JPH09252099A - 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09252099A
JPH09252099A JP8059720A JP5972096A JPH09252099A JP H09252099 A JPH09252099 A JP H09252099A JP 8059720 A JP8059720 A JP 8059720A JP 5972096 A JP5972096 A JP 5972096A JP H09252099 A JPH09252099 A JP H09252099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate electrode
film
ferroelectric
floating gate
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8059720A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Matsuhashi
秀明 松橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP8059720A priority Critical patent/JPH09252099A/ja
Publication of JPH09252099A publication Critical patent/JPH09252099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コントロールゲート電極およびフローティン
グゲート間の静電容量の低減。 【解決手段】 フローティングゲート電極24を覆う様
にして、絶縁膜30が設けられ、この絶縁膜30の上面
に強誘電体膜34が設けられており、絶縁膜30に設け
られているコンタクトホール32のホール内に強誘電体
膜34の一部が埋め込まれ、強誘電体膜34は絶縁膜3
0を介在してフローティングゲート電極24と電気的に
接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電体メモリ
トランジスタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度集積・高速・低消費電力・高信頼
性を有する次世代メモリとして、強誘電体の残留分極を
利用した強誘電体メモリトランジスタが有望であるとし
て研究・開発がなされている。強誘電体メモリトランジ
スタの構造としては、2Tr2Capa型、1Tr1C
apa型および1Tr型とあるが、中でも1Tr型の構
造が高密度集積化に最適であり、加えて、高速・低消費
電力・高信頼性といった面も兼ね具えている。この1T
r型の強誘電体メモリトランジスタは、通常のMOS電
界効果トランジスタ(以下、MOSFETと称する。)
の構造において、その半導体基板のアクティブ領域およ
びコントロールゲート電極間に強誘電体膜が設けられた
構造となっている。以下、この構造の強誘電体メモリト
ランジスタのことをMFS(Metal-Ferroelectric-Semi
conductor )−FETと称する。このMFS−FETに
ついては、例えば、文献「IEEE Trans.on Electron Dev
ices,Vol.ED-21,No.8(1974)p.499」に開示されている。
【0003】かかるMFS−FETは、強誘電体膜と半
導体基板例えばシリコン基板とが直接に接している構造
であるため、その製造工程時において、強誘電体膜材料
がシリコン基板中に拡散して、シリコン基板が汚染され
てしまい、FET特性の劣化を誘発するといった問題
や、シリコンと強誘電体膜材料との格子定数が異なるた
め、強誘電体膜が結晶化しにくく、そのため形成された
強誘電体膜が強誘電特性を示さなくなるといった問題が
あった。
【0004】これらの問題点を解決しようとして提案さ
れた強誘電体メモリトランジスタがMFMIS(Metal-
Ferroelectric-Metal-Insulator-Semiconductor )−F
ETである。このMFMIS−FETの構造は、前述の
MFS−FETの構造において、半導体基板のアクティ
ブ領域上にゲート酸化膜およびフローティングゲート電
極を順次に積層して、半導体基板のアクティブ領域およ
び強誘電体膜間にゲート酸化膜およびフローティングゲ
ート電極が設けられた構造となっている。このMFMI
S−FETの場合、強誘電体がフローティングゲート電
極を介して設けられているので、製造工程時における半
導体基板への汚染が起こらない。また、フローティング
ゲート電極材料に強誘電体膜材料に近い格子定数の材料
を選択することが可能であるので強誘電体膜の結晶化が
容易になり、強誘電体膜材料の強誘電特性を充分に引き
出せるようになる。MFMIS−FETについては、例
えば、文献「ISSCC Digest of Technical Papers(1995)
p.68」に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
MFMIS−FETには、以下のような問題があった。
図15は、MFMIS−FETの構造を示す断面図であ
る。このMFMIS−FETは、半導体基板52のアク
ティブ領域(ソース・ドレイン領域や動作時においてチ
ャネルが形成される領域を含むトランジスタ領域のこ
と。)上の互いに離間した2領域にそれぞれソース・ド
レイン領域(以下、S/D領域と称する。)54が設け
られており、これらS/D領域54の間のアクティブ領
域の上側に、ゲート酸化膜56、フローティングゲート
電極58、強誘電体膜60およびコントロールゲート電
極62が順次に積層された構造である。
【0006】このMFMIS−FETは、データの読み
書き動作に際して、コントロールゲート電極62および
半導体基板52間に電圧を印加することによって用いら
れる。図16は、MFMIS−FETの動作の説明に供
する断面図である。尚、この図16において、半導体基
板52の導電型がp型である、nチャネルタイプのMF
MIS−FETについて説明する。
【0007】図16の(A)は、半導体基板52を基準
として、コントロールゲート電極62側に、強誘電体膜
60の分極が反転するのに充分な正の電圧(+V)を印
加した後に電圧を0にした場合、このとき誘起された電
荷(図中、正電荷は丸で囲まれた記号+で示され、負電
荷は丸で囲まれた記号−で示される。)の様子を模式的
に表している。このように、強誘電体膜60の残留分極
(記号+と記号−とで示される。)により、フローティ
ングゲート電極58中に電荷が誘起され、この電荷によ
ってチャネル領域(ゲート酸化膜56の下側の領域。)
に負の電荷を持つキャリア(電子)が誘起される。従っ
て、MFMIS−FETのしきい値電圧(ドレイン電流
が流れ始めるときのコントロールゲート電極62および
半導体基板52間に印加される電圧。)が小さくなる。
【0008】図16の(B)は、半導体基板52を基準
として、コントロールゲート電極62側に、強誘電体膜
60の分極が反転するのに充分な負の電圧(−V)を印
加した後に電圧を0にした場合、このとき誘起された電
荷の様子を模式的に表している。このように、強誘電体
膜60の残留分極により、フローティングゲート電極5
8中に電荷が誘起され、この電荷によってチャネル領域
に正の電荷を持つキャリア(正孔)が誘起される。従っ
て、MFMIS−FETのしきい値電圧が大きくなる。
【0009】従って、データの有無すなわち情報が記憶
されているか(デジタル値の1)または記憶されていな
いか(デジタル値の0)は、MFMIS−FETのS/
D領域54間に一定電圧を印加しておき、検出されるド
レイン電流(チャネル領域を通ってS/D領域54間を
流れる電流。)の大小によって区別する。このように、
MFMIS−FETは、コントロールゲート電極62お
よび半導体基板52間に印加される電圧の正負すなわち
強誘電体膜中に形成される残留分極の向きにしたがって
しきい値電圧の大小すなわちドレイン電流の大小によ
り、メモリ動作を行っている。
【0010】ところで、MFMIS−FETの等価回路
は、図17に示されるように、コントロールゲート電極
62およびフローティングゲート電極58間に形成され
る静電容量(MFMキャパシタと称する。)64と、フ
ローティングゲート電極58および半導体基板52間に
形成される静電容量(MISキャパシタと称する。)6
6とが直列接続された回路で以て表される。一般に、強
誘電体物質の比誘電率はゲート酸化膜に比べるとかなり
大きいので、MFMキャパシタ64の方がMISキャパ
シタ66よりも大きい。よって、それぞれのキャパシタ
に印加される電圧は静電容量比に逆比例するから、MF
Mキャパシタ64すなわち強誘電体膜60に印加される
電圧はMISキャパシタ66すなわちゲート酸化膜56
に印加される電圧に比べてかなり小さくなってしまう。
このように、強誘電体膜に印加される電圧が小さいと強
誘電体膜中に形成される分極も飽和に至らず、残留分極
も小さくなってしまう。従って、この場合には、チャネ
ル領域にキャリアを誘起できず、しきい値電圧の変化も
小さく、データの有無の区別ができなくなってしまう。
また、強誘電体膜60に印加される電圧を大きくしよう
として、コントロールゲート電極62および半導体基板
52に印加する電圧を大きくしてしまうと、ゲート酸化
膜56に過大な電圧が印加されてしまい、ゲート酸化膜
56が絶縁破壊を起こしてしまうといった問題があっ
た。
【0011】また、MFMIS−FETは、コントロー
ルゲート電極62、強誘電体膜60およびフローティン
グゲート電極58のMFM構造を有しており、この構造
の形成には、通常はエッチングが用いられるわけである
