JPH09241143A - セラミド誘導体およびそれを含有する化粧料 - Google Patents

セラミド誘導体およびそれを含有する化粧料

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JPH09241143A
JPH09241143A JP4645296A JP4645296A JPH09241143A JP H09241143 A JPH09241143 A JP H09241143A JP 4645296 A JP4645296 A JP 4645296A JP 4645296 A JP4645296 A JP 4645296A JP H09241143 A JPH09241143 A JP H09241143A
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acid
ceramide
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aliphatic hydrocarbon
skin
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JP4645296A
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Yasuo Nagahara
恭生 永原
Haruo Sumiya
治夫 角谷
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚刺激を生じることなく、ヒドロキシカル
ボン酸と同様の有効性を発揮し得る新規化合物と、その
化合物を含有した化粧料の提供。 【解決手段】 本発明のセラミド誘導体は、セラミドと
ヒドロキシカルボン酸とがエステル結合した構造を有す
る。本発明の化粧料は前記セラミド誘導体の少なくとも
1種を有効成分として含有するものである。本発明のセ
ラミド誘導体は、ヒドロキシカルボン酸の効果を落すこ
となく、特有の刺激感を低減することができた。またあ
わせて、ヒドロキシカルボン酸やセラミド以上に肌荒れ
改善、保湿能改善に高い効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肌荒れ改善、保湿能
改善機能を有し、皮膚外用組成物などの化粧料に配合し
て有効なセラミド誘導体と、そのセラミド誘導体を含有
してなる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシカルボン酸には角質剥離作
用、角質ターンオーバー促進作用、皮膚細胞の再生促進
作用、創傷治癒作用等があり、小じわなどの皮膚老化の
改善効果があることが知られている(特開昭63−16
6837号公報)。セラミドは角質の細胞間脂質ラメラ
内に存在し皮膚の透水性の障壁の発生と保持に重要な役
割を演じることが一般に理解されている。セラミド、又
はそれと密接な関係にある物質が皮膚保護剤組成物の成
分として種々開示されている。たとえばヨーロッパ特許
第0097059号では、皮膚の水障壁にω-リノレオ
イルセラミドの演じる大きな役割について開示し、この
ようなω置換セラミドの皮膚保護剤の合成と応用につい
て記載している。同様に英国特許第2178312号、
同第2213723号には、皮膚から抽出した天然セラ
ミドの外用製品での使用が開示され、ヨーロッパ特許第
227944号には、セラミドの合成類似体が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒドロ
キシカルボン酸は、効果を発揮するために一般に酸性で
用いることが必要であり、高濃度で用いると皮膚刺激が
あることから、刺激を生じない濃度で使用せざるを得
ず、その有効性を十分に発揮させることが困難であっ
た。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、皮膚刺激を生じることなく、ヒドロキシカルボン酸
と同様の有効性を発揮し得る新規化合物と、その化合物
を含有した化粧料の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、 一般式(1)
【化8】 もしくは一般式(2)
【化9】 〔ただし、 R1は炭素数8〜30の直鎖、分岐、飽和
または不飽和のヒドロキシル基を有す或いは有さない脂
肪族炭化水素基、もしくはY−O−(Cde)−であ
り、Yは式(3)
【化10】 (ここで、Zはヒドロキシル基またはエポキシ酸素、d
は8〜50の整数、eは10〜100の整数、fは12
〜20の整数、gは20〜40の整数、hは0または1
〜4の整数である)で表される基であり;R2は炭素数
8〜30の直鎖、分岐、飽和または不飽和のヒドロキシ
ル基を有す或いは有さない脂肪族炭化水素基であり;A
は−CH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−CH
(O・HS)−、または式(4)
【化11】 であり;HSは式(5)、式(6)、式(7)
【化12】
【化13】
【化14】 (ここで、Xは水素または炭素数1〜30の直鎖、分
岐、飽和または不飽和のヒドロキシル基を有す或いは有
さない脂肪族炭化水素基、aは0〜9の整数、bは1〜
9の整数)からなる群より選択される少なくとも1種の
α−ヒドロキシ酸残基、或いはいずれか一方がH−であ
り;iは1または2である〕で表されるセラミド誘導体
である。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1記載のセ
ラミド誘導体の少なくとも1種を有効成分として含有す
ることを特徴とする化粧料である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によるセラミド誘導体は、
