JPH09226298A - 研磨による金属体表面のマーキング方法 - Google Patents

研磨による金属体表面のマーキング方法

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JPH09226298A
JPH09226298A JP8036597A JP3659796A JPH09226298A JP H09226298 A JPH09226298 A JP H09226298A JP 8036597 A JP8036597 A JP 8036597A JP 3659796 A JP3659796 A JP 3659796A JP H09226298 A JPH09226298 A JP H09226298A
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JP
Japan
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metal body
polishing
marking
polishing step
finish
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JP8036597A
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English (en)
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Akio Tamura
昭男 田村
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Original Assignee
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マーキングされた金属体表面が滑らかで手
触りが良く、ソフトなイメージを与えることのできるマ
ーキング方法を提供すること。 【解決手段】 このマーキング方法は、図柄、模様、文
字等のマークをマーキングすべき金属体の表面を荒研磨
する荒研磨工程aと、荒研磨した金属体表面を仕上げ研
磨する一次仕上げ研磨工程cと、一次仕上げ研磨した金
属体表面にマーキング用の型シートを貼付する型シート
貼付工程dと、型シートを貼付した金属体表面を一次仕
上げ研磨工程cによる面粗さよりも荒いかまたは小さい
面粗さに仕上げ研磨する二次仕上げ研磨工程eと、二次
仕上げ研磨した金属体表面から型シートを剥離する型シ
ート剥離工程fと、からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属体の表面に2
種類の仕上げ研磨加工を施して、その仕上げ面粗さの差
異により、金属体表面に図柄、模様、文字等のマークを
表出するようにした金属体表面のマーキング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、金属体の表面に、装
飾や表示のための図柄、模様、文字等のマークをマーキ
ングする方法として、電位差利用腐食法、酸腐法、ブラ
ストショッティング法、彫刻法等があるが、これらによ
るマーキング方法は、金属体表面に形成される凹凸部の
大きな段差を利用して図柄、模様、文字等のマークを表
出する方法であるため、マーキングされた表面の手触り
が悪い上に、そのマーキングが固いイメージを与えると
云う問題があった。
【0003】本発明は、上記の課題に鑑み、マーキング
された金属体表面が滑らかで手触りが良く、非常にソフ
トなイメージを与えることのできる金属体表面のマーキ
ング方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図柄、模様、文字等のマークMをマーキングすべき金属
体Gの表面を荒研磨する荒研磨工程aと、荒研磨した金
属体表面を仕上げ研磨する一次仕上げ研磨工程cと、一
次仕上げ研磨した金属体表面にマーキング用の型シート
5a〜5dを貼付する型シート貼付工程dと、型シート
5a〜5dを貼付した金属体表面を一次仕上げ研磨工程
cによる面粗さよりも荒いかまたは小さい面粗さに仕上
げ研磨する二次仕上げ研磨工程eと、二次仕上げ研磨し
た金属体表面から型シート5a〜5dを剥離する型シー
ト剥離工程fと、からなることを特徴とする。
【0005】この発明にあっては、荒研磨工程aにおい
てマーキングすべき金属体Gの表面を所要の面粗さに荒
研磨した後、この金属体Gの表面を一次仕上げ研磨工程