が、強誘電体膜材料のエッチング時にフローティングゲ
ート電極58となる強誘電体膜の下側の金属膜がエッチ
ングされてしまいエッチングレートの設定の点から非常
に難しいエッチングであった。
【0012】さらに、このようにコントロールゲート電
極62、強誘電体膜60およびフローティングゲート電
極58を一度にエッチングして形成するこの構造は、M
FMキャパシタ64とMISキャパシタ66のキャパシ
タ面積が等しいので、MFMキャパシタ64をMISキ
ャパシタ66より小さくするためには、強誘電体膜60
の残留分極(強誘電体の静電容量は、残留分極が大きく
なるにつれて大きくなる。)、比誘電率とも小さい材料
を選択しなければならず、強誘電体材料に対する制約が
大きくなるといった問題があった。
【0013】従って、MFMキャパシタ64が小さく、
容易に形成可能な構造の強誘電体メモリトランジスタ及
びその製造方法の出現が望まれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の強誘電体メモ
リトランジスタによれば、半導体基板のアクティブ領域
とフローティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有
し、かつ、このフローティングゲート電極とコントロー
ルゲート電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMI
S型の強誘電体メモリトランジスタにおいて、前記コン
トロールゲート電極およびフローティングゲート電極間
の一部分に絶縁膜を介在させて、前記コントロールゲー
ト電極と前記フローティングゲート電極の面積を一定と
し、かつ、前記絶縁膜の側方に介在する前記強誘電体膜
部分を除けば前記強誘電体の膜厚は一定であるとしたと
き、これら両ゲート電極間の静電容量をこれら両ゲート
電極間に前記強誘電体膜のみを設けたときの静電容量よ
りも小さく設定してあることを特徴とする。
【0015】ここで、MFMIS型の強誘電体メモリト
ランジスタとは、前述したMFMIS−FETのことを
いう。このように、コントロールゲート電極およびフロ
ーティングゲート電極間の一部分に絶縁膜を介在させる
ことにより、これら両ゲート電極間の領域には、コント
ロールゲート電極、強誘電体膜、フローティングゲート
電極で構成されたMFM構造の他に、コントロールゲー
ト電極、強誘電体膜、絶縁膜およびフローティングゲー
ト電極で構成されたMFIM構造(またはMIFM構
造)が備わることになる。これらMFM構造およびMF
IM構造は電気的に並列に接続された状態であり、MF
M構造およびMFIM構造の各静電容量は絶縁膜の比誘
電率およびサイズにしたがって設定することができるの
で、コントロールゲート電極およびフローティングゲー
ト電極間の合成静電容量の大きさを適当に設定すること
ができる。また、絶縁膜の比誘電率およびサイズを適当
に設定することにより、コントロールゲート電極および
フローティングゲート電極間の静電容量を、両ゲート電
極間に絶縁膜を介在させないときと比べて(両ゲート電
極の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側方に介在す
る前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電体膜の膜厚は
一定であるとした場合には)小さくすることができる。
従って、コントロールゲート電極およびフローティング
ゲート電極間の静電容量を絶縁膜を介在しないときと比
べて小さくできるから、これら両ゲート電極間に印加さ
れる電圧を絶縁膜を介在しないときと比べて大きくする
ことができる。
【0016】また、この発明の別の強誘電体メモリトラ
ンジスタによれば、半導体基板のアクティブ領域とフロ
ーティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、か
つ、このフローティングゲート電極とコントロールゲー
ト電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の
強誘電体メモリトランジスタにおいて、コンタクトホー
ルを有した絶縁膜がこのコンタクトホール内に前記強誘
電体膜が連続して埋め込まれてなるように前記強誘電体
膜と前記フローティングゲートとの間に介在されてお
り、前記コントロールゲート電極と前記フローティング
ゲート電極の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側方
に介在する前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電体膜
の膜厚は一定であるとしたとき、これら両ゲート電極間
の静電容量をこれら両ゲート電極間に前記強誘電体膜の
みを設けたときの静電容量よりも小さくなるように前記
コンタクトホールにより前記強誘電体膜および前記フロ
ーティングゲート電極間の接合面積を設定してあること
を特徴とする。
【0017】このように、強誘電体膜およびフローティ
ングゲート電極間にコンタクトホールを有した絶縁膜を
介在させて、このコンタクトホール内に強誘電体膜と同
一の材料を埋め込んである。そして、コントロールゲー
ト電極およびフローティングゲート電極間のコンタクト
ホールを含む部分でMFM構造を実現し、その他の両ゲ
ート電極間の領域でMFIM構造を実現している構造で
ある。この構成によれば、コンタクトホールの孔径の設
定にしたがいMFM構造およびMFIM構造の各静電容
量を適当な大きさに設定することが可能であるので、コ
ントロールゲート電極およびフローティングゲート電極
間の合成静電容量の大きさを適当に設定することができ
る。よって、コンタクトホールの孔径を適当に設定する
ことによって強誘電体膜に印加される電圧を両ゲート電
極間に絶縁膜を介在しないときと比べて大きくすること
が可能である。
【0018】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
素子分離領域の上側の領域に設けられるのがよい。強誘
電体メモリトランジスタのアクティブ領域ではなく素子
分離領域の上側の領域の絶縁膜にコンタクトホールを形
成することにより、このコンタクトホール内に埋め込ま
れる強誘電体膜とフローティングゲート電極との接合部
分をアクティブ領域の上側の領域から外して設けること
ができ、仮にコンタクトホールの口径が大きい場合であ
ってもゲート長を短くしてしまうことがない。
【0019】また、この発明の別の強誘電体メモリトラ
ンジスタによれば、半導体基板のアクティブ領域とフロ
ーティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、か
つ、このフローティングゲート電極とコントロールゲー
ト電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の
強誘電体メモリトランジスタにおいて、コンタクトホー
ルを有しておりこのコンタクトホール内に導電体プラグ
が埋め込まれてなる絶縁膜が前記強誘電体膜と前記フロ
ーティングゲート電極との間に介在されており、前記コ
ントロールゲート電極と前記フローティングゲート電極
の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側方に介在する
前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電体膜の膜厚は一
定であるとしたとき、これら両ゲート電極間の静電容量
をこれら両ゲート電極間に前記強誘電体膜のみを設けた
ときの静電容量よりも小さくなるように前記コンタクト
ホールにより前記強誘電体膜および前記フローティング
ゲート電極間の接合面積を設定してあることを特徴とす
る。
【0020】このように、強誘電体膜およびフローティ
ングゲート電極間にコンタクトホールを有した絶縁膜を
介在させて、このコンタクトホール内に導電性材料を埋
め込んである。そして、コントロールゲート電極および
フローティングゲート電極間のコンタクトホールを含む
部分でMFM構造を実現し、その他の両ゲート電極間の
領域でMFIM構造を実現している構造である。この構
成によれば、コンタクトホールの孔径の設定にしたがい
MFM構造およびMFIM構造の各静電容量を適当な大
きさに設定することが可能であるので、コントロールゲ
ート電極およびフローティングゲート電極間の合成静電
容量の大きさを適当に設定することができる。よって、
コンタクトホールの孔径を適当に設定することによって
強誘電体膜に印加される電圧を両ゲート電極間に絶縁膜
を介在しないときと比べて大きくすることが可能であ
る。
【0021】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
素子分離領域の上側の領域に設けられるのがよい。強誘
電体メモリトランジスタのアクティブ領域ではなく素子
分離領域の上側の領域の絶縁膜にコンタクトホールを形
成することにより、このコンタクトホール内に埋め込ま
れる導電性材料と強誘電体膜との接合部分をアクティブ
領域の上側の領域から外して設けることができ、仮にコ
ンタクトホールの口径が大きい場合であってもゲート長
を変えてしまうことがない。
【0022】また、この発明の別の強誘電体メモリトラ
ンジスタによれば、半導体基板のアクティブ領域と第1
フローティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有
し、かつ、この第1フローティングゲート電極とコント
ロールゲート電極との間に強誘電体膜を有してなるMF
MIS型の強誘電体メモリトランジスタにおいて、コン
タクトホールを有しておりこのコンタクトホール内に導
