注入量1×1015 ion/cm2 であり、水素希
釈率95%のPH3 ガスをプラズマ分解してイオンを生
成し、生成したイオンの質量分離工程を行うことなく加
速して基板に注入している。
【0046】これにより、駆動回路部のnチャネル薄膜
トランジスタは高移動度な自己整合型となり、一方、画
素部のnチャネル薄膜トランジスタでは、酸化タンタル
薄膜14cをゲート電極15Cの外側に残してあり、酸
化タンタル薄膜14cが残存する領域下の多結晶シリコ
ン薄膜13では、燐イオンは酸化タンタル薄膜14cお
よび酸化シリコン薄膜14aの積層膜を通して注入され
るため、燐濃度は酸化タンタル薄膜14cが除去されて
いる領域下の多結晶シリコン薄膜13中に比べて2桁以
上小さくなり、一度の不純物注入により、LDD(Light
ly-Doped-Drain)領域すなわち低濃度不純物注入領域1
3bと高濃度不純物注入領域13cとが形成でき、画素
部はオフ電流の小さなLDD−TFTとなる。なお、1
3aは不純物が注入されていない多結晶シリコン薄膜1
3からなるチャネル領域である。また、駆動回路部およ
び画素部のnチャネル薄膜トランジスタのソース・ドレ
イン領域には燐イオンのみが注入されるが、pチャネル
薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域にはホウ素イ
オンと燐イオンの両方が注入されることになる。しかし
ながら、pチャネル薄膜トランジスタでは、酸化タンタ
ル薄膜14cと酸化シリコン薄膜14aの2層のゲート
絶縁膜14を通して燐イオンがソース・ドレイン領域に
注入されることになり、燐イオンのpチャネル薄膜トラ
ンジスタのソース・ドレイン領域への注入量は、従来例
で示した手法に比べ2桁以上低減可能となる。このた
め、pチャネル薄膜トランジスタの特性を確保するため
に従来はホウ素イオンの注入量が燐イオンの注入量の3
〜5倍程度必要であったのに対し、ホウ素イオンの注入
量を燐イオンの注入量の2倍程度に減少させることが可
能となり、ホウ素イオンの注入時間を約60%削減で
き、製造工程のスループットを向上させることができ
る。
【0047】燐イオンを注入後、注入した不純物の活性
化処理を行い、その後、図3(c)に示すように、酸化
シリコンからなる層間絶縁膜18を400nm形成す
る。層間絶縁膜18を形成後、駆動回路部および画素部
の薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域上にコンタ
クトホールを開口する。コンタクトホール開口後、画素
部の薄膜トランジスタのドレイン領域に接続される表示
電極22をITO(インジウムスズオキシド)薄膜によ
り形成する。表示電極22を形成後、Alからなるソー
ス・ドレイン配線19を形成し、窒化シリコン薄膜から
なる保護絶縁膜23を全面に形成する。保護絶縁膜23
を全面に形成後、表示電極22上の保護絶縁膜23を選
択的に除去してアクティブマトリックスアレイ基板が完
成する。
【0048】このようにして完成したアクティブマトリ
ックスアレイ基板を用いた液晶表示装置の断面図を図5
に示す。アクティブマトリックスアレイ基板と対向配置
される対向基板には、対向側透光性基板41上にカラー
フィルタ層44およびブラックマトリックス43が形成
されており、カラーフィルタ層44およびブラックマト
リックス43上にITO薄膜からなる共通電極45が形
成されている。対向配置するアクティブマトリックスア
レイ基板および対向基板のそれぞれの内側に配向膜46
を塗布し、ラビング処理を行った後、両方の基板を張り
合わせて液晶47を注入する。最後に、一対の偏光板4
2を両外側に貼り付けて液晶表示装置が完成する。
【0049】この実施の形態によれば、第1および第2
の実施の形態同様、CMOS構成の薄膜トランジスタを
形成する不純物の注入時間を短縮でき、アクティブマト
リックスアレイ基板のスループットを向上することがで
きる。したがって、それを用いた液晶表示装置のスルー
プットを向上することができる。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、第2の導電型チャネ
ルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース・
ドレイン領域を形成するために第2の導電型の不純物を
注入する際、第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタ
のゲート絶縁膜の多層構造のうち少なくとも最上層のソ
ース・ドレイン領域上における少なくとも一部を除去し
ているため、この除去部分下のソース・ドレイン領域の
不純物濃度が最大となるように注入され、このとき、第
1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのソース・ドレ
イン領域にも第2の導電型の不純物が注入されるが、除
去部分がない多層構造のゲート絶縁膜を通して注入され
るため、注入量が少なくなる。このように、第1の導電
型チャネルの薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域
に注入される第2の導電型の不純物を低減できるため、
第1の不純物の注入量を、従来、第2の不純物の注入量
の3〜5倍程度必要であったのに対し、2倍程度に低減
しても第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタの特性
を確保できる。したがって、第1の不純物の注入量を低
減して不純物の注入時間を短縮し、スループットを向上
することができる。
【0051】また、ゲート絶縁膜が多層構造であるた
め、ピンホール等に対する冗長性が向上し、製造歩留ま
りを大幅に向上することができるとともに、ゲート絶縁
膜の耐圧ならびに薄膜トランジスタの信頼性を大幅に向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態における半導体装
置の製造方法を示す工程断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態における半導体装
置の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態におけるアクティ
ブマトリックスアレイ基板の製造方法を示す工程断面図
である。
【図4】この発明の第3の実施の形態における液晶表示
装置の回路構成図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態における液晶表示
装置の断面図である。
【図6】従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図
である。
【符号の説明】
11 透光性基板 13 多結晶シリコン薄膜 13a チャネル領域 13b 低濃度不純物注入領域 13c 高濃度不純物注入領域 14 ゲート絶縁膜 14a 酸化シリコン薄膜 14b 窒化シリコン薄膜 14c 酸化タンタル薄膜 15 ゲート電極材料 15A,15B,15C ゲート電極 18 層間絶縁膜 19 ソース・ドレイン配線 22 表示電極 23 保護絶縁膜 31 薄膜トランジスタ 32 走査側駆動回路 33 データ側駆動回路 34 画素 41 対向側透光性基板 42 偏光板 43 ブラックマトリックス 44 カラーフィルタ層 45 共通電極 46 配向膜 47 液晶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78 616L 617A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上に、ソース・ドレイン領域お
    よびチャネル領域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、
    前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲー
    ト電極を形成した第1および第2の導電型チャネルの薄
    膜トランジスタからなる半導体装置であって、 前記第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート
