JPH09234748A - 硬質ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方法 - Google Patents
硬質ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方法Info
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- JPH09234748A JPH09234748A JP8162353A JP16235396A JPH09234748A JP H09234748 A JPH09234748 A JP H09234748A JP 8162353 A JP8162353 A JP 8162353A JP 16235396 A JP16235396 A JP 16235396A JP H09234748 A JPH09234748 A JP H09234748A
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Abstract
ピレンフィルム6を下型3と上型2のいずれか一方又は
双方のキャビティ5形状と相似の形状に予め真空成形し
ておき、発泡原料をキャビティ5内のフィルム6上に注
入し、発泡・膨張させ、ポリウレタンフォームの膨張が
終了した段階で成形品16をフィルム6と共に押し上
げ、このフィルム6全体をモールド1から取り出すこと
なく成形品16だけをフィルム6から剥離してモールド
1から取り出すと共に、押し上げられたフィルム6を元
の真空成形された形状に戻し、キャビティ5内に再配置
する。 【効果】 モールドからの成形品の取り出しが容易で、
フィルムが予め真空成形されているので、当初の形状に
容易に戻すことができ、手間がかからず、モールド使用
時間が短縮でき、生産性を上げる。
Description
の他の産業資材に利用される硬質ポリウレタンフォーム
モールド成形品の製造方法に関する。
ら、硬質ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方
法としては、所望の形状を有するモールド(上下に分割
可能な金型)を加熱し、モールド内部に離型剤を塗布
し、モールドの下型に硬質ポリウレタンフォーム原料を
注入し、モールドの上型(蓋)を閉じてクランプ締め
し、ポリウレタンフォーム原料が発泡してモールド形状
に膨脹し固化(キュア)した後、蓋を開けて製品の取り
出し(脱型)を行い、モールドを清掃して次回の成形に
備える方法が知られている。この際、製品はそのまま使
用できるが、内装材又は外装材を接着する場合は製品に
付着している離型剤を除去する必要がある。
フォームモールド成形品が十分にキュアしてから脱型し
ないと、製品の一部、例えば突起した形状の部分などが
モールドに付着してちぎれたりする恐れがあるので、原
料配合や成形品の大きさにもよるが、標準的な場合キュ
アタイムとして80℃±10℃で12分前後を必要とし
ていた。また、射出成形などによる通常のプラスチック
成形品の場合は、モールドから取り出す際にモールドに
内蔵されているエジェクターピンで突き上げて製品の取
り出しを容易にする方法が用いられているが、ポリウレ
タンフォームの場合は発泡成形を繰り返すとモールドと
ピンの隙間にポリウレタンフォームが侵入するので定期
的に掃除する手間が必要であった。
金型による成形方法として種々の提案がなされている
(特開昭50−66562号、同50−79568号、
同52−151360号、同60−178012号、同
61−12581号公報等)。
品との分離が困難であり、分離の際にシートが伸びてし
まい、シートを再度使用することができないという問題
点があった。また、シートと成形品との分離を良くする
ため、実公平7−26085号公報においてはシリコン
系樹脂の塗布層をシートに設け、シートと成形品との分
離を容易にするシートが提案されているが、この方法に
おいても、分離の際にシートが伸びてしまい、数十回に
わたる再使用には使用できないという問題点があった。
更に、このシートを使う方法においても、成形品とシー
トを一体で金型から取り出す方法しか提案されていな
い。これらの方法では、脱型後、シートと成形品を分離
する作業者が必要となり、製造工程での脱型人員を減ら
すことはできなかった。
法は、成形品の外形と凹凸を反転した型キャビティを第
1の型に設け、この第1の型上に注入樹脂の反応熱と発
泡圧で前記第1の型の型キャビティ内壁に変形密着する
熱可塑性合成樹脂フィルムを設置し、この熱可塑性合成
樹脂フィルム上に所定の量の発泡性合成樹脂を注入し、
この発泡性合成樹脂を前記第1の型と第2の型により密