cで所要の仕上げ面粗さに研磨し、この一次仕上げ研磨
した金属体Gの表面に、必要とする所望のマーキング用
型シート5a〜5dを貼付する。しかる後、型シート5
a〜5dの貼着された金属体Gの表面を、一次仕上げ研
磨工程cによる面粗さよりも荒いか、または小さい面粗
さに仕上げ研磨し、しかして金属体Gの表面から型シー
ト5a〜5dを剥離することにより、この金属体Gの表
面には、一次仕上げ研磨工程cで研磨された仕上げ面の
面粗さと、二次仕上げ研磨工程eで研磨された仕上げ面
の面粗さとの差異によって、光の反射による光沢や艶の
コントラストが生じ、それにより金属体Gの表面に所望
のマークMが表出される。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
金属体表面のマーキング方法において、荒研磨工程aと
一次仕上げ研磨工程cとの間に、荒研磨した金属体表面
をその面粗さよりも小さい面粗さに研磨する一つまたは
複数の中間研磨工程bを有することを特徴としている。
この発明にあっては、荒研磨された金属体Gの表面は、
中間研磨工程bを経ることによってその面粗さが小さく
なり、従って荒研磨加工を簡単に行えると共に、次の一
次仕上げ研磨工程c及び二次仕上げ研磨工程eでのそれ
ぞれの仕上げ研磨加工が容易となる。
【0007】請求項3に係る発明は、請求項1または2
に記載の金属体表面のマーキング方法において、型シー
ト剥離工程fの後に、金属体表面の脂分の除去及び洗浄
を行う脱脂洗浄工程gを有することを特徴とする。この
発明にあっては、脱脂洗浄工程gにおいて、金属体Gの
表面に付着している脂分及び塵等が除去されると共にそ
の表面が綺麗に洗浄される。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
型シート剥離工程fの後に、金属体表面の脂分の除去及
び洗浄を行う脱脂洗浄工程gと、脂分の除去及び洗浄を
行った金属体表面にマーク保護用の透明塗膜を形成する
塗装工程hとを有することを特徴とする。この発明にあ
っては、脱脂洗浄工程gにて金属体Gの表面の脱脂及び
洗浄が行われ、更に塗装工程hにおいてこの金属体Gの
表面にマーク保護用の透明塗膜が形成され、これによっ
て金属体Gの表面に形成されたマークMは清浄で美麗な
状態に定着される。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
一次仕上げ研磨工程cで金属体表面を光沢のある鏡面状
に研磨した後、この鏡面状金属体表面を二次仕上げ研磨
工程eで鏡面を艶消ししたような真珠面状に研磨する
か、または一次仕上げ研磨工程cで金属体表面を真珠面
状に研磨した後、この真珠面状表面を二次仕上げ研磨工
程eで真珠面より光沢のある鏡面状に研磨するようにし
たことを特徴とする。
【0010】この発明にあっては、一次仕上げ研磨工程
cで鏡面状に研磨された仕上げ面の面粗さと、二次仕上
げ研磨工程eで真珠面状に研磨された仕上げ面の面粗さ
との差異、または一次仕上げ研磨工程cで真珠面状に研
磨された仕上げ面の面粗さと、二次仕上げ研磨工程eで
鏡面状に研磨された仕上げ面の面粗さとの差異により、
この金属体Gの表面に鋭い光沢の鏡面と淡い艶の真珠面
とのコントラストが生じて、非常に美しく且つソフトな
イメージのマークMが表出される。
【0011】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
マーキング用の型シート5a〜5dとして粘着テープを
使用するようにしたことを特徴とする。この発明にあっ
ては、型シート5a〜5dが粘着テープからなるため、
型シート5a〜5dの貼着が容易となる。
【0012】請求項7に係る発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
荒研磨工程または/及び中間研磨工程には、バフ研磨材
1を使用して研磨するようにしたことを特徴とする。こ
の発明にあっては、バフ研磨材1の使用によって、荒研
磨工程または/及び中間研磨工程における研磨加工が能
率良く行える。
【0013】請求項8に係る発明は、請求項1〜7のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
一次仕上げ研磨工程c及び二次仕上げ研磨工程eには、
バレル研磨機2を使用して研磨するようにしたことを特
徴とする。この発明にあっては、一次及び二次の各仕上
げ研磨加工が、それぞれ所望の仕上げ面粗さに能率良く
行える。
