JPH09239375A - 水質並びに底質の粒状苦土系改善剤 - Google Patents

水質並びに底質の粒状苦土系改善剤

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JPH09239375A
JPH09239375A JP8343844A JP34384496A JPH09239375A JP H09239375 A JPH09239375 A JP H09239375A JP 8343844 A JP8343844 A JP 8343844A JP 34384496 A JP34384496 A JP 34384496A JP H09239375 A JPH09239375 A JP H09239375A
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water
less
weight
particles
magnesia
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JP8343844A
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Akira Kaneyasu
彰 兼安
Nobuyuki Nishino
伸幸 西野
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UBE MATERIALS KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、悪化した閉鎖性水域の水質並びに
底質の改質をはかることのできる改善剤を提供する。 【解決手段】 苦土系粉粒体原料で構成される材料で、
その大きさが粒子径で20mm以下であり、且つ水中に投入
後自己崩壊し、投入60分後における 0.1mm以下の粒子が
10重量%以上あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、悪化した閉鎖性水
域の水質並びに底質の改質をはかる粒状苦土系改善剤に
関するものである。
【0002】
【従来の公知技術】近年、後背地に大きな汚濁源を有す
る閉鎖性水域は、流入する汚濁負荷が大きい上に汚濁物
質が蓄積しやすいため、富栄養化が進み、水質及び底質
の汚濁が進んでいる。特に瀬戸内海や伊勢湾を代表とす
る閉鎖性海域では流入したリン及び窒素が停滞し、赤潮
が発生することにより漁業被害を起こす等、漁業環境に
多大な影響を与えている。また琵琶湖を代表とする飲料
水の取水源となっている湖沼においては、淡水赤潮やア
オコが異常に発生し、これによって上水道施設のろ過障
害や異臭の問題を生じている。これに対処するために、
水質汚濁防止法、瀬戸内海環境保全特別措置法、湖沼水
質保全特別措置法、湖沼に係わる窒素及びリンの排水規
制等が制定実施されている。
【0003】更に養殖場では、赤潮や貧酸素水塊の発生
に起因して、有毒な硫化水素が発生し、このために養殖
魚の大量へい死による被害が報告されている。
【0004】これは、海水のpHが通常は弱アルカリ性の
8.2前後であるのに対し、上記のような問題が発生する
養殖場の水質並びに底質のpHは通常の海水のpHより酸性
側に幾分シフトしたpH 8以下、ところによっては問題が
深刻な箇所、特にその底質ではpHが 7に近い値或いはそ
れ以下の値を示すようになる。これは海底等に堆積した
有機物が酸化分解される際に硝酸あるいは有機酸が生成
するため低pH化するものと考えられている。更に有機物
の酸化分解により酸素が消費されると、底部が無酸素状
態となる結果、嫌気性細菌である硫酸塩還元菌の活動が
盛んとなり、硫酸イオンが還元され、生物に有毒な硫化
水素が発生するものと考えられている。
【0005】加えて、その原因については現在のところ
はっきりとは判っていないが、底質のpHが酸性化した場
合、白点病等の病気が発生し、養殖業者に多大な損害を
与えることが最近多く報告されるようになっている。
【0006】これら上記問題等に対して、抑制または防
止するには、有機物を減らすか、酸素を供給するか、pH
を上げてやらなければならない。
