JPH0925197A - ダイヤモンド膜の形成方法及びその装置 - Google Patents

ダイヤモンド膜の形成方法及びその装置

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JPH0925197A
JPH0925197A JP19801595A JP19801595A JPH0925197A JP H0925197 A JPH0925197 A JP H0925197A JP 19801595 A JP19801595 A JP 19801595A JP 19801595 A JP19801595 A JP 19801595A JP H0925197 A JPH0925197 A JP H0925197A
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diamond
reaction vessel
substrate
magnetic field
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ダイヤモンド結晶を再現性良く、か
つ速い形成速度で、更に大面積で形成することのできる
ダイヤモンド膜の形成方法及びその装置を提供すること
を目的とするものである。 【構成】本発明は上記目的を達成するために、反応容器
内に炭素を含有する原料ガスを導入し、高周波電力を印
加して反応容器内に配置された基体上にダイヤモンド膜
を形成する誘導結合型プラズマCVD法によるダイヤモ
ンド膜形成方法及びその装置において、前記反応容器に
設けられた誘導体窓に平面型渦巻状の誘導結合型プラズ
マの導入アンテナを配し高周波電力の印加によりダイヤ
モンド膜を形成するようにしたものである

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子材料、耐摩耗材料
として優れた特性を持つダイヤモンド結晶膜の形成方法
及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、大きなバンドギャップ
(5.5eV)、大きなキャリア移動度(電子1800
cm2/V・S、正孔1600cm2/V・S)、大きな
熱伝導度[(2000W/(m・K)]を持ち、更に高
硬度で耐摩耗性に優れる等の他の材料では得られない種
々の特性を有している。このため、近年、気相からのダ
イヤモンド合成、特に化学的気相析出法(CVD法)の
研究が進んでいる。その主なダイヤモンドの形成方法と
して、つぎの(1)〜(7)に示されるようなものがあ
る。 (1)タングステン等のフィラメントを2000℃程度
に加熱することにより、原料ガスを分解して基体上にダ
イヤモンド結晶を析出させる熱フィラメントCVD法。 (2)マイクロ波(通常2.45GHz)プラズマによ
り原料ガスを分解して基体上にダイヤモンド結晶を析出
させるマイクロ波プラズマCVD法。 (3)RFプラズマ(通常13.56MHz)により原
料ガスを分解して基体上にダイヤモンド結晶を析出させ
るRFプラズマCVD法。 (4)酸素−アセチレン炎を用いてダイヤモンド結晶を
形成する燃焼炎法。 (5)マイクロ波と磁場を組み合わせてECR(電子サ
イクロトロン共鳴)放電を形成して原料ガスを分解して
基体上にダイヤモンド結晶を形成するECRプラズマC
VD法。 (6)大気圧近傍の圧力で直流又は高周波の熱プラズマ
により原料ガスを分解してダイヤモンド結晶を形成する
熱プラズマCVD法。 (7)特開昭平5−32498号公報記載の超短波域
(30−300MHz)領域のプラズマを用いるプラズ
マCVD法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のダイヤモンド結晶の形成方法は、つぎのような問
題点を有している。上記(1)の熱フィラメントCVD
法は、大面積化が可能で、かつダイヤモンド結晶の形成
速度も比較的速いが、フィラメントが時間と共に炭化ま
たは劣化して、ダイヤモンド形成の再現性が乏しいと言
う欠点を持っている。上記(2)のマイクロ波プラズマ
CVD法は、プラズマ密度が高く、ダイヤモンド結晶の
形成速度が比較的速く、再現性も良いが、プラズマが局
在化し易く、大面積化が難しいと言う欠点を持ってい
る。上記(3)のRFプラズマCVD法は大面積化が可
能で、再現性も良いが、プラズマ密度が低く、ダイヤモ