【0014】請求項9に係る発明は、請求項4〜8のい
ずれかに記載の金属体表面のマーキング方法において、
前記塗装工程hは焼き付け塗装からなることを特徴とし
ている。この発明にあっては、金属体表面上でのマーク
Mの定着及び保護がより確実なものとなって、マークM
の色艶が長年月にわたり当初の状態に維持される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るマーキング方法の最
も好ましい実施形態について図1〜図5に基づいて説明
する。尚、この実施形態では、図5に示すように金属体
表面にマークMがマーキングされた標示板Pを作製する
ものとする。
【0016】図1はマーキング方法の工程順序を示して
いる。先ず、荒研磨工程aにおいては、マーキングすべ
き金属体として、例えば図2の(A)に例示しているよ
うに矩形板状に形成した真鍮製の金属体Gを用意する。
この金属体Gは、例えば、厚みが2mm、横(短辺側)
の長さが50mm、縦(長辺側)の長さが100mmと
し、またその表面は圧延加工された程度の粗さを有する
ものとする。
【0017】この金属体Gの表面を、モーター内蔵式研
磨機に取り付けられた図2の(B)に示すようなバフ研
磨材1によって、表面の凹凸部を均す成形加工を兼ねて
荒研磨する。この場合、バフ研磨材1には、JIS−A
種粒度♯90のエメリーバフを使用し、これによって金属
体表面の面粗さが、JISB0659の区分値6.3μ
−S(=6.3μ−RMAX )にまで研磨する。
【0018】次の中間研磨工程bにおいては、上記のよ
うに荒研磨した金属体Gの表面を、荒研磨工程aでの研
磨方法と同様な方法により研磨して、その面粗さを小さ
くする。この場合、バフ研磨材1には、JIS−A種粒
度♯180 のエメリーバフを使用し、これによって面粗さ
がJISB0659の区分値1.3μ−S〜6.3μ−
S(=1.3〜6.3μ−RMAX )にまで研磨する。こ
のような中間研磨工程bを経ることにより、荒研磨によ
る加工面の凹凸部が除去され、金属体Gの表面は可成り
滑らか面となる。
【0019】上記のような中間研磨工程bを経た後、一
次仕上げ研磨工程cにおいて、この金属体Gを、図2の
(C)に概略示すような高速遠心バレル研磨機2の各バ
レル3内に、研磨剤4と共に投入し、密封した状態で、
同図に示すように各バレル3を自転させつつ、バレル研
磨機2の中心部Oの周りを旋回させながら、このバレル
研磨機2を約1時間運転することによって、この金属体
Gの表面を、光沢のある鏡面状に仕上げ研磨する。
【0020】上記一次仕上げ研磨工程cにおいて、研磨
剤4は、AM−52(宇治電化学工業株式会社の商品
名)及びWL−36(宇治電化学工業株式会社の商品
名)からなるものであって、WL−36に対してAM−
52を約5%(重量)の割合で混合したものを使用す
る。ここに、WL−36は、クルミの殻を粉砕したもの
からなり、その数字36は粒度♯36を表す。この一次
仕上げ研磨工程cにおいて鏡面状に仕上げ研磨した金属
体Gの表面の面粗さは、JISB0659の区分値0.
4μ−S以下とする。この場合、実際の面粗さを前記宇
治電化学工業株式会社によって検査した結果、その検査
値は、Ra =0.011μm、RMAX =0.113μm
となっている。このRa 及びRMAX については、図3の
マクログラフで示すように、Ra は金属体表面における
長さL当りの平均粗さ、RMAX は最大粗さを表してい
る。
【0021】しかして、次の型シート貼付工程dでは、
上記のように一次仕上げ研磨した金属体Gの表面の所定
位置に、図2の(D)に示すように予め所望の型に打抜
き形成されたマーキング用の型シート5a〜5dを貼着
する。この型シート5a〜5dは、厚さ0.2〜0.3
mm程度のアルミ箔、ステンレス箔、紙、ビニールシー
ト等からなるもので、片面側に粘着剤が塗布された粘着
シートとなっており、従って金属体G表面の所定位置に
簡単用意に貼着することができる。
【0022】上記のように一次仕上げ研磨した金属体G
の表面に型シート5a〜5dを貼着した後、二次仕上げ
研磨工程eにおいて、この金属体Gを、一次仕上げ研磨
工程cと同様な方法によって、一次仕上げ研磨工程cに
よる面粗さよりも若干荒い面粗さに二次仕上げ研磨す
る。即ち、型シート5a〜5dが貼着された金属体G
を、図2の(C)に示す高速遠心バレル研磨機2のバレ
ル3内に、研磨剤4と共に投入して、密封した状態で、
各バレル3を自転させつつ、バレル研磨機2の中心部O
の周りを旋回させながら、このバレル研磨機2を約0.
