JPH0970669A - 形状創成方法および形状創成装置 - Google Patents

形状創成方法および形状創成装置

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JPH0970669A
JPH0970669A JP7230347A JP23034795A JPH0970669A JP H0970669 A JPH0970669 A JP H0970669A JP 7230347 A JP7230347 A JP 7230347A JP 23034795 A JP23034795 A JP 23034795A JP H0970669 A JPH0970669 A JP H0970669A
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JP
Japan
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electrode
processed
plasma
lens
workpiece
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Application number
JP7230347A
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English (en)
Inventor
Hideo Takino
日出雄 瀧野
Hiroshi Ito
伊藤  博
Norio Shibata
規夫 柴田
Masami Ebi
正美 海老
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
Yuzo Mori
勇藏 森
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマによって生成したラジカルの反応に
よって加工を行う加工装置であって、曲面の加工に適し
た装置を提供する。 【課題解決手段】 被加工物10を搭載するための支持
部1と、プラズマを生成するための電極2と、被加工物
10の少なくとも近傍に反応ガスを供給するためのガス
供給部4と、電極2を被加工物10の加工すべき点に移
動させるために、電極2を被加工物10に対して相対的
に移動させる移動手段6とを有する加工装置において、
電極2のプラズマが生成される面を、被加工物10の加
工すべき部分の接平面と平行に保って加工を行うため
に、電極を傾斜させる電極傾斜手段8を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラ、顕微鏡、半
導体製造装置などの光学製品に使用される光学レンズを
製造する装置に関し、特に、非球面レンズを製造するの
に適した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ、顕微鏡、半導体製造装置などの
光学製品の光学系には、おもにガラスレンズが用いられ
る。ガラスレンズは、以下の工程を経て製造される。
【0003】(1)プレス工程:溶融状態のガラスから
プレス成形してガラスブロックを作る工程、 (2)研削工程:ガラスブロックを研削加工機で研削加
工することにより、所望の曲率を有する粗面レンズを製
造する工程。
【0004】(3)スムージング工程:粗面レンズ上を
ダイヤモンドペレットを貼り付けた金属皿を運動させる
ことにより、粗面レンズの表面のスクラッチやクラック
層を除去する工程。ダイヤモンドペレットの代わりに、
金属皿と粗面レンズとの間に粒径の大きい砥粒を供給し
て加工する場合もある。砂掛け工程とも呼ばれる。
【0005】(4)研磨工程:研磨ポリシャを用いて粗
面レンズを研磨することにより、粗面レンズ表面のスク
ラッチやクラック層をさらに除去すると共に、研削工程
時に生じていた形状誤差を修正する工程。
【0006】(1)〜(4)の工程によって球面レンズ
を制作する場合には、(2)の研削工程ではカーブジェ
ネレータを用い、研削砥石を所望のレンズ曲率の円弧に
沿って動作させて加工を行う。(3)のスムージング工
程では、所望のレンズ曲率を有する金属皿を、被加工レ
ンズ上で揺動させて加工を行う。(4)の研磨工程では
所望の曲率を有する金属皿に、ガラスよりも軟質の物質
を貼り付けて、水に砥粒を分散させた研磨液を供給しな
がら加工を行う。
【0007】ところで、レンズには前記球面レンズのほ
かに非球面レンズがある。この非球面レンズは、球面レ
ンズでは得られない優れた性能を有することから重用さ
れている。非球面レンズは、一般に下記のような方法で
加工される。
【0008】まず、目的とする非球面レンズの曲率に近
い近似曲率半径を有する球面レンズを上述の研削工程に
よって加工しておく。そして、この球面レンズをNC制
御による研削機を用いて非球面形状に加工する。この時
点では、数μm程度の形状誤差が生じている。
【0009】研磨工程においては、前工程で生じた形状
誤差の修正やスクラッチやクラック層の除去を行う。研
磨工程は、スモールツールポリシングか、あるいは、均
等研磨とスモールツールポリシングとを併用して行われ
る。
【0010】スモールツールポリシングとは、NC制御
による研磨機にレンズ径よりも小さい研磨パッドを取り
付けて非球面に沿って研磨するものである。均等研磨と
は、レンズ径よりも十分面積の広い軟質の研磨パッドを
レンズに押しあてながら研磨を行うものである。
【0011】スモールツールポリシングでは小径の研磨
パッドが用いられるので、レンズの任意の位置の形状誤
差を高精度に修正できる。その反面、加工時間は遅い。
一方、均等研磨は、レンズ全面が一度に研磨されるの
で、スクラッチやクラック層の除去は比較的速く行える
が、当然のことながら形状修正は行えない。また、均等
