JP4801798B2 - 塗装及びサンドブラストのマスキング材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、塗料及びサンドブラストの付着及び研磨域を調整するマスキング材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗料の付着域を調整する手段としてマスキング材がある。量産では冶具を利用するが、一般的なマスキング材として、マスキングテープとマスキングゾルがある。マスキングテープは支持体(基材)と粘着剤に特徴を持たせた粘着テープで、マスキングに適した材質と構造で構成されている。支持体は、薄手で強度のあるフィルムで、塗料や溶剤の浸透を防止するように構成されている。材質は含浸処理加工紙や柔軟性のある各種合成樹脂フィルムが応用されている。粘着剤を用いて固定することが一般的で、粘着剤はきれいに剥がすことを重視して調製されている。マスキングテープと新聞等の紙などの遮蔽材を使用して、建築塗装、車両塗装などにおいて、塗料の非付着域をすばやく広範囲にマスキングする。しかし、テープ状のマスキング材は、支持体の剛性から細部や3次元曲面には適さない。
【0003】
マスキングテープで細部や3次元曲面をマスキングする手段として、適した寸法又は形状に加工する方法がある。3次元マスキング形状には、マスキングテープを約1mm幅に切ったもので追従させたり、細かく裁断したテープを貼り合せてマスキングする。しかし、この作業は多くの時間を要する。
【0004】
この細部や3次元曲面の欠点を解決するマスキング材としてマスキングゾルがある。これは成膜型剥離性塗料で、塗料に対しての耐溶剤性と被塗装物に対しての非溶解性をもつ塗料である。この対象物への制約があるため、利用範囲は制限される。マスキング部を筆で塗布する方法と、付着域部のマスキング膜を剥がして除去する方法がある。付着域部除去法は、乾燥後にデザインナイフやカッター等の先が鋭利なものでマスキングラインをカットして、付着域部を得る。この塗布及びカッティング作業はある程度の技能と時間を要する。
【0005】
その他のマスキング材としては、特開2000−70800ではゼラチン物質が提案されている。古くから、繊維の模様染めでは蝋やのりが使われている。また、被塗装物が汚れても構わない場合は、油粘土などでマスキングすることがある。
【0006】
次に、空気やガスで砥材粒子を吹き付けて、石又はガラスの模様づけや各種素材の表面処理方法として、サンドブラスト(ショットブラスト)がある。このようなブラスト加工の砥粒の吹き付けにおいて、塗装と同じく研磨域を調整するマスキング材がある。マスキング材は、砥粒の研磨作用に対して耐摩耗性を有する材質(抗ブラスト材)で構成する。一般には加硫などの硬化処理されたゴムが部材として使用される。このゴム板を研磨域の形状にカッターなどで切り抜き、これを被研磨物に固定して切り抜き部を研磨域とする。フィルムやテープ状のものがあり、固定には粘着剤を用いて貼着する。
【0007】
板状やフィルム状では、絵柄、凹凸面には手間を要する。これを改善する固定手段及び切開除去手段の提案がある。特殊なインキで絵柄を印刷して装飾加工する方法、耐溶剤性組成物と可溶剤性組成物の組み合せで、溶解除去によるパターン形成及び溶解によるマスキング材の除去、光硬化性樹脂組成物によるパターン形成が提案されている。これらは、最終的に硬化処理してゴム様の物質を得て、マスキング材として利用している。また、凹凸面への加工において、パテを補助的に用いる手段として、特開平5−301498が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
当該作業は、量産ではマスキング冶具の製作が適している。しかし、試作品などの少量品では手作業のマスキングが普通である。この手作業は、一連の工程に占める割合が多く、時間と手間をかけている。近年、模型、人形(フィギュア、ガレージキット)、インテリアなどで、手作りの1品物を製作する趣味やオーダメイドが流行となっている。ここでも、作業効率が良いマスキング手段が求められている。