封圧締して前記発泡性合成樹脂の発泡圧により前記熱可
塑性合成樹脂フィルムを前記第1の型の型キャビティ内
壁に圧着させて前記発泡性合成樹脂を硬化させて所定の
形状に成形し、この発泡成形品を第1の型より取り出し
て前記熱可塑性合成樹脂フィルムを取り除くことにより
所定の発泡成形品を得ることを特徴とする注入発泡成形
方法であり、フィルムとしてポリエチレンを使用してい
るので成形品から剥がし難い上、ウレタンの成形金型の
型温は通常50〜60℃程度で使用されるが、ポリエチ
レンフィルムは、この熱で軟化し、伸び易い状態となっ
ているため、成形品から剥がす際に伸びてしまい再使用
に耐えるものではなく、これを再使用することは困難で
あった。
法は、成形品の外形と凹凸を反転した型キャビティを第
1の型に設け、この第1の型上に注入樹脂の反応熱と発
泡圧で前記第1の型の型キャビティ内壁に変形密着し、
かつ前記注入樹脂とは密着することのない熱可塑性合成
樹脂フィルムを設置し、この熱可塑性合成樹脂フィルム
上に所定の量の発泡性合成樹脂を注入し、この発泡性合
成樹脂を前記第1の型と第2の型により密封圧締して前
記発泡性合成樹脂の発泡圧により前記熱可塑性合成樹脂
フィルムを前記第1の型の型キャビティ内壁に圧着させ
て前記発泡性合成樹脂を硬化させて所定の形状に成形
し、この発泡成形品のみを第1の型より取り出して所定
の発泡成形品を得、前記熱可塑性合成樹脂フィルムを前
記第1の型の型キャビティ内に残すことを特徴とする注
入発泡成形方法であるが、これもフィルムとしてポリエ
チレンを使用するものであるため、この発明の明細書の
中にも述べられているように成形したフィルム(1〜2
mm)のものを用いても数回の使用にしか耐えられな
い。また、この発明では、フィルムを成形後下型のキャ
ビティに残すとの記述があるが、フィルムは下型に固定
されておらず、このような方法では脱型時の作業にてフ
ィルムの位置がずれるため再設置に手間を要するものと
なっており、問題が残る。
は、発泡用型の内面の気泡体離型面に水溶性樹脂フィル
ムを敷きつめ、その上に発泡原液を注入して発泡せしめ
ることを特徴とする気泡体の製造方法であるが、これは
ポリビニルアルコール等の水溶性の樹脂で発泡体樹脂と
一体になり、成形後、水で除去させる等のことを考えて
おり、金型には毎回フィルムを敷きつめることが必要
で、手間のかかる方法である。
方法は、発泡成形型の下型に圧縮空気の注入装置を連結
し、発泡成形型の下型に離型性及び気密性を有する離型
シートを成形面に沿って配設し、該離型シートの上に独
立気泡の発泡合成樹脂の原液を注入し、該下型に上型を
型合わせし、発泡キュアさせて発泡体を成形し、上型を
型合わせした状態で発泡成形型の下型の圧縮空気の注入
装置を作動させ、発泡成形型の離型シートの下部より圧
縮空気を注入し、発泡体の独立気泡を破泡させ、次いで
上型を型開きした状態で前記圧縮空気の注入装置を作動
させ、圧縮空気により発泡体を離型シートと共に発泡成
形型より脱型させ、次いで発泡体と離型シートを剥離す
ることを特徴とする発泡体の製造方法であり、この方法
は離型シートとして布、不織布にフッ素樹脂又はシリコ
ーン樹脂をコーティングしたもので、フィルムと異なり
厚いので、キャビティ形状に十分追随せず、また成形品
との離型性に劣る上、クラッシングしながら脱型するも
のである。更に、この方法には、シートを元の形状に復
帰させるプロセスの開示もない。なお、この方法におい
て、上記シートの成形をプレス成形によって行うことが
記載されているが、特に布地や不織布にフッ素樹脂、シ
リコーン樹脂をコーティングしたものでは、伸びが小さ
く、複雑な形状に成形できず、しかもフッ素樹脂、シリ
コーン樹脂のいずれもプレスすると伸ばされて永久変形
し、型づけされ、真空成形のような形状を実現できな
い。
と、永久変形で形を作ることになるので、繰り返しの使
用でシートが伸ばされた場合、永久変形した部分が破れ
易く、耐久性がないものである。更に、対象としている
発泡体は独立気泡であるとの記述があるが、空気圧にて
破泡させると記載されており、従ってこの提案はポリウ
レタンフォームの形成の場合、軟質ポリウレタンフォー
ムでコールドキュアフォームが対象と考えられる。これ
を硬質ウレタンフォームとした場合には、破泡させると
製品が破壊してしまうことからも軟質であることがわか
る。軟質ウレタンフォームの場合は、フォームが軟らか
いので、取り出した時に変形するので取り出し時に取り
出せいない状況は起きないが、硬質ウレタンフォームの
場合は無理に力を入れるとフォームが破壊してしまい、
フォームが金型の側壁を押している力に勝って取り出す
ことができなくなるものである。
