JP2017018542A - 金属製洋食器の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 新製品としての金属製洋食器の表面に、かつその種類の制限を受けずに、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、という感性や古物感や高級感を感じさせる金属製洋食器及びその形成手段の提供を目的とする。【構成】 10はステンレス製の金属製洋食器の基材を示し、さらに金属製食器類11や金属製調理器具12の基材に分類され、21と31は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として用いるバレル研磨よる打痕であり、22と32は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として用いるバレル研磨による凹凸痕であり、(20,30)は打痕(21,31)や凹凸痕(22,32)によって形成される不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様であり、これをダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感Dとして利用することで、ステンレス製でありながら高級感や感性古物感Dを有した金属製洋食器10を提供できる。【選択図】図1
Description
本発明は、表面に特殊な感性を形成させた金属製洋食器および金属製洋食器の表面に特殊な感性を形成させる手段に関するものである。
従来、金属製洋食器に用いられている金属には、一般的には、耐食性、耐腐食性、耐錆性、防錆性、耐酸化性、などを備えた金属が用いられ、比較的硬度の低い金属材料としては、美観や質感に優れた錫や銀などが知られており、比較的硬度の高い金属材料としては、耐久性に優れたステンレスやステンレス鋼やチタンやチタン合金などが知られている。
また、従来、金属製洋食器には、上述した比較的硬度の高い金属材料の表面に、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上、耐久性の向上、耐食性の向上、耐腐食性の向上、耐錆性の向上、防錆性の向上、硬度の向上、などを目的にして、メッキや塗装や酸化皮膜形成手段や鏡面仕上げ研磨なの表面処理が行われてきた。
また、従来、金属製洋食器には、上述した比較的硬度の高い金属材料の表面に、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上、耐久性の向上、耐食性の向上、耐腐食性の向上、耐錆性の向上、防錆性の向上、硬度の向上、などを目的にして、メッキや塗装や酸化皮膜形成手段や鏡面仕上げ研磨なの表面処理が行われてきた。
また、上述した金属製洋食器の表面処理手段に関して、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上に関して詳述すると、シボ加工、古美仕上げ、梨地仕上げ、砂目加工、つや消し処理、などが一般的に知られていて、例えばシボ加工に関しては金属製洋食器の表面に凹凸模様を形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば古美仕上げに関しては、「古仕上げ」や「古美仕上げ(Weathering)」とも呼ばれており、金属製洋食器の表面に四三酸化鉄皮膜を形成させる酸化皮膜形成手段の一つであり、例えば梨地仕上げとは金属製洋食器の表面を梨の表面のようにザラザラした状態になるように形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば砂目加工やつや消し処理に関しては、金属製洋食器の表面をサンドブラスト装置を介してサンドブラスト処理をすることで得られる。
また、一般的には、上述した金属製洋食器の表面処理の表現手段として、ヴィンテージ感、ダメージ加工、アンティーク風、オールド感、年代物感という感性的表現も使用されていることが知られている。
また、一般的には、上述した金属製洋食器の表面処理の表現手段として、ヴィンテージ感、ダメージ加工、アンティーク風、オールド感、年代物感という感性的表現も使用されていることが知られている。
ところが、この特許願の発明者及び特許出願人は、新規の金属製洋食器の開発に当たって、従来の金属製洋食器とは差別化ができないものかと考え、調査してみた結果、まずインターネット上で、検索エンジンに「google」を利用し、ヴィンテージ食器という市場は存在しているが、ヴィンテージ感を備えた金属製洋食器というジャンルが存在していないことを確認した後に、特許情報プラットフォームの「特許・実用新案」カテゴリーの「特許・実用新案テキスト検索」機能を介し、キーワードに「ビンテージ,ヴィンテージ,VINTAGE」を用いて、キーワード検索を実施した結果、21件のヒット件数を得たが、やはりヴィンテージ感を備えた金属製洋食器という開発案件は見つからなかった。(2015年5月5日現在における検索結果)
また、上述した「特許・実用新案テキスト検索」の結果である21件のヒット件数の内訳は、以下の通りである。
例えば、特開2014−077970号公報「高調波歪率測定法および装置」,特開2010−257475号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特開2010−235770号公報「皮革材の表面処理方法」,特開2008−274452号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特開2008−212352号公報「スライドファスナー用務歯及びスライドファスナー」,特開2003−301350号公報「デニムおよびその製造方法」,特開2003−268683号公報「インジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地」,特開2003−050582号公報「楽音信号処理装置」,特開2003−013348号公報「光沢組紐とその製造方法及び装置」,特開2002−266258号公報「生地染色法」,特開2002−155465号公報「皺模様繊維製品の製造方法」,特開平06−095895号公報「アプリケーシヨンプログラム装置及びその方法」,特表2010−532164号公報「トマトにおける単為結果遺伝子」,特表2006−521596号公報「環境排出削減を創出、集積及び移転するシステム及び方法」,特表2006−508480号公報「環境排出削減をトラッキングするシステム及び方法」,特表2002−531013号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特許5072420号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特許4363774号公報「ヒゲ皺模様繊維製品の製造方法」,実登3196970号公報「筆記具」,実登3176550号公報「弦楽器ラッカー塗装・分離式保護カバー」,実登3164876号公報「ジーンズの裾上げ用アクセサリー」、などである。
また、上述した「特許・実用新案テキスト検索」の結果である21件のヒット件数の内訳は、以下の通りである。
例えば、特開2014−077970号公報「高調波歪率測定法および装置」,特開2010−257475号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特開2010−235770号公報「皮革材の表面処理方法」,特開2008−274452号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特開2008−212352号公報「スライドファスナー用務歯及びスライドファスナー」,特開2003−301350号公報「デニムおよびその製造方法」,特開2003−268683号公報「インジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地」,特開2003−050582号公報「楽音信号処理装置」,特開2003−013348号公報「光沢組紐とその製造方法及び装置」,特開2002−266258号公報「生地染色法」,特開2002−155465号公報「皺模様繊維製品の製造方法」,特開平06−095895号公報「アプリケーシヨンプログラム装置及びその方法」,特表2010−532164号公報「トマトにおける単為結果遺伝子」,特表2006−521596号公報「環境排出削減を創出、集積及び移転するシステム及び方法」,特表2006−508480号公報「環境排出削減をトラッキングするシステム及び方法」,特表2002−531013号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特許5072420号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特許4363774号公報「ヒゲ皺模様繊維製品の製造方法」,実登3196970号公報「筆記具」,実登3176550号公報「弦楽器ラッカー塗装・分離式保護カバー」,実登3164876号公報「ジーンズの裾上げ用アクセサリー」、などである。
そこで、当該特許願の発明者及び特許出願人は、新規の金属製洋食器の開発に当たって、ヴィンテージ感を備えた金属製洋食器というジャンルが存在していないことを確認した後に、平成27年5月18日に、請求項1として「金属製洋食器の表面に新規な表面仕上げ感の形成手段として、バレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、金属製洋食器の表面処理手段」や、請求項2として「前記新規な表面仕上げ感形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記仕上げ処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、請求項1に記載の金属製洋食器の表面処理手段」や、請求項3として「金属製洋食器の表面にヴィンテージ感を形成させる手段であり、前記ヴィンテージ感形成手段がバレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、金属製洋食器のヴィンテージ感形成手段」や、請求項4として「前記ヴィンテージ感形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記ヴィンテージ感形成手段バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、請求項3に記載の金属製洋食器のヴィンテージ感形成手段」という内容の実用新案を出願した。(特許文献1を参照する)
ところが、本願出願人が、実願2015−002802号(特許文献1)の出願後に改めて特許文献1の評価作業の必要性を感じて、特許文献1に記された技術的手段によって実施されたカップ受け皿(図7を参照する)を6個用意して、本願出願人が指定した6人のモニターたちに対して、「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定会を実施したところ、本願出願人の想定外の結果を得た。この測定会の場所は本願出願人の会議室であり、日時は平成27年6月2日の13:00から15:00であった。質問事項F1は「ヴィンテージ感は感じたか?」であり、質問事項F2は「ダメージ加工感には感じたか?」であり、質問事項F3は「アンティーク風には感じたか?」であり、質問事項F4は「オールド感には感じたか?」であり、質問事項F5は「年代物感は感じたか?」であり、結果を以下に示した。
また、上述した6人のモニターたちの内訳は、いずれも新潟県燕市在住で、40代の男性Aさん、40代の女性Bさん、30代の男性Cさん、30代の女性Dさん、20代の男性Eさん、20代の女性Fさん、であった。
また、上述した6人のモニターたちの内訳は、いずれも新潟県燕市在住で、40代の男性Aさん、40代の女性Bさん、30代の男性Cさん、30代の女性Dさん、20代の男性Eさん、20代の女性Fさん、であった。
<測定結果1>
測定用カップ受け皿の「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定結果。(図7に示した110が対象物のカップ受け皿である)
測定用カップ受け皿の「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定結果。(図7に示した110が対象物のカップ受け皿である)
すなわち、上記の測定結果1より、金属製洋食器の種類によっては、「ヴィンテージ感」と「ダメージ加工感」との差異は見出されず、「ヴィンテージ感」と「アンティーク風」との差異は僅かであり、「ヴィンテージ感」と「オールド感」との差異は僅かであり、「ヴィンテージ感」と「年代物感」との差異は比較的大きいという測定結果が得られた。従って、金属製洋食器の種類によっては、特許文献1に示した技術的手段だけでは、特許文献1で実施された金属製洋食器や製品や技術的手段が守れない事態に直面したのである。
また本願出願人が、上述した測定結果1及びその評価を得た後に、上述した6人のモニターたちと討論会を実施して改めて意見を募ったところ、図7に示したカップ受け皿110からは高級感が不足しているという指摘を受けた。本願出願人が、改めて図7に示したカップ受け皿110を評価してみた結果、金属製洋食器の種類によっては、バレル研磨だけでは、「ヴィンテージ感」や「ダメージ加工感」や「アンティーク風」や「オールド感」や「年代物感」を表現できるものは限られてくる、という認識を得た。
本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、新製品としての金属製洋食器の表面に、かつその種類の制限を受けずに、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、という感性や古物感や高級感を感じさせる金属製洋食器及びその形成手段の提供を目的とする。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、金属製洋食器の表面に、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段であり、前記感性古物感の形成手段がバレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段を提供することである。