【0009】
マスキングテープは、細部や3次元曲面では支持体の剛性により密着が悪くなる。このため、テープが浮いて隙間が生じる。この隙間から塗料が内部に浸入する問題が生じる。密着させる粘着力は、剥がす際の制約からあまり強くできない。この問題から、支持体の柔軟性を特徴としたマスキングテープが提案されているが、その形状追従性には限界がある。テープ類には形状追従性の課題がある。
【0010】
マスキングゾルは、塗膜の定着力の設定が作業性に大きく影響する。定着力が強すぎると、塗装膜を傷めたり、剥がれないで表面に残留する。弱すぎると、自己収縮や噴流で剥がれる。また、細かい部分を面相筆などの細筆でマスキングする場合、筆のアフターケアの問題がある。これを怠ると、固まったゾルで筆を再利用できなくなる。除去法ではカッティングを失敗すると被加工物を刃で傷付ける。衛生面では、顔を近づけて作業するため有機溶剤の暴露問題がある。年少者では使用を避けなければならない。
【0011】
形状追従性の優れたものとして、粘土状物質が考えられる。しかし、従来の油粘土やゴム系粘土などは延性が悪く、薄く引き伸ばすことができない。このため、塗装ではマスキングラインのシャープさがでない。また、マスキングゾルと同様に薄すぎると塗料の溶剤で被塗装物に溶着する。サンドブラストでは砥粒の研磨に対して耐摩耗性がない。このため、硬化反応させる必要があった。更に、被加工物の汚れを犠牲にして実施しなければならない。古くからこの発想はあっても実現できなかった。
【0012】
従来のサンドブラスト用マスキング材は、最終的に硬化ゴムにして抗ブラスト化して利用するため、異なるマスキング形状への再利用ができない。利用後はごみとして廃棄されていた。そして、硬化過程を用いるものは、耐摩耗性を得るまでのマスキング工程が複雑となる。変形性を保持したパテ状態でマスキングと抗ブラスト機能を有するものはない。
【0013】
本発明は、これらの課題を解決するマスキング材を開発する。主な課題は、複雑な3次元曲面や微細部品を、容易かつ安全にマスキングすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明はシリコーンバウンシングパテで保護皮膜を形成したことが主要な特徴である。シリコーンバウンシングパテは、シロキサン基の1部にホウ素を結合させてホウ素含有シロキサンとし、ホウ素含有シロキサンからなるポリマーを欠くことのできない構成剤とし、このポリマーに補強材などの充填剤を加えてパテ状に構成したものである。この粘性物は、シロキサンポリマー中の酸素原子とホウ素原子との相互作用により、特異な挙動(ダイラタンシー現象)を示す。この相互作用による特性とシリコーンの特性を利用してマスキング材を構成する。ホウ素に代えて錫塩で構成するパテも提案されている。
【0015】
本発明は、非塗装面を被覆するため、被塗装物に対する貼着性と耐塗料性を有する被覆材である塗装用マスキング材であって、前記の被塗装物に対する貼着性と耐塗料性を有する被覆材が、基材を有しない重量比でホウ素含有シロキサンポリマー100部に対し補強剤5部から70部を含有する粘土状のシリコーンバウンシングパテからなる塗装用マスキング材である。また、非研磨面を被覆するため、被研磨物に対する貼着性と抗ブラスト性を有する被覆材であるサンドブラスト用マスキング材であって、前記の被研磨物に対する貼着性と抗ブラスト性を有する被覆材が、基材を有しない重量比でホウ素含有シロキサンポリマー100部に対し補強剤5部から70部を含有する粘土状のシリコーンバウンシングパテからなるサンドブラスト用マスキング材である以下ではシリコーンバウンシングパテをパテと呼ぶ。
【0016】
【作用】
次に、本発明の作用を説明する。
【0017】
