JPH09225035A - 医用挿入補助具 - Google Patents

医用挿入補助具

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JPH09225035A
JPH09225035A JP8058485A JP5848596A JPH09225035A JP H09225035 A JPH09225035 A JP H09225035A JP 8058485 A JP8058485 A JP 8058485A JP 5848596 A JP5848596 A JP 5848596A JP H09225035 A JPH09225035 A JP H09225035A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体組織へ挿入時の抵抗が小さく、患者に不快
感や疼痛を与えることがなく、生体組織を傷つけるおそ
れがない医用挿入補助具を提供する。 【解決手段】ルーメンを有する管形状のシース、該シー
スの近位端に接続されシースのルーメンと連通する中空
部を有するシースハブ、ルーメンを有する管形状のダイ
レータ及び該ダイレータの近位端に接続されダイレータ
のルーメンと連通する中空部を有するダイレータハブを
有し、ダイレータが、ダイレータの遠位端から近位端方
向に向かって、しだいに拡径する第一拡径部分、第一拡
径部分よりも緩やかにしだいに拡径する第二拡径部分、
しだいに縮径する縮径部分及び外径がほぼ一定の寸胴部
分からなり、ダイレータがシースのルーメン内に挿入で
き、シースの遠位端の内壁がダイレータの縮径部分の外
壁に密着し、かつ、ダイレータ及びシースを曲げたとき
に、シースの遠位端がダイレータの外壁に密着している
医用挿入補助具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医用挿入補助具に
関する。さらに詳しくは、本発明は、シースとダイレー
タからなり、血管内への挿入抵抗が小さい医用挿入補助
具に関する。
【0002】
【従来の技術】カテーテルを用いる診断及び治療が普及
し、X線透視下に心臓にカテーテルを進め、心内圧測定
と血液の採取を行う心臓カテーテル法、脳血管、腹部血
管、末梢血管の造影診断法、心腔及び大血管内異物、動
脈管開存症、異常血管、弁狭窄症に対する治療法などと
して広く行われている。カテーテルを経皮的に血管の目
的位置まで進めるためには、まず医用挿入補助具を血管
に挿入する必要がある。 医用挿入補助具の血管への挿入は、あらかじめ血管内に
挿入したガイドワイヤに、シースにダイレータを挿通し
て遠位端を突出した状態の医用挿入補助具のダイレータ
を嵌装し、ガイドワイヤに沿って医用挿入補助具を血管
の目的位置まで進める。この際、医用挿入補助具の先端
が生体組織に衝突すると、挿入の抵抗が増し、患者に不
快感や苦痛を与えるばかりでなく、生体組織を傷つける
おそれがある。医用挿入補助具の血管内への挿入時の抵
抗を減少するために、従来より種々の形状の医用挿入補
助具が提案されている。例えば、ダイレータの遠位端部
がやじり形状をしたもの(実公平6−39723号公
報、特開平6−178814号公報)、遠位端部が先細
り部と先太り部とを有するもの(実開平6−44553
号公報)、遠位端部にくびれを設けたもの(特開平7−
246241号公報)などが知られている。これらは、
いずれも、遠位端を可能な限り鋭角のテーパ形状とする
ことによって、またシースの遠位端をやじり形状部分な
どの背後に隠してダイレータとシースの外径に段差が生
じないようにし、挿入時にシースの遠位端が衝突すると
きの抵抗を低減することをねらっているものである。し
かし、実際には、挿入補助具を挿入する際には、挿入補
助具に力が加わり曲がる。ダイレータの曲がりに対しシ
ースの曲がりが追従できないので、シースの遠位端がダ
イレータの外壁から離れて外径に段差を生じ、期待した
ほど挿入抵抗は低減しなかった。本発明者らは、先にダ
イレータの膨らみ部分の遠位端から近位端方向に向かっ
て縮径する部分に、シースの遠位端を密着させ得る医用
挿入補助具を提案し(特開平6−335531号公
報)、生体組織への挿入時の抵抗の大幅な減少を達成し
たが、さらに一層円滑に挿入することができる医用挿入
