JPH09239564A - イオンビーム加工装置、イオンビーム加工方法、マスク及びマスクの製造方法 - Google Patents

イオンビーム加工装置、イオンビーム加工方法、マスク及びマスクの製造方法

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JPH09239564A
JPH09239564A JP4738196A JP4738196A JPH09239564A JP H09239564 A JPH09239564 A JP H09239564A JP 4738196 A JP4738196 A JP 4738196A JP 4738196 A JP4738196 A JP 4738196A JP H09239564 A JPH09239564 A JP H09239564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1回のイオンビームの照射で被加工物の各位置
における除去量を調節してスパッタ加工を行うことがで
きるイオンビーム加工装置を提供すること。 【解決手段】被加工物LにイオンビームBを照射し被加
工物Lを加工するイオンビーム加工装置10において、
イオンビームBを発生させ被加工物Lに対してイオンビ
ームを照射するイオン源14及び加速機構15と、被加
工物Lを保持するステージ16と、イオン源14及び加
速機構15と被加工物Lとの間に設けられる、イオンビ
ームBの断面の形状を所定形状に成形するマスク20
と、マスク20とステージ16とを相対的に回動させる
回動手段とを具備するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器や医療機
器など各種精密機器の微小部品の任意形状加工を行うた
めのイオンビーム加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、情報機器や医療機器など各種
精密機器に用いられる微小部品の任意形状加工には、機
械研磨加工やイオンビーム加工が広く用いられている。
機械研磨加工では、NC制御技術などにより被加工物の
各加工点の除去量の制御を行うようにしている。しか
し、機械研磨加工では加工するための工具を用いるの
で、直径が1mm以下の被加工物の加工を行うために
は、工具の先端の直径が1mm以下のものを用いなけれ
ばならないように、被加工物が微細化すると工具の微細
化も進み、微細寸法の加工が困難であった。
【0003】一方、イオンビーム加工は、高エネルギの
イオンビームを被加工物に高速で照射し、照射された部
分をイオンスパッタ加工するものであるため、微細寸法
の加工に適している。なお、イオンビーム加工には、イ
オンビームスポットを直径数10μm程度に絞り被加工
物の加工位置に照射する方法と、イオンビームスポット
を直径1mm程度、すなわち少なくとも被加工物の加工
領域を覆う大きさに絞り、開口部が形成されたマスクを
介して被加工物に照射することで、開口部に対応する部
分のみイオンスパッタ除去加工する方法とがある。
【0004】さらにイオンビームを10μm程度に絞っ
て照射する方法には、その照射位置を固定するとともに
被加工物を揺動制御する方法と、被加工物を固定しイオ
ンビームを走査する方法とがある。なお、これらの方法
はいずれも被加工物表面に対するイオンビームの照射位
置を変え、各加工点の除去量を制御して形状加工するよ
うにしていた。この方法では、イオンビームを10μm
程度に絞ることにより、被加工物へのイオンビーム照射
を局所的に行うことができるため、各加工点毎の加工量
の制御が容易である。この反面、イオンビームを各加工
点に移動しながら、加工量を制御することになるため、
加工能率が低い。また、被加工物の回転・揺動を高精度
に制御したり、イオンビームの走査を高精度に制御しな
ければならないので加工システム構築が高コストとな
る。
【0005】一方、イオンビームスポットを被加工物の
加工領域を覆う程度の大きさにして照射する方法では、
イオンビームの照射範囲の直径が1mm程度となるた
め、直径が数10μmのイオンビームを照射する方法よ
りも約100倍の加工能率を実現できる。さらに、各加
工位置における除去量をイオンビームの照射量とマスク
の形状によって変化させることによって行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来のイオン
ビーム加工装置にあっては次のような問題があった。す
なわち、イオンビームスポットを被加工物の加工領域を
覆う程度の大きさにして照射する方法では、被加工物上
においてイオンビームはほぼ一様であるため、被加工物
のマスクの開口部に対応する部分はほぼ一様に除去加工
される。したがって、回折格子やレンズのように被加工
物上の各位置において除去量を変化させる必要がある場
合には、異なる形状の開口部が形成された複数のマスク
を用いて複数回の照射を行い、各位置が所望の除去量と
なるように調整しなければならないので、被加工物表面
を曲面加工しようとすると、非常に多数のマスクが必要
となるとともに、多数の照射工程を行わなければならな
いという問題があった。さらに、マスクの境目において
段が生じ、高品質な加工を行えないという問題もあっ
た。
【0007】そこで本発明は、被加工物の加工精度を下
げることなく加工速度を向上させるとともに、単一のマ
スクを用いたイオンビーム照射により、被加工物上の加
工領域の各位置における加工量を調節できるイオンビー
ム加工装置、イオンビーム加工方法及びマスクの製造方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載された発明では、被加
工物にイオンビームを照射し、前記被加工物を加工する