研磨は場合によっては、NC研削時よりもさらに形状誤
差が大となることもある。このため、均等研磨のあとに
は形状誤差修正のためにスモールツールポリシングを行
うのが一般的であり、この場合も加工時間を要する。
【0012】なお、非球面レンズの加工において、研削
工程と研磨工程の間に、スムージング工程が入る場合も
ある。これはスモールツールポリシングとほぼ類似の方
法であるが、粒径の大きい砥粒を用いて加工するもので
ある。
【0013】ところで、従来の機械加工によるレンズの
加工方法は、加工によって表面に歪が生じるため、歪の
生じない加工が望まれている。たとえば、ラジカル反応
を利用した無歪加工方法が、特開平1−125829号
公報等に記載されている。この加工法で、ラジカル生成
にプラズマを用いるものは、特にプラズマCVM(Ch
emical Vaporization Machi
ning)と呼ばれている(森ら、精密工学会春季大会
学術講演会講演論文集 P.637 1992)。
【0014】プラズマCVMは、高圧力下において加工
電極にプラズマを発生させ、このプラズマにハロゲンな
どの電気陰性度の高い反応ガスを供給する。すると、反
応ガスのラジカルが生成される。このラジカルと被加工
物表面とを反応させて、揮発物質(以下では生成ガスと
よぶ)に変えることにより除去を行う加工法である。
【0015】この加工法では、高圧力下でプラズマを生
成することにより、従来にない高濃度のラジカルを生成
できる。この高濃度のラジカルにより、機械加工に匹敵
する高加工速度が得られる。また高圧力下であるため
に、電界強度の高い加工電極周辺だけに局材化したプラ
ズマを生成できる。その結果、加工領域を加工電極近傍
に限定することができ、加工電極形状に依存した極めて
空間分解能の高い加工を達成できる。
【0016】さらに、機械加工では塑性変形、ぜい性破
壊といった物理現象を利用しているために加工表面にダ
メージを与えることになるが、プラズマCVMでは化学
的に加工が進行するので加工表面は無歪である。
【0017】プラズマCVMによる平面物体の高精度加
工は、被加工物の形状(前加工形状)と物体の設計値と
を比較して、前加工形状が凸となっている個所を除去す
ることが基本となる。具体的には、被加工物をNC制御
が可能な位置決めステージに取り付け、加工電極を、被
加工面に対向する位置であってかつ、被加工面からある
距離だけ離れた位置に設置する。つぎに加工電極とステ
ージとの間に電圧を印加し、プラズマを生成させる。プ
ラズマに反応ガスを連続的に供給する。数値制御により
位置決めステージを移動させ、除去したい位置に加工電
極を近接させる。そして除去量が応じた時間、被加工面
近傍に加工電極を滞在させる。ここでは加工量が多い場
合には長時間滞在させ、少ない場合は短時間滞在させる
ようにする。除去個所に応じて順次被加工物を移動させ
る。被加工面内の各々の加工位置に、電極を所定の時間
滞在させることにより、最終的に所望の形状を加工す
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際
に、プラズマCVMを用いて光学レンズを加工しようと
すると、高精度に加工を行うことが困難であった。ま
た、加工表面を観察してみると、表面が荒れていること
があった。
【0019】本発明は、プラズマによって生成したラジ
カルの反応によって加工を行う加工装置であって、光学
レンズ等の曲面の加工に適した装置を提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】従来のラジカル反応を利
用した加工装置により光学レンズ等の曲面を備えた物品
を加工した場合に、加工精度の低下や表面の荒れが生じ
る原因は、以下のような点にあると考えられる。
【0021】従来のプラズマCVM装置によって、レン
ズを加工しようとすると、図4(a)、(b)のよう
に、被加工レンズ301に加工電極302を接近させた
状態で、加工電極302とレンズを搭載しているワーク
テーブル1との間に電圧を印加することにより、加工電
極302と被加工レンズ301とが対向する部分にプラ
ズマを発生させることになる。
【0022】このとき、発明者らの研究によれば、加工
電極302の一方のエッジが他方のエッジよりも、被加
工レンズ301に接近したり、離れたりすると、被加工
レンズ301の加工量にばらつきが生じると考えられ
る。
【0023】加工量にばらつきが生じる原因のひとつ
は、加工電極302のエッジ部分が、被加工レンズ30
1に接近したり、離れたりすることにより、被加工レン
ズ301との間でプラズマ強度の高い領域や低い領域が
生じたり、加工電極302のエッジ部分が被加工レンズ
301から離れすぎ、被加工レンズ301にプラズマが
接触しなくなるためであると考えれる。図4(a),
(b)を用いてこの現象を説明する。図4(a)は、加
工電極302のエッジ部分307が、被加工レンズ30
1に接近した例で、プラズマ306にプラズマ強度の高
い領域303が生じ、この領域303に接している被加
工レンズ301の加工量が増加する。図4(b)は加工
電極302のエッジ部分308が被加工レンズ301か
ら離れた例で、プラズマ304にプラズマ強度の低い領
域305が生じ、この領域305に接している被加工レ
ンズ301の加工量が減少する。
【0024】また、被加工レンズの表面粗さを測定した
ところ、強度の強いプラズマにさらされた部分が著しく
粗くなっていた。
【0025】一方、図4(a)、(b)のように、電極
のエッジ部分が被加工レンズに近づいたり、離れたりす
ると、被加工レンズと電極との間に形成される空間の大
きさと形状とが変化するため、これに伴って、空間の各
部の反応ガスの流量も変化し、この反応ガスの流量の変
化も上述の加工量のばらつきの原因になっていると考え
られる。
【0026】加工電極の一方のエッジが他方のエッジよ
