JPH09235444A - 耐光性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

耐光性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH09235444A
JPH09235444A JP4143896A JP4143896A JPH09235444A JP H09235444 A JPH09235444 A JP H09235444A JP 4143896 A JP4143896 A JP 4143896A JP 4143896 A JP4143896 A JP 4143896A JP H09235444 A JPH09235444 A JP H09235444A
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monomer
resin composition
compound
flame
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JP4143896A
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Mitsusachi Yada
光幸 矢田
Kazunori Maruyama
和則 丸山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性及び難燃性を有し、かつ極
めて優れた耐光性を有する難燃性熱可塑性樹脂材料を、
安価に提供する。 【解決手段】(A)芳香族ビニル単量体を含む混合物を
ゴム質重合体とグラフト共重合させたグラフト共重合体
と、(B)特定の共重合体との樹脂混合物に、(C)有
機ハロゲン化合物及び(D)黄色系色素の特定量とを配
合してなることを特徴とする耐光性に優れた難燃性熱可
塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐光性に優れた難燃性熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂、HIPS樹脂等に代表され
るスチレン系樹脂は優れた成形加工性、機械的特性、外
観等の特徴から、電機製品、OA機器、事務機器等の用
途に広く用いられている。これらの用途では、内部部品
の発熱などの問題から樹脂の難燃化を必要とする場合が
多く、そのため臭素や塩素などのハロゲン元素を含有す
る有機化合物が難燃剤として配合使用されている。
【0003】有機ハロゲン化合物を添加すると、スチレ
ン系樹脂の耐光性が大幅に悪化することは広く知られて
いるが、近年コンピュータやファクシミリ等の用途で
は、蛍光灯などの光による樹脂成形品の黄変を防ぐこ
と、即ち難燃性に加え優れた耐光性が要求されるように
なってきた。この問題を解決するためにヒンダードアミ
ン系有機化合物や、ベンゾトリアゾール系有機化合物等
の光安定剤を樹脂に添加する技術が広く行われている
が、これらの化合物は通常ごく限られた用途にのみ供さ
れるものであって、大量生産に適さないため非常に高価
であり、また多量に添加すると樹脂組成物の耐衝撃性や
難燃性を悪化させるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
有機ハロゲン化合物を含む難燃性熱可塑性樹脂組成物に
おいて、優れた耐衝撃性や難燃性を保持したまま、耐光
性の非常に優れた組成物を安価に提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、スチレン系樹脂に有
機ハロゲン化合物とともに、通常の樹脂の着色に用いら
れる量に比べて少量の黄色系色素を添加することによ
り、有機ハロゲン化合物を含む樹脂組成物の光黄変と黄
色系色素の白化退色が同時に進行し、該樹脂組成物の光
黄変が見かけ上抑制されるという事実を見出した。即ち
本発明は、請求項1において、(A)芳香族ビニル単量
体60〜100重量%及び芳香族ビニル単量体と共重合
可能な単量体0〜40重量%の混合物を、ゴム質重合体
の存在下でグラフト共重合させたグラフト共重合体10
〜100重量部と、(B)芳香族ビニル単量体60〜1
00重量%及び芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量
体0〜40重量%で構成される共重合体0〜90重量部
よりなる樹脂混合物100重量部に((A)+(B)=
100重量部とする)、(C)有機ハロゲン化合物1〜
35重量部と(D)黄色系色素0.0001〜0.01
重量部を配合してなることを特徴とする耐光性に優れた
難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】また、請求項2において、(C)有機ハロ
ゲン化合物がハロゲン化エポキシ化合物、ハロゲン化ト
リアジン化合物及びハロゲン化芳香族フタルイミド化合
物からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であ
