JPH09241606A - ポリウレタン接着剤及びこの接着剤を使用する化粧シート被覆材料の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン接着剤及びこの接着剤を使用する化粧シート被覆材料の製造方法

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JPH09241606A
JPH09241606A JP4907296A JP4907296A JPH09241606A JP H09241606 A JPH09241606 A JP H09241606A JP 4907296 A JP4907296 A JP 4907296A JP 4907296 A JP4907296 A JP 4907296A JP H09241606 A JPH09241606 A JP H09241606A
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JP
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resin
decorative sheet
molecular weight
thermoplastic polyester
adhesive
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JP4907296A
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Katsuhiko Yasuda
勝彦 安田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】初期接着性、常態接着力、耐熱性がともに優れ
たポリウレタン接着剤、及びこの接着剤を使用して、曲
面又は凹凸面を有する化粧シート被覆材料を製造する方
法を提供する。好な液晶表示用スペーサーを提供する。 【解決手段】重量平均分子量5万〜15万の熱可塑性ポ
リエステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の低分
子量のウレタン樹脂(A)及び重量平均分子量20万〜
40万の熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂から選ば
れる1種以上の高分子量のウレタン樹脂(B)の混合物
に粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解した主剤と、ポ
リイソシアネート硬化剤とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン接着
剤及びこの接着剤を使用する化粧シート被覆材料の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂を
溶剤に溶解した主剤と、ポリイソシアネート硬化剤とか
らなるポリウレタン接着剤は、常態接着力や耐熱性に優
れ、プラスチック、金属、木材など各種材料の接着に広
く使用されている。
【0003】しかし、この種のポリウレタン接着剤は、
初期接着性が充分でない。例えば、この接着剤を使用し
て、化粧シートを曲面又は凹凸面を有する芯材に被覆し
接着させて化粧シート被覆材料を製造する場合には、化
粧シートの反発により、貼り合わせ直後に化粧シートと
芯材の曲面又は凹凸面との間に浮きが発生し、品質の良
好な製品を得ることが困難である。
【0004】ポリウレタン接着剤の経時接着性を改良す
るために、粘着付与剤を配合することは知られている。
この粘着付与剤としては、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹
脂が挙げられている(例えば、昭和62年9月25日
日刊工業新聞社発行「ポリウレタン樹脂ハンドブック」
441〜445頁参照)。
【0005】又、初期接着性を更に改良するため、粘着
付与剤として、フェノール変性キシレンホルムアルデヒ
ド樹脂、フェノール変性メシチレンホルムアルデヒド樹
脂が提案されている(特開平6−200229号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な粘着付与剤を配合したポリウレタン接着剤を使用して
も、化粧シートを曲面又は凹凸面を有する芯材に被覆し
接着させる場合には、貼り合わせ直後に化粧シートと芯
材の曲面又は凹凸面との間に浮きが依然として発生し、
初期接着性はまだ充分でない。又、このような粘着付与
剤を配合すると、ポリウレタン接着剤の耐熱性が低下す
るという問題もある。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するもの
で、その目的とするところは、初期接着性、常態接着
力、耐熱性がともに優れたポリウレタン接着剤、及びこ
の接着剤を使用して、曲面又は凹凸面を有する化粧シー