補助具が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体組織へ
挿入時の抵抗が小さく、患者に不快感や疼痛を与えるこ
とがなく、生体組織を傷つけるおそれがない医用挿入補
助具を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、医用挿入
補助具の挿入抵抗の増加は、曲げたときのシースとダイ
レータとの段差によるものであるため、その段差が生じ
ない構造とし、且つ、ダイレータの先端部が曲がりにく
いものとすることにより、挿入抵抗を著しく減少させ得
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、(1)ルーメンを有
する管形状のシース、該シースの近位端に接続されシー
スのルーメンと連通する中空部を有するシースハブ、ル
ーメンを有する管形状のダイレータ及び該ダイレータの
近位端に接続されダイレータのルーメンと連通する中空
部を有するダイレータハブを有し、ダイレータがシース
のルーメン内に挿入し、ダイレータ及びシースを曲げた
ときに、シースの遠位端の内壁がダイレータの外壁に密
着していることを特徴とする医用挿入補助具、及び、
(2)ルーメンを有する管形状のシース、該シースの近
位端に接続されシースのルーメンと連通する中空部を有
するシースハブ、ルーメンを有する管形状のダイレータ
及び該ダイレータの近位端に接続されダイレータのルー
メンと連通する中空部を有するダイレータハブを有し、
ダイレータが、ダイレータの遠位端から近位端方向に向
かって、しだいに拡径する第一拡径部分、第一拡径部分
よりも緩やかにしだいに拡径する第二拡径部分、しだい
に縮径する縮径部分及び外径がほぼ一定の寸胴部分から
なり、ダイレータがシースのルーメン内に挿入でき、シ
ースの遠位端の内壁がダイレータの縮径部分の外壁に密
着し得ることを特徴とする医用挿入補助具、を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明を詳細に
説明する。図1は、本発明の医用挿入補助具の一態様の
シース部の断面図である。シース部は、近位端から遠位
端に通じるルーメン1を有する管形状のシース2と、シ
ースの近位端に接続されシースのルーメンと連通する中
空部3を有するシースハブ4から構成される。シースの
遠位端5は、近位端側よりも管径の小さい形状とするこ
とが、ダイレータとの密着性を高めるために好ましい。
また、シースの遠位端は、近位端側よりもその肉厚を薄
くすることが、外径の段差をなくす上で好ましい。シー
スハブには、ダイレータ挿入口6、分岐管7及び止血弁
8が設けられる。本発明において、シースの材料として
は弾性高分子材料を使用することができ曲げ弾性率が通
常2,000〜30,000kg/cm2のものが使用され
る。ショア硬度がA80〜D75の範囲にある弾性高分
子材料を好適に使用することができる。ショア硬度が小
さくなると、形状が安定しがたくシースの遠位端が反転
してめくれるおそれがある。必要に応じて、シース遠位
端部に中間部より硬度の大きい材料を使用することがで
きる。ショア硬度が大きくなると、柔軟性が乏しく、キ
ンクしやすいシースとなるおそれがある。また、シース
の材料は、常温における10分間の5%延伸において、
残留歪みが0.1%以下であることが好ましく、残留歪
みが0.01%以下であることがより好ましい。残留歪
みが大きい材料はクリープを起こしやすく、医用挿入補
助具を体内に設置しているときに、シースの遠位端の密
着部の締め付け弾力が低下して、ダイレータ表面からシ
ースの遠位端が浮き上がるおそれがある。本発明におい
てシースに使用する材料としては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリイソプレンゴム、フッ素樹脂などを挙げ
ることができる。
【0006】本発明において、シースハブの材料には特
に制限はないが、分岐管及び止血弁を設け、ダイレータ
ハブと嵌合させるために適当な弾性と硬度を有する材料
であることが好ましく、このような材料としては、例え
ば、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、AB
S樹脂などを挙げることができる。本発明において、シ
ースハブには、分岐管及び止血弁を設けることが好まし