ンド結晶の形成速度が非常に低いと言う欠点がある。上
記(4)燃焼炎法は、ダイヤモンド結晶の形成速度が非
常に速いが、再現性が悪く、また大面積化が難しいと言
う欠点を持っている。上記(5)のECRプラズマCV
D法は大面積化が可能で、再現性も良好であるが、EC
R放電形成のためには圧力を低く(一般的には100P
a以下)する必要があり、このためダイヤモンド結晶の
形成速度が遅いと言う欠点がある。上記(6)の熱プラ
ズマCVD法は、ダイヤモンド結晶の形成速度が非常に
速く、再現性も良好であるが、大面積化が困難である。
上記(7)の超短波領域の高周波を用いたプラズマCV
D法は、大面積化が容易で、再現性も高く、更にプラズ
マ密度も高いため、比較的高いダイヤモンド形成速度を
有するものの、さらなるダイヤモンド形成速度の向上が
望まれていた。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の問題点を
解決し、ダイヤモンド結晶を再現性良く、かつ速い形成
速度で、更に大面積で形成することのできるダイヤモン
ド膜の形成方法及びその装置を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、ダイヤモンド膜の形成において誘導結合型
プラズマCVD法を用い、その誘導結合型プラズマの導
入アンテナを平面型渦巻状に形成したものである。すな
わち、本発明のダイヤモンド膜形成方法は、反応容器内
に炭素を含有する原料ガスを導入し、高周波電力を印加
して反応容器内に配置された基体上にダイヤモンド膜を
形成する誘導結合型プラズマCVD法によるダイヤモン
ド膜形成方法において、前記反応容器に設けられた誘導
体窓に平面型渦巻状の誘導結合型プラズマの導入アンテ
ナを配し高周波電力の印加によりダイヤモンド膜を形成
することを特徴としている。上記方法においては、その
高周波電力の周波数は40〜250MHzであることが
好ましい。また、そのダイヤモンド膜の形成中に、基体
近傍に磁場を印加、及び/又は基体に正バイアスを印加
することによりプラズマ密度を向上させ、更に早い速度
でダイヤモンド結晶を形成することができる。その際、
磁場の強度は、基体近傍で150ガウス以上、より好ま
しくは200ガウス以上とすることが好ましく、また、
その正バイアスは20V〜50V、より好ましくは25
V〜45Vとすることが好ましい。さらに、本発明のダ
イヤモンド膜形成装置は、基体が配置され放電空間を有
する減圧可能な反応容器と、原料ガスを前記反応容器の
放電空間に導入する手段と、前記原料ガスを分解するた
めの高周波電力を導入する手段並びにその印加手段と、
前記反応容器内を排気する手段とを備えた誘導結合型プ
ラズマCVD法によるダイヤモンド膜形成装置におい
て、前記反応容器に誘導体窓を介して平面型渦巻状の誘
導結合型コイルを配置したことを特徴としている。そし
て、このダイヤモンド膜形成装置には、磁場印加手段及
び/又はバイアス手段を設けることが好ましい。本発明
のダイヤモンド膜形成装置において、その前記平面型渦
巻状の誘導結合型コイルの形状は、円形に限らず 四角
形状又は六角形状等の多角形のものでもよい。また、そ
の巻数は1〜10巻程度とするのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したようにダイヤ
モンド膜の形成において、誘導結合型プラズマCVD法
を用いてその誘導結合型プラズマの導入アンテナを平面
型渦巻状に形成することにより、上記した目的を達成し
たものであるが、それは本発明者が、ダイヤモンド結
晶、つまりダイヤモンド状炭素膜を含む炭素膜を速い形
成速度で、かつ大面積で合成するため、装置構成、特に
プラズマ発生方法について鋭意検討を行った結果、本発
明に至ったものである。以下、これを更に詳しく説明す
る。前述したように、マイクロ波放電(通常2.45G
Hz)は、プラズマ密度が高いが、プラズマが局在化し
易く、大面積化が難しい。またRF放電(通常13.5
6MHz)は、プラズマが広がり易く、大面積化は可能
であるがプラズマ密度が低い。このため、高密度のプラ
ズマを広い領域に形成するため、本発明者は、両方法の
中間領域の周波数、特に40MHzから250MHz、
望ましくは80MHzから200MHzのプラズマ放電
を用いてダイヤモンド形成を試みたところ、広い領域