課題を解決するための第一の手段で記載された金属製洋食器に関しては、本発明では金属製食器類や金属製調理器具を示すものとし、例えば金属製食器類には、例えばカトラリー(Cutlery)ともよばれているフォーク・ナイフ・スプーンや、例えば、フォークやデザートフォークや、例えば、ナイフやディナーナイフやバターナイフや、例えば、スプーンやティースプーンやデザートスプーンやテーブルスプーンやスープスプーンや、例えば、ティーカップやコーヒーカップの受け皿や、例えば、スープ皿やスナック皿や小判型皿やスープボウル(スープ鉢)やスープカップや、例えば、シチュー皿やカレー皿やグラタン皿やステーキ皿や、例えば、トレーやマルチトレーや角型トレーやラウンドトレーや、例えば、ドリンクウェア(コップなどの飲料に用する食器)として知られるコップ(カップ)やティーカップやコーヒーカップや、例えば、マグ(取っ手の付いた円筒形のコップ)やビアマグ(ビール用のマグ)やタルマグ(取っ手の無い樽型のコップ)、例えば、ジョッキ(取っ手の付いた寸胴形の容器でマグよりも大きい)やビールジョッキや、例えば、タンブラー(寸胴型のコップ)やタンブラーグラスや、例えば、ミルク入れ、ミルクジャグ、などを示すものとする。
また例えば金属製調理器具には、例えば、カクテルシェーカーやメジャーカップや、例えば、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、例えば、鍋、などを示すものとする。
また、前記金属製食器類や前記金属製調理器具に用いられる金属は、ステンレスやステンレス鋼やチタンやチタン合金などから選択するものとする。
また課題を解決するための第一の手段で記載された金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に関しては、まず従来の金属製洋食器の表面処理手段に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上を図るために、シボ加工、古美仕上げ、梨地仕上げ、砂目加工、つや消し処理、などが一般的に知られていて、例えばシボ加工に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に凹凸模様を形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば古美仕上げに関しては、「古仕上げ」や「古美仕上げ(weathering)」とも呼ばれており、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に四三酸化鉄皮膜を形成させる酸化皮膜形成手段の一つであり、例えば梨地仕上げとは前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面を梨の表面のようにザラザラした状態になるように形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば砂目加工やつや消し処理に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面をサンドブラスト装置を介してサンドブラスト処理をすることが知られていて、またバレル研磨に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の下地処理に用いられてきたが、特許文献1の以前には、バレル研磨を前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の仕上げ処理に用いられることは知られていなかったが、その範囲がヴィンテージ感に留まっていたので、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に応用するものとする。
また例えば金属製調理器具には、例えば、カクテルシェーカーやメジャーカップや、例えば、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、例えば、鍋、などを示すものとする。
また、前記金属製食器類や前記金属製調理器具に用いられる金属は、ステンレスやステンレス鋼やチタンやチタン合金などから選択するものとする。
また課題を解決するための第一の手段で記載された金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に関しては、まず従来の金属製洋食器の表面処理手段に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上を図るために、シボ加工、古美仕上げ、梨地仕上げ、砂目加工、つや消し処理、などが一般的に知られていて、例えばシボ加工に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に凹凸模様を形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば古美仕上げに関しては、「古仕上げ」や「古美仕上げ(weathering)」とも呼ばれており、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に四三酸化鉄皮膜を形成させる酸化皮膜形成手段の一つであり、例えば梨地仕上げとは前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面を梨の表面のようにザラザラした状態になるように形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば砂目加工やつや消し処理に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面をサンドブラスト装置を介してサンドブラスト処理をすることが知られていて、またバレル研磨に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の下地処理に用いられてきたが、特許文献1の以前には、バレル研磨を前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の仕上げ処理に用いられることは知られていなかったが、その範囲がヴィンテージ感に留まっていたので、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に応用するものとする。
課題を解決するための第一の手段で記載されたバレル研磨に関しては、一般的には、バレル研磨は、工作物(本明細書では前記金属製洋食器)をバレル(barrel=樽)の中に所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、媒材(コンパウンド)とともに入れ、バレルを回転・上下運動させることにより研磨を行う方法であり、媒材が固形の場合を乾式バレル、また媒材に水を加えることもあり、その場合は湿式バレルと呼ばれる、ことが知られていて、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、乾式バレルと湿式バレルを使い分けるものとする。
また、バレル研磨に関しては、一般的には、回転形バレル研磨、振動形バレル研磨、遠心流動形バレル研磨、などが知られており、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
また、回転形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水等を容器の約1/2の容量を入れて回転させ、内容物の流れによって加工を行う研磨装置が知られており、例えば回転軸が水平な水平形と傾いている傾斜形があり、通常、毎分6〜30回転が用いられるが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や回転数を選択するものとする。
また、振動形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水などを入れ、容器を振動させて工作物と前記研磨材との間に相対運動を生じさせて加工を行うバレル研磨装置が知られており、回転形バレル研磨に比べて数倍から数十倍の加工能率を有し、バリ取り・丸み付けなど短時間仕上げに向いているが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や振動レベルを選択するものとする。
また、遠心流動形バレル研磨に関しては、回転形バレル研磨の1種であり、通常の回転バレルの工作物や所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材の流れによる加工は、見かけ上の圧力が地球の重力で限定されるが、その回転バレルを毎分100〜200回転するタレット上に取り付け、タレットの回転による遠心力から発生する圧力で高能率な研磨が可能になる研磨装置が知られており、研磨材の寸法や形状や回転数に関して本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって選択するものとする。
また、前記バレル研磨に関しては、従来、一般的には、主に切削・プレス加工品のバリ取りや、鋳物の表面仕上げなどに用いられてきたが、前記金属製洋食器の表面仕上げには用いられてこなかった。
また、一般的にバレル研磨では、工作物(本明細書では前記金属製洋食器)は比較的小さいものであり、バレル内に複数の工作物を入れ同時に研磨することも多い。バレルの回転は一様では無く、上下に動かしながら回転、あるいは振動を加えるなどして工作物と研磨材をバレル内で動かして加工を行う。この時の研磨材の粒子によって生じる打痕を本願出願人は、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する一つの手段として利用可能であることを見出し本発明に至ったのである。また、本発明では、前記金属製洋食器の表面に形成させる前記打痕や前記凹凸痕に関しては、エンボス加工という表現や凹凸面という表現や凹凸模様という表現も含まれるものとする。
また、バレル研磨では、研磨材粒子は小さくかつ自由に動くため、段付き面など機械で研磨しにくい場所であっても仕上げが可能であるが、工作物の角面が丸まる、バレル痕と呼ばれる僅かなへこみが発生することがあり、本発明ではこのバレル痕も、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。また、バレル研磨の特徴として、加工中は表面粗さの計測が困難であることなどが欠点としてあるが、これは見方を変えると、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることになり、本発明ではこれらの現象を高級感や手作り感や、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現させる手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。
また、バレル研磨に関しては、一般的には、回転形バレル研磨、振動形バレル研磨、遠心流動形バレル研磨、などが知られており、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
また、回転形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水等を容器の約1/2の容量を入れて回転させ、内容物の流れによって加工を行う研磨装置が知られており、例えば回転軸が水平な水平形と傾いている傾斜形があり、通常、毎分6〜30回転が用いられるが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や回転数を選択するものとする。
また、振動形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水などを入れ、容器を振動させて工作物と前記研磨材との間に相対運動を生じさせて加工を行うバレル研磨装置が知られており、回転形バレル研磨に比べて数倍から数十倍の加工能率を有し、バリ取り・丸み付けなど短時間仕上げに向いているが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や振動レベルを選択するものとする。
また、遠心流動形バレル研磨に関しては、回転形バレル研磨の1種であり、通常の回転バレルの工作物や所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材の流れによる加工は、見かけ上の圧力が地球の重力で限定されるが、その回転バレルを毎分100〜200回転するタレット上に取り付け、タレットの回転による遠心力から発生する圧力で高能率な研磨が可能になる研磨装置が知られており、研磨材の寸法や形状や回転数に関して本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって選択するものとする。
また、前記バレル研磨に関しては、従来、一般的には、主に切削・プレス加工品のバリ取りや、鋳物の表面仕上げなどに用いられてきたが、前記金属製洋食器の表面仕上げには用いられてこなかった。
また、一般的にバレル研磨では、工作物(本明細書では前記金属製洋食器)は比較的小さいものであり、バレル内に複数の工作物を入れ同時に研磨することも多い。バレルの回転は一様では無く、上下に動かしながら回転、あるいは振動を加えるなどして工作物と研磨材をバレル内で動かして加工を行う。この時の研磨材の粒子によって生じる打痕を本願出願人は、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する一つの手段として利用可能であることを見出し本発明に至ったのである。また、本発明では、前記金属製洋食器の表面に形成させる前記打痕や前記凹凸痕に関しては、エンボス加工という表現や凹凸面という表現や凹凸模様という表現も含まれるものとする。
また、バレル研磨では、研磨材粒子は小さくかつ自由に動くため、段付き面など機械で研磨しにくい場所であっても仕上げが可能であるが、工作物の角面が丸まる、バレル痕と呼ばれる僅かなへこみが発生することがあり、本発明ではこのバレル痕も、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。また、バレル研磨の特徴として、加工中は表面粗さの計測が困難であることなどが欠点としてあるが、これは見方を変えると、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることになり、本発明ではこれらの現象を高級感や手作り感や、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現させる手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。