い。分岐管は、シースを通じての体内への薬剤の注入及
び体内からの血液の採取などに使用することができる。
止血弁は、水密状態を保って、ダイレータ、カテーテル
などをシースに挿入することを可能とし、シースを血管
内に留置したとき血液が漏出することを防止する。図2
は、止血弁の一態様の斜視図である。止血弁は、円盤状
の弾性体9よりなり、円盤の両面を貫通するスリット1
0を有する。止血弁の材料は、ショア硬度がA20〜A
60であることが好ましく、A30〜A50であること
がより好ましい。このような弾性体としては、例えば、
シリコーンゴム、天然ゴム、ポリウレタン、ポリブタジ
エン、フッ素ゴムなどを挙げることができる。図3は、
本発明の医用挿入補助具の一態様のダイレータ部の断面
図である。ダイレータ部は、近位端から遠位端に通じる
ルーメン11を有する管形状のダイレータ12と、ダイ
レータの近位端に接続されルーメン11と連通する中空
部13を有するダイレータハブ14から構成される。ダ
イレータの遠位端15には、遠位端から近位端方向に向
かって、しだいに拡径する第一拡径部分16、第一拡径
部分よりも緩やかにしだいに拡径する第二拡径部分17
及びしだいに縮径する縮径部分18が構成され、外径が
ほぼ一定の寸胴部分19によって近位端に至る。ダイレ
ータは、シースのルーメン内に挿入することができる。
ダイレータの材料としては、ショア硬度が通常A90以
上のものが用いられる。具体的には、フッ素樹脂、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ステンレス鋼などが挙げられる。ダイレータの外径
により、硬度を変えることが好ましい。例えば、外径
1.5mmでは硬度を75Dに、外径3.0mmでは硬度55
Dにする。
【0007】図4は、本発明の医用挿入補助具におい
て、ダイレータがシースのルーメン内に挿入された状態
を示す断面図である。ダイレータハブ14とシースハブ
4が嵌合され、ダイレータ12がダイレータ挿入口6及
び止血弁8を通じてシースのルーメン1内に挿入されて
いる。ダイレータの遠位端15はシースの遠位端5から
突出し、シースの遠位端の内壁が、ダイレータの縮径部
分18の外壁に密着している。図5は、ダイレータの遠
位端近傍の部分断面図である。ダイレータの遠位端に
は、遠位端から近位端方向に向かって、しだいに拡径す
る第一拡径部分16、第一拡径部分よりも緩やかにしだ
いに拡径する第二拡径部分17及びしだいに縮径する縮
径部分18が構成され、さらに外径がほぼ一定の寸胴部
分19に連続している。ダイレータの大きさ及び形状
は、使用する患部に応じて適宜選定することができる
が、通常は、第一拡径部分の長さが0.5〜10mm、第
二拡径部分が4.5〜90mm、第一拡径部分と第二拡径
部分の合計の長さが5〜100mmであり、縮径部分の長
さが0.5〜50mmであることが好ましい。ダイレータ
の外径は、第一拡径部分の開始端において0.5〜3mm
であり、第一拡径部分と第二拡径部分の境界において
0.6〜4mmであり、第二拡径部分と縮径部分の境界に
おいて0.7〜8mmであることが好ましい。縮径部分と
寸胴部分の境界における外径は、寸胴部分の外径に等し
く、0.5〜7.5mmであることが好ましく、2〜7.5m
mであることがより好ましい。第一拡径部分の両端の外
径の差すなわち第一拡径部分における拡径量は0.1〜
1mmであり、第二拡径部分の両端の外径の差すなわち第
二拡径部分における拡径量は0.1〜4mmであり、縮径
部分の両端の外径の差すなわち縮径部分における縮径量
は0.01〜3mmであることが好ましく、縮径部分にお
ける縮径量は0.03〜0.07mmであることがより好ま
しい。第一拡径部分の開始端、第一拡径部分と第二拡径
部分の境界及び第二拡径部分と縮径部分の境界は、稜線
を形成することなく、なだらかな曲面で連続することが
好ましい。これらの開始端及び境界をなだらかな曲面で
連続することにより、医用挿入補助具を血管内へ挿入す
る際の挿入抵抗を低減することができる。
【0008】図6は、ダイレータがシースのルーメン内
に挿入された状態のダイレータの遠位端近傍の部分断面
図である。ダイレータの遠位端15がシースの遠位端5
から突出し、ダイレータの縮径部分18において、シー
スが押し広げられ、シースの遠位端5の内壁が、ダイレ