樹脂の成形品などをきれいに塗装する場合、離型剤に使われているシリコーンを塗装面から除去する必要がある。これを怠ると、はじきが発生して塗装にむらが生じる。これがシリコーンと塗装に関する一般的な人の認識である。このため、塗装部及びその周辺でシリコーン系物質を取り扱うことは敬遠される。しかし、塗料には消泡剤としてシリコーンが添加されている。また、冶具でもシリコーンゴムが使用されている。問題となる塗料のはじきは、塗装面にシリコーン皮膜を形成するかしないかの問題で、シリコーンが存在すれば必ず塗装に悪影響を与えるものではない。成形に使用される離型剤は、皮膜を形成するように構成されている特徴を持たせたシリコーンである。
【0018】
本パテの特徴である相互作用は擬似架橋であり、ずれをも伴う特異な架橋作用が発現する。擬似架橋は、硬化反応したシリコーンゴム状態の非粘着性及び非移行性の表面物性を得ることができる。ずれを伴う架橋は、パテへの応力の作用速度によって挙動が異なり、速い速度ではゴム状態の弾性が発現し、遅い速度では延性の優れた粘性及び可塑性を発現する。これらの物性は同じ温度環境で共存し、作用速度で使い分けることができる。表面張力が小さいことから離型性に優れ、べたつき感や毒性がない物質である。従来の粘性化技術とは異なる粘性化手段である。
【0019】
この酸素原子とホウ素原子との相互作用は、被接触面へのシリコーン分子の離脱を防止する。擬似架橋は、硬化反応したシリコーンゴム状態の表面物性を持っているため、硬化したシリコーンゴムの接触と同じである。このため、パテの接触では塗装面に皮膜を形成しない。完全に接触面への移行がないと言わないが、分子が接触面に浮遊している状態である。反射や艶等による目視でも、この移行の確認は極めて困難である。この表面に浮遊している分子は、塗布時の塗料に溶解して塗料の一部となる。溶解する量により、塗料の表面張力の低下と消泡効果が発生する。
【0020】
図4のように、パテを両指でゆっくり引くと、優れた延性特性で薄く引き伸ばすことができる。これは、遅い速度でのずれを伴う架橋による挙動である。この伸びは際限なく持続して伸びる。これは他の粘土では発現しない挙動である。図4のようにパテ1を伸ばすとパテ伸張端部1aができる。このパテ伸張端部1aを目的のマスキングラインに合せてパテ1を配置する。軽く押さえるか放置することで、被塗装物の面に密接し、接着力の1つであるファン・デル・ワールスの力が発現して固定される。
【0021】
マスキングラインからずれたパテは、ヘラや爪などで自由に変形させて調整できる。また、筆(何も付けない)の腰の力を使い、撫ぜながら変形させて微妙な調整ができる。本マスキング材は、マスキング後も納得するまで調整できることが特徴である。この作業で塗装面にパテが触れるが、触れた部分は塗装に影響しない。図1のようにマスキングラインの調整が済めば、そのまま塗装を実施する。パテはエナメル系、アクリル系、アルコール系などの塗料に使用されている各種溶剤に可溶である。このため、パテ上の塗膜4は、図2のようにはじくことなく塗装される。粘度の小さい水性インキははじきが発生する。
【0022】
冬季では塗料の乾燥が遅いため、パテは低粘度の塗料に長時間さらされる状態となる。この状態が続くと、マスキング部のパテのシロキサンポリマーが溶解して、図2のT部の塗料に表面張力差を生じさせる。この結果、塗膜が薄くなる。この距離はパテの厚みと比例傾向にある。この問題は、被塗装物の塗装面を肌温程度に温めて塗装すると、良い塗装結果が得られる。塗布後、素早く塗料粘度を高めることが、良い結果を得る作業ポイントである。また、マスキング部のパテをできる限り薄くしてマスキングするか、重ね塗りすることでも回避できる。この溶解が塗装の剥離を誘引するものではない
【0023】
マスキング部のパテは、塗料と溶解しているのではなく、その溶剤により軟化している。このため、塗料が乾燥して、パテの溶剤も飛散すれば、元のパテに戻る。塗膜はパテにしっかり付着(密接)している。これは、パテを除去する時にマスキング部の塗膜が剥がれ落ちることを防止する。
【0024】
本パテはある程度溶剤が浸透しても、応力を作用させない限り流動化しない。この許容値は、酸素原子とホウ素原子との相互作用によりその形状を保形しているため、他の粘性物に比べて大きい。この保形性は他の粘性化手段の粘性物より優れた耐溶剤性がある。また、パテを薄くしてもマスキング機能がある。被塗装物に塗料の溶剤が浸透しても、乾燥後はシリコーンの離型性が発現して、容易に剥離できる。マスキングの薄さの問題は、マスキングゾルより安全性が高い。