5時間運転することによって、この金属体Gの表面を、
一次仕上げ研磨工程cで研磨された鏡面を艶消ししたよ
うな淡い艶の真珠面状に研磨する。
【0023】この二次仕上げ研磨工程eにおいて、研磨
剤4は、DP−33(宇治電化学工業株式会社の商品
名)及びDC−2(宇治電化学工業株式会社の商品名)
からなるものであって、DC−2に対してDP−33を
約5%(重量)の割合で混合したものを使用する。尚、
DC−2は、酸化アルミニウムと不飽和ポリエステル樹
脂酸化物とからなるものである。この二次仕上げ研磨工
程eにおいて真珠状に仕上げ研磨した金属体Gの表面の
面粗さは、JISB0659の区分値0.4μ−S以上
とする。この場合、実際の面粗さを前記宇治電化学工業
株式会社で検査した結果、その検査値は、平均粗さRa
=0.060μm、最大粗さRMAX =1.106μmと
なっている。
【0024】上記のように金属体Gをバレル研磨機2に
よって二次仕上げ研磨した後、バレル研磨機2のバレル
3内から金属体Gを取り出し、そして型シート剥離工程
fにおいて、図4に示すように金属体Gの表面に貼付さ
れている型シート5a〜5dを剥離する。こうして金属
体Gの表面から型シート5a〜5dを剥離すると、一次
仕上げ研磨工程cで鏡面状に研磨された仕上げ面の面粗
さ(Ra =0.011μm、RMAX =0.113μm)
と、二次仕上げ研磨工程eで真珠面状に研磨された仕上
げ面の面粗さ(Ra =0.060μm、RMAX =1.1
06μm)との差異によって、この金属体Gの表面に光
沢のコントラストが生じる。即ち、図5に示すように、
型シート5a〜5dの貼付されていた部分6a〜6d
(図面では分かりやすいように黒色で示す)を除く他の
表面部分7(図面では白抜きとする)が淡い艶の真珠面
となり、この淡い艶の真珠面を基台表面とする中に、型
シート5a〜5dの貼付されていた鏡面部分6a〜6d
が鋭い光沢を放ち、この光沢のある鏡面部分6a〜6d
によって、英文字6a、縞模様6b、数字6c及び図柄
6dからなるマークMが表出されることになる。このマ
ークMは、上記のように一次仕上げ研磨工程cによる仕
上げ面の面粗さと、二次仕上げ研磨工程eによる仕上げ
面の面粗さとの差異によって金属体表面に送出されたも
のであって、双方の面粗さの境界には手で触って感じる
ような凹凸部が形成されていないため、マーキングされ
た表面の手触りが非常に良く、しかも美麗にして且つ柔
和なイメージを与えることができる。
【0025】上記型シート剥離工程fで金属体Gの表面
から型シート5a〜5dを剥離してその表面にマークM
を表出させた後、次の脱脂洗浄工程gにおいて、洗浄剤
により、金属体Gの表面に付着している脂分更には塵等
を除去すると共に、その表面の洗浄を行い、しかる後、
塗装工程hにおいて金属体Gの表面にマーク保護用の透
明塗膜(図示省略)を形成するための塗装を施す。この
脱脂洗浄工程g及び塗装工程hは、金属体Gの表面に表
出されたマークMの保護及び定着のための工程である。
【0026】上記脱脂洗浄工程gにおいては、洗浄剤と
して、トリクレン、軟質揮発性炭化水素、親油性中性洗
剤の水溶液等を使用し、この洗浄剤を入れた容器の中
に、型シート5a〜5dを剥離した金属体Gを浸けて、
その表面を布または柔らかい刷毛等で擦ることにより、
脂分や塵等の不要付着物を除去すると共に、表面を綺麗
に洗浄する。そして、この金属体Gの表面を乾いた布で
拭き、乾燥させる。
【0027】また、塗装工程hにおいては、例えば無機
バインダー、変性バインダー及び触媒を適宜に調合した
クリアー系塗料を、塗装用スプレーによって前記金属体