また、本発明では回転形バレル研磨が好ましい金属製食器類に関しては、本明細書で記した、ティーカップやコーヒーカップの受け皿や、例えば、スープ皿やスナック皿や小判型皿やスープボウル(スープ鉢)やスープカップや、メジャーカップや、マグ(取っ手の付いた円筒形のコップ)やビアマグ(ビール用のマグ)やシチュー皿やカレー皿やグラタン皿やステーキ皿や、例えば、トレーやマルチトレーや角型トレーやラウンドトレーや、スプーンやティースプーンやデザートスプーンやテーブルスプーンやスープスプーン、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製食器類に関しては、本明細書で記した、ミルク入れや、ミルクジャグや、フォーク・ナイフ・スプーンや、フォークやデザートフォークや、ナイフやディナーナイフやバターナイフや、タルマグ(取っ手の無い樽型のコップ)や、ティーカップやコーヒーカップや、ジョッキ(取っ手の付いた寸胴形の容器でマグよりも大きい)やビールジョッキ、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製調理器具に関しては、本明細書で記した、カクテルシェーカーや、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、鍋、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製食器類に関しては、本明細書で記した、ミルク入れや、ミルクジャグや、フォーク・ナイフ・スプーンや、フォークやデザートフォークや、ナイフやディナーナイフやバターナイフや、タルマグ(取っ手の無い樽型のコップ)や、ティーカップやコーヒーカップや、ジョッキ(取っ手の付いた寸胴形の容器でマグよりも大きい)やビールジョッキ、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製調理器具に関しては、本明細書で記した、カクテルシェーカーや、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、鍋、などである。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、前記感性古物感の形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記感性古物感形成手段バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段(請求項1)に記載の感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段を提供することである。
課題を解決するための第二の手段で記載された下地処理としてバレル研磨を選択することに関しては、課題を解決するための第一の手段で記載されたバレル研磨に関しては前記バレル研磨を前記金属製洋食器の仕上げ処理に用いることを特徴とするが、この課題を解決するための第二の手段では、下地処理としてバレル研磨を選択することで、同じ装置を用いて、前記研磨材粒子の寸法や形状を変化させることで、前記金属製洋食器の下地処理にも仕上げ処理にも利用できることを本願出願人は見出した。
また、前記金属製洋食器の下地処理の目的は、主な仕上げ処理手段である、鍍金手段や塗装手段や酸化皮膜形成手段や鏡面仕上げ手段に対して行われる、粗仕上げ手段やバリ除去手段やスケール除去手段や脱脂処理手段や洗浄処理手段などであることが知られており、この中から粗仕上げ手段を選択し、この粗仕上げ手段を用いて、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることを、高級感や手作り感やヴィンテージ感にまで昇華させることで、同じ装置を用いて、前記金属製洋食器の下地処理にも表面仕上げ処理にも利用できることを本願出願人は見出した。
また、バレル研磨では、研磨材粒子は小さくかつ自由に動くため、段付き面など機械で研磨しにくい場所であっても仕上げが可能であるが、工作物の角面が丸まる、バレル痕と呼ばれる僅かなへこみが発生することがあり、本発明ではこのバレル痕もダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。また、バレル研磨の特徴として、加工中は表面粗さの計測が困難であることなどが欠点としてあるが、これは見方を変えると、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることになり、本発明ではこれらの現象をダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。
また、前記金属製洋食器の下地処理の目的は、主な仕上げ処理手段である、鍍金手段や塗装手段や酸化皮膜形成手段や鏡面仕上げ手段に対して行われる、粗仕上げ手段やバリ除去手段やスケール除去手段や脱脂処理手段や洗浄処理手段などであることが知られており、この中から粗仕上げ手段を選択し、この粗仕上げ手段を用いて、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることを、高級感や手作り感やヴィンテージ感にまで昇華させることで、同じ装置を用いて、前記金属製洋食器の下地処理にも表面仕上げ処理にも利用できることを本願出願人は見出した。
また、バレル研磨では、研磨材粒子は小さくかつ自由に動くため、段付き面など機械で研磨しにくい場所であっても仕上げが可能であるが、工作物の角面が丸まる、バレル痕と呼ばれる僅かなへこみが発生することがあり、本発明ではこのバレル痕もダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。また、バレル研磨の特徴として、加工中は表面粗さの計測が困難であることなどが欠点としてあるが、これは見方を変えると、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることになり、本発明ではこれらの現象をダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。
課題を解決するための第三の手段(請求項3)は、前記感性古物感の形成手段に前工程が必要となる場合には、下地処理又は表面仕上げ処理としてサンドブラストを選択し、サンドブラストで用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段(請求項1)又は課題を解決するための第二の手段(請求項2)に記載の感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段を提供することである。
課題を解決するための第三の手段で記載された前記感性古物感の形成手段に前工程が必要となる場合に関しては、実は、本願出願人が、実願2015−002802号(特許文献1)の出願後に改めて特許文献1の評価作業の必要性を感じて、特許文献1に記された技術的手段を用いて特許文献1に記された金属製食器類の試作を試みた結果、例えば、ティーカップやコーヒーカップの受け皿を回転形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図7の受け皿110と受け皿120を比較すると、受け皿110には光沢のムラが生じていることが判明したのである。また例えば、取っ手の付いたドリンクウェアとして知られるティーカップやコーヒーカップやマグやマグカップやビアマグやビールジョッキなどを、遠心流動形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図6のマグカップ80とマグカップ90を比較すると、マグカップ80には表面処理の未処理部位が生じていることが判明したのである。従って、前記感性古物感の形成手段に前工程が必要となる場合に関しては、本発明の請求項1(課題を解決するための第一の手段)の技術的手段と請求項2(課題を解決するための第二の手段)の技術的手段だけでは、本明細書で記載した金属製食器類の種類によっては本発明の完成に至らない場合が生じることを見出した、ということである。
課題を解決するための第三の手段で記載された下地処理又は表面仕上げ処理としてサンドブラストを選択することに関しては、例えば図7の受け皿110に生じた光沢のムラの対策案として、受け皿110の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図7の受け皿120に示すように光沢のムラが減少したことを見出したからである。また、図7から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図7の受け皿110に生じた光沢のムラを減少させたということは、この工程でのサンドブラストは表面仕上げ処理としての機能も併せ持つという仮説も可能である。また、例えば図6のマグカップ80に生じた表面処理の未処理部位の対策案として、マグカップ80の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図5のマグカップ90に示すように表面処理の未処理部位が減少したことを見出したからである。また、図5から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図6のマグカップ80に生じた表面処理の未処理部位を減少させたということは、この工程でのサンドブラストは表面仕上げ処理としての機能も併せ持つものとする。
課題を解決するための第三の手段で記載されたサンドブラストに関しては、一般的には、サンドブラスト(Sandblasting)は、ショット・ブラストの一種であり、工作物の表面に砂などの研磨材(硅砂などが多用されている)を吹き付ける加工法のことである。サンドブラストは、一般的には、塗装スケールの除去、錆取りや塗装剥がしなどの塗装前処理(下地処理)のほか、接着面の下地処理や、梨地仕上、シボ金型の表面仕上、鋳物、陶磁器、ガラス工芸品、石材などに表面処理、装飾、彫刻を施す為にも用いられている。サンドブラストは、元々は硅砂などが多用されており、今日でも使用されているが、近年のサンドブラストに使われる研磨材はアルミナ粉末やガラスビーズなどが多く使用されているが、アルミナ粉末以外の金属製の粉末やナイロンなどの樹脂系やクルミの殻や桃の種のなどの植物系などもあり、研磨材のバリエーションも多く、対象物の状態や性質に応じて、粒度や形状を変えることで多様な用途に対応可能である。また、サンドブラストは「削る」「叩き落とす」などが最も多い処理であるが、近年では「磨く」という処理が可能なものもある。
また、サンドブラストは、ソフトブラストとハードブラストという加工法の分類も知られている。例えばソフトブラストは、研磨材にガラスビーズを使用するもので、美装のための加工方法であり、本来の金属肌とは違った光沢を出すことができ、とくに、無塗装で使用するアルミ部品(シリンダーなど)をソフトブラスト処理した場合、アルミの表面に発生しがちな白い酸化膜の発生をある程度抑えることが可能である。また例えばハードブラストは、一般的には塗装前処理のための加工方法であり、塗装や汚れを剥離させた上で、接着面を粗面化させる事により、塗料と金属面の密着力を高めたり、サビの除去に好適であり、研磨材には、対象物の状態や性質に応じて、粒度や形状の異なる数種類のサンドやアルミナ粉末やその他金属製の粉末を使い分けるものとする。本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、ソフトブラストとハードブラストを使い分けるものとする。
また、本発明では、上述したサンドブラスト処理を実施するためのサンドブラスト装置に関しては、本明細書で記載した、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
また、サンドブラストは、ソフトブラストとハードブラストという加工法の分類も知られている。例えばソフトブラストは、研磨材にガラスビーズを使用するもので、美装のための加工方法であり、本来の金属肌とは違った光沢を出すことができ、とくに、無塗装で使用するアルミ部品(シリンダーなど)をソフトブラスト処理した場合、アルミの表面に発生しがちな白い酸化膜の発生をある程度抑えることが可能である。また例えばハードブラストは、一般的には塗装前処理のための加工方法であり、塗装や汚れを剥離させた上で、接着面を粗面化させる事により、塗料と金属面の密着力を高めたり、サビの除去に好適であり、研磨材には、対象物の状態や性質に応じて、粒度や形状の異なる数種類のサンドやアルミナ粉末やその他金属製の粉末を使い分けるものとする。本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、ソフトブラストとハードブラストを使い分けるものとする。
また、本発明では、上述したサンドブラスト処理を実施するためのサンドブラスト装置に関しては、本明細書で記載した、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の表面に、消費者にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を感じさせることを目的に、不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させる手段として、従来なら主に下地処理手段として知られていたバレル研磨を用いることで、意図したとおりに本明細書で記載した金属製洋食器の表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を仕上げ処理として形成させることができ、かつ不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様を消費者に前記感性古物感として感じさせることができる感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段の提供が可能になる。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の、下地処理としてバレル研磨を利用でき、表面仕上げ処理にもバレル研磨を利用できることになるので、本発明による金属製洋食器の仕上げ処理工程は複雑な処理工程を経ないので比較的低コストで実現可能であるにも関わらず、手作り感や高級感を感じさせる金属製洋食器の付加価値を十分に反映させた価格設定で提供できるようになる。