ータの縮径部分18の外壁に密着している。シースの遠
位端の内壁とダイレータの縮径部分の外壁の密着する部
分の長さは、1mm以上であることが好ましい。従来の医
用挿入補助具の生体組織への挿入時の挙動を観察したと
ころ、挿入補助具を曲げると、ダイレータとシースとの
曲げ性に差があるために、シースの遠位端がダイレータ
の外壁から離れる。そのため、シースの遠位端が挿入時
に生体組織に衝突し、挿入抵抗が増加することが確認さ
れた。本発明の医用挿入補助具の挿入時の挙動を観察す
ると、挿入補助具を曲げてもシースの遠位端はダイレー
タの外壁に密着した状態が保たれることが確認された。
本発明の医用挿入補助具において、生体組織への挿入時
の挿入抵抗が低減する理由は、このようにシースの遠位
端が生体組織の孔壁に衝突することなく挿入されるため
と考えられる。シースの遠位端の内壁が、ダイレータの
縮径部分の外壁に密着し、且つ、ダイレータの拡径部分
の径が太く、ダイレータの遠位端が曲がりにくくなって
いるので、ダイレータとシースの曲げ性が同程度にな
る。本発明の医用挿入補助具を曲げて挿入しても、シー
スの遠位端がダイレータから離れないので、挿入抵抗が
小さくなる。
【0009】
【発明の効果】本発明の医用挿入補助具によれば、曲げ
られた状態においてシース遠位端がダイレータ外壁から
離れないから、シースの遠位端が生体組織に衝突するこ
とがないので、生体組織へ挿入時の抵抗が小さく、患者
に不快感や疼痛を与えることがなく、生体組織を傷つけ
るおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医用挿入補助具の一態様のシ
ース部の断面図である。
【図2】図2は、止血弁の一態様の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の医用挿入補助具の一態様のダ
イレータ部の断面図である。
【図4】図4は、本発明の医用挿入補助具において、ダ
イレータがシースのルーメン内に挿入された状態を示す
断面図である。
【図5】図5は、ダイレータの遠位端近傍の部分断面図
である。
【図6】図6は、ダイレータがシースのルーメン内に挿
入された状態のダイレータの遠位端近傍の部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ルーメン 2 シース 3 中空部 4 シースハブ 5 シースの遠位端 6 ダイレータ挿入口 7 分岐管 8 止血弁 9 円盤状の弾性体 10 スリット 11 ルーメン 12 ダイレータ 13 中空部 14 ダイレータハブ 15 ダイレータの遠位端 16 第一拡径部分 17 第二拡径部分 18 縮径部分 19 寸胴部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルーメンを有する管形状のシース、該シー
    スの近位端に接続されシースのルーメンと連通する中空
    部を有するシースハブ、ルーメンを有する管形状のダイ
    レータ及び該ダイレータの近位端に接続されダイレータ
    のルーメンと連通する中空部を有するダイレータハブを
    有し、ダイレータがシースのルーメン内に挿入し、ダイ
    レータ及びシースを曲げたときに、シースの遠位端の内
    壁がダイレータの外壁に密着していることを特徴とする
    医用挿入補助具。
  2. 【請求項2】ルーメンを有する管形状のシース、該シー
    スの近位端に接続されシースのルーメンと連通する中空
    部を有するシースハブ、ルーメンを有する管形状のダイ
    レータ及び該ダイレータの近位端に接続されダイレータ
    のルーメンと連通する中空部を有するダイレータハブを
    有し、ダイレータが、ダイレータの遠位端から近位端方
    向に向かって、しだいに拡径する第一拡径部分、第一拡
    径部分よりも緩やかにしだいに拡径する第二拡径部分、
    しだいに縮径する縮径部分及び外径がほぼ一定の寸胴部
    分からなり、ダイレータがシースのルーメン内に挿入で
    き、シースの遠位端の内壁がダイレータの縮径部分の外
    壁に密着し得ることを特徴とする医用挿入補助具。
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