JPH09249709A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH09249709A
JPH09249709A JP6342496A JP6342496A JPH09249709A JP H09249709 A JPH09249709 A JP H09249709A JP 6342496 A JP6342496 A JP 6342496A JP 6342496 A JP6342496 A JP 6342496A JP H09249709 A JPH09249709 A JP H09249709A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直鎖状ポリマ−を主材料とする従来の硬化性
樹脂組成物に比較して低粘度であり、かつ溶液として使
用する場合でも高濃度化が可能で従来と比較して有機溶
剤の使用量を削減でき、近年の環境問題に応えられ、さ
らに、直鎖状ポリマ−を用いた場合には得られない独自
のアロイ的構造を取り得るため、強度、耐久性に優れた
硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 この硬化性樹脂組成物は、中心から枝分
かれ状に平均3個以上の高分子鎖が伸びた星形ポリマー
(A)と、この星形ポリマー(A)100重量部に対し
0〜100重量部の割合で配合され、架橋性官能基を有
する直鎖状ポリマー(B)と、前記星形ポリマー(A)
100重量部に対し15〜500重量部の割合で配合さ
れ、前記両ポリマー(A)および(B)の架橋性官能基
との反応性を有する架橋性化合物(C)とを含み、前記
星形ポリマー(A)は架橋性官能基を有する重合性単量
体単位を平均5〜40重量%有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、塗料、シーリン
グ剤、フィルム等の原料として有用な硬化性樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来技術】塗料、シーリング剤、フィルム等の原料
は、合成樹脂を主材料とし、必要に応じてこれに顔料そ
の他の、それぞれの用途に合った添加剤が配合されてな
り、さらに、1種類の樹脂でそれぞれの用途で要求され
る物性を全て満足させることは困難なので、別の化合物
を配合するようにするのが普通である。前記樹脂と化合
物は単に混合するだけでも良いが、互いに反応させて結
合一体化した方が物性が良くなることが多い。この結合
反応が架橋反応であれば硬化性も帯びるようになり物性
がさらに向上する。そこで、前記樹脂と化合物に架橋性
官能基を導入し、両者を互いに架橋反応させるようにし
ている。
【0003】前記樹脂と化合物を含む硬化性樹脂組成物
の例としては、水酸基やカルボキシル基を有する直鎖状
ポリマ−とイソシアネ−ト基を有する化合物との組み合
わせからなる硬化性樹脂組成物、カルボキシル基を有す
る直鎖状ポリマ−とエポキシ基、オキサゾリン基、アジ
リジニル基を有する化合物との組み合わせからなる硬化
性樹脂組成物などが一般的に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら硬化性樹脂組成
物は、作業性、取り扱い性の観点から低粘度であること
が望まれる。また、その硬化物には十分な強度が要求さ
れる。しかし、組成物の粘度を下げるために樹脂を低分
子量化すると強度低下が生じ、その逆も起きるから、組
成物粘度の低下と硬化物強度の向上を両立させることは
困難であった。
【0005】硬化性樹脂組成物が工業的または一般的に
使用されるにおいて、その硬化物物性が優れていること
は当然に必要なことであるが、より重要なことは取り扱
い性が良いことである。例えば、硬化物物性が非常に良
くても、粘度が高くてアプリケーション装置に適用でき
なければ工業的利用価値はゼロに近い。そのような観点
から従来の硬化性樹脂組成物を眺めてみると、低粘度化
と言う点で決して満足できるものではなかった。
【0006】そこで、本発明は、直鎖状ポリマ−を主材
料とする従来の硬化性樹脂組成物に比較して低粘度であ
り、かつ溶液として使用する場合でも高濃度化が可能で
従来と比較して有機溶剤の使用量を削減でき、近年の環
境問題に応えられる有用な硬化性組成物を提供すること
を目的とする。本発明はまた、さらに、直鎖状ポリマ−
を用いた場合には得られない独自のアロイ的構造を取り
得るため、強度、耐久性に優れた硬化物を与える硬化性
組成物を提供することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる硬化性樹
脂組成物は、上記課題を解決するために、中心から枝分
かれ状に平均3個以上の高分子鎖が伸びた星形ポリマー
(A)と、この星形ポリマー(A)100重量部(以下
では、「重量部」を「部」と記す。)に対し0〜100
部の割合で配合され、架橋性官能基を有する直鎖状ポリ
マー(B)と、前記星形ポリマー(A)100部に対し
15〜500部の割合で配合され、前記両ポリマー
(A)および(B)の架橋性官能基との反応性を有する
架橋性化合物(C)とを含み、前記星形ポリマー(A)