イオンビーム加工装置において、前記イオンビームを発
生させ前記被加工物に対して前記イオンビームを照射す
るイオンビーム照射手段と、前記被加工物を保持する保
持手段と、前記イオンビーム照射手段と前記被加工物と
の間に設けられる、前記イオンビームの断面の形状を所
定形状に成形する成形手段と、前記成形手段と前記被加
工物とを相対的に回動させる回動手段とを具備する。
【0009】請求項2に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、前記成形手段は、前記成形
手段の相対回動中心からの距離x、前記成形手段の相対
回動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i
(x)、加工量d(x)、前記d(x)分の加工を施す
ために要する加工時間t(x)、電荷素量e、前記被加
工物の密度ρ、前記被加工物に照射されるイオンビーム
の断面積N、アボガドロ数A、前記被加工物を構成する
分子の分子量M及び1分子中の原子数Z、前記イオンビ
ームの前記被加工物に対する入射角θ、スパッタ率R
(θ)、相対回動中心を頂点とした前記イオンビームを
透過させる部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) としたとき、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)にて示される形状
に基づいてイオンビームの断面を成形することが好まし
い。
【0010】請求項3に記載された発明では、被加工物
にイオンビームを照射し、前記被加工物を加工するイオ
ンビーム加工方法において、前記イオンビームの断面を
所定形状に成形し、この所定形状に成形された断面を有
する前記イオンビームを被加工物に対して相対的に回動
させる。
【0011】請求項4に記載された発明では、請求項3
に記載された発明において、前記断面は、前記断面の相
対回動中心からの距離x、前記断面の相対回動中心から
の距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、加工
量d(x)、前記d(x)分の加工を施すために要する
加工時間t(x)、電荷素量e、前記被加工物の密度
ρ、前記被加工物に照射されるイオンビームの断面積
N、アボガドロ数A、前記被加工物を構成する分子の分
子量M及び1分子中の原子数Z、前記イオンビームの前
記被加工物に対する入射角θ、スパッタ率R(θ)、相
対回動中心を頂点とした前記イオンビームを透過させる
部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) としたとき、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)にて示される形状
であることを特徴とする請求項3に記載のイオンビーム
加工装置。
【0012】請求項5に記載された発明では、被加工物
とこの被加工物にイオンビームを照射するイオン源との
間に配置され、前記イオンビームの形状を成形するとと
もに、前記被加工物に対して相対的に回動するマスクに
おいて、前記被加工物との相対回動中心からの距離x、
前記相対回動中心からの距離の最大値xm、イオンビー
ム電流i(x)、加工量d(x)、前記d(x)分の加
工を施すために要する加工時間t(x)、電荷素量e、
前記被加工物の密度ρ、前記被加工物に照射されるイオ
ンビームの断面積N、アボガドロ数A、前記被加工物を
構成する分子の分子量M及び1分子中の原子数Z、前記
イオンビームの前記被加工物に対する入射角θ、スパッ
タ率R(θ)、相対回動中心を頂点とした前記イオンビ
ームを透過させる部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) により加工時間t(x)を求め、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)に基づいて形成す
る。
【0013】請求項6に記載された発明では、被加工物
に前記被加工物に対して相対的に回動するマスクを介し
てイオンビームを照射し、前記被加工物を加工するイオ
ンビーム加工装置用のマスクの製造方法において、前記
マスクの相対回動中心からの距離x、前記マスクの相対
回動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i
(x)、加工量d(x)、前記d(x)分の加工を施す
ために要する加工時間t(x)、電荷素量e、前記被加
工物の密度ρ、前記被加工物に照射されるイオンビーム
の断面積N、アボガドロ数A、前記被加工物を構成する
分子の分子量M及び1分子中の原子数Z、前記イオンビ
ームの前記被加工物に対する入射角θ、スパッタ率R
(θ)、相対回動中心を頂点とした前記イオンビームを
透過させる部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) により加工時間t(x)を求め、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)に基づいて設計す
る。
【0014】前記手段を講じた結果、次のような作用が
生じる。すなわち、請求項1に記載された発明では、保
持手段により保持された被加工物に対して、成形手段に
よりその断面の形状が所定形状に成形されたイオンビー
ムを照射するとともに、回動手段により成形手段と被加
工物とを相対的に回動させることで、回動中心からの径
方向の各距離におけるイオンビームの照射時間を調整で
きる。したがって、回動中心からの径方向の各距離にお
ける加工量を調節することができる。
【0015】請求項2に記載された発明では、成形手段
