JP2005231337A - 水溶性転写紙を用いた写真など図柄の蝕刻と蝕刻部の着色方法 - Google Patents

水溶性転写紙を用いた写真など図柄の蝕刻と蝕刻部の着色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線露光機、シルク印刷機など大掛かりな設備やそれらを操作するための高度な技術を必要とせず、写真など色の濃淡が連続して変化する図柄や細密文字などをガラス、石材、金属など各種被加工材料に蝕刻する方法、および、各種技法により蝕刻された画像を元画に忠実かつ堅牢にフルカラーで着色する方法を提供する。
【解決手段】水溶性転写紙に蝕刻用保護皮膜作製用の画像を熱溶融性樹脂を使用した複写機、プリンターを用いて印刷し、その画像を被加工材料へ転写し、その転写画像を保護皮膜として利用し蝕刻する方法、および、各種技法で蝕刻された画像のフルカラー元画を水溶性転写紙に印刷し、それを蝕刻部に位置を合わせて転写することで、蝕刻された画像を元画に忠実かつ堅牢にフルカラー着色を行う方法。
【選択図】図1

Description

この発明は写真、絵、文字などの図柄を網点データへの変換、諧調反転など必要な画像処理をした後、水溶性転写紙に印刷し、ガラス、石材、陶磁器、金属など被加工材料表面に熱転写および常温転写により転写し、図柄を形成するトナー、インク層を保護皮膜材として利用しながら、選択的に蝕刻加工することで、写真の連続諧調を網点表現で再現した蝕刻画像や、文字、線描画など2諧調化された蝕刻画像を被加工材料表面に現出させ、また各種蝕刻技法により現出された蝕刻画像のフルカラー元画を水溶性転写紙に印刷したものを用いて、熱転写および常温転写により、被加工材料表面の蝕刻加工された部位に網点形状により連続諧調を再現したフルカラー写真や細密な絵、微細文字などを元画像に忠実かつ堅牢にフルカラーで再現させる被加工材料への水溶性転写紙を用いた蝕刻と蝕刻部の着色方法に関するものである。
従来、再現すべき画像が写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像であり、蝕刻により元画の連続諧調を再現する方法としては、まず元画をコンピューターと画像処理ソフトを用いて網点データへ変換すると同時に、切り取り、諧調反転、左右反転など網点画像蝕刻用の保護皮膜作製に必要な加工を施した後、シルク印刷レジスト法およびフォトレジスト法により蝕刻用保護皮膜を作製し、サンドブラスト法などにより蝕刻する方法が知られている。
この網点画像蝕刻の方法は、保護皮膜としてのレジストフィルムに形成された微小な網点を利用して、そこへ金剛砂など硬質研削剤をサンドブラスト機により高圧、高速で吹き付けて蝕刻するため、網点が微小すぎると研削剤により破壊され、蝕刻が出来なくなる。現在一般的に用いられる線数は35線から50線前後であり、これ以上線数を増やし、網点を小さくすること、すなわちこれ以上微小な網点とし、より精細な連続諧調を蝕刻で再現することは困難とされている。
またこれらの方法には、多大の時間と労力がかかる。高度の熟練技術を必要とする。シルク印刷用原版や感光性フィルムなどが高価である。シルク印刷機器、紫外線露光機、水洗機、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機など高価な専用機械設備を必要とする。大型機械設置場所や暗室が必要になる。既存建築物の壁面ガラスや石材などへの蝕刻では、現地にシルク印刷機、露光機、水洗機などを持ち込み、暗室を仮設し、垂直面で蝕刻用保護皮膜をシルク印刷したり、露光作業を行うことは非常に困難であり、蝕刻を現在主流の技法、サンドブラスト法で行う場合、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機などの搬入、高圧、高速で被加工材料へ吹き付ける研削材の飛散、粉塵発生対策として大掛かりな養生仮設に大変な手間とコストがかかる、などの問題がある。
また従来のシルク印刷レジスト法やフォトレジスト法により蝕刻された網点画像への着色方法には、蝕刻完了後、そのまま残せる種類の保護皮膜材の場合、保護皮膜材を貼り付けたままラッカー系塗料をスプレーする方法、アクリル絵の具等の着色剤を筆、刷毛などで塗布し着色する方法や、蝕刻加工完了後、保護皮膜を除去し、油性顔料を布などで蝕刻部へ擦り込み、非蝕刻部の余剰の油性顔料を拭き取ることで着色する方法などが行われているが、現在まで網点データにより連続諧調を表現した蝕刻画像に元画どおりにフルカラー着色する技術は確立されておらず、まして既存建築物の垂直壁面への出張による蝕刻と蝕刻部の着色は不可能事とされて来た。
これらの方法には、通常は単色での着色が行われるため、仕上がりが単調である。スプレー塗装の場合、多色で着色しようとすると、色数を増やすたびに塗装用マスキングのやり直しが必要になり大変手間がかかる。筆や刷毛による方法では、多色化も可能であるが、たとえ多大な労力と時間と高度な技術を駆使しても元画通りに着色することは不可能であり、仕上がりは作業者の技術レベルに大きく影響される。アクリル絵の具や油性顔料による方法では付着性や耐久性が弱い。どの方法を用いても蝕刻により凹部となった網点形状だけに元画通りにフルカラーで着色することや細密図柄、微細文字、絵画などの蝕刻部を元画と同じフルカラーで再現することは不可能である、などの問題がある。
また従来、図柄、文字などをガラス、石材、陶磁器、金属など被加工材料表面に蝕刻する方法としては、保護皮膜用粘着シートを、デザインナイフなどを用いて再現すべき画像の形に手作業で切り抜き、それを被加工材料表面に貼り付け保護皮膜とし、薬剤またはサンドブラスト処理により蝕刻する方法がある。しかしこの方法には、手作業ゆえに保護皮膜の作製に時間がかかる。複雑な図柄をデザインナイフなどにより手作業で切り抜くには相当の熟練技術を必要とする。網点データ化された写真や絵画、微細な模様や文字などは切り抜けない、などの問題がある。
また再現すべき画像をコンピューターでデータ処理し、コンピューター連動のカッティングマシーンにより粘着シートを切り抜き、これを被加工材料表面に貼り付け保護皮膜とし、薬剤またはサンドブラスト処理により蝕刻する方法がある。しかしこの方法には、網点データ化された写真画像や細密画像や微細文字などは切り抜けない。機械への高額な設備投資を必要とする、などの問題がある。
またシルク印刷レジスト法と呼ばれる被加工材料表面に、陰画状態でシルク印刷を施し、このインク膜を保護皮膜とし、薬剤またはサンドブラスト処理により蝕刻する方法がある。しかしこの方法を2諧調化された画像の蝕刻に用いる場合は、前記、写真などの連続諧調を網点で再現する場合と同じ問題がある。
またフォトレジスト法と呼ばれる紫外線硬化型樹脂製の感光性フィルムに、再現すべき画像を印刷した透明フィルムを重ね合わせ、紫外線露光機により紫外線を照射し、露光部分を硬化させ、未硬化部分を水洗により洗い落とすことで、不要部分の抜け落ちた樹脂膜を作り、これを保護皮膜とし、薬剤またはサンドブラスト処理により蝕刻加工する方法がある。しかしこの方法を2諧調化された画像の蝕刻に用いる場合は、前記、写真などの連続諧調を網点で再現する場合と同じ問題がある。
また前記した各種従来技術により作製した蝕刻用保護皮膜を用いて、既存建築物壁面にある被加工材料へ出張により、現在主流のサンドブラスト法で蝕刻加工を行う場合、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機などの搬入、高圧、高速で被加工材料へ吹き付ける研削材の飛散、粉塵発生対策として大掛かりな養生仮設に大変な手間とコストがかかる、という問題がある。
また従来、市場には蝕刻された画像がより鮮明に見えるよう着色したいという要求が強くあり、その要望に応えるための工夫として、蝕刻完了後、そのまま残せる種類の保護皮膜材の場合、保護皮膜材を貼り付けたままラッカー系塗料をスプレーする方法、アクリル絵の具等の着色剤を筆、刷毛などで塗布し着色する方法や、蝕刻加工完了後、保護皮膜を除去し、油性顔料を布などで蝕刻部へ擦り込み、非蝕刻部の余剰の油性顔料を拭き取ることで着色する方法などが行われている。
しかしこれらの方法には、通常は単色での着色が行われるため、仕上がりが単調である。スプレー塗装の場合、多色で着色しようとすると、色数を増やすたびに塗装用マスキングのやり直しが必要になり大変手間がかかる。筆や刷毛による方法では、多色化も可能であるが、たとえ多大な労力と時間と高度な技術を駆使しても元画通りに着色することは不可能であり、仕上がりは作業者の技術レベルに大きく影響される。アクリル絵の具や油性顔料による方法では付着性や耐久性が弱い。どの方法を用いても細密図柄、微細文字、フルカラー写真、絵画などを蝕刻部に元画と同じフルカラーで再現することは不可能である、などの問題がある。
前記のように従来、市場には蝕刻された画像がより鮮明に見えるよう着色したい。さらには出来ることなら蝕刻された画像を元画どおりのフルカラーで再現したい。そうすることで蝕刻画像の付加価値を上げたいとの強い要求がある。しかし、このような要求に応える着色技術は現在まで開発に至っていない。そこで従来技術は、蝕刻された画像を、着色することなく鮮明化する方法として、不透明な被加工材料の場合は濃彩色の素材、例えば本磨きの黒御影石を選択し、黒御影石光沢面に蝕刻すると、蝕刻部分だけが粗面となり光の乱反射で艶消し、かつ白色状に変わることを利用し、黒色の光沢面と白色の艶消し部のコントラストにより画像を現出させる方法がある。
同様な方法として、ガラスなど透明な被加工材料への蝕刻では、例えばガラスの場合、蝕刻部分だけが粗面となり光の乱反射で艶消しかつ白色に変わることを利用して、加工されてないガラス表面の高光沢、高透明な状態とのコントラストにより画像を現出させたり、よりコントラストを鮮明とするために通常人手しやすいガラスでなく、蝕刻用に特別に製造されたクリスタルなど高価で厚みのあるガラスを選択したり、画像を際立たせるために、蝕刻加工品の背景に黒や黒に近い濃彩色を配置したり、特殊な角度で照明を当てたりする方法がある。
しかしこれらの方法には、石材など不透明な被加工材料の場合、濃彩色の材料にしか鮮明な蝕刻ができないため、被加工材料の種類が非常に制限される。ガラスなど透明な被加工材料の場合、背景色に工夫を凝らさないと画像が見えにくい。特別な角度から照明を当てるなど煩雑な作業を必要とする。微妙なコントラストにより画像を現出させているため蝕刻画像の鮮明さに欠ける。クリスタルなど専用で高価な材料を選択しなければならない、などの問題がある。
