JPH092297A - トルクリミッタおよび電動パワーステアリング装置 - Google Patents

トルクリミッタおよび電動パワーステアリング装置

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JPH092297A
JPH092297A JP17272495A JP17272495A JPH092297A JP H092297 A JPH092297 A JP H092297A JP 17272495 A JP17272495 A JP 17272495A JP 17272495 A JP17272495 A JP 17272495A JP H092297 A JPH092297 A JP H092297A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 弾性変形可能な環状部材11bの内周側に第
1トルク伝達部材3cがトルク伝達可能に接続される。
その環状部材11bの外周側に第2トルク伝達部材10
が、その環状部材11bの弾性変形による弾力に基づく
摩擦抵抗を介してトルク伝達可能に接続される。その環
状部材11bは、両トルク伝達部材3c、10間の伝達
トルクにより、外径が小さくなるように捩れ変形可能と
されている。 【効果】 両トルク伝達部材の間の伝達トルクがリミッ
トトルクに達すると、環状部材の外周側と第2トルク伝
達部材との間の接続部で滑りが生じる。両トルク伝達部
材間におけるトルク伝達が解除されると、その環状部材
は弾性的に復元変形する。トルクリミッタは環状部材の
みで主構成されるので、部品点数が少なく、構造が簡単
で、組み立てが容易で、安価なものになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクリミッタ、及
び、そのトルクリミッタを利用した電動パワーステアリ
ング装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ステアリ
ングシャフトと、このステアリングシャフトの外周に嵌
め合わされたギアと、そのギアを介してステアリングシ
ャフトに操舵補助用の回転力を伝達するモータとを備え
る電動パワーステアリング装置において、車輪の縁石へ
の乗り上げ等に基づきステアリングシャフトに過大なト
ルクが作用すると、モータ等の破損が生じる。そこで、
そのモータとステアリングシャフトとの間にトルクリミ
ッタを設けることが行われている。
【0003】従来、そのトルクリミッタはモータに内蔵
され、モータの出力軸に作用するトルクがリミットトル
クになると、その出力軸を空転させていた。
【0004】しかし、モータにトルクリミッタを内蔵し
た場合、モータの出力軸の回転が事故等によりロックさ
れてしまうと、トルクリミッタは機能しないため、ステ
アリングホイールを操舵できなくなる。また、そのモー
タの回転力をステアリングシャフトに伝達するギアの歯
部を、騒音対策のために合成樹脂製にしたような場合、
その歯部の過大トルクによる破損によりギアの回転がロ
ックされる可能性があり、この場合もモータに内蔵され
たトルクリミッタは機能しないためステアリングホイー
ルを操舵できなくなる。また、モータの回転力をギアを
介してステアリングシャフトに伝達する場合、そのギア
における伝達効率は製品によりばらつくので、リミット
トルクを正確に所期設定範囲内に設定することが困難で
あった。さらに、そのギアを介する回転力の伝達比は、
例えばウォームホイールとウォームとを用いるような場
合は大きくなるため、リミットトルクを精度よく設定す
る必要があり、トルクリミッタに高精度を必要とされ
る。
【0005】そこで、そのギアとステアリングシャフト
との間にトルクリミッタを設けることが考えられる。例
えば、特開平2‐120178号公報において開示され
たトルクリミッタは、そのギアと同行回転する複数の摩
擦板と、そのステアリングシャフトと同行回転する複数
の摩擦板とを、軸方向から挟み込み、それら摩擦板相互
間の摩擦抵抗に対応してリミットトルクを設定するもの
である。
【0006】しかし、軸方向から複数の摩擦板を挟み込
む場合、部品点数が多く、組み立てが面倒なものであ
る。
【0007】また、実公昭47‐15875号公報にお
いて開示されたトルクリミッタは、一対のトルク伝達部
材の内外周間に配置される環状の弾性部材と、一方のト
ルク伝達部材にねじ合わさせたナットとを備え、そのナ
ットにより弾性部材を軸方向から押して一方のトルク伝
達部材の外周と他方のトルク伝達部材の内周とに押し付
け、各トルク伝達部材と弾性部材との間の摩擦抵抗に対
応してリミットトルクを設定するものである。
【0008】しかし、弾性部材を押し付けるためのナッ
トや、そのナットをねじ合わせるためのネジ加工が必要