は架橋性官能基を有する重合性単量体単位を平均5〜4
0重量%(以下では、「重量%」を「%」と記す。)有
するものである。
【0008】物性をより良くするためには、前記星形ポ
リマ−(A)における高分子鎖の枝分かれ数は平均4〜
10であることが好ましい。前記星形ポリマ−(A)が
アクリル系ポリマ−であることが出来る。前記星形ポリ
マー(A)はブロックポリマ−であることが出来る。星
形ポリマ−(A)や直鎖状ポリマー(B)が持つ架橋性
官能基には、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、オ
キサゾリン基、アジリジニル基や重合性不飽和基などが
あり、化合物(C)が持つ架橋性官能基には、イソシア
ネート基、活性メチロール基、エポキシ基、オキサゾリ
ン基、アジリジニル基、カルボキシル基や重合性不飽和
基などがある。
【0009】本発明者らの見いだしたところによれば、
星形ポリマー(A)は、中心から枝分かれ状に平均3個
以上の高分子鎖が伸びた構造を持つので、同じ分子量の
直鎖状ポリマーに比較して粘度が低い。したがって、本
発明にかかる硬化性樹脂組成物は、直鎖状ポリマ−を主
材料とする硬化性樹脂組成物に比べて溶液,溶融状態で
の粘度が低く、作業性・取り扱い性の向上が計れる。ま
た、溶液の場合、高濃度化が可能であり、従来と比べて
有機溶剤の使用を削減することが可能となる。星形ポリ
マー(A)ではまた、その架橋性官能基は、その量が、
架橋性官能基を有する重合性単量体単位を平均5〜40
%有する程度に止めているので、主として架橋性化合物
(C)との結合反応に関与するだけであり、したがっ
て、前記高分子鎖の発揮する物性が即、星形ポリマー
(A)の物性に反映し、物性の制御が容易となる。加え
て、3個以上に枝分かれした高分子鎖は架橋性化合物と
複雑に絡み合い、直鎖状ポリマーでは得られないアロイ
構造を作り、硬化物の強度,耐久性等の物性を向上させ
る。
【0010】本発明の硬化性組成物は、主として、星形
ポリマー(A)と化合物(C)が反応硬化することでア
ロイ的構造を取り、特性を発現するものであるが、星形
ポリマーとしてブロックポリマーを使用した場合は、例
えば硬質と軟質、強度と伸び、高Tgと低Tg、親水性
と疎水性などの相反する性能をより容易に付与できる。
【0011】
【発明の実施形態】本発明に用いられる星形ポリマ−
(A)としては、1)ポリスチレンリビングアニオンと
メチルトリクロロシランとポリイソプレンアニオンとの
反応によって得られる星形ポリマーを無水マレイン酸で
処理することによって得られるカルボキシル基含有星形
ポリマ−;2)ビニルエーテルなどの単官能モノマーの
カチオン重合において単官能モノマーが消費された後に
ジビニルエーテルを加えて得られた星形ポリマーを加水
分解して合成された水酸基含有星形ポリマー;3)(メ
タ)アクリル酸エステルなどの単官能モノマーのグルー
プトランスファー重合による官能基の導入方法と単官能
モノマー消失後に多官能モノマーを添加することによる
星形構造の導入方法を併用することで得られる、水酸基
含有星形ポリマ−あるいはカルボキシル基含有星形ポリ
マ−;4)(メタ)アクリル酸エステルおよび架橋性官
能基を有するモノマ−を、多価メルカプタン存在下にラ
ジカル重合して得られる架橋性官能基含有星形ポリマ−
などを挙げることができ、その1種以上を用いることが
できる。これらの中で共重合組成を変えることで種々の
特性を付与できる点および耐候性・熱安定性が良好であ
る点で、3)または4)の(メタ)アクリル酸エステル
から得られる星形ポリマー(A)が好ましい。特に、簡
便に製造できるという点および架橋性官能基を一段反応
で導入できるという点で工業的価値の高い、4)の多価
メルカプタン存在下に得られる星形ポリマ−(A)が好
ましい。
【0012】星形ポリマー(A)は、組成物粘度低下及
び硬化物強度の点で、同一中心から放射状に平均4〜1
0個の高分子鎖が伸びる星形構造が好ましい。枝の数が
多いものほど好ましい性質を有しているが、式(1)お
よび(2)で示されるように、10よりも多い枝を有す
るものについては組成物粘度低下効果があまり大きくな
らない。その割には、製造面において、高価な原料が多
量に必要となり製造コストが高くなる傾向がある。
【0013】
【数1】
【0014】(ここで、gは同一分子量の星形ポリマー
と直鎖ポリマーの回転自乗半径の比であり、fは枝の数
である。) 星形ポリマー(A)の製造方法例を以下に述べる。星形
ポリマー(A)は、例えば多価メルカプタン存在下各種
官能基を有する重合性単量体を含有する単量体混合物を
ラジカル重合することにより得ることができる。
【0015】多価メルカプタンとしては、3〜10のメ
ルカプト基を有するもの(3〜10官能)が星形構造を
取らせるために使用される。2官能以下では重合体が星
形構造とはならない。3官能では組成物の粘度低下効
果、硬化物強度など十分満足できるものではない。よっ
て、本発明に使用される星形ポリマ−(A)は、4〜1
0の枝を有するものが好ましく、4〜10官能のメルカ
プタンが使用される。
【0016】使用できるメルカプタンとしては、例えば
