JP3408702B2 - リン、チッソ含有排水・廃液の処理方法及びその装置 - Google Patents

リン、チッソ含有排水・廃液の処理方法及びその装置

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JP3408702B2 JP27922096A JP27922096A JP3408702B2 JP 3408702 B2 JP3408702 B2 JP 3408702B2 JP 27922096 A JP27922096 A JP 27922096A JP 27922096 A JP27922096 A JP 27922096A JP 3408702 B2 JP3408702 B2 JP 3408702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポーラス(多孔
質)セラミックス及び活性炭を利用した、現在その処理
が問題になっているリン、チッソを含有する排水・廃液
の処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、河川流域からのリン、チッソ等の
栄養塩類の供給により湖沼が肥沃化し、また、人口、産
業の集中化により、湖沼に加えて内湾等の海域において
もリン、チッソ等の栄養塩類の流入が増大し、藻類の異
常繁殖や赤潮の発生による漁業被害等水域の汚濁が重大
な社会問題となっている。
【0003】湖沼は、閉鎖性の水域であり、水の滞留時
間が長く汚染物質が蓄積しやすいため河川や海域に比し
て水質汚染が特に問題となっており、水道の濾過障害や
異臭味問題、水産被害等各種の利水障害が生じている。
湖沼の富栄養化の防止について我が国では、湖沼にかか
るリン、チッソの一般排水基準はリン16mg/L、チ
ッソ120mg/Lと定められている。
【0004】従来、これらのリン、チッソを含有する排
水・廃液の一般的な処理法として次のものが知られてい
る。リンについては、凝集剤を利用する凝集法が最も一
般的に用いられ、例えば、嫌気好気法による一次処理
後、凝集剤を利用する凝集沈殿による二次処理をし、次
いで逆浸透、イオン交換による最終処理が行われてい
る。その他、吸着法、晶析法も知られているが、工業排
水には凝集法が、下水排水には嫌気好気法が通常用いら
れることが多い。また、チッソについては、硝化脱窒
法、アンモニアストリッピング法、選択的イオン交換
法、不連続点塩素処理法、触媒酸化法等が知られてお
り、実用化されているのは嫌気好気法(硝化脱窒法)、
もしくは凝集法と嫌気好気法(硝化脱窒法)との組み合
わせによるものが挙げられる。
【0005】他方、従来からポーラス(多孔質)セラミ
ックスを利用した各種廃水の処理方法は知られている。
例えば、本発明者らによる特開昭58−205516号
公報には、ケイ石−粘土の混合物に長石及びアルミナ粉
末を加えたものに、おがくずと水を加え混練した泥状物
の成型品を1100〜1200℃で焼成してなる化学薬
品、重金属等の選択除去に優れたチューブ型のセラミッ
ク系カートリッジフィルターが記載されている。
【0006】本発明者らによる特公平1−60317号
公報には、処理槽の底部に砂や砂利の層からなる濾過層
を設け、その上にポーラス状のセラミックス粒状物を積
層させた処理層を設け、該処理層の上面と該濾過層の下
面に散気管を配してなる下水等の廃水処理装置が記載さ
れている。
【0007】本発明者らによる特開昭61−13649
0号公報には、曝気槽内の廃水の流れの方向を横断する
位置に、間隔をあけて網体等の有孔材料内に充填してな
るポーラス状のセラミックス粒状物からなる濾材を立設
してなる曝気式廃水処理装置が記載されている。
【0008】本発明者らによる特公平1−42758号
公報には、曝気槽内の廃水の流れの方向を横断する位置
に、間隔をあけて網体等の有孔材料内に充填してなるポ
ーラス状のセラミックス粒状物からなる濾材を立設して
なる曝気槽とこの曝気槽と管体にて連通した、その底部
に砂や砂利の層からなる濾過層を設け、その上にポーラ
ス状のセラミックス粒状物を積層させた処理層を設け、
該処理層の上面と該濾過層の下面に散気管を配してなる
処理槽からなる曝気式高度廃水処理装置が記載されてい
る。
【0009】特公平2−1558号公報には、主として
家庭用雑排水、産業廃水、食品加工廃水等の廃水を、多
孔質セラミックスと木質細片を主成分とする処理媒質中
で生物学的に処理する方法が記載されている。
【0010】本発明者らによる特公昭63−66247
号公報には、ポーラスなセラミックスと活性炭との混合
物を濾材として円筒体に充填しフィルター装置とした乳
化性の含油廃水の処理法が記載されている。
【0011】本発明者らによる特開昭60−26158
6号公報には、ポーラスなセラミックスの層の間に活性
炭の層からなる中間層を設けたものを濾材として、水道
水等の飲料水中から、金属、金属イオン及び有機塩素化
合物を除去する方法が記載されている。
【0012】また、本願発明者らによる特開昭61−2
91473号公報には、これら排水・廃液処理に用いら
れる多孔質セラミックスの製造法として、「粘土鉱物粉
末に水を添加混合したスラリーに気孔形成材料を含有さ
せ、乾燥、焼成して多孔質セラミックスを製造する方法
において、前記気孔形成材料は、金属粉末又は有機金属
結合物を気孔表面に結合させる前処理を施し、焼成は空
気中又は窒素雰囲気下で行うことを特徴とする多孔質セ