で、部品点数が多く、組み立てが面倒なものである。
【0009】また、実開昭63‐62632号公報にお
いて開示されたトルクリミッタは、一対のトルク伝達部
材の一方に嵌め合わされる環状の弾性部材と、他方のト
ルク伝達部材にねじ込まれるボルトからなる押圧手段と
を備え、その押圧手段により弾性部材を一方のトルク伝
達部材に押し付け、一方のトルク伝達部材と弾性部材と
の間の摩擦抵抗に対応してリミットトルクを設定するも
のである。
【0010】しかし、弾性部材を押し付けるためのボル
トや、そのボルトをねじ合わせるためのネジ加工が必要
で、部品点数が多く、組み立てが面倒なものである。
【0011】本発明は、上記課題を解決することのでき
るトルクリミッタ、及び、電動パワーステアリング装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のトルクリミッタ
は、弾性変形可能な環状部材を備え、その環状部材の内
周側に第1トルク伝達部材がトルク伝達可能に接続さ
れ、その環状部材の外周側に第2トルク伝達部材が、そ
の環状部材の弾性変形による弾力に基づく摩擦抵抗を介
してトルク伝達可能に接続され、その環状部材は、両ト
ルク伝達部材間の伝達トルクにより、外径が小さくなる
ように捩れ変形可能とされていることを特徴とする。
【0013】その環状部材は、両トルク伝達部材間の伝
達トルクによる捩れ変形により容積の小さくなる空洞部
を有するのが好ましい。その空洞部は複数とされ、環状
部材の周方向に沿って並列するのが好ましい。
【0014】本発明の電動パワーステアリング装置は、
ステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの
外周に嵌め合わされたギアと、そのギアを介してステア
リングシャフトに回転力を伝達する操舵補助用モータと
を備える電動パワーステアリング装置において、そのス
テアリングシャフトとギアとの間に弾性変形可能な環状
部材が設けられ、その環状部材の内周側に前記ステアリ
ングシャフトがトルク伝達可能に接続され、その環状部
材の外周側に前記ギアが、その環状部材の弾性変形によ
る弾力に基づく摩擦抵抗を介してトルク伝達可能に接続
され、その環状部材は、ステアリングシャフトとギアと
の間の伝達トルクにより、外径が小さくなるように捩れ
変形可能とされていることを特徴とする。
【0015】
【発明の作用および効果】本発明のトルクリミッタによ
れば、環状部材を介して第1トルク伝達部材と第2トル
ク伝達部材との間でトルクが伝達される。その伝達トル
クがリミットトルクに達すると、その伝達トルクによる
捩れ変形により環状部材の外径が小さくなる。その外径
の減少により、環状部材の外周側と第2トルク伝達部材
との接続を可能とする摩擦抵抗が小さくなるので、環状
部材の外周側と第2トルク伝達部材との間の接続部にお
いて滑りが生じる。また、両トルク伝達部材間における
トルク伝達が解除されると、その環状部材は弾性的に復
元変形し、環状部材を介する両トルク伝達部材間のトル
ク伝達が可能になる。すなわち、トルクリミッタは環状
部材のみで主構成されるので、部品点数が少なく、構造
が簡単で、組み立てが容易で、安価なものになる。
【0016】その環状部材は、両トルク伝達部材間の伝
達トルクによる捩れ変形により容積が小さくなる空洞部
を有することで、その容積減少分に対応して外径が小さ
くなる。その空洞部が複数とされ、環状部材の周方向に
沿って並列することで、環状部材の捩れ変形による外径
の減少を周方向に関し均一化でき、リミットトルクでの
トルク伝達の遮断を確実に行うことができる。
【0017】本件発明の電動パワーステアリング装置に
よれば、ステアリングシャフトとギアとの間にトルクリ
ミッタを設けているので、車輪の縁石への乗り上げ等に
よりステアリングシャフトに過大なトルクが作用する
と、環状部材の外周側とギアとの接続部における滑りに
よりステアリングシャフトとギアとが相対回転し、モー
タの破損が防止される。また、ステアリングシャフトと
ギアとの間にトルクリミッタを設けているので、モータ
の出力軸の回転やギアの回転がロックされた場合でもト
ルクリミッタは機能し、ステアリングホイールを操舵で
きる。また、そのギアにおける回転力の伝達比に無関係
にリミットトルクを設定できるので、正確に所期設定範
囲内に設定でき、また、トルクリミッタをモータに内蔵
する場合に比べリミットトルクを高精度に設定する必要
がない。さらに、そのギアにおける減速比が異なっても
リミットトルクを異なる値に設定する必要がない。ま
た、そのギアを、このギアに噛み合うギアに環状部材の
弾力により押し付けることで、両ギアの間のバックラッ
シをなくすことができ、操舵フィーリングを向上でき