に、高いプラズマ密度でプラズマが形成可能とされ、高
い形成速度で、かつ大面積にダイヤモンド結晶が形成で
きることを見いだした。この周波数領域の高周波を印加
する方法としては、容量結合型電極と誘導結合型電極を
用いる方法、等があるが、本発明においては、高周波印
加方法として、誘導結合型電極を用いることにより、更
に、高い密度でプラズマが形成され、ダイヤモンド結晶
の形成速度が向上する。この時、誘導結合型プラズマの
導入アンテナを、誘電体窓上に平面型で渦巻き状に形成
されたものにすることにより、大面積のプラズマが容易
に形成することが可能となり、広い面積にダイヤモンド
膜を形成することが可能となった。
【0007】本発明で言うところの誘電体窓とは、種々
のガラス、石英、アルミナ等で形成された高周波を導入
可能な窓材である。この誘電体窓に接して、平面型で渦
巻き状の高周波プラズマアンテナを設置し、高周波を印
加することにより、真空容器中に誘導結合プラズマを、
大面積で均一なプラズマを形成することが可能となる。
これにより、ダイヤモンド結晶が高い形成速度で、大面
積にかつ均一に形成することができる。本発明で言う平
面型で渦巻き状のアンテナとは、内側から外側に広がっ
た渦状で、かつその渦が平らなものである。渦のピッチ
及び巻き数はプラズマ形成面積等に合わせて適宜決める
ことができるが、通常は数巻きである。又、渦は円状に
限らず、4角形や6角形等の多角形を用いることができ
る。
【0008】本発明において、高周波周波数は、40M
Hzより小さい場合、100eV以上といった高エネル
ギーのイオンの衝撃によって、高いダイヤモンド結晶形
成速度が得られず、更に結晶性も劣化する。また高周波
周波数が、250MHz以上では高周波出力の伝送ロス
が大きくなり、安定にプラズマが発生できなくなる。更
に、本発明において、ダイヤモンド形成中に基体近傍に
磁場を印加、及び、又は、基体に正バイアスを印加する
ことにより、更に、高い形成速度でダイヤモンド結晶が
形成される。磁場の印加方法及び条件としては、以下の
方法及び条件が望ましい。まず、磁場の印加方法とし
て、通常の発散磁場を用いた場合、基板近傍の磁場の強
度を150ガウス以上、望ましくは200ガウス以上と
する。このとき、磁場が150ガウスより小さい場合、
プラズマ密度向上によるダイヤモンド形成速度向上の効
果が得られない。さらに、ダイヤモンド形成中の基体へ
の正バイアス印加は、基体及び析出ダイヤモンド結晶へ
のイオン衝撃を減少させ、又、適度な電子線照射によ
り、ダイヤモンド結晶の成長速度の向上及び結晶性の向
上に効果がある。この正バイアスの印加条件は、高周波
周波数や、高周波出力及び圧力等により最適値は異なる
が、20V以上、50V以下、好ましくは25V以上で
45V以下である。20Vより低い正バイアス及び負バ
イアスの印加では、基板及びダイヤモンド膜がプラズマ
中のイオンの衝撃によりエッチングされ、ダイヤモンド
膜の形成速度は大幅に減少、もしくはダイヤモンド膜は
形成されなくなる場合がある。また、50Vより大きい
場合、基体への電子線照射が大きくなるため、基板温度
が異常に上がりダイヤモンド形成の阻害要因となること
がある。更に、異常放電が発生し、放電が安定しないこ
ともある。
【0009】上記、本発明のダイヤモンド膜形成に用い
る原料ガスの炭素源としては、メタン、エタン、エチレ
ン、アセチレン等の炭化水素ガス、及びアルコール、ア
セトン等の液状有機化合物、一酸化炭素またはハロゲン
化炭素などを用いることができる。さらに適宜、水素、
酸素、塩素、フッ素を含むガスを添加することができ
る。一般的には、主たる原料ガスである水素と炭素源ガ
スの比が、1:0.001から1:1の混合ガスを用い
る。また、半導体ダイヤモンドを形成する場合は、原料
ガス中にp型半導体であればホウ素、n型半導体であれ
ばリンまたはリチウム、ナトリウム等を含有するガスを
添加する。更に、炭素源として液体有機化合物を蒸発さ
せて用いる場合は、液体有機化合物中に前記、ホウ素、
リン、リチウム、ナトリウムの単体及びその化合物を添
加することも可能である。基体温度は300℃から12
00℃、好適には400℃から1000℃とすることが
望ましい。また、圧力は、1Paから104Pa、好適
には10Paから8×103Pa、更に好適には102
aから5×l03Paが望ましい。
【0010】本発明で用いられるプラズマCVD装置の
