JPH09248880A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH09248880A
JPH09248880A JP8595496A JP8595496A JPH09248880A JP H09248880 A JPH09248880 A JP H09248880A JP 8595496 A JP8595496 A JP 8595496A JP 8595496 A JP8595496 A JP 8595496A JP H09248880 A JPH09248880 A JP H09248880A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンをヒートシール面とするヒート
シーラント層に線状ポリエチレンを用いて安定したヒー
トシール性と、防曇性とをもつ開封性に容易な剥離強度
をもち、剥離部の外観に優れる積層体の提供を目的とす
る。 【解決手段】 基材フイルム1、接着剤層2、中間支持
層としてのPP層3、厚さが1.5〜10μmからなる
防曇剤を含む剥離性HS層4よりなる積層体10を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンをヒ
ートシーラント層とする積層材の成形容器又は多層フィ
ルムと相対して使用する密封かつ易剥離できるふた材、
又はそれらに用いるヒートシーラント層に関し、水滴に
よるフィルムの不透明化を防ぐ防曇性と安定したヒート
シール性と、易剥離性及び剥離したときに糸引きがない
特性などを併せもつ積層体に属する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ポリエチレンをヒート
シーラント層とする成形容器や、多層フィルムとのヒー
トシールを安定して行うために、異物付着シールの安定
性、高速充填ヒートシールに必要な熱間シール性を得る
材料としては線状ポリエチレン(以下、LLDPEと記
載する。)を用いて行われていた。しかしながら、LL
DPEを用いた場合、そのヒートシール強度及び破断強
度が強く、開封しにくいという問題点があった。また、
ポリオレフィン系樹脂をヒートシーラント層とする包装
体は、結露した水滴により積層体が白化し内容物が見え
にくくなるという問題点があった。本発明は、LLDP
E特に低温ヒートシール性に優れ、かつヒートシールの
安定性を維持して、開封性が容易な剥離強度をもち、か
つ剥離部に糸引きがなく、層間の界面で剥離できるとと
もに、多湿物を包装しても防曇性をもつ包装用積層体の
提供を課題とするものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、基材フィルム、硬化型接着剤層(以
下、単に接着剤層と記載する。)、中間支持層としての
ポリプロピレン層(以下、単にPP層と記載する。)及
び厚さが1.5〜10μmよりなる剥離性ヒートシーラ
ント層(以下、剥離性HS層と記載する。)とより構成
される積層体において、該剥離性HS層が防曇剤を含ん
でいる積層体である。そして、上記剥離性HS層に含ま
れる防曇剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルである積
層体である。また、上記剥離性HS層の表面に凹凸模様
を賦型した積層体である。
【0004】
【従来の技術】従来のヒートシールによる易開封性包装
体の密封部は、ヒートシーラント層の一方にヒートシー
ル強度を制御する異種物質をブレンドしてヒートシール
強度を低下させたり、該層の層間強度を脆化させ層内で
凝集破壊させたりして易開封性をもたせるものであっ
た。また、多層に形成したヒートシール部を極薄層と
し、それと接する層との接着強度(剥離強度)を調整し
たり、凝集破壊をすることにより易開封性をもたせるも
のもあった。
【0005】しかしながら、異種物質を混合してヒート
シール強度を低下した易開封性包装体の該ヒートシーラ
ント層は、本質的に相溶性のないもののブレンドである
ため透明性が悪くなり、またブレンド物を均一に分散す
ることが困難であるため剥離性の不均一化(剥離強度の
ムラ)を避けることが困難であった。そして、異種物質
を混合物よりなる凝集破壊された剥離部は、粗面となる
ため好ましいものではなかった。
【0006】多層に形成した積層体のヒートシール部を
極薄層として、密封部を剥離するとき、該極薄層を切断
した後、それと接する層との間から界面剥離や凝集破壊
で剥離する技術も開示されている。しかしながら、その
剥離部が凝集破壊であれば、前述の剥離強度のムラと、
剥離部の粗面化を避けることはできず、また界面剥離で
あるとしても極薄層を切断した跡である糸引き現象があ
るという問題点があった。
【0007】また、包装用フィルムの水滴による曇り
は、内面樹脂層であるポリオレフィン系樹脂が疎水性樹
脂であることに起因するものである。すなわち、包装体
が冷却されて水蒸気が露点以下になったとき、内部の水
蒸気が凝縮して細かな水滴がフィルムの表面に均一に付
着して曇りを生ずるものである。この問題を解決するた
めには、親水性高分子化合物の層を塗布や貼合で設けた