りも被加工物に離れたり近づいたりすることによって、
被加工物の加工量にばらつきが生じることを確認するた
めに、加工電極に対して平面の被加工物を傾斜させて加
工する実験を行った。加工電極にはφ4mmのパイプ状
の電極を用い、反応ガスをパイプの中心から吹き出すよ
うにした。被加工物の法線を、加工電極の軸から0、
2、3°それぞれ傾斜させて加工した。このように被加
工物を傾斜させることにより、加工電極の一端は被加工
物から離れるようになる。図10に実験結果の一例を示
した。図10から、被加工物の傾斜にともなって、すな
わち電極がプラズマを生成する面(プラズマ生成面)と
加工面とのなす角の変化にともなって、加工量が変化す
ることが確認できた。
【0027】上述のようなことから、従来のプラズマC
VMにおいて、曲面の被加工物を加工しようとすると、
供給電力や反応ガスの供給流量等の加工条件を一定して
も、実際には、加工量にばらつきが生じてしまい、被加
工レンズを所望の形状に高精度に加工できなかったと考
えられる。
【0028】そこで、本発明では、電極がプラズマを生
成する面、すなわち、プラズマ生成面を被加工レンズの
加工すべき部分に平行に保つようにする。電極のプラズ
マ生成面が平面である場合には、この面を、被加工レン
ズの加工すべき部分の接平面と平行に保つ。また、電極
のプラズマ生成面が曲面である場合には、この曲面の中
央部の接平面を、被加工レンズの加工すべき部分の接平
面と平行に保つ。
【0029】このために、本発明によれば、被加工物を
搭載するための支持部と、プラズマを生成するための電
極と、前記被加工物の少なくとも近接に反応ガスを供給
するためのガス供給部と、前記電極を前記被加工物の加
工すべき点に移動させるために、前記電極を前記被加工
物に対して相対的に移動させる移動手段と、前記電極が
プラズマを生成するプラズマ生成面を、前記被加工物の
加工すべき部分と平行にするために、前記電極を傾斜さ
せる電極傾斜手段とを有することを特徴とする被加工物
の形状創成装置が提供される。
【0030】
【本発明の実施の形態】本発明の実施の形態であるレン
ズ加工装置について、図1を用いて説明する。
【0031】本発明のレンズ加工装置は、被加工レンズ
10を搭載するためのワークテーブル1と、被加工レン
ズ10の近傍でプラズマを発生させるための加工電極2
とをチャンバ9の内部に備えている。
【0032】加工電極2は、図1の実施の形態の場合に
は、プラズマを生成するための先端部が平面である円柱
状の電極を用いている。以下、加工電極2の外面のう
ち、被加工レンズ10と対向し、プラズマを生成する先
端の平面をプラズマ生成面と呼ぶ。本実施の形態では、
プラズマ生成面の全体にプラズマが生成されるものとす
る。
【0033】加工電極2には、プラズマ生成面が被加工
レンズ10の加工したい部分の表面の接平面と平行にな
るように、加工電極2の軸を被加工レンズ10の法線方
向に傾けるための電極傾斜ユニット8が取り付けられて
いる。
【0034】また、ワークテーブル1には、被加工電極
2のプラズマ生成面を、被加工レンズの加工したい部分
に所望の間隔をあけて対向させるために、被加工レンズ
10をxyz方向および回転移動させる位置決めユニッ
ト6が取り付けられている。ワークテーブル1は、導電
性の材料で形成されている。
【0035】さらに、加工電極2とワークテーブル1と
には、プラズマ生成のために加工電極2とワークテーブ
ル1との間に電圧を印加し、電力を供給する電力供給シ
ステム3が接続されている。
【0036】電極傾斜ユニット8と位置決めユニット6
とには、これらの動作を制御する制御部が接続されてい
る。
【0037】また、チャンバ9には、加工電極2の近傍
に反応ガスを供給するガス供給システム4と、反応ガス
と被加工レンズ2との反応により生成したガスを排気す
るガス排気システム5とが取り付けられている。
【0038】つぎに、図1のレンズ加工装置を用いて、
高精度の光学レンズを製造する方法について説明する。
【0039】例えば、低精度の球面レンズを被加工レン
ズとして、本発明の加工装置によって、所望の球面レン
ズとの誤差量を加工することにより、高精度の球面レン
ズを製造することができる。また、低精度の球面レンズ
を被加工レンズとして、本発明の加工装置によって、所
望の非球面レンズとの形状差(非球面量)を加工するこ
とにより、被加工レンズに内接する形状の高精度の非球
面レンズを製造することができる。さらに、低精度の非
球面レンズを被加工レンズとして、本発明の加工装置に
よって、所望の非球面レンズとの誤差量を加工すること
により、高精度の非球面レンズを製造することができ
る。
【0040】被加工レンズは、種々の方法で加工したも
のを用いることができるが、例えば、機械加工により以
下のように製造することができる。
【0041】球面レンズを被加工レンズとする場合に
は、ガラスブロックを、カーブジェネレータ、スムージ
ング、および、研磨加工することにより、球面レンズを
製造する。一方、非球面レンズを被加工レンズとする場
合には、ガラスブロックを、カーブジェネレータ、NC
研削、スムージング、および、均等研磨加工することに
より非球面レンズを製造する。得られた低精度の非球面
レンズを被加工レンズとする。
【0042】被加工レンズは、本発明のレンズ加工装置
によって高精度に加工できるため、表面粗さがある程度
小さくなっていれば、形状精度は低精度でよい。したが
って、被加工レンズは、機械加工により比較的短時間か
つ低コストで製作することができる。たとえば、φ20
0mmの球面の被加工レンズであれば、研削、スムージ
ング、研磨を合計しても、2〜3時間程度で加工でき
る。
【0043】また、研削まで行い、研磨を行っていない
ものを被加工レンズとしてもよい。この場合、本発明の
加工装置により、機械加工の研磨に相当する加工をすべ
