JP3794240B2 - アクティブマトリクス基板とその製造方法、電気光学装置とその製造方法及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス基板とその製造方法、電気光学装置とその製造方法及び電子機器に関し、特に、表示ムラの一因となる書き込み不足を低減するため等に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜TFTと略称する)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置(例えば、液晶装置)においては、縦横に夫々配列された多数の走査線及びデータ線並びにこれらの各交点に対応して多数のTFTがTFTアレイ基板であるアクティブマトリクス基板上に設けられている。
【0003】
従来の液晶装置等に用いられるアクティブマトリクス基板では、画素部分のTFTの他に、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に、画素部分のTFTに接続された蓄積容量を付加する場合がある。
また、画素部分の周辺には、シフトレジスタやドライバー等の周辺回路が設けられ、この周辺回路は一般にCMOS回路で構成されNMOS(nチャネルMOS)及びPMOS(pチャネルMOS)のTFTが使用されている。
この周辺回路に用いられるTFTのうち画素部分のTFTと同じ導電型のものは、通常、製造工程上画素部分のTFTと同一のイオン注入及びゲート絶縁膜形成で作成されるため、画素部分のTFTと同様のしきい値電圧を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアクティブマトリクス基板に関する技術では、以下の課題が残されている。すなわち、液晶表示装置等の表示ムラは蓄積容量への書き込み不足が一因であるが、例えばTFTにおけるゲート長やゲート酸化膜膜厚等のプロセスのバラツキがTFTのしきい値電圧をばらつかせるとともにTFTの特性を低下させて、蓄積容量への書き込みが不十分になるおそれがあった。そして、ドライバーTFTの能力不足やコンタクト抵抗が高いことにより、ドライバーから遠い画素ほど欠陥になるおそれがあり、この場合、線欠陥が生じてデバイスとして不良になるおそれがあった。例えば、液晶表示装置のTFTのしきい値電圧は、10〜12Vの動作電圧で通常3±1V(NMOS)位に設定されているが、周辺回路であるシフトレジスタ、ドライバー等のTFTはこのしきい値電圧で問題なく動作するのに対し、画素部分の蓄積容量に接続された画素用TFT(トランスファーTFT)は、このしきい値電圧では十分に充電することが難しい場合がある。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、プロセスによってドライバーTFTの特性がばらついても書き込み不足を低減することができるアクティブマトリクス基板とその製造方法、電気光学装置とその製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のアクティブマトリクス基板は、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続された画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、画素用薄膜トランジスタに接続された蓄積容量と、周辺回路内に形成され少なくとも前記画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板であって、前記画素用薄膜トランジスタは、前記周辺回路用薄膜トランジスタよりしきい値電圧が低いことを特徴とする。
【0007】
このアクティブマトリクス基板では、画素用薄膜トランジスタが周辺回路用薄膜トランジスタよりしきい値電圧が低いので、周辺回路用薄膜トランジスタの特性がばらついたり、コンタクト抵抗が高くなっても、画素用薄膜トランジスタのマージンが拡大して安定した動作ができ、動作電圧を変えずに蓄積容量への書き込みの電荷量を増やし、表示ムラを低減することができる。
【0008】
また、本発明のアクティブマトリクス基板は、前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とが形成された半導体層を備え、該半導体層のうち前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域は、該チャネル領域両側のソース領域及びドレイン領域と同じ導電型の不純物濃度が前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域より高いことが好ましい。
【0009】
このアクティブマトリクス基板では、画素用薄膜トランジスタのチャネル領域における同じ導電型の不純物濃度が周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域より高いので、チャネル領域における同導電型の不純物濃度が高いほどしきい値電圧が低くなるTFTの特性から、画素用薄膜トランジスタのしきい値電圧を周辺回路用薄膜トランジスタより低くすることができる。
【0010】
また、本発明のアクティブマトリクス基板は、前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とが形成された半導体層と、該半導体層上に形成されたゲート絶縁膜とを備え、該ゲート絶縁膜は、前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配された部分が前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配された部分より薄いことが好ましい。
【0011】
このアクティブマトリクス基板では、画素用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配されたゲート絶縁膜が周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配された部分より薄いので、チャネル領域上のゲート絶縁膜の膜厚が薄いほどしきい値電圧が低くなるTFTの特性から、画素用薄膜トランジスタのしきい値電圧を周辺回路用薄膜トランジスタより低くすることができる。
【0012】
