JPH09235653A - 熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板とその製造方法 - Google Patents

熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板とその製造方法

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JPH09235653A
JPH09235653A JP8065135A JP6513596A JPH09235653A JP H09235653 A JPH09235653 A JP H09235653A JP 8065135 A JP8065135 A JP 8065135A JP 6513596 A JP6513596 A JP 6513596A JP H09235653 A JPH09235653 A JP H09235653A
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coil
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JP8065135A
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Takaaki Nakamura
隆彰 中村
Minoru Kodera
稔 小寺
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は連続熱間圧延設備において、移動す
る鋼板の先行鋼板後端部と、これに続く後行鋼板先端部
を接合し、複数の鋼板を連続して圧延するいわゆる熱延
連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 特定成分の鋼片を特定の圧延条件下で熱
延連続化プロセスにより製造し、圧延のままで熱延鋼板
の表面スケール厚さが5μm以下であり、かつコイル内
での表面スケール厚さの変動が1μm以内であることを
特徴とする熱延連続化プロセスによるスケール密着性の
優れた熱延鋼板。 【効果】本発明によれば、熱間圧延鋼板でのスケール生
成量が少なく(薄い)、かつコイル内においてもその厚
みに差なく、密着性に優れた鋼板が得られるようになっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続熱間圧延設備に
おいて、移動する鋼板の先行鋼板後端部と、これに続く
後行鋼板先端部を接合し、複数の鋼板を連続して圧延す
るいわゆる熱延連続化プロセスによるスケール密着性の
優れた熱延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鋼板の連続熱間圧延は、スラブ毎
での圧延を行うため鋼板の先端部と後端部は、鋼板が仕
上圧延機を出た後にコイラーで巻取られるまでの間にお
いては、無張力状態のいわゆる、非定常部とならざるを
得なかった。このため、この部分に該当する鋼板は擦り
傷、形状不良、板幅不良、板厚不良等の鋼板表面品位お
よび形状品位の劣化は避けられなかった。また、上記形
状品位の変化は鋼板の材質についても大きく影響し、冷
却時の冷却ムラにより機械的性質(引張特性等)が大き
くばらつき、定常部分に比し良好な鋼板が得られなかっ
た。そのため、不良部分の除去により鋼板歩留りの低下
と共に、精整通板を必要とする等の作業付加があった。
【0003】また材質については、通板性等の操業上の
観点からコイル(圧延された鋼板はスラブ単位に仕上圧
延後は巻取機によって巻取られてコイル状となるので、
以下単にコイルと称す)長手方向(圧延方向)で圧延速
度が異なるため、単一コイル内であっても圧延温度等の
熱延条件が変化し、機械的性質の変動が生じていた。ま
た、熱延鋼板表面上に発生する黒皮スケールと呼ばれる
鉄の酸化被膜(以下単にスケールと称す)についても定
常部と非定常部とでは、前記のごとき圧延条件の変化に
よりその生成形態にも差異が生じていた。
【0004】このような状況下において、近年複数の粗
圧延後のシートバー(以下、粗バーと称す)を順次接合
して、連続して所定の速度で熱間圧延処理する、いわゆ
る熱延連続化プロセスが試みられている。この熱延連続
化プロセスは、一般に、粗バーを供給する工程、この粗
バーの先端と後端を切断する工程、走行しながら先行粗
バーの後端部と、後行粗バーの先端部を、各々クランプ
して突き合わせて接合する工程、複数のスタンドで該圧
延用鋼板を所定の圧延スケジュールで、所定のサイズに
仕上げる熱間仕上圧延工程、熱間仕上圧延工程を出た鋼