電体プラグが埋め込まれてなる絶縁膜およびこの絶縁膜
のこのコンタクトホール部分の上側に接して設けられた
第2フローティングゲート電極が前記強誘電体膜と前記
第1フローティングゲート電極との間に介在されてお
り、前記コントロールゲート電極と前記第1フローティ
ングゲート電極の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の
側方に介在する前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電
体膜の膜厚は一定であるとしたとき、これら両ゲート電
極間の静電容量をこれら両ゲート電極間に前記強誘電体
膜のみを設けたときの静電容量よりも小さくなるように
前記第2フローティングゲートにより前記強誘電体膜お
よび前記第2フローティングゲート電極間の接合面積を
設定してあることを特徴とする。
【0023】このように、強誘電体膜およびフローティ
ングゲート電極間にコンタクトホールを有した絶縁膜を
介在させて、このコンタクトホール内に導電性材料を埋
め込んであり、さらに、コンタクトホール内の導電性材
料に接して強誘電体膜中に第2フローティングゲート電
極が設けられている。そして、コントロールゲート電極
およびフローティングゲート電極間の第2フローティン
グゲート電極およびコンタクトホールを含む部分でMF
M構造を実現し、その他の両ゲート電極間の領域でMF
IM構造を実現している構造である。この構成によれ
ば、第2フローティングゲート電極のサイズの設定にし
たがいMFM構造およびMFIM構造の各静電容量を適
当な大きさに設定することが可能であるので、コントロ
ールゲート電極およびフローティングゲート電極間の合
成静電容量の大きさを適当に設定することができる。よ
って、第2フローティングゲート電極のサイズを適当に
設定することによって強誘電体膜に印加される電圧を両
ゲート電極間に絶縁膜を介在しないときと比べて大きく
することが可能である。
【0024】また、この発明の好適な構成例によれば、
前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
素子分離領域の上側の領域に設けられるのがよい。強誘
電体メモリトランジスタのアクティブ領域ではなく素子
分離領域の上側の領域の絶縁膜にコンタクトホールを形
成することにより、このコンタクトホール内に埋め込ま
れる導電性材料と強誘電体膜との接合部分をアクティブ
領域の上側の領域から外して設けることができ、仮にコ
ンタクトホールの口径が大きい場合であってもゲート長
を変えてしまうことがない。
【0025】この発明の強誘電体メモリトランジスタの
製造方法によれば、半導体基板のアクティブ領域とフロ
ーティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、か
つ、このフローティングゲート電極とコントロールゲー
ト電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の
強誘電体メモリトランジスタを形成するに当たり、ゲー
ト酸化膜の上側にフローティングゲート電極を形成する
工程と、このフローティングゲート電極の上側に絶縁膜
を堆積する工程と、この絶縁膜にコンタクトホールを形
成する工程と、この絶縁膜の上側およびこのコンタクト
ホール内に予備強誘電体膜を形成する工程と、この予備
強誘電体膜の上側に予備コントロールゲート電極を堆積
する工程と、および、この予備強誘電体膜とこの予備コ
ントロールゲート電極とをエッチングによって成形して
強誘電体膜およびコントロールゲート電極を形成する工
程とを含むことを特徴とする。
【0026】このように、フローティングゲート電極を
はじめに形成してしまい、その上面側に絶縁膜を堆積さ
せることにより、コントロールゲート電極および強誘電
体膜をエッチングによって形成するときに、この絶縁膜
がエッチングストッパとして働くので他の膜の材料のエ
ッチングレートを考慮する必要がなく形成が容易であ
る。
【0027】また、この発明の別の強誘電体メモリトラ
ンジスタの製造方法によれば、半導体基板のアクティブ
領域と第1フローティングゲート電極との間にゲート酸
化膜を有し、かつ、この第1フローティングゲート電極
とコントロールゲート電極との間に強誘電体膜を有して
なるMFMIS型の強誘電体メモリトランジスタを形成
するに当たり、ゲート酸化膜の上側に第1フローティン
グゲート電極を形成する工程と、この第1フローティン
グゲート電極の上側に絶縁膜を堆積する工程と、この絶
縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、この絶縁膜
の上側に導電性材料を堆積して前記コンタクトホール内
にこの導電性材料を埋め込み導電体プラグを形成する工
程と、この導電性材料のエッチバックを行い前記絶縁膜
の上側の前記導電性材料を除去する工程と、前記導電体
プラグを含む前記絶縁膜の上面の領域に第2フローティ
ングゲート電極を形成する工程と、この第2フローティ
ングゲート電極および前記絶縁膜の上側に予備強誘電体
膜を形成する工程と、この予備強誘電体膜の上側に予備
コントロールゲート電極を堆積する工程と、および、こ
の予備コントロールゲート電極とこの予備強誘電体膜と
をエッチングによって成形してそれぞれコントロールゲ
ート電極および強誘電体膜を形成する工程とを含むこと
を特徴とする。
【0028】このように、フローティングゲート電極を
はじめに形成してしまい、その上面側に絶縁膜を堆積さ
せることにより、コントロールゲート電極および強誘電
体膜をエッチングによって形成するときに、この絶縁膜
がエッチングストッパとして働くので他の膜の材料のエ
ッチングレートを考慮する必要がなく形成が容易であ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明の形
状、大きさおよび配置関係が理解できる程度に概略的に
示してあり、また、以下に記載される数値条件および材
料等は単なる一例にすぎず、従って、この発明はこの実
施の形態に何ら限定されない。
【0030】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態の構成を示す平面図およびこの平面図のp−p線
の位置において切って取って示した断面の図である。こ
の第1の構成例は、半導体基板としてn−Si(n−
は、導電型がn型であることを示す。)基板10を用い
ており、このn−Si基板10の上面側にアクティブ領
域68を含むp型半導体領域であるpウエル12が設け
られ、さらに、pウエル12はn−Si基板10と相俟
って素子分離領域14によって他の半導体基板領域と電
気的に隔絶されるように取り囲まれた構成となってい
る。この素子分離領域14は、トレンチ分離で形成され
ており、材料としてSiO2 を用いている。このn−S
i基板10の上面側であって、素子分離領域14を除く
半導体領域には互いに離間した二つのn型半導体領域す
なわちS/D(ソース・ドレイン)領域28が設けられ
ている。また、素子分離領域14を除いたn−Si基板
10の上面側の領域にはSiO2 膜が積層されており、
特に、pウエル12上のSiO2 膜をゲート酸化膜16
と呼ぶことにする。
【0031】アクティブ領域68上であってS/D領域
28上を除いたゲート酸化膜16の上面にはゲート酸化
膜16を介在させて、フローティングゲート電極24と
してRuO2 /Ru/poly−Si(RuO2 膜、R
u膜およびpoly−Si膜が上側からこの順に積層し
ている膜。尚、poly−Siは多結晶シリコンのこと
を指称している。)膜が(図のp−p線方向に長手方向
が延在するように)設けられている。このフローティン
グゲート電極24は、平面図において示されるようにT
型の形状をなしており、アクティブ領域68であるpウ
エル12の上面に設けられたp−p線方向に延在する長
手方向の部分と、この部分の長手方向に対してその長手
方向が垂直に交差するように素子分離領域14の上面に
設けられたパッド23の部分とから構成されている。
【0032】次に、このフローティングゲート電極24
を覆う様にして、SiO2 膜が絶縁膜30として設けら
れている。そして、この絶縁膜30の上面には強誘電体
膜34が設けられていて、絶縁膜30に設けられている
コンタクトホール32のホール内に強誘電体膜34の一
部が埋め込まれ、強誘電体膜34は絶縁膜30を介在し
てフローティングゲート電極24と電気的に接続された
構成となっている。ここで、絶縁膜30に設けられたコ
ンタクトホール32の位置は、アクティブ領域68の上
側ではなく、素子分離領域14の上側の領域内になるよ
うにすなわちフローティングゲート電極24のパッド2
3の上側の領域に形成されている。この強誘電体膜34
としては、Bi4 Ti312膜(以下、BIT膜と称す
る。)が用いられる。そして、強誘電体膜34の上面に
コントロールゲート電極36としてRu膜が設けられて
いる。このように、この第1の構成例は、コントロール
ゲート電極36およびフローティングゲート電極24間
の一部分に絶縁膜30を介在させた構造を有している。
【0033】次に、この第1の構成例の製造工程につき
説明する。図2から図6はこの第1の構成例の製造工程
の説明に供する図である。各工程を示す図の上図は平面
図であり、下図は上図の断面(図2の(A)のp−p線
の位置において切って取って示した断面。)の図であ
る。
【0034】先ず、ゲート酸化膜の上側にフローティン
グゲート電極を形成するまでの工程につき図2の(A)
から図4の(A)を参照して説明する。はじめに、n−
Si基板10にpウエル12をボロン(B)等の注入に
より形成する(図2の(A))。このpウエル12の不
純物濃度は1×1017cm-3程度に設定されている。そ