課題を解決するための第三の手段(請求項3)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の表面に、消費者にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を感じさせることを目的に、不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させる手段として、従来なら主に下地処理手段として知られていたサンドブラストを用いることで、意図したとおりに金属製洋食器の表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を仕上げ処理として形成させることができ、かつ不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様を消費者に前記感性古物感として感じさせることができた金属製洋食器の提供が可能になる。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)の発明や、課題を解決するための第二の手段(請求項2)の発明によって形成された、金属製洋食器の中で、例えば図7の受け皿110のような光沢のムラが生じた場合でも、課題を解決するための第三の手段(請求項3)の発明によって、図7の受け皿120のように光沢のムラが解消され、上述した発明の効果が達成できた金属製洋食器及びその形成手段の提供が可能になる。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)の発明や、課題を解決するための第二の手段(請求項2)の発明によって形成された、金属製洋食器の中で、例えば図6のマグカップ80に表面処理の未処理部位が生じた場合でも、課題を解決するための第三の手段(請求項3)の発明によって、図5のマグカップ90のように表面処理の未処理部位を減少させたことで、上述した発明の効果が達成できた金属製洋食器及びその形成手段の提供が可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図2は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図3は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図4は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図5は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図6は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図7は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図8は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図9は本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
図1は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図2は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図3は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図4は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図5は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図6は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図7は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図8は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図9は本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
図1を用いて金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の概略を説明すると、10は金属製洋食器の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとし、また金属製食器類11や金属製調理器具12の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとする。また金属製食器類11は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択され、金属製調理器具12は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択されるものとする。31は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕であり、32は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる凹凸痕であり、30は打痕31や凹凸痕32によって形成される不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様であり、この実施例では、凹凸面や凹凸模様30を感性古物感Dとして利用するものとする。
図1と図2を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、40は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのコーヒーカップであり、42はコーヒーカップ40を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。コーヒーカップ40の製品化表面42は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感Dを感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、コーヒーカップ40の製品化表面42は、感性古物感Dがあるという評価を得た。
図1と図3を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、50は、金属製食器類11の中から選択した一例としての皿であり、52は皿50を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。皿50の製品化表面52は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感を感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、皿50の製品化表面52は、感性古物感Dがあるという評価を得た。
図1と図4を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、60は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリーとしてのスプーンであり、62はスプーン60を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕21や凹凸痕22を介して形成される凹凸面や凹凸模様20を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。スプーン60の製品化表面62は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感を感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、スプーン60の製品化表面62は、感性古物感を感じられるという評価を得た。次に、70は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリーとしてのフォークであり、72はフォーク70を本考案で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕21や凹凸痕22を介して形成される凹凸面や凹凸模様20を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。フォーク70の製品化表面72は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の新規な表面仕上げと感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、フォーク70の製品化表面72は、感性古物感があるという評価を得た。
図1と図6より、80は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80は、本体81と取っ手部82で構成され、取っ手部82は取っ手部上部83と取っ手部下部86で形成され、取っ手部上部83と取っ手部下部86は本体81の任意の部位に固着する工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30である感性古物感Dをマグカップ80の表面に形成させたところ、本体81と取っ手部上部83との固着部位の周辺である固着部位周辺部84には感性古物感Dの未処理部位85が生じ、本体81と取っ手部下部86との固着部位の周辺である固着部位周辺部87には感性古物感Dの未処理部位88が生じてしまった。未処理部位85とマグカップ80の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白であり、未処理部位88とマグカップ80の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図5と図6を用いて、実施例6の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。90は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80と同じものを用いるものとする。マグカップ90は、本体91と取っ手部92で構成され、取っ手部92は取っ手部上部93と取っ手部下部96で形成され、取っ手部上部93と取っ手部下部96は本体91の任意の部位に固着する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を介して形成されるサンドブラスト面99をマグカップ90の表面に形成させる工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30である感性古物感Dをマグカップ90の表面に形成させたところ、本体91と取っ手部上部93との固着部位の周辺である固着部位周辺部94にはサンドブラスト面99が残存し、本体91と取っ手部下部96との固着部位の周辺である固着部位周辺部97にはサンドブラスト面99が残存することで、実施例6の問題点である、光沢の有無や違和感は解消されていて、図5と図6を比較すれば明らかである。
図1と図7と図9を用いてこの実施例を説明すると、110は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110は、本体111とカップ受け部112で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30である感性古物感Dを本体111とカップ受け部112に形成させたところ、カップ受け部112の周辺である受け部周辺部113や本体111とカップ受け部112に光沢のムラ114が生じてしまった。本体111とカップ受け部112と受け部周辺部113の光沢のムラ114と、本体111の表面に形成させた感性古物感Dとカップ受け部112の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図9に示すとおり光沢のムラの有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図7から図9を用いて、実施例8の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。120は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110と同じものを用いるものとする。受け皿120は、本体121とカップ受け部122で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を介して形成されるサンドブラスト面128を本体121とカップ受け部122に形成させる工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる打痕31や凹凸痕32を介して形成される凹凸面や凹凸模様30である感性古物感Dを受け皿120の表面に形成させたところ、カップ受け部122の周辺である受け部周辺部123や本体121とカップ受け部122には、図9では光沢のムラ114の部位の光沢のムラの部位が図8のサンドブラスト面128の効果によって、実施例8の問題点が解消されていて、図9と図8を比較すれば明らかである。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段は、サンドブラスト装置とバレル研磨装置によって新規な表現手段が可能であり汎用性が高いので産業上の利用可能性は高いと判断できる。
D:感性古物感
10:金属製洋食器の基材 11:金属製食器類 12:金属製調理器具
20,30:凹凸面や凹凸模様
21,31:打痕 22,32:凹凸痕
40:コーヒーカップ 41:製品化表面 42:製品化表面
50:皿 51:製品化表面 52:製品化表面
60:スプーン 61:製品化表面
70:フォーク 71:製品化表面
80:マグカップ 81:本体 82:取っ手部 83:取っ手部上部
86:取っ手部下部 84:固着部位周辺部 85:未処理部位
87:固着部位周辺部 88:未処理部位
90:マグカップ 91:本体 92:取っ手部 93:取っ手部上部
96:取っ手部下部 99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部 97:固着部位周辺部
110:受け皿 111:本体 112:カップ受け部
113:受け部周辺部 114:光沢のムラ
120:受け皿 121:本体 122:カップ受け部
128:サンドブラスト面 122:カップ受け部 123:受け部周辺部
10:金属製洋食器の基材 11:金属製食器類 12:金属製調理器具
20,30:凹凸面や凹凸模様
21,31:打痕 22,32:凹凸痕
40:コーヒーカップ 41:製品化表面 42:製品化表面
50:皿 51:製品化表面 52:製品化表面
60:スプーン 61:製品化表面
70:フォーク 71:製品化表面
80:マグカップ 81:本体 82:取っ手部 83:取っ手部上部
86:取っ手部下部 84:固着部位周辺部 85:未処理部位
87:固着部位周辺部 88:未処理部位
90:マグカップ 91:本体 92:取っ手部 93:取っ手部上部
96:取っ手部下部 99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部 97:固着部位周辺部
110:受け皿 111:本体 112:カップ受け部
113:受け部周辺部 114:光沢のムラ
120:受け皿 121:本体 122:カップ受け部
128:サンドブラスト面 122:カップ受け部 123:受け部周辺部
本発明は、表面にダメージ感を形成させた金属製洋食器に関するものである。