ト被覆材料を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下第1発明という)のポリウレタン接着剤は、重量平均
分子量5万〜15万の熱可塑性ポリエステル系ウレタン
樹脂から選ばれる1種以上の低分子量のウレタン樹脂
(A)及び重量平均分子量20万〜40万の熱可塑性ポ
リエステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の高分
子量のウレタン樹脂(B)の混合物に粘着付与剤を配合
しこれを溶剤に溶解した主剤と、ポリイソシアネート硬
化剤とからなる。
【0009】第1発明のポリウレタン接着剤は、主剤と
ポリイソシアネート硬化剤とからなり、主剤としては、
低分子量のウレタン樹脂(A)と高分子量のウレタン樹
脂(B)の混合物に粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶
解したものが用いられる。
【0010】上記ウレタン樹脂(A)としては、重量平
均分子量5万〜15万の熱可塑性ポリエステル系ウレタ
ン樹脂から選ばれる1種以上が用いられ、上記ウレタン
樹脂(B)としては、重量平均分子量20万〜40万の
熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種
以上が用いられる。
【0011】上記ウレタン樹脂(A)の配合量は、少な
くなると十分な接着力が発現せず、多くなると初期接着
性が低下すると共に耐熱クリープが不足するので、ウレ
タン樹脂(B)100重量部に対して10〜50重量部
が好ましい。
【0012】上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
とは、多塩基酸と多価ヒドロキシル化合物との縮合反応
によって得られる末端に水酸基を有する飽和ポリエステ
ル樹脂の活性水酸基と、ジイソシアネート化合物のイソ
シアネート基とを、ほぼ当量で反応させて得られるもの
であって、分子鎖中にウレタン結合を有する線状高分子
からなるエラストマー樹脂である。
【0013】この場合、多塩基酸としては、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、コハク酸などの飽和ジカルボン酸が
用いられる。又、多価ヒドロキシル化合物としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等の飽和二価アルコールが用いられる。
【0014】又、飽和ポリエステル樹脂の活性水酸基と
反応させるジイソシアネート化合物としては、トリレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート
等が用いられる。
【0015】特に、多塩基酸としてアジピン酸を用い、
多価ヒドロキシル化合物として1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオールを用いた熱可塑性ポリエ
ステル系ウレタン樹脂は、結晶速度が早いため初期接着
性の点で優れており、好適である。
【0016】上記粘着付与剤としては、アセトンフェノ
ン・ホルムアルルデヒド樹脂とテルペンフェノール樹脂
等が用いられ、これらは単独で使用されても、二種以上
が併用されてもよい。上記主剤中における粘着付与剤の
配合量は、少なくなると接着性が低下し、多くなると初
期接着性が低下するので、上記ウレタン樹脂(B)10
0重量部に対して80〜120重量部が好ましい。
【0017】第1発明においては、上記ウレタン樹脂
(A)及びウレタン樹脂(B)の混合物に、粘着付与剤
としてアセトンフェノンホルムアルルデヒド樹脂とテル
ペンフェノール樹脂を適量配合し、これを適当な溶剤に
溶解して主剤が調製される。
【0018】上記溶剤としては、酢酸エチル、メチルエ
チルケトン、アセトン、トルエン、キシレン、ジクロル
メタン、1,1,1−トリクロルエタン等が挙げられ、
これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用され
てもよい。これ等の溶剤の配合量は、上記樹脂配合物
(熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂+粘着付与剤)
100重量部に対して50〜5000重量部の範囲が好
ましい。
【0019】上記ポリイソシアネート硬化剤としては、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネー
ト;ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポ
リイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素
添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメ
タンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートな
どが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種
以上が併用されてもよい。
【0020】次に、請求項2記載の発明(以下第2発明
という)について説明する。第2発明のポリウレタン接
着剤は、重量平均分子量5万〜15万の熱可塑性ポリエ
ステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の低分子量
のウレタン樹脂(A)及び重量平均分子量20万〜40
万の熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂から選ばれる
1種以上の高分子量のウレタン樹脂(B)の混合物に粘
着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解した主剤と、ポリイ
ソシアネート硬化剤とからなるポリウレタン接着剤であ
って、前記粘着付与剤が、1分子中にイソシアネート基
と反応しうる水酸基を2個以上有することを特徴とする
ものである。
【0021】第2発明で用いられる主剤としては、低分
子量のウレタン樹脂(A)と高分子量のウレタン樹脂
(B)の混合物に粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解
したものが用いられる。上記ウレタン樹脂(A)及びウ
レタン樹脂(B)としては、第1発明で用いられるもの
と同様なものが使用される。
【0022】上記粘着付与剤としては、1分子中にイソ
シアネート基と反応しうる水酸基を2個以上有するもの
が用いられ、例えば、アルキルフェノール樹脂、テルペ
ンフェノール樹脂、フェノール樹脂等の中で2個以上の
フェノール基を有するものや、ロジン系樹脂に、多価ア
ルコール、例えば、グリセリン等を反応させて得られ
る、アルコール性の水酸基が少なくとも2個以上存在す
るものが挙げられる。上記2個以上のフェノール基を有
するものとしては、例えば、テルペンジフェノール樹脂
が挙げられる。
【0023】第2発明で用いられる溶剤及びポリイソシ
アネート硬化剤としては、第1発明で用いられるものと
同様なものが挙げられる。
【0024】次に、請求項3記載の発明(以下第3発明
という)について説明する。第3発明のポリウレタン接
着剤は、熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂(C)及
び1分子中にイソシアネート基と反応しうる水酸基を2
個以上有する粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解した
主剤と、ポリイソシアネート硬化剤とからなることを特
徴とするものである。
【0025】第3発明で用いられる主剤としては、熱可
塑性ポリエステル系ウレタン樹脂(C)及び1分子中に
イソシアネート基と反応しうる水酸基を2個以上有する
粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解したものが用いら
れる。
【0026】上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
(C)とは、前記多塩基酸と多価ヒドロキシル化合物と
の縮合反応によって得られる末端水酸基を有する飽和ポ
リエステル樹脂の活性水酸基ならびにジイソシアネート
化合物のイソシアネート基を、ほぼ当量で反応させて得
られるもので、分子鎖中にウレタン結合を有する線状高
分子からなるエラストマー樹脂である。その重量平均分
子量は、一般に1万〜50万のものが好ましい。
【0027】上記粘着付与剤としては、1分子中にイソ
シアネート基と反応しうる水酸基を2個以上有するもの
が用いられ、例えば、第2発明と同様なものが挙げられ
る。
【0028】第3発明で用いられる溶剤及びポリイソシ
アネート硬化剤としては、第1発明で用いられるものと
同様なものが挙げられる。
【0029】本発明のポリウレタン接着剤は、通常、前
記の主剤とポリイソシアネート硬化剤とからなる二液混
合型接着剤であり、使用する直前に主剤と硬化剤とを混
合する。硬化剤は、前記主剤中の熱可塑性ポリエステル
系ウレタン樹脂100重量部に対して、一般に1〜20
0重量部の範囲で混合して用いるのが好ましい。
【0030】なお、上記ポリウレタン接着剤には、必要
に応じて、無機充填剤、着色剤、安定剤、反応促進剤等
が添加されてもよい。
【0031】こうして得られる本発明のポリウレタン接
着剤は、初期接着性、常態接着力、耐熱性、耐水性等に
優れ、プラスチック、金属、木材等各種材料の接着に広
く使用される。特に、強い初期接着性が要求される曲面
又は凹凸面を有する化粧シート被覆材料の製造に好適に
用いられる。
【0032】以下に、曲面又は凹凸面を有する化粧シー
ト被覆材料の製造方法について、説明する。化粧シート
と曲面又は凹凸面を有する芯材とが用意される。化粧シ
ートとしては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン
樹脂等の合成樹脂からなる無地又は文字や模様が印刷さ
