JPH0923108A - 線路変換器 - Google Patents

線路変換器

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JPH0923108A
JPH0923108A JP16991695A JP16991695A JPH0923108A JP H0923108 A JPH0923108 A JP H0923108A JP 16991695 A JP16991695 A JP 16991695A JP 16991695 A JP16991695 A JP 16991695A JP H0923108 A JPH0923108 A JP H0923108A
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JP
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line
dielectric
cross
microstrip line
coaxial
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JP16991695A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Miyata
智之 宮田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同軸線路とマイクロストリップ線路を接続す
るインピーダンス特性の良好な同軸−マイクロストリッ
プ変換器を得る。 【解決手段】 同軸線路11とマイクロストリップ線路
12との間に挿入され、線路形式を変換する線路変換器
において、マイクロストリップ線路12接続端子に向か
うにつれて、マイクロストリップ線路12の自由空間側
に接続される誘電体18aをテーパ状に徐々に連続的に
削減し、マイクロストリップ線路12との接続部では、
マイクロストリップ線路12の自由空間側と接触する側
は空気、マイクロストリップ線路の基材と接触する側は
誘電体18bで充たされた断面構造を持つ線路変換器1
3を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、線路変換器に関
するもので、特に、同軸線路とマイクロストリップ線路
との接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波集積回路には、作業性、部品
の装着性、調整のしやすさ等からマイクロストリップ線
路がよく用いられる。マイクロストリップ線路は、アル
ミナ等の誘電体基板の上面に信号伝送線路を形成し、下
面全体に接地導体を設けて構成され、通常、金属ケース
内に収納される。このマイクロ波集積回路は、同軸線路
を介して他の機器に接続されるので、マイクロ波集積回
路の特性を十分に他の機器へ伝送するためには、整合性
良く同軸変換されなくてはならなく、同軸線路とマイク
ロストリップ線路との線路変換器が必要となる。
【0003】図3に従来の同軸線路とマイクロストリッ
プ線路との接続部構成を示す。図3(a)と(b)は断
面図と平面図を示し、1は同軸線路、2はマイクロスト
リップ線路である。3と4は同軸線路1の内導体と接地
導体を成す外導体で、内導体3と外導体4との間は、誘
電率ε1 を有する誘電体5で充たされた構造を成し、あ
る一定の特性インピーダンスZ0 (一般には50Ω)を
有する。
【0004】一方、マイクロストリップ線路2は、誘電
率ε2 を有する誘電体基板7をはさんで、表面に信号線
路6、裏面に接地導体8が設けられ、ある一定の特性イ
ンピーダンスZ0 (一般には50Ω)を有し、金属製の
キャリア9に固定され、金属ケース10に収納されてい
る。
【0005】図3(a)及び(b)に示すように、特別
な変換器を使用せずに、同軸線路1とマイクロストリッ
プ線路2とを直接接続していた。すなわち、同軸線路1
の内導体3をマイクロストリップ線路2の信号線路6に
接続し、接地導体側は、同軸線路1の外導体4を金属ケ
ース10及びキャリア9を介してマイクロストリップ線
路2の接地導体8に接続している。
【0006】図4は上記同軸線路1の電磁界分布を示
す。図4において、実線矢印は電界分布を示す電気力線
であり、破線矢印は磁界分布を示す磁力線である。ま
た、矢印の向きが電界及び磁界の方向を、矢印の数が電