ラミックスの製造法」が記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在そ
の処理が問題になっているリン、チッソを含有する排水
・廃液の処理に上記方法や、従来から知られているポー
ラスセラミックスを適用しても、完全に排水・廃液中の
リン、チッソを容易に除去することはできなかった。
【0014】また、前記特開昭61−291473号公
報には、その実施例の記載によると、乾燥成型体を昇温
し、1200〜1500℃程度で1時間焼成して多孔質
セラミックスを製造しているが、かかる1200〜15
00℃までの電気炉による短時間での昇温と1時間程度
の焼成では、得られるセラミックスは全体的に均質なも
のとなり、その気孔表面は非晶質とはなっておらず、そ
の圧縮強度においてバラツキが大きく、圧縮強度の小さ
いセラミックスは微粉化しやすく、排水・廃液処理用カ
ラムに充填して用いた場合、目詰まりが生じて長時間の
使用が難しく、また、各種排水・廃液の処理に用いた場
合、有害・汚染成分の除去性能が不十分でかつ長期使用
に難があり、実用的といい得るものではなかった。
【0015】本発明の課題は、現在その処理が問題にな
っているリン、チッソ含有排水・廃液から、これらリ
ン、チッソを我が国の水質環境基準を下回り、従来の処
理方法では達成し得なかった低濃度にまで除去しうると
共に、長期使用に耐える実用的な処理方法及びその処理
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポーラス
セラミックスを利用した、排水・廃液中の各種有害汚染
物質の除去について長年研究し、偶々開発した気孔表面
が非晶質であるポーラスセラミックス(特願平8−25
0454号)が、現在その処理が問題になっているリ
ン、チッソをはじめとする各種排水・廃液中の有害汚染
物質の除去に有効であることを見いだし、加えてかかる
気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスの優れた
有害汚染成分除去機能をリン、チッソ含有排水・廃液の
処理に適用する際の実用的な最適条件・最適装置につい
て鋭意研究し、本発明を完成した。
【0017】即ち、本発明は、粘土と気孔形成材料と水
を混合し、適宜形状に成形後、乾燥させ、該乾燥成型体
の品温を、該成型体中の気孔形成材料の自燃等により、
5〜15時間、望ましくは10時間程度かけて、常温か
ら600〜800℃まで昇温させた後、成型体の品温を
600〜800℃で3〜7時間、望ましくは5時間程度
維持せしめ、次いで1200〜1500℃まで昇温させ
た後、この温度で4〜8時間、望ましくは6時間程度焼
成し、冷却後クラッシャー処理を施して得られる気孔表
面が非晶質であるポーラスセラミックスを用いたリン、
チッソ含有排水・廃液の処理方法に関する。
【0018】また、本発明は、リン、チッソを含有する
排水・廃液を、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスと活性炭との混合物、望ましくは等重量混合物で
処理するリン、チッソ含有排水・廃液の処理方法に関す
る。
【0019】本発明は、また、リン、チッソを含有する
排水・廃液を、気孔表面が非晶質のポーラスセラミック
スと活性炭との混合物が収容されており、上部が開放さ
れている溜置開放曝気槽に導入し、該溜置開放曝気槽の
底部からエアレーションし、該エアレーション処理後の
排水・廃液を、気孔表面が非晶質のポーラスセラミック
スと活性炭との混合物が充填されているカラムを通過さ
せ、必要に応じていずれかの工程で凝集剤を用いた凝集
沈殿処理を併用する、リン、チッソ含有排水・廃液の処
理方法に関する。
【0020】
【0021】さらに、本発明は、必要に応じて備えられ
た凝集沈殿槽と、気孔表面が非晶質のポーラスセラミッ
クスを含む処理剤が収容された、上部が開放され、底部
からエアレーションができる溜置開放曝気槽と、気孔表
面が非晶質のポーラスセラミックスを含む処理剤が充填
されているカラムとが配設されているリン、チッソ含有
排水・廃液の処理装置に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】リン、チッソを含有する排水・廃
液としては、河川、湖沼からの排水、乳製品、水産加工
品、発酵食品等の食品製造業、畜産業、紙・繊維製造
業、印刷業、各種化学工業、石油精製業、ガラス・ソー
ダ工業、鉄鋼業、金属・機械表面処理業等の工場の排水
・廃液の他に、不燃物埋立地からの浸出汚水、病院、洗
濯業、試験研究機関等からの排水を例示することができ
る。
【0023】次に本発明において用いられる、気孔表面
が非晶質であるポーラスセラミックスの製法について述
べる。気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスの
製法に用いられる「粘土」とは、水分を加えると粘着性
と可塑性を示し、乾くと硬くなる性質を有し、その大部
分が、ケイ酸塩鉱物を主成分とする粘土鉱物から構成さ
れているものをいうが、必要に応じてカルシウム、マグ
ネシウム、ナトリウム、カリウム等他の無機成分等を含
有していてもよい。
【0024】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法に用いられる「気孔形成材料」とは、オガク
ズ、木屑、モミガラ、麦ワラ、フスマ、バーク(木の
皮)等植物に由来するもの、プラスチック屑、粒状吸収
性高分子、炭酸水素ナトリウム等、加熱によってガスを