は、ポリエチレン,ポリプロピレン等のウレタンに対し
て離反性を有するシート材を用いて、ウレタン成形金型
のキャビティ面に沿った形状にライナーをブロー又は真
空成形すると共に、このライナーを前記成形金型のキャ
ビティ面に被覆配置したことを特徴とするウレタン成形
金型構造であるが、これはライナーが金型に全面固定
(真空引き又は接着)されており、この面上にウレタン
を発泡する。ライナーは全面固定されているため、脱型
時にウレタン成形体とライナーを同時に取り出したりで
きず、ウレタンのみを取り出すものである。また、脱型
時に真空引きの穴を利用して逆に空気を入れてフィルム
を膨らませるものでもない。
号公報のような考えにて、型にポリプロピレン成形フィ
ルムを全面固定して用いたが、この場合、数回の使用に
しか耐えられず、その後はポリプロピレン成形フィルム
の上に離型剤を塗布しないと脱型が困難となっしまうも
のであった。ここで本発明者らは、後述するように、ポ
リプロピレン成形フィルムを型に全面固定したことがこ
のような問題を引き起こす原因であることを知見したも
のである。
ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方法とし
て、特開平7−164452号公報に記載された方法が
既に提案されている。
モールド内に、分割されたモールドの少なくとも一方の
形状と相似の形状に成形された硬質ポリウレタンフォー
ムと接着性を有しないプラスチック製フィルムを設置
し、硬質ポリウレタンフォーム原料をモールド内に設置
された上記プラスチック製フィルム内に注入して発泡・
膨脹させ、ポリウレタンフォームの膨脹が終了した段階
でポリウレタンフォームを上記フィルムと共にモールド
から取り出し、次いで上記フィルムを分離することを特
徴とするものである。この提案によれば、モールド使用
時間を短縮して単位時間あたりの成形回数を増やすこと
ができ、またモールドからの製品の取り出しが容易にな
るので生産性が向上し、80℃±10℃での脱型までの
キュア時間を12分前後から6分前後にまで縮め、脱型
することが可能となり、またモールドに離型剤を塗布す
るという煩雑で汚れやすい作業が不要で、成形した製品
に内装材又は外装材を装着する場合でも製品に付着して
いる離型剤を除去する必要がなく、そのまま作業ができ
るという優れた効果を有するものである。
(1)硬質ポリウレタンフォーム成形品をプラスチック
製フィルムと共にモールドから取り出す手間、成形品と
フィルムとを分離する手間が生じる。(2)プラスチッ
ク製フィルムを予め成形して用いるが、分離の際にフィ
ルムが反転、変形してしまう場合がある。(3)従っ
て、フィルムを再使用する場合には当初の形状に戻すた
めに手間が必要となるという問題点があった。
に効率よく確実にキュア時間を縮めることができ、モー
ルド使用時間を短縮して単位時間当りの成形回数を増や
し、生産性を上げ得る硬質ポリウレタンフォームモール
ド成形品の製造方法の開発が望まれていた。
あり、プラスチック製シートと成形品とを分離する手間
がかからず、容易に脱型することができ、またシートの
変形等がなく再使用が容易であり、その上、モールド使
用時間を短縮でき、単位時間当りの成形回数を増やし生
産性を上げることが可能な硬質ポリウレタンフォームモ
ールド成形品の製造方法を提供することを目的とする。
発明は、上記目的を達成するため、上型と下型とを分離
可能に接合することにより内部にポリヒドロキシ化合物
とポリイソシアネート化合物とを主成分とする硬質ポリ
ウレタン発泡原料が導入されるキャビティが形成され、
上記ポリウレタン発泡原料をこのキャビティ内で発泡・
膨張させて硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を
製造するに際して、上記成形品と接着性を有しないポリ
プロピレンフィルムを下型と上型の一方又は双方のキャ
ビティ形状と相似の形状に予め真空成形しておき、この
真空成形されたフィルムを当該キャビティ内に設置し、
上記フィルムをモールドに固定した状態で上記発泡原料
を上記キャビティ内のフィルム上に注入し、発泡・膨張
させ、ポリウレタンフォームの膨脹が終了した段階で成
形品を上記フィルムと共に押し上げ、このフィルム全体
をモールドから取り出すことなく成形品だけをフィルム
から剥離してモールドから取り出すと共に、押し上げら
れたフィルムを元の真空成形された形状に戻し、上記キ
ャビティ内に再配置することを特徴とする硬質ポリウレ
タンフォームモールド成形品の製造方法を提供する。
と上型のいずれか一方又は双方に複数のエアー連通孔を
介して上記キャビティに連通する空気室を設けると共
に、一端がエアー導入・吸引装置と連結するエアー管の