の相対回動中心からの距離x、成形手段の相対回動中心
からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、
加工量d(x)、このd(x)分の加工を施すために要
する加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密度
ρ、被加工物に照射されるイオンビームの断面積N、ア
ボガドロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及び
1分子中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対する
入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点と
したイオンビームを透過させる部位の角度φ(x)とし
たとき、相対回動中心からの距離xにおける所望の加工
量d(x)を定めることにより、相対回動中心からの距
離xにおいて必要となる加工時間t(x)が求められ
る。
【0016】すなわち、加工時間t(x)は、加工量d
(x),電荷素量e,被加工物の密度ρ,アボガドロ数
A,被加工物に照射されるイオンビームの断面積N及び
1分子中の原子数Zに比例し、イオンビーム電流
(x),スパッタ率R(θ)及び被加工物を構成する分
子の分子量Mに反比例することから、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) となる。
【0017】一方、成形手段ではイオンビームの断面を
所定形状に成形することにより、被加工物の相対回動中
心から各距離xにおける加工時間t(x)を調節する。
すなわち、イオンビームの断面を各距離xにおいて相対
回動中心を頂点とした角度φ(x)の範囲を有する円弧
状に成形し、このイオンビームを被加工物に対し相対的
に回動させることで、被加工物上の相対回動中心から距
離xにおいて加工時間t(x)が得られることになる。
【0018】ここで、相対回動中心からの距離の最大値
xmにおける加工時間がt(xm)である場合に、距離
の最大値xmにおける角度をφ(xm)と定める。必要
な加工時間t(x)が得られる角度φ(x)は、加工時
間t(xm)に対する加工時間t(x)の比に比例する
から、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、成形手段によりイオンビームを相対回動中心
からの距離xにおける角度φ(x)となるように成形す
ることにより加工時間をt(x)とすることができ、回
動中心からの径方向の各距離における加工量を調節する
ことができる。
【0019】請求項3に記載された発明では、被加工物
に対して、その断面の形状が所定形状に成形されたイオ
ンビームを照射するとともに、イオンビームを被加工物
とを相対的に回動させることで、回動中心からの径方向
の各距離におけるイオンビームの照射時間を調整でき
る。したがって、回動中心からの径方向の各距離におけ
る加工量を調節することができる。
【0020】請求項4に記載された発明では、イオンビ
ームの断面の相対回動中心からの距離x、断面の相対回
動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i
(x)、加工量d(x)、d(x)分の加工を施すため
に要する加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密
度ρ、被加工物に照射されるイオンビームの断面積N、
アボガドロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及
び1分子中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対す
る入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点
としたイオンビームを透過させる部位の角度φ(x)と
したとき、相対回動中心からの距離xにおける所望の加
工量d(x)を定めることにより、相対回動中心からの
距離xにおいて必要となる加工時間t(x)が求められ
る。
【0021】すなわち、加工時間t(x)は、加工量d
(x),電荷素量e,被加工物の密度ρ,アボガドロ数
A,被加工物に照射されるイオンビームの断面積N及び
1分子中の原子数Zに比例し、イオンビーム電流
(x),スパッタ率R(θ)及び被加工物を構成する分
子の分子量Mに反比例することから、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) となる。
【0022】一方、イオンビームの断面を成形すること
により、被加工物の相対回動中心から各距離xにおける
加工時間t(x)を調節する。すなわち、イオンビーム
の断面を各距離xにおいて相対回動中心を頂点とした角
度φ(x)の範囲を有する円弧状に成形し、このイオン
ビームを被加工物に対し相対的に回動させることで、被
加工物上の相対回動中心から距離xにおいて加工時間t
(x)が得られることになる。
【0023】ここで、相対回動中心からの距離の最大値
xmにおける加工時間がt(xm)である場合に、距離
の最大値xmにおける角度をφ(xm)と定める。必要
な加工時間t(x)が得られる角度φ(x)は、加工時
間t(xm)に対する加工時間t(x)の比に比例する
から、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、イオンビームの断面を相対回動中心からの距
離xにおける角度φ(x)となるように成形することに
より加工時間をt(x)とすることができ、回動中心か