Gの表面に吹き付け、膜厚が例えば10〜20μの透明
塗膜を形成する。こうして表面に透明塗膜を形成した金
属体Gを焼付炉の中に入れて、塗膜の焼付処理を行う。
この場合の焼付条件は、焼付温度を例えば150〜18
0°、焼付時間を例えば20〜30分とする。しかし
て、この塗装工程hを経ることによって、一連のマーキ
ング工程が終了し、図5に示すように金属体Gの表面に
所望のマークMがマーキングされた標示板Pができ上が
る。この塗装工程hにおいて、上記のように焼付処理を
施すことによって、金属体表面上でのマークMの定着及
び保護がより確実なものとなり、そのマークMの色艶を
長年月にわたって当初の状態に維持することが可能とな
る。
【0028】以上説明した実施の形態では、矩形板状の
真鍮製金属板Gの片方の面にマークMを施す例について
説明したが、他方の面にも上記同様の方法で所要のマー
クをマーキングすることができる。マーキングすべき金
属板Gとしては、真鍮以外の他の種々の金属製のものが
使用可能であり、また板材に限らず、直方体、立方体、
円柱体、球体等の種々の形状のものを使用して、所望の
マーキングを行うことができると共に、ここに例示した
標示板Pの他に、表札、銘板、ドアの把手、錠前、水周
り金具等、種々のものに適用可能である。
【0029】また、上述した実施の形態では、荒研磨工
程aと一次仕上げ研磨工程cとの間に中間研磨工程bを
介在させて、荒研磨工程aで荒研磨した金属体表面の面
粗さを小さくするようにしているが、荒研磨工程aにお
いて金属体表面をある程度まで小さい面粗さに研磨する
ことによって、中間研磨工程bを省略することができ
る。但し、中間研磨工程bを介在させるようにすれば、
荒研磨工程aでの荒研磨加工を簡単に行えると共に、次
の一次仕上げ研磨工程c及び二次仕上げ研磨工程eにお
ける各仕上げ研磨加工が容易となり、それにより加工能
率を上げることができる。この場合、中間研磨工程は、
1回だけに限らず、2回以上の工程を経て段階的に行う
ようにしてもよい。また、脱脂洗浄工程g及び塗装工程
hは必要に応じて省略してもよい。
【0030】また、上述した実施の形態では、一次仕上
げ研磨工程cで金属体G表面を光沢のある鏡面状に研磨
し、しかる後この鏡面状金属体Gの表面を二次仕上げ研
磨工程eで鏡面を艶消ししたような真珠面状に研磨した
が、鏡面研磨加工と真珠面研磨加工の順序を逆にしても
よい。即ち、一次仕上げ研磨工程cで金属体Gの表面を
真珠面状に研磨した後、この真珠面状表面を二次仕上げ
研磨工程eにおいて真珠面より光沢のある鏡面状に研磨
することができる。
【0031】また、荒研磨工程a及び中間研磨工程bの
両工程でバフ研磨材1を使用して研磨するようにした
が、このようなバフ研磨材1を使用することによって、
荒研磨加工及び中間研磨加工をそれぞれ能率良く行うこ
とができる。この場合、荒研磨工程a及び中間研磨工程
bのいずれか一方にバフ研磨材1を使用し、他方にはバ
フ研磨材1以外の他の研磨手段を用いてもよい。
【0032】更に、上述の実施の形態では、一次仕上げ
研磨工程c及び二次仕上げ研磨工程eにそれぞれバレル
研磨機2を使用したが、このバレル研磨機2の使用によ
って、一次及び二次の各仕上げ研磨加工を、それぞれ所
望の仕上げ面粗さに能率良く行うことができる。もちろ
ん、これら一次仕上げ研磨工程c及び二次仕上げ研磨工
程eには、バレル研磨機2以外の研磨機を使用すること
ができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、金属体表
面に表出されるマークは、一次仕上げ研磨工程による仕