前記一般式(1)または一般式(2)で表わされる新規
化合物である。この化合物は、セラミドもしくはセラミ
ド類似物と、ヒドロキシカルボン酸とのエステルであ
る。
【0008】セラミドは表1に示す各種の天然セラミド
や下記一般式(8)で示される合成セラミドが知られて
いる。
【0009】
【表1】
【0010】
【化15】
【0011】〔ただし、 R1は炭素数8〜30の直
鎖、分岐、飽和または不飽和のヒドロキシル基を有す或
いは有さない脂肪族炭化水素基、もしくはY−O−(C
de)−であり、Yは式(9)
【0012】
【化16】
【0013】(ここで、Zはヒドロキシル基またはエポ
キシ酸素、dは8〜50の整数、eは10〜100の整
数、fは12〜20の整数、gは20〜40の整数、h
は0または1〜4の整数である)で表される基であり;
R2は炭素数8〜30の直鎖、分岐、飽和または不飽和
のヒドロキシル基を有す或いは有さない脂肪族炭化水素
基であり;Aは−CH2−、−CH2O−、または−CH
=CH−であり;BとCは−H、−CH2OH、または
−CH2−CH2OH;で表される〕
【0014】セラミド類似物とは、前記表1に示した天
然セラミドや合成セラミドと類似の構造を有し、かつ皮
膚に対する安全性が高く、天然セラミドや合成セラミド
と類似の保湿効果やエモリエント効果を有するものであ
る。
【0015】セラミドもしくはセラミド類似物に結合さ
せるヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシル基お
よびカルボキシル基を各1個以上有する有機酸であれば
いずれでもよく、炭素鎖が直鎖のもの、分枝しているも
の、環状のもの、また結合が飽和のもの、不飽和のもの
等が用いられる。ヒドロキシカルボン酸の具体例として
は以下のものが挙げられる。炭素数が2のものとして
は、グリコール酸が挙げられる。炭素数が3のものとし
ては、乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2,3−ヒド
ロキシプロパン酸が例示される。炭素数が4のものとし
ては、メチル乳酸、リンゴ酸、酒石酸、オキサル酢酸、
2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4
−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテン酸が挙げられ
る。
【0016】炭素数が5のものとしては、イタ酒石酸、
イタマル酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2,3−ジヒ
ドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシ−3−メチルブタ
ン酸、ヒドロキシピバリン酸、2−ヒドロキシ−2−メ
チルブタンジカルボン酸が例示される。炭素数が6のも
のとしては、クエン酸、イソクエン酸、ガラクツロン
酸、2−ケト−ガラクトン酸、2−ヒドロキシヘキサン
酸、2−ヒドロキシ−2−メチルグルタル酸が挙げられ
る。
【0017】炭素数が7のものとしては、サリチル酸、
没食子酸、キナ酸、2−ヒドロキシヘプタン酸が例示さ
れる。炭素数が8のものとしては、マンデル酸、4−メ
チルサリチル酸、3−メトキシサリチル酸、2−ヒドロ
キシオクタン酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3,4
−ジヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフタル酸
が挙げられる。炭素数が9以上のものとしては、3−フ
ェニル乳酸、3−ヒドロキシ−4−メトキシマンデル
酸、4−ヒドロキシデカン酸、12−ヒドロキシドデカ
ン酸、4−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルブタン酸等
が挙げられる。
【0018】これらの中で好ましくは、炭素数が2〜8
のヒドロキシカルボン酸であり、さらに好ましくは、グ
リコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソ
クエン酸、サリチル酸である。
【0019】これらのヒドロキシカルボン酸は、化学合
成、天然物からの抽出、発酵等の様々な方法で得ること
ができる。天然物からの抽出物等においては、ヒドロキ
シカルボン酸およびその塩以外の成分も含むが、特に分
離・精製を施すことなく、抽出物等をそのまま使用する
ことができる。天然物からの抽出の具体例としては、植
物、例えばアロエ(アロエベラ、キダチアロエ等)、サ
トウキビ、カンキツ類果実、コケモモなどからの抽出が
挙げられ、以下、アロエからの抽出法を例に挙げて説明
する。
【0020】アロエ抽出法としては方法に制限はなく、
通常の抽出法が採用され、水、親水性有機溶媒、含水親
水性有機溶媒、その他の有機溶媒等を使用して抽出され
る。本出願人はアロエ抽出法としていくつかの提案を行
っており、特に好ましくは以下の方法である。
【0021】具体的にはアロエ樹液に対してバッチ法に
よる第1回の活性炭処理を行い、次いで活性炭を除去し
た溶液を濃縮し、この濃縮液に対してバッチ法により第
2回の活性炭処理を行い、活性炭を除去して得られた溶
液を採取し、アロエから生理活性作用を有する物質を製
造する(特公平5−5834号公報)。
【0022】本発明のセラミド誘導体は、酸触媒また
は塩基触媒存在下で、セラミドもしくはセラミド類似物
のヒドロキシル基と、α−ヒドロキシカルボン酸のカル
ボキシル基を脱水縮合(エステル化)し、精製する、
という2つのステップを経て好ましく合成することがで
きる。
【0023】第1のステップのエステル化に用いる触媒