り、ポリオレフィン系樹脂に界面活性剤などを添加して
親水化処理をしたりして水分を吸着させる方法などが提
案されている。
【0008】しかしながら、親水性高分子化合物の層
は、ヒートシーラント層としては、満足できるものが少
なく、特に包装材料に不可欠な異物付着ヒートシール、
熱間シール性などの問題を解決できるものがないのが実
態である。また、ポリオレフィン系樹脂に界面活性剤
(防曇剤)などを添加して親水化処理をしたフィルム
は、単層フィルムとしては防曇性をもたせることはでき
るが、基材フィルムと防曇剤を含むポリオレフィンフィ
ルムとを接着剤層を設けて積層した場合、防曇剤が接着
剤層に移行して接着剤と反応し、その硬化作用を低下さ
せるという問題があった。
【0009】防曇剤の移行に起因する接着剤の硬化阻害
により、層間接着強度が低下するのを防ぐ技術として
は、基材フィルムにアンカーコート剤からなる接着剤に
相当する層を設け、該接着剤層を介して接着樹脂の押出
しコートによるサンドイッチラミネーションで特定の界
面活性剤であるポリグリセリン脂肪酸エステル含有する
ポリオレフィンフィルムを設ける包装用積層フィルムの
技術が知られている。しかしながら、上記技術は、特定
のポリグリセリン脂肪酸エステルを含むヒートシーラン
トとなるポリオレフィンフィルムを、単層で押出しコー
トにより形成するものであり、層間で容易に剥離する易
開封のヒートシーラントには適用できるものではなかっ
た。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は図1に示すよう
に 基材フィルム1、接着剤層2、中間支持層としての
PP層3、防曇剤を含む厚さが1.5〜10μmの剥離
性HS層4から構成した積層体10である。また、上記
剥離性HS層4に含まれる防曇剤がポリグリセリン脂肪
酸エステルである積層体10である。そして、図3に示
すように、上記剥離性HS層4の表面に凹凸模様5を賦
型した積層体10である。
【0011】本発明のPP層は、易剥離性を付与する多
層フィルムを製膜するときの基体となるばかりでなく、
防曇剤が接着剤と接触反応する時間をおくらせて、接着
剤層の反応を完結させる作用をもつものであり、引っ張
り強度300Kg/cm3以上、伸度200%以上の条件下に
おいても凝集破壊性を呈することがないポリプロピレン
である。そして、キャストシート又は溶融押出しコート
ができるグレードが用いられる。そしてポリプロピレン
が、ホモポリマーでも、コポリマーのいずれでもよい。
好ましくは、防曇剤の移行をおくらせるコポリマーであ
る。また、該PP層には、製膜時の耳端部やスクラップ
の粉砕品を適宜添加してもよい。
【0012】上記PP層は、剥離性HS層とともに、共
押出しキャストフィルムや、溶融共押出しコートにより
形成することができるものであり、その厚さは、中間支
持層として製膜ができる15μmから60μmである。
60μm以上のものは、ヒートシールに過剰の熱量を要
するばかりでなく資源の浪費となる。
【0013】本発明の積層体は、基材フィルムとPP層
に設けた剥離性HS層又は剥離性HS層に更に積層する
ポリオレフィン系樹脂層(以下、PE層、PE層を設け
る剥離性HS層を剥離層と記載する。)とを硬化型接着
剤で積層するものである。剥離性HS層は、後述のよう
に薄肉加工する上からPP層と共押出し製膜を行うこと
が好ましい。共押出し製膜法では、フラットダイを用い
るT−ダイ法若しくは共押出しコート又は環状ダイを用
いるインフレーション法が適用できる。
【0014】T−ダイ法では、ブラックボックスタイプ
の共押出し又はマルチマニフオールド形式のいずれを用
いてもよい。インフレーション法に用いる公知の環状ダ
イが使用できる。また、該PP層の剥離性HS層を設け
ない面には、印刷フィルムなどとの接着を安定するため
コロナ放電処理や、オゾン処理などを行うことが好まし
い。そして、他の基材フィルムに共押出しコートして設
けるときには、基材フィルムに例えば含水内容物の包装
体に適した耐水性があるイソシアネート系の反応硬化型
のアンカーコートを施すことが好ましい。
【0015】本発明の剥離性HS層とは、単層又は多層
であってもかまわないが少なくともポリオレフィン系樹
脂よりなる層をヒートシーラント面とするものである。
そしてその厚さは、1.5〜10μmとする層である。
1層構成の場合は、PP層と易剥離性があるとともに適
度の接着性をもつシングルサイト触媒により重合された
エチレン・αオレフィン共重合体を用いることが好まし
い。
【0016】シングルサイト触媒を用いて重合されたエ
チレンとαーオレフィンとの共重合体を含む組成物は、
エチエン・αーオレフィン共重合体を製造するシングル
サイト触媒(メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触
媒を含む)が、活性点が均一(シングルサイト)である
ものより作成されたものである。このシングルサイト触
媒は、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム
化合物又はホウ素化合物であり、無機物に担持されるも
のを使用して合成されるものである。