て行うことになるため、本発明の加工装置による加工に
要する時間は長くなるが、製造工程において研磨機が不
要であるにもかかわらず高精度の光学レンズを製造する
ことができるため、高精度の光学レンズの製造する設備
としては安価になる場合もある。
【0044】このようにして製造した球面または非球面
の被加工レンズ10を図1のレンズ加工装置のワークテ
ーブル1上に設置する。そして、チャンバ9を閉じ、ガ
ス排気システム5により、チャンバ9を一旦減圧する。
その後、ガス供給システム4により反応ガスを供給し、
チャンバ内の圧力を所定の圧力(数100トール)す
る。
【0045】加工電極2のプラズマ生成面を被加工レン
ズ10にあらかじめ定めた距離まで接近させる。電力供
給システム3により、加工電極2に高周波電力を印加す
る。これにより、加工電極2のプラズマ生成面にプラズ
マが発生し、このプラズマにより、反応ガスのラジカル
が生成される。
【0046】制御部7は、電極傾斜ユニット8に加工電
極2の傾斜量を指示する。このとき、加工電極2のプラ
ズマ生成面を、被加工レンズ10の加工部分の接平面と
平行にするために、制御部7は、被加工レンズ10の加
工前の形状データを用いて、被加工レンズ19の法線を
求める。そして、加工電極2の中心軸が加工部分の被加
工レンズ10の法線と常に一致させるように、加工電極
2の傾斜量を定め、これを電極傾斜ユニット8に指示す
る。
【0047】同時に、制御部7は、加工電極2のプラズ
マ生成面が、被加工レンズ10の表面の各点上に、その
点の加工すべき量に応じた時間だけ滞在するように、加
工電極2に対する被加工レンズ1の移動量を位置決めユ
ニット6に指示する。このとき、加工すべき量は、加工
前の被加工レンズの形状データと、目的とする所望の球
面または非球面レンズとの形状データの差を求めること
によって定められる。加工前の被加工レンズの形状デー
タは、加工前の被加工レンズの形状を実測することによ
り得る。目的とするレンズの形状データは、設計値を用
いる。
【0048】電極傾斜ユニット8および位置決めユニッ
ト6を同時に動作させることにより、加工電極2を傾斜
させ、加工電極の軸を被加工物の法線と一致させなが
ら、被加工レンズ10を移動させ、加工電極2のプラズ
マ生成面を、被加工レンズ10上で加工すべき量に応じ
て相対的に移動させることができる。これに伴い、プラ
ズマによって生成した反応ガスのラジカルと被加工レン
ズ10とが反応し、被加工レンズ10の表面が所望の形
状に加工される。反応によって生じたガスは、ガス排気
システム5によって排気される。
【0049】本実施の形態の加工装置では、加工電極2
を傾けることによって、プラズマ生成面を被加工レンズ
10の接平面に平行に保っているため、プラズマの強度
が均一になる。また、反応ガスが、電極2と被加工レン
ズ10との間を均一に流れる。これら2つのことによ
り、被加工レンズ10のうち加工電極2のプラズマ生成
面が対向している部分が一様に加工されるため、加工電
極2の滞在時間に対応した加工量で、高精度に被加工レ
ンズを所望の形状に加工することができる。
【0050】また、被加工レンズである低精度レンズの
表面に、機械加工によって生じた加工変質層が存在し、
これがレンズの光学性能に影響を及ぼしている場合に
は、まず、レンズの全面を加工変質層分だけ除去するよ
うに、加工電極2のプラズマ生成面をレンズの全面上に
一定の時間滞在させ、その後、形状誤差を除去するよう
に、形状誤差に対応した時間だけ、レンズ表面の各地点
に滞在させることにより、より光学性能の高い光学レン
ズを製造できる。
【0051】上述のように、本発明の加工装置を用いる
ことにより、加工すべき対象の表面が、光学レンズのよ
うな曲面であっても、高精度に加工を行うことができ
る。
【0052】図1の実施の形態では、加工電極2とし
て、図9(a)に示したような、円柱状の電極(図9
(a)では、スティック電極と示す)を用いたが、本発
明は、円柱状の電極に限定されるものではない。円柱状
の電極では、プラズマを生成する面すなわち被加工レン
ズに対向する面が、平面であるが、プラズマを生成する
面が、複数の面に分割されている電極(図9(b)、図
9(d))や、プラズマ生成面が曲面の電極(図9
(g))や、網状の電極(図9(f))を用いることも
できる。
【0053】例えば、図9(b)のように、複数の円柱
状電極を配列した複合スティック電極を用いることがで
きる。複合スティック電極は、各スティック電極のプラ
ズマ生成面が一平面上に位置するように配置する。ま
た、図9(c)のように、ブレード状の電極を用いるこ
ともできる。ブレード状の電極は、プラズマ生成面をブ
レード電極長手方向について被加工レンズの曲率に合わ
せた形状にすることができる。図9(d)の複合ブレー
ド電極は、図9(c)のブレード電極を複数配列したも
のである。このとき、各ブレード電極のプラズマ生成面
が、一平面上に位置するように配列する。図9(e)の
ブロック電極は、プラズマ生成面の面積が大きく、一度
に大きな面積を加工できる。図9(f)のメッシュ電極
は、複数のワイヤ状の電極を一平面上で縦横に交差させ
たものである。ワイヤで構成される平面がプラズマ生成
面となる。図9(g)の曲面電極は、プラズマ生成面が
被加工レンズの曲率に対応した曲面形状の電極である。
例えば、加工前の被加工レンズが曲率半径Rの球面レン
ズであり、被加工レンズと電極との間隔がHである場合
には、曲面電極のプラズマ生成面の曲率半径をR+Hと
することにより、プラズマ生成面の全面を被加工レンズ
に平行に保つことができ、広い面積を一定の加工効率で
安定に加工できる。また、この曲面電極のプラズマ生成
面を、複数の面に分割されている電極(図9(b)、
(d))のようにすることもできる。
【0054】加工電極のプラズマ生成面を被加工レンズ