【0025】
次に、サンドブラストでの作用を説明する。サンドブラストは速い速度で砥粒を衝突させて研磨する加工方法である。この速い速度の応力作用では、パテはゴム状態の弾性が発現すると説明した。従来から使われているゴム材と同様の物性が発現する。これはゴムで被覆したマスキングと同じである。この特性で砥粒を撥ね返すことができる。塗装での取り扱いと異なる点は、図3のようにできる限り厚く被覆することである。
【0026】
各加工後は、適度な離型性で被塗装物及び被研磨物から容易に剥がすことができる。非粘着性及び非移行性によりきれいに除去できる。洗浄などの後処理は不要である。変形性を維持したまま使用するため、劣化するまで使用できる。本パテは、パテの特異な応力作用に注目してスポーツ用品によく応用されるが、変形と付着をきらい、これを拘束するものであった。この変形と付着特性を利用して、加工に応用されるものはなかった。
【0027】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0028】
パテは、一般にはホウ素化合物とシリコーンオイルや反応性シリコーンオイルなどと加熱反応処理させてホウ素含有シロキサンポリマーとし、充填剤を加えてパテ状物質を得る。この構成及び製法の詳しい文献は、一例として特公昭26−6944、特開平5−1227がある。パテ状製品として、ダウコーニング社製のダイラタントコンパウンド、信越化学工業株式会社製のKE−SA−Pが上市されている。本マスキングのパテとして使用環境に適したパテを製造又は上市製品から採用する。他に粘土形態のシリコーン製品があるが、これは油粘土の油をシリコーンに代えたもので、粘性化手段が異なり採用できない。また、ホウ素含有シロキサンポリマーを組成の一部とするものでも、加硫などで硬化させるものは効果を得られない。ホウ素に代えて錫塩で同じ物性のパテを得る、特開昭49−89000がある。反発弾性を有する可塑性物質であるので採用できる。
【0029】
指で容易に変形する粘土状のパテの組成は、重量比でホウ素含有シロキサンポリマー100部に対し乾式シリカ微粉末5部から70部である。好ましくは20部から30部である。シリカ微粉末は補強効果が有りシロキサンポリマーと二酸化ケイ素の親和性によるもので、これを含む微粉末は補強性が強い。他の補強剤として、石英微粉末、珪藻土類、炭酸カルシウム、がある。着色剤は酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの顔料系が採用できる。着色剤の中には補強効果を持つものがあり、この効果も考慮して配合する。パテに悪影響を与えない多種多様の組み合せが可能である。
【0030】
次に、上記パテは、溶媒を加えていくと徐々に軟化が始まり、容積比でパテ100部に対し溶剤70部程度で液状化する。増粘剤を含むパテは更に加える必要がある。
【0031】
ホウ素含有シロキサンポリマーは、シロキサンの化学構造から溶解度パラメーター(SP値)の小さい無極性溶媒に良く溶解する。また、末端の水酸基によりアルコール類にも良く溶解する。また、パテは極性溶媒の水には難溶である
【0032】
マスキング後は洗浄や拭き取りなどで力を作用させることは好ましくない。この対策として、パテの特性に適した表面処理が挙げられる。ポリマー吸着粉体を塗装面及びパテ面にまぶして、筆で素早く擦るように徐々に除去する。ポリマー吸着粉体としては、ヒュームドシリカ、石英微粉末、炭酸カルシウムなどの無機化合物、珪藻土類、小麦粉などの植物性粉末が採用できる。塗装用マスキングでは、塗料の色に影響を与えるものは好ましくない。上市品の組み合せ例では、ダウコーニング社製のダイラタントコンパウンドと豊順洋行株式会社製S−BEN(商標)No.74で提供できる。S−BENは、珪藻土を表面処理した有機スメクタイトで吸着と増粘効果がある。この表面の増粘効果はポリマーの溶解の拘束には有利である。