【0017】本発明のメタロセン触媒を用いて製造され
るエチレン・αーオレフィン共重合体は、メルトフロー
レート1.0〜9.0g/10min(以下、MFR・
・gと記載する。)、密度が0.930g/cm3 を超
えないものが好ましく、MFRが上記の範囲より大きい
と単独での製膜が困難であり、大量ロット生産に利用さ
れる共押出し製膜が必要となる。また、MFRが0.9
gより小さいと流れにくく製膜ができにくいという問題
がある。そして、密度が0.930g/cm3以下のも
のは低温ヒートシールに優れる点より好ましい。
【0018】剥離性HS層は、PP層と易剥離性がある
とともに適度の接着性をもつ、上記のメタロセン触媒を
用いて製造されるエチレン・αーオレフィン共重合体を
単体で使用してもよく、また、LLDPE、低密度ポリ
エチレン(以下LDPEと記載する)、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチ
レン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなど
を適宜ブレンドすることもできる。そして、PP層に1
層で形成する剥離性HS層の厚さは、1.5〜5μmに
することが好ましい。1.5μm以下では、安定したヒ
ートシール行えず、また、5μm以上では、熱間シール
性もよく、ヒートシール強度は安定するが、開封すると
き剥離性HS層の破断強度が強いため糸引きが大きくな
ることがある。
【0019】2層構成の剥離性HS層4は、図2に示す
ように剥離層41とヒートシールの作用をもつポリオレ
フィン系樹脂よりなるPE層42とで構成される。剥離
層41は、製膜を行うときに、上記PE層42との接着
が強く、ヒートシールしたのち剥離するときPP層3と
の間で剥離できるか、凝集破壊できる程度の接着強度を
もつことが好ましい。例えば、剥離層41としては、メ
タロセン触媒を用いて製造されるエチレン・αオレフィ
ン共重合体や、ポリプロピレンとオレフィン系共重合体
ゴムとのブレンド比を適宜に変化させたものが上記の要
求を満足させるものである。すなわち、ホモポリプロピ
レン、又はプロピレンとαオレフィンとの共重合体と、
オレフィン系共重合体であるエチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アク
リル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン・ブ
テンゴム、エチレン・プロピレンゴムなどとのブレンド
物である。そして、剥離層に使用するポリプロピレン
は、PE層との接着を強固にするとともに、PP層との
剥離性を安定にするために、プロピレンホモポリマー又
はエチレン含有量が5重量%未満のプロピレン・エチレ
ン共重合体が好ましい。剥離層の厚さは、その機能を発
揮するためには、0.5〜5μmが好ましい。そして、
上記剥離層とPE層との合計厚さは、2.5〜10μm
が好ましい。合計の厚さが2.5μmに満たないとき
は、ヒートシールの安定性に欠け、また10μmを超え
るときは剥離部に糸引きを生ずるという問題がある。
【0020】本発明のPE層は、剥離層に積層して、ヒ
ートシーラント層として形成するものであり、ポリエチ
レンとヒートシールができる材料のなかから熱間シール
性、製膜加工性などを考慮して選択することができる。
例えば、LDPE、LLDPE、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどがあ
る。そして、その厚さは1.5〜5μmが好ましく、P
P層、剥離層、PE層と共押出し加工を行うとラミナフ
ローを均一に行い製膜性を向上するという効果を奏す
る。そして、防曇剤は、直接ヒートシールを行う剥離性
HS層又はPE層に必要量加えることが好ましい。
【0021】基材フィルム、接着剤層、中間支持層(P
P層)及び剥離性HS層を含む積層体の総厚さは、30
〜120μmが好ましく、30μm以下では積層体の強
度が不足し、しわなどを発生しやすく、積層体として取
り扱う作業が困難である。また、ヒートシールに必要な
クッション効果に欠ける。また、120μmを超えると
材料の浪費であり、コスト面での損失が大きい。
【0022】ヒートシーラント層となる剥離性HS層又
はPE層には結露を防ぐために、非イオン性界面活性剤
(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エス
テル、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンブロ
ックポリマーなど)、陰イオン性界面活性剤(例えば、
アルキルスルホン酸塩<Na、K、アンモニウム>、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩など)あるいは両イオン性
界面活性剤などから1種あるいは複数種を混合して添加
することができる。特に好ましいものは、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを主とするものであり、その添加量
は、剥離性HS層又はPE層100重量部に対して0.
