JPH09232686A - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子

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JPH09232686A
JPH09232686A JP3977596A JP3977596A JPH09232686A JP H09232686 A JPH09232686 A JP H09232686A JP 3977596 A JP3977596 A JP 3977596A JP 3977596 A JP3977596 A JP 3977596A JP H09232686 A JPH09232686 A JP H09232686A
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JP
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doped
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light emitting
semiconductor light
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JP3977596A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Okumura
敏之 奥村
Yoshitaka Tomomura
好隆 友村
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 II−VI族化合物半導体よりなる半導体発光素
子に関し、長期の信頼性に優れた半導体レーザ素子及び
発光ダイオードを提供する。 【解決手段】 第1導電型の半導体基板上に、II−VI族
化合物半導体よりなる、第1導電型のクラッド層、活性
層、第2導電型のクラッド層、第2導電型のコンタクト
層とが、順次積層され、少なくとも前記活性層を含む半
導体層に、N,Clのうち少なくとも1種類以上の元素
を不純物として含む。これにより、転位や結晶欠陥の急
速な伝播を抑え、特性の劣化がない長期の信頼性に優れ
た半導体レーザ素子及び発光ダイオードを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II−VI族化合物半
導体よりなる半導体発光素子に関し、特に長期の信頼性
に優れた半導体レーザ素子及び発光ダイオードに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、II−VI族化合物半導体によって構
成される青色〜青緑色半導体発光素子の開発が盛んにな
り、電流注入によるレーザ発振等に関して多数報告され
ている(例えば、Journal of Vacuum
Science and Technology,
12(4),2480(’94).)。この報告の中で
用いられている、従来例である半導体レーザ素子の断面
図を図4に示す。この図において、101はn型GaA
s基板、102はn型GaAsバッファ層、103はC
lドープn型ZnS0.07Se0.93バッファ層、104は
Clドープn型Zn0.91Mg0.090.12Se0.88クラッ
ド層、105はClドープn型ZnS0.07Se0.93ガイ
ド層、106はアンドープZn0.8Cd0.2Se活性層、
107はNドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層、1
08はNドープp型Zn0.91Mg0.090.12Se0.88
ラッド層、109はNドープp型ZnSeTeコンタク
ト層、110はSiO2絶縁膜、111はポリイミド平
坦化層である。
【0003】このような構造の半導体レーザは、n型G
aAs基板101とp型ZnSeTeコンタクト層10
9の間に電圧を印加して電流を流し、n型クラッド層1
04・ガイド層105から活性層106へ電子を注入
し、p型クラッド層108・ガイド層107から活性層
106へ正孔を注入して、活性層106で電子と正孔と
が再結合することにより、活性層106を形成するII−
VI族化合物半導体のエネルギーギャップに相当する波長
の光を輻射する。また発光ダイオードも、同様の構造で
アンド−プの活性層から光を輻射している。
【0004】上記の構成からも明らかなように、従来の
II−VI族化合物半導体によって構成される半導体レーザ
及び発光ダイオードは、クラッド層・ガイド層・コンタ
クト層には導電性を持たせるために不純物を導入してい
るが、活性層には不純物を導入せずアンドープで作成さ
れている。
【0005】一方、III−V族化合物半導体によって構
成される赤色〜赤外色半導体発光素子においては、転位
や結晶欠陥の伝播を抑える目的で、構成元素と同じ族で
あり主たる構成元素以外のIII族・V族元素を、活性層
に導入することが提案されている(特開平5−3043
32号公報)。具体的には例えば、AlGaInP層に
III族元素のB,V族元素のN,As,Sb のうち、
少なくとも1種類以上の元素を含むことが記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般にII−VI族化合物
半導体よりなる半導体発光素子では、転位や結晶欠陥が
II−VI族化合物半導体結晶の内部に存在している。この
転位や結晶欠陥は、半導体基板上にII−VI族化合物半導
体層を順次積層していく工程の中で発生するものであ