トリメチロ−ルプロパントリチオグリコレ−ト,トリメ
チロ−ルプロパントリチオプロピオネ−ト,ペンタエリ
スリト−ルテトラキスチオグリコレ−ト,ペンタエリス
リト−ルテトラキスチオプロピオネ−ト,ジペンタエリ
スリト−ルヘキサキスチオグリコレ−ト,ジペンタエリ
スリト−ルヘキサキスチオプロピオネ−トなど、水酸基
を3個以上有する化合物とカルボキシル基含有メルカプ
タン類のポリエステル化合物;2,4,6−トリメルカ
プト−S−トリアジンなどのトリアジン多価チオ−ル
類;多価エポキシ化合物の複数のエポキシ基に硫化水素
を付加させて1分子当たり3個以上のメルカプト基を導
入してなる化合物;多価カルボン酸の複数のカルボキシ
ル基とメルカプトエタノ−ルをエステル化してなる1分
子当たり3個以上のメルカプト基を有する化合物などを
挙げることができ、その1種以上を単独もしくは混合し
て使用することができる。
【0017】水酸基を有する星形ポリマ−(A)は、例
えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸2−ヒドロキシエチルのポリカプロラクトン変性
物等の水酸基含有重合性単量体を共重合することによっ
て得られる。カルボキシル基を有する星形ポリマ−
(A)は、例えばアクリル酸,メタクリル酸,イタコン
酸,クロトン酸,無水マレイン酸,マレイン酸等のカル
ボキシル基含有重合性単量体を共重合することによって
得られる。
【0018】エポキシ基を有する星形ポリマ−(A)
は、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル,アリルグリ
シジルエ−テル等のグリシジル基含有重合性単量体を共
重合することによって得られる。オキサゾリン基を有す
る星形ポリマ−(A)は、例えば2−ビニル−2−オキ
サゾリン,2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリ
ン,2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサ
ゾリン基含有重合性単量体を共重合することによって得
られる。
【0019】アジリジニル基を有する星形ポリマ−は、
例えば(メタ)アクリロイルアジリジン,(メタ)アク
リル酸−2−アジリジニルエチル等のアジリジニル基含
有重合性単量体を共重合することによって得られる。重
合性不飽和基を有する星形ポリマ−(A)は、例えば水
酸基を有する星形ポリマーとイソシアネ−ト基含有重合
性単量体との反応、カルボキシル基を有する星形ポリマ
ーとエポキシ基含有重合性単量体および/またはオキサ
ゾリン基含有重合性単量体および/またはアジリジニル
基含有重合性単量体との反応、イソシアネート基を有す
る星形ポリマーと水酸基含有重合性単量体との反応、エ
ポキシ基および/またはオキサゾリン基および/または
アジリジニル基を有する星形ポリマーとカルボキシル基
含有重合性単量体との反応などによって得られる。
【0020】本発明で使用される星形ポリマ−(A)が
ブロックポリマーであるものは、例えば、3官能以上の
メルカプタン存在下、第1の重合性単量体混合物のラジ
カル重合を行い、次に第1とは異なる組成の重合性単量
体混合物をラジカル重合することによって得られる。星
形ポリマー(A)中、架橋性官能基を有する重合性単量
体単位の量は、重合度100%の場合には、星形ポリマ
ー(A)の製造に用いた単量体成分の全量に対する、上
記架橋性官能基含有重合性単量体の重量百分率に等し
く、平均5〜40%であり、高分子鎖の発揮する物性が
即、星形ポリマー(A)の物性に反映し、物性の制御が
容易となるという点をより向上させるためには、星形ポ
リマー(A)中、架橋性官能基を有する重合性単量体単
位の量は、好ましくは平均7〜25%である。
【0021】本発明で使用される直鎖状ポリマ−(B)
としては以下のものがある。水酸基を有する直鎖状ポリ
マー(B)、エポキシ基を有する直鎖状ポリマー
(B)、オキサゾリン基を有する直鎖状ポリマー
(B)、アジリジニル基を有する直鎖状ポリマー
(B)、重合性不飽和基を有する直鎖状ポリマー(B)
は、それぞれ、上述の各種架橋性官能基を有する星形ポ
リマー合成時に使われた重合性単量体を一般的な重合方
法に従って共重合することによって得られる。直鎖状ポ
リマー(B)中、架橋性官能基を有する重合性単量体単
位の量は、重合度100%の場合には、直鎖状ポリマー
(B)の製造に用いた単量体成分の全量に対する、上記
架橋性官能基含有重合性単量体の重量百分率に等しく、
たとえば平均5〜40%、好ましくは平均7〜25%で
ある。
【0022】水酸基および/またはカルボキシル基との
反応性を有する化合物(C)としては、イソシアネート
基を有する化合物、活性メチロール基を有するが挙げら
れる。イソシアネート基を有する化合物(C)として
は、例えばヘキサメチレンジイソシアネ−ト,トルイレ
ンジイソシアネ−ト,イソホロンジイソシアネ−ト,ジ
フェニルメタンジイソシアネ−ト,ジフェニルメタンジ
イソシアネ−トの水添物,グリセリンとトルイレンジイ
ソシアネ−トとの付加物,ヘキサメチレンジイソシアネ