5〜3.0重量部である。
【0023】本発明のポリグリセリン脂肪酸エステル
は、グリセリンを重合したポリグリセリンと脂肪酸との
エステル化生成物であり、ポリグリセリンの重合度、脂
肪酸の種類、エステル化度を変えることによって親水性
の度合いを調整することができる。エステル化度に関し
てはモノエステルが好ましいが、これに限定されるもの
ではない。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセ
リンステアレート、ジグリセリンラウレート、ジグリセ
リンオレート、テトラグリセリンステアレート、テトラ
グリセリンラウレート、テトラグリセリンオレート、ヘ
キサグリセリンステアレート、ヘキサグリセリンラウレ
ート、ヘキサグリセリンオレート、デカグリセリンオレ
ートなどから単独又は二種以上のものを混合して使用で
きる。ポリグリセリン脂肪酸エステルをヒートシーラン
ト層に含ませる方法は、特に制限をされるものではな
く、公知の混合・混練又は添加方法がある。例えば、バ
ンバリーミキサーなどで、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルとポリエチレンとをメルトブレンドしたマスターバッ
チの所定量とヒートシーラント層の樹脂とを混合した
り、ヒートシーラント層の樹脂に直接混合したりするこ
とができる。
【0024】ヒートシーラント層となる剥離性HS層又
はPE層には、所望に応じて滑性をもたせるために、流
動パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリン
ワックスなどの脂肪族炭化水素、直鎖アルコールのステ
アリン酸エステル、高級脂肪酸アマイドなどの滑剤を適
宜に選択して添加することができる。しかしながら、滑
剤は、ヒートシーラント層の表面に時間とともに浮きだ
してきて滑性をもたせる作用を奏するものである。した
がって、そのヒートシール性、特に熱間シール性を阻害
することがあるから、その種類及び添加量には多大の注
意を必要とする。
【0025】ヒートシーラント層となる剥離性HS層又
はPE層を形成するとき、熱溶融した膜状の樹脂を、凹
凸模様を設けた金属ロールで冷却・固化して、図3に示
すようにヒートシーラント樹脂の表面に凹凸模様5を賦
型して滑性を付与することができる。この方法は、過剰
の滑剤の使用により防曇剤の作用を阻害し、防曇効果の
発現を低下させるような場合に有効に適用できるもので
ある。そして、ヒートシーラント層に形成された凹凸模
様は、他の面との接触面積を小さくして、滑剤を使用し
ないで摩擦抵抗を低下させて滑性を付与する効果を奏す
る。凹凸模様の賦型による滑性の付与は、積層体の透明
性を若干損なうこともあるが、ヒートシール性、特に熱
間シール性には悪影響を与えない点からも好ましいもの
である。
【0026】本発明の積層体の基材フィルムは、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルローストリア
セテートなどの延伸又は未延伸フィルム又は紙、アルミ
ニウム箔、セロハンなどの単層又は複合フィルムであ
る。また、これらのフィルムには、所望に応じてグラビ
ア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷の巻取り
又は枚葉印刷により絵柄層を設けて積層体に供すること
ができる。
【0027】基材フィルムと接着剤層を介してPP層及
び剥離性HS層よりなる積層体は、基材フィルムと、P
P層及び剥離性HS層との多層共押出しフィルムとを通
常の加工方法であるドライラミネーションによる方法で
作成したり、基材フィルムにポリプロピレン樹脂と剥離
性HS層又は剥離層及びPE層に用いる樹脂とを溶融共
押出しコートにより形成したりする方法などがある。
【0028】ドライラミネーションは、通常のポリエス
テル・イソシアネート系やポリエーテル・イソシアネー
ト系などの2液反応型接着剤や、ポリウレタン系接着剤
などを接着剤層として使用できる。本発明は、PP層が
防曇剤のバリアとして作用する。したがって、剥離性H
S層に含まれる防曇剤は、基材フィルムとラミネーショ
ン直後は直接接着剤に接触することがなく、接着剤の硬
化阻害を起こすことがなく積層を完結できる。
【0029】本発明の積層体は、図4に示すように、例
えば、メタリック感を与えるアルミニウム蒸着フィル
ム、水蒸気やガス、光バリア性に優れるアルミニウム
箔、ガスバリア性に優れるエチレン・ビニルアルコール