らの径方向の各距離における加工量を調節することがで
きる。
【0024】請求項5に記載された発明では、マスクの
形状を相対回動中心からの距離x、断面の相対回動中心
からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、
加工量d(x)、d(x)分の加工を施すために要する
加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密度ρ、被
加工物に照射されるイオンビームの断面積N、アボガド
ロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及び1分子
中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対する入射角
θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点としたイ
オンビームを透過させる部位の角度φ(x)としたと
き、相対回動中心からの距離xにおける所望の加工量d
(x)を定めることにより、相対回動中心からの距離x
において必要となる加工時間t(x)が求められる。
【0025】すなわち、加工時間t(x)は、加工量d
(x),電荷素量e,被加工物の密度ρ,アボガドロ数
A,被加工物に照射されるイオンビームの断面積N及び
1分子中の原子数Zに比例し、イオンビーム電流
(x),スパッタ率R(θ)及び被加工物を構成する分
子の分子量Mに反比例することから、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) となる。
【0026】一方、マスクを所定形状に成形することに
より、被加工物の相対回動中心から各距離xにおける加
工時間t(x)を調節する。すなわち、マスクの開口部
の断面を各距離xにおいて相対回動中心を頂点とした角
度φ(x)の範囲を有する円弧状に成形し、マスクを被
加工物に対し相対的に回動させることで、被加工物上の
相対回動中心から距離xにおいて加工時間t(x)が得
られることになる。
【0027】ここで、相対回動中心からの距離の最大値
xmにおける加工時間がt(xm)である場合に、距離
の最大値xmにおける角度をφ(xm)と定める。必要
な加工時間t(x)が得られる角度φ(x)は、加工時
間t(xm)に対する加工時間t(x)の比に比例する
から、φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm)
(0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、マスクを相対回動中心からの距離xにおける
角度φ(x)となるように成形することにより加工時間
をt(x)とすることができ、回動中心からの径方向の
各距離における加工量を調節することができる。
【0028】請求項6に記載された発明では、被加工物
にイオンビームを照射して加工するイオンビーム加工装
置に用い、イオンビームの断面を成形するマスクを製造
する場合に、マスクの相対回動中心からの距離x、マス
クの相対回動中心からの距離の最大値xm、イオンビー
ム電流i(x)、加工量d(x)、d(x)分の加工を
施すために要する加工時間t(x)、電荷素量e、被加
工物の密度ρ、被加工物に照射されるイオンビームの断
面積N、アボガドロ数A、被加工物を構成する分子の分
子量M及び1分子中の原子数Z、イオンビームの被加工
物に対する入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中
心を頂点としたイオンビームを透過させる部位の角度φ
(x)をしたとき、相対回動中心からの距離xにおける
所望の加工量d(x)を定めることにより、相対回動中
心からの距離xにおいて必要となる加工時間t(x)が
求められる。
【0029】すなわち、加工時間t(x)は、加工量d
(x),電荷素量e,被加工物の密度ρ,アボガドロ数
A,被加工物に照射されるイオンビームの断面積N及び
1分子中の原子数Zに比例し、イオンビーム電流
(x),スパッタ率R(θ)及び被加工物を構成する分
子の分子量Mに反比例することから、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) となる。
【0030】一方、マスクではイオンビームの断面を所
定形状に成形することにより、被加工物の相対回動中心
から各距離xにおける加工時間t(x)を調節する。す
なわち、イオンビームの断面を各距離xにおいて相対回
動中心を頂点とした角度φ(x)の範囲となるように成
形し、このイオンビームを被加工物に対し相対的に回動
させることで、被加工物上の相対回動中心から距離xに
おいて加工時間t(x)となる。
【0031】ここで、相対回動中心からの距離の最大値
xmにおける加工時間がt(xm)である場合に、距離
の最大値xmにおける角度をφ(xm)と定める。必要
な加工時間t(x)が得られる角度φ(x)は、加工時
間t(xm)に対する加工時間t(x)の比に比例する
から、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、マスクによりイオンビームの相対回動中心か
らの距離xにおける角度φ(x)となるように成形する
ことにより加工時間をt(x)とすることができ、回動
中心からの径方向の各距離における加工量を調節するこ
とができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係
るイオンビーム加工装置10を示す断面図である。な
お、図1中Lはガラス材で形成された直径5mmの円柱
状の被加工物を示している。
【0033】イオンビーム加工装置10は、真空容器1