発生するものであればどのようなものでも用いることが
できるが、オガクズ、木屑が自然段階における急激なガ
ス発生がなく、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスの構造を安定的に形成するという観点から望まし
い。
【0025】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法に用いられる「水」としては、通常水道水が
用いられるが、その他粘土鉱物中にアルカリ分が少ない
場合には海水も使用できる。また、他の原料である粘
土、気孔形成材料に水分が含まれている場合は、その水
分でもって代用することもできる。
【0026】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法において、粘土と気孔形成材料と水との「混
練」は、これら3者を適宜順序で、モルタルセメントミ
キサー等の混練機で均一になるまで混練することにより
行われ、また、これら成分の混合割合は、本発明に用い
られる気孔表面非晶質ポーラスセラミックスが得られる
ならばどのような割合でもよいが、連続気孔部に非晶質
部を多く形成させ、処理対象物質をその他の非平滑部に
吸着させる目的の観点からして、粘土2:水3.2:気
孔形成材料6.76(重量部、以下同じ)の割合の混合
物が望ましいが、これに限定されるものではない。混合
後は、焼成の便なるように、煉瓦状、円盤状等適宜形状
に成型される。
【0027】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法における成型後の「乾燥」は、通常室温で含
水率40%になるまで静置することにより行われるが、
バーナー等を用いた通風乾燥等により実施することもで
き、上記静置乾燥に限定されるものではない。
【0028】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法における「昇温」及び「焼成」は、電気炉、
耐火煉瓦からなる窯業釜又はキルン等上記乾燥後の成型
体を加温・焼成することができるものであればいかなる
ものでも使用しうるが、均一なセラミックス製品を一度
に大量生産することが出来るという観点からは窯業釜又
はキルンが望ましい。
【0029】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法において、焼成後の成型体は、これをそのま
まブロックタイプやカートリッジタイプのフィルターと
して使用することができるが、これをカラム等に充填し
て用いる場合には通常クラッシャー(粉砕)処理が施さ
れる。このクラッシャー処理には、ロール型等通常の粉
砕機であればどのようなタイプのものでも使用できる
が、カラム等における使用に適さない粉状のセラミック
スの生じる割合を減ずるために、本発明者らが改良した
ロールとロールの最狭部が10〜30mmに調整された
ロール型クラッシャーを用いることが望ましい。
【0030】次に気孔表面が非晶質であるポーラスセラ
ミックスを製造する上で、最も重要な「昇温」及び「焼
成」工程について説明する。まず、成型後乾燥させた成
型体の品温を、徐々に常温から600〜800℃、望ま
しくは800℃まで昇温させる。かかる緩慢な昇温工程
を採用することにより、焼結後のセラミックスの性状が
成型体製造時とほぼ同様の形状を保つことにより、充分
な連続気孔を形成しつつ、充分な処理対象物との反応部
を有するものとなる。
【0031】他方、この緩慢な昇温工程を採用しない従
来の昇温方法、例えば前記特開昭61−291473号
公報に記載されている多孔質セラミックスを製造する場
合のように、電気炉等を用いて急激な昇温過程をたどる
昇温方法を採用すると、焼結後のセラミックスが結晶成
分間の結合が不十分でもろく、同時にセラミックスに形
成された気孔表面の大部分が結晶質で覆われ、被処理成
分が気孔中を通過する際の抵抗が大きくなり、被処理成
分が気孔中へ充分浸透することができないという性質・
性状を有するものとなり、これを廃水・廃液中の汚染・
有害成分の除去に適用した場合、その除去が不十分なも
のとなり、かつ長期の使用に耐えうるものが得られな
い。
【0032】かかる緩慢な常温から600〜800℃ま
での昇温に要する時間は、成型物の大きさや量にもよる
が、通常5〜15時間程度、望ましくはおよそ10時間
かけて行う。このような昇温を制御するには、電気炉や
窯業釜およびキルンの加熱加温を調節することによって
実施することができるが、気孔形成材料がオガクズ等可
燃性である場合は、むしろ乾燥成型体の一隅を、例えば
バーナー等により点火し、成型体中のオガクズ等の可燃
性気孔形成材料自体の燃焼(自燃)により行うことが特
に望ましい。この自燃による品温の制御方法は、ポーラ
スセラミックスを調製する上で本発明者らにより初めて
見いだされた画期的な方法であり、この方法を採用する
ことにより、リン、チッソ含有排水・廃液等のより優れ
た排水・廃液処理用の気孔表面が非晶質であるポーラス
セラミックス製品が得られることが確かめられた。
【0033】このように、5〜15時間かけて乾燥成型
体の品温が600〜800℃に達した段階で、成型体中
のオガクズ等の可燃物は灰化する。この段階で、追い焚
き等によりこの600〜800℃の温度を3〜7時間、
望ましくはおよそ5時間保持する。この工程は気孔表面
が非晶質のポーラスセラミックスを製造する上で不可欠
な工程である。