の後に、SiO2 をn−Si基板10に5μm程度の深
さで埋め込んで形成したトレンチ分離で以て素子分離領
域14を形成する(図2の(A))。この工程により、
トランジスタが形成されるアクティブ領域68が決定さ
れる。
【0035】次に、しきい値電圧の調整のために、アク
ティブ領域68に対してイオン注入等により不純物の導
入を行う(図2の(B))。このための不純物として、
例えば、BやBF2 が用いられる。
【0036】次に、ゲート酸化膜16をアクティブ領域
68上に形成する(図2の(C))。この工程は、酸化
炉において行われゲート酸化膜16としてSiO2 膜を
約10nm形成する。尚、素子分離領域14には既にS
iO2 があるので、この上面にはこの工程によってSi
2 膜が形成しない。
【0037】次に、素子分離領域14およびゲート酸化
膜16の上面にpoly−Si膜18を形成する(図3
の(A))。このpoly−Si膜18の形成は例えば
LPCVD(減圧化学気相成長)法で行われ、この実施
の形態では、poly−Si膜18の膜厚は150nm
にしてある。
【0038】次に、poly−Si膜18の全面にリン
(P)を導入する(図3の(B))。このPの導入は、
poly−Si膜18の低抵抗化のために、拡散あるい
はイオン注入により行われる。
【0039】次に、poly−Si膜18の上面にルテ
ニウム(Ru)膜20および酸化ルテニウム(RuO
2 )膜22が順次に積層した膜を形成する(図3の
(C))。このRu膜20およびRuO2 膜22の形成
は、スパッタ法により行い、それぞれの膜厚を50n
m、100nmとして形成した。ここで、RuO2 膜2
2は、poly−Si膜18上では強誘電体膜34が結
晶化しないので、このRuO2膜22上に後の工程で形
成される強誘電体膜34の結晶化を促進するために設け
てある。また、Ru膜20はRuO2 膜22およびpo
ly−Si膜18の密着性を上げるために形成される。
【0040】そして、poly−Si膜18、Ru膜2
0およびRuO2 膜22のパターニングを行ってフロー
ティングゲート電極24を形成する(図4の(A))。
このパターニング工程は、マスクとなるレジストパター
ンの形成とエッチングによるpoly−Si膜18、R
u膜20およびRuO2 膜22の不要部分の除去によっ
て行う。このエッチングは、マグネトロンエッチャー、
ECRエッチャーまたはヘリコン波エッチャー等の高密
度のプラズマを発生するエッチャーを用いて行い、エッ
チングガスとして塩素(Cl2 )系のガスを用いて行
う。最初に高パワー(例えば、0.3W/cm2 )で以
てRu膜20およびRuO2 膜22をエッチングし、次
いで低パワー(例えば、0.1W/cm2 )で以て、ゲ
ート酸化膜16への突き抜けを防ぐためにpoly−S
i膜18およびゲート酸化膜16のエッチングレートが
大きく異なるように設定してエッチングを行う。Ru膜
20およびRuO2 膜22のエッチングレートは同一条
件においてはpoly−Si膜18のエッチングレート
の1/10程度であるが、poly−Si膜18のエッ
チングレートはゲート酸化膜16のエッチングレートに
比べて大きく設定することができるので、このように2
段階にエッチング条件を変えてエッチングを行うことに
より、ゲート酸化膜16をエッチング除去してしまうこ
となくこれら膜の加工を行うことが可能である。この工
程によって形成されたpoly−Si膜18、Ru膜2
0およびRuO2 膜22から構成されるフローティング
ゲート電極24は、前述したようにT形状をなしてお
り、ゲート酸化膜16上に図中のa方向に延在する部分
と、これに垂直であってその長手方向が図中のb方向に
延在するパッド23を素子分離領域14上に有する形状
となっている。
【0041】次に、フローティングゲート電極24の上
側に絶縁膜30を堆積するまでの工程につき図4の
(B)から図5の(A)を参照して説明する。先ず、ソ
ース・ドレイン領域(S/D領域28)となる予備領域
70を開口部とするレジスト26が基板上に形成される
(図4の(B))。次いで、レジスト26をマスクとし
てイオン注入によりAsを70KeVで以て濃度が5×
1015cm-2となるように予備領域70に導入する(図
4の(C))。その後、導入した不純物の活性化のため
に、850℃で30分間の熱処理を行い、S/D領域2
8が完成する。次に、レジスト26を除去して、フロー
ティング電極24(図5の(A)の点線qで囲まれた部
分。)を含む以上の工程で形成された構造の全面に、C
VD法によって膜厚100nmのSiO2 膜が絶縁膜3
0として形成される(図5の(A))。
【0042】次に、絶縁膜30にコンタクトホール32
を形成する(図5の(B))。この工程は、レジストパ
ターンの形成と、このレジストパターンをマスクとする
エッチングによる絶縁膜30の除去により行われる。こ
のエッチングは反応性イオンエッチング(RIE)によ
り行った。このコンタクトホール32は、フローティン
グゲート電極24のパッド23部分の位置に形成する。
この工程で形成されたコンタクトホール32は、この図
5の(B)の断面図において、その開口部の幅が0.5
μmである。絶縁膜30の膜厚が100nmであるか
ら、アスペクト比は0.2となる。
【0043】次に、絶縁膜30の上側およびコンタクト
ホール32内に予備強誘電体膜72を積層する(図5の
(C))。この予備強誘電体膜72は、CVD法、ゾル
ゲル法またはミスト法により、絶縁膜30の上面に膜厚
300nmで形成されたBIT膜である。絶縁膜30に
設けられたコンタクトホール32(図5の(C)の平面
図の点線rで囲まれる部分。)はアスペクト比が0.2
と小さいから、この工程によってコンタクトホール32
内にも容易に予備強誘電体膜材料であるBIT膜が堆積
する。BIT膜の堆積後に、急速加熱装置(RTA)を
用いて、700℃で3分間、酸素雰囲気中で熱処理を行
いBIT膜を結晶化させることにより予備強誘電体膜7
2が完成する。
【0044】次に、予備強誘電体膜72の上側に予備コ
ントロールゲート電極74を堆積する(図6の
(A))。この予備コントロールゲート電極74は、予
備強誘電体膜72上にスパッタ法により形成された膜厚
100nmのRu膜である。予備コントロールゲート電
極74としてはRuO2 膜を用いてもよい。
【0045】最後に、予備コントロールゲート電極74
と予備強誘電体膜72とをエッチングによって成形して
それぞれコントロールゲート電極36および強誘電体膜
34を形成する(図6の(B))。この工程は、レジス
トパターンの形成と、このレジストパターンをマスクと
したエッチングによる予備コントロールゲート電極74
および予備強誘電体膜72の不要部分の除去によって行
われる。このエッチングには、マグネトロンエッチャ
ー、ECRエッチャーまたはヘリコン波エッチャー等が
用いられ、エッチングガスとして塩素系のガスを用いて
行う。同一条件では、予備コントロールゲート電極(R
u膜またはRuO2 膜)74のエッチングレートは予備
強誘電体膜(BIT膜)72のエッチングレートの1/
5程度であるが、絶縁膜(SiO2 膜)30に対しては
10以上であり、絶縁膜30の膜厚も100nmと厚い
ので、オーバーエッチングによって絶縁膜30が多少エ
ッチングされたとしてもゲート酸化膜16には何ら影響
がない。
【0046】以上の説明から明らかなように、この強誘
電体メモリトランジスタの製造工程では、最初にフロー
ティングゲート電極24を形成し、次いでフローティン
グゲート電極24を絶縁膜30で覆い、最後に絶縁膜3
0をエッチングストッパとして用いてコントロールゲー
ト電極36および強誘電体膜34をエッチングによって
形成するので、ゲート酸化膜16には何ら影響がなく、
従って素子特性の劣化が無い。
【0047】また、従来のMFMIS−FETでは、M
FMIS構造の加工後にこれをマスクとしてS/D領域
の形成を行ったので、強誘電体膜の形成後に800〜9
00℃の高温熱処理を行わなければならず、強誘電体膜
に耐熱性を要求しなければならなかった。しかし、この
実施の形態の製造工程では、強誘電体膜の形成後に熱処
理工程が無いから、強誘電体膜材料に対する制約が緩和
するといった効果が得られる。
【0048】さらに、従来は、MFMIS−FETとM
OSFETとが混在して含まれる集積回路の形成におい
てMFMIS−FETとMOSFETとを同時に作成す
る場合に、それぞれのゲート電極形成のエッチング工程
の際にMFMIS−FETのフローティングゲート電極
およびMOSFETのゲート電極までが一緒に除去され
てしまうといった問題があったため、MOSFETとM
FMIS−FETとは別々に作成せざるをえなかった。
一方、この実施の形態の製造方法によれば、前述の通
り、フローティングゲート電極を形成した後に強誘電体
膜およびコントロールゲート電極を形成し、この形成の
際にはフローティングゲート電極と同様にMOSFET
のゲート電極も絶縁膜で覆われているので、このような
事態を回避することができ、工程数を大幅に低減するこ
とができる。
【0049】次に、この第1の構成例の動作につき説明
する。図13は、この第1の構成例の動作の説明に供す
る図である。図13は、第1の構成例の平面図(図1)
において、コントロールゲート電極36や強誘電体膜3
4の下側のアクティブ領域68であって実際のトランジ
スタ動作にかかわるチャネル領域(斜線部分aで示され
る領域)と、素子分離領域14上であってコンタクトホ
ール32の強誘電体膜領域(斜線部分bで示される領
域)を示し、これらの領域a、bを同一平面上に示した
ものである。この構造の特徴は、領域bの面積を変化さ
せることにより、コントロールゲート電極36およびフ
ローティングゲート電極24間に設けられている強誘電
体膜34および絶縁膜30の両静電容量の合成容量を変