1と、この真空容器11の図中上部に接続され真空容器
11内にアルゴンガスを供給するガス供給源12と、真
空容器11の図中底部に接続され真空容器内11を減圧
する減圧装置13と、真空容器11の図中上部に配置さ
れアルゴンガスをイオン化するカウフマン型のイオン源
14と、このイオン源14により生成されたイオンを引
き出すとともに加速することで図1中矢印α方向のイオ
ンビームBとする加速機構15と、真空容器11下部に
配置され被加工物Lを載置するとともに中心軸C(相対
回動中心)を回転として図1中矢印Q方向に回転駆動す
るステージ16と、後述するマスク20をステージ16
に載置された被加工物Lと所定間隔をあけて支持するた
めのマスク支持部17とを備えている。なお、図1中2
0はマスク支持部17に脱着自在に支持されたマスク2
0を示している。
【0034】加速機構15は、図1中上側から引き出し
電極15a、サプレッサ15b、加速電極15cの順で
配置されている。マスク20は被加工物Lに施すべき加
工量に基づいて図2の(a)に示すような形状に形成さ
れている。なお、図中21はマスク本体、22は開口
部、23は保持部を示している。また、図中二点鎖線は
被加工物Lの外径を示している。一方、図2の(b)は
被加工物Lの加工後の形状を示している。なお、二点鎖
線L′は加工前の被加工物Lの形状を示している。
【0035】ここで、マスク20の製造方法について説
明する。マスク20は後述するようにイオンビームの照
射位置・照射時間を調節する機能を有している。ここで
被加工物L′が最終的に被加工物Lとなるように施すべ
き加工量を求める。すなわち、被加工物L′の中心軸C
からの距離xに応じて必要な加工量d(x)を求める。
なお、d(x)は0〜0.5μmである。
【0036】次に所定の加工量d(x)が得られる加工
時間t(x)を求める。加工時間t(x)[sec.]
は、加工量d(x)[mm],電荷素量e[C],被加
工物の密度ρ[g/cm3 ],アボガドロ数A,被加工
物に照射されるイオンビーム断面積N[cm2 ]及び被
加工物Lを構成する材料の1分子中の原子数Zに比例
し、イオンビーム電流i(x)[mA],スパッタ率R
(θ)及び被加工物Lを構成する分子の分子量Mに反比
例することから、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/{i(x)・R(θ)・M} …(1) となる。
【0037】なお、電荷素量は電子一個分の電荷であり
e=1.6×10-19 [C]、アボガドロ数A=6.0
2×1023である。また、イオンビームの直径は6[c
m]であることからイオンビーム断面積N=9π[cm
2 ]、さらに、密度ρ,分子量M及び1分子中の原子数
Zは被加工物Lの材質に依存する値であり、被加工物L
がガラス(SiO2 )の場合には、密度ρ=2.5[g
/cm]、分子量M=60、1分子中の原子数Z=3と
なる。
【0038】一方、イオンビーム電流i(x)はイオン
ビーム内のイオン流量を考慮したものであり、装置に固
有する値を実験により求め適用する。イオンビーム電流
は加速電圧とイオン数により定義される。加速電圧は例
えば1[keV]に保持するため、i(x)は射出され
るイオンの数の分布に比例する。なお、本装置において
はガウシャン中心部でイオンビーム電流i(x)=0.
5[mA]程度である。
【0039】スパッタ率R(θ)は、イオン1個が被加
工物Lに入射角θ(deg)で衝突した際に加工される
分子量を入射角0(deg)を基準として示す値であ
る。すなわち、 R(θ)=R(0)/cosθ …(2) なお、R(0)はイオンの種類や状態、被加工物の種類
や状態等に応じた物性値を適用する。本装置ではR
(0)=0.2程度である。
【0040】次にマスク20の中心軸Cからの各距離x
における開口部22の開口角φ(x)を求める。ここ
で、回転軸Cからの距離の最大値xmにおける開口角φ
(xm)を設計者が定める。図2の(a)に示すような
形状のマスクでは、開口角φ(xm)が180°に近い
と保持部23が細くなりマスク本体21を支持するだけ
の強度が得ることができないので、強度が得られる程度
とする。
【0041】 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) …(3) 式(1)〜(3)に基づいて各距離xにおける開口角φ
(x)を算出する。次に図3に示すように各距離xにお
ける開口角(x)に対応するX軸、Y軸上の位置をプロ
ットする。例えば、距離r2における開口角がφ(r
2)の場合には、XY座標における座標(X(r2),
Y(r2)),(−X(r2),Y(r2)),(X
(r2),−Y(r2))及び(−X(r2),−Y
(r2))の位置にプロットする。但し、 X(r2)=(r2)・cos(φ(r2)/2) …(4) Y(r2)=(r2)・sin(φ(r2)/2) …(5) となる。そして、プロットされた位置に沿ってマスク本
体21を切除し、開口部22を形成する。
【0042】一方、図2の(b)に示すような加工を行
う場合においては、距離xm=1mmであり、この部分
の開口角φ(1)を155°として式(4)及び(5)
に基づいて各点をプロットする。
【0043】このように構成されたイオンビーム加工装
置10によりマスク20を用いて被加工物Lを次のよう
にして加工する。最初に被加工物Lをステージ16に載
置するとともに、マスク20をマスク支持部17に取り
付ける。次に減圧装置13により真空容器11内を減圧
するとともに、ガス供給源12からアルゴンガスを供給
する。一方、ステージ16を図1中矢印Q方向に例えば
0.6rpmで回転駆動する。なお、回転数の高低は加
工速度に影響しない。
【0044】イオン源14では供給されたアルゴンガス