本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、新製品としての金属製洋食器の表面に、かつその種類の制限を受けずに、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、というダメージ感を感じさせる金属製洋食器の提供を目的とする。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、基材の表面に、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などのダメージ感を形成させる手段としてバレル研磨を選択した金属製洋食器において、前記バレル研磨の中でも不連続な打痕や不均質な打痕やバレル痕を不連続で不均質に形成させるように したバレルダメージ加工を特徴とするバレルダメージ金属製洋食器を提供することである。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、前記金属製洋食器の表面に前記バレルダメージ加工を形成させた後に、光沢ムラや未処理部位が生じた場合には、前記光沢ムラ部や前記未処理部位にサンドブラストを利用し、前記光沢ムラ部や前記未処理部位を減少させたことを特徴とする、課題を解決するための第一の手段(請求項1)に記載のバレルダメージ金属製洋食器を提供することである。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)で記載された、前記金属製洋食器の表面に前記バレルダメージ加工を形成させた後に、光沢ムラや未処理部位が生じた場合に関しては、実は、本願出願人が、実願2015−002802号(特許文献1)の出願後に改めて特許文献1の評価作業の必要性を感じて、特許文献1に記された技術的手段を用いて特許文献1に記された金属製食器類の試作を試みた結果、例えば、ティーカップやコーヒーカップの受け皿を回転形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図7の受け皿110と受け皿120を比較すると、受け皿110には光沢のムラが生じていることが判明したのである。また例えば、取っ手の付いたドリンクウェアとして知られるティーカップやコーヒーカップやマグやマグカップやビアマグやビールジョッキなどを、遠心流動形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図6のマグカップ80とマグカップ90を比較すると、マグカップ80には表面処理の未処理部位が生じていることが判明したのである。従って、本明細書で記載した金属製食器類の種類によっては光沢ムラや未処理部位が生じることを見出した。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)で記載された前記金属製洋食器の表面に前記バレルダメージ加工を形成させた後に、光沢ムラや未処理部位が生じた場合の処理としてサンドブラストを選択することに関しては、例えば図7の受け皿110に生じた光沢ムラの対策案として、受け皿110の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図7の受け皿120に示すように光沢ムラが減少したことを見出したからである。また、図7から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図7の受け皿110に生じた光沢のムラが生じた後の工程でのサンドブラスト機能を利用するものとする。また、例えば図6のマグカップ80に生じた未処理部位の対策案として、マグカップ80の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図5のマグカップ90に示すように表面処理の未処理部位が減少したことを見出したからである。また、図5から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図6のマグカップ80に未処理部位が生じた後の工程でのサンドブラスト機能を利用するものとする。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の表面に、バレルダメージ加工を形成させることで、消費者にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を感じさせることが可能な、バレルダメージ金属製洋食器を提供できる。
本明細書で記載された金属製洋食器の中で、例えば図7の受け皿110のような光沢のムラが生じた場合でも、請求項2の発明によって、図7の受け皿120のように光沢のムラが解消された金属製洋食器の提供が可能になる。
本明細書で記載された金属製洋食器の中で、例えば図6のマグカップ80に表面処理の未処理部位が生じた場合でも、請求項2の発明によって、図5のマグカップ90のように表面処理の未処理部位を減少させた金属製洋食器の提供が可能になる。
図1を用いて金属製洋食器の表面にバレルダメージ加工を形成させる手段の概略を説明すると、10は金属製洋食器の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとし、また金属製食器類11や金属製調理器具12の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとする。また金属製食器類11は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択され、金属製調理器具12は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択されるものとする。31は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる不連続打痕であり、32は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる不均質打痕であり、30は不連続打痕31や不均質打痕32によって形成される不連続で不均質な打痕面や打痕模様であり、この実施例では、打痕面や打痕模様30をバレルダメージDとして利用するものとする。
図1と図2を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などのバレルダメージ加工を形成させる手段の実施例を説明すると、40は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのコーヒーカップであり、42はコーヒーカップ40を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30をバレルダメージDとして製品化した場合の表面を示している。コーヒーカップ40の製品化表面42は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器のバレルダメージを感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、コーヒーカップ40の製品化表面42は、バレルダメージDがあるという評価を得た。
図1と図3を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などのバレルダメージ加工を形成させる手段の実施例を説明すると、50は、金属製食器類11の中から選択した一例としての皿であり、52は皿50を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30をバレルダメージDとして製品化した場合の表面を示している。皿50の製品化表面52は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器のバレルダメージを感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、皿50の製品化表面52は、バレルダメージDがあるという評価を得た。
図1と図4を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などのバレルダメージ加工を形成させる手段の実施例を説明すると、60は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリーとしてのスプーンであり、62はスプーン60を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕21や不均質打痕22を介して形成される打痕面や打痕模様20をバレルダメージDとして製品化した場合の表面を示している。スプーン60の製品化表面62は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器のバレルダメージを感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、スプーン60の製品化表面62は、バレルダメージを感じられるという評価を得た。次に、70は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリーとしてのフォークであり、72はフォーク70を本考案で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕21や不均質打痕22を介して形成される打痕面や打痕模様20をバレルダメージDとして製品化した場合の表面を示している。フォーク70の製品化表面72は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の新規な表面仕上げと感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、フォーク70の製品化表面72は、バレルダメージDがあるという評価を得た。
図1と図6より、80は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80は、本体81と取っ手部82で構成され、取っ手部82は取っ手部上部83と取っ手部下部86で形成され、取っ手部上部83と取っ手部下部86は本体81の任意の部位に固着する工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30であるバレルダメージDをマグカップ80の表面に形成させたところ、本体81と取っ手部上部83との固着部位の周辺である固着部位周辺部84にはバレルダメージDの未処理部位85が生じ、本体81と取っ手部下部86との固着部位の周辺である固着部位周辺部87にはバレルダメージDの未処理部位88が生じてしまった。未処理部位85とマグカップ80の表面に形成させたバレルダメージDを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白であり、未処理部位88とマグカップ80の表面に形成させたバレルダメージDを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図5と図6を用いて、実施例6の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。90は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80と同じものを用いるものとする。マグカップ90は、本体91と取っ手部92で構成され、取っ手部92は取っ手部上部93と取っ手部下部96で形成され、取っ手部上部93と取っ手部下部96は本体91の任意の部位に固着する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕を介して形成されるサンドブラスト面99をマグカップ90の表面に形成させる工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様模様30であるバレルダメージDをマグカップ90の表面に形成させたところ、本体91と取っ手部上部93との固着部位の周辺である固着部位周辺部94にはサンドブラスト面99が残存し、本体91と取っ手部下部96との固着部位の周辺である固着部位周辺部97にはサンドブラスト面99が残存することで、実施例6の問題点である、光沢の有無や違和感は解消されていて、図5と図6を比較すれば明らかである。
図1と図7と図9を用いてこの実施例を説明すると、110は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110は、本体111とカップ受け部112で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30であるバレルダメージDを本体111とカップ受け部112に形成させたところ、カップ受け部112の周辺である受け部周辺部113や本体111とカップ受け部112に光沢のムラである光沢ムラ部114が生じてしまった。本体111とカップ受け部112と受け部周辺部113の光沢ムラ部114と、本体111の表面に形成させたバレルダメージDとカップ受け部112の表面に形成させたバレルダメージDを比較すれば図9に示すとおり光沢のムラの有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図7から図9を用いて、実施例8の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。120は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110と同じものを用いるものとする。受け皿120は、本体121とカップ受け部122で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕を介して形成されるサンドブラスト面128を本体121とカップ受け部122に形成させる工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30であるバレルダメージDを受け皿120の表面に形成させたところ、カップ受け部122の周辺である受け部周辺部123や本体121とカップ受け部122には、図9では光沢ムラ部114の光沢のムラの部位が図8のサンドブラスト面128の効果によって、実施例8の問題点が解消されていて、図9と図8を比較すれば明らかである。
本発明のバレルダメージ金属製洋食器によって、サンドブラスト装置とバレル研磨装置の新規な表現手段が可能であり汎用性が高いので産業上の利用可能性は高いと判断できる。
D:バレルダメージ
10:金属製洋食器の基材 11:金属製食器類 12:金属製調理器具
20,30:打痕面や打痕模様
21,31:不連続打痕 22,32:不均質打痕
40:コーヒーカップ 41:製品化表面 42:製品化表面
50:皿 51:製品化表面 52:製品化表面
60:スプーン 61:製品化表面
70:フォーク 71:製品化表面
80:マグカップ 81:本体 82:取っ手部 83:取っ手部上部
86:取っ手部下部 84:固着部位周辺部 85:未処理部位
87:固着部位周辺部 88:未処理部位