に平行に保つためには、本発明では、プラズマ生成面が
平面である場合には、被加工レンズの加工部分の接面に
平行に保つ。また、プラズマ生成面が曲面である場合に
は、プラズマ生成面の中央部の接面を、加工前の被加工
レンズの加工部分の接面に平行に保つ。
【0055】ここで、被加工レンズの加工部分の接平面
は、加工量が小さい場合には、加工前の被加工レンズの
曲面の接平面で定めることができる。ただし、加工量が
大きい場合には、加工途中の被加工レンズの曲面の変化
に対応して接平面の傾きが変化するため、計算または実
測により曲面の変化を求め、これに追従させて加工電極
を傾斜させることが望ましい。
【0056】また、被加工電極で生成されるプラズマ
は、被加工電極のプラズマ生成面全面に生成される場合
の他に、プラズマ生成面のうち周辺部分等の一部分のみ
に生成される場合がある。例えば、上述の実施例の円柱
状の加工電極の場合には、被加工レンズと対向する円形
の面のうちの周辺部分のみに、リング状にプラズマが生
成される場合がある。このように、プラズマがプラズマ
生成面の一部分のみに生成される場合には、加工電極の
プラズマが生成される部分が形成する平面を、プラズマ
生成面として、この面を被加工レンズと平行に保つよう
にする。上述の円柱状の加工電極の円形の面の周辺部分
にリング状にプラズマが形成される場合には、例えこの
円形の面の中央部が凹部が形成されていても、プラズマ
が生成される部分が一平面上に位置する場合には、この
一平面をプラズマ生成面とする。そして、このプラズマ
生成面を、被加工レンズまたは被加工レンズの接平面と
平行に保つようにする。
【0057】
【実施例】本発明の一実施例のレンズ加工装置を図2を
用いて説明する。なお、図1の実施の形態の加工装置と
対応する部分には、図1と同じ符号を付して示し、説明
を省略する。
【0058】チャンバ9は、2つのチャンバ9a,9b
に分割されている。被加工レンズ10とワークテーブル
1を収納するチャンバ9aは、約φ600mm、高さ約
300mmのステンレス製とした。位置決めユニット6
は、チャンバ9aとは独立したチャンバ9bに収納し、
位置決めユニット6が反応ガスにふれて腐食するのを防
止した。位置決めユニット6を収納するチャンバ9b
は、約φ1500mm、高さ1000mmのステンレス
製とした。両チャンバ9a,9b間は、ステンレス製の
蛇腹9cを隔壁9dを介して接続した。ワークテーブル
1と位置決めユニット6を連結する連結棒101は、蛇
腹9c底面の隔壁9dに固定した。ワークテーブル1
は、φ400mmのステンレス製とした。
【0059】加工電極2には、外径φ5mm、内径φ3
mmのNi製パイプを用いた。ただし、電極2は交換可
能で、図9(a)〜(g)に示したような各種形状のも
のを取り付けることができる。
【0060】電力供給システム3には、130MHzで
最大出力1kWの高周波電源31とマッチング回路32
とにより構成した。このマッチング回路32は、チャン
バ9a側と高周波電源31とのインピーダンスマッチン
グのためにある。
【0061】ガス供給システム4は、反応ガスの流量を
コントロールするマスフローコントローラおよびバルブ
により構成した。ガス供給システム4により流量をコン
トロールされた反応ガスは、パイプ状の加工電極2の内
側を流れ、電極2aの先端から、電極2aの先端に生じ
ているプラズマに連続的に供給される。図2の装置で
は、反応ガスは30cc/min〜100L/minの
範囲で調整できるようにした。反応ガスにはHe,SF
6,N2を使用できるようにした。なお、反応ガスは、被
加工レンズ10の硝材により種々選択できるようにし
た。
【0062】ガス排気システム5は、ドライポンプ、吸
着装置、および、バルブにより構成した。この構成によ
り、反応で生成したガスは、ドライポンプで吸引されて
チャンバ9a外に排出される。また、人体に有毒な生成
ガスは、吸着装置で吸着されたのち、無害なガスが大気
に放出される。
【0063】被加工レンズ10とワークテーブル1を移
動させる位置決めユニット6は、X,Y,Zの3軸方向
の直進と回転の自由度を有する。X,Yは各々約150
mm、Zは50mmのストロークを有するものとした。
【0064】位置決めユニット6の機構について、さら
に説明する。
【0065】ワークテーブル1には、連結棒101が取
り付けられている。隔壁9dには、貫通孔が設けられて
いる。連結棒101は、この貫通孔を気密を保った状態
で貫通し、隔壁9dに固定されている。したがって、連
結棒101が変位すると、隔壁9dは、蛇腹9cの自由
度の範囲で変位する。連結棒101の端部には、ワーク
テーブル1を回転させるための回転駆動動源42aが取
りつけられ、連結棒101を回転させる構成である。
【0066】また、ワークテーブル1をz方向に変位さ
せるために、駆動動力源122と、これに連結されたボ
ールねじ軸123とが配置されている。ボールねじ軸1
23の軸方向は、z方向である。また、ボールねじ軸1
23と平行に、ガイドロッド23が配置されている。ボ
ールねじ軸123とガイドロッド23とには、ナットブ
ロック125が、取りつけられている。ナットブロック
125には、連結棒101を支持する支持ロッド128
が固定されている。
【0067】ナットブロック125には、ボールねじ軸
123の雄ねじと噛み合う雌ねじが形成されている。ま
た、ナットブロック125には、ガイドロッド23を貫
通させる貫通孔が設けられている。駆動動力源122
が、ボールねじ軸123を回転させると、ナットブロッ
ク125は、ガイドロッド23にガイドされながらz方
向に変位する。ナットブロック125がz方向に変位す
ると、支持ロッド128もz方向に変位し、支持ロッド
128に支持された連結棒101およびワークテーブル
1もz方向に変位する。