本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法は、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続された画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、画素用薄膜トランジスタに接続された蓄積容量と、周辺回路内に形成され少なくとも前記画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域の前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入するイオン注入工程とを備えていることを特徴とする。
【0013】
このアクティブマトリクス基板の製造方法では、イオン注入工程において、周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも画素用薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域の半導体層にゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入することで、画素用薄膜トランジスタのチャネル領域の不純物濃度(前記不純物と同じ導電型の不純物濃度)を周辺回路用薄膜トランジスタよりも高くすることができ、画素用薄膜トランジスタのしきい値電圧を周辺回路用薄膜トランジスタより容易に下げることができる。
【0014】
本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法は、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続された画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、画素用薄膜トランジスタに接続された蓄積容量と、周辺回路内に形成され少なくとも画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備え、前記絶縁膜形成工程は、前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記ゲート絶縁膜の厚さを前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程を備えていることを特徴とする。
【0015】
このアクティブマトリクス基板の製造方法では、絶縁膜形成工程において、画素用薄膜トランジスタになる領域のゲート絶縁膜の厚さを周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程を備えているので、形成される画素用薄膜トランジスタのしきい値電圧を周辺回路用薄膜トランジスタよりも容易に低くすることができる。
【0016】
本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法は、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続された画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、画素用薄膜トランジスタに接続された蓄積容量と、周辺回路内に形成され少なくとも画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備え、該絶縁膜形成工程は、前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記ゲート絶縁膜の厚さを前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程と、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域の前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入するイオン注入工程とを備えていることを特徴とする。
【0017】
このアクティブマトリクス基板の製造方法では、絶縁膜形成工程において、画素用薄膜トランジスタになる領域のゲート絶縁膜の厚さを周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程と、周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域の半導体層にゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入するイオン注入工程とを備えているので、薄いゲート酸化膜とイオン注入による不純物濃度の制御との両効果により、画素用薄膜トランジスタのしきい値電圧を周辺回路用薄膜トランジスタよりも容易に低くすることができる。
【0018】
また、本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法では、前記イオン注入工程において、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域を前記ゲート絶縁膜上に形成したマスクで覆った状態で、前記イオン注入を行うことが好ましい。
【0019】
このアクティブマトリクス基板の製造方法では、マスクによるマスキングで周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域になる領域を覆い選択的に画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域にイオン注入を行うことで、画素用薄膜トランジスタになる領域の半導体層に正確に不純物を添加することができる。
【0020】
また、本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法では、前記絶縁膜形成工程が、前記半導体層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域を前記第1のゲート絶縁膜上に形成したマスクで覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域上の第1の絶縁膜を選択的にエッチングして除去する選択エッチング工程と、該選択エッチング工程後に前記マスクを除去し前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記半導体層上及び前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域の前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成する工程とを備えていることが好ましい。