【0007】これまで耕運、曝気、覆砂、浚渫等の方法
が改良実施されてきたが、これら方法は実施時に汚濁物
質の拡散、水域の汚濁、一時的な生産行為の中止や二次
的に発生する汚泥の処理等の問題が新たに生じることの
みならず、実施費用が多大となるなど未だ問題がある方
法である。
【0008】またその他の方法として、薬剤散布が行わ
れてきている。薬剤散布とは、粘土や生石灰(酸化カル
シウム)を被改質区域に散布する方法であり、従来の改
良技術の中では実施費用が少なくて済む等の利点があ
る。粘土散布は、粘土により水中の有機懸濁物を凝集沈
殿させ、あわせて底質を被覆するものであるが、前述の
如く水域の汚濁等の問題は生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】従来の薬剤散布法で
最も実施費用が安価とされるている生石灰散布法は、強
力なアルカリ原料である生石灰を使用することにより、
水質並びに底質のpHをアルカリ側に維持し、且つカルシ
ウムと反応させて汚濁物質を難溶性化合物として固定除
去する方法であるが、散布する生石灰が水と反応して消
石灰(水酸化カルシウム)に変化する時に発熱するこ
と、また消石灰生成時に粉化して散布区域の水質を白濁
化して水質汚濁の弊害を引き起こす等の問題が生じてい
る。このような問題から、最近では消石灰を一部使用す
るようになってきているが、消石灰を使用する時には水
域の懸濁物質が増加し、水質を悪化させることが問題と
なっている。
【0010】また生石灰及び消石灰ともに、水域中の水
中に溶解している炭酸ガスや硫酸イオンと容易に反応し
て、再溶解しにくい炭酸カルシウムや難溶性の硫酸カル
シウム(石膏)を生成する。このため、これら生成物が
生石灰並びに消石灰粒子表面を被覆するため、水質並び
に底質のpHをアルカリ側に維持する効果が失われる。更
にはカルシウムイオンの供給が抑えられるため、難溶性
化合物によるリンの固定化除去に関しても損なわれると
されている。
【0011】即ち、従来の生石灰や消石灰を散布する方
法は、最も安価な改善方法である反面、散布直後、水質
並びに底質のpHをアルカリ側にするが、これらが強力な
アルカリ源のため一時的に必要以上の高pH側になるこ
と、また水質及び底質中のリン等の成分がカルシウムと
反応して難溶性化合物を形成して固定除去されるが、前
述のように炭酸カルシウムや硫酸カルシウムの皮膜形成
により短期間でその効果が失われ、薬剤としての効果を
長期間維持することが難しいとされている。
【0012】このため水質並びに底質の改善を目的とし
た、環境や作業者に対して安全で、且つ長期間に渡り弱
アルカリ性を維持する安価な改善剤が要求されてきてい
る。
【0013】上記問題に対して、従来の技術として特開
昭52−104478号が報告されている。本技術は、マグネシ
ウム化合物である水酸化マグネシウムと軽焼酸化マグネ
シウムと水とを混練して得られる自己崩壊し難い造粒物
のpH調整剤が開示され、長期間投入直前の形状を維持
することを特徴としている。本技術は、工場等から排出
される酸性廃液の中和処理に使用することを目的とし、
長期間形状を維持させることにより、酸性廃液の中和機
能が維持可能としている。本技術を以て水質及び底質を
改善しようとする場合、水中に投入してもそのままの形
状を維持するため、水質及び底質を改善し、その効果を
長期間維持するには不十分であった。
【0014】このような問題に対し、本発明者らは鋭意
検討の結果、水質及び底質を改善する効果が長期間維持
できることを目的に、薬剤散布法による安価で非常に効
果的な水質並びに底質の改善剤を開発するに至った。
【0015】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
ための本発明は、水中に投入後崩壊して細かな粒子とな
って被改質区域に均一分散し、且つ長期間その改質機能
が維持可能な水質並びに底質の苦土系改善剤であり、
(1)苦土系粉粒体で構成される材料で、その大きさが粒
子径で20mm以下であり、且つ水中に投入後自己崩壊し、
投入60分後における 0.1mm以下の粒子が10重量%以上あ
ることを特徴とするもので、 (2)本苦土系粉粒体が水酸