共重合体のフィルム、吸湿性フィルムなどの機能性フィ
ルム6を、PP層3と基材フィルム1との間に設けた積
層体10を構成することもできる。
【0030】次に、実施例と比較例について、ヒートシ
ール性及び易開封性の比較結果を記載する。
【0031】
【実施例】
(実施例1)図1に示す剥離性HS層4として、防曇剤
であるジグリセリンモノ・ジ・ステアレートを1.0重
量部及び滑剤のステアリン酸アマイド0.07重量部添
加したメタロセン触媒を用いて製造したエチレンとαー
オレフィンとの共重合体(MFR3.5g、密度0.9
10g/cm3 )と、ホモポリプロピレン(JISK
7210に規定するMFR7.0g)とを、Tダイ法の
ブラックボックスタイプの共押出し装置に供給し、温度
240℃で押出して、厚さ50μmのPP層3の片面に
剥離性HS層4を3μmの厚さで形成し、PP層3の他
の面をコロナ放電処理をした共押出しフィルムを製膜し
た。上記共押出しフィルムのPP層3のコロナ放電処理
面と、ポリエステルイソシアネート系の接着剤層2を設
けた厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを基
材フィルム1としてドライラミネーション法で積層し実
施例1の積層体10を作成した。
【0032】(実施例2)防曇剤の添加量を、ジグリセ
リンモノ・ジ・ステアレートを0.5重量部とした以外
は実施例1と同様にして実施例2の積層体10を作成し
た。
【0033】(実施例3)防曇剤の種類を、ジグリセリ
ンモノ・ジ・ステアレートに変えてジグリセリンモノス
テアレートを1.0重量部とした以外は実施例1と同様
にして実施例3の積層体10を作成した。
【0034】(実施例4)スリップ剤を添加しないで図
3に示すように、凹凸模様5を賦型した剥離性HS層を
設けた他は、実施例1と同様に基材フイルムとをドライ
ラミネーションで積層して実施例4の積層体10を作成
した。
【0035】(実施例5)図2に示すように、実施例1
で用いたPP層3、及び防曇剤と滑剤とを除いた「ホモ
ポリプロピレンMFR7.1gとエチレン・ブテンゴム
(EBM MFR=3.5g)とを、1:1の割合でブ
レンドした組成物」よりなる剥離層41並びにジグリセ
リンモノ・ジ・ステアレートを0.5重量部及びステア
リン酸アマイド0.07重量部を添加したLLDPE
(密度が0.915g/cm3 )よりなるPE層42と
よりなる剥離性HS層4を構成した。そして、それぞれ
が45μm、及び2μm並びに3μmの厚さになるよう
にTダイ法のブラックボックスタイプの共押出し装置に
供給し、温度240℃で押出して製膜した。更に、PP
層3の剥離性HS層4を設けない他の面をコロナ放電処
理をして共押出し多層フィルムを作成した。次いで、厚
さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを基材フィ
ルム1として上記のPP層3とをドライラミネーション
で積層し実施例5の積層体10を作成した。
【0036】(比較例1、2)実施例1に用いたPP層
3に防曇剤としてジグリセリンモノ・ジ・ステアレート
を0.4部加えた他は実施例1と同様にして、剥離性H
S層4の厚さが1μm及び6μmとなるように製膜し
て、比較例1及び2の積層体10を作成した。
【0037】(比較例3、4)比較例1と同様にしたP
P層3に、同様の防曇剤及び滑剤を加えた剥離性HS層
4を、密度が0.925g/cm3 のLLDPE、及び
MFR3.5gのエチレン・ブテンゴム(EBM)に換
えて、その厚さがそれぞれ3μmとなるように製膜し
て、比較例3及び4の積層体10を作成した。
【0038】一方、厚さ50μmのLDPEフィルムと
厚さ300μmのポリエステルシートとをドライラミネ
ーションした積層シート(以下PE積層シートと記載す
る。)を作成した。そして、前記実施例及び比較例の積
層体の剥離性HS層とPE積層シートのLDPEとを、
次の方法でヒートシール性、防曇効果を確認した。
【0039】*1 剥離強度:表1に示す各温度で、P
E積層シートのLDPEと積層体の剥離性ヒートシーラ
ント層とを、圧力1kg/cm2 、時間1秒の条件でヒー
トシールし、剥離角度90°、引っ張り速度を300m
m/minで剥離してその強度を15mm巾で測定す
る。 *2 熱間シール性:表1に示す各温度で、PE積層シ
ートのLDPEと積層体のヒートシーラント層とを、圧
力1kg/cm2 、時間1秒の条件でヒートシールした直