【0034】この工程を採用することにより、粘土中の
アルカリ成分が徐々に溶けだし、その結果、ポーラスな
セラミックスの連続気孔表面が非晶質となり、焼結後の
ポーラスセラミックスの強度が増大する。この工程を採
用することなく、従来行われているように常温から12
00〜1500℃まで一気に加温すると、焼成後のセラ
ミックスの品質にバラツキが生じるばかりか、有害・汚
染物質の除去性能においても不十分なものとなる。
【0035】例えば、その圧縮強度が大きいものから小
さいものまで種々の強度のものが生じ、強度の小さいも
のは、焼成後のクラッシャー処理において粉状になり、
この粉状セラミックスをカラムに充填後、排水・廃液処
理に供すると、流体抵抗が大きく、すぐに目詰まりを生
じ、到底実用に供することはできないものである。
【0036】次に、この600〜800℃で3〜7時間
加熱された成型体は、4時間程度かけて1200〜15
00℃まで昇温させる。本発明において、1200〜1
500℃とその焼成温度に幅があるのは、粘土中の二酸
化ケイ素およびアルカリ分の量を制御し、焼成結果とし
て異なる活性表面を得るためという理由による。すなわ
ち、粘土中のアルカリ分が比較的多く、焼結が容易な場
合については1200℃程度でよいが、ケイ素分が多く
焼結が困難な場合には1500℃での焼成がよく、幅広
い用途に用いることが可能なセラミックスを得るという
理由でおよそ1250℃での焼成が特に好ましい。
【0037】成型体の品温が、1200〜1500℃に
達したならば、この温度で4〜8時間、望ましくは6時
間程度焼成する。この温度での焼成時間が、前記特開昭
61−291473号公報に記載されているように1時
間程度であると、連続気孔形成部の表面非晶質化が不充
分で周囲の粒子との充分な焼結強度が得られないという
理由から、破壊しやすいという欠点を有するセラミック
スしか得られない。
【0038】本発明において、「気孔表面が非晶質」と
は、セラミックス内部に形成される連続気孔の表面が、
ケイ酸ソーダを主成分とする非晶質と、ケイ酸ソーダや
酸化カルシウムなどの結晶質(結晶性粒子)を合わせも
ったものをいう。結晶質(結晶性粒子)の部分は、廃水
中の処理対象成分と反応するが、非晶質の部分は反応に
寄与しない。
【0039】しかし、連続気孔表面を株式会社日立製作
所製の電界放射型走査電子顕微鏡S−4200型により
加速電圧10KV(二次電子像)及び20KV(反射電
子像)、撮影倍率3000倍の条件下で観察したとこ
ろ、例えば前記特開昭61−291473号公報に記載
されている従来の多孔質セラミックスでは、図1に示す
ように、セラミックス粒子の表面1ばかりでなく、連続
気孔2の表面の大部分が結晶性粒子3に覆われており、
処理対象成分の流れ4がセラミックス粒子に到達し、連
続気孔2中を通過しようとしても、抵抗が大きく、処理
対象成分が気孔2中へ充分流入・浸透することができ
ず、処理対象成分との反応に寄与するのは、殆どセラミ
ックス粒子の表面1であるのに対し、本発明に用いられ
る表面非晶質ポーラスセラミックスでは、図2に示すよ
うに、連続気孔2の表面に平滑な非晶質部分5が存在
し、処理対象成分の流れ4がセラミックス粒子に到達
し、連続気孔2中を通過する際の抵抗が少なく、処理対
象成分が気孔2中へ充分流入・浸透することができ、こ
れにより、セラミックス粒子の表面1のみならず、気孔
2中に存在する結晶性粒子3が処理対象成分と反応し、
その結果優れたリン、チッソ含有排水・廃液処理効果を
達成しうると考えられる。
【0040】本発明において用いられる「活性炭」と
は、木炭、ヤシ殻、石炭チャーその他動物の骨や血液等
の原料を十分に炭化して製造されるものであればよく、
大きな比表面積と吸着能をもつ多孔質の炭素質からなる
物質であれば、現在市販されているものに限定されるも
のではない。
【0041】本発明において用いられる「凝集剤」と
は、排水中の微細な懸濁物を凝集させてフロック(集
塊)にし得るものであれば特に限定されるものではな
く、例えば塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、水酸化カル
シウム等の無機凝集剤と、界面活性剤又は高分子凝集剤
からなる有機高分子凝集剤を併用することができる。
【0042】本発明において用いられる「溜置開放曝気
槽」としては、通常用いられる開放型の曝気槽であれば
よく、例えば上部が開放された、直径50cm、高さ6
0cmの円筒状のもので、底面には空気導入管が接続さ
れ、コンプレッサー又はブロアーにより導入された空気
が、槽内底部に設けられた有孔板又はデフューザーによ
り槽内に均一に分散してエアレーションし得るものが挙
げられる。また、エアレーション中被処理液は、槽内に
溜置かれる。
【0043】本発明において用いられる「カラム」とし
ては、通常の吸着処理等に用いられるカラムであればよ
く、垂直に配設され、かつ3本のカラムを直列に連設し
たものを例示することができるが、本発明の効果を達成
しうる範囲で、傾斜を設けて配置することや、長い1本
のカラムを用いることや、並列に配設したものを用いる
等適宜変更することができる。また、カラムへの通液は
下方向から上方向へ行うのが望ましい。
【0044】なお、本発明に用いられる気孔表面が非晶
質のポーラスセラミックスは、リン、チッソを含有する
排水・廃液の他、トリクロロエタンのような有機塩素含
有排水・廃液、有機窒素含量が高い養豚屎尿排水・廃
液、鉛、六価クロム、ニッケル、水銀、亜鉛、カドミウ