他端を上記空気室に連通し、上記エアー導入・吸引装置
のエアー供給動作で上記エアー管、空気室及びエアー連
通孔を通って上記キャビティ内にエアーを導入すること
により、上記真空成形フィルムを押圧し、成形品をこの
フィルムと共に押上げ、成形品をフィルムから剥離した
後、上記エアー導入・吸引装置をエアー吸引動作に切り
換え、上記フィルムとキャビティ面との間に存するエア
ーを上記エアー連通孔、空気室及びエアー管を通ってエ
アー導入・吸引装置より外部に排出することにより、上
記フィルムを元の真空成形形状に復帰させて上記キャビ
ティ内に再設置することが好適である。
型のいずれか一方又は双方の底部にピン挿通孔を介して
上記キャビティに連通する空気室を設けると共に、上記
挿通孔にエジェクターピンを軸方向移動可能に挿入し、
かつ一端がエアー吸引装置と連結するエアー管の他端を
上記空気室に連通し、上記エジェクターピンをキャビテ
ィ方向に移動させることにより、上記真空成形フィルム
を押圧し、成形品をこのフィルムと共に押し上げ、成形
品をフィルムから剥離した後、上記ピンをキャビティか
ら退出させ、次いで上記エアー吸引装置により上記フィ
ルムとキャビティ面との間に存するエアーを上記挿通孔
とエジェクターピンとの間の隙間、空気室及びエアー管
を通って外部に排出することにより、上記フィルムを元
の真空成形形状に復帰させて上記キャビティ内に再設置
することも好適である。
パーを設けることが脱型上有効である。
キャビティと相似、同一形状に真空成形されたポリプロ
ピレンフィルムを用いているので、真空成形時の下型及
び/又は上型キャビティの3次元の複雑な形状にも追従
することができ、フィルムの浮きもなく、下型及び/又
は上型キャビティと相似形状に容易に成形することがで
きる。また、上記フィルムの端部をモールドに固定する
ことにより、硬質ポリウレタン発泡原料が発泡・膨張終
了後に、成形品のみを容易に取り出すことができる上、
脱型の終了後にフィルムを元の形状に戻す場合に、フィ
ルムは所定の位置にまで持ち上がるだけで全体がモール
ドから取り出されることはないために、エアー吸引の方
法により元の形状に戻すことができる。この際に、フィ
ルムが予めモールドと相似形状に成形されているため
に、容易に元の形状に戻すことが可能であり、フィルム
の再使用を図ることができ、更に効率よく確実にキュア
時間を縮めることができ、モールドの使用時間を短縮し
て単位時間当りの成形回数を増やし生産性を向上させる
ことができる。
と、本発明の硬質ポリウレタンフォームモールド成形品
の製造方法は、硬質ポリウレタン発泡原料を予めモール
ドの下型と上型のいずれか一方又は双方のキャビティ形
状と相似形状に真空成形したポリプロピレンフィルムを
配置したキャビティ内に導入し、発泡・膨張後、成形品
のみを取り出すことを特徴とするものである。
は、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物
とを主成分とし、更に触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、
その他の助剤を所望により配合したものを使用し得る。
これらの成分としては硬質ポリウレタンフォームの製造
に通常使用する公知のものを使用でき、またその使用量
も常用量とすることができる。
に示すものが好適に用いられる。
モールドを示し、このモールドは上型2と下型3とから
なり、これら上下型2,3は分離可能に接合されるよう
になっている。上記下型3は上部中央部に凹部(下型キ
ャビティ)4が形成されていると共に、上型2はこの凹
部4の上端開放部を閉塞する蓋体として形成され、上下
型2,3が接合した際に上記凹部(下型キャビティ)4
がモールド1のキャビティ5を形成するようになってい
る。また、下型3には真空成形法により予め上記凹部
(下型キャビティ)4と相似乃至同一形状に成形された
ポリプロピレン製フィルム6が設置されている。このフ
ィルム6は下型3の上端面に固定ピン7により止めら
れ、下型3の上端面に配設されたフィルムエアーシール
用パッキン9と更にフィルム押え8で挟持されて下型に
強固に固定されている。本発明者らの検討によると、か
かる固定状態で数十回の繰り返しの脱型にてもフィルム
のズレは生じなかった。また、脱型作業も容易に行うこ
とができたものである。
0が設けられており、この空気室10には、圧力調整バ
ルブ11を介装するエアー管12の一端が接続され、該
エアー管12の他端は真空ポンプ等のエアー導入・吸引
装置13と連結されている。この空気室10と下型キャ
ビティ4とは複数のエアー連通孔(空気穴)14によっ
て連通されている。