上げ面の面粗さと二次仕上げ研磨工程による仕上げ面の
面粗さとの差異によって金属体の表面に表出されるもの
であるから、双方の面粗さの境界には手で触って感じる
ような凹凸部は形成されておらず、従ってマーキングさ
れた表面の手触りが非常に良い上に、柔和なイメージを
与えることができる。
【0034】請求項2に係る発明によれば、中間研磨工
程を経ることにより、荒研磨された金属体表面の面粗さ
を小さくすることができ、それによって荒研磨工程での
荒研磨加工を簡単に行えると共に、次の一次仕上げ研磨
工程及び二次仕上げ研磨工程における各仕上げ研磨加工
が容易となり、それにより加工能率を上げることができ
る。
【0035】請求項3に係る発明によれば、マークが表
出された金属体表面に付着している脂分及び塵等を除去
できると共にその表面を綺麗に洗浄することができる。
【0036】請求項4に係る発明によれば、金属体表面
の脱脂及び洗浄を行えると共に、この金属体表面にマー
ク保護用の透明塗膜を形成して、金属体表面に形成され
たマークを清浄で美麗な状態に定着せしめることができ
る。
【0037】請求項5に係る発明によれば、一次仕上げ
研磨工程で鏡面状に研磨された仕上げ面の面粗さと、二
次仕上げ研磨工程で真珠面状に研磨された仕上げ面の面
粗さとの差異、または一次仕上げ研磨工程で真珠面状に
研磨された仕上げ面の面粗さと、二次仕上げ研磨工程で
鏡面状に研磨された仕上げ面の面粗さとの差異により、
この金属体の表面に鋭い光沢の鏡面と淡い艶の真珠面と
のコントラストを生ぜしめて、非常に美しく且つソフト
なイメージのマークを表出できる。
【0038】請求項6に係る発明によれば、型シートを
粘着テープとすることにより、金属体表面への型シート
の貼着を簡単容易に行うことができる。
【0039】請求項7に係る発明によれば、バフ研磨材
を使用することによって、荒研磨工程または/及び中間
研磨工程における研磨加工を能率良く行うことができ
る。
【0040】請求項8に係る発明によれば、一次及び二
次の各仕上げ研磨加工が、それぞれ所望の仕上げ面粗さ
に能率良く行える。
【0041】請求項9に係る発明によれば、金属体表面
上でのマークの定着及び保護がより一層確実なものとな
って、マークの色艶等を長年月にわたり当初の状態に維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るマーキング方法の工程順序の一
例を示す説明図である。
【図2】 (A)はマーキングすべき金属体を示す斜視
図、(B)は荒研磨工程及び中間研磨工程で使用するバ
フ研磨材を示す斜視図、(C)は一次及び二次仕上げ研
磨工程で使用するバレル研磨機を示す概略平面断面図、
(D)は型シート貼付工程で型シートを貼付している状
態を示す斜視図である。
【図3】 研磨された金属体表面部のマクロ断面図であ
る。
【図4】 型シート剥離工程で型シートを剥離している
状態を示す斜視図である。
【図5】 金属体表面にマークを表出した標示板を示す
斜視図である。
【符号の説明】
a 荒研磨工程 b 中間研磨工程 c 一次仕上げ研磨工程 d 二次仕上げ研磨工程 e 型シート貼付工程 f 型シート剥離工程 g 脱脂洗浄工程 h 塗装工程 1 バフ研磨材 2 バレル研磨機 3 バレル 4 研磨剤 5a〜5d 型シート 6a〜6d 型シートの貼付されていた部分(鏡面部
分) 7 型シートの貼付されていなかった部分
(真珠面部分) G 金属体 M マーク P 標示板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図柄、模様、文字等のマークをマーキン