り、電子と正孔とが再結合しても発光に寄与しない、い
わゆる非発光再結合中心となっている。従って、この転
位や結晶欠陥が多く存在すると、注入電流に対する発光
効率が低下することになる。ところが、上述した従来の
半導体発光素子では、電流を注入して発光させていく
と、電流の一部は非発光再結合により熱エネルギーに変
換され、この熱エネルギーを吸収して転位や結晶欠陥が
II−VI族化合物半導体結晶の内部を伝播していき、非発
光再結合中心が発光素子の活性領域全体に広がってしま
う。その結果、電流注入に対する発光効率が大幅に低下
し、素子の特性が劣化してしまうという問題があった。
具体的な劣化の状況は、半導体レーザにおいては、一定
の光出力を取り出すための動作電流が時間の経過ととも
に増大して、最終的にはレーザ発振が得られなくなる。
また発光ダイオードにおいては、一定の注入電流で得ら
れる光出力が時間の経過とともに減少していく。
【0007】さらにII−VI族化合物半導体結晶は、原子
同士の結合におけるイオン結合性が大きく共有結合性が
小さいため、原子同士の結合が弱くて切れやすい。従っ
て、II−VI族化合物半導体結晶においては上述のような
転位や結晶欠陥の伝播は非常に急速に進行することにな
り、電流を注入することにより非発光再結合中心も急速
に広がってしまう。このため、従来のII−VI族化合物半
導体からなる半導体レーザ素子では、電流を注入しても
レーザ発振が得られなかったり、たとえレーザ発振した
としても電流を注入し続けると短時間でレーザ発振が停
止しまい、実用に供することができないという欠点があ
った。一方、従来のII−VI族化合物半導体からなる発光
ダイオードにおいても、一定の注入電流での光出力が急
速に低下するため、上記半導体レーザ素子と同様に、実
用に供することができないという欠点を有していた。
【0008】一方、上述のような転位や結晶欠陥の伝播
はIII−V族化合物半導体によって構成される赤色〜赤
外色半導体発光素子においても発生する。これを防ぐた
めにIII−V族化合物半導体発光素子においては、従来
例で示したように、構成元素と同じ族であり主たる構成
元素以外のIII族・V族元素を活性層に導入することが
提案されている。しかしながらこの方法では、構成元素
と同じ族の元素を導入するため半導体の格子定数やエネ
ルギーギャップが変化してしまう。格子定数が変化する
と半導体層全体に歪みが生じて欠陥を発生させる要因と
なり、エネルギーギャップが変化すると発光素子の特性
が変化してしまい所望の特性が得られなくなる。さらに
II−VI族化合物半導体の場合は、上述のように原子同士
の結合が弱くて切れやすいので、構成元素と同じ族の元
素を導入しても転位や結晶欠陥の伝播を抑えることはで
きない。
【0009】本発明は、II−VI族化合物半導体よりなる
半導体発光素子に関して、上述のような転位や結晶欠陥
の急速な伝播を抑え、特性の劣化がない長期の信頼性に
優れた半導体レーザ素子及び発光ダイオードを提供しよ
うとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の半導体
発光素子によれば、基板上に、II−VI族化合物半導体を
用い、少なくともクラッド層、活性層、およびクラッド
層の積層構造を備えてなる半導体発光素子であって、少
なくとも前記活性層に、転位や結晶欠陥の急速な伝搬を
抑える少なくとも1種類の不純物元素を導入してなるこ
とを特徴とするものである。
【0011】請求項2に記載の半導体発光素子によれ
ば、前記活性層が複数個備わった多重量子井戸構造であ
り、これらの活性層に導入される不純物元素が同一であ
ることを特徴とするものである。
【0012】請求項3に記載の半導体発光素子によれ
ば、前記活性層が複数個備わった多重量子井戸構造であ
り、これらの活性層に導入される不純物元素が多重量子
井戸構造をなす層の積層位置によって異なってなること
を特徴とするものである。
【0013】請求項4に記載の半導体発光素子によれ
ば、前記II−VI族化合物半導体は、ZnSe系の化合物
半導体であって、前記導入される不純物元素は、N、C
lのうち少なくとも1つであることを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項5に記載の半導体発光素子によれ
ば、前記多重量子井戸層に導入される不純物元素は、p
型のクラッド層により近い側にClがドープされ、n型
のクラッド層により近い側にNがドープされてなること
を特徴とするものである。
【0015】請求項6に記載の半導体発光素子によれ
ば、前記導入される不純物元素の濃度は、1×1015
-3以上1×1018cm-3以下であることを特徴とする
ものである。
【0016】このように本発明では、II−VI族化合物半
導体結晶における転位や結晶欠陥の急速な伝播を抑える
ために、少なくとも活性層を含む半導体層に、II−VI族
化合物半導体の構成元素と同じ族でないN,Clのうち
少なくとも1種類以上の元素を不純物として導入してい
る。これらの元素はII−VI族化合物半導体発光素子の構
成元素と同族でないため、格子定数やエネルギーギャッ
プの変化への影響はない。また原子間の結合も強くな
り、以下に述べる本発明の原理によって、転位や結晶欠
陥の急速な伝播が抑えられる。
【0017】N,ClはII−VI族化合物半導体に不純物
として導入されると、VI族サイトに入る。このVI族サイ
トには通常はSeが入っているが、N及びClと、Se
とでは共有結合半径に大きな違いがあり、それぞれ次の
ような値になる。