【0021】
このアクティブマトリクス基板の製造方法では、画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域上の第1の絶縁膜を選択的に除去した状態で画素用薄膜トランジスタ及び周辺回路用薄膜トランジスタになる領域に第2の絶縁膜が形成されることにより、周辺回路用薄膜トランジスタのゲート絶縁膜が第1及び第2の絶縁膜の2層構造になるのに対し、画素用薄膜トランジスタのゲート絶縁膜は第2の絶縁膜のみの1層だけで構成され、画素用薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を周辺回路用薄膜トランジスタよりも容易にかつ高精度に薄く形成することができる。
【0022】
本発明の電気光学装置は、互いに対向する一対の基板間に電気光学材料を有する電気光学装置であって、前記一対の基板のうちの一方が、上記本発明のアクティブマトリクス基板であることを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、互いに対向する一対の基板間に電気光学材料を有する電気光学装置の製造方法であって、前記一対の基板のうちの一方が、上記本発明のアクティブマトリクス基板の製造方法により作製されたアクティブマトリクス基板であることを特徴とする。
【0023】
これらの電気光学装置及び電気光学装置の製造方法では、上記本発明のアクティブマトリクス基板及びアクティブマトリクス基板の製造方法を用いることにより、書き込み不足が改善され表示ムラが低減されたTFTを有する表示品位の高い液晶装置等の電気光学装置を実現することができる。
【0024】
本発明の電子機器は、上記電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明の電気光学装置を備えたことにより表示品位の高い表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図11を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本実施形態の液晶装置(電気光学装置)の画像表示領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2はデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)における隣接する複数の画素群の平面図である。
【0027】
[液晶装置要部の構成]
本実施形態のTFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)7は、TFT駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置である液晶装置に用いられるものである。図1に示すように、このTFTアレイ基板7における画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極1と当該画素電極1を制御するためのデュアルゲート構造の画素用TFT(画素用薄膜トランジスタ)2とからなり、画像信号を供給するデータ線3が当該画素用TFT2のソース領域に電気的に接続されている。データ線3に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線3同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、画素用TFT2のゲート電極に走査線4が電気的に接続されており、所定のタイミングで走査線4に対してパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極1は、画素用TFT2のドレイン領域に電気的に接続されており、スイッチング素子である画素用TFT2を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線3から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
なお、画素用TFT2は、2つのTFT2a、2bが互いのソース領域及びドレイン領域を共通にして直列に接続されているデュアルゲート構造を有している。
【0028】
このような複数ゲート構造の場合、それぞれのゲート電極となる走査線には同一の信号が印加されるようになっており、チャネルとソース−ドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができるものである。画素電極1を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光が変調し、階調表示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極1と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に補助容量としての蓄積容量5を付加する。例えば画素電極1の電圧は、蓄積容量5によりソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保持される。これにより、保持特性はさらに改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現できる。なお、本実施の形態では、蓄積容量5を形成する方法として、半導体層との間で容量を形成するための配線である容量線6を設けている。
【0029】
図2に示すように、TFTアレイ基板7上には、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる複数の画素電極1(輪郭を破線で示す)がマトリクス状に配置されており、画素電極1の紙面縦方向に延びる辺に沿ってデータ線3(輪郭を2点鎖線で示す)が設けられ、紙面横方向に延びる辺に沿って走査線4及び容量線6(ともに輪郭を実線で示す)が設けられている。すなわち、画素電極1は、走査線4とデータ線3で区画された画素領域に形成されている。
【0030】