ることを特徴とする請求項1記載の耐光性に優れた難燃
性熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。請求項3
において、(D)黄色系色素が分散性染料又は油溶性染
料であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐光性
に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。さらに請求項4において、(D)黄色系色素がキノ
リン系化合物又はアゾ化合物であることを特徴とする請
求項1〜3いずれかに記載の耐光性に優れた難燃性熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いられる(A)グラフト共重合体とは、芳香族
ビニル単量体60〜100重量%及び芳香族ビニル単量
体と共重合可能な単量体0〜40重量%の混合物を、ガ
ラス転移温度が0℃以下、好ましくは−20℃以下のゴ
ム質重合体の存在下でグラフト共重合させて得られるグ
ラフト共重合体をいう。
【0008】本発明に関わる樹脂組成物が優れた物性、
難燃性、加工性を有するためには、(A)グラフト共重
合体の含有するゴム質重合体の重量平均粒子径は0.1
〜5μm、より好ましくは0.3〜3μmであり、ゴム
含有量は1〜80重量%、より好ましくは5〜70重量
%である方がよい。これらの値が上記範囲に満たないと
最終的に得られる樹脂の耐衝撃性が低下し、上記範囲を
越えると最終的に得られる樹脂の難燃性が低下する。
【0009】(A)グラフト共重合体で用いられるゴム
質重合体とは、ガラス転移温度が0℃以下、好ましくは
−20℃以下のものであり、例えばポリブタジエンや、
ブタジエンと他の共重合性単量体との共重合体からなる
ゴム質重合体等が挙げられる。上記グラフト共重合体の
構成成分である芳香族ビニル単量体の具体例としては、
スチレン、α−メチルスチレン等のα−アルキルスチレ
ン、p−メチルスチレン等の核置換アルキルスチレン、
ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらは1種又は
2種以上の混合物であってもよい。
【0010】芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体
の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル系単量体、アクリル酸、メタク
リル酸、及びそれらのアルキルエステル等のアクリル系
単量体、無水マレイン酸、及びそのイミド化物等の不飽
和無水酸誘導体系の単量体等が挙げられる。これらは1
種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0011】(A)グラフト共重合体に使用する単量体
混合物中の芳香族ビニル単量体成分の比率は、60〜1
00重量%の範囲とする。60重量%に満たないと、得
られる樹脂組成物の耐熱性や耐衝撃性、色調などが悪化
する。(A)グラフト共重合体の具体例としては、耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS樹脂)、アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(M
BS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、ア
クリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(A
AS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系
ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニト
リル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体(ACS
樹脂)等の樹脂、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0012】(A)グラフト共重合体は、上記の単量体
ないしはその混合物から公知の方法、例えば乳化重合
法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の方法を用
いて、回分方式又は連続方式で製造することができる。
本発明に用いられる(B)共重合体とは、芳香族ビニル
単量体成分60〜100重量%、芳香族ビニル単量体と
共重合可能な単量体成分0〜40重量%よりなる共重合
体をいう。
【0013】(B)共重合体の構成成分である芳香族ビ
ニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルス
チレン等のα−アルキルスチレン、p−メチルスチレン
等の核置換アルキルスチレン、ビニルナフタレンなどが
挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合物であっ
てもよい。(B)共重合体の構成成分である芳香族ビニ
ル単量体と共重合可能な単量体の具体例としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル
系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらのア
ルキルエステル等のアクリル系単量体、無水マレイン
酸、及びそのイミド化物等の不飽和無水酸誘導体系の単
量体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上の混合
物であってもよい。
【0014】(B)共重合体中に占める芳香族ビニル単
量体成分の比率は、60〜100重量%の範囲とする。
60重量%に満たないと、得られる樹脂組成物の耐熱性
や耐衝撃性、色調などが低下する。この(B)共重合体
は、例えば公知のアクリロニトリル−スチレン共重合体
の製造技術に準じて、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重
合法、塊状重合法等の方法を用いて、回分方式又は連続
方式で製造する事ができる。また(B)共重合体は、
(A)グラフト共重合体の重合操作において同時に同一
の重合系内で製造することもできるし、別途重合方法お
よび重合条件を設定して製造することもできる。
【0015】本発明の樹脂組成物における各樹脂の配合
比率は(A)グラフト共重合体10〜100重量%及
び、(B)共重合体0〜90重量%の範囲でなければな
らない。この範囲を外れると得られる樹脂組成物に十分
な難燃性、物性を付与することができない。(A)グラ
フト共重合体又は(B)共重合体が乳化重合により製造
される場合は、乳化剤、塩析剤等に由来する脂肪酸や金
属塩の残留物が少ないものほど得られる樹脂組成物の熱
安定性や機械的強度が向上するため好ましい。
【0016】本発明では必要に応じて、更に任意の他の
樹脂を添加することができる。添加することのできる他
樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂等
が挙げられる。本発明で使用される(C)有機ハロゲン
化合物の化学構造には制限はなく、樹脂に添加する際に
十分な難燃性を付与することができるものであれば使用
することができるが、とりわけ臭素及び/又は塩素を含
有する有機ハロゲン化合物が、樹脂に添加した際の難燃
化能が高いため好ましい。また、(C)有機ハロゲン化
合物としてハロゲン化エポキシ化合物、ハロゲン化トリ
アジン化合物及びハロゲン化芳香族フタルイミド化合物
からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を用い
た場合は、(C)有機ハロゲン化合物自体の光安定性が
高く、本発明の効果が最大限に発揮されるため最も好ま
しい。本発明で用いられるハロゲン化エポキシ化合物と
は、ハロゲン化ビスフェノールと、ハロゲン化ビスフェ
ノールのジグリシジルエーテル又はエピハロヒドリンと
の反応生成物であり、下記一般式1で表わされる。
【0017】
【化1】
【0018】(式中nは0以上の整数を、Xは臭素又は
塩素を、a,b,c,dは1〜4の整数を、R1はイソ
プロピリデン基、メチレン基又はスルホン基を、R2
3はそれぞれ2,3−エポキシプロピル基及び/又は
−CH2CH(OH)CH2OR7基[R7は臭素又は塩素
で置換されていても良いアルキル基又はアリル基]を示
す。)
【0019】ハロゲン化ビスフェノールの具体例として
はテトラブロモビスフェノールA、ジブロモビスフェノ
ールA、テトラクロロビスフェノールA、ジクロロビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールF、ジブロ
モビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールF、
ジクロロビスフェノールF、テトラブロモビスフェノー
ルS、ジブロモビスフェノールS、テトラクロロビスフ
ェノールS、ジクロロビスフェノールS等が挙げられ
る。これらは1種又は2種以上の混合物であっても良
い。
【0020】ハロゲン化エポキシ化合物の重合度nは0
以上の整数、より好ましくは0〜15の整数であり、重
合度nの異なるもの2種類以上を併用しても良い。ハロ
ゲン化エポキシ化合物の末端はエポキシ基であっても、
アリル基やアルキル基などでエポキシ基が封止されてい
てもよく、末端を封止するアリル基やアルキル基は必要
に応じて塩素、臭素などのハロゲン元素で修飾されてい
ても良い。末端封止基の具体例としてはフェニル基、ナ
フチル基等の無置換アリル基、トリブロモフェニル基、
ペンタブロモフェニル基、トリクロロフェニル基、ペン
タクロロフェニル基等のハロゲン化アリル基、ステアリ
ル基等のアルキル基等が挙げられる。
【0021】本発明で用いられるハロゲン化エポキシ化
合物の末端は上記の範囲内であれば制限はなく、一方の