【0033】
図1は、本マスキング材でマスキングした被加工物の断面斜視図である。塗装及びサンドブラストともに、このような外観となる。図2は、図1の塗装後の断面図である。図3は、サンドブラスト用のマスキング断面図である。この2例の違いは、マスキング境界部の断面形状とその厚みである。塗装では薄くすることが基本である。境界部の先端1mm程度は、厚さは0.4mm程度にすることが好ましい。更に薄くても構わない。全体を薄くする必要はない。厚さ1mm程度で付着させた後に、パテを押えて変形させ、余分なパテを後ろに後退させて薄くする。境界部はしっかり密着させる。
【0034】
マスキングが完了すれば、塗料を吹き付け又は刷毛塗りで塗装する。図2のように塗膜4が被覆され、塗装面3aには塗料が付着してマスキング塗装ができる。本マスキング材は有機溶剤型、エマルジョン型、中粘度の水溶剤型塗料に利用できる。溶剤型ではエナメル系、アクリル系、アルコール系などの合成樹脂塗料である。また、シリコーン系以外の反応硬化性塗料に利用できる。
【0035】
サンドブラストでは、ある程度厚みを持たせることが基本である。マスキング境界部の断面形状は、60度程度の勾配を設けて厚みを付ける。境界部はしっかり密着させる。被研磨物として鋼板に、厚さ1mmのパテでマスキングし、60番の研磨砥粒を吹き付けてつや消し処理を実施した。パテに当たる砥粒は跳ね返り、砥粒に対しパテは硬化ゴムの挙動を示していた。一般的な組成のパテは60〜80%の反発弾性を示す。パテの摩耗はなかった。パテを除去するとそのブラスト境界線は明確に現れていた。
【0036】
図4はパテを両指で伸ばしている外観図である。本パテは、糸状になるまで切れることなく、伸ばすことができる。この特性を利用して、希望の厚さになるまで引き伸ばしてマスキング材とする。パテ1を伸ばすとなめらかなパテ伸張端部1aができるため、これをマスキングラインに合せてマスキングする。
【0037】
図5はカッティングしたパテの断面図である。パテをシート状に成形切断してマスキング材とする方法である。まずパテを手で薄く延ばして均一な板状にする。このパテを平板上でカッターを用いて図4の断面形状に切断する。この切断部の先端をマスキングライン2に合せてマスキングする。マスキング部をシャープにすることができる。パテは押さえるか放置しない限り付着しないため、自由に移動させてマスキングライン2に合せることができる。合った部分から軽く押さえて固定しながら、ラインに沿って進めることができる。失敗しても簡単に剥がしてやり直しができる。この付着特性で粘着剤系のマスキングテープより楽に作業ができる。
【0038】
次に、本パテと従来のマスキング材との併用である。図6は遮蔽材と併用した実施例の断面図である。本パテは従来のマスキング材と比べると高価である。マスキングテープが紙などの遮蔽材と併用するように、本マスキング材でもマスキング部に適した他のマスキング材と併用する。パテ1で3次元曲面部のみをマスキングする。他の部分は紙からなる遮蔽材6を適当に裁断してパテ1に押付けて付着させる。遮蔽材6を適当につなぎ合せて全体をマスキングする。
【0039】
図7は従来のマスキングテープと併用した実施例の断面図である。約1mm幅のマスキングテープ5でマスキングラインをマスキングし、その後部をパテ1でマスキングした断面図である。直線部はマスキングテープのほうが有利である。また、マスキングラインが本パテに有利であれば、この逆の使い方で実施する。マスキングゾルにおいても同様である。
【0040】
図7はナット7のねじ部をマスキングした断面図である。ねじ類のねじ部は複雑さと孔形状からマスキングが困難である。また、隙間が生じるとねじ部に塗料が浸透して脱着に支障をきたす。本マスキング材は、ナット7のねじ孔にパテ1を入れるだけでマスキングが完了する。塗装後は粘土のようにねじ孔から取り出せる。パテは非粘着性であるため、ねじ山からきれいに離れる。雄ねじではねじ部にパテを巻き付けるだけで実施できる。同様に、サンドブラストにも適用できる。このため、サンドブラスト後、そのまま塗装が可能である。このように、孔部を速やかにマスキングができる。
