JP2016060955A - 熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼板両端部のスケール密着性および外観に優れた熱延鋼板、並びにその製造方法を提供する
【解決手段】本発明の熱延鋼板は、所定の化学成分を有すると共に、鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール厚さが、鋼板の板幅方向中央部のスケール厚さに対して、3%以上40%以下厚く、鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケールの組成が、Fe:5体積%以上25体積%以下、(Fe,Mn)O:0体積%以上5.0体積%以下、およびFe23:0体積%以上5体積%以下を満足する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スケール密着性および外観品質に優れた熱延鋼板、並びにその製造方法に関する。
自動車、家電、建材等の分野で使用される熱延鋼板は通常、スラブを加熱炉で加熱した後、粗圧延および仕上圧延によって所定の板厚まで熱間圧延し、更に冷却帯が配置されたホットランテーブル上で所定温度まで水冷し、コイル状に巻取って製造される。熱延鋼板の表面には、黒皮と呼ばれるスケールが不可避的に生成する。そのため、上記の製造工程において、酸洗や高圧水などによる脱スケール処理が行われる。例えば、加熱炉で生成したスケールを酸洗により除去した後に酸洗粗圧延を行ったり、粗圧延で生成したスケールを高圧水で除去してから仕上圧延を行っている。しかし、熱延鋼板表面に形成されるスケールを完全に除去することは困難である。上記スケールと鋼板との密着性が悪いと、曲げ加工時にスケールが剥離したり、剥離したスケールが酸洗工程で鋼板表面に押し込まれて押し込み疵が発生し易くなり、加工後の製品外観が低下する。そのため、スケールと鋼板との密着性に優れ、スケールの剥離を防止可能な熱延鋼板の提供が望まれている。スケールと鋼板との密着性は、単にスケール密着性と呼ばれる。
一般にMnを約0.1%以上含有する熱延鋼板のスケールは、マグネタイト(Fe34)を主成分とし、残りがヘマタイト(Fe23)、MnFe24、未変態のウスタイト(FeO)にMnが固溶した(Fe,Mn)Oからなる。一般に(Fe,Mn)Oはスケール密着性が悪く、スケール中のマグネタイトが多いほど、スケールの密着性が向上すると言われている。
そこで、スケール中のマグネタイトを増加して、熱延鋼板のスケール剥離を防止する技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、仕上圧延ベース速度および巻取温度の圧延条件、徐冷カバー使用条件を適正に制御することによって、FeOの残留がなく、地鉄との境界にマグネタイトを生成させる技術が開示されている。特許文献1によれば、曲げ加工時のスケールの剥離・押込みによる疵発生が低減し、表面性状に極めて優れた熱延鋼板が得られる旨記載されている。
特許文献2には、スケールの密着性に加えて、鋼板表面のスケールがより暗く濃い黒色を呈する美麗な鋼板を提供するため、熱延鋼板の表面に、体積比で50%以上のマグネタイトを含む組成とし、かつスケール表面から厚み方向に少なくとも2μm深さまでの領域に析出Feを含有しない黒皮熱延鋼板が開示されている。
特許文献3は本出願人によって開示されたものであり、熱延鋼板表面のマグネタイトからなるスケール層中に含まれるMnFe24および(Fe,Mn)Oの体積率を低減させることにより、スケール密着性の向上を図っている。
特許第4320891号公報 特許第4061996号公報 特許第4295554号公報
上述したとおり、熱間圧延して得られる熱延鋼板は、コイル状に巻取られる。コイルの幅方向の端部は外気に接しているため、コイルの幅方向の中央部に比べて酸素ポテンシャルが高い。そのため、コイルの端部は酸化され易く、ヘマタイトを多く含む酸化層が生成する。ヘマタイトは酸洗性が悪く、酸洗後も鋼板表面に残留する傾向があるため、コイル端部でスケールが剥離し易くなったり、色むらが生じたりして製品の外観不良が問題となっている。
しかしながら、上記特許文献1〜3では、このようなコイル巻取り後に鋼板両端部が外気に曝されることによる酸化まで考慮されていないため、コイルの端部で生じるスケールの剥離や色むらを完全に抑制することはできない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、鋼板の板幅方向両端部のスケール密着性に優れており、外観品質が高められた熱延鋼板、およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明に係る熱延鋼板は、質量%で、C:0.04%以上0.5%以下、Mn:0.1%以上2%以下、P:0%超0.03%以下、S:0%超0.03%以下、およびAl:0%超0.1%以下を含有し、残部が鉄および不可避的不純物である熱延鋼板であって、上記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール厚さが、上記鋼板の板幅方向中央部のスケール厚さに対して、3%以上40%以下厚く、上記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケールの組成が、Fe:5体積%以上25体積%以下、(Fe,Mn)O:0体積%以上5.0体積%以下、およびFe23:0体積%以上5体積%以下を満足するところに要旨を有するものである。