として好ましいものを例示すると、酸触媒としては、B
3等のルイス酸、パラトルエンスルホン酸、硫酸など
のブレンステッド酸が、塩基触媒としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物やte
rt-ブトキシカリウム等のアルコラートなどが挙げられ
る。
【0024】この反応は、無溶媒系よりも、tert-ブタ
ノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、四塩化炭素などの
溶媒系中で行う方が好ましく、その時の反応温度は用い
るセラミド類の種類やα−ヒドロキシ酸の種類、さらに
は溶媒や触媒の種類によっても異なるが、60〜160
℃が好ましい。
【0025】かくして得られた反応混合物には、無機
物、未反応物、一部セラミドの分解生成物などが含まれ
ている場合が多いので、次に第2のステップとして該反
応物を精製する方が好ましい。精製は再結晶、濾過、ま
たはカラムクロマトグラフィーなど公知の方法で行うこ
とができるが、精製純度を向上させるためにはシリカゲ
ルを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製が好ま
しい。
【0026】本発明のセラミド誘導体は、セラミドもし
くはセラミド類似物のOH基とヒドロキシカルボン酸の
カルボキシル基がエステル結合しているものであれば良
く、セラミドもしくはセラミド類似物とヒドロキシカル
ボン酸の比率はモル比で1:1、1:2、1:3もしく
はそれ以上でも良い。また逆に2:1、3:1もしくは
それ以上であってもよい。また、セラミドもしくはセラ
ミド類似物のOH基に複数のヒドロキシカルボン酸がエ
ステル結合する場合、異なる種類のヒドロキシカルボン
酸をエステル結合させても良い。さらに、本発明のセラ
ミド誘導体を用いる場合には、単一のセラミド誘導体化
合物として用いても良いし、セラミドやヒドロキシカル
ボン酸がそれぞれ異なる複数のセラミド誘導体化合物の
混合物として用いても良い。
【0027】次に、本発明の別な態様である化粧料につ
いて説明する。本発明に係る化粧料は、前記セラミド誘
導体のうちの少なくとも1種を有効成分として含有して
いる。ここで、化粧料とは、各種化粧用クリーム、乳
液、化粧水、美容液、パック剤、アンダーメークアッ
プ、ファンデーション、ジェル剤、軟膏などの皮膚外用
組成物、口腔用化粧品、浴用化粧品、毛髪用化粧品など
の各種用途に使用される組成物である。
【0028】本発明による化粧料には、前記セラミド誘
導体のうちの少なくとも1種を有効成分として含有して
いればよく、その用途に応じて各種の任意成分を添加混
合して目的とする化粧料を調製することができる。各種
の化粧料組成物中に有効成分として配合する前記セラミ
ド誘導体の配合量は、0.01〜20重量%(以下、単
に%という)が好ましく、特に0.1〜5%が好まし
い。
【0029】本発明の化粧料には、上記必須成分の他
に、通常外用剤等の化粧料に用いられる原料、例えば、
界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防
腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色
素、紫外線吸収・散乱剤、アミノ酸類、水等を配合する
ことができる。
【0030】具体的には、界面活性剤としては、親油型
グリセリンモノステアレート、自己乳化型グリセリンモ
ノステアレート、ポリグリセリンモノステアレート、ソ
ルビタンモノオレート、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレー
ト、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレン化ステロール、ポリオキシエチレン化ラノリン、
ポリオキシエチレン化蜜ロウ、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油等のノニオン界面活性剤;ステアリン酸ナトリ
ウム、パルミチン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、
ラウリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノー
ルアミン、ポリオキシエチレンラウリルリン酸ナトリウ
ム、N−アシルグルタミン酸ナトリウム等のアニオン界
面活性剤;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオ
ン界面活性剤、塩化アルキルアミノエチルグリシン液、
レシチン等の両性界面活性剤等を例示することができ
る。
【0031】油分としては、ヒマシ油、オリーブ油、カ
カオ油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシ
ード油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油
等の動物油脂類;蜜ロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウ
バロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィ
ン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化
水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然およ
び合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、
ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリル
アルコール等の天然および合成高級アルコール類;ミリ
スチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ア
ジピン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシ
ル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレ
ート等のエステル類等を例示することができる。
【0032】保湿剤としては、多価アルコールとして、
グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール等が、NMF
(Natural Moisturizing Factor)成分として、アミノ
酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等が、また、水溶
性高分子物質として、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラ
スチン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等が挙げられ
る。
【0033】増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、
キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、マルメロ種子抽
出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子物質;
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、カチオン化
セルロース等の半合成高分子物質;カルボキシビニルポ
リマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子物質など
を例示することができる。
【0034】防腐剤としては、安息香酸塩、ソルビン酸
塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、
2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニ
ルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、
塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、
エタノール等を例示することができる。
【0035】酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン
酸等を;キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、
エチレンジアミン四酢酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタ
リン酸塩、グルコン酸等を;pH調整剤としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミ
ン、アンモニア水、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素カリウ
ム等をそれぞれ例示することができる。
【0036】紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル
パラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシ
サイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示
することができる。
【0037】ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミ
ンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミ
ンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチ
ン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロ
ット酸およびそれらの誘導体等を例示することができ
る。
【0038】アミノ酸類としては、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
ン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニ
ン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、
グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アス
パラギン、グルタミンおよびそれらの誘導体等を例示す
ることができる。
【0039】なお任意成分は、これらに限定されるもの
ではない。前記必須成分であるセラミド誘導体と任意成
分を適当に配合することにより、例えば次のような化粧
料を提供することができる。なお、以下の記載において
セラミド誘導体とは、前記一般式(1)または(2)に
より表わされる化合物の群から選択される少なくとも1
種のセラミド誘導体を示す。
【0040】(1)皮膚用クリーム セラミド誘導体0.1〜10%、油分3〜70%、界面
活性剤0.5〜7%、保湿剤0〜10%、pH調整剤0
〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有
する組成物。 (2)乳液 セラミド誘導体0.1〜10%、油分3〜40%、アル