化させることができるという点にある。すなわち、この
コンタクトホール32の面積を変えれば、当然に絶縁膜
30のサイズ(平面図で見たときの面積)またはコンタ
クトホール32内の強誘電体膜部分のサイズが変わるか
ら、上述の強誘電体膜34および絶縁膜30の合成容量
が変化する。
【0050】今、コントロールゲート電極36およびフ
ローティングゲート電極24間のコンタクトホール32
を含む領域をMFMキャパシタと称することにする。ま
た、このMFM領域以外のコントロールゲート電極36
およびフローティングゲート電極24間の領域をMFI
Mキャパシタと称することにする。MFIMキャパシタ
は、強誘電体膜34と絶縁膜30との一部を含み電気的
には強誘電体膜容量と絶縁膜容量とが直列に接続された
回路で表される。この実施の形態で強誘電体膜34とし
て用いられているBITは比誘電率が200程度であっ
て、また、飽和分極量が2μC/cm-2である。また、
絶縁膜30として用いられているSiO2 の比誘電率は
約4である。膜の静電容量は膜厚にも依存するが、この
実施の形態においては、絶縁膜30の膜厚が100n
m、強誘電体膜34の膜厚が300nmと同程度である
ため絶縁膜容量と強誘電体膜容量との比に対しては大き
な要素とならず、これらの容量比はほとんど比誘電率で
決定される。よって、MFIMキャパシタでは、強誘電
体膜34の静電容量の方が絶縁膜30の静電容量に比べ
てかなり大きいので、回路理論から明らかなように、こ
のMFIMキャパシタの静電容量はほとんど絶縁膜30
の静電容量と変わらない大きさとなる。
【0051】一方、MFMキャパシタとMFIMキャパ
シタとは電気的に並列接続された回路で表され、従っ
て、これらMFMキャパシタとMFIMキャパシタの合
成静電容量はこれら両静電容量の和で表される。上述の
通り、MFIMキャパシタの静電容量はこのMFIMキ
ャパシタを構成する絶縁膜30の静電容量に置き換えら
れ、その静電容量はMFMキャパシタを構成する強誘電
体膜34の静電容量に比べてかなり小さいものである。
よって、これらMFIMキャパシタとMFMキャパシタ
の合成静電容量は、MFMキャパシタの静電容量の大き
さで置き換えることができる。
【0052】このように、コントロールゲート電極36
およびフローティングゲート電極24間に絶縁膜30を
介在させたとき、コントロールゲート電極36とフロー
ティングゲート電極24の面積を一定とし、かつ、絶縁
膜30の側方に介在する強誘電体膜34を除けば強誘電
体膜34の膜厚は一定であるとしたとき、換言すれば、
コントロールゲート電極36およびフローティングゲー
ト電極24間に強誘電体膜34だけがある場合のその強
誘電体膜34の膜厚と、コントロールゲート電極36お
よびフローティングゲート電極24間に強誘電体膜34
の他に絶縁膜30が設けられている場合のそのコントロ
ールゲート電極36および絶縁膜30間の強誘電体膜3
4の膜厚が変化しないとしたとき、両ゲート電極36お
よび24間の静電容量を両ゲート電極36および24間
に強誘電体膜34のみを設けたときの静電容量よりも小
さく設定することが可能である。すなわちコントロール
ゲート電極36およびフローティングゲート電極24間
の静電容量は前述した領域bに含まれる強誘電体膜34
の静電容量によって決まってしまうものであるから、前
述した領域b(絶縁膜30と強誘電体膜34の接合面
積)の面積を小さくすれば、両ゲート電極36および2
4間の静電容量を小さくすることができる。
【0053】一方、コントロールゲート電極36および
n−Si基板10間に印加される電圧が一定であるとす
るとき、コントロールゲート電極36およびフローティ
ングゲート電極24間の静電容量が小さくなれば、ゲー
ト酸化膜16に分圧される電圧が小さくなり、両ゲート
電極36および24間に分圧される電圧は大きくなる。
【0054】このように、両ゲート電極36および24
間に印加される電圧が大きくなるのでこれら両ゲート電
極36および24間の強誘電体膜34に印加される電圧
が大きくなり、従って、強誘電体膜34の残留分極を大
きくすることができ、この強誘電体メモリトランジスタ
のデータの有無に対するしきい値電圧の移動量を大きく
することができる。
【0055】また、従来は、強誘電体膜側に印加される
電圧を高めるために強誘電体膜材料の残留分極値や比誘
電率値等の物性値の面からの検討がなされ、その結果、
強誘電体膜材料に対する制約が大きかったが、この実施
の形態によれば、そのような問題がなくなる。さらに、
ゲート酸化膜16に印加される電圧の割合が小さくなる
ので、ゲート酸化膜16の絶縁破壊といった問題もな
い。
【0056】また、この実施の形態の構成では、コンタ
クトホール32が形成されるパッド23の部分を素子分
離領域14の上側の領域に設けたが、このように構成す
れば、コンタクトホールの口径(孔径)が大きくなって
もゲート長が変化する心配がない。
【0057】[第2の実施の形態]次に、第2の実施の
形態につき図を参照して説明する。尚、第1の実施の形
態の構成要素と同じ構成要素については同じ番号を付し
て示す。図7は、第2の実施の形態の構成を示す平面図
およびこの平面図のp−p線の位置において切って取っ
て示した断面の図である。この第2の構成例は、半導体
基板としてn−Si基板10を用いており、このn−S
i基板10の上面側にアクティブ領域68を含むp型半
導体領域であるpウエル12が設けられ、さらに、pウ
エル12はn−Si基板10と相俟って素子分離領域1
4によって他の半導体基板領域と電気的に隔絶されるよ
うに取り囲まれた構成となっている。この素子分離領域
14は、トレンチ分離で形成されており、材料としてS
iO2 を用いている。このn−Si基板10の上面側で
あって、素子分離領域14を除く半導体領域には互いに
離間した二つのn型半導体領域:S/D領域28が設け
られている。また、素子分離領域14を除いたn−Si
基板10の上面側の領域にはSiO2 膜が積層されてお
り、特に、pウエル12上のSiO2 膜がゲート酸化膜
16である。
【0058】アクティブ領域68上であってS/D領域
28上を除いたゲート酸化膜16の上面にはゲート酸化
膜16を介在させて、第1フローティングゲート電極4
0としてWSix (タングステンシリサイド)/pol
y−Si(WSix およびpoly−Si膜が上側から
この順に積層している膜。)膜が(図のp−p線方向に
長手方向が延在するように)設けられている。この第1
フローティングゲート電極40は、平面図において示さ
れるようにT型の形状をなしており、アクティブ領域6
8であるpウエル12の上面に設けられたp−p線方向
に延在する長手方向の部分と、この部分の長手方向に対
してその長手方向が垂直に交差するように素子分離領域
14の上面に設けられたパッド23の部分とから構成さ
れている。
【0059】次に、この第1フローティングゲート電極
40を覆う様にして、BPSG膜(Boro-Phospho-Silic
ate Glass :BとPを含有するSiO2 膜。)が絶縁膜
30として設けられている。また、この絶縁膜30の上
面には強誘電体膜34が設けられていて、絶縁膜30に
設けられているコンタクトホール32のホール内にはp
−poly−Si(p−は導電型がp型であることを示
す。)が埋め込まれて導電体プラグ44を構成してい
る。絶縁膜30の上面には導電体プラグ44の上部に接
続して第2フローティングゲート電極50が設けてあ
る。この第2フローティングゲート電極50は、Ir/
IrO2 膜で以て構成されている。強誘電体膜34は絶
縁膜30を介在して導電体プラグ44および第2フロー
ティングゲート電極50により第1フローティングゲー
ト電極40と電気的に接続された構成となっている。こ
こで、絶縁膜30に設けられたコンタクトホール32の
位置は、アクティブ領域68の上側ではなく、素子分離
領域14の上側の領域内になるようにすなわち第1フロ
ーティングゲート電極40のパッド23の上側の領域に
形成されている。この強誘電体膜34としては、BIT
膜を用いている。そして、強誘電体膜34の上面にコン
トロールゲート電極36としてRu膜が設けてある。こ
のように、この第2の構成例は、コントロールゲート電
極36および第1フローティングゲート電極40間の一
部分に絶縁膜30を介在させた構造を有している。
【0060】次に、この第2の構成例の製造工程につき
説明する。図8から図12はこの第2の構成例の製造工
程の説明に供する図である。各工程を示す図の上図は平
面図であり、下図は上図の断面(図8の(A)のp−p
線の位置において切って取って示した断面。)の図であ
る。尚、poly−Si膜18の全面にPを導入するま
での工程は第1の構成例の製造工程(図2の(A)から
図3の(B))と同様であるのでこの説明を省略し、こ
の工程に引き続く工程から説明する。
【0061】先ず、poly−Si膜18の上面にWS
x 膜38が順次に積層した膜を形成する(図8の
(A))。このWSix 膜38の形成は、スパッタ法に
より行い、膜厚を100nmとして形成した。このWS
x 膜38は、後述する第1フローティングゲート電極
40の低抵抗化のために設けられる。
【0062】そして、poly−Si膜18およびWS
x 膜38のパターニングを行って第1フローティング
ゲート電極40を形成する(図8の(B))。このパタ
ーニング工程は、マスクとなるレジストパターンの形成
とエッチングによるpoly−Si膜18およびWSi
x 膜38の不要部分の除去によって行う。このWSix
/poly−Si膜は通常のLSI製造工程でも用いら
れている膜であり、このエッチング工程によるゲート酸
化膜16への突き抜けを心配する必要はない。この工程
によって形成されたpoly−Si膜18およびWSi
x 膜38から構成される第1フローティングゲート電極