板を冷却し巻取る工程、熱間仕上圧延工程と巻取り工程
との間にあって、鋼板を所定の重量または長さ単位で切
断する走間切断分割工程とから構成されている。
【0005】このための粗バーの接合方法としては、各
種の提案がなされており、例えば、特開平4−2889
06号公報には、先行材と後行材の端面接触領域を幅方
向の少なくとも両端部域となるよう切断加工を施し、加
熱と搬送速度を調整し両縁部近傍に圧縮応力を発生させ
て相互に密着させることが開示されており、また、特開
平5−104107号公報では、先行材と後行材の端面
幅方向両端部同士を圧延前に熱間溶接した後、幅方向中
央の未接合部を圧延によって熱間圧接する方法が提案さ
れている。また、特公平5−62035号公報では、長
手方向で先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を重
ね合わせて切断し、切断面に直角に圧縮力を加えること
により、新生面同士の結合領域を拡げスケールの除去な
しで両金属板を溶着し、厚み方向で全面接触して強固に
結合する方法が提案されている。
【0006】一方、鋼片を熱間圧延して製造した鋼板の
2次スケールは、成形加工によって一部剥離が避けられ
ないため、従来は酸洗後、リン酸塩処理等の表面処理を
実施したのち成形、加工を行いドラム缶、パイプ等の製
品とし、その後表面被覆する方法が採用されていた。し
かし経済的に不利であるため、最近では表面処理工程を
必要としないスケール密着性に優れた熱延鋼板の製造方
法として、本発明者らが先に出願した特公平5−716
50号公報および特公平6−104853号公報での提
案があり、それなりの効果を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】熱延連続化プロセスに
ついて、その手段は上記のごとく種々の提案がなされて
いるが、鋼板の材質面からの検討については一部なされ
ているのみで、完全なる対策については多くの開発の余
地が残されており、従来での鋼板の先・後端部における
材質不良部を完全に解消するまでには到っていない。ま
た、同様に生成スケールの対策については熱延連続化プ
ロセスの採用により、その効果を確認することはなされ
ておらず、前記したスケール密着性のよい、より確実な
熱延鋼板の実現が望まれていた。
【0008】本発明はこのような従来法での発生スケー
ルの密着性が良好で、かつコイル内でのスケール生成量
のバラツキを解消したスケール密着性に優れた熱延鋼板
とその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであって、その手段は下記の通
りである。 (1)重量%で、C:0.01〜0.25%、Si:
0.02〜0.50%、Mn:0.10〜2.00%、
P:0.025%以下、S:0.025%以下、Al:
0.080%以下、Cr:0.02〜0.50%、残部
Feと不可避的不純物とよりなる鋼板を熱延連続化プロ
セスにより製造し、圧延のままで熱延鋼板の表面スケー
ル厚さが5μm以下であり、かつコイル内での表面スケ
ール厚さの変動が1μm以内であることを特徴とする熱
延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼
板。
【0010】(2)重量%で、C:0.01〜0.25
%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.10〜
2.00%、P:0.025%以下、S:0.025%
以下、Al:0.080%以下、Cr:0.02〜0.
50%、残部Feと不可避的不純物とよりなる鋼片を、
加熱炉に装入するかもしくは一旦冷片とした後再加熱
し、コイルボックス内で粗バーの巻取り、巻戻しにより
表面に3%以上の歪みを歪速度0.1(s-1)以上で付
与した後、熱延連続化プロセスにより仕上圧延機内の温
度をAr3 〜900℃で圧下率90%以上の圧延を行
い、かつコイル内仕上温度差を100℃未満とし、平均
仕上圧延速度を500mpm超、かつコイル内仕上圧延
速度差を100mpm未満とした後、5秒以内に注水冷
却を開始し冷却速度40℃/秒以上で600℃以下36
0℃以上の温度で巻取ることを特徴とする熱延連続化プ
ロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板の製造方
法。
【0011】(3)重量%で、C:0.01〜0.25
%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.10〜
2.00%、P:0.025%以下、S:0.025%
以下、Al:0.080%以下、Cr:0.02〜0.