また従来、大理石、石灰石など石灰岩質の被加工材料への蝕刻では、ノミなどの道具を用いる手作業での彫り込みおよびサンドブラストによる蝕刻などが知られており、これらの方法には、ノミなどを用い手作業で彫刻するには高度な技術と長時間の作業が必要とされる。現在主流のサンドブラスト加工の場合は、大理石が御影石やガラスなどと異なり硬度が低く脆いため、研削剤を高圧で吹き付けると破壊されやすいため高度の技術が要求される。サンドブラスト機、集塵機、コンプレッサーなどの高額の機械設備を必要とする。機械を設置する場所を必要とする。高圧で研削材を吹き付け粉塵が大量に発生するため粉塵対策を施した作業場と粉塵から人体を保護するための防塵マスク、防護眼鏡などを用意しなければならない。
既存建築物壁面の大理石などへの出張施工で、現在主流の技法、サンドブラスト法で蝕刻を行う場合、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機などの搬入、高圧、高速で被加工材料へ吹き付ける研削材の飛散、粉塵発生対策として大掛かりな養生仮設に大変な手間とコストがかかる、既存壁面大理石等への連続諧調を網点形状で表現する写真蝕刻は、垂直壁面での露光機やシルクスクリーン印刷による保護皮膜作製が出来ないため施工不能である、などの問題がある。
また従来、水溶性転写紙は趣味や手芸で図柄転写に使用され、手芸店、工芸材料店、通信販売などで誰でも簡単かつ低価格に入手可能であるが、既存の使用方法では、熱転写、常温転写ともに転写後に保護皮膜としてのトナー、インク層だけでなく樹脂フィルム層や樹脂コーティング層が残るため、蝕刻においては蝕刻剤を被加工材料へ到達させることが出来ず、蝕刻ができない。
蝕刻部の着色においては残存する樹脂フィルム層や樹脂コーティング層が厚みを持ち不自然な仕上がりとなり、また使用を続けるうちに画像周縁部の盛り上がり部分から画像が剥がれて来やすい。同じく熱転写、常温転写ともに転写強度が弱く、蝕刻においては、蝕刻剤の腐蝕力に対する十分な耐久性を持たせることが出来ない。蝕刻部の着色においては、蝕刻自体の高い耐久性と較べ、転写画像の強度がはるかに劣るため、実用に供せない。そのため従来は水溶性転写紙を蝕刻用保護皮膜材および蝕刻部着色材として用いることは出来なかった、などの問題がある。
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次に述べるような被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法を提供するところにある。従来、色の濃淡すなわち連続諧調を持つ写真、絵画などを網点形状でガラス、石材、金属などへ蝕刻することは、蝕刻作品自体の美しさに加え、写真などの連続諧調画像が、フォトアルバムの中や紙の上という通常の場所や素材ではなく、石材、ガラス、金属など硬質で一見印刷不可能に思える被加工材料に再現されるため、その意外性がもたらす効果、訴求力が大きく、市場から非常に高い評価を得ると同時に強く望まれていた。
しかし、シルク印刷レジスト法およびフォトレジスト法により蝕刻用保護皮膜を作製し、サンドブラスト法などにより蝕刻する場合、保護皮膜としてのレジストフィルムに形成された微小な網点を利用して、そこへ金剛砂など硬質研削剤をサンドブラスト機により高圧、高速で吹き付けて蝕刻するため、網点が微小すぎると研削剤により破壊され、蝕刻が出来なくなる。現在一般的に用いられる線数は1インチ当たり35線から50線前後であり、これ以上線数を増やし、網点を小さくすること、すなわちこれ以上微小な網点とし、より精細な連続諧調を蝕刻で再現することは困難とされている。
またこれらの色の濃淡すなわち連続諧調を持つ写真、絵画などを網点形状でガラス、石材、金属などへ蝕刻する方法には、多大の時間と労力がかかる。高度の熟練技術を必要とする。シルク印刷用原版や感光性フィルムなどが高価である。シルク印刷機器、紫外線露光機、水洗機、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機など高価な専用機械設備を必要とする。大型機械設置場所や暗室が必要になる。
既存建築物の壁面ガラスや石材などへの蝕刻では、現地にシルク印刷機、露光機、水洗機などを持ち込み、暗室を仮設し、垂直面で蝕刻用保護皮膜をシルク印刷したり、露光作業を行うことは非常に困難であり、蝕刻を現在主流の技法、サンドブラスト法で行う場合、サンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機などの搬入、高圧、高速で被加工材料へ吹き付ける研削材の飛散、粉塵発生対策として大掛かりな養生仮設に大変な手間とコストがかかる、などの問題がある。
また従来技術での2諧調化された図柄の蝕刻用保護皮膜作製と蝕刻加工においては、前記、写真などの連続諧調を網点で蝕刻する場合と同じ問題に加えて、手作業やカッティングマシーンでは細密画像や微細文字などは切り抜けない。などの問題がある。
また従来のシルク印刷レジスト法、フォトレジスト法、サンドブラスト法など各種蝕刻技法により蝕刻された網点画像への着色方法においては、通常は単色での着色が行われるため、仕上がりが単調である。スプレー塗装の場合、多色で着色しようとすると、色数を増やすたびに塗装用マスキングのやり直しが必要になり大変手間がかかる。筆や刷毛による方法では、多色化も可能であるが、たとえ多大な労力と時間と高度な技術を駆使しても元画通りに着色することは不可能であり、仕上がりは作業者の技術レベルに大きく影響される。アクリル絵の具や油性顔料による方法では付着性や耐久性が弱い。どの方法を用いても蝕刻により凹部となった写真、絵画などの網点形状だけに元画通りにフルカラーで着色することや細密図柄、微細文字、絵画などの蝕刻部を元画と同じフルカラーで再現することは不可能である、などの問題がある。
また従来技術の2諧調化されて蝕刻された図柄への着色方法においても、前記、シルク印刷レジスト法、フォトレジスト法、サンドブラスト法など各種蝕刻技法によりにより蝕刻された網点画像への着色と同じ問題がある。
また従来の着色することなく蝕刻画像を鮮明化しようとする技術における、石材など不透明な被加工材料への着色の場合、濃彩色の材料にしか鮮明な蝕刻ができないため、中彩色、淡彩色の被加工材料は選択から排除せざるを得ないため蝕刻に使える素材が極端に少なくなる。ガラスなど透明な被加工材料の場合、微妙なコントラストのみにより画像を現出させているため鮮明さに欠ける。背景色に工夫を凝らさないと画像が見えにくい。特別な角度から照明を当てるなど煩雑な作業を必要とする。クリスタルなど専用で高価な材料を選択しなければならない、などの問題がある。
本発明は、前記課題の少なくとも1つを解決するものとして、本来趣味や手芸で図柄転写に使用され、手芸店、工芸材料店、通信販売などで誰でも簡単かつ低価格に入手可能な水溶性転写紙を用いて写真、絵画などの連続諧調を網点表現により蝕刻で再現する場合にシルク印刷レジスト法、フォトレジスト法の使用が不要な蝕刻用保護皮膜材の作製方法とシルク印刷レジスト法、フォトレジスト法、サンドブラスト法など各種蝕刻技法により網点表現で蝕刻された写真などへのフルカラー着色における蝕刻部着色材として同じく水溶性転写紙を活用する全く新規な方法を提供することを目的とする。
またシルク印刷レジスト法およびフォトレジスト法により蝕刻用保護皮膜を作製し、サンドブラスト法などにより蝕刻する場合の、網点線数を1インチ当たり50線以上とするとレジストフィルムが高圧、高速で吹き付けられる研削剤に破壊され易くなり、蝕刻が困難になるという問題を、新規な転写技術の開発により、転写強度を飛躍的に向上させることと、蝕刻技法として化学的蝕刻法すなわちケミカルエッチング法を採用することで、1インチ当たり133線という高精細な蝕刻も可能とする方法を提供するすることを目的とする。
また水溶性転写紙への図柄印刷工程では一般家庭や企業事務所で書類印刷用に広く用いられている溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、企業事務所や複写サービス業者に広く用いられている静電式乾式複写機など利用しやすく入手しやすい印刷機器を利用することで、コンピューターと画像処理ソフトによる蝕刻用と着色用、両方の画像処理工程から転写紙への印刷工程までを同時に簡単かつ効率的に行える。
熱転写工程では家庭用アイロン、家庭用電気オーブン、家庭用電熱器など、常温転写工程では刷毛や筆と合成樹脂を利用するなど、低価格で入手しやすく小型で場所を取らない資機材を利用することで、高度な技術や専門的な知識、多大な労力や時間、高価な材料や消耗品、暗室設備、特殊で高価な機械設備およびその設置場所を必要とせず、着色においては、被加工材料の着色部は蝕刻により粗面となり接着における投錨硬化、アンカー効果が発現するため、高い耐久性が得られ、また色彩表現での制限がないため、被加工材料の選択や蝕刻後の背景色選択などにおける多大な工夫を必要としない。
また蝕刻にケミカルエッチング剤を使用することで研削剤の飛散や粉塵の発生がないため、既存建築物の壁面ガラスや石材などへも現地に赴いて蝕刻ができる、簡単容易な細密図柄、微細文字、フルカラー写真、絵画などの転写紙を用いた被加工材料への蝕刻と蝕刻部の着色方法を提供することを目的とするものである。
また、大理石、石灰石など石灰岩質の被加工材料面への蝕刻に関し、従来技術には石灰岩質素材に用いる化学的蝕刻剤すなわちケミカルエッチング剤が存在しないため、ノミ等による手彫りかサンドブラスト法しか利用できない。ノミなどによる手作業の加工には多大な労力と時間そして高度の熟練技術が要る。現在主流のサンドブラスト法による加工では大理石など被加工材料がガラス、御影石などと較べ硬度が低く脆いため、蝕刻時には被加工材料を破砕せぬよう圧力、吹き付け角度などを常に最適に保ちながら行う非常に高い加工技術を必要とする。
サンドブラスト機、集塵機、コンプレッサーなど高価な機械設備を必要とする。これら設備の設置場所を必要とする。高圧で研削材を吹き付け粉塵が大量に発生するため粉塵対策を施した作業場と粉塵から人体を保護するための防塵マスク、防護眼鏡などを用意しなければならない。既存建築物壁面などへの出張施工ではサンドブラスト機、コンプレッサー、集塵機などの搬入、高圧、高速で被加工材料へ吹き付ける研削材の飛散、粉塵発生対策として大掛かりな養生仮設に大変な手間とコストがかかる、などの問題がある。
本発明はこれら大理石、石灰石など石灰岩質の被加工材料面への蝕刻に関する従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、前記課題の少なくとも1つを解決するものとして、蝕刻用薬剤として一般家庭で使用され安価で入手しやすい塩化水素水溶液濃度9%前後の衛生陶器洗浄剤や、安価な工業用塩化水素水溶液を用い、それを保護皮膜を利用しながら刷毛などで塗布するだけで蝕刻し、立体的で深い蝕刻には高濃度の塩化水素水溶液を長い時間反応させ、網点データ化された連続諧調の写真や細密な図柄、微細な文字などを浅く精細に蝕刻する時は、低濃度の塩化水素水溶液を用い反応時間を短くする。