に、ポリプロピレンフィルムが使用されるものであり、
これによって硬質ポリウレタンフォームとの分離性を良
好にし、繰り返し使用が数十回可能になったものであ
る。即ち、プラスチック製フィルムとして硬質ポリウレ
タンフォーム成形品と分離するものには、ポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルムがあるが、ポリエチ
レンフィルムは伸び、変形が起こり易く、数回の使用し
かできなかった。これに対し、硬質ポリウレタンフォー
ムとの分離時に伸び、変形が少なく、かつ分離性の良い
ポリプロピレンのフィルムの使用で初めて数十回の使用
が可能になったものである。また、硬質ポリウレタンフ
ォームは、軟質ウレタンフォームと異なり、力を加える
と座屈変形、つまり破壊してしまうものである。脱型時
に硬質ポリウレタンフォームは内部の反応熱で膨張して
おり、金型の側面を0.5〜1kg/cm2程度の力で
押している。このため、脱型方法としては本発明者らに
より提案されているは特開平7−164452号公報以
外に適当な脱型方法がなかったが、この方法では、フィ
ルムを再セットする手間があった。そこで、本発明者ら
は、上記のような方法でフィルムを金型に設置し、空気
圧を加えてみたところ、意外にも比較的スムーズに成形
品が金型より上がってくる、つまり脱型できることを知
見した。即ち、従来は金型の側面を0.5〜1kg/c
m2もの強い力で硬質ポリウレタンフォームが押しつけ
られているため、エアー圧で押し出そうとすると、硬質
ポリウレタンフォーム成形品、フィルム、金型側壁との
間に力がかかっているため、押出時(脱型時)に抵抗力
となり、脱型を困難にし、脱型させるためにエアーを入
れた場合、圧力が不足して硬質ポリウレタンフォーム成
形品が出てこないか、フィルムが力に負けて破れたり、
切れたり又はフィルムが膨らみ、穴があいてしまうと考
えられていたが、上述したように、本発明の方法により
スムーズに脱型することが可能であることを見い出した
ものである。
3〜1.0mm、特に0.3〜0.6mmであることが
好適である。0.3mmよりも薄いと十分な強度が維持
できず、成形時にフィルムが破損する場合がある。一
方、1.0mmよりも厚くなると、製品寸法誤差が大き
くなり、金型を大きめに作らざるを得ない問題が生じ、
脱型時のフィルムの変形が起こりにくくなり、また、成
形品の形状によって複雑なものはフィルムとウレタンが
分離しにくくなる場合が起きる。
め真空成形法によって下型と上型のいずれか一方又は双
方のキャビティと同一乃至相似形状に成形しておくこと
が必要である。この場合、ポリプロピレンフィルムは、
下型と上型キャビティのいずれか一方に配置することが
可能であるが、少なくとも下型キャビティに配置するこ
とが好ましい。図1に示す金型の場合は、下型キャビテ
ィのみにポリプロピレンフィルムを配設してある。予め
成形しておかないと、硬質ポリウレタンフォームを発
泡、成形し、脱型した後、元の状態に十分追随、復元し
難い。更に、真空成形法ではなく、プレス成形法により
所定の形状に形成した場合、このプレス成形法では、雄
型形状のコーナー部が局部的に押され、永久変形のよう
な形で形状が作られることになるため、形状が完全に下
型キャビティに沿わず、下型より浮きが生じる。また、
フィルムのコーナー部が破れ易く、耐久性が劣る。特に
モールドが深い形状の場合には狭い隙間を薄いフィルム
がすべり、伸ばされることになるので、フィルムが薄く
なりすぎ、極端な場合には切れてしまう場合がある。ま
た、フィルムに均等に力が加わることが必要であるが、
フィルムが薄いため、上型がフィルムを均等に押すこと
が困難となり、片当たりして、成形品に薄さがでたりモ
ールド形状にピッタリと合うものができない場合があ
る。
るが、本発明の場合、ポリプロピレンフィルムを180
〜200℃、15〜20秒間程度加熱したものを真空成
形することがよい。また、真空成形法は、図2に示すよ
うにモールド(この場合は下型)を使用して行うことが
できるが、勿論これに限られない。この図2の下型3を
利用して真空成形する方法につき説明すると、図2
(A)に示したように、ポリプロピレン製フィルム6の
4辺をクランプ31でクランプし、このフィルム6の上
下両側からヒーター32で180〜200℃、15〜2
0秒間程度加熱し、次に、図2(B)に示したように、
下型3上に上記加熱されたフィルム6を上述したように
固定し、この状態で下型3に設けられた空気室10及び
下型キャビティ4内をエアー導入・吸引装置13の作動
により、所定の圧力に減圧することにより、図中矢印で
示したように凹部(下型キャビティ)4内の減圧と大気