50%、残部Feと不可避的不純物とよりなる鋼片を加
熱炉に装入するか、もしくは一旦冷片とした後再加熱
し、コイルボックス内で粗バーの巻取り、巻戻しにより
表面に3%以上の歪みを歪速度0.1(s-1)以上で付
与した後、熱延連続化プロセスにより仕上圧延機内での
温度をAr3 〜900℃で圧延を行い、かつコイル内仕
上温度差を100℃未満とし、平均仕上圧延速度を50
0mpm超、かつコイル内仕上圧延速度差を100mp
m未満とした後、5秒以内に注水冷却を開始し冷却速度
40℃/秒以上で360℃未満の温度で巻取り、その後
の冷却速度を0.5℃/分以上としたことを特徴とする
熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延
鋼板の製造方法。
【0012】(4)再加熱温度が1100℃以下である
ことを特徴とする(2)または(3)に記載の熱延連続
化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板の製
造方法。 (5)鋼板巻取り後、低酸素雰囲気中で降温することを
特徴とする(2)ないし(4)の何れかに記載の熱延連
続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板の
製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は鋼板の圧延を熱延連続化
プロセスで行うことを目的とし、それにより従来の圧延
で発生していた鋼板の先・後端部での特に表面品位(ス
ケール生成)の劣化を回避すると共に、鋼板定常部を含
む鋼板コイル内でのスケール生成量のバラツキを防ぐと
ころに主眼があり、組成としては通常の熱延鋼板に用い
られている主要元素を含み、これに加えてその目的に応
じ例えば高強度、高靱性、高耐食性等の特性を発揮する
元素の添加を行うことができる。また、鋼種についての
制約もなく通常のアルミキルド鋼、またはアルミ−シリ
コン−キルド鋼等が対象となる。
【0014】本発明が対象としている鋼の成分は通常の
熱延鋼板として使用されているもので、その好ましい含
有範囲および作用について述べる。Cは0.01〜0.
25%とすることにより、本発明にかかわる熱延鋼板の
用途すなわち、デッキプレート、角パイプなどに必要な
強度と2次スケールの密着性が得られる。この値は0.
01%未満では目的とする鋼板の強度上問題があり、ま
た、0.25%超ではスケール/地鉄界面近くにもFe
3 C(セメンタイト)が多くなり、2次スケールの密着
性を悪化させる。Mnを0.10〜2.00%とするこ
とにより、スケール密着性を悪化させることなく目的と
する鋼板の強度を確保するものである。すなわち、0.
10%未満では目的とする鋼板の強度が得られず、ま
た、2.00%超では経済性を失うこととスケール密着
性を悪くさせる。
【0015】Siを0.02〜0.50%とした理由
は、Siは溶接性上非常に重要な働きをする元素として
添加するものである。つまり、Mn/Siで4〜23の
範囲とするとフラッシュバット溶接時のペネトレーター
割れは発生しない。また、C+Mn/20+Si/30
+2P+4Sの値が小さい方がスポット溶接部のナゲッ
ト内破断が発生しにくい。強度は、Ceq=C+Mn/
6+Si/4に比例しており、特に高強度鋼板を製造す
るに当っては目的とする強度を得るには、C,Mnより
Si増とした方がスポット溶接上は好ましく、添加量M
n/Siを配慮して決定する必要がある。さらに、Cr
との同時添加によりスケール密着性が良好になる。これ
らのことからSi添加量は0.02から0.50%以下
とすることによりスケール密着性が良好でMn/Si=
4〜23を確実に得るものである。
【0016】Pを0.025%以下、Sを0.025%
以下とすることにより、P,Sが加熱および熱延中にス
ケール/地鉄界面に富化、2次スケール密着性を悪くす
るのを予防している。本発明の目的のためには、P,S
ともに少ない方が好ましい。しかし脱P、脱Sともに処
理コストが嵩むので経済上の許容範囲を考慮して含有量
はこの値以下で適宜決定することでよい。
【0017】次に本発明の目的とする鋼板製造のため溶