ム、セレン等の重金属含有排水・廃液、水溶性タンパク
含量が高い乳製品製造工場、水産加工処理場、屠殺場か
らの排水・廃液、、パルプ工場排水・廃液、写真現像に
伴って排出される廃液・排水、自動車の洗車場からのワ
ックスと洗剤が混じった排水・廃液等にも適用しうる。
【0045】
【実施例】本発明の特徴を明瞭にするため次に実施例・
参考例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。なお、実施例・参考例中の部数は重量部
を表す。
【0046】参考例1:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスの製造 粘土(瀬戸地方から採取した)2部と水3.2部とオガ
クズ6.76部とを、混練機を用いてよく混練し、縦と
横と高さがそれぞれ250mm×130mm×110m
mの煉瓦状に成型し、その含水率が40%になるまで、
常温で3昼夜乾燥させた。この乾燥煉瓦状成型体を、容
積10m3の窯業釜に入れ、その一隅にバーナーで点火
した。およそ10時間後、該成型体中のオガクズが自燃
により灰化し、品温はおよそ800℃に達していた。こ
の品温800℃程度の灰化成型体を加熱(追い焚き)
し、5時間程度その品温をおよそ800℃に保持した。
【0047】次いで、およそ4時間かけて、成型体の温
度がおよそ1250℃になるまで加熱し、この温度でお
よそ6時間焼成した。焼成後の成型体が冷却した後、釜
から取り出した。
【0048】この時点で成型体の圧縮強度を株式会社島
津製作所製の圧縮強度試験機で測定したところ、6.0
〜9.5Kg/cm2という高圧縮強度範囲のものが得
られた。次に、このものをクラッシャーにかけ粉砕した
ところ、その径が10mm以上のものが20%、6〜1
0mmのものが30%、2〜6mmのものが20%、2
mm以下の粉状のものが30%の割合で得られた。
【0049】参考例1で得られたポーラスセラミックス
の物性は以下のとおりであった。 カサ比重 0.36〜0.40 気孔率 86.7% 比表面積 23m2/g
【0050】上記ポーラスセラミックスの組成を、KE
VEX社製のエネルギー分散型X線分光機SIGMA2
型により加速電圧15KV、測定時間100秒の条件下
で測定したところ、セラミックス全体の組成は、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム等から
なり、粒子表面と気孔表面の活性部分の組成は、ケイ酸
ソーダ、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム等の結晶質であり、また、気孔表面の非活性部
分の組成は、ケイ酸ソーダ、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム等の非晶質であっ
た。
【0051】また、本発明に用いられるポーラスセラミ
ックスは、セラミックスの全体及びその外部表面の組成
に比べて、その気孔表面の組成としてケイ素系成分が多
く、また前記電子顕微鏡写真による表面状態からして、
その気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスであ
ることがわかる。
【0052】比較例1:従来法によるポーラスセラミッ
クスの製造 次の昇温・焼成工程を採用する以外は参考例1と同様に
行った。すなわち実施例1と同様に調整した乾燥煉瓦状
成型体を電気炉に入れ、その品温がほぼ直線的に125
0℃まで上昇するまで4時間加熱し、1250℃でおよ
そ1時間焼成した。
【0053】焼成後の成型体の圧縮強度を、参考例1同
様、株式会社島津製作所製の圧縮強度測定機で測定した
ところ、2.1〜9.6Kg/cm2であり、圧縮強度
の範囲にバラツキがみられ、また低圧縮強度のものの占
める割合が高かった。次に、このものをクラッシャーに
かけ粉砕したところ、その径が10mm以上のものが5
%、6〜10mmのものが10%、2〜6mmのものが
20%、2mm以下のものが65%の割合で得られ、参
考例1に比べて、粉状のものの占める割合が非常に高か
った。
【0054】比較例1で得られたポーラスセラミックス
の物性は以下のとおりであった。 カサ比重 0.4〜0.52 気孔率 85.6〜87.1% 比表面積 18〜38m2/g
【0055】このポーラスセラミックスの組成を、参考
例1と同様に測定したところ、セラミックス全体の組
成、粒子表面と気孔表面の活性部分の組成及び気孔表面
の非活性部分の組成においては大差はなかった。
【0056】上記の各種物性値を参考例1のものと比べ
ると、組成全体や外部表面の組成には差異はないが、そ
の電子顕微鏡写真による気孔表面の状態からして、本発
明に用いられる気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスと異なり、その気孔表面は大部分が酸化ケイ素、
酸化カルシウム等からなる均質な結晶質であり、結晶粒
子が大きく、また結晶粒子間の結合が不十分で、参考例
1のものに比べ活性な結晶粒子が適量配置された構造と
はなっていない(前記図1及び図2参照)。
【0057】実施例1:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスを用いたリン、チッソを含有する不燃物埋立
地からの浸出汚水原水の処理(その1)
【0058】参考例1で得られたその径が6〜10mm