上記熱延鋼板は、更に、質量%で、Si:0%超1%以下、Cr:0%超2%以下、Ti:0%超0.1%以下、Ni:0%超2%以下、Cu:0%超2%以下、Mo:0%超2%以下、B:0%超0.01%以下、Nb:0%超1%以下、V:0%超1%以下、およびW:0%超0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
上記熱延鋼板は、更に、質量%で、Ca:0%超0.03%以下、Mg:0%超0.03%以下、およびREM:0%超0.03%以下よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
本発明は、上記熱延鋼板の製造方法も含むものであって、該製造方法は、上記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域における仕上圧延の終了温度が、800℃以上1000℃以下、且つ、上記鋼板の板幅方向中央部の仕上圧延の終了温度に対して0.2%以上10.0%以下高くなるように仕上圧延した後、上記鋼板の板幅方向中央部の巻取温度が610℃以下であり、且つ、上記鋼板の板幅方向両端部の巻取温度が420℃以上610℃以下、および下式(1)を満足するように巻取るところに要旨を有するものである。
Figure 2016060955
上式(1)中、Tは鋼板の板幅方向両端部の巻取温度(℃)、[Mn]は鋼板のMn量(質量%)である。
本発明によれば、熱延鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール組成が適切に制御されると共に、当該領域のスケール厚さが熱延鋼板の板幅方向中央部との関係で適切に制御されているため、上記領域でのスケール密着性に優れており、外観が良好な熱延鋼板が得られる。
本発明者らは、熱延鋼板の板幅方向端部近傍が外気に曝されて酸化され易く、酸化に伴ってスケールが剥離し易くなったり、色むらが生じたりして外観品質が低下するという問題を解決するため、検討を重ねてきた。その結果、熱延鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール組成を適切に制御すると共に、上記領域のスケール厚さを熱延鋼板の板幅方向中央部との関係で適切に制御すれば所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明に到達した経緯を詳しく説明する。
本発明者らは上記問題を解決するため、スケールのなかでも特に、粗圧延後の脱スケーリングの後、仕上圧延と冷却帯で生成するスケールの剥離を抑制するとの観点から検討を行なった。熱延鋼板の仕上圧延で生成するスケールはFeO(ウスタイト)であり、巻取り後にFeOが変態してFe34(マグネタイト)と金属Feの共析組織となる。この混合組織が形成されることにより、スケールと鋼板との熱膨張差に起因する残留応力が緩和され、スケール密着性が向上する。一方、熱延鋼板に0.1%以上のMnが含まれる場合は、FeOにMnが固溶して(Fe,Mn)Oが生成する。(Fe,Mn)OはFe34に変態しにくいため、スケール密着性が低下する。
本発明者らの研究結果によれば、0.1%以上のMn含有熱延鋼板の場合、コイルの端部は外気に曝されているために酸化が更に進むことが判明した。詳細には、コイルの端部では、外気との接触による酸化により、スケール密着性を阻害するFe23(ヘマタイト)および(Fe,Mn)Oが増加すると共に、金属Feが消失して残留応力が増加するため、スケール密着性が低下することが明らかになった。
そこで本発明者らは、Mnを0.1%以上2%以下の範囲で含む熱延鋼板について、鋼板の板幅方向端部近傍のスケール密着性を十分確保できるスケール構造について検討した。その結果、巻取り後に形成される、Fe34+Fe+(Fe,Mn)Oの混合組織は、スケール表面側から酸化により消失するため、熱間圧延条件を制御することによって、上記混合組織を多く生成すると、巻取り後に金属Feを多く残すことができると共に、スケール密着性に悪影響を及ぼす(Fe,Mn)OおよびFe23を低減できることを見出した。