このように蝕刻剤の濃度と蝕刻加工時間を制御することで、再現すべき画像に適合した蝕刻を施すことができ、加工時間も短く、特殊で高価な機械設備およびその設置場所も必要とせず、熟練技術も必要なく、一切の粉塵も発生しないため加工場への粉塵用喚起装置設置や粉塵から人体を保護するための防塵マスク、防護眼鏡なども要らず、また既存建築物壁面などへの出張施工では大掛かりな機器搬入や養生仮設が不要となる、既存壁面大理石等への連続諧調を網点形状で表現する写真蝕刻等が可能になる、簡単容易な大理石、石灰石など石灰岩質の被加工材料への塩化水素水溶液を蝕刻剤とする、水溶性転写紙を用いた蝕刻と蝕刻部の着色方法を提供することを目的とするものである。
また本発明は、水溶性転写紙の使用方法に関し、従来技術では、熱転写、常温転写ともに転写後に保護皮膜としてのトナー、インク層だけでなく樹脂フィルム層や樹脂コーティング層が残るため、蝕刻においては蝕刻剤を被加工材料へ到達させることが出来ず、蝕刻ができない。蝕刻部の着色においては残存する樹脂フィルム層や樹脂コーティング層が厚みを持ち不自然な仕上がりとなり、また使用を続けるうちに画像周縁部の盛り上がり部分から画像が剥がれて来やすい。
同じく熱転写、常温転写ともに転写強度が弱く、蝕刻においては、蝕刻剤の腐蝕力に対する十分な耐久性を持たせることが出来ない。蝕刻部の着色においては、蝕刻自体の高い耐久性と較べ、転写画像の強度がはるかに劣るため、実用に供せない。そのため従来は水溶性転写紙を蝕刻用保護皮膜材および蝕刻部着色材として用いることは出来なかった、などの問題がある。
本発明はこれら水溶性転写紙の使用方法に関する従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、前記課題の少なくとも1つを解決するものとして、熱転写後に画像周囲の樹脂フィルム層や樹脂コーティング層を溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて溶解除去する方法。常温転写に合成樹脂を用い、転写後にフィルムを剥離する方法。フィルム無し転写紙を使うことで被加工材料にフィルムを残さぬ方法。熱転写、溶剤により構成される転写補助液、接着力が強く耐久性の高い合成樹脂による常温転写により転写強度を高める方法などにより、水溶性転写紙を蝕刻用保護皮膜材と蝕刻部着色材として使用する方法を提供することを目的とするものである。
以上の課題を解決するために、第一発明は、再現すべき元画が写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像であり、蝕刻により元画の連続諧調を再現する時、元画を電子データとしてコンピュータに取り込み画像処理ソフトを用いて1インチ当たり30線〜133線の線数で網点データ化するとともに、蝕刻用保護皮膜作製に必要なトリミング、諧調反転、左右反転などの加工を施し、その加工処理された蝕刻用画像をフィルム付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機などで印刷する。
ここで網点とは、写真、絵画などが持つ連続諧調の濃淡を表現するために、大小の微細な点を用い、その網点の密度や大きさで諧調表現する方法を示す。またここで線数とは網点表現においての1インチ当たりの網点個数を示し、30線、133線などと呼ばれる。一般的に線数が多いほど微妙な諧調表現が出来る。
またここでフィルム付き水溶性転写紙とは、要するに転写紙の支持体である地紙の上に、転写に適合する合成樹脂をフィルム状に塗工してあり、そのフィルム面に画像を印刷するものであればいかなる物でも良い。具体的には例えばフィルムを形成する合成樹脂をアクリルまたはポリエステルとし、地紙と樹脂フィルムの間にデンプン、アラビアゴムなど水溶性糊を塗工し、転写工程の前後で地紙に水を供給することで水溶性糊を溶かし、地紙と合成樹脂フィルムを分離させることができる各種転写紙を使用することができる。
またここで静電式乾式複写機などの複写印刷機器とは、要するに熱溶融性樹脂をトナー、インク層のバインダー、結合材として用いる印刷機器、あるいは加熱により軟化し、冷却により硬化する性質を持つバインダー樹脂を用いる物であればいかなるものでも良い。具体的には例えば前記レーザープリンター等熱溶融性樹脂を採用する機器、あるいは顔料式インクを用いるインクジェットプリンター等を使用することが出来る。
次いで印刷したフィルム付き水溶性転写紙を水に浸漬し、水溶性糊が溶け、地紙とフィルムが分離した後、画像が印刷されたフィルムを水より取り出し、フィルムの画像側すなわちトナー、インク面が被加工材料に当たるよう位置決めをして貼り付け、ヘラなどを用いて水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させた後、熱転写を行う。ここで熱転写とは、要するに加熱により画像転写を行う転写方法のことであればいかなるものでも良い。具体的には例えば熱プレス機を使用する方法、アイロンを使用する方法、オーブンを使用する方法、あるいは電熱器を使用する方法、あるいは温風機を使用する方法等を採用することができる。
次に溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて水溶性転写紙のフィルム層を溶解除去することで、画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料に残す。ここで溶剤により構成されるフィルム除去液とは、要するに被加工材料面の画像すなわちトナー、インク層は溶かさず、アクリル、ポリエステルなどのフィルム付き転写紙のフィルムのみを溶解除去出来る水溶性溶剤で、フィルムを構成する樹脂の耐溶剤性に応じて、複数の水溶性溶剤を混合したり、水で希釈したり、単体で用いたり、あるいは加温することでその溶解力を高めたり出来る水溶性溶剤であればいかなるものでも良い。具体的には、例えばメチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトンなどを使用することができる。
次いで被加工材料表面のトナー、インク層を蝕刻用保護皮膜として利用し、保護皮膜が形成されていない部分を化学的蝕刻剤すなわちケミカルエッチング剤を塗布することで選択的に蝕刻する。ここでケミカルエッチング剤とは、要するに被加工材料の表面を酸化等の化学反応で腐蝕させる薬剤であればいかなるものでも良い。具体的には例えば、タイル、ガラス、陶磁器類、御影石など二酸化珪素系素材の蝕刻剤として酸性フッ化アンモニウムやフッ加水素酸、ステンレス、銅、真鍮、アルミニウム、鉄などの蝕刻剤として塩化第二鉄液等を使用することができる。
次いで蝕刻完了後、保護皮膜を除去することで被加工材料に写真、絵画など元画像の連続諧調を網点形状で再現した蝕刻画像を現出させることを特徴とするフィルム付き水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻方法である。
第二発明は、前記、再現すべき写真、絵画および文字、模様、線描画などの元画を蝕刻により諧調の連続的な変化を持たぬ、2諧調の画像として再現する時、白黒2諧調化、トリミング、諧調反転、左右反転など蝕刻用保護皮膜作製に必要な画像処理を手描きや画像処理ソフトを用いて行う。ここで元画とは、要するに、前記コンピューターにより画像処理するものに限らず、画像を水溶性転写紙に印刷し、蝕刻用画像として使えるものであれば、いかなる物でも良い。具体的には例えば手描きの絵や文字、著作権等に触れぬ画集、写真集の作品、雑誌の切り抜きなどをカラーコピーで諧調反転、左右反転させた画像等も使用することが出来る。
またここで連続諧調表現による蝕刻とは、第一発明での写真など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像を網点データに変換し、それを水溶性転写紙に印刷し、蝕刻用保護皮膜を作製し、それを用いて蝕刻することで、元画の連続諧調を再現する方法を示す。同じく第二発明での2諧調表現による蝕刻とは、例えば連続諧調を持つ白黒画像の場合、中間調である灰色を明暗の中間値、あるいは任意の値を基準に白か黒に置き換え、灰色を排した白か黒だけの画像に変換し、それを水溶性転写紙に印刷し、蝕刻用保護皮膜を作製し、それを用いて蝕刻することで、元画を2諧調で再現する方法を示す。第二発明は、このように写真、絵画、文字、模様、線描画などの元画を2諧調化された蝕刻画像として再現させることを特徴とするフィルム付き水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻方法である。
第三発明は、写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像を、電子データとしてコンピュータに取り込み、画像処理ソフトを用いて網点処理、左右反転など必要な加工を施し、その画像を元に蝕刻用保護皮膜を作製した後、サンドブラスト、ケミカルエッチングなど各種蝕刻技法により、元画の持つ連続諧調を網点形状で再現した画像への着色技術である。ここで各種蝕刻技法とは、要するに既存の蝕刻用保護皮膜の作製方法、被加工材料の蝕刻方法で利用可能な技法であればいかなるものでも良い。具体的には例えば、手作業やカッティングマシーンによる切り抜きで保護皮膜を作製する方法、シルク印刷レジスト法やフォトレジスト法で保護皮膜を作製する方法、サンドブラスト機や化学的蝕刻剤すなわちケミカルエッチング剤を用いて蝕刻する方法等を使用することが出来る。
まず現出された蝕刻画像の元画、すなわち蝕刻された図柄と同じ大きさ、形状のフルカラー元画をフィルム付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機で蝕刻部着色用画像としてフルカラー印刷し、印刷した水溶性転写紙を水に浸漬し、水溶性糊が溶け、地紙とフィルムが分離した後、画像が印刷されたフィルムを水より取り出し、フィルム上の着色用画像の画像側すなわちトナー、インク面が被加工材料の蝕刻された部位に元画どおりに重なるよう位置を完全に合わせて貼り付けた後、ヘラなどを用いて水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させた後、熱転写を行う。