の気孔表面が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭
(武田薬品株式会社製)の50:50の混合割合(重量
比)のものを用いて、図3に示す処理装置を用いて、リ
ン、チッソを含有する不燃物埋立地からの浸出汚水を処
理した。浸出汚水原水は、少し異臭を有する薄い黄褐色
(pH7.5)を呈していた。
【0059】図3に示す処理装置は、リン、チッソ含有
被処理液10としての浸出汚水原水を収納する被処理液
収納槽11と、凝集剤タンク12が上部に配設され、モ
ーターM等による撹拌機構を備えた凝集沈殿槽13と、
上部は開放され、底部はコンプレッサーCによりエアレ
ーション(通気)ができるようになっている溜置開放曝
気槽14と、垂直に配設され、かつ直列に連設した3本
のカラム15(直径26mm、長さ103mm、容積5
0ml)と、これらを連結するパイプ16と、通液の駆
動源であるポンプPから構成されている。そして、溜置
開放曝気槽14と直列に連設した3本のカラム15とに
は、共に上記した気孔表面が非晶質のポーラスセラミッ
クスと活性炭との50:50の混合物17が収容されて
いる。
【0060】まず、被処理液収納槽11中の不燃物埋立
地からの浸出汚水原水10をポンプPにより、沈殿凝集
槽13に導入した。沈殿凝集槽13に凝集剤タンク12
の1つから塩化第二鉄(FeCl3)の45%溶液を投
入し、よく撹拌してpHを3以下とした後、2つめの凝
集剤タンク12から水酸化カルシウム(Ca(OH)2
の10%混濁液を投入しよく撹拌してpHを7に調整し
た。次いで、3つめの凝集剤タンク16から、高分子凝
集剤として三共化成工業株式会社製の商品名「サンポリ
ー A−715」の0.05%溶液を0.5〜1.0%
の濃度となるように投入しよく撹拌して、浮遊粒子等を
フロックとして凝集沈殿させる。この凝集沈殿処理後の
上澄部分は異臭が殆どせず、無色透明を呈していた。
【0061】凝集沈殿槽13の上澄部分をポンプPによ
り溜置開放曝気槽14に導入し、滞留(溜置き)しつつ
3時間エアレーション処理を施した後、その処理液を直
列に連設した3本のカラム15に順次6cm/分の流速
で下方から上方へ通液させ処理を終了した。
【0062】浸出汚水原水(試料A)、溜置開放曝気槽
14内で3時間エアレーション処理後の試料(試料
B)、及び直列に連設した3本のカラム15の通液後の
処理済試料(試料C)の各々につき、試料Aと試料Cと
は、化学的酸素要求量(COD)、アンモニア性窒素
(NH4−N)、亜硝酸性窒素(NO2−N)、硝酸性
窒素(NO3−N)、ケルダール法により検出される窒
素(ケルダールN)及び全窒素(TOTAL−N)を、
日本工業規格 K 0102(工場排水試験方法)のそれ
ぞれ17、42.3、43.1、24.1、44.3及
び45.1に定められた方法により測定し、試料Bにつ
いては、処理過程の目安とするために全窒素(TOTA
L−N)及び全燐(TOTAL−P)の量を同様に日本
工業規格 K 0102の45.2及び46.3.1に定
められた方法により測定した。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1よりわかるように、気孔表面が非晶質
のポーラスセラミックスを用いる本発明の処理法による
と、処理後のリン、チッソ濃度は、共に我が国における
一般排水基準リン16mg/L、チッソ120mg/L
(日量平均リン8mg/L、チッソ60mg/L)近く
まで低下していることがわかる。なお、全燐について
は、溜置開放曝気槽14内で3時間エアレーション処理
により殆ど除去できたので試料Cについての測定は省略
した。また試料Cにおける亜硝酸性窒素の増加は、アン
モニア性窒素からの変換によるものと思われる。
【0065】実施例2:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスを用いたリン、チッソを含有する不燃物埋立
地からの浸出汚水原水の処理(その2)
【0066】溜置開放曝気槽14におけるエアレーショ
ン処理後、再度凝集沈殿処理をする以外は実施例1と同
様に行った。すなわち、被処理液収納槽11中の不燃物
埋立地からの浸出汚水原水10をポンプPにより、凝集
沈殿槽13に導入した。凝集沈殿槽13に凝集剤タンク
12の1つから塩化第二鉄(FeCl3)溶液を投入し
よく撹拌してpHを3以下とした後、2つめの凝集剤タ
ンク12から水酸化カルシウム(Ca(OH)2)溶液を
投入しよく撹拌してpHを7に調整した。次いで、高分
子凝集剤を3つめの凝集剤タンク12から投入しよく撹
拌して、浮遊粒子等をフロックとして凝集沈殿させた。
凝集沈殿槽13の上澄部分をポンプPにより溜置開放曝
気槽14に導入し、滞留(溜置き)しつつ3時間エアレ
ーション処理を施した後、その処理液を上記凝集沈殿槽
13に再度還流し、上記凝集沈殿処理を繰り返した。凝
集沈殿物を除いた上澄部分を直列に連設した3本のカラ
ム15に順次6cm/分の流速で下方から上方へ通液さ
せ処理を終了した。
【0067】浸出汚水原水(試料A)2回目の凝集沈殿
処理後の上澄試料(試料D)、及び直列に連設した3本
のカラム15を通液後の処理済試料(試料E)の各々に
つき、試料Aと試料Eとは、化学的酸素要求量(CO
D)、アンモニア性窒素(NH4−N)、亜硝酸性窒素
(NO2−N)、硝酸性窒素(NO3−N)、ケルダー
ル法により検出される窒素(ケルダールN)及び全窒素
(TOTAL−N)を、日本工業規格 K 0102(工
場排水試験方法)のそれぞれ17、42.3、43.