鋼処理過程でAl脱酸した場合Alの含有は不可避的で
あるので、Alのスケール密着性に対する影響について
調査した結果、スケール密着性を良好に維持できるAl
の許容範囲は0.08%以下であることが認められた。
また、Crを0.02から0.50%以下とすることに
より、微細なクロムカーバイドを形成し、セメンタイト
量を減少することと、さらにSiとの同時添加によりC
r−Si−O系化合物のスケールと地鉄の間にアンカー
リング状に形成されるために、Crを0.02%未満し
か添加しないで、後述の熱延条件で製造した熱延鋼板に
比べてより一層スケール密着性が向上する。このCr添
加の密着性向上に対する効果も0.50%までであり、
これ以上は経済性を失う。さらにNb,Mo,V,Zr
の元素の添加は必要とする材質特性、特に強度向上の要
望を満たすために経済的許容範囲において添加すること
は妨げない。
【0018】次に、本発明の熱延連続化プロセスを工程
順にその特徴部分と、その効果および熱延条件の限定理
由について以下に説明する。図1は本発明を実施するた
めの設備配置の一例を示した図であり、まず、加熱炉で
のスラブ加熱であるが、本発明においてはスケール生成
量を抑制する意味合いから、1次スケールの発生を極力
少なくするために再加熱温度を1100℃以下とするの
が好ましい。この限定条件では、さらにスケール/地鉄
界面に富化して2次スケールの密着性を悪くする元素
(P,S等)の加熱段階でのスケール/地鉄界面への富
化を少なくする効果があり、仕上圧延可能範囲で加熱温
度を1100℃以下で適宜決定することが望ましい。こ
れは、粗圧延後の粗バー同士の先・後端部を溶接する以
前、すなわち粗圧延以降において粗バーを巻取り、コイ
ル状となして保熱を行うコイルボックスを有しているた
め、いたずらに加熱温度を上昇させる必要がなく、これ
によって後述するように材質的にも低温加熱による効果
を享受できる。
【0019】加熱炉から抽出されたスラブは粗バーに圧
延され、コイルボックスにてコイル状に巻取られ、通常
10数秒間保熱されてコイルの全長にわたる均一な保熱
が行われる(特に粗圧延での圧延先端の局部的な温度低
下部は、粗圧延後コイル内に巻込まれることにより復熱
し均一な温度となる)。この時の温度低下は1℃/se
c以内の極めて微々たる温度しか降下しない。その後コ
イルは巻戻されて、その先・後端部は溶接面切断シャー
において切断され、切断面が整えられる。このようにコ
イルボックスにおいては粗バーの巻取り、巻戻しが行わ
れるためコイルに歪加工が加わる。その量は3%以上の
表面歪みを歪み速度0.1(s-1)以上で付与すること
ができ、コイル表面のスケールに亀裂が入り、これが起
点となり1次スケールの剥離性が向上する。
【0020】溶接用シャーにおいては、先・後端部を切
断された粗バーは接合台車上の走間接合装置(走間接合
装置については特に限定しないので、ここでは特に触れ
ない。また、接合方法についても種々の方法が考えられ
るが、レーザー溶接方法が好ましい)により先行材の後
端部と後行材の先端部が接合され、仕上圧延機で圧延さ
れるため、最初の粗バーの先端部と最後の粗バーの後端
部を除いた部分は仕上圧延において圧延端のない圧延が
できる。また、仕上圧延機までの間も粗バーには速度の
変化がなく一定速度で走行し、コイルにかかる張力も絶
えず安定しており、コイル表面の任意の位置における、
冷却条件(水量、圧力等)が一定となり、バラツキのな
いデスケーリングが行われ、従前のようなスケールムラ
が発生しない。
【0021】さらに、仕上圧延速度を高速(500mp
m超)、かつその変動を小さく(100mpm未満)と
することができるため、圧延温度等の熱延条件の変動も
小さくすることができる。また熱延仕上温度Ar3 〜9
00℃とすることができ、かつコイル内仕上温度の変動
を100℃未満とすることができる。このため、低温圧
延と等温圧延の効果と相俟って圧延中の2次スケール発
生を大きく抑制することができ、生成したスケールは薄
く、コイル表面全体でバラツキのない均一な状態となっ
ている。さらに、仕上スタンド間のオーステナイト領域
での圧延で鋼板の先・後端部を含めて張力のバラツキが