本実施の形態において、ポリシリコン膜からなる半導体層8(輪郭を1点鎖線で示す)には、データ線3と走査線4との交差点の近傍でU字状に形成されたU字状部8aが形成されている。すなわち、U字状部8aは、走査線4と2度交差して、2つのチャネル領域を形成している。そして、U字状部8aは、U字状部8aの一端が隣接するデータ線3の方向(紙面右方向)及び当該データ線3に沿う方向(紙面上方向)に長く延びている。
【0031】
半導体層8のU字状部8aの両端にコンタクトホール9,10が形成され、一方のコンタクトホール9はデータ線3と半導体層8のソース領域とを電気的に接続するソースコンタクトホールとなり、他方のコンタクトホール10はドレイン電極11(輪郭を2点鎖線で示す)と半導体層8のドレイン領域とを電気的に接続するドレインコンタクトホールとなっている。
【0032】
また、ドレイン電極11上のドレインコンタクトホール10が設けられた側と反対側の端部には、ドレイン電極11と画素電極1とを電気的に接続するための画素コンタクトホール12が形成されている。
【0033】
本実施の形態における画素用TFT2は、半導体層8のU字状部8aで走査線4を2回交差しており、前述したように、1つの半導体層上に2つのゲートを有するTFT、いわゆるデュアルゲート型TFTを構成する。また、容量線6は走査線4に沿って紙面横方向に並ぶ画素を貫くように延びるとともに、分岐した一部6aがデータ線3に沿って紙面縦方向に延びている。そこで、図2及び図8に示すように、ともにデータ線3に沿って長く延びる半導体層8(下部電極46)と容量線6とがゲート絶縁層44を挟んで、蓄積容量5が形成されている。
なお、画素用TFT2の層構造等の構成については、後述する製造プロセスにおいて併せて説明する。
【0034】
[液晶装置の全体構成]
次に、本実施形態のTFTアレイ基板7を用いた液晶装置40の全体構成について図3及び図4を用いて説明する。
【0035】
図3及び図4において、TFTアレイ基板7の上には、シール材28がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して額縁としての遮光膜29が設けられている。シール材28の外側の領域には、周辺回路であるデータ線駆動回路30及び外部回路接続端子31がTFTアレイ基板7の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路32がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線4に供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路32は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路30を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば、奇数列のデータ線3は画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線3は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。このようにデータ線3を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。
【0036】
これらのデータ線駆動回路30及び走査線駆動回路32は、CMOS回路で構成されNMOS(nチャネルMOS)及びPMOS(pチャネルMOS)の複数の周辺回路用TFTが使用されている。なお、これらの周辺回路用TFTの層構造等の構成については、後述する製造プロセスにおいて併せて説明する。
【0037】
さらに、TFTアレイ基板7の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路32間をつなぐための複数の配線33が設けられている。また、対向基板15のコーナー部の少なくとも1箇所には、TFTアレイ基板7と対向基板15との間で電気的導通をとるための導通材34が設けられている。そして、シール材28とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板15が当該シール材28によりTFTアレイ基板7に固着されている。
【0038】
[電子機器]
以下、本発明の液晶装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
【0039】
図5は、携帯電話の一例を示した斜視図である。
図5において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
図6は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。
図6において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
図7は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
図7において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。
図5から図7に示す電子機器は、上記の液晶装置を用いた液晶表示部を備えたものであるので、表示品位に優れた電子機器を実現することができる。
【0040】
[液晶装置要部の製造プロセス]
次に、本実施形態における液晶装置要部の製造プロセスについて、図8から図11を参照して説明する。
【0041】
図8においては、画素内の画素用TFT2(NチャネルTFT)及び蓄積容量5の製造工程だけでなく、当該製造工程と同時並行的に形成される周辺領域(すなわち、表示領域内の上記画素用TFT2に対して上記走査信号又はゲート信号を印可してこれを駆動するために表示領域周辺に形成されている周辺回路)内にある周辺回路用TFT(相補型のTFT60(Nチャネル(NMOS)、周辺回路用薄膜トランジスタ)及びTFT61(Pチャネル(PMOS))の製造工程も併せて説明するものである。また、図9においては、画素用TFT2となる領域A1及び周辺回路用TFTとなる領域A2における製造工程を概略的な要部断面で説明するものである。
【0042】
図8の(a)に示されるように、第1工程として、ガラス基板41上に絶縁層42を形成し、その上に、アモルファスのシリコン層を積層する。その後、シリコン層に対して例えばレーザアニール処理等の加熱処理を施すことにより、アモルファスのシリコン層を再結晶させ、結晶性のポリシリコン層である半導体層8を形成する。この第1工程は、表示領域及び周辺領域において同様である。