更に、熱間圧延条件を制御して、鋼板の板幅方向両端部近傍のスケール厚さを、鋼板の板幅方向中央部のスケール厚さに対して大きくすることにより、熱延鋼板の色むらの発生を防止できることを見出し、本発明を完成した。
本明細書では、熱延鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域を単に「鋼板両端部」と略記する場合がある。本発明において、特に熱延鋼板の端から100mmの領域を規定したのは、当該領域で外気による酸化が進み易いためである。
また本明細書では、熱延鋼板の板幅方向中央部を単に「鋼板中央部」と略記する場合がある。上記「鋼板中央部」は、厳密に鋼板の中央の位置を意味するのではなく、鋼板の中央を基準として、おおむね±20cmの領域を含む趣旨である。
まず、本発明を最も特徴付ける鋼板両端部のスケール構造について説明する。上述したとおり、本発明の熱延鋼板は、鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール厚さが、上記鋼板の板幅方向中央部のスケール厚さに対して、3%以上40%以下厚く、鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール組成が、Fe:5体積%以上25体積%以下、(Fe,Mn)O:0体積%以上5.0体積%以下、およびFe23:0体積%以上5体積%以下を満足する。
(1)鋼板両端部のスケール厚さ
鋼板両端部のスケール厚さは、特に熱延鋼板全体の良好な表面外観を得るために重要である。本発明では、鋼板両端部のスケール厚さを、鋼板中央部のスケール厚さに対して3%以上40%以下厚くする。このように鋼板両端部のスケール厚さを鋼板中央部のスケール厚さとの関係で規定したのは、所望とする効果を発揮し得る鋼板両端部の好ましいスケール厚さは、鋼板の板厚に大きく依存し、絶対値で規定することが困難なためである。後記する実施例で実証したとおり、鋼板中央部のスケール厚さに対して、鋼板両端部のスケール厚さが3%未満であっても、或いは40%を超えても、いずれの場合であっても、色むらが生じて熱延鋼板全体の表面外観が損なわれ、良好な外観が得られない。鋼板両端部のスケール厚さの好ましい下限は、鋼板中央部のスケール厚さに対して10%以上であり、より好ましくは15%以上である。一方、鋼板両端部のスケール厚さの好ましい上限は、鋼板中央部のスケール厚さに対して35%以下であり、より好ましくは30%以下である。
本発明では、特に鋼板両端部のスケール厚さを鋼板中央部のスケール厚さとの関係で制御したところに特徴があり、上記関係を満足する限り、鋼板中央部のスケール厚さは特に限定されないが、鋼板中央部のスケール厚さは薄い方が良く、おおむね、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。一方、外観確保のため、鋼板中央部のスケール厚さの下限は、好ましくは1μm以上である。
(2)鋼板両端部のスケール組成
鋼板両端部のスケール組成は、特に鋼板両端部のスケール剥離を防止して、良好なスケール密着性を確保するために重要である。
[Fe:5体積%以上25体積%以下]
上述したとおり、スケール中の金属Feはスケール密着性向上に寄与するため、鋼板両端部のスケール内のFe量も5体積%以上とする。上記Fe量が5体積%未満になると、スケール密着性が低下する。上記Fe量の好ましい下限は8体積%以上であり、より好ましくは10体積%以上である。一方、上記Fe量が多くなり過ぎると、スケール密着性向上に最も有用なマグネタイトの量が低下するため、上記Fe量の上限は、25体積%以下とする。上記Fe量の好ましい上限は24体積%以下であり、より好ましくは23体積%以下である。
[(Fe,Mn)O:0体積%以上5.0体積%以下]
上述したとおり、スケール中の(Fe,Mn)Oはスケール密着性を低下させる酸化物であり、その上限を5.0体積%以下とする。上記Fe量の好ましい上限は3体積%以下であり、より好ましくは2体積%以下であり、最も好ましくは0体積%である。
[Fe23:0%以上5体積%以下]
上述したとおり、スケール中のFe23はスケール密着性を低下させる酸化物であり、その上限を5体積%以下とする。上記Fe23量の好ましい上限は2体積%以下であり、より好ましくは1体積%以下であり、最も好ましくは0体積%である。
本発明では、鋼板両端部のスケール組成のうち、特に金属Fe、(Fe,Mn)O、Fe23を制御したところに特徴があり、上記組成を満足する限り、それ以外の組成は特に限定されない。上記以外の組成として、代表的にはマグネタイト、ウスタイトが挙げられる。上述したとおり、マグネタイトはスケール密着性の向上に寄与する酸化物であるため、出来るだけ多い方が良く、上記要件を満足することを前提にして、例えば、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。また、ウスタイトはスケール密着性に悪影響を及ぼす酸化物であるため、出来るだけ少ない方が良く、上記要件を満足することを前提にして、例えば、0.5体積%以下であることが好ましく、0.4体積%以下であることがより好ましい。