次に溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて水溶性転写紙のフィルム層を溶解除去することで、画像すなわちトナー、インク層層のみを被加工材料に残し、次いで蝕刻されてない部分の不要なトナー、インク層のみを研磨剤を用いて除去する。ここで研磨剤とは、要するに蝕刻された凹部は蝕刻により表面が粗面となっているため、そこに接着における投錨効果、アンカー効果が働き、被加工剤とトナー、インク層の接着強度が高く、逆に蝕刻されていないガラス、陶磁器などの表面は緻密かつ滑らかなためトナー、インク層の接着が弱いことと、研磨面の凹部よりも平滑部に強く研磨力が作用することを利用して、弱い付着の非蝕刻部のトナー、インク層のみを研磨除去する程度の研削力を持つ研磨剤であればいかなるものでも良い。具体的には例えば、自動車磨き用研磨剤入りクリーム、別名コンパウンド、粒度1500番から2000番程度の耐水研磨紙等を使用することができる。
このように蝕刻された凹部のみに画像すなわちトナー、インク層を残すことで網点による連続諧調表現を維持しながら蝕刻部位に元画どおりのフルカラー着色を完了し、着色の付着性においては、被加工材料の着色部は蝕刻により粗面となり接着における投錨硬化、アンカー効果が発現しているため、高い付着性が得られる。第三発明はこのように写真、絵画など連続諧調を持つフルカラー元画を、元画に忠実に、しかも耐久性が高く剥がれたりすることのないように再現させることを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法である。
第四発明は、前記、フルカラーで着色すべき写真、絵画および文字、模様、線描画などの元画が蝕刻により2諧調の蝕刻画像として再現されていることを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法である。
第五発明は、蝕刻された画像への熱転写を用いた着色に替えて、サンドブラスト法、ケミカルエッチング法などの各種蝕刻技法により現出された蝕刻画像の元画、すなわち蝕刻された図柄と同じ大きさ、形状のフルカラー元画をフィルム付き水溶性転写紙に着色用画像として印刷し、それを水へ浸漬し、地紙から分離したフィルムを水より取り出し、良く乾燥させた後、被加工材料の蝕刻部にウレタン、エポキシなど強い接着力を持ち、低粘度、透明、無溶剤などの特性を持つ合成樹脂を塗布し、次いでフィルムの画像側すなわちトナー、インク面が被加工材料の蝕刻された部位に、元画どおりに重なるよう位置を完全に合わせて貼り付けた後、ヘラなどを用いて余剰の合成樹脂、気泡を排出しながら圧着する。
ここで合成樹脂とは、トナー、インク層や転写紙フィルムを溶解したり、傷めぬよう水性溶剤を用いた物や無溶剤型の物、転写作業を容易確実に行えるよう低粘度の物、転写後の仕上がりを美麗にするために透明度が高い物、必要な接着強度と耐久性を満たす物、作業効率化のために乾燥硬化の速い物など常温転写に必要な特性を満たす物であれば、いかなる物でも良い。具来的には水性ウレタン樹脂、2液無溶剤型エポキシ樹脂、水性シリコン樹脂などが使用できる。
次に合成樹脂を乾燥硬化させた後、フィルム層のみを被加工材料から剥離除去する常温転写を行う。ここで剥離除去とは、蝕刻され粗面となり投錨効果、アンカー効果が発現した被加工材料と合成樹脂そしてトナー、インク層は強く接着しており、それに較べてトナー、インク層とフィルムは弱く接着している、その接着力の差を利用しフィルム層のみを被加工材料から引き剥がすことを示す。またここで合成樹脂を用いた常温転写とは、要するに転写時に加熱を行わなず、常温下で転写を行う方法であれば如何なる方法でも良い。具体的には被加工材料と画像すなわちトナー、インク層の間にエポキシ、ウレタンなどの合成樹脂を塗布配置し、その接着力を利用して、画像を被加工材料に転写する技法である。
次に蝕刻されてない部分の不要な合成樹脂を研磨剤を用いて除去する。このようにして薄膜の合成樹脂とそれに強固に接着した画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料に残すことで、文字、線描画、模様などの2諧調データ化され連続諧調を持たぬ蝕刻画像への元画どおりのフルカラー着色を完了する。
一方、写真、絵画などの連続諧調を網点データ化により再現した蝕刻画像への着色の場合は、前記工程に続けて、蝕刻されてない部分の不要な合成樹脂とトナー、インク層を研磨剤を用いて除去し、蝕刻された凹部網点加工部のみに、薄膜の合成樹脂とそれに強固に接着した画像すなわちトナー、インク層を残すことで網点による連続諧調表現を維持しながら蝕刻部位に元画どおりのフルカラー着色を完了する。第五発明は、このようにして蝕刻部に耐久性が高く剥がれたりすることのない写真、絵画、文字、線描画、模様などのフルカラー元画を忠実に再現させることを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法である。
第六発明は、前記蝕刻された画像への合成樹脂を用いた常温転写による着色において、各素材間の接着強度の差を利用してフィルム層のみを被加工材料から引き剥がすことに替えて、溶剤により構成されるフィルム除去液を用いてフィルム付き水溶性転写紙のフィルム部を溶解除去することを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法である。
第七発明は、蝕刻された画像への合成樹脂を用いた常温転写による着色において、フィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用いる。ここでフィルム無し水溶性転写紙とは、要するに前記、フィルム付き転写紙の如く、転写紙が画像受容層としての合成樹脂製フィルムを持ち、地紙とフィルムを分離し得る物ではなく、分離可能なフィルム層を持たぬ物であればいかなる物でも良い。具体的には例えば、転写紙の支持体である地紙の上に、デンプン、アラビアゴムなど水溶性糊を塗工してあり、その水溶性糊面を受容層として画像を印刷し、転写後に地紙の裏側から水を供給し水溶性糊を溶かすことで画像のみを被加工材料へ転写する物、あるいは地紙に剥離性の強いシリコン樹脂などを塗工し、その上に熱溶融性樹脂を塗工してあり、それを受容層として画像を印刷し、熱プレス機やアイロンで加熱、加圧することで転写する物等を使用することができる。
第七発明は、常温転写完了の後、合成樹脂を乾燥硬化させてから、フィルム無し水溶性転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶解させ、分離した地紙のみを被加工材料から剥離することを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法である。
第八発明は、蝕刻用保護皮膜作製と蝕刻部への着色工程で行う熱転写において、フィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用い、熱転写後にフィルム無し水溶性転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶解させ、それにより分離した地紙のみを被加工材料から剥離することを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法である。
第九発明は、前記熱転写に替えて、常温転写と溶剤により構成される転写補助液を組み合わせて用いる。ここで溶剤により構成される転写補助液とは、要するに曲面や凹凸面への転写紙載置時に転写紙フィルムに柔軟性を与えフィルム貼り付けを容易にしたり、熱転写時の加熱によりピンホールや画像の乱れが発生することを防止したり、転写強度を高めたりする目的で用いる物である。
また常温転写時に、画像を構成するトナー、インク層へ転写補助液を含浸させ、トナー、インク層を画像の乱れが生じぬ程度に僅かに溶解させ、その状態で被加工材料へ付着させ、一定時間経過すると溶剤により構成される転写補助液が揮発し、トナー、インク層が被加工材料へ付着したまま再固化することを利用して常温転写を容易にしたり、同じく常温転写時に、画像印刷に用いる溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機などが機種により使用しているトナー、インク層の成分に差異があり、溶剤により構成される転写補助液の溶解力、活性化力への反応が異なるため、それぞれに応じた溶解力を確保するために、複数の水溶性溶剤を混合したり、水で希釈したり、単体で用いたり、あるいは加温することでその溶解力を調整出来る溶剤であればいかなるものでも良い。
具体的には、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、ミネラルスピリット、テレピン油などを単体で、あるいは混合物としてあるいは加温して使用することができる。第九発明は、前記と同じフィルム無し水溶性転写紙を用いながら、溶剤により構成される転写補助液を転写前に被加工材料の転写部または画像部分に塗布することでトナー、インク層を活性化させ、常温転写することを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法である。
第十発明は、前記、フィルム無し水溶性転写紙と溶剤により構成される転写補助液を用いた常温転写の後、転写部を電気温風機、電気アイロン、電気オーブンなどを用いて加熱し、付着力、耐溶剤性、表面硬度など転写部の物性を向上させることを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法である。
第十一発明は、熱転写において画像を被加工材料に貼る直前に被加工材料表面の転写部と画像部に溶剤により構成される転写補助液を塗布することを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法である。
第十二発明は、水溶性転写紙を用いた各種図柄の蝕刻と蝕刻部への着色において、被加工材料が大理石、石灰石など石灰岩質の物である時、蝕刻剤として塩化水素水溶液を用い、被加工材料面に太い線や大きな図柄を深く蝕刻する時は、塩化水素水溶液濃度を高めると同時に蝕刻時間を長くし、網点データ化した写真や細密な図柄を浅く蝕刻する時は、塩化水素水溶液濃度を低めると同時に蝕刻時間を短くし、蝕刻剤の濃度と蝕刻加工の時間を制御することで、再現すべき図柄に適合する蝕刻を施すことを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法である。