−トの自己縮合物等の2個以上のイソシアネ−トを有す
る化合物類;エチレングリコ−ル,トリエチレングリコ
−ル,プロピレングリコ−ル,ポリプロピレングリコ−
ル,トリメチロ−ルプロパン,ペンタエリスリト−ル,
ジペンタエリスリト−ル等2個以上の水酸基を有する化
合物と、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト,トルイレン
ジイソシアネ−ト,イソホロンジイソシアネ−ト,ジフ
ェニルメタンジイソシアネ−ト,ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−トの水添物,グリセリンとトルイレンジイソ
シアネ−トとの付加物,ヘキサメチレンジイソシアネ−
トの自己縮合物等の2個以上のイソシアネ−トを有する
化合物とを反応させて得られる1分子当たり2個以上の
イソシアネ−ト基を有する化合物類;イソシアネートエ
チルメタクリレートなどの分子内にイソシアネート基を
有する重合性単量体の重合物で1分子当たり2個以上の
イソシアネート基を有する重合体類;これらイソシアネ
ート類をメタノール、フェノール、アセト酢酸エチル、
ε−カプロラクタムなどでブロック化したいわゆるブロ
ック化イソシアネート類などが挙げられ、これらの1種
以上を単独もしくは混合して使用することができる。
【0023】活性メチロール基を有する化合物(C)と
しては、例えばメチロールメラミン、メトキシメチルメ
ラミン、ブトキシメチルメラミンなどのメラミン樹脂
類;メチロールグアナミン、メトキシメチルグアナミ
ン、ブトキシメチルグアナミン、メチロールベンゾグア
ナミン、メトキシメチルベンゾグアナミン、ブトキシメ
チルベンゾグアナミンなどのグアナミン樹脂類;メラミ
ン樹脂とグアナミン樹脂の共縮合物類;フェノール、ク
レゾールなどのフェノール性化合物のホルマリン付加物
などが挙げられ、これらの1種以上を単独もしくは混合
して使用することができる。
【0024】カルボキシル基との反応性を有する化合物
(C)としては、エポキシ基を有する化合物、オキサゾ
リン基を有する化合物、アジリジニル基を有する化合物
が挙げられる。エポキシ基を有する化合物(C)として
は、例えばビスフェノ−ルA,ビスヒドロキシジフェニ
ルメタン,レゾルシン,ビスヒドロキシジフェニルエ−
テル,テトラブロムビスフェノ−ルA等の多価フェノ−
ル類、エチレングリコ−ル,ネオペンチルグリコ−ル,
グリセリン,トリメチロ−ルプロパン,ペンタエリスリ
ト−ル,ジエチレングリコ−ル,ポリプロピレングリコ
−ル,ビスフェノ−ルA−エチレンオキサイド付加物、
トリスヒドロキシエチルイソシアヌレ−ト等の多価アル
コ−ル、エチレンジアミン,アニリン等のポリアミノ化
合物、アジピン酸,フタル酸,イソフタル酸等の多価カ
ルボキシル化合物等とエピクロルヒドリンまたは2−メ
チルエピクロルヒドリンを反応させて得られる1分子当
たり2個以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂類;
ジシクロペンタジエンジエポキサイド,ブタジエンダイ
マ−ジエポキサイド等の如き脂肪族(脂環族を含む)の
1分子当たり2個以上のエポキシ基を有する化合物類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエー
テルなどのグリシジル基を有する重合性単量体の重合物
で1分子内に2個以上のエポキシ基を有する重合体類な
どを挙げることができ、これらの1種以上を単独もしく
は混合して使用することができる。
【0025】オキサゾリン基を有する化合物(C)とし
ては、例えば2,2’−(1,3−フェニレン)ビス
(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,3−フェニレ
ン)ビス(4,5−ジヒドロキシオキサゾール)、2,
2’−(p−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)な
どの1分子中に2個以上のオキサゾリン基を有するオキ
サゾリン類;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−2−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有する重
合性単量体の重合体で1分子内に2個以上のオキサゾリ
ン基を有する重合体類を挙げることができ、これらの1
種以上を単独もしくは混合して使用することができる。
【0026】アジリジニル基を有する化合物(C)とし
ては、例えば2個以上のイソシアネート基を有する化合
物にエチレンイミンを付加した化合物類;2個以上の
(メタ)アクリル基を有する化合物にエチレンイミンを
マイケル付加した化合物類;アジリジニルエチルメタク
リレート、メタクリロイルアジリジンなどのアジリジニ
ル基を有する重合性単量体の重合体で1分子内に2個以
上のアジリジニル基を有する重合体類などを挙げること
ができ、これらの1種以上を単独もしくは混合して使用
することができる。
【0027】カルボキシル基を有する化合物(C)とし
ては、例えばコハク酸、アジピン酸、デカンジカルボン
酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸など
の1分子内に2個のカルボキシル基を有する化合物類;
トリメリット酸、ピロメリット酸などの1分子内に3個
以上のカルボキシル基を有する化合物類;カルボキシル
基含有重合性単量体を重合して得られる1分子内に2個
以上のカルボキシル基を有する重合体類が挙げられ、こ
れらの1種以上を単独もしくは混合して使用することが
できる。
【0028】重合性不飽和基を有する化合物(C)とし
ては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト,ペン
タエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト,ペンタエ
リスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト,ジペンタエ
リスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト,ジペンタエ
リスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト,ポリプロピ
レングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト,ポリエチレン
グリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト,トリメチロ−ルプ
ロパンPO変性トリ(メタ)アクリレ−ト(トリメチロ
−ルプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)ア
クリレ−ト),トリメチロ−ルプロパンEO変性トリ
(メタ)アクリレ−ト(トリメチロ−ルプロパンエチレ
ンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレ−ト)、前記エ
ポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸を反応さ
せて得られるもの等の多官能(メタ)アクリレ−トを挙
げることができ、これらの多官能(メタ)アクリレ−ト
は他の重合性単量体と混合して用いることができる。
【0029】本発明の硬化性樹脂組成物において、直鎖
状ポリマー(B)は必須ではないが、星形ポリマー
(A)の特徴を損なわない範囲で、すなわち、星形ポリ
マー(A)100部に対して100部以下の割合、好ま
しくは50部以下の割合で配合される。また、架橋性化
合物(C)は星形ポリマー(A)100部に対して15
〜500部の割合、好ましくは20〜100部の割合で
配合される。化合物(C)はいわゆる架橋剤の如く架橋
のみを目的として使用されるものではなく、星形ポリマ
ー(A)や直鎖状ポリマー(B)とアロイ的な構造を取
らせて、化合物(C)の特性を硬化物に付与するために
使用するものである。よって、15部未満の使用量では
化合物(C)の特性が十分に発現しない。また、500
部を超えて使用した場合は、例えば組成物が低粘度であ
るなどの星形ポリマーに由来する特性が十分に発現され
ないので好ましくない。
【0030】星形ポリマー(A)、直鎖状ポリマー
(B)と架橋性化合物(C)とは、これらのみで硬化性
樹脂組成物を作ることができるが、必要により硬化触
媒、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、希釈剤、発泡剤な
どを添加して組成物とすることができる。星形ポリマー
(A)、直鎖状ポリマー(B)、架橋性化合物(C)お
よびその他添加剤の混合は、希釈剤の不在下または存在
下にて、加熱下または常温において、従来公知の各種混
合機を用いて行うことができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例および比較例を
示すが、この発明は下記の実施例には限定されるもので
はない。 (参考例1)攪拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却
管を備えたフラスコにアクリル酸ブチル100部、アク
リル酸−2−エチルヘキシル80部、アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル20部、ペンタエリスリトールテトラ
キスチオグリコレート(PETG)18部、及び酢酸エ
チル200部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込み
ながら80℃まで加熱した。そこに、予め用意しておい
たアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)の2%酢酸
エチル溶液10部を2時間かけて滴下した。その後、
1.5時間熟成しポリマー溶液を得た。この溶液から揮
発成分を除去して、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フ(GPC)による数平均分子量(Mn)=4,50