40は、前述したようにT形状をなしており、ゲート酸
化膜16上に図中のa方向に延在する部分と、これに垂
直であってその長手方向が図中のb方向に延在するパッ
ド23を素子分離領域14上に有する形状となってい
る。
【0063】次に、第1フローティングゲート電極40
の上側に絶縁膜30を堆積するまでの工程につき図8の
(C)から図9の(B)を参照して説明する。先ず、ソ
ース・ドレイン領域(S/D領域28)となる予備領域
70を開口部とするレジスト26が基板上に形成される
(図8の(C))。次いで、レジスト26をマスクとし
てイオン注入によりAsを70KeVで以て濃度が5×
1015cm-2となるように予備領域70に導入する(図
9の(A))。その後、導入した不純物の活性化のため
に、850℃で30分間の熱処理を行い、S/D領域2
8が完成する。次に、レジスト26を除去して、第1フ
ローティング電極40(図9の(B)の点線qで囲まれ
た部分。)を含む以上の工程で形成された構造の全面
に、CVD法によって膜厚500nmのBPSG膜が絶
縁膜30として形成される(図9の(B))。
【0064】次に、絶縁膜30の上側に導電性材料を堆
積してコンタクトホール32内に導電性材料を埋め込
み、この導電性材料のエッチバックを行って絶縁膜30
の上側の導電性材料を除去し、導電体プラグ44を形成
するまでの工程を図9の(C)から 図10の(B)を
参照して説明する。先ず、絶縁膜30にコンタクトホー
ル32を形成する(図9の(C))。この工程は、レジ
ストパターンの形成と、このレジストパターンをマスク
とするエッチングによる絶縁膜30の除去により行われ
る。このエッチングは反応性イオンエッチング(RI
E)により行った。このコンタクトホール32は、第1
フローティングゲート電極40のパッド23部分の位置
に形成する。この工程で形成されたコンタクトホール3
2は、この図9の(C)の断面図において、その開口部
の幅が0.5μmである。絶縁膜30の膜厚が500n
mであるから、アスペクト比は1となる。
【0065】次に、絶縁膜30の上側およびコンタクト
ホール32内にp−poly−Si膜42を積層する
(図10の(A))。このp−poly−Si膜42
は、LPCVD方によって形成される。絶縁膜30に設
けられたコンタクトホール32はアスペクト比が1と小
さいから、この工程によってコンタクトホール32内に
も容易にp−poly−Siを堆積させることができ
る。
【0066】次に、p−poly−Si膜42のエッチ
バックを行い絶縁膜30の上側のp−poly−Si膜
42を除去する(図10の(B))。この工程によっ
て、絶縁膜30の上側のp−poly−Si膜42を除
去し、コンタクトホール32内には導電体プラグ44と
してp−poly−Si膜42が残存する。
【0067】次に、導電体プラグ44を含む絶縁膜30
の上面の領域に第2フローティングゲート電極50を形
成するまでの工程を図10の(C)および11の(A)
を参照して説明する。先ず、絶縁膜30の上面にIr膜
46およびIrO2 膜48を順次に形成する(図10の
(C))。このIr膜46およびIrO2 膜48の形成
はスパッタ方により行い、それぞれの膜厚を50nm、
100nmとして形成した。
【0068】次に、これらIr膜46およびIrO2
48の不要部分を除去して第2フローティングゲート電
極50を形成する(図11の(A))。この工程は、レ
ジストパターンの形成と、これをマスクとして用いるエ
ッチングにより行われる。このレジストパターンは導電
体プラグ44の露出部分を覆うようにして形成される。
そして、このレジストパターンをマスクとしてエッチン
グを行い、Ir膜46およびIrO2 膜48の不要部分
を除去し、これらIr膜46およびIrO2 膜48の残
存部分から構成される第2フローティングゲート電極5
0が形成される。このエッチングは、マグネトロンエッ
チャー、ECRエッチャーまたはヘリコン波エッチャー
等の高密度のプラズマを発生するエッチャーを用いて行
い、エッチングガスとして塩素(Cl2 )系のガスを用
いて行う。このエッチングは、反応性エッチングよりも
イオンミリングによるエッチングの効果を強めて用いて
いる。従って、Ir膜46およびIrO2 膜48と、絶
縁膜30とのエッチングレート比を高くすることができ
ないが、絶縁膜30が500nmと厚いのでゲート酸化
膜16には影響がない。
【0069】次に、第2フローティングゲート電極50
(図11の(B)の点線sで囲まれる部分。)および絶
縁膜30の上側に予備強誘電体膜72を形成する(図1
1の(B))。この予備強誘電体膜72は、CVD法、
ゾルゲル法またはミスト法により、絶縁膜30の上面に
膜厚300nmで形成されたBIT膜である。このBI
T膜の堆積後に、急速加熱装置(RTA)を用いて、7
00℃で3分間、酸素雰囲気中で熱処理を行いBIT膜
を結晶化させることにより予備強誘電体膜72が完成す
る。
【0070】次に、予備強誘電体膜72の上側に予備コ
ントロールゲート電極74を堆積する(図11の
(C))。この予備コントロールゲート電極74は、予
備強誘電体膜72上にスパッタ法により形成された膜厚
100nmのRu膜である。予備コントロールゲート電
極74としてはRuO2 、Ir、IrO2 膜を用いても
よい。
【0071】最後に、予備コントロールゲート電極74
と予備強誘電体膜72とをエッチングによって成形して
それぞれコントロールゲート電極36および強誘電体膜
34を形成する(図12)。この工程は、レジストパタ
ーンの形成と、このレジストパターンをマスクとしたエ
ッチングによる予備コントロールゲート電極74および
予備強誘電体膜72の不要部分の除去によって行われ
る。このエッチングには、マグネトロンエッチャー、E
CRエッチャーまたはヘリコン波エッチャー等が用いら
れ、エッチングガスとして塩素系のガスを用いて行う。
同一条件では、予備コントロールゲート電極(Ru膜)
74のエッチングレートは予備強誘電体膜(BIT膜)
72のエッチングレートの1/5程度であるが、絶縁膜
(BPSG膜)30に対しては10以上であり、絶縁膜
30の膜厚も500nmと厚いので、オーバーエッチン
グによって絶縁膜30が多少エッチングされたとしても
ゲート酸化膜16には何ら影響がない。
【0072】このように、以上の説明から明らかなよう
に、この強誘電体メモリトランジスタの製造工程では、
最初に第1フローティングゲート電極40を形成し、次
いで第1フローティングゲート電極40を絶縁膜30で
覆い、最後に絶縁膜30をエッチングストッパとして用
いてコントロールゲート電極36および強誘電体膜34
をエッチングによって形成するので、ゲート酸化膜16
には何ら影響がなく、従って素子特性の劣化が無い。
【0073】また、従来のMFMIS−FETでは、M
FMIS構造の加工後にこれをマスクとしてS/D領域
の形成を行ったので、強誘電体膜の形成後に800〜9
00℃の高温熱処理を行わなければならず、強誘電体膜
に耐熱性を要求しなければならなかった。しかし、この
実施の形態の製造工程では、強誘電体膜の形成後に熱処
理工程が無いから、強誘電体膜材料に対する制約が緩和
するといった効果が得られる。
【0074】さらに、従来は、MFMIS−FETとM
OSFETとが混在して含まれる集積回路の形成におい
てMFMIS−FETとMOSFETとを同時に作成す
る場合に、それぞれのゲート電極形成のエッチング工程
の際にMFMIS−FETのフローティングゲート電極
およびMOSFETのゲート電極までが一緒に除去され
てしまうといった問題があったため、MOSFETとM
FMIS−FETとは別々に作成せざるをえなかった。
一方、この実施の形態の製造方法によれば、前述の通
り、フローティングゲート電極を形成した後に強誘電体
膜およびコントロールゲート電極を形成し、この形成の
際にはフローティングゲート電極と同様にMOSFET
のゲート電極も絶縁膜で覆われているので、このような
事態を回避することができ、工程数を大幅に低減するこ
とができる。
【0075】次に、この第2の構成例の動作につき説明
する。図14は、この第2の構成例の動作の説明に供す
る図である。図14は、第2の構成例の平面図(図7)
において、コントロールゲート電極36や強誘電体膜3
4の下側のアクティブ領域68であって実際のトランジ
スタ動作にかかわるチャネル領域(斜線部分aで示され
る領域)と、第2フローティングゲート電極50と強誘
電体膜34の接合部分の領域(斜線部分bで示される領
域)を示し、これらの領域a、bを同一平面上に示した
ものである(但し、領域bを領域aに重ねて示し
た。)。この構造の特徴は、領域bの面積を変化させる
ことにより、コントロールゲート電極36および第1フ
ローティングゲート電極40間に設けられている強誘電
体膜34および絶縁膜30の両静電容量の合成容量を変
化させることができるという点にある。
【0076】今、コントロールゲート電極36および第
1フローティングゲート電極40間の導電体プラグ44
および第2フローティングゲート電極50を含む領域を
MFMキャパシタと称することにする。また、このMF
M領域以外のコントロールゲート電極36および第1フ
ローティングゲート電極40間の領域をMFIMキャパ
シタと称することにする。MFIMキャパシタは、強誘
電体膜34と絶縁膜30の一部を含み電気的には強誘電
体膜容量と絶縁膜容量とが直列に接続された回路で表さ
れる。第1の実施の形態で説明したように、このMFI
Mキャパシタの静電容量は絶縁膜30の静電容量に置き
換えることができる。そして、これらMFIMキャパシ
タとMFMキャパシタの合成静電容量は、MFMキャパ
シタの静電容量の大きさで置き換えることができる。
【0077】このように、コントロールゲート電極36
および第1フローティングゲート電極40間に絶縁膜3