    グすべき金属体の表面を荒研磨する荒研磨工程と、荒研
    磨した金属体表面を所要の面粗さに仕上げ研磨する一次
    仕上げ研磨工程と、一次仕上げ研磨した金属体表面にマ
    ーキング用の型シートを貼付する型シート貼付工程と、
    型シートを貼付した金属体表面を一次仕上げ研磨工程に
    よる面粗さよりも荒いかまたは小さい面粗さに仕上げ研
    磨する二次仕上げ研磨工程と、二次仕上げ研磨した金属
    体表面から型シートを剥離する型シート剥離工程と、か
    らなる研磨による金属体表面のマーキング方法。
  2. 【請求項2】 荒研磨工程と一次仕上げ研磨工程との間
    に、荒研磨した金属体表面をその面粗さよりも小さい面
    粗さに研磨する一つまたは複数の中間研磨工程を有する
    請求項1に記載の金属体表面のマーキング方法。
  3. 【請求項3】 型シート剥離工程の後に、金属体表面の
    脂分の除去及び洗浄を行う脱脂洗浄工程を有する請求項
    1または2に記載の金属体表面のマーキング方法。
  4. 【請求項4】 型シート剥離工程の後に、金属体表面の
    脂分の除去及び洗浄を行う脱脂洗浄工程と、脂分の除去
    及び洗浄を行った金属体表面にマーク保護用の透明塗膜
    を形成する塗装工程とを有する請求項1〜3のいずれか
    に記載の金属体表面のマーキング方法。
  5. 【請求項5】 一次仕上げ研磨工程で金属体表面を光沢
    のある鏡面状に研磨した後、この鏡面状金属体表面を二
    次仕上げ研磨工程で鏡面を艶消ししたような真珠面状に
    研磨するか、または一次仕上げ研磨工程で金属体表面を
    真珠面状に研磨した後、この真珠面状表面を二次仕上げ
    研磨工程で真珠面より光沢のある鏡面状に研磨するよう
    にした請求項1〜4のいずれかに記載の金属体表面のマ
    ーキング方法。
  6. 【請求項6】 マーキング用の型シートとして粘着テー
    プを使用するようにした請求項1〜5のいずれかに記載
    の金属体表面のマーキング方法。
  7. 【請求項7】 荒研磨工程または/及び中間研磨工程に
    は、バフ研磨材を使用して研磨するようにした請求項1
    〜6のいずれかに記載の金属体表面のマーキング方法。
  8. 【請求項8】 一次仕上げ研磨工程及び二次仕上げ研磨
    工程には、バレル研磨機を使用して研磨するようにした
    請求項1〜7のいずれかに記載の金属体表面のマーキン
    グ方法。
  9. 【請求項9】 前記塗装工程は焼付塗装からなる請求項
    4〜8のいずれかに記載の金属体表面のマーキング方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002187398A (ja) * 2000-12-20 2002-07-02 Seiko Epson Corp 表面処理方法および装飾品
KR100503141B1 (ko) * 2002-10-31 2005-07-21 주식회사 효성디앤피 절삭휠 표면의 마킹방법
JP2016182763A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 京セラ株式会社 サーメット製装飾部材ならびにこれを用いてなる時計、携帯端末機および装身具
JP2017018542A (ja) * 2015-07-07 2017-01-26 株式会社青芳製作所 金属製洋食器の表面処理方法

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