【0018】 Se:0.114nm N :0.070nm Cl:0.099nm。
【0019】このため、VI族サイトに入ったN及びCl
と、これに隣接するII族原子との間の応力は、VI族サイ
トにSeが入った場合の応力に比べて増大し、局所的な
応力場を生じることになる。このような局所的応力場は
転位や結晶欠陥を引き寄せる引力として働くため、伝播
していく転位や結晶欠陥は、不純物として導入されたVI
族サイトのN及びClの周りに集められる。
【0020】一方、VI族サイトに入ったN及びClと、
これに隣接するII族原子との間の結合エネルギーは、VI
族サイトにSeが入った場合の結合エネルギーと違いを
生じる。II族原子は主にZnであるので、それぞれのZ
nとの結合エネルギーは次のようになる。
【0021】 Zn−Se:473 kJ/mol Zn−N :808 kJ/mol Zn−Cl:565 kJ/mol。
【0022】従って、VI族サイトに入ったN及びCl
と、これに隣接するZnとの間の結合エネルギーは、VI
族サイトにSeが入った場合のZnとの結合エネルギー
に比べて大きくなり、結合が切れて転位や結晶欠陥を発
生することが、起こりにくくなる。
【0023】以上から、VI族サイトに入ったN及びCl
の周りには、転位や結晶欠陥が引き寄せられるが、N及
びClと、これに隣接するZnとの間の結合エネルギー
が大きいため、転位や結晶欠陥の伝播がこのVI族サイト
に入ったN及びClで停止する。従って、従来、アンド
ープであった活性層に、不純物としてN、Clが導入さ
れれば、上述の原理により非発光再結合の広がりが抑え
られて、特性の劣化が無く長期の信頼性に優れた、II−
VI族化合物半導体よりなる半導体発光素子が得られるこ
とになる。
【0024】さらに好ましくは、少なくとも活性層を含
む半導体層に含まれるN及びClの不純物濃度は、1×
1015cm-3以上、1×1018cm-3以下であるのがよ
い。N及びClの不純物濃度が1×1018cm-3を越え
ると、N及びClにより発生する自由正孔及び自由電子
による自由キャリア吸収によって光が吸収され、発光効
率が低下してしまう。また、N及びClの不純物濃度が
1×1015cm-3より少ないと、すべての転位や結晶欠
陥の伝播を抑えるのに十分な濃度のN及びClが導入さ
れないため、転位や結晶欠陥の伝播を抑え切ることがで
きず、素子の特性劣化を引き起こしてしまう。従って、
N及びClの不純物濃度を、1×1015cm-3以上、1
×1018cm-3以下と設定することにより、所望の信頼
性を持つ、特性劣化の無い半導体発光素子が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(発明の実施の形態1)図1は本発明の第1の実施例に
係る半導体レーザ素子を示す断面図である。この図にお
いて、1はn型GaAs基板(厚さ110μm)、2は
n型GaAsバッファ層(厚さ0.3μm)、3はCl
ドープn型ZnS0.07Se0.93バッファ層(厚さ0.1
μm)、4はClドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se
0.8クラッド層(厚さ1.0μm)、5はClドープn
型ZnS0.07Se0.93ガイド層(厚さ0.1μm)、6
はClドープn型Zn0.8Cd0.2Se活性層(厚さ10
nm)、7はNドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層
(厚さ0.1μm)、8はNドープp型Zn0.9Mg0.1
0.2Se0.8クラッド層(厚さ1.0μm)、9はNド
ープp型ZnSeTeコンタクト層(厚さ0.2μ
m)、11は多結晶ZnS埋め込み絶縁膜、12はp側
電極、13はn側電極である。それぞれのII−VI族化合
物半導体層にドーピングされた不純物濃度は以下の通り
である。
【0026】Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッフ
ァ層3 1×1018cm-3 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層
4 5×1017cm-3 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層5 5×1
17cm-3 Clドープn型Zn0.8Cd0.2Se活性層6 5×10
16cm-3 Nドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層7 5×10
17cm-3 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層8
5×1017cm-3 Nドープp型ZnSeTeコンタクト層9 1×1018
cm-3
【0027】上記の半導体レーザの作製方法を、図2に
従って以下に説明する。まず、n型GaAs基板1上
に、MBE(Molecular Beam Epit
axy)法によって、n型GaAsバッファ層2(厚さ
0.3μm)、Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッ
ファ層3(厚さ0.1μm)、Clドープn型Zn0.9
Mg0.10.2Se0.8クラッド層4(厚さ1.0μ
m)、Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層5
(厚さ0.1μm)、Clドープn型Zn0.8Cd0.2
e活性層6(厚さ10nm)、Nドープp型ZnS0.07