一形態を図1に示す。本装置においては、減圧可能な反
応容器1中に、基体の加熱及び冷却、更には基体バイア
ス印加可能な基体ホルダー2と、基体3が配置されてい
る。また、反応容器上部には誘電体窓4を介して、渦巻
き状の誘導結合コイル5が配置され、高周波電源6が接
続されている。また、反応容器の外側には基体面に垂直
な方向の磁界を印加するための磁界印加手段7が設置さ
れている。更に、8は基体バイアス用電源である。ま
た、9はガス供給口で、不図示のバルブ及びガスボン
ベ、ガス流量調整器が接続されている。10は、真空排
気口で、不図示のバルブ及びターボ分子ポンプ、ロータ
リポンプが接続されている。図1において、3.5巻き
の誘導結合コイルが示されているが、本発明において、
コイル形状、巻き数、配置等は図1記載のものに限定さ
れるものではない。例えば、巻き数は1巻から10巻程
度まで用いることができる。更に形状は、円状に限らず
四角形、六角形等の多角形でも良い。この他、例えば、
図3に示すような四角形状を有した渦巻き状コイル5’
を用いることができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づき詳細に説明
する。 [実施例1]本実施例においては、図1に示すようなC
VD装置によりダイヤモンド結晶の形成を行なった。原
料ガスを、水素:200ml/min、メタン:2ml
/min、酸素:0.4ml/minとし、圧力:10
0Pa、高周波出力:700W、高周波周波数は100
MHzとして、ダイヤモンド形成を行なった。基体3と
してシリコン単結晶基板(直径4インチ、厚さ400μ
m)を用い、ヒーターを用いて750℃に加熱した。
又、基板はアース電位とし、磁場印加は行わなかった。
10時間のダイヤモンド形成で、膜厚約2.7μmの多
結晶ダイヤモンド膜が形成された。なお、膜厚の分布
は、±10%以内で良好であった。なお、図3に示すよ
うな四角形状を有した渦巻き状コイルを用いたCVD装
置により前記条件と同様にしてダイヤモンド結晶膜の形
成を行った所、10時間のダイヤモンド形成で、膜厚約
2.8μmの多結晶ダイヤモンド膜が形成され、その膜
厚分布は、±10%以内と良好であった。
【0012】(比較例1)本比較例においては、ダイヤ
モンド結晶を図2に示すような平行平板型容量結合プラ
ズマCVD装置により形成した。図2においては、減圧
可能な反応容器21中に、基体の加熱及び冷却可能な基
体ホルダー22と、基体23が配置されている。また、
反応容器内には平行平板電極24が配置され、整合器2
5及び高周波電源26が接続されている。また、27は
ガス供給口で、不図示のバルブ及びガスボンベ、ガス流
量調整器が接続されている。28は、真空排気口で、不
図示のバルブ及びターボ分子ポンプ、ロータリポンプが
接続されている。この装置を用いて実施例1と同様な条
件でダイヤモンド形成を行った。それによれば、10時
間のダイヤモンド形成で膜厚が約1.2μmと実施例1
のほぼ半分であった。別途、測定したプラズマ測定によ
れば、本比較例の条件におけるプラズマ密度は、実施例
1の条件のプラズマ密度の約1/4であった。このよう
に、平行平板型容量結合型プラズマCVD法では本発明
の誘導結合型プラズマCVD法に比べ、低いプラズマ密
度しか得られず、このことが低いダイヤモンド膜形成速
度の原因と考えられる。
【0013】[実施例2〜5]図1に示すCVD装置を
用いて、種々の周波数を用いてダイヤモンド結晶の合成
を行なった。形成条件は、原料ガスを、水素:200m
l/min、エチルアルコール:2ml/minとし、
圧力:400Pa、高周波出力:800Wとして、基体
3としてシリコン単結晶基板(直径4インチ、厚さ40
0μm)を用い、ヒーターを用いて基体3を加熱した。
又、基体バイアスは、25V電位とし、磁場は基板近傍
で180ガウスとし、形成時間は8時間とした。形成さ
れたダイヤモンド膜の膜厚と放電の安定性を表1に示
す。
【0014】
【表1】 ◎:非常に放電安定 ○:放電安定 △:放電実用上使用可 ×:放電不安定 表1によれば、実施例2から5において、ダイヤモンド
結晶が速い形成速度で、更に安定して形成することがで
きた。また、膜厚の均一性も±10%以内と良好であっ
た。 (比較例2〜3)比較例2では、ダイヤモンド結晶の成
長速度が遅く、また、比較例3においては放電が安定に