圧の押圧力で加熱されたフィルム6が均等に下型に押し
つけられ、下型のキャビティ形状と相似形状に成形され
る。この際、大気圧によりフィルムが均等に成形でき、
3次元の複雑な形状にもフィルムが追従することができ
るので、フィルムの浮きもなく確実に成形することがで
きる。なお、このようにポリプロピレン製フィルムを真
空成形法により形成する場合、ポリプロピレン製フィル
ムの収縮もどりのため、ウレタン成形型より若干大きく
形成することが好ましい。
中央部の伸びが大きくなり、フィルムが切れるおそれが
あるので、この場合には、図2(B)に示したように、
まずプラグアシスト33で上方からフィルムを少し押し
込むようにしてから、更に上記真空成形法を用いてフィ
ルムを成形することが好ましい。なお、上記プラグアシ
スト33はプレスの上型のように下型面とぴったりと接
合する必要はなく、例えば半球形状のものでフィルムを
押し込むように構成しても十分に効果が生ずるものであ
る。
リウレタンフォームモールド成形品を製造する場合に
は、硬質ポリウレタンフォーム発泡原料をキャビティ5
内の真空成形ポリプロピレンフィルム6上に所定量導入
し、上型2を下型3に接合し、型締めする。発泡・膨張
させた後、ポリウレタンフォームの膨脹が終了した段階
で上型を型開きし、図1(B)に示したように、エアー
導入・吸引装置13を作動させ、エアー管12、空気室
10、及びエアー連通孔14を介して、フィルムとキャ
ビテイとの間隙15にエアーを吹き込み、成形品16を
フィルムと共に押し上げる。この際、フィルムは端部の
みフィルム押え8で下型3に固定されているので、空気
圧でフィルムと成形品が押し上げられ、この時フィルム
が成形品より分離することとなる。所定量空気を入れる
と所定位置に止まり、図1(B)のように成形品のみを
取り出すことができる。この場合、脱型の際の空気圧は
0.5kg/cm2以上、特に1〜5kg/cm2である
ことが好ましい。なお、本発明者らの検討によれば、成
形品の形状や大きさにより異なるが、工場エアー圧5k
g/cm2付近まで高めれば、ほとんどの形状の成形品
が脱型できることがわかった。
とが脱型を容易にし、押し上げる際にヘコミや傷等が生
じることなく、抵抗力も少なくなるため好ましく、成形
品の厚さや大きさにより異なるが3°以上、特に3°〜
5°にテーパーを取ることが好適である。
ーを吸引するように作動させると、図1(C)に示した
ように、フィルム6は予め真空成形されているので容易
に元の形状に戻ることができ、下型キャビティ面上に再
設置されて、フィルム6の再使用が可能となる。従っ
て、更に効率よく確実にキュア時間を縮めることが可能
となり、モールド使用時間を短縮して単位時間当りの成
形回数を増やし生産性を上げることができる。この第1
実施例に係るモールドでは、脱型後のフィルム戻しの手
間がかからず効率のよい製造方法が実現でき、また、エ
アーにより、成形品を全体的に均等に押し上げることが
できるため、成形品に無理な力がかからず80℃±10
℃でのキュア時間を6分前後から更に約4分に縮めるこ
とができ、これによりモールド使用時間を短縮して単位
時間当たりの成形回数を約30%も増やし、生産性を上
げることができるものである。
20を示すもので、このモールド20は、上記図1のモ
ールドにおいて、更に下型3の中央部に上下方向に進退
可能なエジェクターピン21が設けられているものであ
る。即ち、この実施例は、下型3の底面にピン挿通孔2
2を設け、この挿通孔22内にエジェクターピン21を
軸方向(上下方向)移動可能に配設したものである。こ
の場合、この実施例においては、図1の実施例と同様に
空気室10が形成されるが、上記ピン挿通孔22はこの
空気室10と連通するようにして形成され、この空気室
10はエアー吸引装置24とエアー管23を介して連通
しているものである。ここで、ピン挿通孔22とエジェ
クターピン21との間の隙間25が空気流通路となるの
で、この場合、図1に示すようなエアー連通孔を設けな
くともよい。ただし、必要によっては、図1に示すよう
にエジェクターピン21を挿通しないエアー連通孔を設
けてもよい。図3は、他にエアー連通孔を設けない例で
ある。
は、成形完了後、上型を型開きし、上記ピン21が上昇
する(キャビティ方向に移動する)ことにより、成形品
16をフィルム6と共に押し上げ、フィルムはモールド
に端部のみフィルム押え8にて固定されているために、
成形品16のみが容易に脱型できる。この場合、脱型後
の操作は、エジェクターピン21をキャビティから後退
させた後、バルブ11を開き、エアー吸引装置24を作
動させることにより、上記フィルムとキャビティ面との
間に存するエアーは、ピン挿通孔22とピン21との間