末端と他方の末端の構造は同一であっても異なっていて
も良い。本発明で用いられるハロゲン化トリアジン化合
物とは、トリアジン骨格を有することを特徴とする有機
ハロゲン化合物であって、下記一般式2で表される。
【0022】
【化2】
【0023】(式中Yは−O−基または−NH−基、R
4、R5、R6はそれぞれ臭素化又は塩素化されたアリル
基及び/又はアルキル基、又は水素原子を示す。)
【0024】このような化合物は一般にシアヌル酸やメ
ラミン等のトリアジン骨格含有化合物に臭素化又は塩素
化されたフェノール類、アルコール類などの水酸基含有
化合物やアミン化合物を反応させることにより得られ
る。本発明で用いられるハロゲン化芳香族フタルイミド
化合物とはハロゲン化されたフタル酸などの芳香族2価
有機酸と2価アミノアルカン類とのイミド化合物であっ
て、下記一般式3で表わされるものである。
【0025】
【化3】
【0026】(式中Xは臭素又は塩素、nは1〜10の
整数、mは1〜4の整数を示す。) (C)有機ハロゲン化合物は必ずしも1種のみ用いる必
要はなく、2種以上の異なった化合物を使用してもよ
い。(C)有機ハロゲン化合物の添加量は、(A)及び
(B)の樹脂混合物100重量部に対して1〜35重量
部、好ましくは5〜30重量部である。添加量が35重
量部を越えると得られる樹脂組成物の物性、耐光性が低
下し、添加量が5重量部に満たないと得られる樹脂組成
物に十分な難燃性を付与することができない。
【0027】本発明では(D)黄色系色素として、通常
熱可塑性樹脂の着色に用いられる黄色系染料及び黄色系
顔料を制限なく使用することができるが、とりわけ分散
性(Disperse)染料又は油溶性(Solvent)染料が樹脂
への着色性が優れているために特に好ましく使用され
る。ここでいう分散性(Disperse)染料及び油溶性(So
lvent)染料とは、英国染料染色学会(Society of Dyer
s and Colourists)編集による染料便覧である「カラー
インデックス(Colour Index)」における分類のことで
あって、該便覧のカラーインデックスナンバー(C.I.N
o.)において、Disperse Yellow、Disperse Orange、So
lvent Yellow、Solvent Orangeのいずれかに分類される
色素をいう。これらのいずれかに分類される色素であれ
ば、1種であっても、又2種以上を併用しても良い。
【0028】本発明で用いられる(D)黄色系色素の化
学構造には制限はなく、樹脂への十分な黄色着色能を有
するものであれば使用することができる。具体例として
は、例えばキノリン系化合物、ナフタリミド系化合物、
ペリレン系化合物、ペリノン系化合物、メチン系化合
物、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げら
れる。中でも、とりわけキノリン系化合物及び/又はア
ゾ化合物を用いた場合には、本発明における色素を除く
樹脂組成物の光による黄変速度と、添加される黄色系色
素の白化退色の速度がほぼ正確に補色関係となり、実質
的に樹脂組成物が変退色を引き起こすことが認められな
くなるという本発明の効果を最大限に発揮させることが
できるので、最も好ましい。これらは1種または2種以
上の混合物であっても良い。
【0029】本発明で用いられる(D)黄色系色素の添
加量は、通常の着色時に用いられる量に比べて極めて少
量であり、0.0001重量部から0.01重量部の範囲、好まし
くは0.0005重量部から0.007重量部の範囲である。
(D)黄色系色素の添加量が0.0001重量部に満たない場
合は十分に耐光性を向上させることが難しく、0.01重量
部を超えると樹脂組成物が黄色に着色してしまい、淡色
に着色することが困難になるため、好ましくない。
【0030】本発明に係わる樹脂組成物は、(A)グラ
フト共重合体、(B)共重合体、(C)有機ハロゲン化
合物、(D)黄色系色素を上記の範囲で秤量し、公知の
方法で混合、混練することにより得られる。例えば、粉
末、ビーズ、フレーク又はペレット状の各構成物の混合
物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機、又はバンバ
リーミキサー、加圧ニーダー、二本ロール等の混練機等
を用いて溶融混練する事により樹脂組成物を得ることが
できる。液体を配合する必要のある場合には公知の液体
注入装置を用いて上記の方法で混練すればよい。また、
その際必要に応じて本樹脂組成物の性質を阻害しない種
類および量の潤滑剤、離型剤、他の着色剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、他の難燃剤、三酸化アンチモンなどの
難燃助剤、ドリップ(燃焼時の火種の垂れ落ち)防止
剤、紫外線吸収剤、耐熱性安定剤、耐熱性安定剤等の各
種樹脂添加剤や、タルク等の充填材、ガラス繊維、炭素
繊維、ウィスカー等の補強材等を適宜組合せて添加する