界及び磁界の強さをそれぞれ表す。同軸線路1では、信
号はTEMモードにて伝送され、電磁界は内外導体の間
を一様に分布する。
【0007】図5は上記マイクロストリップ線路2の電
磁界分布を示す。マイクロストリップ線路2の伝送モー
ドもTEM(transverse electro-magnetic wave)モード
に近いが、電磁界は誘電体7と自由空間にまたがってい
るため、また、信号線路6と接地導体8の関係が不平衡
であるため、純粋なTEMモードにはならずハイブリッ
ドモードとなり、電磁界は自由空間よりも誘電体内7に
集中する。
【0008】このように、同軸線路1とマイクロストリ
ップ線路2とでは、信号の伝送モードが異なるため、同
軸線路1とマイクロストリップ線路2との接続部におい
て、電磁界分布は一致しない。
【0009】また、図6は特開昭59−39101号公
報に示された従来の同軸−MIC変換器構造を示す断面
図である。図6において、29は金属ケース、30はM
IC基板、31は同軸端子、32は外導体、33は内導
体、34は誘電体、35は外部との結合用端子、36は
保持ケース、37は接続用MIC基板片である。
【0010】この従来例は、同軸端子31の内導体33
端部の下側に該端部と重なる接続用MIC基板片37を
接合し、該接続用MIC基板片37を介して金属ケース
29の床上に設置したMIC基板30上面のストリップ
伝送路と同軸端子31の内導体33を接続したことを特
徴とする同軸−MIC変換器構造である。
【0011】上述した図3に示す接続構造では、MIC
基板に相当する信号線路6と金属ケース10の熱膨張係
数、加工精度、組立精度のため、接続面において同軸線
路1とMIC基板が密着せず、空気層の隙間ができ、こ
の隙間の部分ではインピ−ダンスが変化するため、イン
ピーダンス特性が一致せず反射が生ずるという欠点が生
じるが、図6に示す接続構造は、熱膨張係数がMIC基
板30に近い保持ケース36上に設置された接続用MI
C基板片37を、同軸端子31の内導体33とMIC基
板30との間に装着することによって、接続面における
インピーダンスの変化を抑え、インピーダンス特性の良
好な同軸−MIC接続部を実現している。この場合、数
値上の特性インピーダンスの不連続は解消されるが、先
に述べたように伝送モードの不連続による反射は残るこ
とになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の同軸線路とマイ
クロストリップ線路との線路変換部は以上のように構成
されているので、同軸線路とマイクロストリップ線路の
設計上の特性インピーダンスが同じでも、両線路の伝送
モードが異なるので、両線路の接続面で電磁界が不連続
となるため、不整合となり反射が生じる問題があった。
【0013】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、同軸線路とマイクロストリ
ップ線路とを接続する両線路の接続面で電磁界が不連続
となることがなく、インピーダンス特性の良好な線路変
換器を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る線路変換
器は、同軸線路とマイクロストリップ線路との間に挿入
され、線路形式を変換する線路変換器において、上記同
軸線路に接続される断面は、内導体と外導体との間が均
一に誘電体で充たされた同軸線路構造を有し、かつ上記
マイクロストリップ線路に接続される断面側に向けて断
面が円形から矩形に徐々に変化する構造を有し上記誘電
体が徐々に削減すると共に上記内導体径を一定に保持し
つつ上記外導体径が徐々に縮小し、上記マイクロストリ
ップ線路に接続される断面は、上記内導体と上記誘電体
及び外導体がそれぞれマイクロストリップ線路の信号線
路と誘電体基板及び接地導体に対応する断面構造を有す
ると共に、上記誘電体が削減した部分をマイクロストリ
ップ線路の自由空間側と対向させたことを特徴とするも
のである。
【0015】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分がテーパ状に連続して徐々に削減さ
れてなることを特徴とするものである。
【0016】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分が段階的に誘電率が徐々に低下する
複数の誘電体でなることを特徴とするものである。
