JPH09227762A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents

フェノール樹脂成形材料

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JPH09227762A
JPH09227762A JP3832596A JP3832596A JPH09227762A JP H09227762 A JPH09227762 A JP H09227762A JP 3832596 A JP3832596 A JP 3832596A JP 3832596 A JP3832596 A JP 3832596A JP H09227762 A JPH09227762 A JP H09227762A
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JP
Japan
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melting point
molding material
resin molding
mold
phenol resin
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JP3832596A
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English (en)
Inventor
Nobuhisa Fujimura
宜久 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重電分野、自動車部品分野、機構部品分野、
厨房分野等に用いられる成形品において、長時間の射出
成形を行った時、エアーベント,パーティングライン等
のバリ離型性に優れたフェノール樹脂成形材料を得るこ
と。 【解決手段】 離型剤として融点が40〜50℃のステ
アリン酸を0.5〜1.5%配合した粉末状及び粒状の
フェノール樹脂成形材料に、融点が80〜86℃のカル
ナバワックス0.1〜0.3%と、融点が145〜15
8℃の金属石鹸0.1〜0.3%と、融点が98〜10
4℃の部分ケン化エステルワックス0.1〜0.3%の
3種を、添加混合してなることを特徴とするフェノール
樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形時のバリ
離型性に優れているフェノール樹脂成形材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、重電分野,
自動車部品分野,機構部品分野,厨房分野等さまざまな
分野に使用されており、その成形方法は射出成形による
無人成形が主流となってきている。このような成形にお
いては、成形品の金型からの脱型はもちろんのこと、金
型のエアーベントや、パーティングライン等のバリ離型
性が特に必要とされている。この理由として、金型のエ
アーベントにバリが付着したまま次ショットの成形を行
うと、金型内での成形時のガス逃げが悪く、成形品にガ
ス欠けによる充填不良が発生したり、また、パーティン
グライン等にバリが付着すると、成形品の寸法不良や、
バリの破片が成形品及び金型の間に混入して成型品の外
観を損ねたり、金型を破損したり、あるいは型締めが作
動しない等、著しく生産性が劣るためである。
【0003】このため、従来では、フェノール樹脂成形
材料に配合されている離型剤の配合量を増やしたりして
いるが、短時間の成形でのバリの離型性は良くなるもの
の、長時間の成形においては完全ではなく、逆に金型曇
りや、成形品外観汚れ等の不具合が生じている。また、
エアーベントのバリ離型性を向上させるために、エアー
ベントの厚みを通常より厚くすることで、バリ離型性は
改善されるが、成形品のバリ取り等の後仕上げに時間を
費やすなどの弊害が生じている。
【0004】パーティングライン等のバリ離型性におい
ては、成形/脱型時にエアー掛け等をしているが、長時
間成形においては効果が無く、バリが付着し始めると、
作業者が銅ベラ等で磨いているのが現状である。このよ
うにエアーベントや、パーティングライン等にバリの付
着を完全に防止することができないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、射出成形に
おいて、成形時のバリがエアーベントやパーティングラ
イン等に付着するという問題点に関し種々検討なされた
ものであり、重電分野,自動車部品分野,機構部品分
野,厨房分野等に用いられる成形品で、射出成形時のバ
リの離型性に優れたフェノール樹脂成形材料に関するも
のである。
【0006】
【発明が解決するための手段】本発明は、離型剤として
融点が40〜50℃のステアリン酸を0.5〜1.5%