後、未だ冷却固化していない状態で、ヒートシール面に
荷重50gの外力を作用させて剥離し、その剥離距離m
mを測定して評価する。剥離距離の小さいものが、熱間
シール性に優れる材料である。 *3 防曇効果:500ccのビーカに80℃の温湯を
300cc及び青色のガラスビーズを入れ、実施例及び
比較例のフィルムの剥離性HS層側で包みこんで蓋を
し、3℃の冷蔵庫で1時間冷却後の積層体の透明性(防
曇効果、ガラスビーズの確認性)を目視で評価する。 ◎:防曇効果に優れ透明性を維持する。 ○:やや透明性が低下するが内容物を容易に確認でき
る。 △:透明性が低下するが内容物を辛うじて確認できる。 ×:全く不透明となる。 *4 剥離部の外観:剥離強度を測定した試料で、その
剥離部の外観を目視で評価する。 ◎:糸引きがなく良好。 ○:殆ど糸引きが認められず良好。 △:若干糸引きが認められ商品価値を低下する。
【0040】*5 総合評価: ◎:防曇性、剥離強度及び熱間シール性ともに良好。 ○:防曇性、剥離強度、熱間シール性のいずれかが若干
劣るが実用上問題なし。 △:防曇性、剥離強度、熱間シール性が若干劣り商品と
しては、若干の問題あり。 ×:防曇性、剥離強度、熱間シール性の2項目以上のい
ずれかが劣り商品として問題あり。 上記の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】 但し、評価温度の単位は℃
【0042】実施例1〜4は、剥離部は光沢があり、防
曇効果も優れ、また剥離強度も適当であり熱間シール性
に優れるものであった。(*評価:◎) また、実施例5は、剥離部の外観が若干劣るものの(*
評価:○)、防曇効果も優れ、また剥離強度も適当であ
り、熱間シール性に優れるものであった。これに対し
て、比較例のものは、適度の防曇性はもつもの、ヒート
シール性に難点があるものであった。すなわち、比較例
1のものは、剥離強度は適当ではあるが、熱間シール性
が劣りヒートシーラントとしては劣るものである。比較
例2は、剥離強度、熱間シール性は適当ではあるが剥離
部の切れが悪く外観の劣るものであった。また、比較例
3は、ヒートシール強度が弱く密封性に劣るものであっ
た。そして、比較例4は、適度の剥離強度をもち、剥離
部は膜切れのよい凝集破壊を示めすものの、熱間シール
性も劣るものであった。
【0043】
【発明の効果】剥離性HS層にのみ防曇剤を加えたPP
層とよりなる共押出しフィルムをヒートシーラントとし
て基材フィルムとより構成した積層体を、ポリエチレン
とヒートシールした包装体は、優れた防曇性、安定した
密封性をもち、界面で滑らかに剥離して開封でき、そし
て光沢がある剥離部をもつ易開封性包装体を提供する効
果を奏する。また、剥離層に更にPE層を設けた2層構
成の剥離性HS層は、製膜適性に優れるものである。そ
して、剥離性HS層に凹凸模様を賦型した積層体は、必
要の滑性をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の断面を示す概念図である。
【図2】本発明の別態様の積層体の断面を示す概念図で
ある。
【図3】本発明の凹凸模様を賦型した構成の積層体の断
面を示す概念図である。
【図4】本発明の層構成を増加した構成の積層体の断面
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 接着剤層 3 PP層(中間支持層) 4 剥離性HS層 41 剥離層 42 PE層 5 凹凸模様 6 機能性フィルム 10 積層体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム、硬化型接着剤層、中間支
    持層としてのポリプロピレン層、厚さが1.5〜10μ
    mよりなる剥離性ヒートシーラント層とより構成される
    積層体において、該剥離性ヒートシーラント層が防曇剤
    を含んでいることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 上記剥離性ヒートシーラント層に含まれ
    る防曇剤がポリグリセリン脂肪酸エステルであることを
    特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 上記剥離性ヒートシーラント層の表面に
    凹凸模様を賦型したことを特徴とする請求項1及び2記
    載の積層体。
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