0、重量平均分子量(Mw)=6,800、水酸基価=
48、25℃における粘度=13,000cpsの星形
ポリマー(1)を得た。
【0032】次に星形構造の重合体が低粘度であること
を明らかにするため、PETGの代わりにPETGと同
一濃度となるようにチオグリコール酸オクチルを加えた
以外は同様の方法で直鎖状のポリマー(1’)を得た。
両ポリマーの光散乱分子量測定による絶対重量平均分子
量(東ソー(株)製のGPC−LALLS法によるスチ
レン換算分子量)は、星形ポリマー(1)=11,30
0、直鎖状ポリマー(1’)=11,100でほぼ同一
であった。星形ポリマー(1)、直鎖状ポリマー
(1’)の粘度は、それぞれ、13,000cps、2
8,000cpsであり、星形ポリマー(1)は非常に
低粘度であることが分かった。
【0033】また、上式(1)のgが(GPCから得ら
れる重量平均分子量)/(絶対重量平均分子量)の値で
あると仮定できるので、上式(1)にその値を代入する
と、6,800/11,300=(3×f−2)/f2
となり、枝の数f=4.2が得られる。PETGは4官
能のメルカプタンであるが、ここで用いたPETGは純
度93%でありジペンタエリスリトールなどの多核体も
含有していることを考慮すると、f=4.2の計算結果
とは矛盾しない。 (参考例2)攪拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却
管を備えたフラスコにアクリル酸エチル100部、アク
リル酸ブチル50部、メタクリル酸メチル20部、アク
リル酸30部、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオ
グリコレート(DPHG)3.4部、メチルエチルケト
ン(MEK)200部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを
吹き込みながら攪拌下80℃まで加熱した。そこにAI
BNの2%メチルエチルケトン溶液10部を2時間かけ
て滴下した。その後、1.5時間重合を続けて不揮発分
濃度49.1%、25℃における粘度=3,500cp
sの星形ポリマー(2)の溶液を得た。GPCによる分
子量は、Mn=49,000、Mw=123,000で
あった。また、光散乱分子量測定による絶対重量平均分
子量は、271,000であった。参考例1と同様にメ
ルカプタンの種類を代える以外は参考例2と同様の操作
を繰り返して、絶対重量平均分子量がほぼ同一である直
鎖ポリマー(2’)の溶液を得た。直鎖ポリマー
(2’)の溶液粘度は、12,000cpsであった。
参考例1と同様にして求めた枝の数=5.5であった。 (参考例3〜5)参考例1において、重合性単量体及び
メルカプタンの種類、量を表1、2に示すように変更し
た以外は、同様の方法で星形ポリマー(3)〜(5)を
得た。参考例1と同様にメルカプタンの種類を代える以
外は参考例3〜5と同様の操作を繰り返して、絶対重量
平均分子量がほぼ同一である直鎖ポリマー(3’)〜
(5’)を得た。星形ポリマー(3)〜(5)につい
て、参考例1と同様にして枝の数を求めた。 (参考例6)参考例1と同様の装置に、メタクリル酸メ
チル48部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル10
部、アクリル酸2部、酢酸エチル40部を仕込み、ゆる
やかに窒素ガスを吹き込みながら、82℃まで加熱し
た。そこに予め用意しておいた、PETG12部、AI
BN0.2部、酢酸エチル10部からなる溶液を3等分
して45分毎に添加した。重合を開始して2時間後の重
合率は82%であった。次にアクリル酸エチル40部、
アクリル酸−2−ヒドロキシエチル28部、アクリル酸
1部、スチレン71部、酢酸エチル40部からなる重合
性単量体混合物を2時間かけて滴下した。しかる後、A
IBNの2%酢酸エチル溶液10部を3等分して、滴下
終了後30分毎に添加し、さらに90分間熟成して、不
揮発分濃度68.1%、25℃における粘度2,500
cps、水酸基価92、酸価12の星形ポリマー(6)
の溶液を得た。GPCによる分子量は、Mn=7,00
0、Mw=28,000であった。光散乱分子量測定に
よる絶対重量平均分子量は、58,000であった。参
考例1と同様にメルカプタンの種類を代える以外は参考
例6と同様の操作を繰り返して、絶対重量平均分子量が
ほぼ同一である直鎖ポリマー(6’)の溶液を得た。そ
の溶液粘度は、7,500cpsであった。星形ポリマ
ー(6)について、参考例1と同様にして求めた枝の数
は5.6であった。PETGは4官能のメルカプタンで
あるが、ここで用いたPETGは前出の如く多核体を含
有していること、再結合停止して枝数を増すスチレンを
使用していること、さらにブロックポリマーであること
を考慮すると、f=5.6の計算結果とは矛盾しない。
【0034】参考例6で用いたのと同じ種類、量の重合
性単量体を用いて参考例1と同様の方法で星形ポリマー
(7)を得た。星形ポリマー(7)について、参考例1
と同様にして枝の数を求めた。 (参考例7)(AB)3.5 (ここで、Aはポリスチレン
でMn=3,000、BはブタジエンでMn=5,00