【0068】駆動動力源122は、支持ブロック126
上に固定的に搭載されている。この支持ブロック126
は、表面が滑らかな支持テーブル124上に搭載されて
いる。支持テーブル124は、駆動動力源22も固定さ
れている。
【0069】支持ブロック126には、x方向に雌ねじ
が形成され、ボールねじ軸129と噛み合っている。駆
動動力源22が、ボールねじ軸129を回転させると、
支持ブロック126が支持テーブル124上をx方向に
摺動する。これに伴い、ボールねじ軸123、ガイドロ
ッド23、ナットブロック125、支持ロッド128、
連結棒101もx方向に変位し、これにより、ワークテ
ーブル1もx方向に変位する。
【0070】また、ワークテーブル1をy方向に変位さ
せる機構として、支持テーブル124の裏面に設けられ
た凸条151と、凸条151をガイドする凹溝152と
が備えられている。凸条151および凹溝152の長手
方向は、y方向である。支持テーブル124には、y方
向に支持テーブル124を変位させるためのボールねじ
軸と駆動動力源(不図示)とが取り付けられている。
【0071】以上が、位置決めユニット6の構成であ
る。
【0072】つぎに、図3、図5を用いて電極傾斜ユニ
ット8の構成について説明する。ここで、図5は、電極
傾斜ユニット8の断面図である。図3および図5に示す
ように、本実施例では、電極2を、ローラー81に固定
し、ローラー81に固定的に取り付けられた軸棒82を
支持部83で支持する構造を用いた。軸棒82のうち、
片側の軸棒82aはチャンバ9aの外に設置された駆動
動力源85に接続した。軸棒82aは、セラミックス製
である。こうして、駆動動力源85を駆動し、軸棒82
を回転させることにより、電極2を傾斜させて、被加工
レンズ10の任意の位置において電極2の中心軸を被加
工レンズ10の法線方向に向けることができる。また、
駆動動力源85は、チャンバ外に設置されているため反
応ガスにより腐食されることがない。また、もう片側の
軸棒82bには、反応ガスを流すための流路102が設
けられている。ローラー81には、流路102と電極2
の流路113とを結ぶ流路112が設けられている。ガ
ス供給システム4の反応ガスは、軸棒82bの一端に固
定されたガスホース103から供給され、軸棒82bの
流路102、ローラー81の流路112および電極内部
の流路113を通過して、電極2の先端に生成したプラ
ズマに供給される。
【0073】つぎに、制御部7は、位置決めユニット6
の各駆動動力源および電極傾斜ユニット8の駆動動力源
85を制御する。
【0074】制御部7の制御動作について、図7のフロ
ーを用いて説明する。制御部7は、外部入力されたデー
タと、制御動作プログラムとを格納するためのメモリ
と、プログラムを動作させるCPUとを備えている。
【0075】外部入力するデータは、被加工レンズ10
の加工前の形状データと、設計による加工後の形状設計
値と、加工条件とである。
【0076】被加工レンズ10の加工前の形状測定に
は、干渉計、三次元測定機などの形状測定機を用いる。
【0077】計測された被加工レンズ10の形状データ
を外部から制御部7のメモリに入力する。形状データが
フロッピーディスクまたはネットワークに出力されてい
る場合はそのまま制御部に入力する。プリンタに出力さ
れていれば手入力となる。同様に、設計値と加工条件と
を外部から制御部7のメモリに入力する。
【0078】制御部7のCPUは、加工時にはメモリか
らプログラムを読みこんで、以下のように動作する。
【0079】まず、メモリから被加工レンズ10の形状
データと加工したい形状(設計値)とを読み込む(ステ
ップ701,702)。
【0080】設計値と形状データを比較して、各ポイン
トにおける加工量を求める。(ステップ703,70
4)。以下では加工すべきポイントを加工地点と呼ぶ。
【0081】投入電力、反応ガス濃度、反応ガス流速、
被加工物と加工電極間の距離であるギャップ長、チャン
バ圧力、等の加工条件を読み込む(ステップ705)。
【0082】加工量と上記加工条件に基づいて、各加工
地点における加工時間を計算する。(ステップ70
6)。なお、加工条件を一定にして加工する場合には、
加工量は、加工電極2の被加工レンズ10上における滞
在時間に比例する。
【0083】被加工レンズ10の形状データから法線を
求め、電極の傾斜角度を求める。そして、ステップ70
6で求めた加工時間データに、加工地点の位置データ
と、電極の傾斜角度データとを付け加える(ステップ7
07)。この加工地点を予め定めた順に結んだ経路が、
位置決めユニット6の各駆動動力源と、電極傾斜ユニッ
ト8の駆動動力源85を動作させるためのプログラムで
あるNCプログラムである。
【0084】上記NCプログラムにより位置決めユニッ
ト6と、電極傾斜ユニット8を動作させる(ステップ7
08)。
【0085】上述の構成の装置を用いて、被加工レンズ
から所望の形状のレンズを製造する手順を説明する。
【0086】まず、石英ガラスの被加工レンズ10をワ
ークテーブル1上に設置する。つぎにチャンバ9aを密
閉し、チャンバ9a内をガス排気システム5により排気
する。ガス供給システム5により、チャンバにHeに数
%のSF6を混合した反応ガスを供給し、数100〜7
60torrの範囲で一定に保持する。
【0087】電力供給システム3から100W程度の高
周波(130MHz)を加工電極2に印加すると、電極
2の先端にのみプラズマを生成させることができる。そ
して、ガス供給システム4からパイプ状の電極2の先端
から反応ガスを数10L/min程度の一定流量でプラ
ズマに連続的に供給する。制御部7は前述のフローチャ
ートのように位置決めユニット6および電極傾斜ユニッ
ト8を制御して、電極中心軸を被加工レンズ10の法線
方向に向け走査させる。
【0088】これにより、石英ガラス(SiO2)と反