形成できず、ダイヤモンド形成が困難であった。
【0015】[実施例6]本実施例においては、磁場の
印加の依存性を観察した。合成条件を実施例1とした。
又、基体はアース電位とし、形成時間は10時間とし
た。形成されたダイヤモンド結晶の膜厚を表2に示す。
【0016】
【表2】 表2からも分かるように磁場強度を150ガウス以上と
することにより、膜厚が増加する傾向が見られる。これ
は磁場印加によりプラズマ密度が向上したためと考えら
れる。
【0017】[実施例7]本実施例では、基板バイアス
の依存性を観察した。形成条件は、基板バイアス以外は
実施例1と同様にして行った。結果を表3に示す。なお
結晶性はラマン分光分析法で評価した。ラマン分光分析
法によれば、ダイヤモンド結晶のピークは、1333c
-1付近に鋭いピークとして観察され、更にアモルファ
ス状炭素またはグラフアイト状炭素は1350cm-1
び1580cm-1付近にブロードなピークとして観測さ
れる。本発明において結晶性の評価は、ダイヤモンド結
晶のピーク(1333cm-1)、及びアモルファス状炭
素またはグラファイト状炭素のピーク(1580c
-1)の存在及びそれらの比(1333cm-1/158
0cm-1)で行う。1333cm-1/1580cm-1
2以上を結晶性非常に良好(◎)、1以上を結晶性良好
(○)、1未満でダイヤモンド結晶のピークが確認でき
るものを結晶性あり(△)、更にダイヤモンド結晶のピ
ークが確認できないものを結晶性なし(×)、とした。
【0018】
【表3】 ◎:結晶性非常に良好 ○:結晶性良好 △:結晶性あり ×:結晶性なし 表3から分かる通り、基板バイアス電圧20Vから50
Vにおいて、成長速度の増加と、結晶性の向上が確認さ
れた。
【0019】[実施例8]本実施例においては、基板バ
イアスと基板近傍への磁場印加を併用してその効果を観
察した。基板バイアスを40V、磁場を基板近傍で20
0ガウスとする以外は実施例1と同様にしてダイヤモン
ド結晶を形成したところ、膜厚は8.1μmで、又、ラ
マン分光分析法による分析からは、ダイヤモンド結晶の
ピークとアモルファス状炭素またはグラフアァイト状炭
素の比(1333cm-1/1580cm-1)が2以上と
結晶性も非常に良好であることが分かった。本実施例に
よれば、基板バイアスと基板近傍への磁場印加を併用す
ることによりダイヤモンド形成速度の向上及び結晶性の
向上が確認できた。
【0020】[実施例9]本実施例においては、図1の
装置を用い、半導体ダイヤモンド膜を形成した。基材
は、シリコン基板(3インチ、厚さ500μm)とし、
原料ガスは、H2ガス:100ml/min、CO(一
酸化炭素)ガス:5ml/min、B2H2(ジボラン、
100ppm水素希釈)ガス:4ml/minとした。
圧力は200Pa、磁場は基材近傍で200ガウス、基
板バイアスは30Vとした。又、高周波周波数は100
MHzとし、高周波出力は850Wとした。基板温度は
850℃とし、合成時間10時間で、基材上に約6.5
μmのダイヤモンド薄膜が形成された。なお、このダイ
ヤモンド膜は比抵抗約20Ω・cmで、p型半導体特性
を示した。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上のように、誘導結合型プラ
ズマCVD法を用いてその誘導結合型プラズマの導入ア
ンテナを平面型渦巻状としてダイヤモンド膜を形成する
ようにしたものであるから、ダイヤモンド結晶を再現性
良く、かつ速い形成速度で、大面積に形成することがで
き、電子材料、切削工具及び耐摩耗部材としての優れた
ダイヤモンド膜の形成方法及びその装置を実現すること
ができる。また、本発明においては、その高周波電力の周
波数を40〜250MHzとすることにより、より早い
速度で大面積のダイヤモンド結晶を形成することがで
き、更にそのダイヤモンド膜の形成中に、基体近傍に磁
場を印加、及び/又は基体に正バイアスを印加すること
によりプラズマ密度を向上させ、さらに早い速度でダイ
ヤモンド結晶を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマCVD装置の一実施態様例で
ある。
【図2】従来例のプラズマCVD装置の模式図である。