0、3.5は枝の数を表す。)の構造を有する星形ブロ
ックポリマー100部に10部の無水マレイン酸を加え
て、110℃まで加熱した。発熱が認められ、マレイン
酸がポリブタジエンに付加したところで、トルエン10
0部を加えて溶解した。そこに水10部を強制的に混合
し、1時間熟成してカルボキシル基を有する星形ポリマ
ー(8)を得た。 (参考例8)参考例1と同様の装置にヘキサメチレンジ
イソシアネート169部、トルエン290部を取り、8
0℃まで加熱した。そこにポリプロピレングリコール
(分子量1,000)450部を2時間で滴下した。さ
らに熟成を行うために、ジメチルチンジラウリレート1
部を投入して2時間同温度に保ち、両末端にイソシアネ
ート基を有する不揮発分濃度68.2%の化合物(1)
の溶液を得た。
【0035】参考例で得られた、星形ポリマー、直鎖ポ
リマー(直鎖状ポリマー)、化合物(1)の諸性質を表
1、2に示した。表1、2中、「星形(1),・・・
(8)」はそれぞれ「星形ポリマー(1),・・・
(8)」を、「直鎖(1’),・・・(6’)」はそれ
ぞれ「直鎖ポリマー(1’),・・・(6’)」を表
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(実施例1)参考例1で得られた星形ポリ
マー(1)70部、直鎖ポリマー(1’)30部をフラ
スコに取り混合した。ここに、参考例8で合成した化合
物(1)の溶液80部を加えてよく攪拌混合した。得ら
れた硬化性樹脂組成物(1)の粘度は14,000cp
sであった。この組成物を2mm×10mm×50mmの型枠
に流し込み、100℃で30分間、続いて150℃で1
時間硬化させて柔軟なゴム状試験片を得た。この試験片
をインストロン試験機にて強度測定した結果、破断強度
50.0kg/cm2 、伸び率850%と伸びと強度の
両立した硬化物であった。 (比較例1)実施例1において、星形ポリマー(1)を
使用せずに直鎖ポリマー(1’)を100部使用する以
外は同様にして、比較用硬化性樹脂組成物(1’)を得
た。その粘度は25,000cpsとなり、硬化性樹脂
組成物(1)と比較してかなり高粘度であり、硬化のた
め型枠に流し込んだ際、コーナー部分に気泡が残ってし
まった。このことから、薄膜にしたり、隙間部分に流し
込んだりする作業性に関して問題発生が懸念される。組
成物(1’)の硬化物の強度は、破断強度38.5kg
/cm2 、伸び率680%であり、硬化性樹脂組成物
(1)のそれと比較して強度、伸びともに劣るものであ
った。 (比較例2)実施例1において、化合物(1)の使用量
をアロイ形態を取れない10部と少量にして同様の比較
用硬化性樹脂組成物(2’)を得た。粘度は、13,5
00cpsと低粘度であったが、その硬化物は、粘稠で
強度を測定できるようなものではなかった。
【0039】実施例1と比較例1、2の各硬化性樹脂組
成物の配合と諸性質を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例2)参考例2で得られた星形ポリ
マー(2)の溶液200部、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル10部及びヘキサメチレンジオールジグリ
シジルエーテル12部を混合して、硬化性樹脂組成物
(2)を得た。その粘度は、3,500cpsであっ
た。この硬化性樹脂組成物(2)をテフロン板(四フッ
化エチレン樹脂板)上に20ミクロンの厚みになるよう
に塗布し、180℃にて1時間硬化させた。硬化フィル
ムの強度を測定した結果、破断強度130kg/c
2 、伸び率110%であった。 (比較例3)実施例2と同様にして、星形ポリマー
(2)の溶液の代わりに直鎖ポリマー(2’)の溶液を
使用して、比較用硬化性樹脂組成物(3’)を得た。そ
の粘度は、13,000cpsと高いものであった。ま
た、硬化フィルムの強度は、破断強度120kg/cm
2 、伸び率80%であった。
【0042】実施例2と比較例3の各硬化性樹脂組成物
の配合と諸性質を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】(実施例3〜5)星形ポリマー(3)〜
(5)100部、デカンジカルボン酸20部をそれぞれ
粉体の状態で70℃にて、3本ロールで混合した。これ
を再度微粉化して、硬化性樹脂組成物(3)〜(5)を
得た。200℃に加熱した軟鋼板に塗膜の厚みが30ミ
クロンになるように硬化性樹脂組成物の微粉を吹き付
け、さらに180℃にて20分間硬化させた。その際の
表面状態を表5に示した。 (比較例4〜6)実施例3〜5において、星形ポリマー
(3)〜(5)の代わりにそれぞれに対応する直鎖状ポ
リマー(3’)〜(5’)を表5に示す量で使用した以
外は同様の操作を繰り返して、比較用硬化性樹脂組成物
(4’)〜(6’)を得た。また、その硬化塗膜の外観
を評価した結果を表5に示した。
【0045】
【表5】
【0046】(実施例6、7)星形ポリマー(6)の溶
液100部に対して、イソホロンジイソシアネート16
部を加えて、トルエンで不揮発分濃度が60%となるよ
うに希釈して、硬化性樹脂組成物(6)を得た。その粘
