JPH08182765A - イントロデューサー - Google Patents

イントロデューサー

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JPH08182765A
JPH08182765A JP6339285A JP33928594A JPH08182765A JP H08182765 A JPH08182765 A JP H08182765A JP 6339285 A JP6339285 A JP 6339285A JP 33928594 A JP33928594 A JP 33928594A JP H08182765 A JPH08182765 A JP H08182765A
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JP
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sheath
layer
hub
introducer
dilator
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JP6339285A
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English (en)
Inventor
Kyoko Minami
京子 南
Hiroto Kidokoro
広人 木所
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シースがキンクし難く、生体管腔への挿入が
容易なイントロデューサーを提供する。 【構成】 先端から後端まで連通するルーメンを有する
シースと、中空構造のハブとを備えるイントロデューサ
ーであって、シースは可撓性の材料から形成される二層
管で内層が硬質ポリエチレンなどの硬い材料で外層がポ
リウレタンなどの柔らかい材料で形成されシースの先端
部は内層が露出するようにテーパー状に形成されてお
り、ハブはその先端がハブの中空部とシースのルーメン
とが連通するようにシースの後端に連接してなり、ダイ
レーターがハブ後端からシース先端までに挿通してなる
イントロデューサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイントロデューサーに関
し、さらに詳しくは、生体管腔への挿入が容易なイント
ロデューサーに関する。
【0002】
【従来の技術】医療において、カテーテルのごときチュ
ーブを生体管腔に挿入し、生体の治療を行うことは、一
般的になってきている。カテーテルを生体管腔に挿入す
る一手段として、先ず、セルジンガー針のごとき穿刺針
を経皮的に生体管腔に差込み、穿刺針の内管に後端から
ガイドワイヤーを挿入し、穿刺針を抜き去り、次いでガ
イドワイヤーに沿って、イントロデューサーを挿入して
経皮挿入口を広げ、ガイドワイヤーを抜き去り、最後に
カテーテルをイントロデューサーを通して挿入する方法
がある。この方法に用いられるイントロデューサーに
は、経皮的に生体管腔に挿入する際に、シースがキンク
しないこと、生体管腔の曲がりに併せて挿入できるこ
と、永久伸び及び吸湿性が小さいことなどが要求され
る。従来のイントロデューサーは、そのシースがナイロ
ン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリウレタン等の材
料で形成されているものが知られている。しかし、従来
のイントロデューサーはシースの部分がキンクを起こし
やすく、挿入性が十分でなく、永久伸び及び吸湿性も十
分に小さいものでなかった。また、シースの先端部開口
が挿入時に押し広げられ挿入抵抗が大きくなるという問
題があった。そこで、シースの近位端部側にコイル体を
配設したもの(特開昭61−71065号公報)、シー
ス遠位端部を近位端部よりも柔らかい材質のものとした
もの(特開昭63−133245号公報)、シースの壁
部に弾性線材を埋め込んだもの(特開平1−58263
号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のイントロデューサーよりも、シースがキンクし難く、
生体管腔へ挿入しやすくしたイントロデューサーを提供
することにある。本発明者らは、この目的を達成すべく
鋭意研究を行った結果、内層が外層よりも硬い材料で形
成された多層管で、先端部においては内層が露出してい
るシースを備えるイントロデューサーを用いることによ
って、前記目的を達成できることを見いだし、この知見
に基いて本発明を完成するに到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1) 先端から後端まで連通するルーメンを有す