【図3】本発明のCVD装置の別の実施態様例である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 基体ホルダー 3 基体 4 誘電体窓 5、5' 渦巻き状誘導結合コイル 6 高周波電源 7 磁界印加手段 8 基体バイアス用電源 9 ガス供給口 10 真空排気口 21 反応容器中 22 基体ホルダー 23 基体 24 平行平板電極 25 整合器 26 高周波電源 27 ガス供給口

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に炭素を含有する原料ガスを
    導入し、高周波電力を印加して反応容器内に配置された
    基体上にダイヤモンド膜を形成する誘導結合型プラズマ
    CVD法によるダイヤモンド膜形成方法において、前記
    反応容器に設けられた誘導体窓に平面型渦巻状の誘導結
    合型プラズマの導入アンテナを配し、高周波電力の印加
    によりダイヤモンド膜を形成することを特徴とするダイ
    ヤモンド膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力は、その周波数が40〜
    250MHzであることを特徴とする請求項1に記載の
    ダイヤモンド膜形成方法。
  3. 【請求項3】 前記ダイヤモンド膜の形成が、基体近傍
    に磁場を印加して行われることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のダイヤモンド膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド膜の形成が、基体に正
    バイアスを印加して行われることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のダイヤモンド膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記ダイヤモンド膜の形成が、基体近傍
    に磁場を印加し、かつ基体に正バイアスを印加すること
    により行われることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のダイヤモンド膜形成方法。
  6. 【請求項6】 前記磁場は、その強度が基体近傍で15
    0ガウス以上であることを特徴とする請求項3または請
    求項5に記載のダイヤモンド膜形成方法。
  7. 【請求項7】 前記正バイアスを20V〜50Vとした
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のダイ
    ヤモンド膜形成方法。
  8. 【請求項8】 基体が配置され放電空間を有する減圧可
    能な反応容器と、原料ガスを前記反応容器の放電空間に
    導入する手段と、前記原料ガスを分解するための高周波
    電力を導入する手段並びにその印加手段と、前記反応容
    器内を排気する手段とを備えた誘導結合型プラズマCV
    D法によるダイヤモンド膜形成装置において、前記反応
    容器に誘導体窓を介して平面型渦巻状の誘導結合型コイ
    ルを配置したことを特徴とするダイヤモンド膜形成装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ダイヤモンド膜形成装置は、磁場印
    加手段及び/又はバイアス手段を有していること特徴す
    る請求項8に記載のダイヤモンド膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記平面型渦巻状の誘導結合型コイル
    は、その形状を円形または多角形としたこと特徴する請
    求項8または請求項9に記載のダイヤモンド膜形成装
    置。
  11. 【請求項11】 前記平面型渦巻状の誘導結合型コイル
    は、その巻数が1〜10巻程度とされていることを特徴
    とする請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載のダ
    イヤモンド膜形成装置。
JP19801595A 1995-07-10 1995-07-10 ダイヤモンド膜の形成方法及びその装置 Pending JPH0925197A (ja)

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