れたシート、木材のつき板シート、合成樹脂を含浸させ
たつき板シート、アルミ箔等の金属箔、紙、布等が用い
られる。
【0033】曲面又は凹凸面を有する芯材としては、塩
化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等の合成樹
脂、天然木材、合板、パーティクルボード、硬質ファイ
バーボード、半硬質ファイバーボード、集成材等の木
材、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属からなる横
断面が異形の成形体が用いられる。
【0034】先ず、化粧シートが供給され、この化粧シ
ートの裏面に本発明のポリウレタン接着剤が塗布され、
その後熱風等で乾燥される。接着剤の塗布は、ナイフコ
ーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、ス
プレー等で行われ、通常、塗布膜厚が1〜500μm、
好ましくは5〜300μmとなるように塗布される。乾
燥は、一般に常温〜100℃、好ましくは40〜60℃
程度で1秒〜30分、好ましくは5秒〜1分間程度行わ
れる。
【0035】次いで、この化粧シートが曲面又は凹凸面
を有する芯材の表面に沿って被覆され、ロール等で圧着
されるか或いは真空成形機のゴム板等で圧着される。圧
力は、一般に0.1〜10 kg/cm(線圧)程度で瞬
時に行われる。化粧シートと芯材との組み合わせは何ら
制限されないが、特に好適な組み合わせは、合成樹脂シ
ートと木材、合成樹脂シートと金属、合成樹脂シートと
合成樹脂、つき板シートと木材である。こうして、曲面
又は凹凸面を有する化粧シート被覆材料が製造される。
【0036】又、本発明の化粧シート被覆材料の製造方
法は、上記のポリウレタン接着剤を化粧シートの裏面に
塗布し乾燥させ、これを曲面又は凹凸面を有する芯材に
被覆し接着させるものである。
【0037】
【作用】第1発明のポリウレタン接着剤は、上記低分子
量のウレタン樹脂(A)及び高分子量のウレタン樹脂
(B)からなる熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂に
粘着付与剤を配合し溶剤に溶解した主剤と、ポリイソシ
アネート硬化剤とからなることにより、初期接着性、常
態接着力、耐熱性がともに優れた接着剤が得られること
を見出したが、その理由は明らかでない。
【0038】第2発明のポリウレタン接着剤は、上記低
分子量のウレタン樹脂(A)及び高分子量のウレタン樹
脂(B)からなる熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
に、粘着付与剤として、1分子中にイソシアネート基と
反応しうる水酸基を2個以上有するものを配合し溶剤に
溶解した主剤と、ポリイソシアネート硬化剤とからなる
ことにより、初期接着性、常態接着力、耐熱性、特に耐
水性がともに優れた接着剤が得られることを見出した
が、その理由は明らかでない。
【0039】第3発明のポリウレタン接着剤は、特定の
重量平均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウレタ
ン樹脂に、1分子中にイソシアネート基と反応しうる水
酸基を2個以上有する粘着付与剤が含有されると、特に
常態接着力が著しく向上することを見出したが、その理
由は明らかでない。
【0040】又、上記のポリウレタン接着剤を化粧シー
トの裏面に塗布し乾燥させ、これを曲面又凹凸面を有す
る芯材に被覆し接着させると、この接着剤は初期接着性
が優れているので、貼り合わせ直後の化粧シートと芯材
の曲面又は凹凸面との間に化粧シートの反発による浮き
が発生しない。
【0041】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。 (実施例1〜3)表1に示す配合量の、熱可塑性ポリエ
ステル系ウレタン樹脂(1)〔重量平均分子量26.7
万〕及び(2)〔重量平均分子量10.3万〕と、粘着
付与剤として、アセトフェノンアルデヒド樹脂(イ)及
びテルペンフェノール樹脂(ロ)とをジクロルメタンに
溶解して主剤を調製した。この主剤100重量部に、ポ
リイソシアネート硬化剤としてジフェニルメタンジイソ
シアネート35重量部を混合してポリウレタン接着剤を
製造した。
【0042】プロフィールラミネーター(丸仲商事社製
「PL−300」)を用い、厚さ170μmの塩化ビニ
ル樹脂シートを15m/分の速度で供給し、その片面に
ナイフコーターで上記で得られたポリウレタン接着剤を
100μmの厚さで塗布し、40℃の熱風乾燥炉を通過
させて乾燥させ、これを断面異形の半硬質ファイバーボ
ードからなる芯材の表面から裏面の両縁部にかけて包み
込むように被覆しながら、圧着ローラーで圧着して化粧
シート被覆材料(建材)を製造した。なお、上記芯材
は、長さ2m、幅100mm、厚さ20mmで、その表
面に、深さと幅が約5mm、角のRが2mmの二本のU
字状の溝が70mm間隔で長さ方向に設けられたもので