【0017】また、上記同軸線路に接続される断面側か
ら上記マイクロストリップ線路に接続される断面側に向
けて上記誘電体及び上記外導体の径が段階的に徐々に減
少することを特徴とするものである。
【0018】
【作用】この発明に係る線路変換器においては、同軸線
路に接続される断面は、内導体と外導体との間が均一に
誘電体で充たされた同軸線路構造を有し、かつ上記マイ
クロストリップ線路に接続される断面側に向けて断面が
円形から矩形に徐々に変化する構造を有し上記誘電体が
徐々に削減すると共に上記内導体径を一定に保持しつつ
上記外導体径が徐々に縮小し、上記マイクロストリップ
線路に接続される断面は、上記内導体と上記誘電体及び
外導体がそれぞれマイクロストリップ線路の信号線路と
誘電体基板及び接地導体に対応する断面構造を有すると
共に、上記誘電体が削減した部分をマイクロストリップ
線路の自由空間側と対向させることにより、同軸線路と
マイクロストリップ線路とを接続する両線路の接続面で
電磁界が不連続となることがなく、同軸線路の伝送モー
ドとしてのTEMモードをマイクロストリップ線路の伝
送モードであるハイブリッドモードに変換することがで
き、両線路の接続面において伝送モードが一致し特性イ
ンピーダンスの不連続性はない。
【0019】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分がテーパ状に連続して徐々に削減さ
れることにより、マイクロストリップ線路との接続面に
おいて、電束分布を誘電体で充たされている側に集中さ
せて電界分布が不平衡になり、同軸線路の伝送モードは
TEMモードからハイブリッドモードとなり、マイクロ
ストリップ線路のモードと同一となる。
【0020】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分が段階的に誘電率が徐々に低下する
複数の誘電体でなることにより、マイクロストリップ線
路との接続面において、電束密度は誘電体の誘電率に比
例するため、誘電体で充たされている側に集中させて電
界分布が不平衡になり、同軸線路の伝送モードはTEM
モードからハイブリッドモードとなり、マイクロストリ
ップ線路のモードと同一となる。
【0021】さらに、上記同軸線路に接続される断面側
から上記マイクロストリップ線路に接続される断面側に
向けて上記誘電体及び上記外導体の径を段階的に徐々に
減少させることにより、変換器の特性インピーダンスを
一定に保持させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明を図示実施の形態に基づ
いて説明する。図1は実施の形態1に係る線路変換器の
構造を示す側面断面図と軸方向に沿った各部部分断面図
を示している。図1(a)において、11は線路変換器
13を介してマイクロストリップ線路12に接続される
同軸線路であり、同心円上に配置された直径aを有する
内導体3と直径bを有する外導体4から成り、内導体3
と外導体4との間は誘電率ε1の誘電体5で均一に充た
されており、所定の特性インピーダンスZ0 を有する。
12は線路変換器13を介して上記同軸線路11に接続
されるマイクロストリップ線路であり、厚さh、誘電率
ε2 を有する誘電体基板7、この誘電体基板7の下面全
体に設けた接地導体8、該誘電体基板7の上面に設けた
所定幅を有する信号導体6から成り、所定の特性インピ
ーダンスZ0 を有する。
【0023】また、13は上記同軸線路11と上記マイ
クロストリップ線路12とを変換接続する線路変換器で
あり、同軸線路11と接続される断面側は同軸線路11
と同じ構造であり、マイクロストリップ線路12と接続
する方向側に向かうにつれて誘電体18は徐々に削減さ
れ、内導体17より上側の誘電体18aは徐々に内導体
17側へテーパ状に減少し、マイクロストリップ線路1
2との接続面では、該誘電体18aは空気20となるテ
ーパ構造を持ち、内導体17より下側の誘電体18bは
徐々にテーパ状に減少し、マイクロストリップ線路12
との接続面では、マイクロストリップ線路12の誘電体
基板7と対向するようになされている。また、この線路
変換器13の外導体19は同軸線路11の接続面では
円、マイクロストリップ線路12の接続面では矩形形状
となるよう徐々に縮小変化している。なお、38は同軸
線路11をケース10に固定するための金具を示す。