の隙間25、空気室10、エアー管23を通って外部に
排出されるものである。真空引きによりフィルム6を元
の形状に戻して再設置するものである。このエジェクタ
ーピン21の数は、1本(図3)に限られず、複数本設
けてもかまわない。また、エジェクターピンを使う場合
でも図1の実施例と同様に空気圧による脱型を併用すれ
ばよりスムーズな脱型が達成される。また、ピンの上下
駆動機構(図示せず)は特に制限されず、エアー圧を利
用したもの等が採用される。
型時に空気の吹出のためのエアー供給は必要なくなり、
工程が簡単となる。但し、ピンの大きさ、個数等はウレ
タン成形品を押し出す時に硬質ポリウレタンフォームを
変形させない程度の面圧となるように注意する必要があ
る。
いて脱型する場合、上述したように成形品に抜テーパー
を3°以上、特に3°〜5°設けることが好ましい。な
お、この抜きテーパーの角度は図3中θの角度である。
ウレタンフォーム成形品を金型から取り出す際には、フ
ィルムを固定していなければ、エジェクターピン等によ
り押し出せるが、フィルムを成形品より分離し、フィル
ムを金型に再配置する必要があり、分離の際に反転した
フィルムを当初の形状に戻す手間も必要となり、問題と
なるものであるが、本発明ではこの問題点をも解決し得
たものである。
を設け、フィルムのエジェクターピンによる押出とエア
ーによる押出を併用することは差し支えなく、この場
合、空気の排出はエアー連通孔及びピン挿通孔とピンと
の隙間を通して行われる。
たが、本発明は上記実施の形態に制限されるものではな
い。例えば、図1の実施例では、真空成形されたポリプ
ロピレンフィルムは下型だけにしか配設していないが、
上型にも同様にポリプロピレンフィルムを配設すること
ができ、特に上型にキャビティを有し、そのキャビティ
形状が複雑な場合は同様に上型キャビティと同形状に真
空成形したポリプロピレンフィルムを配設することが好
ましい。また、必要によっては上型のみに真空成形した
ポリプロピレンフィルムを配設することができる。この
場合、上型にも図1又は図3と同様に空気室を設けるこ
とができる。なおまた、図1に示すように上型にフィル
ムを配設しない場合、必要により上型に離型剤を塗布し
ておくことができ、またフッ素樹脂コーティングしてお
くこともできる。更に、エアー連通孔の数、径なども本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差支えな
い。
リウレタンフォームモールド成形品は、自動車用内装材
その他の産業資材に利用され、特に自動車のドアトリム
の内側に取り付け、衝突時のエネルギーを吸収して乗員
を保護するなど、衝撃吸収材として好適なものである。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
形・脱型条件に従い、硬質ポリウレタンフォームモール
ド成形品として、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシア
ネート化合物を主成分とする硬質ポリウレタン発泡原料
を用いて表1に示す6種の成形品を製造した。なお、配
合量はすべて重量部である。この場合、モールドとして
は図1に示す構造のものを使用した。得られた成形品の
寸法は、図4に示すようにL2,L3,L4,L5を一定
(L2=90mm、L3=50mm,L4=40mm,L5
=270mm)とし、L1の寸法を80mm,70m
m,60mm,40mm,20mmに変えたものであ
る。
時の作業性、ポリプロピレン製フィルムを成形品から取
り外したり、金型に戻す際の手間について評価した。結
果を表1に併記する。
ポリエーテルポリオールGR36B(OH価420) *2 ポリイソシアネート化合物:住友バイエルウレタ
ン(株)製の粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、
44V20 *3 整泡剤:日本ユニカー(株)製のシリコン整泡
剤、L−5430 *4 難燃剤:大八化学(株)製のTMCPP *5 触媒:花王(株)製のテトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン、カオライザーNo.1とトリエチレンジア
ミン・33%ジプロピレングリコール原液を1:1で使
用 *6 粉体:白石カルシウム(株)製の重質炭酸カルシ
ウム、ホワイトンSB *7 フィルム厚さ0.3〜1.0mmのポリプロピレ
ン製フィルム
ド成形品の取り出しが容易となる。 (2)成形品とポリプロピレンフィルムとの分離に手間
がかからない。 (3)脱型時にフィルムの変形が生じにくく、再使用可
能である。 (4)フィルムが予め真空成形されているので、当初の