ある。
【0043】又、上記のプロフィールラミネーターとし
ては、化粧シートを連続的に送り出す供給ロールと、接
着剤を化粧シートに塗布するナイフコーターと、塗布さ
れた接着剤を乾燥する熱風乾燥器と、一定長さの芯材を
供給する芯材供給器と、化粧シートを芯材に被覆しなが
ら化粧シートを芯材の曲面又は凹凸面に沿って圧着する
圧着ロールと、化粧シートを芯材の長さに合わせて切断
するカッターとを備えているものを使用した。
【0044】(比較例1〜6)熱可塑性ポリエステル系
ウレタン樹脂(1)及び(2)に代えて、表2に示す熱
可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部を使用
したこと以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン接
着剤を製造した。さらに、このポリウレタン接着剤を使
用し、実施例1と同様にして、化粧シート被覆材料(建
材)を製造した。
【0045】上記実施例及び比較例で得られた化粧シー
ト被覆材料について、下記の方法で、初期接着性、常態
接着力、耐熱クリープ性を測定した。その結果を表1及
び2に示した。
【0046】(I)初期接着性 製造直後の化粧シート被覆材料の平面部を長さ100m
m×幅25mmの寸法に切断し、予め化粧シートの一端
部を剥離し、垂直に保持し、芯材の上端を固定して化粧
シートの一端部に100gの錘を取り付け、30℃の雰
囲気で1時間経過後の180度剥離長さを測定した。
【0047】(II)常態接着力 化粧シート被覆材料の平面部を長さ100mm×幅25
mmの寸法に切断し、予め化粧シートの一端部を剥離
し、これを20℃で2日間保持した後、芯材と化粧シー
トの一端部をチャックに固定し、温度20℃、湿度60
%RHの雰囲気でオートグラフを用いて200mm/分
の引張速度で、180度剥離強度を測定した。
【0048】(III)耐熱クリープ性 化粧シート被覆材料の平面部を長さ100mm×幅25
mmの寸法に切断し、予め化粧シートの一端部を剥離
し、これを20℃で2日間保持した後、垂直に保持し芯
材の上端を固定して化粧シートの一端部に500gの錘
を取り付け、60℃の雰囲気で24時間経過後の180
度剥離長さを測定した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(実施例4〜6、比較例7、8)表3に示
す配合量の、熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
(1)〔重量平均分子量26.7万〕及び(2)〔重量
平均分子量10.3万〕と、粘着付与剤として、テルペ
ンフェノール樹脂(ロ)とをジクロルメタンに溶解して
主剤を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてポリ
ウレタン接着剤を製造した。さらに、このポリウレタン
接着剤を使用し、実施例1と同様にして、化粧シート被
覆材料(建材)を製造した。
【0052】上記実施例4〜6及び比較例7、8で得ら
れた化粧シート被覆材料について、実施例1と同様な初
期接着性、常態接着力、耐熱クリープ性に加えて、下記
(IV)の耐水性の測定を行い、その結果を表3に示し
た。
【0053】(IV)耐水性 化粧シート被覆材料の平面部を長さ100mm×幅25
mmの寸法に切断し、予め化粧シートの一端部を剥離
し、これを20℃で2日間保持した後、常温水中に24
時間浸漬する。次いで、水中から取り出して表面の水滴
をふき取り、直ちに芯材と化粧シートの一端部をチャッ
クに固定し、温度20℃、60%RHの雰囲気でオート
グラフを用いて、200mm/分の引張速度で、180
度剥離強度を測定した。
【0054】
【表3】
【0055】(実施例7〜9、比較例9〜12)表3及び
4に示す配合量の、熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹
脂(1)〔重量平均分子量26.7万〕と、粘着付与剤
〔(イ)、(ハ)、(ニ)、(ヘ)又は(ト)〕とをジ
クロルメタンに溶解して主剤を調製したこと以外は、実
施例1と同様にしてポリウレタン接着剤を製造した。さ
らに、このポリウレタン接着剤を使用し、実施例1と同
様にして、化粧シート被覆材料(建材)を製造した。
【0056】上記実施例7〜9及び比較例9〜12で得ら
れた化粧シート被覆材料について、実施例1と同様な常
態接着力の測定を行い、その結果を表4及び5に示し
た。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】なお、上記表中で使用した成分は下記の通
りである。 〔熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂〕 (1):大日本インキ社製「パンデックスT−5205
L」(重量平均分子量26.7万) (2):大日本インキ社製「パンデックスT−R02」
(重量平均分子量10.3万) 〔粘着付与剤〕 (イ):本州化学社製「ハロン80」(アセトンフェノ