90:マグカップ 91:本体 92:取っ手部 93:取っ手部上部
96:取っ手部下部 99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部 97:固着部位周辺部
110:受け皿 111:本体 112:カップ受け部
113:受け部周辺部 114:光沢ムラ部
120:受け皿 121:本体 122:カップ受け部
128:サンドブラスト面 122:カップ受け部 123:受け部周辺部
10:金属製洋食器の基材 11:金属製食器類 12:金属製調理器具
20,30:打痕面や打痕模様
21,31:不連続打痕 22,32:不均質打痕
40:コーヒーカップ 41:製品化表面 42:製品化表面
50:皿 51:製品化表面 52:製品化表面
60:スプーン 61:製品化表面
70:フォーク 71:製品化表面
80:マグカップ 81:本体 82:取っ手部 83:取っ手部上部
86:取っ手部下部 84:固着部位周辺部 85:未処理部位
87:固着部位周辺部 88:未処理部位
90:マグカップ 91:本体 92:取っ手部 93:取っ手部上部
96:取っ手部下部 99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部 97:固着部位周辺部
110:受け皿 111:本体 112:カップ受け部
113:受け部周辺部 114:光沢ムラ部
120:受け皿 121:本体 122:カップ受け部
128:サンドブラスト面 122:カップ受け部 123:受け部周辺部
本発明は、表面に特殊な感性を形成させた金属製洋食器の表面処理方法に関する。
従来、金属製洋食器に用いられている金属には、一般的には、耐食性、耐腐食性、耐錆性、防錆性、耐酸化性、などを備えた金属が用いられ、比較的硬度の低い金属材料としては、美観や質感に優れた錫や銀などが知られており、比較的硬度の高い金属材料としては、耐久性に優れたステンレスやステンレス鋼やチタンやチタン合金などが知られている。
また、従来、金属製洋食器には、上述した比較的硬度の高い金属材料の表面に、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上、耐久性の向上、耐食性の向上、耐腐食性の向上、耐錆性の向上、防錆性の向上、硬度の向上、などを目的にして、メッキや塗装や酸化皮膜形成手段や鏡面仕上げ研磨なの表面処理が行われてきた。
また、上述した金属製洋食器の表面処理手段に関して、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上に関して詳述すると、シボ加工、古美仕上げ、梨地仕上げ、砂目加工、つや消し処理、などが一般的に知られていて、例えばシボ加工に関しては金属製洋食器の表面に凹凸模様を形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば古美仕上げに関しては、「古仕上げ」や「古美仕上げ (weathering)」とも呼ばれており、金属製洋食器の表面に四三酸化鉄皮膜を形成させる酸化皮膜形成手段の一つであり、例えば梨地仕上げとは金属製洋食器の表面を梨の表面のようにザラザラした状態になるように形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば砂目加工やつや消し処理に関しては、金属製洋食器の表面をサンドブラスト装置を介してサンドブラスト処理をすることで得られる。
また、一般的には、上述した金属製洋食器の表面処理の表現手段として、ヴィンテージ感、ダメージ加工、アンティーク風、オールド感、年代物感という感性的表現も使用されていることが知られている。
また、一般的には、上述した金属製洋食器の表面処理の表現手段として、ヴィンテージ感、ダメージ加工、アンティーク風、オールド感、年代物感という感性的表現も使用されていることが知られている。
ところが、この特許願の発明者及び特許出願人は、新規の金属製洋食器の開発に当たって、従来の金属製洋食器とは差別化ができないものかと考え、調査してみた結果、まずインターネット上で、検索エンジンに「google」を利用し、ヴィンテージ食器という市場は存在しているが、ヴィンテージ感を備えた金属製洋食器というジャンルが存在していないことを確認した後に、特許情報プラットフォームの「特許・実用新案」カテゴリーの「特許・実用新案テキスト検索」機能を介し、キーワードに「ビンテージ,ヴィンテージ,VINTAGE」を用いて、キーワード検索を実施した結果、21件のヒット件数を得たが、やはりヴィンテージ感を備えた金属製洋食器という開発案件は見つからなかった。(2015年5月5日現在における検索結果)
また、上述した「特許・実用新案テキスト検索」の結果である21件のヒット件数の内訳は、以下の通りである。
例えば、特開2014−077970号公報「高調波歪率測定法および装置」,特開2010−257475号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特開2010−235770号公報「皮革材の表面処理方法」,特開2008−274452号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特開2008−212352号公報「スライドファスナー用務歯及びスライドファスナー」,特開2003−301350号公報「デニムおよびその製造方法」,特開2003−268683号公報「インジゴ染色生地の加工方法および該方法によって加工されたインジゴ染色生地」,特開2003−050582号公報「楽音信号処理装置」,特開2003−013348号公報「光沢組紐とその製造方法及び装置」,特開2002−266258号公報「生地染色法」,特開2002−155465号公報「皺模様繊維製品の製造方法」,特開平06−095895号公報「アプリケーシヨンプログラム装置及びその方法」,特表2010−532164号公報「トマトにおける単為結果遺伝子」,特表2006−521596号公報「環境排出削減を創出、集積及び移転するシステム及び方法」,特表2006−508480号公報「環境排出削減をトラッキングするシステム及び方法」,特表2002−531013号公報「記録されたデジタルプログラムにアクセスするための方法及び装置」,特許5072420号公報「ヴィンテージ・ジーンズ調の外観を有し、脚長に見えるジーンズ」,特許4363774号公報「ヒゲ皺模様繊維製品の製造方法」,実用新案登録第3196970号公報「筆記具」,実用新案登録第3176550号公報「弦楽器ラッカー塗装・分離式保護カバー」,実用新案登録第3164876号公報「ジーンズの裾上げ用アクセサリー」、などである。
そこで、当該特許願の発明者及び特許出願人は、新規の金属製洋食器の開発に当たって、ヴィンテージ感を備えた金属製洋食器というジャンルが存在していないことを確認した後に、平成27年5月18日に、請求項1として「金属製洋食器の表面に新規な表面仕上げ感の形成手段として、バレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、金属製洋食器の表面処理手段」や、請求項2として「前記新規な表面仕上げ感形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記仕上げ処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、請求項1に記載の金属製洋食器の表面処理手段」や、請求項3として「金属製洋食器の表面にヴィンテージ感を形成させる手段であり、前記ヴィンテージ感形成手段がバレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、金属製洋食器のヴィンテージ感形成手段」や、請求項4として「前記ヴィンテージ感形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記ヴィンテージ感形成手段バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、請求項3に記載の金属製洋食器のヴィンテージ感形成手段」という内容の実用新案を出願した。(特許文献1を参照する)
ところが、本願出願人が、実願2015−002802号(特許文献1)の出願後に改めて特許文献1の評価作業の必要性を感じて、特許文献1に記された技術的手段によって実施されたカップ受け皿(図7を参照する)を6個用意して、本願出願人が指定した6人のモニターたちに対して、「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定会を実施したところ、本願出願人の想定外の結果を得た。この測定会の場所は本願出願人の会議室であり、日時は平成27年6月2日の13:00から15:00であった。質問事項F1は「ヴィンテージ感は感じたか?」であり、質問事項F2は「ダメージ加工感には感じたか?」であり、質問事項F3は「アンティーク風には感じたか?」であり、質問事項F4は「オールド感には感じたか?」であり、質問事項F5は「年代物感は感じたか?」であり、結果を以下に示した。
また、上述した6人のモニターたちの内訳は、いずれも新潟県燕市在住で、40代の男性Aさん、40代の女性Bさん、30代の男性Cさん、30代の女性Dさん、20代の男性Eさん、20代の女性Fさん、であった。
<測定結果1>
測定用カップ受け皿の「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定結果。(図7に示した110が対象物のカップ受け皿である)
測定用カップ受け皿の「ヴィンテージ感」及びそれに近似する感覚との相違感の測定結果。(図7に示した110が対象物のカップ受け皿である)
(モニター) A B C D E F
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
質問F1・・感じた・・感じた・・感じた・・感じた・・分らない・・感じない
質問F2・・感じた・・分らない・感じない・感じた・・感じた・・・感じた
質問F3・・分らない・感じた・・感じない・ 感じた・・感じない・・分らない
質問F4・・分らない・感じない・分らない・感じた・・感じた・・ 分らない
質問F5・・感じない・感じない・感じない・分らない・分らない・・感じた
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
質問F1・・感じた・・感じた・・感じた・・感じた・・分らない・・感じない
質問F2・・感じた・・分らない・感じない・感じた・・感じた・・・感じた
質問F3・・分らない・感じた・・感じない・ 感じた・・感じない・・分らない
質問F4・・分らない・感じない・分らない・感じた・・感じた・・ 分らない
質問F5・・感じない・感じない・感じない・分らない・分らない・・感じた
すなわち、上記の測定結果1より、金属製洋食器の種類によっては、「ヴィンテージ感」と「ダメージ加工感」との差異は見出されず、「ヴィンテージ感」と「アンティーク風」との差異は僅かであり、「ヴィンテージ感」と「オールド感」との差異は僅かであり、「ヴィンテージ感」と「年代物感」との差異は比較的大きいという測定結果が得られた。従って、金属製洋食器の種類によっては、特許文献1に示した技術的手段だけでは、特許文献1で実施された金属製洋食器や製品や技術的手段が守れない事態に直面したのである。
また本願出願人が、上述した測定結果1及びその評価を得た後に、上述した6人のモニターたちと討論会を実施して改めて意見を募ったところ、図7に示したカップ受け皿110からは高級感が不足しているという指摘を受けた。本願出願人が、改めて図7に示したカップ受け皿110を評価してみた結果、金属製洋食器の種類によっては、バレル研磨だけでは、「ヴィンテージ感」や「ダメージ加工感」や「アンティーク風」や「オールド感」や「年代物感」を表現できるものは限られてくる、という認識を得た。
本発明の目的は、上記の課題を解決するために成されたものであり、新製品としての金属製洋食器の表面に、かつその種類の制限を受けずに、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、という感性や古物感や高級感を感じさせる金属製洋食器の表面処理方法を提供することにある。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)は、金属製洋食器の基材表面に、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感などの感性や古物感を形成させる金属製洋食器の表面処理方法であって、前記基材表面の前記感性や古物感を形成させる部位をバレル研磨して打痕や凹凸痕を形成し、前記バレル研磨の後に、前記感性や古物感を形成させる部位に当該バレル研磨で用いた研磨材によって打痕や凹凸痕に光沢ムラや不連続や不均質な打痕が生じた場合には、サンドブラストによって前記基材表面の前記感性や古物感を形成する部位を前記不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様に形成させることを特徴とする。
課題を解決するための第一の手段で記載された金属製洋食器に関しては、本発明では金属製食器類や金属製調理器具を示すものとし、例えば金属製食器類には、例えばカトラリー (Cutlery)ともよばれているフォーク・ナイフ・スプーンや、例えば、フォークやデザートフォークや、例えば、ナイフやディナーナイフやバターナイフや、例えば、スプーンやティースプーンやデザートスプーンやテーブルスプーンやスープスプーンや、例えば、ティーカップやコーヒーカップの受け皿や、例えば、スープ皿やスナック皿や小判型皿やスープボウル(スープ鉢)やスープカップや、例えば、シチュー皿やカレー皿やグラタン皿やステーキ皿や、例えば、トレーやマルチトレーや角型トレーやラウンドトレーや、例えば、ドリンクウェア(コップなどの飲料に用する食器)として知られるコップ(カップ)やティーカップやコーヒーカップや、例えば、マグ(取っ手の付いた円筒形のコップ)やビアマグ(ビール用のマグ)やタルマグ(取っ手の無い樽型のコップ)、例えば、ジョッキ(取っ手の付いた寸胴形の容器でマグよりも大きい)やビールジョッキや、例えば、タンブラー(寸胴型のコップ)やタンブラーグラスや、例えば、ミルク入れ、ミルクジャグ、などを示すものとする。
また例えば金属製調理器具には、例えば、カクテルシェーカーやメジャーカップや、例えば、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、例えば、鍋、などを示すものとする。
また、前記金属製食器類や前記金属製調理器具に用いられる金属は、ステンレスやステンレス鋼やチタンやチタン合金などから選択するものとする。