0を介在させたとき、コントロールゲート電極36と第
1フローティングゲート電極40の面積を一定とし、か
つ、強誘電体膜34の膜厚は一定であるとしたとき、両
ゲート電極36および40間の静電容量を両ゲート電極
36および40間に強誘電体膜34のみを設けたときの
静電容量よりも小さく設定することが可能である。すな
わちコントロールゲート電極36および第1フローティ
ングゲート電極40間の静電容量は前述した領域bに含
まれる強誘電体膜34の静電容量によって決まってしま
うものであるから、前述した領域b(第2フローティン
グゲート電極50と強誘電体膜34の接合面積)の面積
を小さくすれば、両ゲート電極36および40間の静電
容量を小さくすることができる。一方、コントロールゲ
ート電極36およびn−Si基板10間に印加される電
圧が一定であるとするとき、コントロールゲート電極3
6および第1フローティングゲート電極40間の静電容
量が小さくなれば、ゲート酸化膜16に分圧される電圧
が小さくなり、両ゲート電極36および40間に分圧さ
れる電圧は大きくなる。このように、両ゲート電極36
および40間に印加される電圧が大きくなるのでこれら
両ゲート電極36および40間の強誘電体膜34に印加
される電圧が大きくなり、従って、強誘電体膜34の残
留分極を大きくすることができ、この強誘電体メモリト
ランジスタのデータの有無に対するしきい値電圧の移動
量を大きくすることができる。
【0078】また、従来は、強誘電体膜側に印加される
電圧を高めるために強誘電体膜材料の残留分極値や比誘
電率値等の物性値の面からの検討がなされ、その結果、
強誘電体膜材料に対する制約が大きかったが、この実施
の形態によれば、そのような問題がなくなる。さらに、
ゲート酸化膜16に印加される電圧の割合が小さくなる
ので、ゲート酸化膜16の絶縁破壊といった問題もな
い。
【0079】また、この第2の実施の形態では、第2フ
ローティングゲート電極50を設けてこの面積の設定に
よりコントロールゲート電極36および第1フローティ
ングゲート電極40間の静電容量を設定したが、第2フ
ローティングゲート電極50が無い場合であってもよ
く、この場合には、コンタクトホール32の孔径すなわ
ち強誘電体膜34と導電体プラグ44の接合面積を設定
することにより静電容量を設定することができる。
【0080】また、この実施の形態の構成では、コンタ
クトホール32が形成されるパッド23の部分を素子分
離領域14の上側の領域に設けたが、このように構成す
れば、コンタクトホールの口径(孔径)が大きくてなっ
てもゲート長が変化する心配がない。
【0081】
【発明の効果】この発明の強誘電体メモリトランジスタ
によれば、コントロールゲート電極とフローティングゲ
ート電極(または、第1フローティングゲート電極)間
の一部に絶縁膜を介在して強誘電体膜を設けることによ
り、これら両ゲート電極間の静電容量を絶縁膜のサイズ
によって、絶縁膜を介在させないときと比べて小さく設
定することができる。従って、コントロールゲート電極
および半導体基板間に印加する電圧を一定とするとき、
強誘電体膜に印加される電圧を両ゲート電極間に絶縁膜
を介在しないときと比べて大きくすることができる。よ
って、強誘電体メモリトランジスタのデータの有無に対
するしきい値電圧の変化量を大きくすることができるか
ら誤動作が起きない。また、強誘電体膜に印加される電
圧を大きくするために、コントロールゲート電極および
半導体基板間に印加する電圧を大きくする必要がないの
で、ゲート酸化膜の絶縁破壊の心配もなくなる。
【0082】また、この発明の強誘電体メモリトランジ
スタの製造方法によれば、はじめにフローティングゲー
ト電極(または第1フローティングゲート電極)を形成
した後に、この上側に絶縁膜を堆積し、さらにこの絶縁
膜の上側に強誘電体膜およびコントロールゲート電極を
形成するので、これら強誘電体膜およびコントロールゲ
ート電極の形成の際に用いられるエッチングによって、
ゲート酸化膜に影響が及ぼされることはなく、強誘電体
メモリトランジスタの特性の劣化を誘発することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の構成例の構造を示す図である。
【図2】第1の構成例の製造工程を示す図である。
【図3】図2に続く、第1の構成例の製造工程を示す図
である。
【図4】図3に続く、第1の構成例の製造工程を示す図
である。
【図5】図4に続く、第1の構成例の製造工程を示す図
である。
【図6】図5に続く、第1の構成例の製造工程を示す図
である。
【図7】第2の構成例の構造を示す図である。
【図8】第2の構成例の製造工程を示す図である。
【図9】図8に続く、第2の構成例の製造工程を示す図
である。
【図10】図9に続く、第2の構成例の製造工程を示す
図である。
【図11】図10に続く、第2の構成例の製造工程を示
す図である。
【図12】図11に続く、第2の構成例の製造工程を示
す図である。
【図13】第1の構成例の動作の説明に供する図であ
る。
【図14】第2の構成例の動作の説明に供する図であ
る。
【図15】従来のMFMIS−FETの構造を示す図で
ある。
【図16】MFMIS−FETの動作の説明に供する図
である。
【図17】MFMIS−FETの等価回路を示す図であ
る。
【符号の説明】
10:n−Si基板 12:pウエル 14:素子分離領域 16、56:ゲート酸化膜 18:poly−Si膜 20:Ru膜 22:RuO2 膜 23:パッド 24、58:フローティングゲート電極 26:レジスト 28、54:S/D領域 30:絶縁膜 32:コンタクトホール 34、60:強誘電体膜 36、62:コントロールゲート電極 38:WSix 膜 40:第1フローティングゲート電極 42:p−poly−Si膜 44:導電体プラグ 46:Ir膜 48:IrO2 膜 50:第2フローティングゲート電極 52:p−Si基板 64:MFMキャパシタ 66:MISキャパシタ 68:アクティブ領域 70:予備領域 72:予備強誘電体膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板のアクティブ領域とフローテ
    ィングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、かつ、
    該フローティングゲート電極とコントロールゲート電極
    との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の強誘電
    体メモリトランジスタにおいて、 前記コントロールゲート電極およびフローティングゲー
    ト電極間の一部分に絶縁膜を介在させて、前記コントロ
    ールゲート電極と前記フローティングゲート電極の面積
    を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側方に介在する前記強
    誘電体膜部分を除けば前記強誘電体膜の膜厚は一定であ
    るとしたとき、該両ゲート電極間の静電容量を該両ゲー
    ト電極間に前記強誘電体膜のみを設けたときの静電容量
    よりも小さく設定してあることを特徴とする強誘電体メ
    モリトランジスタ。
  2. 【請求項2】 半導体基板のアクティブ領域とフローテ
    ィングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、かつ、
    該フローティングゲート電極とコントロールゲート電極
    との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の強誘電
    体メモリトランジスタにおいて、 コンタクトホールを有した絶縁膜が該コンタクトホール
    内に前記強誘電体膜が連続して埋め込まれてなるように
    前記強誘電体膜と前記フローティングゲートとの間に介
    在されており、前記コントロールゲート電極と前記フロ
    ーティングゲート電極の面積を一定とし、かつ、前記絶
    縁膜の側方に介在する前記強誘電体膜部分を除けば前記
    強誘電体膜の膜厚は一定であるとしたとき、該両ゲート
    電極間の静電容量を該両ゲート電極間に前記強誘電体膜
    のみを設けたときの静電容量よりも小さくなるように前
    記コンタクトホールにより前記強誘電体膜および前記フ
    ローティングゲート電極間の接合面積を設定してあるこ
    とを特徴とする強誘電体メモリトランジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の強誘電体メモリトラン
    ジスタにおいて、 前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
    素子分離領域の上側の領域に設けられることを特徴とす
    る強誘電体メモリトランジスタ。
  4. 【請求項4】 半導体基板のアクティブ領域とフローテ
    ィングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、かつ、
    該フローティングゲート電極とコントロールゲート電極
    との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の強誘電
    体メモリトランジスタにおいて、 コンタクトホールを有しており該コンタクトホール内に
    導電体プラグが埋め込まれてなる絶縁膜が前記強誘電体
    膜と前記フローティングゲート電極との間に介在されて
    おり、前記コントロールゲート電極と前記フローティン
    グゲート電極の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側