配合し得られた粉末状又は粒状のフェノール樹脂成形材
料に、3種の離型剤を更に添加混合(以下、後添加とい
う)し、フェノール樹脂成形材料の破砕顆粒表面に均一
に分散、付着させ、成形時のバリ離型性の向上を図った
ものである。
【0007】本発明に用いられる離型剤の特徴は、融点
が80〜86℃のカルナバワックスであることである。
また、残り2種の離型剤の特徴は、融点が145〜15
8℃の金属石鹸であることと、融点が98〜104℃の
部分ケン化エステルワックスであることである。これら
3種の離型剤を併用したときが最もバリ離型性の向上が
認められ、その配合割合は、融点が98〜104℃の部
分ケン化エステルワックス1重量部に対して、融点が1
45〜158℃の金属石鹸が0.5〜1.5重量部、融
点が80〜86℃のカルナバワックスが0.3〜1.5
重量部である。
【0008】これら融点が80〜86℃のカルナバワッ
クスと融点が145〜158℃の金属石鹸と融点が98
〜104℃の部分ケン化エステルワックスの総配合量
は、フェノール樹脂成形材料に対して0.3〜0.9%
である。これらの離型剤の配合量は好ましくはフェノー
ル樹脂成形材料に対して、融点が80〜86℃のカルナ
バワックス0.1〜0.3%及び融点が145〜158
℃の金属石鹸0.1〜0.3%及び、融点が98〜10
4℃の部分ケン化エステルワックス0.1〜0.3%で
ある。これら3種の離型剤の配合量がこれらより少ない
と、成形時金型からのバリ離型性の向上が認められず、
これらより多いと金型汚れが生じたり、成形品の外観が
損なわれるようになる。
【0009】本発明に用いられるフェノール樹脂は、ノ
ボラック型フェノール樹脂であり、数平均分子量500
〜1200の固形のものが通常用いられるが、特にこれ
に限定されるものではなく、レゾール型フェノール樹脂
でもよく、両者の混合物でもよい。また、キシレン、ア
ルキルフェノール等で変性されていてもさしつかえな
い。
【0010】本発明に用いられる充填材は有機質基材と
して木粉,合板粉,積層板粉,粉末パルプ,粉砕布,コ
コナッツシェル,化粧板粉等が用いられ、無機質基材と
して炭酸カルシウム,タルク,クレー,ガラス繊維,金
属水酸化物等が用いられるが、特にこれに限定する物で
はない。
【0011】一般的なフェノール樹脂成形材料は、フェ
ノール樹脂の他に、硬化剤、有機質基材、無機質基材お
よび離型剤としてステアリン酸あるいは金属石鹸等が配
合されている。これらの離型剤は、外滑効果があり、射
出成形の初期においてはバリ離型性は良好であるが、ス
テアリン酸のみを配合した場合においては、ステアリン
酸の融点が低く、耐熱性が劣るため、長時間連続成形を
行うと、金型に付着したステアリン酸が金型温度160
〜180℃で焼け付きが起こるため、金型曇りを生じた
り、成形品の脱型不良を引き起こしたり、エアーベント
部分でのバリ付着が生じたりする。またその他の金属石
鹸の離型剤のみを用いた場合は、離型剤の金属部分が静
電効果により、金型と付着し、この付着した金属石鹸が
焼き付きを引き起こし、ステアリン酸を用いた場合と同
様不具合が生じる。
【0012】本発明で用いる離型剤として、融点が98
〜104℃の部分ケン化エステルワックスは分子が大き
く、この分子間の隙間に、併用するもう一つの離型剤で
ある融点が145〜158℃の金属石鹸の金属分子が配
列する。このため成形品と金型との間にこれら離型剤の
薄膜が形成される。この融点が98〜104℃の部分ケ
ン化エステルワックスと融点が145〜158℃の金属
石鹸はいずれもフェノール樹脂成形材料に後添加され、
フェノール樹脂成形材料の破砕顆粒表面に均一分散して
付着しており、また、融点が通常の射出成形におけるシ
リンダー部分の温度80〜90℃より高いため、シリン
ダー部分では溶けないが、金型温度160〜180℃よ
り融点が低いため、金型内部で溶融し、上述した離型剤
の薄膜を金型と成形品の間に形成する。
【0013】また、練り込み離型剤として配合している
ステアリン酸は融点が40〜50℃でありシリンダー部
分で溶融しているが、フェノール樹脂成形材料の内部に
存在しており、これが、シリンダーから金型部分へ射出
されるときに、射出圧力により成形材料内部から表面に
出てくるが、融点が98〜104℃の部分ケン化エステ
ルワックスと融点が145〜158℃の金属石鹸の離型
剤は後添加により成形材料の破砕顆粒の表面に付着して
いるため、これら離型剤が先に溶融し、その後ステアリ
ン酸が表面にでてくる。このためステアリン酸は金型と
接触せず分子構造の類似している金属石鹸と相溶し、成
形品と融点が98〜104℃の部分ケン化エステルワッ
クスと融点が145〜158℃の金属石鹸の薄膜との間
に存在する。
【0014】融点が98〜104℃の部分ケン化エステ