るシースと、中空構造のハブとを備えるイントロデュー
サーであって、シースは、可撓性の材料から形成される
多層管で、該管壁の半径方向に対して最内側層が最も硬
く最外側層が最も柔らかくなるように形成されており、
シースの先端部は最内側層が露出しており、ハブはその
先端がハブの中空部とシースのルーメンとが連通するよ
うにシースの後端に連接してなることを特徴とするイン
トロデューサーが提供される。
【0005】また、本発明によれば(2) ハブ後端か
らシース先端へダイレーターを挿通してなることを特徴
とする前記(1)のイントロデューサーが提供される。
【0006】本発明の好適な態様として以下のごときも
のが提供される。すなわち、 (3) シースの最内側層に使用する材料の曲げ弾性率
が、3000〜25000kgf/cm2であり、最外
側層に使用する材料の曲げ弾性率が、1000〜800
0kgf/cm2であり、最内側層に使用する材料は最
外側層に使用する材料に比べ、その曲げ弾性率が、50
0kgf/cm2以上大きいことを特徴とする前記
(1)または(2)のイントロデューサー。 (4) 最内側層と最外側層との重量比が1:5〜5:
1であり、シース全体に閉める最内側層及び最外側層の
重量割合が5〜100%であることを特徴とする前記
(1)または(2)のイントロデューサー。
【0007】(5) ハブの中空部に止血弁を設けてな
ることを特徴とする前記(1)または(2)のイントロ
デューサー。 (6) シース先端部を有機溶剤に浸漬して硬化させて
なることを特徴とする前記(1)または(2)のイント
ロデューサー。 (7) シースの後端部の管壁に芯材を埋め込んである
ことを特徴とする前記(1)または(2)のイントロデ
ューサー。
【0008】(8) ハブの中空部が、ハブ後端からハ
ブ先端に向かって漸次その内径が小さくなるようなテー
パー形状の内面を有するものであることを特徴とする前
記(1)または(2)のイントロデューサー。 (9) ハブの中空部とシースのルーメンとが連通する
ようにハブの先端部をシースの後端部に嵌入させてなる
ことを特徴とする前記(1)または(2)のイントロデ
ューサー。 (10) ハブ先端部とシース後端部とが連接される部
分の外側に可撓性の材料からなる層を被覆してなること
を特徴とする前記(1)又は(2)のイントロデューサ
ー。
【0009】(11) ハブがハブの中空部と連通する
ルーメンを有する分岐管を備えてなることを特徴とする
前記(1)または(2)のイントロデューサー。 (12) 分岐管のルーメンがハブ中空部の内壁に開口
する部分の周囲に盛り上げ部を設けてなることを特徴と
する前記(11)のイントロデューサー。 (13) 分岐管のルーメンがハブ中空部の内壁に開口
する部分に防護柵を設けてなることを特徴とする前記
(11)のイントロデューサー。 なお、本発明のイントロデューサーは、前記(3)〜
(13)のいずれかの特徴を兼ね備えたものであっても
よい。
【0010】本発明のイントロデューサーは、可撓性の
材料から形成される多層管からなるシースを有する。シ
ースはカテーテルやガイドワイヤー等が挿通可能になっ
ている。シースの管壁は、その半径方向に対して最内側
層が最も硬く最外側層が最も柔らかくなるように形成さ
れている。
【0011】シースに使用する材料としては、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、弗素樹脂、AB
S樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラスト
マー、スチレン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。管壁の
半径方向に対して最内側層が最も硬く最外側層が最も柔
らかくなるように、上記材料を適宜組み合せて形成す
る。
【0012】最内側層が最も硬く最外側層が最も柔らか
くなるように形成した管は、硬い材料と柔らかい材料と
で複合押出成形するか、硬い材料で押出成形した後、硬
い材料で成形したものの表面を柔らかい材料で覆うよう
に押出成形するか、硬い材料で押出成形した後、柔らか
い材料の溶液に浸漬して表面を覆うようにするか、硬い
材料で押出成形した後、柔らかい材料の溶液を塗布して
表面を覆うようにするかなどすればよい。
【0013】なお、管壁を同一の材料で形成する場合で
あっても、最外側層に使用する材料に造影剤、充填剤な
どを配合することによって最内側層が最も硬く、最外側
層が最も柔らかい管を得ることができる。造影剤等の量
は、通常、シース全体の重量に対して5〜50重量%で
ある。
【0014】本発明のイントロデューサーのシースの最
内側層に使用する硬い材料の曲げ弾性率は、通常、30
00〜25000kgf/cm2であり、最外側層に使