【0043】
次に、図2、図8の(b)及び図9の(a)に示されるように、第2工程として、第1工程で形成された半導体層8をパターニングする。このとき、半導体層8には、図2に示すように、後述する工程で形成するソースコンタクトホール9とドレインコンタクトホール10との間に、後述する工程で形成する走査線4を2度交差するU字状部8aを形成しておく。
【0044】
さらに、半導体層8の上にプラズマCVD法により酸化シリコン膜のゲート絶縁層44を積層する。このゲート絶縁層44の厚さは、例えば50〜150nm程度である。この第2工程は、表示領域及び周辺領域において同様である。
そして、図8の(c)に示されるように、第3工程として、表示領域のうち、接続部45及び蓄積容量5の下部電極46となるべき領域以外の領域をレジスト47aでマスク処理する。すなわち、ゲート絶縁層44上の少なくとも画素用TFT2になる領域A1に、レジスト47aをマスクとしてパターン形成する。一方、周辺領域においては、その全面をレジスト47aでマスク処理する。そして、双方の領域におけるマスク処理後、ドナーとして、例えばリンイオンP+(不純物)をイオン注入装置でゲート絶縁層44を通過させながら半導体層8にドーピングする。この第3工程により、上記接続部45及び下部電極46が形成される。このイオン注入は、半導体層8を蓄積容量5の電極とするために、ポリシリコン層の低抵抗化を行うものである。このときのイオン注入は、注入エネルギーが80keV程度で、ドーズ量が3×1014〜5×1015/cm2程度のドーピング条件で行われる。
【0045】
次に、レジスト47aを除去し、HFを用いない前洗浄を行った後、第4工程として、図8の(d)、図9の(b)及び図10に示すように、ゲート絶縁層44上に選択的に形成したレジスト47bをマスクとしてパターン形成し、周辺回路用TFT60となる領域A2(周辺回路用TFT61及び外部回路接続端子31になる領域を含む)を覆った状態とする。すなわち、画素用TFT2になる領域A1は、レジスト47bで覆われていない。
【0046】
さらに、イオン注入装置で、レジスト47bがない領域にドナーとしてのP+(不純物)をゲート絶縁層44を通過させながら半導体層8にドーピングする。
このイオン注入は、表示領域における画素用TFT2のしきい値電圧の調整を行うものであり、注入エネルギーが20〜80keVで、ドーズ量が1×1011〜1×1013/cm2程度のドーピング条件で行われる。このイオン注入により、画素用TFT2になる領域A1の半導体層8にはP+が添加されるが、周辺回路用TFT60になる領域A2の半導体層8にはP+が添加されていない状態となる。
【0047】
次に、図8の(e)に示されるように、第5工程として、上記P+イオンをドーピング後、レジスト47bを剥離し、その後、夫々のTFTにおけるゲート電極63、64及び走査線4並びに容量線6を形成する。これらの形成は、例えば、金属をスパッタ又は真空蒸着した後、レジストで当該走査線等のパターンを形成し、走査線等に供される部分以外をドライエッチングすることにより行う。
【0048】
そして、当該ゲート電極63、64及び走査線4並びに容量線6の形成後、周辺領域内の周辺回路用TFT61になる領域並びに表示領域内の下部電極46に相当する領域に夫々レジスト48を塗布してマスク処理した後、再度、P+イオンをドーピングする。このときのドーピング条件は、例えば、31Pのドーズ量が5×1014〜7×1014/cm2程度であり、エネルギーとしては、80keV程度必要とされる。上側電極へのドーピングは下部電極への注入量に比べて少ない。以上の第5工程により、画素用TFT2のチャネル領域50の両側にソース領域49とドレイン領域51とが形成されるとともに、周辺回路用TFT60のチャネル領域66の両側にソース領域65とドレイン領域67とが形成される。
【0049】
次に、第6工程として、上記P+イオンをドーピング後、レジスト48を剥離し、その後に、図8の(f)に示されるように、周辺領域内の周辺回路用TFT60が形成されている領域並びに表示領域の全ての領域にレジスト68を塗布してマスク処理した後、アクセプタとしてのB(ボロン)イオンをドーピングする。このときのドーピング条件は、例えば、11Bのドーズ量が5×1014/cm2以上必要であり、注入エネルギーとしては、25〜30keV程度必要とされる。これにより周辺回路用TFT61のチャネル領域70の両側に、ソース領域69とドレイン領域71とが形成される。
【0050】
最後に、図8の(g)及び図9の(c)に示されるように、第7工程として、レジスト48を剥離した後、第1層間絶縁層52を積層し、その後、コンタクトホール9及び10並びに周辺回路用TFT60、61の各電極に対応するコンタクトホールとなる位置を開孔し、アルミニウムを蒸着した後に、各電極のパターンをレジストでパターニングしてドライエッチングにより、アルミ電極72、73、74及びドレイン電極11並びにデータ線3を形成する。
【0051】
その後、第2層間絶縁層53を積層して画素コンタクトホール12となる位置を開孔し、その上の所定の領域に画素電極1を蒸着等により形成して図1及び図2に示す画素用TFT2及び周辺回路用TFT60、61が完成する。その後は、対向基板15に対向電極を形成し、図4に示すように、当該TFTアレイ基板7と対向基板15との間に液晶16を充填する等の処理を経て液晶装置40が完成する。
【0052】
また、第3工程において、ゲート絶縁膜44形成後にP+イオンを注入するので、半導体層8がイオン注入により破損することが少なく、さらに高いエネルギーでイオン注入を行うので、短時間で接続部45及び下部電極46を製造することができる。さらに、コンタクトホール12及び10により画素電極1との導通を図るので、ドレイン領域51と接続部45と画素電極1とを電気的に確実に接続することができる。
【0053】
本実施形態のTFTアレイ基板7は、NMOSである画素用TFT2と同じ導電型の不純物としてP+イオンをレジスト47bでマスキングされていない画素用TFT2になる領域A1に選択的にイオン注入を行って製造されているので、画素用TFT2のチャネル領域50のN型不純物濃度(ドナー密度)をNMOSである周辺回路用TFT60よりも高くすることができ、画素用TFT2のしきい値電圧を周辺回路用TFT60より容易に下げることができる。したがって、画素用TFT2が周辺回路用TFT60よりしきい値電圧が低いので、周辺回路用TFT60の特性がばらついたり、コンタクト抵抗が高くなっても、画素用TFT2のマージンが拡大して安定した動作ができ、蓄積容量5への書き込みの電荷量を増やし、表示ムラを低減することができる。