化マグネシウム及び/又は酸化マグネシウムからなるも
のであり、更には (3)本苦土系粉粒体が水酸化マグネシ
ウムからなるものであり、加えて (4)本改善剤の嵩密度
が 1.0〜2.3g/cm3の範囲にあることを特徴とする。更に
は (5)本改善剤は、 MgO換算含有率が30重量%以上及び
付着水分が20重量%以下で存在するものである。また、
(6)本改善剤の 0.1mm以上の粒子の占める割合が80重量
%以上で、水中に投入後自己崩壊に要する時間が30分間
以下で、崩壊後 0.1mm以下の粒子の占める割合が20重量
%以上あるものであり、更には (7) 0.5mm以上の粒子の
占める割合が70重量%以上で、水中に投入後自己崩壊に
要する時間が30分間以下で、崩壊後 0.1mm以下の粒子の
占める割合が30重量%以上存在するものである。加え
て、 (8)粒子径が 0.1〜20mmの範囲にあり、且つ水中に
投入して自己崩壊した後の 0.1mm以下の粒子の占める割
合が30重量%以上存在するものであり、 (9)粒子径が
0.5〜20mmの範囲にあり、且つ水中に投入して自己崩壊
に要する時間が30分間以下で、崩壊後の 0.1mm以下の粒
子の占める割合が30重量%以上存在するものであり、(1
0)粒子径が 0.5〜10mmの範囲にあり、且つ水中に投入し
て自己崩壊に要する時間が10分間以下で、崩壊後の 0.1
mm以下の粒子の占める割合が50重量%以上存在するもの
であり、さらに(11)可溶性マグネシウム塩を0.01〜 5重
量%含むことを特徴とするものである。
【0016】上記本発明により、環境や作業者に対して
安全で、且つ長期間に渡り水質並びに底質のpHを弱アル
カリ性に維持することができ、しかも従来より少ない量
での改質が可能となるため安価な改善剤の供給を行うこ
とが可能となる。
【0017】本発明である粒状苦土系改善剤は、水質並
びに底質のpHを弱アルカリ性に長期間維持できることが
特徴であり、またマグネシウムイオンの供給によりリン
等のその存在が好ましくない物質に対してマグネシウム
系難溶性化合物を形成し、固定除去することが可能であ
る。
【0018】以下本発明について詳細な記述を行う。本
発明の粒状苦土系改善剤の主構成材料であるマグネシウ
ム化合物の粉粒体原料としては、水酸化マグネシウム、
酸化マグネシウム、マグネサイト及びドロマイト並びに
それらの仮焼物等が挙げられ、これら材料の一種又は二
種以上を混合したものを用いることも可能である。これ
らは、大きさが 0.1mm以下の粉粒体であることが好まし
い。
【0019】これら粉粒体原料の内、水酸化マグネシウ
ムとしては、 (a)天然に産するブル−サイト(水滑石)
或いは (b)海水、苦汁またはカン水等のマグネシウム含
有水溶液に石灰乳等のアルカリ原料を添加して水酸化マ
グネシウムとして析出・分離させたもの、加えて (c)酸
化マグネシウムを水のような液相に接触させることによ
り生成した水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0020】上記 (a)は機械的処理により粉砕し、粉粒
体として使用されることが好ましい。また (b)及び (c)
における水酸化マグネシウム個々の結晶の大きさは 1μ
m以下が通常であるが、同水酸化マグネシウム懸濁液
(スラリー)内では大きさが数μmの二次粒子の凝集体
として水中に存在する。同スラリー内で凝集体として存
在する水酸化マグネシウムは、例えばオリーバフィルタ
ー又はフィルタープレス等により脱水・ろ過後、 100℃
から 350℃以下の温度範囲で乾燥させることにより、容
易に粉末状で得ることが可能である。この乾燥後水酸化
マグネシウムは、二次粒子が数μmの大きさの凝集体が
更に凝集化した大きな粉粒体として得られる。
【0021】酸化マグネシウムとしては、 (d)天然に産
するマグネサイト(菱苦土鉱)やブルーサイト(水滑
石)等のマグネシウム含有鉱物を焼成して加熱分解させ
た酸化マグネシウム、また (e)上記水酸化マグネシウム
で示した (b)及び (c)の水酸化マグネシウムを 350℃以
上の水酸化マグネシウムの分解温度以上で加熱分解させ
た酸化マグネシウム或いは塩化マグネシウムや硫酸マグ