用する柔らかい材料の曲げ弾性率は、通常、1000〜
8000kgf/cm2である。最内側層に使用する材
料は最外側層に使用する材料に比べ、その曲げ弾性率
が、通常、500kgf/cm2以上大きい。曲げ弾性
率は、材料から長さl=60mm、幅b=3mm、厚さ
h=2mmの試験片を打ち抜き、支点間距離L=40m
m、荷重速度2mm/分、気温23℃、相対湿度50%
の条件で加圧クサビにより応力撓み試験を行って応力−
撓み曲線を求め、その曲線の最初の直線部分から加圧ク
サビによる荷重F[N]と荷重FにおけるたわみY[m
m]とを読み取り、式1により曲げ弾性率Efを計算し
て求めた値である。
【0015】
【数1】
【0016】本発明のイントロデューサーのシースにお
いては最内側層と最外側層との間に中間層を設けても設
けなくてもよいが、中間層を設けた場合には、中間層の
曲げ弾性率が最内側層の曲げ弾性率と最外側層の曲げ弾
性率との中間程度のものにし、最内側層、中間層、最外
側層の順に柔らかくなるように形成することが好まし
い。
【0017】シースの最内側層と最外側層との重量比
は、通常、1:5〜5:1、好ましくは1:2〜2:1
である。最内側層の比率が小さくなると生体管腔の曲が
りに追随して挿入することが困難になり、またシース先
端の開口が広がりやすくなり挿入性が低下する。逆に最
内側層の比率が大きくなると、キンク限界曲げ角度が大
きくなるので医療操作中にシースがキンクしやすくな
る。シースに占める最内側層及び最外側層の重量割合
は、通常、5〜100%であり、中間層の重量割合は、
通常、95%以下である。
【0018】シースの内径は、通常、1〜6mmであ
り、シースの最内側層と最外側層とを合わせた(中間層
が在る場合は中間層も含めた)肉厚は、通常、0.1〜
0.6mmである。シースの長さは、挿入される生体管
腔により異なるが、通常、50〜1000mmである。
なお、カテーテルを生体管腔に差し込んだ状態のままで
は、通常、イントロデューサーを抜き取ることはできな
いので、シースの軸方向に沿って容易に引き裂くことが
できるような溝あるいは材質部分を設け、イントロデュ
ーサーが不要になったときには、シースを引き裂いて取
り除くことができるように(いわゆる、ピールオフタイ
プに)なっていてもよい。キンク限界曲げ角度を小さく
するためにシースの後端部の管壁にコイル体または網体
のごとき芯材を埋め込むこともできる。また、カテーテ
ルの挿入抵抗を低くするためにシースの内壁に潤滑性材
料からなる層を設けることが好ましい。
【0019】シースの先端部は最内側層が露出してい
る。最内側層を露出することによってシースの先端部を
他の部分に比べ硬くすることができる。最内側層を露出
するためには、外側層を最内側層から剥すか(図3
(B))、シース先端部を先細になるようにテーパー状
に切断するか(図3(A))などすればよい。最内側層
を露出させる範囲は、通常、シース先端から0.1〜5
0mm離れた位置までである。露出範囲が広くなるとシ
ースがキンクしやすくなる。
【0020】
【作用】本発明のイントロデューサーを生体管腔内に挿
入するには、セルジンガー針のごとき穿刺針を経皮的に
生体管腔に差込んで小さい挿入口を形成した後、穿刺針
の内管に後端からガイドワイヤーを挿入して穿刺針を抜
き去り、次いでガイドワイヤーに沿ってイントロデュー
サーを挿入して経皮挿入口を広げ、ガイドワイヤーを抜
き去る。次いで、このイントロデューサーを通してカテ
ーテルを導入する。
【0021】なお、ハブ後端からシース先端へダイレー
ターを挿通してなるイントロデューサーにおいては、穿
刺針で小さい挿入口を形成した後、前記のごとくガイド
ワイヤーに沿って挿入することもできるが、そのまま挿
入することも可能である。
【0022】本発明のイントロデューサーは最内側層が
最も硬くなっているので、イントロデューサー後端部の
操作力が先端部に伝わり生体管腔の曲がりに併せて屈曲
させて挿入できる。最外側層が最も柔らかい材料で形成
されているので、キンクする限界の曲げ角度が小さく通
常の医療操作で掛かる力によってはキンクを起こすこと
が少なくなる。
【0023】シースの先端部は最内側層が露出し、最外
側層及び中間層が存在しないので、先端部は他の部分に
比べ硬くなっており皮膚への突き刺しが容易になり挿入
性が改善される。
【0024】また、先端部が前記のごとく硬質材料から
なる最内側層が露出しているので挿入性を改善するため
の先端部を薄肉テーパー状に形成しても先端開口が挿入
時に押し広げられることがなく挿入の抵抗が高くならな
い。
【0025】
【実施例】本発明のイントロデューサーを、図面に示す
実施例に基づき説明する。図1は本発明の第一実施例に
係るイントロデューサーの一部破壊図、図2は本発明の