をイオン化し、アルゴンイオンを生成する。アルゴンイ
オンは、加速機構15の引き出し電極15aにより引き
出され、サプレッサ15bを通過し、加速電極15cに
より加速されて図1中矢印α方向の直径1mm程度に絞
ったイオンビームBとなる。なお、イオン源14からの
イオンビームBのエネルギ、電流値は一定とし、単位照
射量当たりのイオンビームBの除去能率を一定にする。
【0045】イオンビームBはマスク20に照射され
る。このとき、開口部22を通過したイオンビームBが
被加工物Lに照射され、除去加工が行われる。開口部2
2の各距離における開口角は上述したように中心軸Cか
ら各距離における除去量に基づいて形成されている。こ
のため、マスク20では各距離における開口角が中心軸
Cからの距離に比例して大きくなっているので、外側の
イオンビームの照射時間が長くなり、除去量が多くな
る。所定時間経過後、イオンビームBの照射を停止す
る。このとき、被加工物Lは図2の(b)に示すように
円錐状に成形されている。
【0046】上述したようにイオンビーム加工装置10
では、所望の加工形状に基づいてマスク20の開口部2
2を設計することにより、1回の照射工程で中心軸Cを
中心として回転体状に除去加工を行うことができる。こ
のため、被加工物の加工精度を下げることなく加工速度
を向上させるとともに、単一のマスクを用いたイオンビ
ーム照射により、被加工物上の加工領域の各位置におけ
る加工量を調節できる。
【0047】図4の(a)は別のマスク30を示す平面
図である。例えば図4の(b)に示すような非球面レン
ズを製造する場合には、中心軸Cから径方向における各
距離xに対する加工量d(x)が、 d(x)=a1 +a2 x+a32 +…+ann-1 但し、a1 〜an は係数 …(5) で示される。このような場合においても各距離xにおけ
る開口角φ(x)を上述したと同様に算出することで、
開口部32を形成することができる。
【0048】図5の(a)はさらに別のマスク40を示
す平面図である。中心軸Cから径方向に沿って加工量を
減らすことで、被加工物Lを図5の(b)に示すような
中心部が窪んだ形状に加工する場合には、図5の(a)
に示すような中心軸C側の開口角が大きいマスク40を
用いることにより除去加工を行うことができる。
【0049】さらに、加工量d(x)が中心軸Cからの
距離xに応じた関数で表現されることにより従来では困
難であった複雑な加工を行うことができる。なお、本発
明は前記実施の形態に限定されるものではない。すなわ
ち、前記実施の形態では、被加工物を直径1mmのもの
を用いたが、この大きさのものに限られることなく直径
1mm以下のものや直径5mm程度のものにも適用でき
る。なお、被加工物の直径が5mm程度のものの場合に
は、マスクの大きさも直径5mm程度とすればよい。ま
た、前記実施の形態では除去加工について説明したが付
加加工に適用することも可能である。このほか本発明の
要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿
論である。
【0050】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、保
持手段により保持された被加工物に対して、成形手段に
よりその断面の形状が所定形状に成形されたイオンビー
ムを照射するとともに、回動手段により成形手段と被加
工物とを相対的に回動させることで、回動中心からの径
方向の各距離におけるイオンビームの照射時間を調整で
きる。したがって、回動中心からの径方向の各距離にお
ける加工量を調節することができる。
【0051】このため、被加工物の加工精度を下げるこ
となく加工速度を向上させるとともに、単一のマスクを
用いたイオンビーム照射により、被加工物上の加工領域
の各位置における加工量を調節できる。
【0052】請求項2に記載された発明によれば、成形
手段の相対回動中心からの距離x、成形手段の相対回動
中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i
(x)、加工量d(x)、d(x)分の加工を施すため
に要する加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密
度ρ、被加工物に照射されるイオンビームの断面積N、
アボガドロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及
び1分子中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対す
る入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点
としたイオンビームを透過させる部位の角度φ(x)と
したとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) ここで、相対回動中心からの距離の最大値xmにおける
加工時間がt(xm)、角度をφ(xm)とすれば、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、加工量d(x)に応じた角度φ(x)を有す
るようにイオンビームの断面を成形することで各距離x
において所望の加工量d(x)を得ることができる。
【0053】請求項3に記載された発明によれば、被加
工物に対して、その断面の形状が所定形状に成形された
イオンビームを照射するとともに、イオンビームを被加
工物とを相対的に回動させることで、回動中心からの径
方向の各距離におけるイオンビームの照射時間を調整で
きる。したがって、回動中心からの径方向の各距離にお
ける加工量を調節することができる。このため、被加工