ネシウムのようなマグネシウム塩を加熱分解させること
により得られる酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0022】炭酸マグネシウムとしては、天然に産する
マグネサイト或いは塩基性炭酸マグネシウム、正炭酸マ
グネシウム及びその焼成物等が挙げられる。
【0023】ドロマイトとしては、天然に産するドロマ
イト(白雲石)及びその焼成物、或いは水酸化マグネシ
ウムスラリーと石灰乳を適切な割合で混合し、焼成させ
た合成ドロマイト等が挙げられる。
【0024】上記マグネシウム化合物において、好まし
くは水酸化マグネシウム及びまたは酸化マグネシウムの
内一種また二種以上の混合したもの、より好ましくは水
酸化マグネシウムの粉粒体を使用することが望ましい。
これは、水酸化マグネシウムが 1モル当たり水酸基を 2
モル有するため、水質並びに底質を高pH化するのに高効
率である。加えて粉状のものが、上述説明から比較的安
価で容易に得られることなどがその理由として挙げられ
る。酸化マグネシウムは水中へ投入した後、容易に水と
反応して水酸化マグネシウムへと変化するため、その後
の効果は上述の水酸化マグネシウムと同じ効果をもたら
すからである。
【0025】可溶性マグネシウム塩としては、塩化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等に代
表される一般的に知られているすべての可溶性マグネシ
ウム塩が含まれる。可溶性マグネシウム塩の存在は、粉
粒体を成形する際のバインダ−的効果がある。加えて可
溶性マグネシウム塩は溶解度が高いために、本改善剤を
水中に投入した場合、崩壊性を促進する作用が生じる。
この可溶性マグネシウム塩は0.01〜 5重量%の範囲で含
有されることが望ましく、好ましくは0.01〜 3重量%の
範囲にあることがより望ましい。可溶性マグネシウム塩
含有量が 5重量%を越えると、マグネシウム塩によって
本改善剤表面が被覆され、自己崩壊性が劣る要因とな
り、改質効果を長期間に渡って維持可能が困難となる。
【0026】また本発明においては、造粒物製造時に自
己崩壊を促進させる材料を20重量%以下の含有量で添加
することも可能である。この自己崩壊を促進させる材料
としては、造粒物内において水中に投入直前まで長期間
変化することなく存在し、本発明の改善剤が水中に投入
後速やかに水と反応して造粒物の自己崩壊を促進させる
ような効果を有するものであれば、どのような材料も制
限を受けない。この自己崩壊を促進させる材料として、
具体的には上述のマグネシウム塩或いは紙パルプ等の植
物性繊維、羊毛等の動物性繊維、ナイロン等の合成繊
維、グラスファイバーや石綿等の鉱物性繊維、高分子吸
収剤或いは砂糖や食塩等の可溶性材料を挙げるとこがで
きる。これら自己崩壊を促進させる材料の含有量は、含
有量が多い場合、全体的な苦土系粉粒体の含有量が減少
するため、水質や底質の改質効果が劣化することを抑え
るため、また被改質区域をこれら材料による汚染を防止
するため、好ましくは10重量%以下、より好ましくは 5
重量%以下で含有されることが望ましい。また上記材料
の内、可溶性マグネシウム塩は、上述の理由のため 5重
量%以下で含有されることが望ましい。
【0027】本発明の粒状苦土系改善剤を、改質を目的
とする領域に均一分散させる場合、大きさは細かい方が
より均一性を上げることができ、本発明においては本改
善剤は20mm以下の大きさであることが望ましい。改善剤
の大きさが20mmを越える大きさになると、自己崩壊に要
する時間が長くなり、また崩壊後に改善剤の均一分散性
にも劣ることとなり、水質並びに底質の改善効果におい
ても劣ることとなる。また、本発明の改善剤は 0.1mm以
上の粒子の占める割合が80重量%以上、特に0.5mm以上
の粒子の占める割合が70重量%以上であることが好まし
い。これは改善剤の大きさが 0.1mm以下と細かい場合、
水中に投入した直後に崩壊して造粒前の原料である粉粒
体の大きさ又はそれに近い大きさの粉状となって水域に
拡散し、周辺環境の水質等を悪化させる原因となるから
である。さらに、投入直後に本改善剤が崩壊・粉化する
ことを抑え、更に海域等では海水の流れによって目標水