Se0.93ガイド層7(厚さ0.1μm)、Nドープp型
Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層8(厚さ1.0
μm)、Nドープp型ZnSeTeコンタクト層9(厚
さ0.2μm)、を順次エピタキシャル成長する(図2
(a))。続いて、電子ビーム蒸着によりSiO2膜1
4(厚さ0.2μm)を、Nドープp型ZnSeTeコ
ンタクト層9の上に堆積する(図2(b))。さらに、
通常のフォトリソグラフィー工程によりSiO2膜14
をストライプ状にエッチングした後、このSiO2膜1
4をエッチングマスクとして、Nドープp型Zn0.9
0.10.2Se0.8クラッド層8、Nドープp型ZnS
eTeコンタクト層9をストライプ状にエッチングし
て、リッジ部分10を形成する(図2(c))。その
後、表面全体にわたって、電子ビーム蒸着により多結晶
ZnS埋め込み絶縁膜11を堆積する(図2(d))。
このとき、SiO2 膜14の上には部分的に多結晶Zn
Sが堆積するが、SiO2膜14をエッチング除去する
と、リッジ部分10の上部の多結晶ZnSも同時に除去
されて、平坦な表面が得られる(図2(e))。最後
に、コンタクト層9側にp側電極12、基板1側にn側
電極13を形成する。
【0028】本実施例では、Zn0.8Cd0.2Se活性層
6へドーピングするClの不純物濃度を、5×1016
-3としたが、活性層内の欠陥密度と同程度以上の密度
になるように不純物濃度を設定すれば良い。すなわち結
晶の欠陥密度は、多い場合で1×109cm-2程度であ
り、活性層の厚さは10nm(=1×10-6cm)であ
るから、不純物濃度は、1×1015cm-3以上に設定す
れば良いことになる。
【0029】以上のようにして作製された半導体レーザ
素子は、発振閾値電流=50mA、発振波長=500n
m、微分効率=0.7W/Aで、安定したレーザ発振動
作が得られた。一方、Zn0.8Cd0.2Se活性層6にC
lをドーピングしない素子では、急速に特性が劣化し、
安定したレーザ発振動作は得られなかった。
【0030】表1に、上記本発明の第1の実施例に係る
半導体レーザ素子において、n型クラッド層4とn型ガ
イド層5、p型ガイド層7とp型クラッド層8の、不純
物濃度をそれぞれ変化させたときの発振閾値電流密度J
thの結果を示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1中でのが、上記本発明の第1の実施
例に係る半導体レーザ素子の結果である。これから明ら
かなように、II−VI族化合物半導体層の不純物濃度が1
×1018cm-3を越えると、自由キャリア吸収が増大し
て光が吸収され、発光効率が低下してしまうために、発
振閾値電流密度Jthの増大を引き起こしている。上記表
1では、クラッド層・ガイド層の不純物濃度を変化させ
た結果について示したが、活性層の場合も同様に不純物
濃度が1×1018cm-3を越えると、自由キャリア吸収
が増大して発光効率が低下してしまう。従って、活性層
を含むII−VI族化合物半導体層に含まれるN、Clの不
純物濃度は、1×1018cm-3以下であるのがよいこと
がわかる。
【0033】本実施例では、Zn0.8Cd0.2Se活性層
6へドーピングする元素としてClを用いたが、Nを用
いた場合及び、NとClの両方を用いた場合でも、同様
の効果が得られた。
【0034】(発明の実施の形態2)図3は本発明の第
2の実施例に係る発光ダイオードを示す断面図である。
この図において、21はn型GaAs基板(厚さ110
μm)、22はn型GaAsバッファ層(厚さ0.3μ
m)、23はClドープn型ZnS0.07Se0.93バッフ
ァ層(厚さ0.1μm)、24はClドープn型Zn
0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層(厚さ1.0μ
m)、25はClドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド
層(厚さ0.1μm)、26は、Nドープp型Zn0.8
Cd0.2Se量子井戸層(厚さ10nm、3層)とNド
ープp型ZnSe障壁層(厚さ10nm、2層)とから
なる多重量子井戸活性層、27はNドープp型ZnS
0.07Se0.93ガイド層(厚さ0.1μm)、28はNド
ープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層(厚さ
1.0μm)、29はNドープp型ZnSeコンタクト
層(厚さ0.2μm)、30は素子表面の1部にのみ設
けられたp側電極、31はn側電極である。それぞれの
II−VI族化合物半導体層にドーピングされた不純物濃度
は以下の通りである。
【0035】Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッフ
ァ層23 1×1018cm-3 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層
24 5×1017cm-3 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層25 5×
1017cm-3 Nドープp型多重量子井戸活性層26 1×1017cm
-3 Nドープp型ZnS0.07Se0.93 ガイド層27 5×
1017cm-3 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層2
8 5×1017cm- 3 Nドープp型ZnSeコンタクト層29 1×1018