なく1kgf/mm2 以下の一定範囲以内に収めること
ができ、また、冷却床においても同様に冷却中に張力の
変動を1kgf/mm2以下に抑えることができる。
【0022】この粗バー接合後の圧延において、ほぼ張
力一定、圧延時間一定となることにより、2次スケール
生成の面からはスケール発生の均一性に大きく寄与し、
かつスケールの密着性が向上する。さらにまた、従前は
1コイル単位の圧延であったがため、コイル先端部がコ
イラーで巻取りを開始するまでは、仕上圧延機を抜け出
たコイル先端部は無張力のまま冷却床を走り抜けるた
め、コイル先端部上下は大きく波打ち状態となり、特に
薄鋼板については冷却床において冷却水の散布によるム
ラのない冷却を行うことはできなかった。また、後端部
においても同様仕上圧延機を抜けると張力が働かず同様
の処置を取らざるを得ず、これらの部分はコイル中央部
に比し材質および表面性状の劣化は避けられず成品歩留
りの低下となっていた。
【0023】本発明においては、巻取機前にピンチロー
ルの配設および鋼板切断用の高速シャーを設置すること
により、仕上圧延機とピンチロール間で一定の張力を付
与することが可能となり、上記の不都合な事態を回避で
きると共にコイル全長にわたっての水冷化が採用でき、
コイル内での材質および表面スケール発生についてもバ
ラツキの小さい成品を得ることができるようになった。
また、本発明者らの実験から得た知見によると、仕上圧
延後、冷却開始するまでの時間は5秒以下とする必要が
ある。さらに仕上圧延後冷却中の冷却速度を40℃/s
以上としたのは、スケール密着性を確保しつつ、スケー
ル厚みを薄くするためである。
【0024】スケール層は冷却速度が40℃/sec未
満と遅い場合には、FeO→Fe34 +Fe変態(5
70℃以下で起る)によるα−Feが、スケール表面側
に存在し、冷却途中に変態が開始し、スケール表面側か
ら進行しており、冷却速度が速い場合には、α−Feが
スケール層全面または地鉄界面側に認められ、これ等か
ら変態が地鉄側からも進行していて、生成したFe3
4 と地鉄との整合性が良く、スケール密着性が向上した
ものと考えられる。この現象は巻取り温度にも依存し、
600℃超では冷却速度に拘らず、変態はスケール表面
から進行し、スケール密着性は悪い。しかしCr添加す
ることにより、セメンタイトが微細Crカーバイドへ変
換して界面下のセメンタイトが減少することと、さらに
Siを同時添加することでCr−Si−O系化合物がス
ケールと地鉄界面に生成し、アンカリング効果を示すこ
とにより、巻取り温度が500℃超〜600℃以下でも
スケール密着性は大幅に向上する。
【0025】冷却速度40℃/s以上で冷却し、巻取り
温度600℃以下、360℃以上で巻取り後に0.5℃
/分未満の遅い冷却速度で冷却しても、変態はスケール
表面、地鉄界面両方から進み、スケールは全面α−Fe
を含んだFe34 となり、スケール密着性が良好であ
る。しかもCrを0.02超〜0.50%以下添加する
ことにより、セメンタイトが微細Crカーバイドへ変換
して界面下のセメンタイトが減少することと、さらにS
iを0.02〜0.50%添加することによりCr−S
i−O系化合物がスケール地鉄界面に生成し、アンカリ
ング効果により、スケール密着性は一層向上する。しか
し巻取り温度を360℃未満とし、それ以降の冷却速度
が0.5℃/分未満にした場合には、α−Feは地鉄側
からのみ進行するが、α−Feは地鉄側から進行する
が、α−Feが島状に存在し、スケール密着性が劣り好
ましくない。
【0026】しかし冷却速度40℃/s以上で360℃
未満で巻取った場合でも、巻取後に冷却速度が0.5℃
/分以上の冷却をすれば、FeOのFe34 への変態
を抑制し、FeO主体のスケールとすれば密着性は良好
である。さらに、ピンチロール後のシャーにより鋼板接
合部を走行切断して巻取機にてコイルを巻取るため、従
前コイル先・後端部で発生していたタング状、またはフ
ィッシュテール状の形状不良部分が皆無となる。従っ
て、従前の精整通板による形状不良部分の矯正、および
先・後端部分を含んだ形状不良部の切捨てが不必要とな
り、精整工程の省略、成品歩留りの向上が達成できる。