【0024】すなわち、線路変換器13の同軸線路11
に接続される断面は、内導体17と外導体19との間が
均一に誘電体18で充たされた同軸線路構造を有し、か
つ上記マイクロストリップ線路12に接続される断面側
に向けて断面が円形から矩形に徐々に変化する構造を有
し上記誘電体18が徐々に削減すると共に上記内導体径
を一定に保持しつつ上記外導体径が徐々に縮小し、上記
マイクロストリップ線路12に接続される断面は、上記
内導体17と上記誘電体18及び外導体19がそれぞれ
マイクロストリップ線路12の信号線路6と誘電体基板
7及び接地導体8に対応する断面構造を有すると共に、
上記誘電体18aが削減した部分をマイクロストリップ
線路の自由空間側と対向させている。
【0025】ここで、線路変換器13の同軸線路11の
接続面側における特性インピーダンスは、同軸線路11
の特性インピーダンスZ0 の式で明らかなように、 Z0=〔1/(2π)〕・√〔(μ0μs)/(ε
0εr)〕・ln(b/a) なお、μ0は真空中の透磁率、μsは誘電体の比透磁率、
bは外導体径 ε0は真空中の誘電率、εrは誘電体の比誘電率、aは内
導体径として示されるが、線路変換器13の誘電体18
の減少によりその実効誘電率が低下するので、線路変換
器13の特性インピーダンスを一定に保つために、内導
体17の径aが一定のまま、外導体19の径bが徐々に
縮小し、図1(b)〜(d)に示すように、b→d→c
(b>d>c)に変化させて、断面構造を円形から矩形
形状に変化させ、マイクロストリップ線路12との接続
面では直径cとなる。
【0026】図1(b)〜(d)は、線路変換器13の
同軸線路接続部、中間部、マイクロストリップ線路接続
部の各電界分布をそれぞれ示すものである。同軸線路1
1の伝送モードはTEMモードであるが、線路変換器1
3に入射すると、線路変換器13の上半分の部分の誘電
体18aが連続的に減少するので、変換器上側半分の実
効誘電率も連続的に低下し、電束密度は変換器下部の方
が増加するようになり、マイクロストリップ線路12側
ではハイブリッドモードになる。すなわち、線路変換器
13内部でTEMモードがハイブリッドモードに連続的
に変換されるので、インピーダンス特性が良く同軸線路
11とマイクロストリップ線路12間で信号が伝送され
る。
【0027】したがって、上記実施の形態1によれば、
同軸線路11に接続される断面は、内導体17と外導体
19との間が均一に誘電体で充たされた同軸線路構造を
有し、かつ上記マイクロストリップ線路12に接続され
る断面側に向けて断面が円形から矩形に徐々に変化する
構造を有し上記誘電体18が徐々に削減すると共に上記
内導体径を一定に保持しつつ上記外導体径が徐々に縮小
し、上記マイクロストリップ線路12に接続される断面
は、上記内導体17と上記誘電体18及び外導体19が
それぞれマイクロストリップ線路12の信号線路6と誘
電体基板7及び接地導体8に対応する断面構造を有する
と共に、上記誘電体18aが削減した部分をマイクロス
トリップ線路12の自由空間側と対向させることによ
り、同軸線路とマイクロストリップ線路とを接続する両
線路の接続面で電磁界が不連続となることがなく、同軸
線路11の伝送モードとしてのTEMモードをマイクロ
ストリップ線路12の伝送モードであるハイブリッドモ
ードに変換することができ、両線路の接続面において伝
送モードが一致し特性インピーダンスの不連続性はなく
なる。
【0028】また、ここで、上記誘電体18は、上記同
軸線路11に接続される断面側から上記マイクロストリ
ップ線路12に接続される断面側に向けて該マイクロス
トリップ線路12の自由空間側と対向する部分18aが
テーパ状に連続して徐々に削減されることにより、マイ
クロストリップ線路12との接続面において、電束分布
を誘電体で充たされている側18bに集中させて電界分
布が不平衡になり、同軸線路の伝送モードはTEMモー
ドからハイブリッドモードとなり、マイクロストリップ
線路のモードと同一となるという効果がある。
【0029】さらに、上記同軸線路11に接続される断
面側から上記マイクロストリップ線路12に接続される
断面側に向けて上記誘電体及び上記外導体の径を段階的
に徐々に減少させることにより、変換器の特性インピー
ダンスを一定に保持させることができるという効果があ
る。
【0030】実施の形態2.次に、図2は実施の形態2
に係る線路変換器の構造を示す側面断面図と軸方向に沿