また課題を解決するための第一の手段で記載された金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に関しては、まず従来の金属製洋食器の表面処理手段に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の、美観の向上、質感の向上、装飾性の向上を図るために、シボ加工、古美仕上げ、梨地仕上げ、砂目加工、つや消し処理、などが一般的に知られていて、例えばシボ加工に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に凹凸模様を形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば古美仕上げに関しては、「古仕上げ」や「古美仕上げ (weathering)」とも呼ばれており、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面に四三酸化鉄皮膜を形成させる酸化皮膜形成手段の一つであり、例えば梨地仕上げとは前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面を梨の表面のようにザラザラした状態になるように形成させる金型を介したプレス加工手段であり、例えば砂目加工やつや消し処理に関しては、前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面をサンドブラスト装置を介してサンドブラスト処理をすることが知られていて、またバレル研磨に関しては前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の下地処理に用いられてきたが、特許文献1の以前には、バレル研磨を前記金属製食器類や前記金属製調理器具の表面の仕上げ処理に用いられることは知られていなかったが、その範囲がヴィンテージ感に留まっていたので、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段に応用するものとする。
課題を解決するための第一の手段で記載されたバレル研磨に関しては、一般的には、バレル研磨は、工作物(本明細書では前記金属製洋食器)をバレル(barrel=樽)の中に所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、媒材(コンパウンド)とともに入れ、バレルを回転・上下運動させることにより研磨を行う方法であり、媒材が固形の場合を乾式バレル、また媒材に水を加えることもあり、その場合は湿式バレルと呼ばれる、ことが知られていて、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、乾式バレルと湿式バレルを使い分けるものとする。
また、バレル研磨に関しては、一般的には、回転形バレル研磨、振動形バレル研磨、遠心流動形バレル研磨、などが知られており、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
また、回転形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水等を容器の約1/2の容量を入れて回転させ、内容物の流れによって加工を行う研磨装置が知られており、例えば回転軸が水平な水平形と傾いている傾斜形があり、通常、毎分6〜30回転が用いられるが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や回転数を選択するものとする。
また、振動形バレル研磨に関しては、バレル容器内に工作物、所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材、コンパウンド、水などを入れ、容器を振動させて工作物と前記研磨材との間に相対運動を生じさせて加工を行うバレル研磨装置が知られており、回転形バレル研磨に比べて数倍から数十倍の加工能率を有し、バリ取り・丸み付けなど短時間仕上げに向いているが、本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、研磨材の寸法や形状や振動レベルを選択するものとする。
また、遠心流動形バレル研磨に関しては、回転形バレル研磨の1種であり、通常の回転バレルの工作物や所定寸法で所定形状の粒子状の研磨材の流れによる加工は、見かけ上の圧力が地球の重力で限定されるが、その回転バレルを毎分100〜200回転するタレット上に取り付け、タレットの回転による遠心力から発生する圧力で高能率な研磨が可能になる研磨装置が知られており、研磨材の寸法や形状や回転数に関して本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって選択するものとする。
また、前記バレル研磨に関しては、従来、一般的には、主に切削・プレス加工品のバリ取りや、鋳物の表面仕上げなどに用いられてきたが、前記金属製洋食器の表面仕上げには用いられてこなかった。
また、一般的にバレル研磨では、工作物(本明細書では前記金属製洋食器)は比較的小さいものであり、バレル内に複数の工作物を入れ同時に研磨することも多い。バレルの回転は一様では無く、上下に動かしながら回転、あるいは振動を加えるなどして工作物と研磨材をバレル内で動かして加工を行う。この時の研磨材の粒子によって生じる打痕を本願出願人は、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する一つの手段として利用可能であることを見出し本発明に至ったのである。また、本発明では、前記金属製洋食器の表面に形成させる前記打痕や前記凹凸痕に関しては、エンボス加工という表現や凹凸面という表現や凹凸模様という表現も含まれるものとする。
また、バレル研磨では、研磨材粒子は小さくかつ自由に動くため、段付き面など機械で研磨しにくい場所であっても仕上げが可能であるが、工作物の角面が丸まる、バレル痕と呼ばれる僅かなへこみが発生することがあり、本発明ではこのバレル痕も、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現する手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。また、バレル研磨の特徴として、加工中は表面粗さの計測が困難であることなどが欠点としてあるが、これは見方を変えると、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に前記打痕や前記凹凸痕やエンボス加工によるエンボス面や凹凸面や凹凸模様を形成させることになり、本発明ではこれらの現象を高級感や手作り感や、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を表現させる手段の一つとして利用可能であることを本願出願人は見出した。
また、本発明では回転形バレル研磨が好ましい金属製食器類に関しては、本明細書で記した、ティーカップやコーヒーカップの受け皿や、例えば、スープ皿やスナック皿や小判型皿やスープボウル(スープ鉢)やスープカップや、メジャーカップや、マグ(取っ手の付いた円筒形のコップ)やビアマグ(ビール用のマグ)やシチュー皿やカレー皿やグラタン皿やステーキ皿や、例えば、トレーやマルチトレーや角型トレーやラウンドトレーや、スプーンやティースプーンやデザートスプーンやテーブルスプーンやスープスプーン、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製食器類に関しては、本明細書で記した、ミルク入れや、ミルクジャグや、フォーク・ナイフ・スプーンや、フォークやデザートフォークや、ナイフやディナーナイフやバターナイフや、タルマグ(取っ手の無い樽型のコップ)や、ティーカップやコーヒーカップや、ジョッキ(取っ手の付いた寸胴形の容器でマグよりも大きい)やビールジョッキ、などである。
また、本発明では遠心流動形バレル研磨が好ましい金属製調理器具に関しては、本明細書で記した、カクテルシェーカーや、包丁やパンスライサーや果物ナイフやペティナイフや、鍋、などである。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)は、金属製洋食器の基材表面に、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感などの感性や古物感を形成させる金属製洋食器の表面処理方法であって、前記基材表面の前記感性や古物感を形成する部位をバレル研磨して打痕や凹凸痕を形成し、前記バレル研磨の後に、前記感性や古物感を形成させる部位に当該バレル研磨で用いた研磨材による光沢ムラや未処理部位が生じた場合には、サンドブラストによって前記光沢ムラや未処理部位を減少させて前記基材表面の前記感性や古物感を形成する部位に不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様を形成することを特徴とする。
課題を解決するための第二の手段で記載された、前記金属製洋食器の表面に前記不連続打痕や前記不均質打痕や前記バレル痕を形成させた後に、光沢ムラや未処理部位が生じた場合に関しては、実は、本願出願人が、実願2015−002802号(特許文献1)の出願後に改めて特許文献1の評価作業の必要性を感じて、特許文献1に記された技術的手段を用いて特許文献1に記された金属製食器類の試作を試みた結果、例えば、ティーカップやコーヒーカップの受け皿を回転形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図7の受け皿110と受け皿120を比較すると、受け皿110には光沢のムラが生じていることが判明したのである。また例えば、取っ手の付いたドリンクウェアとして知られるティーカップやコーヒーカップやマグやマグカップやビアマグやビールジョッキなどを、遠心流動形バレル研磨処理した後に、品質検査を行ったところ、多少の問題点が発見された。詳細には、図6のマグカップ80とマグカップ90を比較すると、マグカップ80には表面処理の未処理部位が生じていることが判明したのである。従って、本明細書で記載した金属製食器類の種類によっては本発明の完成に至らない場合が生じることを見出した。
課題を解決するための第二の手段で記載された前記金属製洋食器の表面に前記不連続打痕や前記不均質打痕や前記バレル痕を形成させた後に、光沢ムラや未処理部位が生じた場合の処理としてサンドブラストを選択することに関しては、例えば図7の受け皿110に生じた光沢ムラの対策案として、受け皿110の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図7の受け皿120に示すように光沢ムラが減少したことを見出したからである。また、図7から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図7の受け皿110に生じた光沢のムラが生じた後の工程でのサンドブラスト機能を利用するものとする。また、例えば図6のマグカップ80に生じた未処理部位の対策案として、マグカップ80の下地処理としてサンドブラストを試みたところ、結果として図5のマグカップ90に示すように表面処理の未処理部位が減少したことを見出したからである。また、図5から見出せる考察の一つとして、工程の順番としては下地処理としてサンドブラストであるが、結果的に図6のマグカップ80に未処理部位が生じた後の工程でのサンドブラスト機能を利用するものとする。
課題を解決するための第二の手段で記載されたサンドブラストに関しては、一般的には、サンドブラスト(sandblasting)は、ショット・ブラストの一種であり、工作物の表面に砂などの研磨材(硅砂などが多用されている)を吹き付ける加工法のことである。サンドブラストは、一般的には、塗装スケールの除去、錆取りや塗装剥がしなどの塗装前処理(下地処理)のほか、接着面の下地処理や、梨地仕上、シボ金型の表面仕上、鋳物、陶磁器、ガラス工芸品、石材などに表面処理、装飾、彫刻を施す為にも用いられている。サンドブラストは、元々は硅砂などが多用されており、今日でも使用されているが、近年のサンドブラストに使われる研磨材はアルミナ粉末やガラスビーズなどが多く使用されているが、アルミナ粉末以外の金属製の粉末やナイロンなどの樹脂系やクルミの殻や桃の種のなどの植物系などもあり、研磨材のバリエーションも多く、対象物の状態や性質に応じて、粒度や形状を変えることで多様な用途に対応可能である。また、サンドブラストは「削る」「叩き落とす」などが最も多い処理であるが、近年では「磨く」という処理が可能なものもある。
また、サンドブラストは、ソフトブラストとハードブラストという加工法の分類も知られている。例えばソフトブラストは、研磨材にガラスビーズを使用するもので、美装のための加工方法であり、本来の金属肌とは違った光沢を出すことができ、とくに、無塗装で使用するアルミ部品(シリンダーなど)をソフトブラスト処理した場合、アルミの表面に発生しがちな白い酸化膜の発生をある程度抑えることが可能である。また例えばハードブラストは、一般的には塗装前処理のための加工方法であり、塗装や汚れを剥離させた上で、接着面を粗面化させる事により、塗料と金属面の密着力を高めたり、サビの除去に好適であり、研磨材には、対象物の状態や性質に応じて、粒度や形状の異なる数種類のサンドやアルミナ粉末やその他金属製の粉末を使い分けるものとする。本発明では、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、ソフトブラストとハードブラストを使い分けるものとする。
また、本発明では、上述したサンドブラスト処理を実施するためのサンドブラスト装置に関しては、本明細書で記載した、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感の表現の変化によって、選択するものとする。
課題を解決するための第一の手段(請求項1)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の表面に、不連続な打痕や不均質な打痕やバレル痕を形成させることで、消費者にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を感じさせることが可能な、感性古物感形成金属製洋食器を提供できる。
課題を解決するための第二の手段(請求項2)の発明によって、本明細書で記載した金属製洋食器の表面に、消費者にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を感じさせることを目的に、不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させる手段として、従来なら主に下地処理手段として知られていたサンドブラストを用いることで、意図したとおりに金属製洋食器の表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を仕上げ処理として形成させることができ、かつ不連続で不均質な凹凸面や凹凸模様を消費者に前記感性古物感として感じさせることができた金属製洋食器の提供が可能になる。