【0041】
次に、パテをフィルム様に使用する方法である。パテを2mm程度の厚みの板にして、机上で絵柄をカッターなどで切り抜く。この絵柄が切り抜かれたパテ上に被加工物を転がして、パテを付着させる方法が可能である。支持フィルムに付着させた状態で被加工物に転写してもよい。この方法は簡単に自由曲面への絵柄のマスキングができる。
【0042】
塗装終了後に剥がしたパテは、付着している塗膜を除去すれば、繰り返し再使用できる。パテは非粘着性であるため、その除去も容易である。粘着テープを押付けるとテープ側に付着して離れる。エアーを強烈に吹付けても吹き飛ばすことができる。また、パテの内部に練り込んでも使用できる。サンドブラストでは問題なく繰り返し再使用できる。
【0043】
本マスキング材は、金属、樹脂、陶磁器、ガラスに使用できる。耐熱性は150℃あり焼付け塗装に採用できる。マスキング状態での長時間の放置はできないが、紙面、布面、皮面、木材面、素焼き陶器、漆くい面、モルタル面にも使用できる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では次のような効果がある。
(イ)変形自在であるため、あらゆる形状に対応できる。また、マイクロマシンのような小さなものまでマスキングできる。パテは非粘着性であるため、きれいにかつ安全に除去できる。マスキングの薄さの問題は、シリコーンの離型性で安全性を高めることができる。このように優れた作業性と安全性をもっている。
(ロ)無溶剤、無反応でマスキング材として成り立つ。このタイプは、溶剤及び硬化剤を含まないため、シリコーンの以外のあらゆる素材の加工物に適用できる。作業者にも溶剤暴露がない。作業と安全衛生の管理が容易である。
(ハ)硬化過程がないためマスキング後も納得するまで調整できる。このため、きれいなマスキングラインが可能となる。作業工程が単純で、本材や工具の取り扱い及び保守管理が容易である。
(ニ)塗装とサンドブラストに対し両マスキング機能があり、サンドブラスト後、そのまま塗装が可能である。
(ホ)塗装ではパテに付着している塗膜を除去することで、サンドブラストでは問題なく繰り返し再使用できる。使用マスキング材のゴミを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のマスキング材でマスキングした被加工物の断面斜視図。
【図2】 図1の塗装後の断面図。
【図3】 サンドブラスト用のマスキング断面図。
【図4】 パテを両指で伸ばしている外観図。
【図5】 カッティングしたパテの断面図。
【図6】 遮蔽材と併用した断面図。
【図7】 マスキングテープと併用した断面図。
【図8】 ナットのねじ部をマスキングした断面図。
【符号の説明】
1 シリコーンバウンシングパテ
1a パテ伸張端部
2 マスキングライン
3 被加工物
3a 塗装面
3b 研磨面
4 塗膜
5 マスキングテープ
6 遮蔽材
7 ナット

Claims (2)

  1. 非塗装面を被覆するため、被塗装物に対する貼着性と耐塗料性を有する被覆材である塗装用マスキング材であって、前記の被塗装物に対する貼着性と耐塗料性を有する被覆材が、基材を有しない重量比でホウ素含有シロキサンポリマー100部に対し補強剤5部から70部を含有する粘土状のシリコーンバウンシングパテであることを特徴とする塗装用マスキング材。
  2. 非研磨面を被覆するため、被研磨物に対する貼着性と抗ブラスト性を有する被覆材であるサンドブラスト用マスキング材であって、前記の被研磨物に対する貼着性と抗ブラスト性を有する被覆材が、基材を有しない重量比でホウ素含有シロキサンポリマー100部に対し補強剤5部から70部を含有する粘土状のシリコーンバウンシングパテであることを特徴とするサンドブラスト用マスキング材。
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