1、24.1、44.3及び45.1に定められた方法
により測定し、試料Dについては、処理過程の目安とす
るために全窒素(TOTAL−N)及び全燐(TOTA
L−P)の量を同様に日本工業規格 K 0102の4
5.2及び46.3.1に定められた方法により測定し
た。結果を表2示す。
【0068】
【表2】
【0069】表2よりわかるように、凝集沈殿処理を繰
り返すことにより全窒素濃度はさらに低下し、処理後の
リン、チッソ濃度は、共に我が国における一般排水基準
リン16mg/L、チッソ120mg/L(日量平均リ
ン8mg/L、チッソ60mg/L)を大きく下回って
いた。また、全燐については殆どすべてが除去され、
0.005mg/L以下という驚くべき値を示した。
【0070】実施例3:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスを用いた、低濃度チッソを含有する排水・廃
液の処理
【0071】実施例1と同様に、参考例1で得られたそ
の径が6〜10mmの気孔表面が非晶質のポーラスセラ
ミックスと活性炭(武田薬品株式会社製)の50:50
の混合物を用いて、図4に示す処理装置を用いた。低濃
度のチッソを含有する被処理液として、本発明の気孔表
面が非晶質のポーラスセラミックスの優れた除去能力を
明らかにするため、不燃物埋立地からの浸出汚水の10
倍希釈液を用いた。
【0072】図4に示す処理装置は、リン、チッソ含有
被処理液10としての浸出汚水10倍希釈液を収納する
被処理液収納槽11と、上部は開放され、底部はコンプ
レッサーCによりエアレーションができるようになって
いる溜置開放曝気槽14と、垂直に配設され、かつ直列
に連設した3本のカラム15(直径26mm、長さ10
3mm、容積50ml)と、これらを連結するパイプ1
6と、通液の駆動源であるポンプP等から構成され、実
施例1及び2のように凝集剤タンク12及び凝集沈殿槽
13は特に設けられていない。また、溜置開放曝気槽1
4と直列に連設した3本のカラム15とには、共に上記
した気孔表面が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭
の50:50の混合物17が収容されている。
【0073】まず、被処理液収納槽11中の不燃物埋立
地からの浸出汚水10倍希釈液をポンプPにより、溜置
開放曝気槽14に導入した。浸出汚水10倍希釈液を溜
置開放曝気槽14内で滞留(溜置き)しつつ5時間エア
レーション処理をした後、その処理液を直列に連設した
3本のカラム15に6cm/分の流速で下方から上方へ
順次通液させ処理を終了した。
【0074】浸出汚水10倍希釈液(試料F)、溜置開
放曝気槽14内で3時間エアレーション処理後の試料
(試料G)、溜置開放曝気槽14内で5時間エアレーシ
ョン処理後の試料(試料H)、及び直列に連設した3本
のカラム15を通過後の処理済試料(試料I)の各々に
つき、化学的酸素要求量(COD)、アンモニア性窒素
(NH4−N)、亜硝酸性窒素(NO2−N)、硝酸性
窒素(NO3−N)、ケールダール法により検出される
窒素(ケールダールN)及び全窒素の量を、上記した日
本工業規格 K 0102(工場排水試験方法)に定めら
れた方法により測定した。(但し、CODに関しては、
試料F及び試料Iについてのみ測定している。)結果を
表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】従来、50mg/L以下の低濃度のチッソ
を除去することは不可能と考えられていたにもかかわら
ず、表3からもわかるように、本発明によると14mg
/Lという低濃度の全窒素をわずか1.7mg/Lまで
に低下させることができた。また、亜硝酸性窒素及び硝
酸性窒素は、従来除去不可能とされており、活性汚泥に
おいても、その中のアンモニア性窒素が酸性条件下では
硝酸や亜硝酸に変換することから、そうならないように
十分注意しながら処理しているの現状である。この実施
例3のみならず、上記実施例1及び実施例2において
も、チッソ化合物全般が処理できていることがわかる。
【0077】比較例2:活性炭のみを使用した有機塩素
含有廃液の処理 実施例1における気孔表面が非晶質のポーラスセラミッ
クスと活性炭の混合物に代えて、活性炭のみを用いる以
外は実施例1と同様に行った。その結果、リン、チッソ
とも殆ど除去することができなかった。
【0078】比較例3:従来法によるポーラスセラミッ
クスを使用した有機塩素含有廃液の処理 比較例1により製造されたポーラスセラミックスを用い
る以外は実施例1と同様に行った。その結果、比較例1
により製造されたポーラスセラミックスと活性炭の混合
物による処理は、上記比較例2における活性炭単独処理
と大差なく、リン、チッソとも殆ど除去することができ
ず、本発明に用いられる気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスと活性炭を用いた場合に比べて劣っていた。
【0079】
【発明の効果】本発明に用いられる気孔表面が非晶質の
ポーラスセラミックスを用いると、現在その処理が問題
となっているリン、チッソを含有する排水・廃液中のリ
ン、チッソの除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のポーラスセラミックスの気孔表面の状態