次に、本発明に係る熱延鋼板の鋼中成分について説明する。
[C:0.04%以上0.5%以下]
Cは、強度を高めるために必要な元素であり、そのためにC量の下限を0.04%以上とする。C量の下限は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.06%以上である。しかしながら、C量が過剰になると冷間加工性が低下するようになるため、C量の上限を0.5%以下とする。C量の上限は、好ましくは0.4%以下、より好ましくは0.3%以下である。
[Mn:0.1%以上2%以下]
Mnは、強度および靭性を確保するために重要な元素であり、そのためにMn量の下限を0.1%以上とする。Mn量の下限は、好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.3%以上である。しかしながら、Mn量が過剰になると延性を損なうため、Mn量の上限を2%以下とする。Mn量の上限は、好ましくは1.9%以下、より好ましくは1.8%以下である。
[P:0%超0.03%以下]
Pは不可避的に含まれる元素である。Pは延性の劣化とめっき密着性の悪化を招くため、P量の上限は0.03%以下とする。P量の上限は、好ましくは0.02%以下である。なお、Pは鋼中に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%にすることは工業生産上不可能である。
[S:0%超0.03%以下]
Sは不可避的に含まれる元素である。SがMnと結合した硫化物系介在物MnSは、鋼材の熱間圧延時に偏析して熱延鋼板を脆化させるため、S量の上限を0.03%以下とする。S量の上限は、好ましくは0.02%以下である。なお、Sは鋼中に不可避的に含まれる不純物であり、その量を0%にすることは工業生産上不可能である。
[Al:0%超0.1%以下]
Alは、脱酸作用を有すると共に、熱間圧延の加熱の際にオーステナイト結晶粒の粗大化防止に寄与する元素である。このような効果を有効に発揮させるために、Alを0%超、好ましくは0.01%以上とする。しかしながら、Alを過剰に添加しても上記効果が飽和するだけであり、むしろ結晶粒が不安定になるため、Al量の上限を0.1%以下とする。Al量の上限は、好ましくは0.05%以下である。
本発明鋼板の鋼中元素は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物である。上記不可避不純物として、例えば、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素、例えば、Nなどが挙げられる。
更に本発明では、以下の選択成分を含有しても良い。
[Si:0%超1%以下、Cr:0%超2%以下、Ti:0%超0.1%以下、Ni:0%超2%以下、Cu:0%超2%以下、Mo:0%超2%以下、B:0%超0.01%以下、Nb:0%超1%以下、V:0%超1%以下、およびW:0%超0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも1種]
これらの元素はいずれも、強度向上に有効な元素である。これらの元素は、夫々単独で、または適宜組み合わせて含有させても良い。
[Si:0%超1%以下]
Siは、強度を高めつつ、延性や加工性を確保することができる元素である。このような効果を有効に発揮させるため、Si量を、好ましくは0%超、より好ましくは0.01%以上とする。しかしながら、Si量が過剰になると溶接性、延性を損なうため、Si量の上限を、好ましくは1%以下、より好ましくは0.9%以下とする。
[Cr:0%超2%以下]
Crは、強度向上に寄与する元素であり、そのためにCr量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.01%以上とする。しかしながら、Cr量が過剰になると延性が損なわれるため、Cr量の上限を、好ましくは2%以下、より好ましくは1.9%以下とする。
[Ti:0%超0.1%以下]
Tiは、強度向上に寄与する元素であり、そのためにTi量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.01%以上とする。しかしながら、Tiが過剰になると靭性が低下するため、Ti量の上限を、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.05%以下とする。
[Ni:0%超2%以下]