コール類0〜15%、界面活性剤0.3〜5%、保湿剤
0〜10%、増粘剤0〜2%、pH調整剤0〜3%、精
製水バランス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成
物。 (3)化粧水、美容液 セラミド誘導体0.1〜10%、油分0〜40%、界面
活性剤0〜2%、保湿剤0〜8%、増粘剤0〜2%、酸
化防止剤0〜0.5%、キレート剤0〜0.1%、pH
調整剤0〜3%、精製水バランス、防腐剤微量、色素0
〜微量、香料微量を含有する組成物。 (4)パック剤 セラミド誘導体0.1〜10%、アルコール類2〜20
%、保湿剤0〜10%、界面活性剤0〜10%、無機粉
体0〜20%、造膜剤5〜20%、精製水バランス、防
腐剤微量、香料微量を含有する組成物。 (5)ジェル剤 セラミド誘導体0.1〜10%、アルコール類0〜10
%、保湿剤0〜20%、界面活性剤0〜10%、増粘剤
0.01〜20%、pH調整剤0〜3%、精製水バラン
ス、防腐剤微量、香料微量を含有する組成物。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に
説明する。ただし本発明は下記実施例によって限定され
るものではない。
【0042】(セラミド誘導体の作製)本発明に係るセ
ラミド誘導体を図1に示すようにして合成した。表1に
示すセラミド2とグリコール酸とをジメチルスルホキシ
ド溶媒中、パラトルエンスルホン酸存在下、温度80〜
150℃、好ましくは100〜120℃で反応させ、エ
ステル結合させ、目的物セラミド誘導体1を得た。精製
はシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより
行った。同様に、セラミドもしくはセラミド類似物とヒ
ドロキシカルボン酸とを反応させてセラミド誘導体2〜
5を作製した。作製したセラミド誘導体1〜5の構造を
表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】(実施例1)表2に示す本発明に係るセラ
ミド誘導体1〜5を配合して、表3に示す組成のクリー
ムを調製した。なお比較例として、セラミド誘導体に代
えて各種のヒドロキシカルボン酸を配合して同様にクリ
ームを作製した。セラミド誘導体(本発明品1〜5)と
ヒドロキシカルボン酸(比較例1〜8)の種類と配合量
を表4に示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】上記成分1〜8と成分9〜14とを別々に
70℃で加熱溶解した後、混合乳化し、冷却しながら途
中で成分15を加えて室温まで冷却し、本発明品1〜5
と比較例1〜8のクリームを調製した。
【0048】このように調整したクリームの有効性を次
のように評価した。すなわち、25〜55才の男性20
名を選び、目尻に調製したクリームを塗布し、刺激感の
有無を評価した。その結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】表5の結果から、ヒドロキシカルボン酸を
配合した比較例1〜8に比べ、セラミド誘導体1〜5を
配合した本発明品1〜5はヒドロキシカルボン酸特有の
刺激感を低減することができた。
【0051】また前記のクリームを用い、ヒドロキシカ
ルボン酸の効果のうちの小じわ改善効果を評価した。3
0〜40才の男性を各サンプルにつき10名選び、目尻
に朝晩2回、3ヶ月連続塗布し、小じわの改善度を評価
した。 目視による小じわの評価基準 1 改善なし 2 やや改善 3 改善がみられる 4 ほぼ改善 5 改善 結果を表6に示す(評点はn=10の平均)。
【0052】
【表6】
【0053】以上の結果から、本発明に係るセラミド誘
導体1〜5がヒドロキシカルボン酸と同等以上に小じわ
改善に対して効果が高いことがわかる。すなわち、本発
明に係るセラミド誘導体1〜5は、ヒドロキシカルボン
酸特有の刺激感を低減し、小じわ改善効果はヒドロキシ
カルボン酸と同等以上であることが明らかとなった。
【0054】(実施例2)次の方法により、本発明に係
るセラミド誘導体を配合したクリーム(本発明品6)を
調製し、その保湿効果を調べた。表7に記した成分1〜
9と成分10〜16を別々に70℃で加熱溶解した後、
混合乳化し、冷却しながら途中で成分17を加えて室温
まで冷却し、クリームを調製した。なお配合量は、重量
%で表わす。
【0055】
【表7】
【0056】・皮表角層水分量測定装置による保湿能改
善試験 30才ら40才の男性20名の前腕内側部をアセトン:
エーテル=1:1の混合溶媒で脱脂し、荒れ肌を作製し
た。調製したクリームを1日2回塗布し、3日後に皮表
角層水分量測定装置(IBS社製 SKICON-200)により
コンダクタンスを測定した。結果を表8に示す
【0057】
【表8】
【0058】表8の結果より、本発明に係るセラミド誘
導体は、ヒドロキシカルボン酸やセラミドを単品で用い
るより、高い保湿力を発揮することが明らかになった。
【0059】(実施例3)次の方法により、本発明に係
るセラミド誘導体を配合したクリーム(本発明品)7を
調製し、その保湿効果を調べた。表9中に示す成分1〜
9と成分10〜16を別々に70℃で加熱溶解した後、
混合乳化し、冷却しながら途中で成分17を加えて室温
まで冷却し、クリームを調製した。なお配合量は、重量
%で表わす。
【0060】
【表9】
【0061】・目視による荒れ肌改善評価試験 25才から55才の男性20名の前腕内側部をアセト
ン:エーテル=1:1の混合溶媒で脱脂し、荒れ肌を作
製した。調製したクリームを1日2回塗布し、3日後に
目視によりその荒れ肌改善度を評価した。 目視による評価基準 荒れ肌の状態を次のように評価した。 1 改善なし 2 やや改善 3 改善がみられる 4 ほぼ改善 5 改善 評価結果を表10に示す。評価点はn=20の平均であ