-3
【0036】本実施例では、活性層にはNがドーピング
されているので、光出力の劣化が抑えられ、安定した発
光動作が得られた。また、活性層として3層の多重量子
井戸構造を用いており、これによって活性領域の体積が
増大して、発光ダイオードの輝度が増大する。この場
合、多重量子井戸構造では、移動度の小さい正孔は各量
子井戸層に均一に注入されにくいが、Nをドーピングし
たことにより、あらかじめ正孔が活性層に存在している
ため、正孔が各量子井戸層に均一に注入され易くなると
いう効果も生じ、さらに、発光ダイオードの輝度を増大
させることができた。また、コンタクト層としてZnS
eを用いているので、活性層で発生した光はコンタクト
層で吸収されることなく、外部へ取り出すことができ
る。
【0037】なお、本実施例では、多重量子井戸構造の
活性層26へドーピングする元素としてNを用いたが、
Clを用いた場合及び、NとClの両方を用いた場合で
も、同様に光出力の劣化が抑えられ、安定した発光動作
が得られた。
【0038】(発明の実施の形態3)図5は本発明の第
3の実施例に係る半導体レーザを示す断面図である。こ
の図において、41はn型GaAs基板(厚さ110μ
m)、42はn型GaAsバッファ層(厚さ0.3μ
m)、43はClドープn型ZnS0.07Se0.93バッフ
ァ層(厚さ0.1μm)、44はClドープn型Zn
0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層(厚さ1.0μ
m)、45はClドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド
層(厚さ0.1μm)、46は、Nドープp型Zn0.8
Cd0.2Se量子井戸層(厚さ10nm、2層)60と
Clドープn型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層61(厚
さ10nm、1層)及びNドープp型ZnSe障壁層6
2(厚さ10nm、1層)とClドープn型ZnSe障
壁層63(厚さ10nm、1層)とからなる多重量子井
戸活性層、47はNドープp型ZnS0.07Se0.93ガイ
ド層(厚さ0.1μm)、48はNドープp型Zn0.9
Mg0.10.2Se0.8クラッド層(厚さ1.0μm)、
49はNドープp型ZnSeコンタクト層(厚さ0.2
μm)、50はストライプ状に形成されたリッジ部、5
1は多結晶ZnS埋め込み絶縁膜、52はp側電極、5
3はn側電極である。それぞれのII−VI族化合物半導体
層にドーピングされた不純物濃度は以下の通りである。
【0039】Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッフ
ァ層43 1×1018cm-3 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層
44 5×1017cm-3 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層45 5×
1017cm-3 Nドープp型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層60 1×
1017cm-3 Clドープn型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層61 1
×1017cm-3 Nドープp型ZnSe障壁層62 1×1017cm-3 Clドープn型ZnSe障壁層63 1×1017cm-3 Nドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層47 5×1
17cm-3 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド層4
8 5×1017cm-3 Nドープp型ZnSeコンタクト層49 1×1018
-3
【0040】本実施例では、多重量子井戸活性層46を
形成する量子井戸層・障壁層のうち、n型ガイド層45
に近い3層はNがドープされ、p型ガイド層47に近い
2層はClドープされている。このため光出力の劣化が
抑えられ、安定したレーザ発振動作が得られた。また、
活性層として3層の多重量子井戸構造を用いることによ
り光利得の飽和が抑えられている。さらに、n型ガイド
層45に近い3層はNがドープされ、p型ガイド層47
に近い2層はClドープされているため、n型ガイド層
45から注入された電子及びp型ガイド層47から注入
された正孔は、それぞれ均一に多重量子井戸活性層46
内に注入されて、電子・正孔の不均一注入による光利得
の低下が抑えられた。この結果、閾値電流を低減するこ
とができ、発振閾値電流=30mAの素子が得られた。
【0041】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、II−VI
族化合物半導体からなる半導体発光素子において、少な
くとも活性層を含む半導体層に、N,Clのうち少なく
とも1種類以上の元素を不純物として導入することによ
り、II−VI族化合物半導体結晶における転位や結晶欠陥
の急速な伝播を抑えて、長期の信頼性に優れた半導体レ
ーザ素子及び発光ダイオードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の作製工程を示す断面図
である。
【図3】本発明の第2の実施例に係る発光ダイオードを
示す断面図である。