応ガスとは反応し、除去加工が進行する。反応式は、下
式であると考えられる。なお、Heは反応に寄与しな
い。
【0089】SF6→S+6F* 3SiO2+2SF6→3SiF4+3O2+2S 目的とする球面レンズの設計値からの形状誤差が約1μ
mの球面レンズを被加工レンズ10として、本発明の加
工装置により形状修正を行い、球面レンズを製造したと
ころ、加工時間約8時間で形状誤差を0.1μmにする
ことができた。ただし、被加工レンズ10は、φ150
mmである。
【0090】以上は、球面レンズを加工した例である
が、同様に、球面レンズまたは非球面レンズを被加工レ
ンズとして、非球面レンズを高精度および高速で加工す
ることもできる。
【0091】また、本実施例の加工装置で製造されたレ
ンズは、機械加工で製作されたレンズと異なりスクラッ
チやクラック層がないため光学性能を極めて高くするこ
とができる。
【0092】また、研磨によって加工された被加工面の
表面形状と、本発明の方法で加工された被加工面の表面
形状とを図8(a)、(b)に示す。図8(a)、
(b)は、被加工面の1μm×1μmの範囲の表面をA
FMを用いて測定した結果をもとに作製した図である。
研磨加工された面は、図8(a)のように、一方向に筋
状の条痕が形成されているが、本発明による加工面で
は、図8(b)のように微少な粒状の凹凸が存在し、加
工痕の形状が異なることがわかった。また、AFMの測
定結果から、研磨面の粗さは約0.1nmRa、本発明
による被加工面は約0.3nmRaであることがわかっ
た。
【0093】また、本発明の加工装置では、チャンバ内
圧力を760torr(大気圧)よりも低くしているた
め、装置に異常が起こった場合でも、チャンバ内のガス
が大気の漏洩することがない。このため、安全性を高め
ることができるとともに、安全装置を簡約化でき、装置
コストの低減をはかることができる。
【0094】なお、電極傾斜ユニット8は、図6のよう
な構成にすることもできる。図6の電極傾斜ユニット
は、支持部83に、流路106を形成した固定部材83
aを固定的に取り付け、軸棒82bを固定部材83aで
支持するものである。そして、軸棒82bの流路102
の端部にガス溜め104を形成している。このガス溜め
104は、軸棒82bの外周に沿って開口部を有し、こ
の開口部と、固定部材83aの流路103とが連結する
ように配置されている。また、固定部材83aと軸棒8
2bとの間隙には、ガス溜め104の開口部を挟むよう
に、2本のOリングが取り付けられ、ガス漏れを防いで
いる。ガス供給システム4のガスホース103は、固定
部材83aの流路103に接続される。
【0095】ガスホース103から供給された反応ガス
は、固定部材83aの流路106、軸棒82bのガス溜
め104および流路102を通って電極2に供給され
る。
【0096】電極傾斜ユニット8を図6のような構成に
した場合には、ガスホース103と軸棒82bとが固定
されていないため、軸棒82bを回転させても、ガスホ
ース103に軸棒82a回転の応力が加わらず、また、
軸棒82bにガスホース103の弾性力が作用しないた
め、軸棒82bの回転トルクが小さくできる。したがっ
て、電極2の傾斜を高精度に制御できる。
【0097】
【発明の効果】上述のように、本発明によって提供され
るプラズマによって生成したラジカルの反応によって加
工を行う加工装置は、曲面を精度良く加工することがで
きる。
【0098】また、本発明の加工装置でレンズを製造し
た場合、機械加工で製作されたレンズと異なりスクラッ
チやクラック層がないため光学性能を極めて高くするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるレンズ加工装置の
構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例のレンズ加工装置の構成を示
す説明図。
【図3】図2のレンズ加工装置の電極傾斜ユニット8の
構成を示す説明図。
【図4】(a),(b)従来のプラズマCVM装置にお
ける電極と被加工レンズの配置と、プラズマの状態を示
す説明図。
【図5】図2のレンズ加工装置の電極傾斜ユニット8の
構成を示す部分断面図。
【図6】図2のレンズ加工装置の電極傾斜ユニット8の
別の構成を示す部分断面図。
【図7】図2のレンズ加工装置の制御部7の動作を示す
フローチャート。
【図8】(a)従来の機械加工による研磨面の形状を示
す説明図。(b)本実施例のレンズ加工装置による加工
面の形状を示す説明図。
【図9】(a)〜(f)本発明のレンズ加工装置に用い
ることのできる電極の一例を示す説明図。
【図10】従来のプラズマCVM装置において、電極に
対して被加工物の被加工面を傾斜させた場合の加工痕の
形状を示すグラフ。
【符号の説明】
1・・・ワークテーブル、2・・・加工電極、3・・・
電力供給システム、4・・・ガス供給システム、5・・
・ガス排気システム、6・・・位置決めユニット、7・
・・制御部、8・・・電極傾斜ユニット、9・・・チャ
ンバ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/14 H01L 21/302 A H05H 1/46 27/14 D (72)発明者 柴田 規夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 海老 正美 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 田中 宏明 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 森 勇藏 大阪府交野市私市8丁目16番9号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物に反応ガスを供給し、局部的に