Niは、焼き入れ性を向上させる元素であり、成形加工性が高められる。そのためにNi量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。しかしながら、Niは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Ni量の上限を、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、更に好ましくは1.0%以下とする。
[Cu:0%超2%以下]
CuもNiと同様、焼き入れ性を向上させる元素であり、成形加工性が高められる。そのためにCu量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。しかしながら、Cuは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Cu量の上限を、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下とする。
[Mo:0%超2%以下]
Moは、めっき性を阻害することなしに固溶強化の向上に寄与する元素である。また、Ni、Cuと同様、焼き入れ性向上元素であり、種々の成形加工性が高められる。そのために、Mo量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上添加する。しかしながら、Moは高価な元素であるため、製造コストの観点から、Mo量の上限を、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下とする。
[B:0%超0.01%以下]
Bは焼き入れ性の向上に寄与する元素である。そのために、B量の下限を、好ましくは0%超、より好ましくは0.0001%以上、さらに好ましくは0.0002%以上とする。しかしながら、Bを過剰添加するとめっき性が劣化するため、B量の上限を、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.005%以下、さらに好ましくは0.001%以下とする
[Nb:0%超1%以下]
Nbは、微量の添加で微細組織を得ることができ、靭性を損なわずに高強度が得られる元素である。そのため、Nb量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.005%以上とする。しかしながら、Nbの過剰添加により炭化物が多量に生成し、マルテンサイトの体積率が減少またはその析出強化により強度と加工性のバランスが劣化する。そのため、Nb量の上限は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下とする。
[V:0%超1%以下]
VもNbと同様、炭化物生成元素であり、強度向上に寄与する。そのため、V量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.005%以上とする。しかしながら、Vの過剰添加は、コスト高の原因となるだけでなく、降伏点を上昇させて加工性を低下させるため、V量の上限は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下とする。
[W:0%超0.3%以下]
Wは、析出物強化、フェライト結晶粒の成長抑制による細粒強化および再結晶の抑制による転移強化により、強度上昇に寄与する。そのために、W量の下限は、好ましくは0%超、より好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.005%以上とする。しかしながら、Wの過剰添加は炭窒化物の析出を過剰にし、成形性の劣化を招くため、W量の上限を、好ましくは0.3%、より好ましくは0.2%以下、さらに好ましくは0.1%以下とする。
[Ca:0%超0.03%以下、Mg:0%超0.03%以下、およびREM:0%超0.03%以下よりなる群から選択される少なくとも1種]
これらの元素は脱酸に用いられる元素であり、夫々単独でまたは適宜組み合わせて含有させても良い。このような効果を発揮させるために、Ca量、Mg量、およびREM量の下限は、夫々、好ましくは0%超、より好ましくは0.002%以上、さらに好ましくは0.003%以上とする。しかしながら、上記元素の過剰添加は、成形性を劣化させる。そのために、Ca量、Mg量、およびREM量の上限は、夫々、好ましくは0.03%以下、より好ましくは0.02%以下、さらに好ましくは0.01%以下とする。
なお、本発明において、REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)およびSc(スカンジウム)とY(イットリウム)を含む意味である。これらの元素のなかでも、La、CeおよびYよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有することが好ましく、より好ましくは、LaおよびCeのうち少なくとも1種を含有する。
次に、本発明の熱延鋼板を製造する方法について説明する。