度は、1,200cpsであった。また、星形ポリマー
(6)と重合性単量体組成が等しいがブロック構造を有
していない星形ポリマー(7)の溶液100部に対し
て、イソホロンジイソシアネート16部を加えて、トル
エンで不揮発分濃度が60%となるように希釈して、硬
化性樹脂組成物(7)を得た。その粘度は、1,000
cpsであった。
【0047】亜鉛メッキ鋼板に35ミクロンの厚みにな
るように、硬化性樹脂組成物(6)および(7)をそれ
ぞれ♯40バーコーターにて塗布し常温乾燥させて硬化
した。硬化皮膜の表面は平滑で光沢のあるものであっ
た。硬化性樹脂組成物(6)はブロックポリマーからな
る星形ポリマーであり、硬化性樹脂組成物(7)は同組
成の共重合星形ポリマーであるが、デュポン衝撃強度に
差が認められた。衝撃強度を強化するためには、ブロッ
ク構造を持たせた方が好ましいことが判った。 (比較例7)星形ポリマー(6)の代わりに直鎖状ポリ
マー(6’)を使用した以外は実施例6と同じ操作を行
い、比較用硬化性樹脂組成物(7’)を得た。その粘度
は、5,100cpsであった。粘度が高いため、その
硬化皮膜の表面には凹凸が認められた。
【0048】実施例6、7と比較例7の硬化性樹脂組成
物の、配合、粘度、硬化物物性を表6に示した。
【0049】
【表6】
【0050】(実施例8、9及び比較例8)星形ポリマ
ー(2)、(8)、直鎖ポリマー(2’)の各100部
に2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(2−オキサ
ゾリン)15部をそれぞれ加えて、硬化性樹脂組成物
(8)、(9)、比較用硬化性樹脂組成物(8’)を
得、これらをそれぞれ乾燥厚みが100ミクロンとなる
ように、テフロン板上にキャストした。これを80℃で
30分、続いて120℃で30分、さらに180℃で1
時間で硬化させて、フィルムを得た。そのフィルムの強
度及びサンシャインウェザーメーター200時間暴露後
の強度を測定し、表7に示した。
【0051】
【表7】
【0052】星形ポリマー(2)、(8)を用いた硬化
性樹脂組成物(8)、(9)はいずれも、直鎖ポリマー
(2’)を用いた硬化性樹脂組成物(8’)と比較して
低粘度であり、硬化物の強度も大きなものであった。こ
の点で、星形ポリマーの優位性が確認された。しかしな
がら、サンシャインウェザーメーターの暴露後の強度に
関しては、アクリル系の星形ポリマーを用いた硬化性組
成物(8)は十分満足できるものであったが、硬化性組
成物(9)では用いた星形ポリマー(8)が分子内に光
及び熱に弱い結合を有しているため、十分満足できるも
のではなかった。このような、耐光性、耐熱性を必要と
する用途には、アクリル系の星形ポリマーがより好まし
いことが判った。
【0053】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、従来と比
較して溶液、溶融状態での粘度が低いため、作業性の向
上が計れる。また、溶液の場合、高濃度化が可能とな
り、従来と比較して有機溶剤の使用量が削減され、近年
の環境問題に応えられる有用な硬化性組成物である。
【0054】本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化物の強
度、耐久性などの物性面でも優れている。本発明の硬化
性樹脂組成物は、上記特徴を有しているため、塗料、シ
ーリング剤、フィルムなどの原料として、好適に使用さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/02 PDE C09D 201/02 PDE

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心から枝分かれ状に平均3個以上の高分
    子鎖が伸びた星形ポリマー(A)と、この星形ポリマー
    (A)100重量部に対し0〜100重量部の割合で配
    合され、架橋性官能基を有する直鎖状ポリマー(B)
    と、前記星形ポリマー(A)100重量部に対し15〜
    500重量部の割合で配合され、前記両ポリマー(A)
    および(B)の架橋性官能基との反応性を有する架橋性
    化合物(C)とを含み、前記星形ポリマー(A)は架橋
    性官能基を有する重合性単量体単位を平均5〜40重量
    %有するものである硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記星形ポリマ−(A)における高分子鎖
    の枝分かれ数が平均4〜10である請求項1記載の硬化
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】星形ポリマ−(A)がアクリル系ポリマ−
    である請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】星形ポリマー(A)がブロックポリマ−で
    ある請求項1、2または3記載の硬化性樹脂組成物。
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