物の加工精度を下げることなく加工速度を向上させると
ともに、単一のマスクを用いたイオンビーム照射によ
り、被加工物上の加工領域の各位置における加工量を調
節できる。
【0054】請求項4に記載された発明によれば、イオ
ンビームの断面の相対回動中心からの距離x、断面の相
対回動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流
i(x)、加工量d(x)、d(x)分の加工を施すた
めに要する加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の
密度ρ、被加工物に照射されるイオンビームの断面積
N、アボガドロ数A、被加工物を構成する分子の分子量
M及び1分子中の原子数Z、イオンビームの被加工物に
対する入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を
頂点としたイオンビームを透過させる部位の角度φ
(x)としたとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) ここで、相対回動中心からの距離の最大値xmにおける
加工時間がt(xm)、角度をφ(xm)とすれば、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、加工量d(x)に応じた角度φ(x)を有す
るようにイオンビームの断面を成形することで各距離x
において所望の加工量d(x)を得ることができる。
【0055】請求項5に記載された発明によれば、マス
クの相対回動中心からの距離x、マスクの相対回動中心
からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、
加工量d(x)、d(x)分の加工を施すために要する
加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密度ρ、被
加工物に照射されるイオンビームの断面積N、アボガド
ロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及び1分子
中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対する入射角
θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点としたイ
オンビームを透過させる部位の角度φ(x)としたと
き、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) ここで、相対回動中心からの距離の最大値xmにおける
加工時間がt(xm)、角度をφ(xm)とすれば、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、加工量d(x)に応じた角度φ(x)を有す
るようにイオンビームの断面を成形することで各距離x
において所望の加工量d(x)を得ることができる。
【0056】請求項6に記載された発明によれば、マス
クの相対回動中心からの距離x、マスクの相対回動中心
からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、
加工量d(x)、d(x)分の加工を施すために要する
加工時間t(x)、電荷素量e、被加工物の密度ρ、被
加工物に照射されるイオンビームの断面積N、アボガド
ロ数A、被加工物を構成する分子の分子量M及び1分子
中の原子数Z、イオンビームの被加工物に対する入射角
θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂点としたイ
オンビームを透過させる部位の角度φ(x)としたと
き、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
・R(θ)・M) ここで、相対回動中心からの距離の最大値xmにおける
加工時間がt(xm)、角度をφ(xm)とすれば、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)で求められる。し
たがって、加工量d(x)に応じた角度φ(x)を有す
るようにイオンビームの断面を成形することで各距離x
において所望の加工量d(x)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るイオンビーム加工装
置を示す縦断面図。
【図2】同装置に組込まれたマスク及び加工された後の
被加工物を示す図。
【図3】同マスクの開口部の形成方法を示す説明図。
【図4】マスク及び被加工物の別の例を示す図。
【図5】マスク及び被加工物のさらに別の例を示す図。
【符号の説明】
10…イオンビーム加工装置 11…真空容器 12…ガス供給源 13…減圧装置 14…イオン源 15…加速機構 16…ステージ 17…マスク支持部 20,30,40…マスク 21,31,41…マスク本体 22,32,42…開口部 L…被加工物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物にイオンビームを照射し、前記被
    加工物を加工するイオンビーム加工装置において、 前記イオンビームを発生させ前記被加工物に対して前記
    イオンビームを照射するイオンビーム照射手段と、 前記被加工物を保持する保持手段と、 前記イオンビーム照射手段と前記被加工物との間に設け
    られる、前記イオンビームの断面の形状を所定形状に成
    形する成形手段と、 前記成形手段と前記被加工物とを相対的に回動させる回
    動手段とを具備することを特徴とするイオンビーム加工
    装置。
  2. 【請求項2】前記成形手段は、前記成形手段の相対回動