【0027】以上、本発明の設備上での特徴部分の説明
とそれによってもたらされる効果についての説明を行っ
たが、本発明においては従前の工程によって得られる鋼
板に比し最も大きな効果の違いは本発明を実施すること
によって、熱延鋼板表面上のスケール生成を抑制するこ
とができ、かつ、生成したスケールが薄くコイル全長に
わたって均一な厚みをもち密着性に優れたものになるこ
とである。それに加えて鋼板の品質特性のばらつき、す
なわちコイル内のばらつきが著しく低下し、均一で安定
した材質の成品が得られるという効果も有する。また、
本発明においては、コイル内の変動量についても触れた
が、これらの値は当然少ない方が鋼板を使用する需要家
からみて好ましい。しかし、従前の圧延法では前述のよ
うにこのばらつきは避け得なかった。
【0028】本発明では、最近の鋼板製造技術の急速な
進歩に伴い、鋳片での偏析の改善、圧延での制御圧延の
向上と相まって熱延連続化プロセスを採用することによ
り、これらコイル内の材質の変動量も少なくすることが
でき、さらには本発明の目的でもあるスケール生成量の
変動も極く小さい範囲内に抑制することができるように
なったものである。スケール生成を抑制するために規制
した圧延条件等は、連続圧延プロセスの実施によって得
られた実績から、その許容範囲を導き出したものであ
る。この結果によって、同一ロット内ではどの位置に該
当する鋼板であっても、その部位を配慮することなく略
同一の条件で使用することができるようになった。
【0029】
【実施例】以下、本発明における前述の効果を実施例に
よって具体的かつ、詳細に説明する。本発明の鋼板の化
学組成を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】この5種の鋼種から鋳造されたスラブを本
発明によって表2に示す条件で鋼板に圧延し、圧延され
た成品について各鋼種毎に同一ロット(1回の圧延単位
で鋼板が接合されて連続圧延されたもの)内からコイル
2本(ただし、最先端、最後端コイル以外)をランダム
に抽出し、コイル全長から5個所(非定常部に該当する
先・後端部および定常部に該当する中央部から均等距離
を置いた3個所の部分)から試料を採取した。
【0032】
【表2】
【0033】この試料についてスケールの生成状況の調
査をそれぞれ行った。またコイル内での材質特性を表3
に示した(本発明ではスケール生成状況に主体があるの
で、機械的性質についてはその数を減じた)。なお、比
較のために従来方法で圧延した鋼板についても同様に表
2に圧延条件を表3にスケール生成状況と材質の調査結
果を示した。表3中Δとあるのはコイル内の変動(ばら
つき)を示したもので、最大値−最小値で表した。
【0034】
【表3】
【0035】なお表3中スケールを密着性評点は鋼板を
90°曲げたときの曲げ部分のスケールの剥離状態によ
って評点化したもので、評点ランクは1〜9の9ランク
で評価している。剥離率で表すと表4のようになり、合
格レベルはランク3以下を目安としている。
【0036】
【表4】
【0037】表3から明らかなように、本発明によれば
スケール生成においてスケール厚みが薄くなっており、
かつ密着性に優れコイル内においてもその差が少なく、
均一で薄いスケールとなっていることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、熱間圧延鋼板でのスケ
ール生成量が少なく(薄い)、かつコイル内においても
その厚みに差がなく、密着性に優れた鋼板が得られるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための設備配置の一例を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/38 C22C 38/38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.01〜0.25% Si:0.02〜0.50% Mn:0.10〜2.00% P :0.025%以下 S :0.025%以下 Al:0.080%以下 Cr:0.02〜0.50% 残部Feと不可避的不純物とよりなる鋼板を熱延連続化