【0054】
このように、製造されたTFTアレイ基板7における画素用TFT2及び周辺回路用TFT60は、図11の電流−電圧特性図に示すように、周辺回路用TFT60のしきい値電圧が3V程度であるのに対し、画素用TFT2のしきい値電圧が1V程度と低い値が得られる。
【0055】
次に、本発明に係る第2実施形態を、図12及び図13を参照しながら説明する。
【0056】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、画素用TFT2のチャネル領域50における不純物濃度を周辺回路用TFT60のチャネル領域66より高くすることで、画素用TFT2のしきい値電圧を周辺回路用TFT60より低くしているのに対し、第2実施形態では、図12に示すように、画素用TFT80のゲート絶縁膜の厚さを周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜より薄くすることで、画素用TFT80のしきい値電圧を周辺回路用TFT81より低くしている点である。
【0057】
すなわち、本実施形態のTFTアレイ基板82は、周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜が第1ゲート絶縁層(第1の絶縁膜)83と第2ゲート絶縁層(第2の絶縁膜)84との2層で形成されているのに対し、画素用TFT80のゲート絶縁膜が第1ゲート絶縁層83の1層のみで形成されている。したがって、本実施形態では、画素用TFT80のゲート絶縁膜が周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜より薄いので、チャネル領域上のゲート絶縁膜の膜厚が薄いほどしきい値電圧が低くなるTFTの特性から、画素用TFT80のしきい値電圧を周辺回路用TFT81より低くすることができる。
【0058】
このTFTアレイ基板82の製造工程では、第1実施形態の製造プロセスにおける第4工程のようなしきい値電圧調整のためのイオン注入を行わずに、ゲート絶縁膜を形成する第2工程で、2度の絶縁膜形成を行い、2回目の絶縁膜形成を選択的に行う。すなわち、まず、図13の(a)に示すように、半導体層8の上にプラズマCVD法により酸化シリコン膜の第1ゲート絶縁層83を積層する。この第1ゲート絶縁層83の厚さは、例えば30nmである。この第1ゲート絶縁層83の形成は、表示領域及び周辺領域において同様である。さらに、図13の(b)に示すように、第1ゲート絶縁層83上に選択的に形成したレジスト85をマスクとしてパターン形成し、周辺回路用TFTとなる領域A2を覆った状態とする。すなわち、画素用TFT80になる領域A1は、レジスト85で覆われていない。
【0059】
そして、レジスト85の無い領域の第1ゲート絶縁層83をHF系のウェットエッチングで選択的にエッチングして除去する(選択エッチング工程)。この後、レジスト85を除去し、図13の(c)に示すように、画素用TFT80になる領域A1の半導体層8上及び周辺回路用TFTになる領域A2の第1ゲート絶縁層83上にプラズマCVD法により酸化シリコン膜の第2ゲート絶縁層84を形成する。この第2ゲート絶縁層84の厚さは、例えば70nmである。すなわち、周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜の厚さは、100nmとなるのに対し、画素用TFT80のゲート絶縁膜の厚さは、70nmとなる。このような膜厚設定の場合、周辺回路用TFT81のしきい値電圧は3Vになるのに対し、画素用TFT80のしきい値電圧は2Vになる。
【0060】
したがって、本実施形態では、周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜が第1ゲート絶縁層83及び第2ゲート絶縁層84の2層構造になるのに対し、画素用TFT80のゲート絶縁膜は第2ゲート絶縁層84のみの1層だけで構成され、画素用TFT80のゲート絶縁膜を周辺回路用TFT81のゲート絶縁膜よりも容易にかつ高精度に薄く形成することができる。
【0061】
次に、上記第1実施形態及び第2実施形態の変形例について説明する。なお、第1及び第2実施形態と同様の部分については説明を省略することとし、異なる部分だけを以下に説明する。
【0062】
上記変形例は、第1実施形態と第2実施形態とを合わせた工程で製造するものである。すなわち、本変形例は、第2実施形態の第2工程と同様に2度の絶縁膜形成を行い、2回目の絶縁膜形成を選択的に行って画素用TFTのゲート絶縁膜を相対的に薄くするとともに、第1実施形態の第4工程と同様のイオン注入を行って製造される。したがって、本変形例によれば、不純物濃度の制御と薄いゲート絶縁膜との両効果で画素用TFTのしきい値を下げることができる。
【0063】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記各実施形態においてはNMOSの画素用TFTを採用したものに適用したが、PMOSの画素用TFTを採用したものに適用しても構わない。このとき、第1実施形態では、第4工程のイオン注入においてN型不純物(ドナー)であるP+イオンを打ち込んでいるのに対し、PMOS画素用TFTの場合には、P型不純物(アクセプタ)として例えばBイオンをイオン注入(注入エネルギー:10〜50keV、ドーズ量:1×1011〜1×1013/cm2)することにより、画素用TFTのチャネル領域における不純物濃度を高めてしきい値電圧を下げる。
【0064】
また、上記第2実施形態では、画素用TFTのゲート絶縁膜を薄くする手段として第1ゲート絶縁層83を選択的に除去しその上に第2ゲート絶縁層84を形成するのに対し、予め周辺回路用TFTに合わせて厚くゲート絶縁膜を形成しておき、画素用TFTのゲート絶縁膜のみを所定の厚さまで選択的にエッチングすることにより薄くしてもよい。なお、エッチングによりゲート絶縁膜の厚さを薄くすることは、プロセス的に制御が難しい場合があるため、第2実施形態による場合の方が、高精度な膜厚のゲート絶縁膜が得られる。
【0065】