域以外へ本改善剤が拡散するのを抑えるには、できるだ
け速く底質まで沈降させることが望ましい。そのために
は、本発明の改善剤は粒子径が 0.1〜20mm、好ましく
は、 0.5〜20mm、さらに好ましくは、 0.5〜10mmの範囲
にあることが望ましい。
【0028】本発明の苦土系改善剤の自己崩壊に要する
時間は、造粒物粒子の形状を維持しなくなるまでに要す
る時間が60分間以下であることが望ましい。更に好まし
くは30分間以下、より好ましくは10分間以下であること
が望ましい。
【0029】本発明である改善剤の自己崩壊性は、主と
してマグネシウム化合物からなる粉粒体原料の充填性、
即ち造粒物の嵩密度と密接に関係する。水中に投入した
本改善剤は、主として毛細管現象によって細孔に水が進
入し崩壊が生じるものと考えられ、この細孔の分布程度
は、本改善剤の嵩密度を測定することにより、間接的に
推察できる。また一般的に造粒物の強度と嵩密度の関係
は、嵩密度が高いほど造粒物の強度は高くなる。嵩密度
が2.3g/cm3を越える場合、圧密度が高くなるため自己崩
壊性及び分散性が低下することとなる。またより高いエ
ネルギーを必要とするため非経済的行為である。よって
2.3g/cm3以下であることが好ましい。また本改善剤は製
造現場から実地までの移動の際に形状を維持することが
求められ、嵩密度は1.0g/cm3以上であることが望まし
い。更に本改善剤の自己崩壊性並びに分散性を十分に発
揮することの可能な嵩密度として、 1.0〜1.9g/cm3の範
囲にあることが好ましい。
【0030】水中に投入後崩壊した粒子は、 0.1mm以下
の占有率が10重量%以上あることが肝要である。崩壊後
の粒子は、水質並びに底質への均一分散性に直接関係す
る。従って、崩壊後粒子が細かいほど、より効率的に水
質並びに底質の改質が可能となる。このため、崩壊後
0.1mm以下の粒子の占有率が20重量%以上、好ましくは3
0重量%以上、より好ましくは50重量%以上であること
が望ましい。崩壊後粒子において、大きさが 0.1mm以下
の占有率が10重量%未満だと、目的とする改質効果が劣
る結果となる。
【0031】本発明の苦土系改善剤の MgO換算含有率は
30重量%以上であることが望ましい。 MgO換算含有率が
30重量%未満の場合、マグネシウム成分による苦土系改
善剤としての効果が失われるためで、好ましくは30〜70
重量%の範囲にあることが望ましい。
【0032】本発明の苦土系改善剤の付着水分率は20重
量%以下であることが望ましい。付着水分率とは、マグ
ネシウム化合物粒子間を埋めるように存在する付着水分
のことを示し、通常 110〜 120℃で乾燥させた場合の重
量減少率が付着水分率に相当する。この付着水分率は20
重量%以下で含有されることが肝要で、好ましくは 4〜
15重量%以下で含有されることが望ましい。この付着水
分率が20重量%以上含有される場合、マグネシウム化合
物の成分が少なくなることにより本改善剤の効果が減少
することのみならず、改善剤の粒子同志が付着して大き
な塊となり、水中に均一散布する際の問題となる。
【0033】また本発明における苦土系粉粒体原料含有
量は、60重量%以上あることが望ましく、より好ましく
は80重量%以上あることが望ましい。
【0034】以下、実施例により詳細な説明を行う。
尚、実施例に記載の測定項目は以下の方法により測定し
た。
【0035】(嵩密度)日本学術振興会第124委員会
試験法分科会において決定された”学振法2マグネシア
クリンカーの見掛け気孔率、見掛け比重及び嵩比重の測
定方法”(1981年版 耐火物手帳、 耐火物技術協
会発行)を参考に、試料を金属製の網に入れ、これをケ
ロシンの入ったビーカーに網ごと入れた。これを -76mm
Hgの真空デシケーター内で 1分間真空引きし、大気圧下
にもどした後、下記の計算式により嵩密度を求めた。
【0036】
【数1】
【0037】(付着水分率)試料を約10g秤量し、温度
110℃の乾燥機内に24時間以上いれた後、即座に取り出
しデシケーター内で室温まで冷却し、乾燥後重量を測定
した後、その重量減少量を乾燥前の重量で除算した値の
百分率を付着水分率とした。
【0038】(自己崩壊時間並びに崩壊後における大き