形状に容易に戻すことができ、しかもその手間がほとん
どかからない。 (5)エアーを使う方式にては、脱型までのキュア時間
を約30%も短縮できる。 (6)エジェクターピンを使用してもフィルムがあるの
でエジェクターピンの隙間又は空気穴から侵入するウレ
タンの掃除の必要がないと共に、エジェクターピンを使
用した場合は成形品の脱型時にエアーを供給しなくても
よいので、生産ライン上の金型にエアーの供給装置が不
要となり、工程の設備投資が少なくてすむというメリッ
トがある。 (7)モールドの使用時間を短縮でき、単位時間当たり
の成形回数を増やし、生産性を上げることができる。ま
た、モールドに離型剤を塗布するという煩雑な作業が不
要となり、成形した製品に内装材又は外装材を接着する
場合でも製品に付着している離型剤を除去する必要がな
く、そのまま接着作業ができる。
(A)は成形時、(B)は脱型時、(C)はフィルムを
元の形状に戻している状態の断面図である。
法を示し、(A)はフィルムを加熱している模式図であ
り、(B)はフィルムをモールドに真空成形する際の状
態を示した断面図である。
を使った場合のモールドの断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 上型と下型とを分離可能に接合すること
により内部にポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネー
ト化合物とを主成分とする硬質ポリウレタン発泡原料が
導入されるキャビティが形成され、上記ポリウレタン発
泡原料をこのキャビティ内で発泡・膨張させて硬質ポリ
ウレタンフォームモールド成形品を製造するに際して、
上記成形品と接着性を有しないポリプロピレンフィルム
を下型と上型のいずれか一方又は双方のキャビティ形状
と相似の形状に予め真空成形しておき、この真空成形さ
れたフィルムを当該キャビティ内に設置し、上記フィル
ムをモールドに固定した状態で上記発泡原料を上記キャ
ビティ内のフィルム上に注入し、発泡・膨張させ、ポリ
ウレタンフォームの膨脹が終了した段階で成形品を上記
フィルムと共に押し上げ、このフィルム全体をモールド
から取り出すことなく成形品だけをフィルムから剥離し
てモールドから取り出すと共に、押し上げられたフィル
ムを元の真空成形された形状に戻し、上記キャビティ内
に再配置することを特徴とする硬質ポリウレタンフォー
ムモールド成形品の製造方法。 - 【請求項2】 キャビティ内に設置される下型と上型の
いずれか一方又は双方に複数のエアー連通孔を介して上
記キャビティに連通する空気室を設けると共に、一端が
エアー導入・吸引装置と連結するエアー管の他端を上記
空気室に連通し、上記エアー導入・吸引装置のエアー供
給動作で上記エアー管、空気室及びエアー連通孔を通っ
て上記キャビティ内にエアーを導入することにより、上
記真空成形フィルムを押圧し、成形品をこのフィルムと
共に押上げ、成形品をフィルムから剥離した後、上記エ
アー導入・吸引装置をエアー吸引動作に切り換え、上記
フィルムとキャビティ面との間に存するエアーを上記エ
アー連通孔、空気室及びエアー管を通ってエアー導入・
吸引装置より外部に排出することにより、上記フィルム
を元の真空成形形状に復帰させて上記キャビティ内に再
設置するようにした請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 キャビティ内に設置される下型と上型の
いずれか一方又は双方の底部にピン挿通孔を介して上記
キャビティに連通する空気室を設けると共に、上記挿通
孔にエジェクターピンを軸方向移動可能に挿入し、かつ
一端がエアー吸引装置と連結するエアー管の他端を上記
空気室に連通し、上記エジェクターピンをキャビティ方
向に移動させることにより、上記真空成形フィルムを押
圧し、成形品をこのフィルムと共に押し上げ、成形品を
フィルムから剥離した後、上記ピンをキャビティから退
出させ、次いで上記エアー吸引装置により上記フィルム
とキャビティ面との間に存するエアーを上記挿通孔とエ
ジェクターピンとの間の隙間、空気室及びエアー管を通
って外部に排出することにより、上記フィルムを元の真
空成形形状に復帰させて上記キャビティ内に再設置する
ようにした請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 成形品に3°以上の抜きテーパーを設け
た請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
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