また、上記第4工程においてレジストをマスクとしてマスキングすることで選択的なイオン注入を行うが、レジスト等のマスクを用いずにイオン注入の条件を制御して画素用TFTになる領域の半導体層に選択的に不純物を添加してもよい。例えば、周辺回路用TFTとなる領域と画素用TFTとなる領域とのゲート絶縁膜はその厚さが異なるため、イオン注入の注入エネルギーを適当に調整して注入を行うことにより、レジスト等のマスクがなくても不純物がゲート絶縁膜の厚い部分の半導体層(周辺回路用TFTとなる領域)には注入されずに周辺回路のNチャネル及びPチャネルの両方の部分に入らず、ゲート絶縁膜の薄い部分の半導体層(画素用TFTとなる領域)のみに入り、選択的なイオン注入が可能となる。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、画素用薄膜トランジスタが周辺回路用薄膜トランジスタよりしきい値電圧が低いので、周辺回路のドライバーTFTの特性がばらついたり、コンタクト抵抗が高くなっても、画素用TFTのマージンが拡大して安定した動作ができ、動作電圧を変えずに蓄積容量への書き込みの電荷量を増やし、表示ムラや線欠陥等の不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の等価回路図である。
【図2】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の画素構成を示す要部の拡大平面図である。
【図3】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】 図3のH−H線矢視断面図である。
【図5】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置を備えた電子機器の一例を示す斜視図である。
【図6】 電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図7】 電子機器のさらに他の例を示す斜視図である。
【図8】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の画素用TFT、蓄積容量及び周辺回路用TFTの製造工程を工程順に示す断面図(画素用TFT及び蓄積容量は、図2のA−A線矢視断面)である。
【図9】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の画素用TFT及び周辺回路用TFTの要部の製造工程を示す概略的な断面図である。
【図10】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の製造工程において、第4工程におけるマスクパターンを示す概略的な平面図である。
【図11】 本発明に係る第1実施形態における液晶装置の画素用TFT及び周辺回路用TFTの電流電圧特性を示すグラフである。
【図12】 本発明に係る第2実施形態における液晶装置の画素用TFT及び周辺回路用TFTを示すソース・ドレイン電極形成後の概略的な要部の断面図である。
【図13】 本発明に係る第2実施形態における液晶装置の画素用TFT及び周辺回路用TFTの要部の製造工程を示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
1 画素電極
2、80 画素用TFT(画素用薄膜トランジスタ)
3 データ線
4 走査線
5 蓄積容量
6 容量線
7、82 TFTアレイ基板(アクティブマトリクス基板)
8 半導体層
8a U字状部
15 対向基板
40 液晶装置(電気光学装置)
41 ガラス基板(基板)
44 ゲート絶縁層(ゲート絶縁膜)
46 下部電極
47a、47b、68、85 レジスト(マスク)
49、65、69 ソース領域
50、66、70 チャネル領域
51、67、71 ドレイン領域
52 第1層間絶縁層
60 NMOSの周辺回路用TFT(周辺回路用薄膜トランジスタ)
81 PMOSの周辺回路用TFT
83 第1ゲート絶縁層(第1の絶縁膜)
84 第2ゲート絶縁層(第2の絶縁膜)
Claims (11)
- ガラス基板上に、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して設けられた画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、周辺回路内に形成され少なくとも前記画素用薄膜トランジスタと同じ一導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板であって、
前記画素用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧よりも低い値であることを特徴とするアクティブマトリクス基板。 - 前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とが形成された半導体層を備え、
該半導体層のうち前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域は、該チャネル領域両側のソース領域及びドレイン領域と同じ導電型の不純物濃度が前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域より高いことを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス基板。 - 前記画素用薄膜トランジスタ及び周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とが形成された半導体層と、
該半導体層上に形成されたゲート絶縁膜とを備え、
該ゲート絶縁膜は、前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配された部分が前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域上に配された部分より薄いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクティブマトリクス基板。 - 互いに対向する一対の基板間に電気光学材料を有する電気光学装置であって、
前記一対の基板のうちの一方が、請求項1から請求項3のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板であることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項4記載の電気光学装置を供えたことを特徴とする電子機器。