本発明は、写真、絵画などの連続諧調を網点表現により蝕刻で再現する場合の蝕刻用保護皮膜の作製と、各種蝕刻技法により網点表現で蝕刻された写真などへのフルカラー着色に、本来趣味や手芸で図柄転写に使用され、手芸店、工芸材料店、通信販売などで誰でも簡単かつ低価格に入手可能な水溶性転写紙を活用する全く新規な方法を開発した。また水溶性転写紙を用いて作製する蝕刻用保護皮膜の強度を飛躍的に向上させる新たな転写技術の開発とともに、蝕刻技法として化学的蝕刻法すなわちケミカルエッチング法を採用することで、1インチ当たり133線という高精細な蝕刻が可能となる新規な蝕刻技法を開発した。
本発明のこれら技法によれば、例えば、従来難易度が高いため、行われることが稀であった、既存建築物の内外装壁面仕上げ材への連続諧調を持つ写真、絵画などの網点形状での蝕刻と、その蝕刻部へのフルカラー着色と、2諧調表現の細密図柄や微細文字などの蝕刻と蝕刻部へのフルカラー着色が可能となる。これにより従来の自社加工場へ持ち込み可能な被加工材料のみを取り扱う場合と較べ、質量ともに加工対象物が増え、市場規模が拡大する。また同様に設備投資額も少なく、製作に関わる材料費も安く、技術的難易度も低いため、制作費、販売価格ともに抑えることが出来るため、自ずと蝕刻業界の市場規模拡大が望めるなどの利点がある。
また本発明によれば、水溶性転写紙への図柄印刷工程では一般家庭や企業事務所で書類印刷用に広く用いられている溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、企業事務所や複写サービス業者に広く用いられている静電式乾式複写機など利用しやすく入手しやすい印刷機器を利用する。これにより、コンピューターと画像処理ソフトによる蝕刻用と着色用、両方の画像処理工程から転写紙への印刷工程までを同時に簡単かつ効率的に行い、熱転写工程では家庭用アイロン、家庭用電気オーブン、家庭用電熱器など低価格で入手しやすい資機材を利用するため、高度な技術や専門的な知識、多大な労力や時間、高価な材料や消耗品、暗室設備、特殊で高価な機械設備およびその設置場所を必要としないという利点がある。
着色においては、被加工材料の着色部は蝕刻により粗面となり接着における投錨硬化、アンカー効果が発現するため、強い接着と高い耐久性が得られ、また色彩表現での制限がないため、被加工材料の選択や蝕刻後の背景色選択などにおける多大な工夫を必要とせず、また蝕刻にケミカルエッチング剤を使用することで研削剤の飛散や粉塵の発生がないため、既存建築物の壁面ガラスや石材などへも現地に赴いて容易に蝕刻ができるという利点がある。
また本発明によれば、水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色において、被加工材料が大理石、石灰石など石灰岩質のものである時、蝕刻用薬剤として塩化水素水溶液を用いるという全く新規な方法により、塩化水素水溶液の濃度と蝕刻加工時間を制御することで、再現すべき画像に適合した蝕刻を施すことができ、加工時間も非常に短く、特殊で高価な機械設備およびその設置場所も必要とせず、熟練技術も必要なく、一切の粉塵も発生しないため加工場への粉塵用喚起装置設置や粉塵から人体を保護するための防塵マスク、防護眼鏡なども要らず、また既存建築物壁面などへの出張施工でも大掛かりな機器搬入や養生仮設が不要なため施工が容易に出来る、建築物壁面の大理石等へも連続諧調の写真画像、各種図柄を蝕刻出来る、などの利点がある。
また本発明によれば、水溶性転写紙を用いた転写技法に、熱転写後に画像周囲の樹脂フィルム層や樹脂コーティング層を溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて溶解除去する方法。常温転写に合成樹脂を用い、転写後にフィルムを剥離する方法。フィルム無し転写紙を使うことで被加工材料にフィルムを残さぬ方法。熱転写、溶剤により構成される転写補助液を用いての常温転写などにより転写強度を高める方法など新たに開発した技法を使い分けたり、組み合わせて使用することが可能なため、被加工材料の形状、被加工材料の耐熱性、求められる転写強度などに応じて、最適な転写方法を選択することが出来、誰でも簡単かつ容易に連続諧調を持った写真、絵画や細密図柄、微細文字などの被加工材料への蝕刻と蝕刻部のフルカラー着色を原画に忠実で非常に耐久性が高く、剥がれたりすることのない方法で行うことが出来る利点がある。
第一発明の一実施形態を、図1に示す。蝕刻すべき図柄を選択し、その図柄の元画が写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像であり、蝕刻により元画の連続諧調を再現する時、元画を電子データとしてコンピュータに取り込み画像処理ソフトを用いてグレースケール化、1インチ当たり133線の網点データへ変換、左右反転、諧調反転、トリミングなど加工を施す。その加工処理された画像をアクリル樹脂をフィルム状に5〜30ミクロン厚で塗工してあるフィルム3付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機などを用いて図1(A)の如く印刷する。
次いで図柄を印刷した転写紙を、容器に入れた水の中に1分間ほど浸ける。水溶性転写紙の水溶性糊2が溶け、地紙1と画像4が印刷されたフィルム3が分離する。分離したフィルム3のみを水から取り出した後、脱脂清掃したガラス、御影石、陶磁器、タイルなど二酸化珪素系の被加工材料5表面に刷毛、スプレーなどを用いて水を塗布する。被加工材料5に、転写紙のフィルム3を画像側すなわちトナー、インク層4が直接触れるよう位置決めをして図1(B)の如く載置し、ゴムベラなどを用いて被加工材料5と転写紙の間の水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させる。
次に家庭用電気オーブン、家庭用電熱器などを用いて被加工材料5と画像を形成するトナー、インク層4を200〜250℃まで20分程度の時間をかけ、ゆっくり昇温させ、最高温度に至ったら、その温度を維持したまま5〜10分間加熱する。熱転写の加熱工程が終了したら、被加工材料5を常温まで冷却する。被加工材料5が常温になったら、画像部に転写紙のフィルム3のみを溶解し、画像を形成するトナー、インク層4は溶解しないよう調整した溶剤により構成されるフィルム除去液6の1つたるイソプロピルアルコール原液またはアセトンとメチルアルコールの1対1混合液を図1(C)の如く塗布し、被加工材料5表面の転写紙フィルム3を溶解除去する。
この工程では、画像を形成するトナー、インク層4を溶かさぬよう注意深くフィルム除去液6の塗布と、溶けたフィルム3の柔らかい紙などでの拭き取りを行う。一度で取り切れない場合は、この工程を繰り返す。 またこの時フィルム3除去の作業性を高めるために、フィルム除去液6を火気に注意しながら加温したり、被加工材料5自体を加熱することも出来る。フィルム3を取り切った段諧で被加工材料5の表面にトナー、インク層4により形成された蝕刻用保護皮膜が図1(D)の如く現出する。この段諧では、被加工材料5上に転写されたトナー、インク層4にフィルム除去液6が含浸しており、フィルム除去液6、蝕刻剤7ともに水溶性であるため、すぐに蝕刻剤7を塗布すると、蝕刻剤7がトナー、インク層4に含浸したフィルム除去液6と混ざり合い、非蝕刻部9まで腐蝕する。これを避けるため、蝕刻工程に入る前に、十分な乾燥時間を確保する。乾燥を早めるために被加工材料を加熱することも出来る。
フィルム除去液6が完全に揮発した後、被加工材料5画像周囲の非蝕刻部をビニールテープ、粘着シートなどで覆い完全に保護する。二酸化珪素系被加工材料5に有効な蝕刻剤のひとつ、酸性フッ化アンモニウムを主成分とする蝕刻剤7を準備し、蝕刻剤7が高粘度のクリーム状である場合は、被加工材料5表面の蝕刻したい部分に図1(E)の如く塗布し、液状である場合は、被加工材料5を樹脂製容器に入れた蝕刻剤に浸漬し、5分から15分間放置することで選択的蝕刻を行う。本実施形態では高粘度クリーム状の蝕刻剤7を用いる。
蝕刻時間は被加工材料5の材質、所望する蝕刻の仕上げなどにより調整制御する。例えば本実施形態の如く写真を133線網点データに変換した細密画像の場合は、5分間程度の蝕刻時間を取る。第二発明のように手描きのイラストを2諧調に変換し、網点形状ではなく、画像の輪郭内部または外部を平坦かつ一様に蝕刻する場合は15分程度の蝕刻時間を取る。蝕刻完了後、被加工材料5に塗布した蝕刻剤7を除去した後、清水で十分に洗浄、乾燥させ、蝕刻用保護皮膜と保護用ビニールテープ、粘着シートなどを剥離剤、強溶剤、刃物などを用いて除去することで、被加工材料5に写真、絵画など元画像の連続諧調を網点形状で再現した蝕刻画像を図1(F)の如く現出させる。
「実施形態の効果」
第一発明の実施形態によれば、再現すべき画像の転写および蝕刻において、薄膜で柔軟なアクリルフィルム3付き水溶性転写紙を用いるため、被加工材料表面が曲面であったり、凹凸面であってもフィルム3が薄膜で柔軟であることを利用して加工が可能となる。同じく第一発明の実施形態によれば、再現すべき画像の転写および蝕刻において、その画像サイズが大きい場合も、画像支持体としてアクリルフィルム3を利用できるため、加工が確実かつ容易となる。同じく第一発明の実施形態によれば、再現すべき画像の転写において、熱転写法を用いるため、焼き付け塗装と同様の原理で、トナー、インク層4に焼き付け効果が発現し、付着性、耐擦傷性、表面硬度などその物性が向上する。例えば、深く立体的に蝕刻するために蝕刻時間を長く取る時、あるいは腐蝕力が強い蝕刻剤を使用する時、非常に細密な画像を蝕刻する時など、保護皮膜の蝕刻剤への抵抗力を高め蝕刻加工を確実なものにする、などの効果がある。
「他の実施形態」
この一実施形態では、ガラス、御影石、陶磁器、タイルなど二酸化珪素系の被加工材料5を一例として取り上げたが、被加工材料はこれに限られるものではなく、例えばステンレス、真鍮など金属が被加工材料の場合は、塩化第二鉄液を蝕刻剤として用いるなど、被加工材料に有効な蝕刻剤を適用することで多用な種類の被加工材料への蝕刻を行える。
また水溶性転写紙としてアクリル樹脂性フィルム3付きの物を採用したが、ポリエステルなど他の樹脂製フィルムにより構成される転写紙も採用できる。
第二発明の一実施形態を示す。第二発明は、写真、絵画、文字、模様、線描画などの元画を2諧調化された蝕刻画像として再現させる。第一発明では、画像を網点データに変換するためコンピューターと画像処理ソフトの使用が必須であるが、第二発明では、手描きの図案をカラーコピー機で水溶性転写紙に印刷し、それを用いて蝕刻するなど、より簡便な方法も用いることが出来る。また第一発明の場合は、微細な網点を蝕刻するため、蝕刻時間は5分間と短いが、第二発明では、例えば手描きのイラストを2諧調に変換し、連続諧調ではなく画像の輪郭内部または外部を平坦かつ一様に蝕刻する場合など、15分以上の蝕刻時間を取り、立体的で深い蝕刻を実施することも出来るという特徴を持つ。その他の工程は第一発明と同様の方法で水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻を行う。