    方に介在する前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電体
    膜の膜厚は一定であるとしたとき、該両ゲート電極間の
    静電容量を該両ゲート電極間に前記強誘電体膜のみを設
    けたときの静電容量よりも小さくなるように前記コンタ
    クトホールにより前記強誘電体膜および前記フローティ
    ングゲート電極間の接合面積を設定してあることを特徴
    とする強誘電体メモリトランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の強誘電体メモリトラン
    ジスタにおいて、 前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
    素子分離領域の上側の領域に設けられることを特徴とす
    る強誘電体メモリトランジスタ。
  6. 【請求項6】 半導体基板のアクティブ領域と第1フロ
    ーティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、か
    つ、該第1フローティングゲート電極とコントロールゲ
    ート電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型
    の強誘電体メモリトランジスタにおいて、 コンタクトホールを有しており該コンタクトホール内に
    導電体プラグが埋め込まれてなる絶縁膜および該絶縁膜
    の該コンタクトホール部分の上側に接して設けられた第
    2フローティングゲート電極が前記強誘電体膜と前記第
    1フローティングゲート電極との間に介在されており、
    前記コントロールゲート電極と前記第1フローティング
    ゲート電極の面積を一定とし、かつ、前記絶縁膜の側方
    に介在する前記強誘電体膜部分を除けば前記強誘電体膜
    の膜厚は一定であるとしたとき、該両ゲート電極間の静
    電容量を該両ゲート電極間に前記強誘電体膜のみを設け
    たときの静電容量よりも小さくなるように前記第2フロ
    ーティングゲートにより前記強誘電体膜および前記第2
    フローティングゲート電極間の接合面積を設定してある
    ことを特徴とする強誘電体メモリトランジスタ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の強誘電体メモリトラン
    ジスタにおいて、 前記コンタクトホールは前記アクティブ領域を取り囲む
    素子分離領域の上側の領域に設けられることを特徴とす
    る強誘電体メモリトランジスタ。
  8. 【請求項8】 半導体基板のアクティブ領域とフローテ
    ィングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、かつ、
    該フローティングゲート電極とコントロールゲート電極
    との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型の強誘電
    体メモリトランジスタを形成するに当たり、 ゲート酸化膜の上側にフローティングゲート電極を形成
    する工程と、 該フローティングゲート電極の上側に絶縁膜を堆積する
    工程と、 該絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、 該絶縁膜の上側および該コンタクトホール内に予備強誘
    電体膜を形成する工程と、 該予備強誘電体膜の上側に予備コントロールゲート電極
    を堆積する工程と、および、 該予備コントロールゲート電極と該予備強誘電体膜とを
    エッチングによって成形してそれぞれコントロールゲー
    ト電極および強誘電体膜を形成する工程とを含むことを
    特徴とする強誘電体メモリトランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体基板のアクティブ領域と第1フロ
    ーティングゲート電極との間にゲート酸化膜を有し、か
    つ、該第1フローティングゲート電極とコントロールゲ
    ート電極との間に強誘電体膜を有してなるMFMIS型
    の強誘電体メモリトランジスタを形成するに当たり、 ゲート酸化膜の上側に第1フローティングゲート電極を
    形成する工程と、 該第1フローティングゲート電極の上側に絶縁膜を堆積
    する工程と、 該絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、 該絶縁膜の上側に導電性材料を堆積して前記コンタクト
    ホール内に該導電性材料を埋め込み導電体プラグを形成
    する工程と、 該導電性材料のエッチバックを行い前記絶縁膜の上側の
    前記導電性材料を除去する工程と、 前記導電体プラグを含む前記絶縁膜の上面の領域に第2
    フローティングゲート電極を形成する工程と、 該第2フローティングゲート電極および前記絶縁膜の上
    側に予備強誘電体膜を形成する工程と、 該予備強誘電体膜の上側に予備コントロールゲート電極
    を堆積する工程と、および、 該予備コントロールゲート電極と該予備強誘電体膜とを
    エッチングによって成形してそれぞれコントロールゲー
    ト電極および強誘電体膜を形成する工程とを含むことを
    特徴とする強誘電体メモリトランジスタの製造方法。
JP8059720A 1996-03-15 1996-03-15 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法 Pending JPH09252099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8059720A JPH09252099A (ja) 1996-03-15 1996-03-15 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8059720A JPH09252099A (ja) 1996-03-15 1996-03-15 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09252099A true JPH09252099A (ja) 1997-09-22

Family

ID=13121330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8059720A Pending JPH09252099A (ja) 1996-03-15 1996-03-15 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09252099A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001267514A (ja) * 2000-03-16 2001-09-28 Yasuo Tarui トランジスタ型強誘電体不揮発性記憶素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001267514A (ja) * 2000-03-16 2001-09-28 Yasuo Tarui トランジスタ型強誘電体不揮発性記憶素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100340924B1 (ko) 강유전체 비휘발성 트랜지스터 및 그의 제조방법
JP3123073B2 (ja) 半導体記憶装置の製造方法
JP3665426B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH08264669A (ja) 強誘電体メモリ装置及びその製造方法
JPS6244701B2 (ja)
JP3250257B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH0437170A (ja) 半導体装置の製造方法
US4713142A (en) Method for fabricating EPROM array
JP3199388B2 (ja) 集積回路の製造方法
EP0028654B1 (en) Semiconductive memory device and fabricating method therefor
JP3201357B2 (ja) 複数のゲート絶縁膜を有する半導体装置の製造方法
JPS60113460A (ja) ダイナミックメモリ素子の製造方法
JPS6068658A (ja) 半導体装置の製造方法
US5856690A (en) Dielectric for amorphous silicon transistors
JPH1140683A (ja) 半導体記憶装置及びその製造方法
JP2002270791A (ja) 強誘電体メモリトランジスタの製造方法
JPH09252099A (ja) 強誘電体メモリトランジスタ及びその製造方法
JPH07169854A (ja) 半導体デバイスおよびその製造方法
CN112490290A (zh) 半导体器件及制造方法
JP2002353344A (ja) 不揮発性半導体記憶装置、不揮発性半導体記憶装置の製造方法
JPH0329186B2 (ja)
JPS60113461A (ja) 半導体装置の製造方法
KR100308369B1 (ko) 집적회로용 캐패시터구조 및 그 제조 방법
JP3849105B2 (ja) 強誘電体メモリの製造方法
JPH0338732B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031007