ンホルムアルデヒド樹脂) (ロ):安原化学社製「YP90LL」(テルペンフェ
ノール樹脂) (ハ):安原化学社製「YP90L」(テルペンジフェ
ノール樹脂) (ニ):三菱ガス化学社製「ニカノールHP100」、
(t−ブチルフェノール変成キシレンホルムアルデヒド
樹脂) (ホ):日立化成社製「ヒタノール2500」(ノボラ
ック樹脂) (ヘ):新日鉄化学社製「エスクロンG90」(クマロ
ンインデン樹脂) (ト):安原化学社製「マイティエースG150」(テ
ルペンフェノール樹脂) 〔硬化剤〕 住友バイエル社製「スミジュール44V20」(ジフェ
ニルメタンジイソシアネート)
【0060】
【発明の効果】本発明のポリウレタン接着剤は、上述の
構成とすることにより、従来のポリウレタン接着剤に比
べて、初期接着性、常態接着強度、耐熱性がともに優
れ、耐水性も優れる。従って、本発明のポリウレタン接
着剤は、プラスチック、金属、木材など各種材料の接着
に広く使用される。
【0061】又、本発明の化粧シート被覆材料の製造方
法は、上記のポリウレタン接着剤を化粧シートの裏面に
塗布し乾燥させ、これを曲面又凹凸面を有する芯材に被
覆して接着させるものであり、接着剤の有する優れた初
期接着性により、化粧シートが芯材の曲面又は凹凸面か
ら浮くのが防止され、作業性に優れ、且つ常態接着強
度、耐熱性及び耐水性に優れた曲面又は凹凸面を有する
化粧シート被覆材料が得られる。
【0062】また、乾燥速度や初期の接着性もよく、片
側塗布もできるので、接着加工の際に生産性を向上する
ことができる。このようにして得られる化粧シート被覆
材料は、建材、家具や自動車内装材などに好適に使用さ
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量5万〜15万の熱可塑性
    ポリエステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の低
    分子量のウレタン樹脂(A)及び重量平均分子量20万
    〜40万の熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂から選
    ばれる1種以上の高分子量のウレタン樹脂(B)の混合
    物に粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解した主剤と、
    ポリイソシアネート硬化剤とからなることを特徴とする
    ポリウレタン接着剤。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量5万〜15万の熱可塑性
    ポリエステル系ウレタン樹脂から選ばれる1種以上の低
    分子量のウレタン樹脂(A)及び重量平均分子量20万
    〜40万の熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂から選
    ばれる1種以上の高分子量のウレタン樹脂(B)の混合
    物に粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶解した主剤と、
    ポリイソシアネート硬化剤とからなるポリウレタン接着
    剤であって、前記粘着付与剤が、1分子中にイソシアネ
    ート基と反応しうる水酸基を2個以上有することを特徴
    とするポリウレタン接着剤。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
    (C)に1分子中にイソシアネート基と反応しうる水酸
    基を2個以上有する粘着付与剤を配合しこれを溶剤に溶
    解した主剤と、ポリイソシアネート硬化剤とからなるこ
    とを特徴とするポリウレタン接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の
    ポリウレタン接着剤を化粧シートの裏面に塗布し乾燥さ
    せ、これを曲面又は凹凸面を有する芯材に被覆し接着さ
    せることを特徴とする化粧シート被覆材料の製造方法。
JP4907296A 1996-03-06 1996-03-06 ポリウレタン接着剤及びこの接着剤を使用する化粧シート被覆材料の製造方法 Pending JPH09241606A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007224243A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Dainippon Ink & Chem Inc 高輝度印刷インキおよびそれを用いた熱転写シート
JP6235756B1 (ja) * 2016-02-26 2017-11-22 バンドー化学株式会社 光学透明粘着シート、光学透明粘着シートの製造方法、積層体、及び、タッチパネル付き表示装置

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