る。
【0062】
【表10】
【0063】表10の結果より、本発明品は比較例に比
べ、荒れ肌の改善効果が明らかに高くなった。すなわ
ち、本発明に係るセラミド誘導体は、ヒドロキシカルボ
ン酸やセラミドを単品で用いるより、肌荒れ改善効果を
飛躍的に向上させることが明らかになった。
【0064】(実施例4)次の方法により、本発明に係
るセラミド誘導体を配合したクリーム(本発明品)8を
調製し、その保湿効果を調べた。表11に記した成分1
〜7と成分8〜16を別々に70℃で加熱溶解した後、
混合乳化し、冷却しながら途中で成分17を加えて室温
まで冷却し、クリームを調製した。なお配合量は、重量
%で表わす。
【0065】
【表11】
【0066】前記のように調製したクリームの有効性を
下記のようにして評価した。35〜55才の女性20名
を選び、1日2回(朝と夜)、連続3ヶ月、本発明品8
と比較例13をハーフ・フェース法で左右顔面に別々に使
用させた後、刺激感の無さ、及びヒドロキシカルボン酸
の効果に起因する小じわの改善の程度を調べた。結果を
表12に示す。
【0067】
【表12】
【0068】表12の結果より、比較例に比べ本発明品
は刺激が少なく、小じわについては同等の改善効果を示
した。
【0069】(実施例5)次の方法により、本発明に係
るセラミド誘導体を配合した乳液(本発明品9)を調製
した。表13中に記した成分1〜5を70℃で加熱溶解
した。一方、成分6〜10を70℃で加熱溶解し、前記
油脂用溶液(成分1〜5)を添加し乳化させた後、冷却
しながら途中で成分11を加えて室温まで冷却し、乳液
を調製した。なお配合量は、重量%で表わす。
【0070】
【表13】
【0071】35〜55才の女性20名を選び、調製し
た乳液を、1日2回(朝と夜)、連続3ヶ月、ハーフ・
フェース法で左右顔面に別々に使用させた後、刺激感の
無さ、及びヒドロキシカルボン酸の効果に起因する小じ
わの改善の程度を調べた。結果を表14に示す。
【0072】
【表14】
【0073】表14の結果から、比較例に比べ本発明品
は刺激が少なく、小じわについては同等な改善効果を示
した。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセラミド
誘導体は、ヒドロキシカルボン酸の効果を落すことな
く、特有の刺激感を低減することができた。またあわせ
て、ヒドロキシカルボン酸やセラミド以上に肌荒れ改
善、保湿能改善に高い効果を発揮することが見出され
た。そして、本発明のセラミド誘導体を配合することに
より、前記セラミド誘導体による優れた効果を持ち、か
つ安全性の高い医薬品、医薬部外品、化粧品等の皮膚外
用組成物を提供することができる。また本発明の化粧料
は、前記セラミド誘導体の少なくとも1種を有効成分と
して含有してなるものなので、前記セラミド誘導体によ
る優れた効果を持ち、かつ安全性の高い、各種化粧用ク
リーム、乳液、化粧水、美容液、パック剤、アンダーメ
ークアップ、ファンデーション、ジェル剤、軟膏等の種
々の形態で幅広く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例において作製したセラ
ミド誘導体の合成方法を説明するための図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 もしくは一般式(2) 【化2】 〔ただし、 R1は炭素数8〜30の直鎖、分岐、飽和
    または不飽和のヒドロキシル基を有す或いは有さない脂
    肪族炭化水素基、もしくはY−O−(Cde)−であ
    り、Yは式(3) 【化3】 (ここで、Zはヒドロキシル基またはエポキシ酸素、d
    は8〜50の整数、eは10〜100の整数、fは12
    〜20の整数、gは20〜40の整数、hは0または1
    〜4の整数である)で表される基であり;R2は炭素数
    8〜30の直鎖、分岐、飽和または不飽和のヒドロキシ
    ル基を有す或いは有さない脂肪族炭化水素基であり;A
    は−CH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−CH
    (O・HS)−、または式(4) 【化4】 であり;HSは式(5)、式(6)、式(7) 【化5】 【化6】 【化7】 (ここで、Xは水素または炭素数1〜30の直鎖、分
    岐、飽和または不飽和のヒドロキシル基を有す或いは有
    さない脂肪族炭化水素基、aは0〜9の整数、bは1〜
    9の整数)からなる群より選択される少なくとも1種の
    α−ヒドロキシ酸残基、或いはいずれか一方がH−であ
    り;iは1または2である〕で表されるセラミド誘導
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセラミド誘導体の少なく
    とも1種を有効成分として含有することを特徴とする化
    粧料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001013881A1 (fr) * 1999-08-24 2001-03-01 Kao Corporation Produits cosmetiques
FR2855823A1 (fr) * 2003-06-03 2004-12-10 Biochimie Appliquee Soc Nouveaux composes de type ceramide, leur procede de synthese, et compositions cosmetiques et/ou pharmaceutiques en contenant

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