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0019】図1に示す電動パワーステアリング装置1
は、ステアリングホイール2の操舵により発生する操舵
トルクを、ステアリングシャフト(第1トルク伝達部
材)3によりピニオン4に伝達することで、そのピニオ
ン4に噛み合うラック5を移動させ、そのラック5にタ
イロッドやナックルアーム等(図示省略)を介し連結さ
れる車輪6の舵角を変化させる。
【0020】そのステアリングシャフト3により伝達さ
れる操舵トルクに応じた操舵補助力を付与するため、そ
の操舵トルクを検出するトルクセンサ7と、その検出さ
れた操舵トルクに応じ駆動される操舵補助用モータ8
と、そのモータ8の回転力をステアリングシャフト3に
伝達するためのウォーム9とウォームホイール(第2ト
ルク伝達部材)10とが設けられている。そのウォーム
ホイール10は、外周側の合成樹脂製歯部10aと、内
周側の金属製スリーブ10bとを一体化することで構成
されている。
【0021】そのトルクセンサ7は、前記ステアリング
シャフト3を覆うハウジング21を有する。そのハウジ
ング21は2部材21a、21bを連結することで構成
されている。そのハウジング21内においてステアリン
グシャフト3は、ステアリングホイール2に連結される
第1シャフト3aと、この第1シャフト3aにピン22
により連結される筒状の第2シャフト3bと、この第2
シャフト3bの外周にブッシュ25を介して相対回転可
能に嵌め合わされる筒状の第3シャフト3cとに分割さ
れている。各シャフト3a、3b、3cの中心に沿って
弾性部材としてトーションバー23が挿入されている。
そのトーションバー23の一端は第1シャフト3aと第
2シャフト3bとに前記ピン22により連結され、他端
はピン24により第3シャフト3cに連結されている。
これにより、その第2シャフト3bと第3シャフト3c
とは操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能とされて
いる。
【0022】図2に示すように、その第2シャフト3b
の外周の一部と第3シャフト3cの内周の一部とは互い
に対向する非円形部3b′、3c′とされ、その第2シ
ャフト3bの非円形部3b′と第3シャフト3cの非円
形部3c′とが当接することで、両シャフト3b、3c
の相対回転は一定範囲に規制される。その規制により、
過大なトルクがステアリングシャフト3に作用した場合
のトーションバー23の破損を防止している。
【0023】その第2シャフト3bは、そのハウジング
21に圧入されたステアリングコラム30に、ブッシュ
31を介して支持される。その第3シャフト3cは、ハ
ウジング21に軸受26、27を介して支持される。そ
の第3シャフト3cの外周に前記ウォームホイール10
が、後述のトルクリミッタ11を介して嵌め合わされ
る。そのウォームホイール10に噛み合う前記ウォーム
9が前記モータ8の出力軸に取り付けられ、そのモータ
8はハウジング21に固定される。なお、そのハウジン
グ21はブラケット28を介して車体に取り付けられ
る。
【0024】そのトルクセンサ7は、そのハウジング2
1により保持される第1、第2検出コイル33、34
と、その第2シャフト3bの外周に嵌め合わされてピン
35により固定される磁性材製の第1検出リング36
と、その第3シャフト3cの外周に圧入される磁性材製
の第2検出リング37とを有する。その第1検出リング
36の一端面と第2検出リング37の一端面とは互いに
対向するように配置され、各検出リング36、37の対
向端面に、それぞれ歯36a、37aが周方向に沿って
複数設けられている。その第1検出リング36の他端側
は一端側よりも外径の小さな小径部36bとされてい
る。その第1検出コイル33は第1検出リング36と第
2検出リング37の対向間を覆うように配置され、第2
検出コイル34は第1検出リング36を覆うように配置
され、各検出コイル33、34は、ハウジング21に取
り付けられるプリント基板41に配線によって接続され
る。
【0025】そのプリント基板41に、図3に示す信号
処理回路が形成されている。すなわち、第1検出コイル
33は抵抗45を介して発振器46に接続され、第2検
出コイル34は抵抗47を介して発振器46に接続さ
れ、各検出コイル33、34は差動増幅回路48に接続
される。これにより、トルク伝達によりトーションバー
23が捩れ、第1検出リング36と第2検出リング37
とが相対的に回転すると、各検出リング36、37の歯
36a、37aの対向面積が変化する。その面積変化に
より、その歯36a、37aの対向間における第1検出
コイル33の発生磁束に対する磁気抵抗が変化すること
から、その変化に応じ第1検出コイル33の出力が変化
し、その出力に対応した伝達トルクが検出される。ま