例えば図7の受け皿110のような光沢のムラが生じた場合でも、請求項2の発明によって、図7の受け皿120のように光沢のムラが解消された金属製洋食器の提供が可能になる。
例えば図6のマグカップ80に表面処理の未処理部位が生じた場合でも、請求項2の発明によって、図5のマグカップ90のように表面処理の未処理部位を減少させた金属製洋食器の提供が可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図2は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図3は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図4は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図5は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図6は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図7は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図8は本発明の実施の形態例を示す概略説明図であり、図9は本発明の実施の形態例を示す概略説明図である。
図1を用いて金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の概略を説明すると、10は金属製洋食器の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとし、また金属製食器類11や金属製調理器具12の基材を示し、材料はステンレス鋼を用いるものとする。また金属製食器類11は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択され、金属製調理器具12は本明細書で記載された事例やアイテムの中から選択されるものとする。31は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる不連続打痕であり、32は金属製食器類11や金属製調理器具12の表面仕上げ処理手段として従来であれば下地処理手段として用いられてきたバレル研磨で用いる研磨材によって生じる不均質打痕であり、30は不連続打痕31や不均質打痕32によって形成される不連続で不均質な打痕面や打痕模様であり、この実施例では、打痕面や打痕模様30を感性古物感Dとして利用するものとする。
図1と図2を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、40は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのコーヒーカップであり、42はコーヒーカップ40を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。コーヒーカップ40の製品化表面42は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感Dを感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、コーヒーカップ40の製品化表面42は、感性古物感Dがあるという評価を得た。
図1と図3を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、50は、金属製食器類11の中から選択した一例としての皿であり、52は皿50を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。皿50の製品化表面52は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感を感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、皿50の製品化表面52は、感性古物感Dがあるという評価を得た。
図1と図4を用いて、金属製洋食器の表面にダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段の実施例を説明すると、60は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリー としてのスプーンであり、62はスプーン60を本発明で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕21や不均質打痕22を介して形成される打痕面や打痕模様20を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。スプーン60の製品化表面62は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の感性古物感を感じられるかどうかというモニター調査の結果、5対1という割合で、スプーン60の製品化表面62は、感性古物感を感じられるという評価を得た。次に、70は、金属製食器類11の中から選択した一例としてのカトラリー としてのフォークであり、72はフォーク70を本考案で示したバレル研磨で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕21や不均質打痕22を介して形成される打痕面や打痕模様20を感性古物感Dとして製品化した場合の表面を示している。フォーク70の製品化表面72は、前記モニター(A,B,C,D,E,F)に依頼して、金属製洋食器の新規な表面仕上げと感じられるかどうかというモニター調査の結果、4対2という割合で、フォーク70の製品化表面72は、感性古物感があるという評価を得た。
図1と図6より、80は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80は、本体81と取っ手部82で構成され、取っ手部82は取っ手部上部83と取っ手部下部86で形成され、取っ手部上部83と取っ手部下部86は本体81の任意の部位に固着する工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30である感性古物感Dをマグカップ80の表面に形成させたところ、本体81と取っ手部上部83との固着部位の周辺である固着部位周辺部84には感性古物感Dの未処理部位85が生じ、本体81と取っ手部下部86との固着部位の周辺である固着部位周辺部87には感性古物感Dの未処理部位88が生じてしまった。未処理部位85とマグカップ80の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白であり、未処理部位88とマグカップ80の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図6に示すとおり光沢の有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図5と図6を用いて、実施例6の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。90は金属製食器類11の中から選択したマグカップであり、マグカップ80と同じものを用いるものとする。マグカップ90は、本体91と取っ手部92で構成され、取っ手部92は取っ手部上部93と取っ手部下部96で形成され、取っ手部上部93と取っ手部下部96は本体91の任意の部位に固着する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕を介して形成されるサンドブラスト面99をマグカップ90の表面に形成させる工程の次に、任意の遠心流動形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30である感性古物感Dをマグカップ90の表面に形成させたところ、本体91と取っ手部上部93との固着部位の周辺である固着部位周辺部94にはサンドブラスト面99が残存し、本体91と取っ手部下部96との固着部位の周辺である固着部位周辺部97にはサンドブラスト面99が残存することで、実施例6の問題点である、光沢の有無や違和感は解消されていて、図5と図6を比較すれば明らかである。
図1と図7と図9を用いてこの実施例を説明すると、110は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110は、本体111とカップ受け部112で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30である感性古物感Dを本体111とカップ受け部112に形成させたところ、カップ受け部112の周辺である受け部周辺部113や本体111とカップ受け部112に光沢のムラである光沢ムラ部114が生じてしまった。本体111とカップ受け部112と受け部周辺部113の光沢ムラ部114と、本体111の表面に形成させた感性古物感Dとカップ受け部112の表面に形成させた感性古物感Dを比較すれば図9に示すとおり光沢のムラの有無や違和感は明白である。
この実施例では、図1と図7から図9を用いて、実施例8の問題点を解決する実施例を紹介するものとする。120は金属製食器類11の中から選択したティーカップやコーヒーカップの受け皿であり、受け皿110と同じものを用いるものとする。受け皿120は、本体121とカップ受け部122で構成されるように設計された金型を介して成型する工程の次に、任意のサンドブラスト装置で所定粒径で所定材質の研磨材によって生じる打痕を介して形成されるサンドブラスト面128を本体121とカップ受け部122に形成させる工程の次に、任意の回転形バレル研磨装置で所定粒径で所定形状の研磨材によって生じる不連続打痕31や不均質打痕32を介して形成される打痕面や打痕模様30である感性古物感Dを受け皿120の表面に形成させたところ、カップ受け部122の周辺である受け部周辺部123や本体121とカップ受け部122には、図9では光沢ムラ部114の光沢のムラの部位が図8のサンドブラスト面128の効果によって、実施例7の問題点が解消されていて、図9と図8を比較すれば明らかである。
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の感性古物感形成金属製洋食器の表面処理方法によって、サンドブラスト装置とバレル研磨装置を用いた新規な表現手段が可能であり、汎用性が高いので産業上の利用可能性は高いと判断できる。
D:感性古物感
10:金属製洋食器の基材
11:金属製食器類
12:金属製調理器具
20,30:打痕面や打痕模様
21,31:不連続打痕
22,32:不均質打痕
40:コーヒーカップ
41:製品化表面
42:製品化表面
50:皿
51:製品化表面
52:製品化表面
60:スプーン
61:製品化表面
70:フォーク
71:製品化表面
80:マグカップ
81:本体
82:取っ手部
83:取っ手部上部
86:取っ手部下部
84:固着部位周辺部
85:未処理部位
87:固着部位周辺部
88:未処理部位
90:マグカップ
91:本体
92:取っ手部
93:取っ手部上部
96:取っ手部下部
99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部
97:固着部位周辺部
110:受け皿
111:本体
112:カップ受け部
113:受け部周辺部
114:光沢村部
120:受け皿
121:本体
122:カップ受け部
128:サンドブラスト面
122:カップ受け部
123:受け部周辺部
10:金属製洋食器の基材
11:金属製食器類
12:金属製調理器具
20,30:打痕面や打痕模様
21,31:不連続打痕
22,32:不均質打痕
40:コーヒーカップ
41:製品化表面
42:製品化表面
50:皿
51:製品化表面
52:製品化表面
60:スプーン
61:製品化表面
70:フォーク
71:製品化表面
80:マグカップ
81:本体
82:取っ手部
83:取っ手部上部
86:取っ手部下部
84:固着部位周辺部
85:未処理部位
87:固着部位周辺部
88:未処理部位
90:マグカップ
91:本体
92:取っ手部
93:取っ手部上部
96:取っ手部下部
99:サンドブラスト面
94:固着部位周辺部
97:固着部位周辺部
110:受け皿
111:本体
112:カップ受け部
113:受け部周辺部
114:光沢村部
120:受け皿
121:本体
122:カップ受け部
128:サンドブラスト面
122:カップ受け部
123:受け部周辺部
Claims (3)
- 金属製洋食器の表面に、ダメージ加工感、アンティーク風、オールド感、年代物感、などの感性や古物感を形成させる手段であり、前記感性古物感の形成手段がバレル研磨で用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段。
- 前記感性古物感の形成手段に前工程を設ける場合には、下地処理としてバレル研磨を選択し、前記下地処理バレル研磨で用いる研磨材の粒子は前記感性古物感形成手段バレル研磨で用いる研磨材の粒子よりは小さめ又は比重の軽いものであることを特徴とする、請求項1に記載の感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段。
- 前記感性古物感の形成手段に前工程が必要となる場合には、下地処理又は表面仕上げ処理としてサンドブラストを選択し、サンドブラストで用いる研磨材によって生じる打痕や凹凸痕を利用し、前記金属製洋食器表面に不連続で不均質に凹凸面や凹凸模様を形成させることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の感性古物感形成金属製洋食器及びその形成手段。
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61241057A (ja) * | 1985-04-17 | 1986-10-27 | C Uyemura & Co Ltd | 筒状もしくは柱状物の外周面研摩方法及び装置 |
JPH01156492A (ja) * | 1987-12-14 | 1989-06-20 | Seiko Epson Corp | 古美調時計用外装部品 |
JPH06270597A (ja) * | 1993-03-19 | 1994-09-27 | Shigeo Yoda | 装飾体の製造方法 |
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JP2010083114A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-15 | Pilot Corporation | 装身具の表面への加飾方法 |
-
2015
- 2015-07-07 JP JP2015147188A patent/JP2017018542A/ja active Pending
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