った各部部分断面図を示している。図2(a)におい
て、14は同軸線路11とマイクロストリップ線路12
とを接続する線路変換器であり、同軸線路11に接続さ
れる側は同軸線路11と同じ構造をしており、マイクロ
ストリップ線路12側に向かうにつれて、内導体17よ
り上部の誘電体を複数の誘電体22〜25で構成し、そ
の誘電率を段階的に低下させてマイクロストリップ線路
12との接続面での誘電体25は空気層となる構成とな
っている。
【0031】また、内導体17より下部の誘電体26
は、上記同軸線路11に接続される断面側から上記マイ
クロストリップ線路12に接続される断面側に向けて外
導体19の径と共に段階的に徐々に減少させて、変換器
の特性インピーダンスを一定に保持させることができる
ようになされ、上記マイクロストリップ線路12に接続
される断面は、上記内導体17と上記誘電体26及び外
導体19がそれぞれマイクロストリップ線路12の信号
線路6と誘電体基板7及び接地導体8に対応する断面構
造を有する。
【0032】ここで、同軸線路11の誘電体5の誘電率
をε1 、線路変換器14内の誘電体22〜26の誘電率
をそれぞれε22、ε23、ε24、ε25、ε26とすると、ε
1=ε22=ε26、ε22>ε23>ε24>ε25の関係があ
る。また、図2では線路変換器14内の誘電体の段数は
4段であるが、これは任意の段数でかまわない。また、
誘電体22〜25の誘電率の段階的な低下により実効誘
電率が低下するので、変換器の特性インピーダンスを一
定に保つために、内導体径が一定のまま、外導体径が段
階的に縮小し、図2(b)〜(d)に示すように、b→
f→e(b>f>e)に変化させて、断面構造を円形か
ら矩形形状に変化させ、マイクロストリップ線路12と
の接続面では直径eとなる。
【0033】図2(b)〜(d)は線路変換器14の同
軸線路接続部、中間部、マイクロストリップ線路接続部
の電界分布をそれぞれ示している。同軸線路11の信号
はTEMモードであるが、線路変換器14に入射すると
変換器14上側の誘電体22〜24の誘電率が段階的に
減少するので、電束密度は変換器下部の方が増加するよ
うになり、マイクロストリップ線路12側ではハイブリ
ッドモードになる。すなわち、線路変換器14内部でT
EMモードがハイブリッドモードに段階的に変換される
ので、インピーダンス特性が良く、同軸線路−マイクロ
ストリップ線路間で信号が伝送される。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、同軸
線路に接続される断面は、内導体と外導体との間が均一
に誘電体で充たされた同軸線路構造を有し、かつ上記マ
イクロストリップ線路に接続される断面側に向けて断面
が円形から矩形に徐々に変化する構造を有し上記誘電体
が徐々に削減すると共に上記内導体径を一定に保持しつ
つ上記外導体径が徐々に縮小し、上記マイクロストリッ
プ線路に接続される断面は、上記内導体と上記誘電体及
び外導体がそれぞれマイクロストリップ線路の信号線路
と誘電体基板及び接地導体に対応する断面構造を有する
と共に、上記誘電体が削減した部分をマイクロストリッ
プ線路の自由空間側と対向させることにより、同軸線路
とマイクロストリップ線路とを接続する両線路の接続面
で電磁界が不連続となることがなく、同軸線路の伝送モ
ードとしてのTEMモードをマイクロストリップ線路の
伝送モードであるハイブリッドモードに変換することが
でき、両線路の接続面において伝送モードが一致し特性
インピーダンスの不連続性はないという効果を有する。
【0035】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分がテーパ状に連続して徐々に削減さ
れることにより、マイクロストリップ線路との接続面に
おいて、電束分布を誘電体で充たされている側に集中さ
せて電界分布が不平衡になり、同軸線路の伝送モードは
TEMモードからハイブリッドモードとなり、マイクロ
ストリップ線路のモードと同一となるという効果があ
る。
【0036】また、上記誘電体は、上記同軸線路に接続
される断面側から上記マイクロストリップ線路に接続さ
れる断面側に向けて該マイクロストリップ線路の自由空
間側と対向する部分が段階的に誘電率が徐々に低下する
複数の誘電体でなることにより、マイクロストリップ線
路との接続面において、電束密度は誘電体の誘電率に比