    プロセスにより製造し、圧延のままで熱延鋼板の表面ス
    ケール厚さが5μm以下であり、かつコイル内での表面
    スケール厚さの変動が1μm以内であることを特徴とす
    る熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱
    延鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C :0.01〜0.25% Si:0.02〜0.50% Mn:0.10〜2.00% P :0.025%以下 S :0.025%以下 Al:0.080%以下 Cr:0.02〜0.50% 残部Feと不可避的不純物とよりなる鋼片を、加熱炉に
    装入するかもしくは一旦冷片とした後再加熱し、コイル
    ボックス内で粗バーの巻取り、巻戻しにより表面に3%
    以上の歪みを歪速度0.1(s-1)以上で付与した後、
    熱延連続化プロセスにより仕上圧延機内の温度をAr3
    〜900℃で圧下率90%以上の圧延を行い、かつコイ
    ル内仕上温度差を100℃未満とし、平均仕上圧延速度
    を500mpm超、かつコイル内仕上圧延速度差を10
    0mpm未満とした後、5秒以内に注水冷却を開始し冷
    却速度40℃/秒以上で600℃以下360℃以上の温
    度で巻取ることを特徴とする熱延連続化プロセスによる
    スケール密着性の優れた熱延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、 C :0.01〜0.25% Si:0.02〜0.50% Mn:0.10〜2.00% P :0.025%以下 S :0.025%以下 Al:0.080%以下 Cr:0.02〜0.50% 残部Feと不可避的不純物とよりなる鋼片を加熱炉に装
    入するか、もしくは一旦冷片とした後再加熱し、コイル
    ボックス内で粗バーの巻取り、巻戻しにより表面に3%
    以上の歪みを歪速度0.1(s-1)以上で付与した後、
    熱延連続化プロセスにより仕上圧延機内での温度をAr
    3 〜900℃で圧延を行い、かつコイル内仕上温度差を
    100℃未満とし、平均仕上圧延速度を500mpm
    超、かつコイル内仕上圧延速度差を100mpm未満と
    した後、5秒以内に注水冷却を開始し冷却速度40℃/
    秒以上で360℃未満の温度で巻取り、その後の冷却速
    度を0.5℃/分以上としたことを特徴とする熱延連続
    化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 再加熱温度が1100℃以下であること
    を特徴とする請求項2または3項に記載の熱延連続化プ
    ロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 鋼板巻取り後、低酸素雰囲気中で降温す
    ることを特徴とする請求項2ないし4項の何れか1項に
    記載の熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れ
    た熱延鋼板の製造方法。
JP8065135A 1996-02-28 1996-02-28 熱延連続化プロセスによるスケール密着性の優れた熱延鋼板とその製造方法 Withdrawn JPH09235653A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016060955A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 株式会社神戸製鋼所 熱延鋼板及びその製造方法
JP2019183267A (ja) * 2018-04-03 2019-10-24 Jfeスチール株式会社 スケール密着性に優れた熱延鋼板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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