上述したとおり、一般に熱延鋼板は、スラブを加熱炉で加熱した後、粗圧延および仕上圧延によって所定の板厚まで熱間圧延し、更に冷却帯で所定温度まで水冷し、コイル状に巻取って製造される。スケールを除去するため、例えば、加熱炉で生成したスケールを酸洗により除去したり、粗圧延で生成したスケールを高圧水で除去するなどの脱スケール処理が行われる。
そして本発明では、所望とする鋼板両端部のスケール厚さおよびスケール組成が得られるように、特に、仕上圧延の終了温度および巻取温度を制御して熱間圧延を行うことが重要である。上記以外の工程は特に限定されず、熱延鋼板の製造に通常用いられる方法を適宜選択して用いることができる。
以下、工程順に詳しく説明する。
まず、スラブを加熱炉で加熱する。加熱温度は、例えば、1000〜1300℃の範囲で行うことが好ましい。加熱炉で生成したスケールは、酸洗などの公知の方法により除去する。
次に、以下のように熱間圧延を行う。
まず、粗圧延は、例えば1000〜1200℃の温度で行うことが好ましい。その後、必要に応じて、粗圧延で生成したスケールを、例えば高圧水で除去する。
次に、仕上圧延を行う。本発明では、熱延鋼板の表面外観向上の観点から、鋼板中央部のスケール厚さを抑制して、鋼板両端部のスケール厚さを当該鋼板中央部に比べて厚くするため、鋼板両端部の仕上圧延の終了温度を鋼板中央部の仕上圧延の終了温度よりも高くする。具体的には、鋼板中央部の仕上圧延の終了温度を基準として、それよりも0.2%以上、10.0%以上の範囲に設定する。0.2%を下回ると、熱延鋼板全体の外観が悪くなる。好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上高くする。一方、上記鋼板両端部の仕上圧延の終了温度が、鋼板中央部の終了温度に対して高くなり過ぎても、やはり、熱延鋼板全体の外観が悪くなるため、その上限を10%以下とする。好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
更に本発明では、上記鋼板両端部の仕上圧延の終了温度を、800℃以上1000℃以下とする。仕上圧延温度は、熱間鋼板の規格、鋼種成分、サイズなどによって異なり一義的に決定することは困難であるが、本発明では、特に高強度および高延性が要求される用途への適用を考慮して、上記範囲に設定する。上記温度が800℃を下回ると、強度などの機械特性が低下する。好ましくは820℃以上である。一方、鋼板両端部の仕上圧延の終了温度が1000℃を超えると、強度などの機械特性が低下する。好ましくは980℃以下である。
次にコイル状に巻取る。本発明では、鋼板両端部のスケール組成を適切に制御して良好なスケール密着性を確保するため、以下のように制御する。
・鋼板中央部の巻取温度:610℃以下
・鋼板両端部の巻取温度:420℃以上610℃以下、且つ、下式(1)を満足する。式(1)中、Tは鋼板両端部の巻取温度(℃)、[Mn]は熱延鋼板のMn量(質量%)である。
Figure 2016060955
まず、鋼板中央部の巻取温度を610℃以下とする。上記巻取温度が610℃を超えると、多くの熱量を持った状態で巻取られるため、コイルの冷却に時間がかかって鋼板両端部の酸化が進む。その結果、鋼板両端部のスケール中に、スケール密着性に悪影響を及ぼすFe23の量が増加する。鋼板中央部の好ましい巻取温度は590℃以下であり、より好ましくは570℃以下である。なお、鋼板中央部の巻取温度が低くなり過ぎると、鋼板両端部のスケール中に、スケール密着性の向上に寄与するFeの量が少なくなるため、その下限を、300℃以上とすることが好ましい。より好ましくは350℃以上である。
更に鋼板両端部の巻取温度をT(℃)としたとき、まず、Tを420℃以上610℃以下とする。上記Tが420℃未満になると、FeOからFe34の変態が不十分となり、スケール密着性向上に寄与するFeが、鋼板両端部のスケール中に充分得られない。好ましくは450℃以上、より好ましくは480℃以上である。一方、鋼板両端部の巻取温度Tが610℃を超えると、鋼板両端部のスケール中に、スケール密着性に悪影響を及ぼすFe23の量が多くなり、スケール密着性が低下する。好ましくは590℃以下であり、より好ましくは570℃以下である。