【図4】従来例であるII−VI族化合物半導体からなる半
導体レーザ素子の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係る半導体レーザ素子
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板 2 n型GaAsバッファ層 3 Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッファ層 4 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッ
ド層 5 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層 6 Clドープn型Zn0.8Cd0.2Se活性層 7 Nドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層 8 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッド
層 9 Nドープp型ZnSeTeコンタクト層 11 多結晶ZnS埋め込み絶縁膜 12 p側電極 13 n側電極 21 n型GaAs基板 22 n型GaAsバッファ層 23 Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッファ層 24 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラ
ッド層 25 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層 26 Nドープp型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層(厚
さ10nm、3層)とNドープp型ZnSe障壁層(厚
さ10nm、2層)とからなる多重量子井戸層 27 Nドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層 28 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッ
ド層 29 Nドープp型ZnSeコンタクト層 30 p側電極 31 n側電極 41 n型GaAs基板 42 n型GaAsバッファ層 43 Clドープn型ZnS0.07Se0.93バッファ層 44 Clドープn型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラ
ッド層 45 Clドープn型ZnS0.07Se0.93ガイド層 46 多重量子井戸層 47 Nドープp型ZnS0.07Se0.93ガイド層 48 Nドープp型Zn0.9Mg0.10.2Se0.8クラッ
ド層 49 Nドープp型ZnSeコンタクト層 50 ストライプ状リッジ部 51 多結晶ZnS埋め込み絶縁膜 52 p側電極 53 n側電極 60 Nドープp型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層(厚
さ10nm、2層) 61 Clドープn型Zn0.8Cd0.2Se量子井戸層
(厚さ10nm、1層) 62 Nドープp型ZnSe障壁層(厚さ10nm、1
層) 63 Clドープn型ZnSe障壁層(厚さ10nm、
1層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、II−VI族化合物半導体を用
    い、少なくともクラッド層、活性層、およびクラッド層
    の積層構造を備えてなる半導体発光素子であって、 少なくとも前記活性層に、転位や結晶欠陥の急速な伝搬
    を抑える少なくとも1種類の不純物元素を導入してなる
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記半導体発光素子は、前記活性層が複
    数個備わった多重量子井戸構造であり、これらの活性層
    に導入される不純物元素が同一であることを特徴とする
    請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体発光素子は、前記活性層が複
    数個備わった多重量子井戸構造であり、これらの活性層
    に導入される不純物元素が多重量子井戸構造をなす層の
    積層位置によって異なってなることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記II−VI族化合物半導体は、ZnSe
    系の化合物半導体であって、前記導入される不純物元素
    は、N、Clのうち少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記多重量子井戸層に導入される不純物
    元素は、p型のクラッド層により近い側にClがドープ
    され、n型のクラッド層により近い側にNがドープされ
    てなることを特徴とする請求項3または4に記載の半導
    体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記導入される不純物元素の濃度は、1
    ×1015cm-3以上1×1018cm-3以下であることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、または5に記載の半
    導体発光素子。
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