ことができる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 (1)(A)グラフト共重合体 (A−1)乳化重合法により、ブタジエンゴム含量50
重量%、ゴムの重量平均粒径0.3μm、グラフト率4
0%、アクリロニトリル含量25重量%、マトリックス
の重量平均分子量80000の白色粉末状のアクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体を重合し、これを
(A−1)として用いた。
【0032】(A−2)懸濁重合法により、ブタジエン
ゴム含量15重量%、ゴムの重量平均粒径1.4μm、
グラフト率60%、アクリロニトリル含量24重量%、
マトリックスの重量平均分子量130000の白色ビード状の
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体を重
合し、これを(A−2)として用いた。
【0033】(A−3)塊状重合法により、ブタジエン
ゴム含量12重量%、ゴムの重量平均粒径2.5μm、
グラフト率140%、マトリックスの重量平均分子量22
0000の耐衝撃性ポリスチレン樹脂を重合し、これを(A
−3)として用いた。
【0034】(2)(B)共重合体 (B−1)塊状重合法によりアクリロニトリル含量26
重量%、重量平均分子量160000のアクリロニトリル−ス
チレン共重合体を重合し、これを(B−1)として用い
た。
【0035】(B−2)塊状重合法により重量平均分子
量200000のポリスチレン樹脂を重合し、これを(B−
2)として用いた。
【0036】(3)(C)有機ハロゲン化合物 (C−1)ハロゲン化エポキシ化合物(末端未封止型) 市販の末端未封止型テトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシオリゴマー(東都化成(株)製、商品名 エポト
ートYDB406)を使用した。構造を以下に示す。
【0037】
【化4】
【0038】(但し、n=0、1の混合物。) (C−2)ハロゲン化エポキシ化合物(末端封止型) 市販の末端封止型テトラブロモビスフェノールA型エポ
キシオリゴマー(東都化成(株)製、商品名 エポトー
トTB62)を使用した。構造を以下に示す。
【0039】
【化5】
【0040】(但し、n=0、1の混合物。) (C−3)ハロゲン化トリアジン化合物 市販のトリス(トリブロモフェノキシ)シアヌル酸エス
テル(第一工業製薬(株)製、商品名 ピロガードSR24
5)を使用した。構造を以下に示す。
【0041】
【化6】
【0042】(C−4)ハロゲン化芳香族フタルイミド
化合物 市販のエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)(ア
ルベマールコーポレーション製、商品名 セイテックス
BT93)を使用した。構造を以下に示す。
【0043】
【化7】
【0044】(4)(D)黄色系色素 (D−1)C.I.No.が「Disperse Yellow 54」である、
市販のキノリン系黄色染料(バイエルA.G.製、商品名
マクロレックスイエローG)を使用した。 (D−2)C.I.No.が「Disperse Yellow 160」である、
市販のキノリン系黄色染料(三菱化学(株)製、商品名
ダイアレジンイエローH2G)を使用した。
【0045】(D−3)C.I.No.が「Solvent Yellow 1
4」である、市販のアゾ系黄色染料(オリエント化学工
業(株)製、商品名 オイルオレンジPS)を使用した。 (D−4)C.I.No.が「Solvent Yellow 33」である、市
販のキノリン系黄色染料(ヘキストA.G.製、商品名 ホ
スタソルイエロー3G)を使用した。 (D−5)C.I.No.が「Solvent Yellow 114」である、
市販のキノリン系黄色染料(三菱化学(株)製、商品名
ダイアレジンイエローHG)を使用した。
【0046】(5)三酸化アンチモン(E) 難燃助剤として、市販の三酸化アンチモン(ローレルイ
ンダストリー(株)製、商品名 ファイアシールドH)
を使用した。
【0047】(6)ポリテトラフルオロエチレン(F) ドリップ防止剤として、市販のポリテトラフルオロエチ
レン(三井デュポンフロロケミカル製、商品名 テフロ
ン6CJ)を使用した。 (7)酸化チタン(G) 着色剤として、市販の酸化チタンを使用した。
【0048】(8)光安定剤(H) (H−1)比較例として、市販のベンゾトリアゾール系
光安定剤(旭電化工業(株)製、商品名 マークLA36)
を使用した。 (H−2)比較例として、市販のヒンダードアミン系光
安定剤(旭電化工業(株)製、商品名 マークLA57)を
使用した。
【0049】(9)樹脂組成物の調製と評価 上記の方法で得られた(A)グラフト共重合体、(B)
共重合体、(C)有機ハロゲン化合物、(D)黄色系色
素、(E)三酸化アンチモン、(F)ポリテトラフルオ
ロエチレン、(G)酸化チタン、(H)光安定剤を、第
1表及び第2表に記載した配合割合(重量部)で秤量、