上記鋼板両端部の巻取温度Tは、更に上式(1)を満足することが必要である。本発明者らの検討結果によれば、鋼板両端部に生成する(Fe,Mn)Oの量は、鋼板中のMn量[Mn]に大きく依存しており、上記[Mn]と上記Tとの関係で表される上式(1)の左辺の値が5.00を超えると、(Fe,Mn)Oが多くなり、スケール密着性を確保できなくなることが判明した。上式(1)の左辺の値は、好ましくは3.00以下、より好ましくは2.00以下である。なお、上式(1)の左辺の値の下限は、上記観点からは特に限定されないが、上記Tと[Mn]の下限などを考慮すると、好ましくは0.42以上である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す成分組成のスラグを連続鋳造ラインにて製造した後、熱間圧延ラインの加熱炉にて1200℃で30分均熱処理した。次に、加熱炉から抽出したスラブ表面のスケールを高圧水によりデスケーリングした後、1100℃で40mm厚さまで粗圧延を施した。その後、表面のスケールを高圧水により除去し、表2および表3に示す厚さまで仕上圧延した後、冷却帯で冷却してから、巻取りを行った。鋼板両端部および鋼板中央部の、仕上圧延終了温度および巻取温度は、表2および表3に示すように変化させた。詳細には、仕上圧延終了温度は、ヒータを使用して鋼板のエッジ部分(鋼板両端部)の温度を加熱することにより調整した。巻取温度は、冷却帯において冷却水の注水ノズルを調整することによって制御した。巻取り後、大気中で室温まで冷却して各熱延鋼板を得た。表1において、空欄は0%を示す。また、REMとしてScを用いた。表2および表3の「仕上圧延の終了温度」の欄に記載の「鋼板中央部に対する鋼板両端部の増加率(%)」は、鋼板中央部の仕上圧延の終了温度に対する、鋼板両端部の仕上圧延の終了温度の増加率を百分率で示したものである。
Figure 2016060955
Figure 2016060955
Figure 2016060955
このようにして得られた各熱延鋼板について、以下の項目を測定した。
[スケール厚さ]
各熱延鋼板の両端部および中央部に生成するスケール厚さを測定するため、それぞれの位置から、サイズが20mm角の試料を切り出して断面を研摩した。この研摩面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の反射電子像を用いて観察し、スケール厚さを画像解析して求めた。
[鋼板両端部のスケール組成]
鋼板両端部のスケール中のFe23量、および(Fe,Mn)O量は、鋼板両端部のスケール厚さを測定するために用いた上記試料を用い、X線回折(XRD:X‐ray diffraction)法により測定した各酸化物のピーク強度比から定量分析して求めた。また、鋼板両端部のスケール中のFe量は、鋼板両端部のスケール厚さを測定するために用いた上記試料を用いて得られた上記SEMの反射電子像を画像解析して求めた。
[外観評価]
各熱延鋼板全体の外観を目視で観察し、下記基準で評価した。
○:色むら無
×:色むら有
[機械的特性の評価]
熱延鋼板の板厚1/4部位からJIS Z2201に規定の14号試験片(平行部径は10mm)を用い、JIS Z2241で規定の「金属材料引張試験方法」に基づいて引張強度TS(Tension Strength)、降伏点YP(Yield Point)、伸びEl(Elongation)を測定した。引張試験時の試験速度は0.5mm/秒とした。そして、鋼クラスに応じた機械的特性を満足した場合を○、鋼クラスに応じた機械的特性を満足しなかった場合を×とした。
[スケール密着性の評価]
スケール密着性は、各熱延鋼板の両端部のうち一方の端部から、曲げ試験片(幅70mm、長さ200mm)を切り出し、曲げ内側の半径20mmで、90°曲げを行うことにより、曲げ加工を行い、その後テープ剥離試験を実施した。テープ剥離試験は、曲げ加工外周部にセロハンテープを貼り付けた後、テープをはがし、鋼板から剥離したスケールの剥離面積率を算出して下記基準でスケール密着性を評価した。ここで「スケール剥離面積率」とは、曲げ試験片のテープを貼り付けた部分に相当する鋼板の全表面積に対する、剥離したスケールの面積を意味する。本発明では、不合格以外の可・良・優を合格とした。
不合格:スケール剥離面積率80%以上
可:スケール剥離面積率50%以上80%未満
良:スケール剥離面積率20%以上50%未満
優:スケール剥離面積率20%未満
これらの結果を表4および表5に示す。表4および表5の「スケール厚さ」の欄に記載の「鋼板中央部に対する鋼板両端部の増加率(%)」は、鋼板中央部のスケール厚さに対する、鋼板両端部のスケール厚さの増加率を百分率で示したものである。
Figure 2016060955
Figure 2016060955
表4および表5より以下のように考察することができる。
まず、表4の試験No.1〜4、6、7、10〜15、17、18、表5の試験No.21、23、26、27、29〜35は、それぞれ、本発明の組成を満足する表1の鋼種A〜Rを用い、表2の試験No.1〜4、6、7、10〜15、17、18、表3の試験No.21、23、26、27、29〜35に示すように本発明で規定する条件で製造した本発明例である。これらは、鋼板両端部のスケール厚さおよびスケール組成のいずれも、本発明の要件を満足しているため、スケール密着性および機械的特性に優れると共に、表面外観も良好であった。
これに対し、本発明のいずれかの要件を満足しない下記の例は、所望とする特性が得られなかった。