さが 0.1mm以下の粒子の占有率)試料(造粒物)を直視
できるように開き目0.108 mmの篩いの上に置き、更にバ
ット内に置き、篩上の試料が完全に水没するまで水を加
えた。静置後、試料各粒子が自己崩壊していくのを観察
した。試料各粒子の形状が全く維持されなくなった時点
を自己崩壊に要した時間(自己崩壊時間)とした。直後
に篩をバットから取り出し、バット内に残った篩下のマ
グネシウム化合物を回収し、ろ過、乾燥後、重量を測定
した。その値を崩壊開始前の重量で除算した百分率の値
を、崩壊後における大きさが 0.1mm以下の粒子の占有率
とした。
【0039】実施例1〜8 各種マグネシウム化合物を用いて、ブリケットマシーン
で成形後、破砕、整粒し、嵩密度及び粒径の異なる粒状
苦土系改善剤を準備した。表1に、マグネシウム化合物
の配合割合、付着水分率、 MgO換算含有率、嵩密度、粒
径、自己崩壊時間、崩壊後における大きさ 0.1mm以下の
粒子の占有率を示す。
【0040】
【表1】
【0041】実施例9 表1の実施例2で示した配合割合、付着水分率、 MgO換
算含有率、嵩密度の成形物を破砕後、篩分けし、粒度別
自己崩壊時間及び崩壊後における大きさ0.1 mm以下の粒
子の占有率を測定した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】実施例10 底面0.11m2、高さ0.40mの水槽に、車海老養殖場から採
取した底質を厚さ0.05mまで入れ、更に海水を深さ0.30
mまで入れた。これに車海老の稚海老を15尾いれ飼育し
た。実施例2で使用した苦土系改善剤を水槽底面積に対
し、 300g/m2の割合で投入した。なお、海水は 3日に一
度、全海水量の一割を入れ換えて海水のpHと車海老の成
長過程を観察した。海水のpHの測定結果を表3に示す。
本粒状苦土系改善剤は添加後90日を経過してもpH8.45
を呈し、長期に渡りpH維持効果のあることが確認され
た。水槽にいれた車海老は脱皮を繰り返して生息し、苦
土系改善剤に急毒性のないことも確認された。
【0044】実施例11 海面養殖場の養殖筏直下から採取した底質を 1lビーカ
ーに高さ 0.1mまで入れ、その上にビーカーの 1lのレ
ベルまで海水をいれ、更に実施例2で使用した苦土系改
善剤を更に破砕して粒子径0.1 〜2 mmのものをビーカー
の底面積に対して 400g/m2の割合で散布し、静置した。
表3に底質のpHの測定結果を示す。本粒状苦土系改善剤
は添加後 105日を経過してもpH8.00以上を示し、長期に
渡りpH維持効果があることが確認された。
【0045】
【表3】
【0046】比較例1 マグネシウム化合物として水酸化マグネシウム粉末を用
いて、粒径35mmの造粒物を準備し、表1に示した実施例
と同じ方法により自己崩壊時間及び崩壊後における大き
さ 0.1mm以下の粒子の占有率を求めた。表4に、付着水
分率、 MgO換算含有率、自己崩壊時間及び崩壊後におけ
る大きさ 0.1mm以下の粒子の占有率を示す。
【0047】比較例2 上記実施例2での水酸化マグネシウム粉に可溶性マグネ
シウム塩として硫酸マグネシウムを10重量%添加した以
外は、実施例2と同じ造粒物を準備した。表4に、付着
水分率、 MgO換算含有率、自己崩壊時間及び崩壊後にお
ける大きさ 0.1mm以下の粒子の占有率を示す。
【0048】
【表4】
【0049】比較例3 粒径4.75〜2.80mmの生石灰を、海水 5lを入れたビーカ
ーに投入した。粒子は投入直後に急激な発熱反応を呈
し、且つ崩壊し粉化した。この時のpHを測定したとこ
ろ、生物には危険なpH11以上の高アルカリを示した。ま
た、沈降が遅く海水が白濁化した。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の粒状苦土系改善
剤を悪化した水質並びに底質に投与することで、改善剤
が自己崩壊し、また水質並びに底質への均一分散及び溶
解(マグネシウムイオン及び水酸基イオンの供給)が効
率的に行われ、従って水質並びに底質を長期に渡って弱
アルカリ性に維持すること等が可能となった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苦土系粉粒体原料で構成される材料で、