「実施形態の効果」
第二発明の実施形態によれば、第一発明の効果に加えて、画像処理工程における連続諧調再現のための画像処理ソフトを用いた網点処理など複雑な加工をせずとも、例えば手描きで白黒の絵を描き、その絵をカラーコピー機で水溶性転写紙に印刷し、熱転写することで蝕刻用保護皮膜を作製するなど、非常に簡単な方法で蝕刻を行える効果がある。
第三発明の一実施形態を図2に示す。第三発明では、写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像を、電子データとしてコンピュータに取り込み、画像処理ソフトを用いて網点処理、左右反転など必要な加工を施し、その画像を元に各種技法により蝕刻用保護皮膜を作製した後、ステンレス、アルミニウム、真鍮、銅など金属にサンドプラストあるいは塩化第二鉄液によるケミカルエッチングなど各種蝕刻技法を用いて元画の持つ連続諧調を網点形状で図2(H)の如く再現した蝕刻画像へのフルカラーの着色を行う。まず金属に蝕刻された画像の元画、すなわち蝕刻された図柄と同じ大きさ、同じ形状のフルカラー元画をアクリル樹脂をフィルム状に5〜30ミクロン厚に塗工してあるフィルム3付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機などを用いて蝕刻部着色用画像として図2(G)の如くフルカラー印刷する。
次いで着色用の図柄を印刷した転写紙を、容器に入れた水の中に1分間ほど浸ける。水溶性転写紙の水溶性糊2が溶け、地紙1と画像4が印刷されたフィルム3が分離する。分離したフィルム3のみを水から取り出した後、脱脂清掃したステンレス、アルミニウム、真鍮、銅など金属系被加工材料5の蝕刻部8に刷毛、スプレーなどを用いて水を塗布する。次に被加工材料5の蝕刻部8に、転写紙のフィルム3を画像側すなわちトナー、インク層4が当たり、蝕刻された画像と着色用の画像が完全に重なるよう位置を合わせて図2(I)の如く載置した後、ゴムベラなどを用いて被加工材料5と転写紙の間の水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させる。
次に家庭用電気オーブン、家庭用電熱器などを用いて被加工材料5と画像を形成するトナー、インク層4を200〜250℃まで20分程度の時間をかけ、ゆっくり昇温させ、最高温度に至ったら、その温度を維持したまま5〜10分間程加熱する。熱転写の加熱工程が終了したら、被加工材料5を常温まで冷却する。常温の被加工材料5画像部に転写紙のフィルム3のみを溶解し、画像を形成するトナー、インク層4は溶解しないよう調整した溶剤により構成されるフィルム除去液6の1つたるイソプロピルアルコール原液またはアセトンとメチルアルコールの1対1混合液を図2(J)の如く塗布し、被加工材料5表面の転写紙フィルム3を溶解除去する。
この工程では、画像を形成するトナー、インク層4を溶かさぬよう注意深くフィルム除去液6の塗布と、溶けたフィルム3の柔らかい紙などでの拭き取りを行う。一度で取り切れない場合は、この工程を繰り返す。またこの時フィルム3除去の作業性を高めるために、フィルム除去液6を火気に注意しながら加温したり、被加工材料5自体を加熱することも出来る。フィルム3除去が完了すると被加工材料5にトナー、インク層4により元画どおりに着色された画像が図2(K)の如く現出する。
この段諧では、蝕刻された画像は連続諧調を再現するため網点形状であり、着色用フルカラー元画は網点加工されてない画像4であるため、非蝕刻部9にも僅かではあるが画像4が図2(K)の如く転写されている。この不要な画像部分、すなわち網点加工されていない部分に残るトナー、インク層4を自動車補修塗装用のクリーム状研磨剤、別名コンパウンドの細目と超微粒子を順次用いて除去する。
この時、蝕刻された凹部8は蝕刻により表面が粗面となっているため、そこに投錨効果、アンカー効果が働き、被加工材料5とトナー、インク層4の接着強度が高く、逆に蝕刻されていない被加工材料5の表面9は緻密かつ滑らかなためトナー、インク層4の接着が弱いことと、蝕刻された凹部8よりも蝕刻されてない平滑部9に強く研磨力が作用することを利用して、弱い付着の非蝕刻部9のトナー、インク層4のみを研磨除去し、蝕刻された凹部8のみに画像すなわちトナー、インク層4を残すことで網点による連続諧調表現を維持しながら蝕刻部位に元画どおりのフルカラー着色を図2(L)の如く完了する。第三発明は、このようにして蝕刻部に写真、絵画など連続諧調を持つフルカラー元画を、元画に忠実に、しかも耐久性が高く剥がれたりすることのないように再現させる。
「実施形態の効果」
第三発明の実施形態によれば、再現すべき画像の蝕刻部へのフルカラー着色において、薄膜で柔軟なアクリルフィルム3付き水溶性転写紙を用いるため、被加工材料5表面が曲面であったり、凹凸面であってもフィルム3が薄膜で柔軟であることを利用して加工が可能となる。同じく第三発明の実施形態によれば、再現すべき画像の蝕刻部へのフルカラー着色において、その画像サイズが大きい場合も、画像支持体としてアクリルフィルム3を利用できるため、加工が確実かつ容易となる。同じく第三発明の実施形態によれば、再現すべき画像の転写において、熱転写法を用いるため、焼き付け塗装と同様の原理で、トナー、インク層4に焼き付け効果が発現し、付着性、耐擦傷性、表面硬度などその物性が向上するなどの効果がある。
「他の実施形態」
この一実施形態では、一例としてステンレス、アルミニウム、真鍮、銅など金属の被加工材料5を取り上げたが、被加工材料はこれに限られるものではなく、例えばガラス、御影石、陶磁器、タイル、大理石などに蝕刻された画像にも同じ方法でフルカラー着色することが出来る。また水溶性転写紙としてアクリル樹脂性フィルム3付きの物を採用したが、ポリエステルなど他の樹脂製フィルムにより構成される転写紙も採用できる。
第四発明の一実施形態を示す。第四発明は、写真、絵画、文字、模様、線描画などの元画が2諧調で再現されている蝕刻画像へ着色する。第三発明では、蝕刻された画像が連続諧調を網点で再現しているため、蝕刻されていない部分に残るトナー、インク層4を研磨剤を用いて除去する必要があったが、蝕刻により2諧調で画像を再現する第四発明ではこの工程は不要である。その他の工程は第三発明と同様の方法で水溶性転写紙を用いた被加工材料5蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第四発明の実施形態によれば、第三発明の効果に加えて、第二発明の効果と同様に複雑な画像加工処理をせずとも、例えば手描きの画像を元画とした蝕刻画像へ、同じ元画をカラーコピー機で水溶性転写紙に印刷し、転写するだけで簡単容易に蝕刻部へのフルカラー着色ができるという効果がある。
第五発明の一実施形態を示す。第五発明は第三発明の蝕刻画像への熱転写を用いた着色に替えて、合成樹脂を用いた常温転写を行う。既存建築物の壁面仕上げ材である本磨き大理石表面に蝕刻された画像を脱脂清掃し、その蝕刻部へ強い接着力を持ち、低粘度、透明の水性ウレタン樹脂を塗布する。次いでフィルムの画像側すなわちトナー、インク面が大理石蝕刻部に元画を印刷した水溶性転写紙のフィルムを、元画と蝕刻画像が完全に重なり会うよう位置を合わせて貼り付け、ゴムベラなどを用いて余剰の合成樹脂、気泡を排出しながら圧着し、合成樹脂を乾燥硬化させた後、蝕刻により粗面となり投錨効果、アンカー効果が発現した被加工材料と合成樹脂そしてトナー、インク層は強く接着しており、それに比較してトナー、インク層とフィルムは弱く接着している、その接着力の差を利用してフィルム層のみを被加工材料から引き剥がす。
この時粘着テープをフィルムに貼り付け、その粘着力を利用してフィルムを引っ張りながら剥がすと好都合である。このようにして常温転写工程を行い、薄膜の合成樹脂とそれに強固に接着した画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料に残すことで、文字、線描画、模様などの2諧調データ化され連続諧調を持たぬ蝕刻画像への元画どおりのフルカラー着色を完了する。
一方、写真、絵画などの連続諧調を網点データ化により再現した蝕刻画像への着色の場合は、この後、蝕刻されてない部分、すなわち網点加工されていない部分の不要な画像部分のみを自動車補修塗装用のクリーム状研磨剤、別名コンパウンドの細目と超微粒子を順次用いて、蝕刻された凹部は蝕刻により表面が粗面となっているため、そこに投錨効果、アンカー効果が働き、被加工材料とトナー、インク層の接着強度が高く、逆に蝕刻されていない本磨き大理石の表面は緻密かつ滑らかなためトナー、インク層の接着が弱いことと、研磨面の凹部よりも平滑部に強く研磨力が作用することを利用して、弱い付着の非蝕刻部のトナー、インク層のみを研磨除去し、蝕刻された凹部のみに画像すなわちトナー、インク層を残すことで網点による連続諧調表現を維持しながら蝕刻部位に元画どおりのフルカラー着色を完了し、このようにして蝕刻部に耐久性が高く剥がれたりすることのない写真、絵画、文字、線描画、模様などのフルカラー元画を忠実に再現させる。
「実施形態の効果」
第五発明の実施形態によれば、再現すべき画像の蝕刻部へのフルカラー着色において、加熱しない常温転写法を用いるため、被加工材料の耐熱性が低く、熱転写ができない場合や既存建築物内外装仕上げ材への出張施工が可能となる。同じく薄膜で柔軟なアクリルフィルム付き水溶性転写紙を用いるため、被加工材料表面が曲面であったり、凹凸面であってもフィルムが薄膜で柔軟であることを利用して加工が可能となる。同じく第五発明の実施形態によれば、再現すべき画像の蝕刻部へのフルカラー着色において、その画像サイズが大きい場合も、画像支持体としてアクリルフィルムを利用できるため、加工が確実かつ容易となる、などの効果がある。
「他の実施形態」
この一実施形態では、被加工材料の一例として本磨き大理石を用いたが、被加工材料はこれに限られるものではなく、蝕刻が出来る素材であればいかなる物でも良い。同じくこの一実施形態では合成樹脂として水性ウレタン樹脂を用いたが、水溶性転写紙を用いた蝕刻部の着色に適合する合成樹脂であればいかなる物を用いても良い。水溶性転写紙フィルムの材質もまたアクリル樹脂に限られる物ではない。同じく本実施形態では既存建築物壁面への加工であるが、これも一例に過ぎず、例えば床面への加工、あるいは移動できる装飾品や、アクセサリー小物など蝕刻が可能な被加工材料であればいかなる物でも良い。