例するため、誘電体で充たされている側に集中させて電
界分布が不平衡になり、同軸線路の伝送モードはTEM
モードからハイブリッドモードとなり、マイクロストリ
ップ線路のモードと同一となるという効果がある。
【0037】さらに、上記同軸線路に接続される断面側
から上記マイクロストリップ線路に接続される断面側に
向けて上記複数の誘電体及び上記外導体の径を段階的に
徐々に減少させることにより、変換器の特性インピーダ
ンスを一定に保持させることができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る線路変換器の
構造を示す側面断面図と軸方向に沿った各部部分断面図
である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る線路変換器の
構造を示す側面断面図と軸方向に沿った各部部分断面図
である。
【図3】 従来の同軸線路とマイクロストリップ線路と
の接続部構成を示す断面図と平面図である。
【図4】 同軸線路の電磁界分布を示す説明図である。
【図5】 マイクロストリップ線路の電磁界分布を示す
説明図である。
【図6】 他の従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
3 同軸線路の内導体、4 同軸線路の外導体、5 同
軸線路の誘電体、6 マイクロストリップ線路の信号線
路、7 マイクロストリップ線路の誘電体基板、8 マ
イクロストリップ線路の接地導体、11 同軸線路、1
2 マイクロストリップ線路、13、14 線路変換
器、17 線路変換器の内導体、18a 線路変換器の
上部誘電体、18b 線路変換器の下部誘電体、19
線路変換器の外導体、20 線路変換器の上部空気層、
22 線路変換器の上部誘電体(誘電率=ε22)、23
線路変換器の上部誘電体(誘電率=ε23)、24 線路変
換器の上部誘電体(誘電率=ε24)、25 線路変換器の
上部空気層、26 線路変換器の下部誘電体。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸線路とマイクロストリップ線路との
    間に挿入され、線路形式を変換する線路変換器におい
    て、上記同軸線路に接続される断面は、内導体と外導体
    との間が均一に誘電体で充たされた同軸線路構造を有
    し、かつ上記マイクロストリップ線路に接続される断面
    側に向けて断面が円形から矩形に徐々に変化する構造を
    有し上記誘電体が徐々に削減すると共に上記内導体径を
    一定に保持しつつ上記外導体径が徐々に縮小し、上記マ
    イクロストリップ線路に接続される断面は、上記内導体
    と上記誘電体及び外導体がそれぞれマイクロストリップ
    線路の信号線路と誘電体基板及び接地導体に対応する断
    面構造を有すると共に、上記誘電体が削減した部分をマ
    イクロストリップ線路の自由空間側と対向させたことを
    特徴とする線路変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の線路変換器において、上
    記誘電体は、上記同軸線路に接続される断面側から上記
    マイクロストリップ線路に接続される断面側に向けて該
    マイクロストリップ線路の自由空間側と対向する部分が
    テーパ状に連続して徐々に削減されてなることを特徴と
    する線路変換器。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の線路変換器において、上
    記誘電体は、上記同軸線路に接続される断面側から上記
    マイクロストリップ線路に接続される断面側に向けて該
    マイクロストリップ線路の自由空間側と対向する部分が
    段階的に誘電率が徐々に低下する複数の誘電体でなるこ
    とを特徴とする線路変換器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の線
    路変換器において、上記同軸線路に接続される断面側か
    ら上記マイクロストリップ線路に接続される断面側に向
    けて上記誘電体及び上記外導体の径が段階的に徐々に減
    少することを特徴とする線路変換器。
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