まず、表4の試験No.5、8、9、16、19、20は、それぞれ本発明の組成を満足する表1の鋼種を用いたが、本発明の条件を満足しない表2の試験No.5、8、9、16、19、20で製造した例である。
詳細には、試験No.5、8は、表1の鋼種A、Cを用い、鋼板中央部の巻取温度を高くして製造した例であり、鋼板両端部のスケール中、Fe23量が多くなり、スケール密着性が低下した。
試験No.9は、表1の鋼種Pを用い、鋼板両端部の巻取温度Tを低くして製造した例であり、鋼板両端部のスケール中、Fe量が少なくなり、スケール密着性が低下した。
試験No.16は、表1の鋼種Gを用い、鋼板両端部の巻取温度Tを高くして製造した例であり、鋼板両端部のスケール中、Fe量が少なく、Fe23量が多くなり、スケール密着性が低下した。
試験No.19、20は、表1の鋼種D、Iを用い、鋼板両端部の巻取温度が本発明で規定する式(1)を外れる条件で製造した例であり、鋼板両端部のスケール中、(Fe,Mn)O量が多くなり、スケール密着性が低下した。
表5の試験No.22、24、25、28は、それぞれ本発明の組成を満足する表1の鋼種を用い、本発明で規定する熱処理条件を満たさない表3の試験No.22、24、25、28で製造した例である。
詳細には、試験No.22は、表1の鋼種Rを用い、鋼板両端部の仕上圧延の終了温度を低くして製造した例であり、鋼クラスに応じた強度を満足しなかった。
試験No.24は、表1の鋼種Rを用い、鋼板両端部の仕上圧延の終了温度を高くして製造した例であり、鋼クラスに応じた強度を満足しなかった。
試験No.25は、表1の鋼種Nを用い、鋼板中央部に対する鋼板両端部の仕上圧延の終了温度の増加率を低くして製造した例であり、鋼板中央部に対する鋼板両端部のスケール厚さ増加率が低くなり、熱延鋼板全体の表面外観が低下した。
試験No.28は、表1の鋼種Nを用い、鋼板中央部に対する両端部の仕上圧延の終了温度の増加率を高くして製造した例であり、鋼板中央部に対する鋼板両端部のスケール厚さ増加率が高くなり、熱延鋼板全体の表面外観が低下した。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.04%以上0.5%以下、
    Mn:0.1%以上2%以下、
    P :0%超0.03%以下、
    S :0%超0.03%以下、および
    Al:0%超0.1%以下を含有し、
    残部が鉄および不可避的不純物である熱延鋼板であって、
    前記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケール厚さが、前記鋼板の板幅方向中央部のスケール厚さに対して、3%以上40%以下厚く、
    前記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域におけるスケールの組成が、
    Fe:5体積%以上25体積%以下、
    (Fe,Mn)O:0体積%以上5.0体積%以下、および
    Fe23:0体積%以上5体積%以下
    を満足することを特徴とする熱延鋼板。
  2. 更に、質量%で、
    Si:0%超1%以下、Cr:0%超2%以下、Ti:0%超0.1%以下、Ni:0%超2%以下、Cu:0%超2%以下、Mo:0%超2%以下、B:0%超0.01%以下、Nb:0%超1%以下、V:0%超1%以下、およびW:0%超0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. 更に、質量%で、
    Ca:0%超0.03%以下、Mg:0%超0.03%以下、およびREM:0%超0.03%以下よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである請求項1または2に記載の熱延鋼板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱延鋼板を製造する方法であって、
    前記鋼板の板幅方向両端からそれぞれ100mmまでの各領域における仕上圧延の終了温度が、800℃以上1000℃以下、且つ、前記鋼板の板幅方向中央部の仕上圧延の終了温度に対して0.2%以上10.0%以下高くなるように仕上圧延した後、
    前記鋼板の板幅方向中央部の巻取温度が610℃以下であり、且つ、
    前記鋼板の板幅方向両端部の巻取温度が420℃以上610℃以下、および下式(1)を満足するように巻取ることを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
    Figure 2016060955
    上式(1)中、Tは鋼板の板幅方向両端部の巻取温度(℃)、[Mn]は鋼板のMn量(質量%)である。
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