第六発明の一実施形態を示す。第六発明は、前記蝕刻された画像への合成樹脂を用いた常温転写による着色において、各素材間の接着強度の差を利用してフィルム層のみを被加工材料から引き剥がすことに替えて、フィルム除去液を用いてフィルム付き水溶性転写紙のフィルム部を溶解除去する。この際フィルム除去液は、第一発明と同様の方法で用いる。その他の工程は第五発明と同様の方法で水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第六発明の実施形態によれば、第五発明と同様の効果に加えて、作業時間短縮のため合成樹脂を加熱により合成樹脂の乾燥硬化を早めたため、転写紙フィルムとトナー、インク層の熱溶着が起こり、第五発明の方法ではフィルムを容易に除去出来ない時などに効果がある。
第七発明の一実施形態を示す。第七発明では、第五発明でのフィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用いる。再現すべき蝕刻部着色用画像の転写紙への印刷において、フィルム無し水溶性転写紙の地紙表面に塗工済みのデキストリン、アラビアゴム、ポリビニルアルコールなど水溶性糊層へ直接画像を印刷した後、画像をそのまま被加工材料の合成樹脂に貼り付ける。フィルム無し転写紙であるため、転写前のフィルムと地紙を分離させるための転写紙の水への浸漬工程は不要となる。合成樹脂を乾燥硬化させた後、第五発明のフィルム引き剥がしに替えて、転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶かすことで地紙のみを被加工材料から剥離する。その他の工程は第五発明と同じ方法でフィルム無し水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第七発明の実施形態によれば、フィルム無し水溶性転写紙を用いるため、小画像の平滑な被加工材料表面などへの転写および着色において、転写紙の水への浸漬とフィルム分離、乾燥工程を省略できるため、時間短縮が出来る効果がある。
第八発明の一実施形態を示す。第八発明は、蝕刻用保護皮膜作製と蝕刻部への着色工程で行う熱転写において、フィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用いる。フィルム無し水溶性転写紙の地紙表面に塗工済みのデキストリン、アラビアゴム、ポリビニルアルコールなど水溶性糊層へ画像を直接印刷する。そのため転写前のフィルムと裏紙を分離させるための転写紙の水への浸漬工程は不要となる。熱転写終了後、転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶かすことで地紙のみを被加工材料から剥離し、フィルム除去液を用いてのフィルム除去工程も省略する。その他の工程はフィルム付き水溶性転写紙を用いた熱転写と同じ方法で水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第八発明の実施形態によれば、フィルム無し水溶性転写紙を用いるため、小画像の平滑な被加工材料表面などへの転写および蝕刻において、転写紙の水への浸漬と蝕刻前のフィルム溶解除去工程を省略できるため、作業時間短縮が出来るなどの効果がある。
第九発明の一実施形態を示す。第九発明は、第八発明の画像を加熱処理し、熱転写することに替えて、加熱しない転写方法、すなわち常温転写を行う。既存建築物の窓ガラス垂直面の蝕刻する部位を脱脂清掃する。次いで転写の直前に、被加工材料表面に転写補助液としてメチルアルコール原液またはイソプロピルアルコールと水1対1混合液を刷毛などで塗布する。転写補助液が乾かぬうちに、フィルム無し水溶性転写紙を位置決めして貼り付け、ゴムベラを用いて余剰の転写補助液と気泡を排出するとともに、特にトナー、インク層をガラスへしっかり圧着する。
圧着が完了したら、転写補助液を充分トナー、インク層に含浸させるため、再度地紙裏側から転写補助液を刷毛を用いて塗布し、半乾きになるまで待つ。この時、転写紙が乾燥するにつれ端部から外側に向けて反りかえることがあるので、これを防止するために、そして、転写補助液の揮発を遅らせるために、プラスチック板など平滑な物を転写紙の上から当てた後、粘着テープなどで固定しておくと良い。この段諧で画像を構成するトナー、インク層へ転写補助液を充分含浸させ、トナー、インク層の結合材であるポリオール樹脂などの合成樹脂を画像の乱れが生じぬ程度に僅かに溶解させながら被加工材料へ付着させる。
この状態から、例えば気温20℃の場合、約15分間経過すると転写補助液が揮発し、半乾きの状態となり、トナー、インク層が被加工材料へ付着したまま再固化する。次に養生としてのプラスチック板を外し、窓ガラス上の転写紙地紙裏側から刷毛を用いて水を供給する。水により地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊が溶けて来たら、画像を傷めぬよう気を付けながら地紙のみを窓ガラス面から剥離し、そこに蝕刻用保護皮膜としての画像を現出させる。次に蝕刻用画像の周囲の非蝕刻部を粘着シート、ビニールテープなどで覆い保護する。次に画像の上から高粘度でクリーム状の蝕刻剤をヘラなどを用い均一に塗布し蝕刻を開始する。
この時、垂直面ガラスへの蝕刻のため蝕刻剤は酸性フッ化アンモニウムを主成分とし、それに増粘剤として微粒化させたフッ化カルシウム等を加えた物を用い、蝕刻中の蝕刻剤の垂れを防止する。蝕刻時間は、写真など連続諧調画像を網点形状で再現する場合は約5分間、単純な図柄を2諧調で、しかも深く蝕刻する時は15分以上とする。蝕刻が完了したら、まず蝕刻剤を布などを用いて拭き取った後、水などでガラス面から完全に除去する。次に蝕刻用保護皮膜、保護用粘着シートなどを刃物、塗料剥離剤、強溶剤などを用いて除去することで窓ガラス面への蝕刻を完了する。その他の工程は第八発明と同じ方法で水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻を行う。
「実施形態の効果」
第九発明の実施形態によれば、第八発明の効果に加えて、転写時に被加工材料を加熱する熱転写を用いないため、被加工材料が加熱できない場合に有効である。また加熱工程がないため作業時間を短縮することが出来る。例えば、既存建築物の内外装壁面の窓ガラスなどに蝕刻加工する場合のように、被加工材料への熱転写による強い加熱が好ましくない時、あるいは熱転写程の高い転写強度を要求されない時、短時間での加工が要求される時などに効果がある。
「他の実施形態」
この一実施形態では水溶性転写紙を用いた蝕刻加工を一例として取り上げたが、同じ方法で、各種被加工材料蝕刻部のフルカラー着色も行える。また被加工材料の一例として窓ガラスを用いたが、被加工材料はこれに限られるものではなく、蝕刻が出来る素材であればいかなる物でも良い。水溶性転写紙フィルムの材質もまたアクリル樹脂に限られる物ではない。同じく本実施形態では既存建築物壁面への加工であるが、これも一例に過ぎず、例えば床面への加工、あるいは移動できる装飾品や、アクセサリー小物など蝕刻が可能な被加工材料であればいかなる物でも良い。
第十発明の一実施形態を示す。第十発明は、第九発明のフィルム無し水溶性転写紙による常温転写終了後、画像を形成するトナー、インク層を加熱することでその物性を向上させる。加熱の方法は、被加工材料の耐熱性、形状、大きさに鑑みて各種方法から選択できる。加熱温度、加熱時間も同様に前記条件や要求される強度などに応じて選択できる。一例としてヘヤードライヤーを利用して、ドライヤーの温風出口最高温度が120℃程度であることを利用し、転写部を簡便に加熱することが出来る。100℃〜120℃で3〜5分加熱することで転写部の物性を向上させることが可能である。また被加工材料を電機オーブンに入れ、その耐熱性にあわせた温度設定と加熱時間で加熱し、転写画像を強化することも出来る。その他の工程は第九発明と同じ方法でフィルム無し水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第十発明の実施形態によれば、第九発明の効果に加えて、必要な場合、被加工材料の条件に合わせた加熱工程により、転写画像の物性向上が可能となるという効果がある。
第十一発明の一実施形態を示す。第十一発明は、熱転写で画像印刷済みの水溶性転写紙を被加工材料へ貼り付け、熱転写を行う前に、被加工材料の転写部と画像部に転写補助液としてメチルアルコール原液またはイソプロピルアルコールと水の1対1混合液を刷毛などを用いて塗布する。曲面や凹凸面の被加工材料への熱転写では、フィルム付き水溶性転写紙を水へ浸漬する前に地紙が付いたままの状態でフィルム面へ刷毛などを用いて転写補助液を塗布し気温20℃の場合、5分間ほど放置する。その後転写紙を水に浸漬し、地紙とフィルムを分離し、熱転写を始める。こうすることで転写補助液がフィルム柔軟剤として働き、曲面や凹凸面へのフィルム貼り付けが容易になる。
また濃彩色の画像を熱転写する場合や腐蝕力の強い蝕刻剤を用いて長時間蝕刻を続ける場合は、フィルム付き転写紙、フィルム無し転写紙ともに画像貼り付けの直前に、被加工材料へ刷毛などを用いて転写補助液を塗布する。これにより画像を形成するトナー、インク層を僅かに軟化活性化させることで、加熱による画像面でのピンホール発生を防止したり、転写強度を高めることで蝕刻用保護皮膜の物性を向上させ、腐蝕力の強い蝕刻剤による長時間の蝕刻を可能にして、水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色を行う。
「実施形態の効果」
第十一発明の実施形態によれば、転写補助液を用いることで、曲面や凹凸面の被加工材料への転写紙載置時に転写紙フィルムに柔軟性を与えフィルム貼り付けを容易にしたり、熱転写時の加熱によりピンホールや画像の乱れが発生することを防止したり、腐蝕力の強い蝕刻剤を用いる時、転写強度を高めることで蝕刻用保護皮膜の蝕刻剤に対する抵抗力を向上させたりする効果がある。
第十二発明の一実施形態を示す。水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色において、被加工材料が大理石、石灰石など石灰岩質の物である時、蝕刻用保護皮膜を作製、貼り付けした後、容器に蝕刻剤としての塩化水素水溶液を準備する。次いで刷毛、筆などを用いて塩化水素水溶液を被加工材料の蝕刻部へ塗布することで蝕刻を行う。被加工材料面に太い線や大きな図柄を3ミリ程度の深さで立体的に蝕刻する時は、濃度35%の工業用塩化水素水溶液の原液を用い、約30分間蝕刻を継続する。