タンブラーで混合し、得られた混合物をベント付2軸押
出し機を用いて揮発分を除去しながら混練して、樹脂組
成物のペレットを作成した。この樹脂組成物のペレット
から、射出成形法により試験片を作製した。各々の試験
片について、以下に示す方法で耐光性、アイゾッド衝撃
強さを測定し、UL燃焼試験を実施した。結果を第1表
及び第2表に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】・耐光性 キセノンアークウエザオメータ(スガ試験機(株)製)
を用いて、ブラックパネル温度63℃、光強度0.35
Wの条件で300時間光照射を行い、照射前後のE値の
差(ΔE*)を測定し、耐光性の指標とした。 ・アイゾッド衝撃強さ JIS-K7110に準拠した方法で23℃で測定し、耐衝撃性
の指標とした(試験片厚み1/8インチ、Vノッチ入
り)。 ・UL燃焼試験 米国アンダーライターラボラトリーズ発行のUL−94
に準拠した方法で垂直燃焼試験を行い、難燃性の指標と
した(試験片厚み1/12インチ)。
【0053】第1表より本発明において、(C)有機ハ
ロゲン化合物として末端未封止型ハロゲン化エポキシ化
合物を用いた場合、通常の着色に用いられる際に比べて
極めて少量の(D)黄色系色素を添加することにより、
(D)黄色系色素を添加しない場合ばかりか、代表的な
(H)光安定剤を添加した場合に比べても、優れた耐衝
撃性及び難燃性を保持したまま、(C)有機ハロゲン化
合物を含む樹脂組成物の耐光性を著しく向上させること
がわかる(実施例1〜5、比較例1、2)。
【0054】また、第2表より(C)有機ハロゲン化合
物として末端封止型ハロゲン化エポキシ化合物やハロゲ
ン化トリアジン化合物、ハロゲン化芳香族フタルイミド
化合物を用いた場合でも、(D)黄色系色素を添加する
ことにより、それぞれ(D)黄色系色素を添加しない場
合に比べて、優れた耐衝撃性及び難燃性を保持したま
ま、耐光性が著しく向上する事がわかる(実施例6〜
8、比較例3〜5)。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、(A)グラフト共重合
体、(B)共重合体、(C)有機ハロゲン化合物に
(D)黄色系色素を配合する事により、優れた耐衝撃性
及び難燃性を有し、かつ非常に優れた耐光性を有する難
燃性熱可塑性樹脂材料を、安価に利用することが可能で
あり、その産業上の利用価値は極めて高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ビニル単量体60〜100重
    量%及び芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体0〜
    40重量%の混合物を、ゴム質重合体の存在下でグラフ
    ト共重合させたグラフト共重合体10〜100重量部
    と、(B)芳香族ビニル単量体60〜100重量%及び
    芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体0〜40重量
    %で構成される共重合体0〜90重量部よりなる樹脂混
    合物100重量部に((A)+(B)=100重量部と
    する)、(C)有機ハロゲン化合物1〜35重量部と
    (D)黄色系色素0.0001〜0.01重量部を配合
    してなることを特徴とする耐光性に優れた難燃性熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(C)有機ハロゲン化合物がハロゲン化エ
    ポキシ化合物、ハロゲン化トリアジン化合物及びハロゲ
    ン化芳香族フタルイミド化合物からなる群より選ばれた
    少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項
    1記載の耐光性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(D)黄色系色素が分散性染料又は油溶性
    染料であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐光
    性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(D)黄色系色素がキノリン系化合物又は
    アゾ化合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    かに記載の耐光性に優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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KR20160119053A (ko) 2014-02-06 2016-10-12 도레이 카부시키가이샤 열가소성 수지 조성물

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