を示す模式図である。
【図2】本発明に用いられるの気孔表面非晶質ポーラス
セラミックスの気孔表面の状態を示す模式図である。
【図3】リン、チッソを含有する排水・廃液の処理に用
いられる一の実施例の装置の縦断面図である。
【図4】リン、チッソを含有する排水・廃液の処理に用
いられる他の実施例の装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ポーラスセラミックス粒子の表面 2 ポーラスセラミックス粒子の連続気孔 3 ポーラスセラミックス粒子における結晶性粒子 4 処理対象物の流れ 5 ポーラスセラミックス粒子の気孔表面の非晶質部分 10 リン、チッソ含有被処理液 11 被処理液収納槽 12 凝集剤タンク 13 凝集沈殿槽 14 溜置開放曝気槽 15 カラム 16 パイプ 17 気孔表面が非晶質のポーラスセラミックスと活性
炭との混合物
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/28 C02F 1/58 B01J 20/00 - 20/34 B01D 39/00 - 41/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン、チッソを含有する排水・廃液を、
    気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスを含有す
    る処理剤で処理するリン、チッソ含有排水・廃液の処理
    方法であって、 前記気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスが、
    粘土と気孔形成材料と水を混合し、適宜形状に成形後、
    乾燥させ、該乾燥成型体の品温を成型体中の気孔形成材
    料の自燃により5〜15時間かけて、常温から600〜
    800℃まで昇温させ、600〜800℃で3〜7時間
    保持した後、1200〜1500℃まで昇温させ、12
    00〜1500℃で4〜8時間焼成した後クラッシャー
    処理したものである ことを特徴とするリン、チッソ含有
    排水・廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスを含有する処理剤が、気孔表面が非晶質であるポ
    ーラスセラミックスと活性炭との混合物であることを特
    徴とする請求項1記載のリン、チッソ含有排水・廃液の
    処理方法。
  3. 【請求項3】 リン、チッソを含有する排水・廃液を、
    気孔表面が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭との
    混合物が収容されており、上部が開放されている溜置開
    放曝気槽に導入し、該溜置開放曝気槽の底部からエアレ
    ーションし、該エアレーション処理後の排水・廃液を、
    気孔表面が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭との
    混合物が充填されているカラムを通過させることを特徴
    とするリン、チッソ含有排水・廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 凝集剤を用いた凝集沈殿処理を併用する
    ことを特徴とする請求項3記載のリン、チッソ含有排水
    ・廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスが、粘土と気孔形成材料と水を混合し、適宜形状
    に成形後、乾燥させ、該乾燥成型体の品温を成型体中の
    気孔形成材料の自燃により5〜15時間かけて、常温か
    ら600〜800℃まで昇温させ、600〜800℃で
    3〜7時間保持した後、1200〜1500℃まで昇温
    させ、1200〜1500℃で4〜8時間焼成した後ク
    ラッシャー処理したものであることを特徴とする請求項
    3又は4記載のリン、チッソ含有排水・廃液の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 気孔表面が非晶質のポーラスセラミック
    スと活性炭との混合物が、50:50の混合割合(重量
    比)のものであることを特徴とする請求項2〜5のいず
    れか記載のリン、チッソ含有排水・廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 気孔表面が非晶質のポーラスセラミック
    スを含む処理剤が収容された、上部が開放され、底部か
    らエアレーションができる溜置開放曝気槽と、気孔表面
    が非晶質のポーラスセラミックスを含む処理剤が充填さ
    れているカラムとが配設されていることを特徴とするリ
    ン、チッソ含有排水・廃液の処理装置。
  8. 【請求項8】 凝集沈殿槽が備えられていることを特徴
    とする請求項7記載のリン、チッソ含有排水・廃液の処
    理装置。
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