    その大きさが粒子径で20mm以下であり、且つ水中に投入
    後自己崩壊し、投入60分後における 0.1mm以下の粒子が
    10重量%以上あることを特徴とする水質並びに底質の粒
    状苦土系改善剤。
  2. 【請求項2】 苦土系粉粒体原料が主として水酸化マグ
    ネシウム及び/又は酸化マグネシウムからなることを特
    徴とする請求項1に記載の水質並びに底質の粒状苦土系
    改善剤。
  3. 【請求項3】 苦土系粉粒体が主として水酸化マグネシ
    ウムからなることを特徴とする請求項1に記載の水質並
    びに底質の粒状苦土系改善剤。
  4. 【請求項4】 改善剤の嵩密度が 1.0〜2.3g/cm3であ
    る請求項1〜3に記載の水質並びに底質の粒状苦土系改
    善剤。
  5. 【請求項5】 改善剤が、 MgO換算含有率が30重量%以
    上で、付着水分が20重量%以下であることを特徴とする
    請求項1〜4に記載の水質並びに底質の粒状苦土系改善
    剤。
  6. 【請求項6】 改善剤において、 0.1mm以上の粒子の占
    める割合が80重量%以上で、水中に投入後自己崩壊に要
    する時間が30分間以下で、崩壊後 0.1mm以下の粒子の占
    有率が20重量%以上あることを特徴とする請求項1〜5
    に記載の水質並びに底質の粒状苦土系改善剤。
  7. 【請求項7】 改善剤において、 0.5mm以上の粒子の占
    める割合が70重量%以上で、水中に投入後自己崩壊に要
    する時間が30分間以下で、崩壊後 0.1mm以下の粒子の占
    有率が30重量%以上あることを特徴とする請求項1〜6
    に記載の水質並びに底質の粒状苦土系改善剤。
  8. 【請求項8】 改善剤の粒子径が0.1 〜20mmの範囲にあ
    り、且つ水中に投入して自己崩壊した後の 0.1mm以下の
    粒子の占有率が30重量%以上であることを特徴とする請
    求項1〜7に記載の水質並びに底質の粒状苦土系改善
    剤。
  9. 【請求項9】 改善剤の粒子径が 0.5〜20mmの範囲にあ
    り、且つ水中に投入後自己崩壊に要する時間が30分間以
    下で、崩壊後 0.1mm以下の粒子の占有率が30重量%以上
    あることを特徴とする請求項1〜8に記載の水質並びに
    底質の粒状苦土系改善剤。
  10. 【請求項10】 改善剤の粒子径が 0.5〜10mmの範囲に
    あり、自己崩壊に要する時間が10分間以下で、崩壊後
    0.1mm以下の粒子の占有率が50重量%以上あることを特
    徴とする請求項1〜9に記載の水質並びに底質の粒状苦
    土系改善剤。
  11. 【請求項11】 改善剤が可溶性マグネシウム塩を0.01
    〜 5重量%含有することを特徴とする請求項1〜10に
    記載の水質並びに底質の粒状苦土系改善剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005015357A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Nichimo Co Ltd 赤潮発生防止剤および赤潮発生防止方法
JP2005013816A (ja) * 2003-06-24 2005-01-20 Nichimo Co Ltd 水系環境改善維持方法
JP2008239516A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Hiroto Maeda 赤潮発生防止方法
JP2014161236A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Nichimo Co Ltd 魚類の養殖方法およびこれに用いるpH調整材
JP2024021999A (ja) * 2022-08-05 2024-02-16 宇部マテリアルズ株式会社 赤潮駆除剤

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