- ガラス基板上に、マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して設けられた画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導通接続された画素電極と、周辺回路内に形成され少なくとも前記画素用薄膜トランジスタと同じ一導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、
前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域となる領域の前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入するイオン注入工程とを備え、
前記画素用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧を、前記周辺回路用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧よりも低くすることを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。 - マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して設けられた画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、周辺回路内に形成され少なくとも画素用薄膜トランジスタと同じ一導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、
前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備え、
前記絶縁膜形成工程は、前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記ゲート絶縁膜の厚さを前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程を備え、
前記画素用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧を、前記周辺回路用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧より低くすることを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。 - マトリクス状に形成された複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線の交差に対応して設けられた画素用薄膜トランジスタと、前記走査線と前記データ線で区画された画素領域に形成され前記画素用薄膜トランジスタのドレイン領域に導電接続された画素電極と、周辺回路内に形成され少なくとも画素用薄膜トランジスタと同じ一導電型の周辺回路用薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス基板の製造方法であって、
基板上に前記画素用薄膜トランジスタ及び前記周辺回路用薄膜トランジスタのチャネル領域と該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイン領域とになる半導体層を形成する工程と、
前記半導体層上にゲート絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを備え、
該絶縁膜形成工程は、前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記ゲート絶縁膜の厚さを前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域より薄くする工程と、
前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域は覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域の前記半導体層に前記ゲート絶縁膜を介して画素用薄膜トランジスタと同じ導電型の不純物をイオン注入するイオン注入工程とを備え、
前記画素用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧を、前記周辺回路用薄膜トランジスタの一導電型としてのしきい値電圧より低くすることを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。 - 前記イオン注入工程は、前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域を前記ゲート絶縁膜上に形成したマスクで覆った状態で、前記イオン注入を行うことを特徴とする請求項6又は請求項8記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
- 前記絶縁膜形成工程は、前記半導体層上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記周辺回路用薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域となる領域を前記第1のゲート絶縁膜上に形成したマスクで覆った状態で、少なくとも前記画素用薄膜トランジスタのチャネル領域になる領域上の第1の絶縁膜を選択的にエッチングして除去する選択エッチング工程と、
該選択エッチング工程後に前記マスクを除去し前記画素用薄膜トランジスタになる領域の前記半導体層上及び前記周辺回路用薄膜トランジスタになる領域の前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。 - 互いに対向する一対の基板間に電気光学材料を有する電気光学装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうち一方が、請求項6から10のいずれかに記載のアクティブマトリクス基板の製造方法により製造されたアクティブマトリクス基板であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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