この時蝕刻剤の反応は、塗布直後が最も強く、徐々に蝕刻能力は低下するので、5分に1回程度蝕刻剤を補給することで蝕刻力を高める。塩化水素水溶液は大理石等と化学反応しながらガス化し発泡するため、蝕刻反応の強弱は目視で確認出来る。またガス化につれ塩化水素水溶液の容積は減少するので、蝕刻剤の補給を続けても被加工材料の上で溢れるとか、垂直面での蝕刻で蝕刻剤が垂れるなどの現象は起こりにくい。またもし、そのような現象が発生した時は、蝕刻能力の低下した塩化水素水溶液を布などで拭き取ることで問題は解決できる。
また網点データ化した写真や細密な図柄を浅く蝕刻する時は、塩化水素水溶液濃度を9%前後に低めると同時に、蝕刻時間を3から5分程度と短くすることで良好な結果が得られる。蝕刻が完了したら、蝕刻剤を被加工材料面から除去し、次に蝕刻用保護皮膜と保護用粘着シートなどを刃物、塗料剥離剤、強溶剤などを用いて除去することで水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻を完了する。
「実施形態の効果」
第十二発明の実施形態によれば、大理石、石灰石など石灰岩質の被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色において、蝕刻剤として塩化水素水溶液を用いるという全く新規な方法により、塩化水素水溶液の濃度と蝕刻加工時間を制御することで、再現すべき画像に適合した蝕刻を施すことができ、加工時間も短く、特殊で高価な機械設備およびその設置場所も必要とせず、熟練技術も必要なく、一切の粉塵も発生しないため加工場への粉塵用喚起装置設置や粉塵から人体を保護するための防塵マスク、防護眼鏡なども要らず、また既存建築物壁面など垂直面への出張施工でも大掛かりな機器搬入や養生仮設が不要なため施工が容易に出来る、連続諧調の写真画像や各種細密図柄などを蝕刻出来る、などの利点がある。
第一発明に係わる図柄蝕刻方法を工程順に示す模式断面図である。 第三発明に係わる図柄蝕刻部の着色方法を工程順に示す模式断面図である。
符号の説明
1 転写紙地紙
2 転写紙水溶性糊
3 転写紙フィルム
4 トナー、インク画像層
5 被加工材料
6 フィルム除去液
7 蝕刻剤
8 蝕刻部
9 非蝕刻部

Claims (12)

  1. 再現すべき元画が写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像であり、蝕刻により元画の連続諧調を再現する時、元画を電子データとしてコンピュータに取り込み画像処理ソフトを用いて網点データ化するとともに、蝕刻用保護皮膜作製に必要なトリミング、諧調反転、左右反転などの加工を施し、その加工処理された蝕刻用画像をフィルム付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機などで印刷し、印刷したフィルム付き水溶性転写紙を水に浸漬し、水溶性糊が溶け、地紙とフィルムが分離した後、画像が印刷されたフィルムを水より取り出し、フィルムの画像側すなわちトナー、インク面が被加工材料に当たるよう位置決めをして貼り付け、ヘラなどを用いて水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させた後、熱転写を行い、次に溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて水溶性転写紙のフィルム層を溶解除去することで、画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料に残し、それを蝕刻用保護皮膜として利用し、保護皮膜が形成されていない部分を蝕刻剤としてのケミカルエッチング剤を塗布することで選択的に蝕刻し、その後保護皮膜を除去することで被加工材料に写真、絵画など元画像の連続諧調を網点形状で再現した蝕刻画像を現出させることを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻方法。
  2. 前記、再現すべき写真、絵画および文字、模様、線描画などの元画を蝕刻により2諧調の画像として再現する時、白黒2諧調化、トリミング、諧調反転、左右反転など蝕刻用保護皮膜作製に必要な画像処理を手描きや、コンピューターと画像処理ソフトを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻方法。
  3. 写真、絵画など色の濃淡が連続して変化する連続諧調画像を、電子データとしてコンピュータに取り込み、画像処理ソフトを用いて網点処理、左右反転など必要な加工を施し、その画像を元に蝕刻用保護皮膜を作製した後、サンドブラスト、ケミカルエッチングなど各種蝕刻技法により、元画の持つ連続諧調を網点形状で再現した画像への着色において、現出された蝕刻画像の元画、すなわち蝕刻された図柄と同じ大きさ、形状のフルカラー元画をフィルム付き水溶性転写紙に溶融型熱転写プリンター、カラーレーザープリンター、静電式乾式複写機で蝕刻部着色用画像としてフルカラー印刷し、次いで印刷した水溶性転写紙を水に浸漬し、水溶性糊が溶け、地紙とフィルムが分離した後、画像が印刷されたフィルムを水より取り出し、フィルム上の着色用画像のトナー、インク面が、被加工材料の蝕刻された部位に、元画どおりに重なるよう位置を完全に合わせて貼り付けた後、ヘラなどを用いて水、気泡を排出しながら圧着し乾燥させ、次いで熱転写を行い、次に溶剤により構成されるフィルム除去液を用いて水溶性転写紙のフィルム層を溶解除去することで、画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料に残し、次いで蝕刻されてない部分の不要なトナー、インク層のみを研磨剤を用いて除去し、蝕刻された網点を形成する凹部のみに画像を残すことで、元画の色彩とその連続諧調を再現するとともに、耐久性が高く剥がれたりすることのないフルカラー着色を行うことを特徴とする水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法。
  4. 前記、フルカラーで着色すべき写真、絵画および文字、模様、線描画などの元画が蝕刻により2諧調で蝕刻画像として再現されていることを特徴とする請求項3に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法。
  5. 蝕刻された画像への熱転写を用いた着色に替えて、フィルム付き水溶性転写紙に着色用元画像を印刷し、それを水へ浸漬し、地紙から分離したフィルムを水より取り出し、良く乾燥させた後、被加工材料の蝕刻部にウレタン、エポキシなど強い接着力を持ち、低粘度、透明、無溶剤などの特性を持つ合成樹脂を塗布し、次いでフィルムの画像側すなわちトナー、インク面が被加工材料の蝕刻された部位に、元画どおりに重なるよう位置を完全に合わせて貼り付けた後、ヘラなどを用いて余剰の合成樹脂、気泡を排出しながら圧着し、合成樹脂を乾燥硬化させた後、各素材間の接着強度の差を利用してフィルム層のみを被加工材料から引き剥がす常温転写を行い、薄膜の合成樹脂とそれに強固に接着した画像すなわちトナー、インク層のみを被加工材料蝕刻部に残し、蝕刻されてない部分の不要な合成樹脂とトナー、インク層を研磨剤を用いて除去し、蝕刻された凹部のみに、薄膜の合成樹脂とそれに強固に接着した画像すなわちトナー、インク層を残すことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法。
  6. 前記蝕刻された画像への合成樹脂を用いた常温転写による着色において、各素材間の接着強度の差を利用してフィルム層のみを被加工材料から引き剥がすことに替えて、溶剤により構成されるフィルム除去液を用いてフィルム付き水溶性転写紙のフィルム部を溶解除去することを特徴とする請求項5に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法。
  7. 蝕刻された画像への合成樹脂を用いた常温転写による着色において、フィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用い、合成樹脂乾燥硬化後に、フィルム無し水溶性転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶解させ、分離した地紙のみを被加工材料から剥離することを特徴とする請求項5に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料蝕刻部の着色方法。
  8. 蝕刻用保護皮膜作製と蝕刻部への着色で行う熱転写において、フィルム付き水溶性転写紙に替えて、フィルム無し水溶性転写紙を用い、熱転写後にフィルム無し水溶性転写紙の地紙裏側に刷毛などを用いて水を塗布し、地紙とトナー、インク層の間の水溶性糊を溶解させ、分離した地紙のみを被加工材料から剥離することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法。
  9. 前記、熱転写に替えて、同じフィルム無し水溶性転写紙を用いながら、溶剤により構成される転写補助液を転写前に被加工材料または画像部分に塗布することでトナー、インク層を活性化させ、常温転写することを特徴とする請求項8に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法。
  10. 前記、フィルム無し水溶性転写紙と溶剤により構成される転写補助液を用いた常温転写の後、転写部を加熱強化することを特徴とする請求項9に記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法。
  11. 蝕刻用保護皮膜作製と蝕刻部への着色で行う熱転写において画像を被加工材料に貼る直前に被加工材料表面の転写部と画像部に溶剤により構成される転写補助液を塗布することを特徴とする請求項1から請求項4、または請求項8のいずれかに記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法。
  12. 水溶性転写紙を用いた各種図柄の蝕刻と蝕刻部への着色において、被加工材料が大理石、石灰石など石灰岩質の物である時、蝕刻剤として塩化水素水溶液を用い、被加工材料面に太い線や大きな図柄を深く蝕刻する時は、塩化水素水溶液の濃度を高めると同時に蝕刻時間を長くし、網点データ化した写真や細密な図柄を浅く蝕刻する時は、塩化水素水溶液の濃度を低めると同時に蝕刻時間を短くし、蝕刻剤の濃度と蝕刻加工の時間を制御することで、再現すべき図柄に適合する蝕刻を施すことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の水溶性転写紙を用いた被加工材料の蝕刻と蝕刻部の着色方法。
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