    プラズマを生成するための電極を前記被加工物に近接さ
    せ、前記電極が生成したプラズマによって前記反応ガス
    のラジカルを生成し、前記被加工物と前記ラジカルとを
    反応させ、反応生成物を揮発させることにより前記被加
    工物を加工し、前記被加工物の形状を創成する方法であ
    って、 前記電極の外面のうち、前記被加工物と対向し、プラズ
    マを生成するプラズマ生成面を、少なくとも加工前の前
    記被加工物の加工すべき部分に平行に保って加工を行う
    ことを特徴とする被加工物の形状創成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電極のプラズマ
    生成面が、平面である場合には、前記プラズマ生成面
    を、前記被加工物の加工すべき部分の接平面に平行に保
    つことを特徴とする被加工物の形状創成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記電極のプラズマ
    生成面が、曲面である場合には、前記プラズマ生成面の
    中央部の接平面を、前記被加工物の加工すべき部分の接
    平面に平行に保つことを特徴とする被加工物の形状創成
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記被加工物および
    電極の配置されている空間の圧力を、大気圧よりも低い
    圧力に保って加工を行うことを特徴とする被加工物の形
    状創成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記被加工物とし
    て、研磨加工を施された被加工物を用いることを特徴と
    する被加工物の形状創成方法。
  6. 【請求項6】 表面に粒状の加工痕が存在する物品であ
    って、 前記物品は、被加工物品に反応ガスを供給し、局部的に
    プラズマを生成するための電極を前記被加工物品に近接
    させ、前記電極が生成したプラズマによって前記反応ガ
    スのラジカルを生成し、前記被加工物品と前記ラジカル
    とを反応させ、反応生成物を揮発させる工程によって加
    工され、 前記工程において、前記電極の外面のうち、前記被加工
    物と対向し、プラズマを生成するプラズマ生成面を、少
    なくとも加工前の前記被加工物の加工すべき部分に平行
    に保って加工されたものであることを特徴とする物品。
  7. 【請求項7】 被加工物を搭載するための支持部と、 局部的にプラズマを生成するための電極と、 前記被加工物の反応ガスを供給するためのガス供給部
    と、 前記電極を前記被加工物の加工すべき点に移動させるた
    めに、前記電極を前記被加工物に対して相対的に移動さ
    せる移動手段と、 前記電極がプラズマを生成するプラズマ生成面を、前記
    被加工物の加工すべき部分と平行に保つために、前記電
    極を傾斜させる電極傾斜手段とを有することを特徴とす
    る被加工物の形状創成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記電極傾斜手段
    は、前記電極の軸方向が、前記被加工物の法線方向に一
    致するように電極を傾斜させることを特徴とする被加工
    物の形状創成装置。
  9. 【請求項9】 請求項7において、前記電極傾斜手段
    は、外周に前記電極が取り付けられた回転体と、前記回
    転体を任意の角度だけ回転させる回転駆動手段とを有す
    ることを特徴とする被加工物の形状創成装置。
  10. 【請求項10】 請求項7において、前記電極傾斜手段
    に傾斜量を指示する制御手段をさらに有し、 前記制御手段は、前記被加工物の加工前の形状データを
    用いて、前記被加工物の加工すべき点の接平面を求め、
    前記接平面が前記電極のプラズマ生成面と平行になるよ
    うに、前記回転駆動手段に回転角度を指示することを特
    徴とする被加工物の形状創成装置。
  11. 【請求項11】 請求項7において、前記回転体は、前
    記反応ガスを前記電極まで導くための第1の流路を有
    し、前記電極は前記第1の流路によって導かれた反応ガ
    スを前記プラズマを生成する面に吹き出すための第2の
    流路を有することを特徴とする被加工物の形状創成装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記回転体は、
    固定部材によって回転可能に支持され、 前記固定部材は、前記ガス供給手段によって供給される
    反応ガスを前記第1の流路まで導くための第3の流路を
    有することを特徴とするレンズ加工装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004311983A (ja) * 2003-03-26 2004-11-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd プラズマ処理装置
US7824520B2 (en) 2003-03-26 2010-11-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Plasma treatment apparatus
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CN118357558A (zh) * 2024-06-18 2024-07-19 浙江大学 一种弯臂摆动式五轴离子束超精密修形加工装置

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