    中心からの距離x、前記成形手段の相対回動中心からの
    距離の最大値xm、イオンビーム電流i(x)、加工量
    d(x)、前記d(x)分の加工を施すために要する加
    工時間t(x)、電荷素量e、前記被加工物の密度ρ、
    前記被加工物に照射されるイオンビームの断面積N、ア
    ボガドロ数A、前記被加工物を構成する分子の分子量M
    及び1分子中の原子数Z、前記イオンビームの前記被加
    工物に対する入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動
    中心を頂点とした前記イオンビームを透過させる部位の
    角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
    ・R(θ)・M) としたとき、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)にて示される形状
    に基づいてイオンビームの断面を成形することを特徴と
    する請求項1に記載のイオンビーム加工装置。
  3. 【請求項3】被加工物にイオンビームを照射し、前記被
    加工物を加工するイオンビーム加工方法において、 前記イオンビームの断面を所定形状に成形し、この所定
    形状に成形された断面を有する前記イオンビームを被加
    工物に対して相対的に回動させることを特徴とするイオ
    ンビーム加工方法。
  4. 【請求項4】前記断面は、前記断面の相対回動中心から
    の距離x、前記断面の相対回動中心からの距離の最大値
    xm、イオンビーム電流i(x)、加工量d(x)、前
    記d(x)分の加工を施すために要する加工時間t
    (x)、電荷素量e、前記被加工物の密度ρ、前記被加
    工物に照射されるイオンビームの断面積N、アボガドロ
    数A、前記被加工物を構成する分子の分子量M及び1分
    子中の原子数Z、前記イオンビームの前記被加工物に対
    する入射角θ、スパッタ率R(θ)、相対回動中心を頂
    点とした前記イオンビームを透過させる部位の角度φ
    (x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
    ・R(θ)・M) としたとき、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)にて示される形状
    であることを特徴とする請求項3に記載のイオンビーム
    加工装置。
  5. 【請求項5】被加工物とこの被加工物にイオンビームを
    照射するイオン源との間に配置され、前記イオンビーム
    の形状を成形するとともに、前記被加工物に対して相対
    的に回動するマスクにおいて、 前記被加工物との相対回動中心からの距離x、前記相対
    回動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電流i
    (x)、加工量d(x)、前記d(x)分の加工を施す
    ために要する加工時間t(x)、電荷素量e、前記被加
    工物の密度ρ、前記被加工物に照射されるイオンビーム
    の断面積N、アボガドロ数A、前記被加工物を構成する
    分子の分子量M及び1分子中の原子数Z、前記イオンビ
    ームの前記被加工物に対する入射角θ、スパッタ率R
    (θ)、相対回動中心を頂点とした前記イオンビームを
    透過させる部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
    ・R(θ)・M) により加工時間t(x)を求め、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)に基づいて形成さ
    れていることを特徴とするマスク。
  6. 【請求項6】被加工物に前記被加工物に対して相対的に
    回動するマスクを介してイオンビームを照射し、前記被
    加工物を加工するイオンビーム加工装置用のマスクの製
    造方法において、 前記マスクの相対回動中心からの距離x、前記マスクの
    相対回動中心からの距離の最大値xm、イオンビーム電
    流i(x)、加工量d(x)、前記d(x)分の加工を
    施すために要する加工時間t(x)、電荷素量e、前記
    被加工物の密度ρ、前記被加工物に照射されるイオンビ
    ームの断面積N、アボガドロ数A、前記被加工物を構成
    する分子の分子量M及び1分子中の原子数Z、前記イオ
    ンビームの前記被加工物に対する入射角θ、スパッタ率
    R(θ)、相対回動中心を頂点とした前記イオンビーム
    を透過させる部位の角度φ(x)のとき、 t(x)=d(x)・e・ρ・A・N・Z/(i(x)
    ・R(θ)・M) により加工時間t(x)を求め、 φ(x)=t(x)・φ(xm)/t(xm) (0<x<xm、0<φ<180°)に基づいて設計す
    ることを特徴とするマスクの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6192773B1 (ja) * 2016-06-08 2017-09-06 株式会社ソディック 金属表面改質装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08206866A (ja) * 1994-09-22 1996-08-13 Ebara Corp エネルギービーム加工法及びエネルギービーム加工装置

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