た、第2検出コイル34は第1検出リング36の小径部
36bに対向する。その小径部36bの外径は、操舵抵
抗の作用していない状態で、第2検出コイル34の発生
磁束に対する磁気抵抗と第1検出コイル33の発生磁束
に対する磁気抵抗とが等しくなるように、設定されてい
る。これにより、温度変動による第1検出コイル33の
出力変動は、温度変動による第2検出コイル34の出力
変動に等しくなるので差動増幅回路48により打ち消さ
れ、伝達トルクの検出値の温度による変動が補償され
る。その差動増幅回路48から出力される伝達トルクに
対応した信号に応じて前記モータ8が駆動され、前記ウ
ォーム9、ウォームホイール10を介してステアリング
シャフト3に操舵補助力が付与される。
【0026】前記ステアリングシャフト3とウォームホ
イール10との間のトルクリミッタ11は、図4および
図5に示すように、金属製のインナーリング11aと、
そのインナーリング11aの外周に加硫接着されたゴム
製の環状部材11bと、その環状部材11bの外周に加
硫接着された金属製のアウターリング11cとを備え
る。
【0027】そのインナーリング11aの内周側に前記
第3シャフト3cの外周側が同軸心に圧入され、これに
より、その環状部材11bの内周側にステアリングシャ
フト3が、トルク伝達可能に接続されている。
【0028】そのアウターリング11cの外周側に、ウ
ォームホイール10の内周側が同軸心に圧入され、これ
により、その環状部材11bの外周側にウォームホイー
ル10が、その環状部材11bの弾性変形による弾力に
基づく摩擦抵抗を介してトルク伝達可能に接続されてい
る。なお、そのアウターリング11cは軸方向に沿う割
り溝11c′を有し、径の変化が可能とされている。ま
た、そのアウターリング11cは軸方向両端間において
周方向に沿って径方向外方に突出する凸部11c″を有
し、そのウォームホイール10のスリーブ10bは軸方
向両端間において周方向に沿って径方向外方に窪む凹部
10bを有し、その凹部10b′に凸部11c″が嵌め
合わされている。これにより、ウォームホイール10と
トルクリミッタ11との軸方向相対移動が防止されてい
る。
【0029】その環状部材11bに、複数の軸方向に沿
う空洞部11b′が、周方向に沿って等間隔に並列する
ように形成されている。本実施例では、各空洞部11
b′は環状部材11bの両端面において開口し、その軸
方向視形状は楕円形とされている。これにより、環状部
材11bは、ステアリングシャフト3とウォームホイー
ル10との間の伝達トルクによる捩れ変形によって、外
径が小さくなるものとされている。また、その環状部材
11bの外径が小さくなることで、アウターリング11
cの外径が小さくなる。
【0030】なお、そのウォームホイール10の内周側
をアウターリング11cの外周側に圧入する際、環状部
材11bの空洞部11b′に挿入される治具を用いて環
状部材11bを捩れ変形させ、外径を小さくした状態で
アウターリング11cに挿入し、しかる後に捩れ変形を
解除するのが好ましい。
【0031】上記構成によれば、環状部材11bを介し
てステアリングシャフト3とウォームホイール10との
間でトルクが伝達される。その伝達トルクがトルクリミ
ッタ11のリミットトルクに達すると、その伝達トルク
による環状部材11bの捩れ変形により空洞部11b′
の容積は小さくなり、その容積減少量に応じて環状部材
11bの外径が小さくなる。その環状部材11bの外径
が小さくなるのに伴い、アウターリング11cの外径が
小さくなるので、アウターリング11cとウォームホイ
ール10との間の摩擦抵抗は小さくなり、環状部材11
bの外周側のアウターリング11cとウォームホイール
10との間で滑りが生じる。そのリミットトルクは実験
的に求めることができる。また、そのステアリングシャ
フト3とウォームホイール10との間におけるトルク伝
達が解除されると、その環状部材11bは弾性的に復元
変形し、環状部材11bを介するステアリングシャフト
3とウォームホイール10との間のトルク伝達が可能に
なる。すなわち、トルクリミッタ11は環状部材11b
のみで主構成されるので、部品点数が少なく、構造が簡
単で、組み立てが容易で、安価なものになる。また、環
状部材11bの空洞部11b′が複数とされ、環状部材
11bの周方向に沿って並列するので、環状部材11b
の捩れ変形による外径の減少を周方向に関し均一化で
き、リミットトルクでのトルク伝達の遮断を確実に行う
ことができる。
【0032】上記電動パワーステアリング装置1によれ
ば、車輪6の縁石への乗り上げ等によりステアリングシ
ャフト3にトルクリミッタ11のリミットトルクを超え
るトルクが作用すると、環状部材11bの外周側のウォ
ームホイール10とステアリングシャフト3との滑りに
より、ステアリングシャフト3とウォームホイール10