ルワックスと融点が145〜158℃の金属石鹸の薄膜
は、大きな分子の部分ケン化エステルワックスの分子間
の隙間に金属石鹸の金属分子が配列し緻密な薄膜となっ
ているため成形品の脱型時にこの薄膜が成形品側に付着
してくる。よって金型を汚すことなく且つ成形品外観,
バリ離型性に優れている。また、この薄膜は非常に薄
く、成形品外観を損なうこともない。
【0015】本発明で後添加に用いられているもう一種
類の離型剤として融点が80〜86℃のカルナバワック
スは、天然ワックスであり、ロウエステルが主成分であ
る。このカルナバワックスの融点が射出成形時のシリン
ダー温度に類似しており、シリンダー部分で溶融する。
このため、シリンダー内で材料とバレル及びスクリュウ
との摩擦を押さえ、異常な発熱を抑制するため、安定し
た射出成形性が得られる。また、シリンダーから金型へ
射出されてもカルナバワックスの主成分がロウエステル
であり、融点が98〜104℃の部分エステルワックス
及び融点が145〜158℃の金属石鹸及び融点が40
〜50℃のステアリン酸と相溶してしまう。
【0016】離型剤として融点が40〜50℃のステア
リン酸を0.5〜1.5%配合した粉末状及び粒状のフ
ェノール樹脂成形材料に、融点が80〜86℃のカルナ
バワックス0.1〜0.3%と、融点が145〜158
℃の金属石鹸0.1〜0.3%と、融点が98〜104
℃の部分ケン化エステルワックス0.1〜0.3%の3
種を併用し、後添加することにより、安定した射出成形
性が得られ、且つ長時間連続成形を行っても、エアーベ
ント,パーティングライン等のバリ離型性及び成形品の
脱型に優れた効果が得られる。
【0017】
【実施例】表1に示す原料を所定の配合でミキシングロ
ールにて加熱混練し、粉砕してブレンド時に所定の配合
の離型剤を後添加し成形材料を製造した。得られた成形
材料について、バリ離型性,成形品の外観,射出成形性
について評価した。これらの結果を表−1の下欄に示
す。
【0018】
【表1】 (測定方法)バリ離型性:射出成形にて金型温度175
℃,硬化時間30秒,射出圧力1200kgf/cm2
で平板成形品(幅80mm×長さ120mm×厚み4m
m)を成形し、この成形品のエアーベント部分の0.5
mmのバリが金型に付着するまでの成形回数(ショット
数)を測定した。 成形品外観:バリ離型性評価時の成形品外観を目視にて
観察した。 射出成形性:バリ離型性評価時に50ショットの計量時
間,射出時間,成形品重量を測定し、このときのバラツ
キσを求めた。
【0019】
【発明の効果】本発明に従うと、長時間の射出成形時の
エアーベント,パーティングライン等のバリ離型性に優
れたフェノール樹脂成形材料が得られるので工業的なフ
ェノール樹脂成形材料として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状又は粒状のフェノール樹脂成形材
    料に、離型剤として融点が80〜86℃のカルナバワッ
    クスと、融点が145〜158℃の金属石鹸と、融点が
    98〜104℃の部分ケン化エステルワックスを添加混
    合することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 粉末状又は粒状のフェノール樹脂成形材
    料に、離型剤として融点が80〜86℃のカルナバワッ
    クス0.1〜0.3%と、融点が145〜158℃の金
    属石鹸0.1〜0.3%と、融点が98〜104℃の部
    分ケン化エステルワックス0.1〜0.3%の3種を、
    添加混合することを特徴とする請求項1記載のフェノー
    ル樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 離型剤として融点が40〜50℃のステ
    アリン酸を0.5〜1.5%配合した粉末状又は粒状の
    フェノール樹脂成形材料に、融点が80〜86℃のカル
    ナバワックス0.1〜0.3%と、融点が145〜15
    8℃の金属石鹸0.1〜0.3%と、融点が98〜10
    4℃の部分ケン化エステルワックス0.1〜0.3%の
    3種を、添加混合することを特徴とする請求項1または
    請求項2記載のフェノール樹脂成形材料。
JP3832596A 1996-02-26 1996-02-26 フェノール樹脂成形材料 Pending JPH09227762A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106079052A (zh) * 2016-07-19 2016-11-09 甘肃智通科技工程检测咨询有限公司 混凝土小型构件修面脱模剂

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