    絶縁膜は、ソース・ドレイン領域上を被覆するように異
    種材料を積層した多層構造のゲート絶縁膜からなり、 前記第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート
    絶縁膜は、前記第1の導電型チャネルの薄膜トランジス
    タと同種の多層構造のゲート絶縁膜からなり、かつ、前
    記第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶
    縁膜の多層構造のうち少なくとも最上層のソース・ドレ
    イン領域上における少なくとも一部を除去したことを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン薄膜上
    に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコン薄膜
    上に形成した窒化シリコン薄膜とからなることを特徴と
    する請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン薄膜上
    に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコン薄膜
    上に形成した酸化タンタル薄膜とからなることを特徴と
    する請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 窒化シリコン薄膜の膜厚が30nm以上
    150nm以下であることを特徴とする請求項2記載の
    半導体装置。
  5. 【請求項5】 酸化タンタル薄膜の膜厚が20nm以上
    100nm以下であることを特徴とする請求項3記載の
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 酸化シリコン薄膜の膜厚が30nm以上
    100nm以下であることを特徴とする請求項2,3,
    4または5記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 同一基板上に、ソース・ドレイン領域お
    よびチャネル領域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、
    前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲー
    ト電極を形成した第1および第2の導電型チャネルの薄
    膜トランジスタからなる半導体装置の製造方法であっ
    て、 前記第1および第2の導電型チャネルの薄膜トランジス
    タの多結晶シリコン薄膜を被覆するように、異種材料を
    積層した多層構造の前記ゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜上をゲート電極材料により被覆する工
    程と、 前記第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート
    電極を前記ゲート電極材料からパターン形成した後、前
    記第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタ領域上は前
    記ゲート電極材料により被覆した状態で、第1の導電型
    の不純物を注入して前記第1の導電型チャネルの薄膜ト
    ランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース・ドレイン領
    域を形成する工程と、 前記第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート
    電極を前記ゲート電極材料からパターン形成し、かつ前
    記第2の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶
    縁膜の多層構造のうち少なくとも最上層のソース・ドレ
    イン領域上における少なくとも一部を除去した後に、前
    記第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶
    縁膜はソース・ドレイン領域上を前記多層構造により被
    覆した状態で、第2の導電型の不純物を注入して前記第
    2の導電型チャネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコ
    ン薄膜にソース・ドレイン領域を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 同一基板上に、ソース・ドレイン領域お
    よびチャネル領域となる多結晶シリコン薄膜を形成し、
    前記多結晶シリコン薄膜上にゲート絶縁膜を介してゲー
    ト電極を形成した第1および第2の導電型チャネルの薄
    膜トランジスタからなる半導体装置の製造方法であっ
    て、 前記第1および第2の導電型チャネルの薄膜トランジス
    タの多結晶シリコン薄膜を被覆するように、異種材料を
    積層した多層構造の前記ゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 前記ゲート絶縁膜上に前記第1および第2の導電型チャ
    ネルの薄膜トランジスタのゲート電極を形成する工程
    と、 前記ゲート電極を形成した後、前記第2の導電型チャネ
    ルの薄膜トランジスタ領域上を有機物からなるマスクに
    より被覆し、その後、第1の導電型の不純物を注入して
    前記第1の導電型チャネルの薄膜トランジスタの多結晶
    シリコン薄膜にソース・ドレイン領域を形成する工程
    と、 前記有機物からなるマスクを除去し、前記第2の導電型
    チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の多層構造
    のうち少なくとも最上層のソース・ドレイン領域上にお
    ける少なくとも一部を除去した後に、前記第1の導電型
    チャネルの薄膜トランジスタのゲート絶縁膜はソース・
    ドレイン領域上を前記多層構造により被覆した状態で、
    第2の導電型の不純物を注入して前記第2の導電型チャ
    ネルの薄膜トランジスタの多結晶シリコン薄膜にソース
    ・ドレイン領域を形成する工程とを含むことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン薄膜上
    に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコン薄膜
    上に形成した窒化シリコン薄膜とからなることを特徴と
    する請求項7または8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 ゲート絶縁膜は、多結晶シリコン薄膜
    上に形成した酸化シリコン薄膜と、この酸化シリコン薄
    膜上に形成した酸化タンタル薄膜とからなることを特徴
    とする請求項7または8記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 同一基板上に、表示領域を形成するマ
    トリックスアレイと、前記マトリックスアレイを駆動す
    る走査側駆動回路およびデータ側駆動回路とを集積化し
    たアクティブマトリックスアレイ基板であって、 前記走査側およびデータ側駆動回路の少なくとも一部
    に、請求項1記載の半導体装置を用いたことを特徴とす
    るアクティブマトリックスアレイ基板。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のアクティブマトリッ
    クスアレイ基板と、対向基板との間に液晶を挟持したこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
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