とが相対回転し、モータ8の破損が防止される。
【0033】そのトルクリミッタ11をステアリングシ
ャフト3とウォームホイール10との間に設けているの
で、モータ8の出力軸の回転がロックされた場合でもト
ルクリミッタ11は機能し、ステアリングホイール2を
操舵できる。また、ウォームホイール10の回転が歯部
10aの破損によりロックされたとしても、同様にトル
クリミッタ11は機能することができる。
【0034】また、そのウォームホイール10とウォー
ム9との間の回転力の伝達比に無関係にリミットトルク
を設定できるので、正確に所期設定範囲内に設定でき、
また、トルクリミッタをモータに内蔵する場合に比べリ
ミットトルクを高精度に設定する必要はない。さらに、
そのウォーム9とウォームホイール10との減速比が異
なってもリミットトルクを異なる値に設定する必要がな
い。また、そのウォームホイール10をウォーム9に環
状部材11bの弾力により押し付けることで、ウォーム
9とウォームホイール10の間のバックラッシをなくす
ことができ、操舵フィーリングを向上できる。
【0035】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、上記トルクリミッタ11のインナ
ーリング11aとアウターリング11cとは必須の構成
ではなく、環状部材11bをステアリングシャフト3と
ウォームホイール10に直接接続してもよい。また、空
洞部11b′の寸法、数、形状、形成位置等は特に限定
されるものではなく、例えば図6に示すように、軸方向
視形状を円形としてもよく、また、環状部材11bを貫
通する必要はなく、さらに、軸方向に沿う必要もなく、
要は、その伝達トルクによる捩れ変形によって外径が小
さくなればよい。また、本発明のトルクリミッタは電動
パワーステアリング装置以外のトルク伝達機構を有する
装置においても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電動パワーステアリング装置
の断面図
【図2】図1のII‐II線断面図
【図3】本発明の実施例の電動パワーステアリング装置
のトルクセンサの回路構成の説明図
【図4】本発明の実施例の電動パワーステアリング装置
の要部の断面図
【図5】図1のV‐V線断面図
【図6】本発明の変形例のトルクリミッタの正面図
【符号の説明】
3 ステアリングシャフト(第1トルク伝達部材) 8 操舵補助用モータ 10 ウォームホイール(第2トルク伝達部材) 11 トルクリミッタ 11b 環状部材 11b′ 空洞部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性変形可能な環状部材を備え、その環
    状部材の内周側に第1トルク伝達部材がトルク伝達可能
    に接続され、その環状部材の外周側に第2トルク伝達部
    材が、その環状部材の弾性変形による弾力に基づく摩擦
    抵抗を介してトルク伝達可能に接続され、その環状部材
    は、両トルク伝達部材間の伝達トルクにより、外径が小
    さくなるように捩れ変形可能とされているトルクリミッ
    タ。
  2. 【請求項2】 その環状部材は、両トルク伝達部材間の
    伝達トルクによる捩れ変形により容積の小さくなる空洞
    部を有する請求項1に記載のトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 その空洞部は複数とされ、環状部材の周
    方向に沿って並列する請求項2に記載のトルクリミッ
    タ。
  4. 【請求項4】 ステアリングシャフトと、このステアリ
    ングシャフトの外周に嵌め合わされたギアと、そのギア
    を介してステアリングシャフトに回転力を伝達する操舵
    補助用モータとを備える電動パワーステアリング装置に
    おいて、そのステアリングシャフトとギアとの間に弾性
    変形可能な環状部材が設けられ、その環状部材の内周側
    に前記ステアリングシャフトがトルク伝達可能に接続さ
    れ、その環状部材の外周側に前記ギアが、その環状部材
    の弾性変形による弾力に基づく摩擦抵抗を介してトルク
    伝達可能に接続され、その環状部材は、ステアリングシ
    ャフトとギアとの間の伝達トルクにより、外径が小さく
    なるように捩れ変形可能とされている電動パワーステア
    リング装置。
JP17272495A 1995-06-14 1995-06-14 トルクリミッタおよび電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP3579509B2 (ja)

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