第二実施例に係るイントロデューサーの一部破壊図、図
3は本発明イントロデューサーのシース先端部の態様を
示す図である。
【0026】[第一実施例]本発明の第一実施例に係る
イントロデューサーについて説明する。本実施例のイン
トロデューサーは先端から後端まで連通するルーメンを
有するシース1と中空構造のハブ2とを備えるものであ
る。
【0027】第一実施例に係るイントロデューサーのシ
ース1は、可撓性の材料から形成される二層管であり、
カテーテルやガイドワイヤー等が挿通可能になってい
る。シースの内層3は外層5よりも硬い材料で形成され
ている。
【0028】内層3に使用する材料としては、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、硬質ポ
リプロピレン、硬質ポリエチレン、ポリイミド、硬質弗
素樹脂、ABS樹脂、ポリスチレンなどが挙げられる。
内層に使用する硬質材料の曲げ弾性率は、通常、300
0〜25000kgf/cm2である。
【0029】外層5に使用する材料としては、ポリウレ
タン、軟質ポリエチレン、軟質ポリプロピレン、軟質弗
素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミドエラストマー、ポ
リオレフィンエラストマー、スチレン系エラストマー、
エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。外層
に使用する軟質材料の曲げ弾性率は、通常、1000〜
8000kgf/cm2である。
【0030】なお、内層と外層とに使用する材料が同じ
ものであっても、外層に使用する材料に造影剤、充填剤
などを配合することによって内層が硬く、外層が柔らか
い多層管を得ることができる。また、内層に使用する材
料は外層に使用する材料に比べ、その曲げ弾性率が、通
常、500kgf/cm2以上大きくなっている。50
0kgf/cm2未満では、イントロデューサーの挿入
性が十分に改善されない。
【0031】本実施例においては、内層に使用する材料
の加熱流動開始温度と、外層に使用する材料の加熱流動
開始温度との差が、通常、50℃以下である。内層に使
用する材料が外層に使用する材料に比べその加熱流動開
始温度の差が大きいと押出成形後、内層と外層との界面
が剥離しやすくなる。加熱流動開始温度の差が50℃を
超えるような材料を組み合わせる場合には、内層と外層
との間に中間層を設けることにより内層と外層との剥離
を防ぐことができる。
【0032】シースの内層と外層との重量比は、通常、
1:5〜5:1、好ましくは1:2〜2:1である。内
層の比率が小さくなると生体管腔の曲がりに追随して挿
入することが困難になり、またシース先端の開口が広が
りやすくなり挿入性が低下する。逆に内層の比率が大き
くなると、キンク限界曲げ角度が大きくなるので医療操
作中にシースがキンクしやすくなる。
【0033】シースの内径は、通常、1〜6mmであ
り、シースの内層と外層とを合わせた(中間層が存在す
る場合は中間層も含めた)肉厚は、通常、0.1〜0.
6mmである。シースの長さは、挿入される生体管腔に
より異なるが、通常、50〜1000mmである。な
お、カテーテルを生体管腔に差し込んだ状態のままで
は、通常、イントロデューサーを抜き取ることはできな
いので、シースの軸方向に沿って容易に引き裂くことが
できるような溝あるいは材質部分7を設け、イントロデ
ューサーが不要になったときにはシースを引き裂いて取
り除くことができるよう(いわゆる、ピールオフタイ
プ)になっていてもよい。キンク限界曲げ角度を小さく
するためにシースの後端部の管壁にコイル体または網体
を埋め込むこともできる。また、カテーテルの挿入抵抗
を低くするためにシースの内壁に潤滑性材料を塗布また
は含浸することが好ましい。
【0034】第一実施例においてはシースの先端部はテ
ーパー状に形成され内層が露出している。内層を露出す
ることによってシースの先端部を他の部分に比べ硬くす
ることができる。内層を露出するためには、シース先端
部の外層を内層から剥すか(図3(B))、シース先端
部を先細になるようにテーパー状に切断するか(図3
(A))などすればよい。内層を露出させる範囲は、シ
ース先端から、通常、0.1〜50mm離れた位置まで
である。シースの先端部には必要に応じてバルーン、セ
ンサー、側孔、電極などを設けることにより、通常のカ
テーテルと同様に生体管腔内で治療、診療等を行なうこ
ともできる。
【0035】内層が硬く、外層がそれより柔らかい材料
からなる二層管は、硬い材料と柔らかい材料とで複合押
出成形するか、硬い材料で押出成形した後、柔らかい材
料で前記硬い材料で成形したものの表面を覆うように押
出成形するかなどすればよい。
【0036】ハブ2は中空構造のものであり、カテーテ
ルの挿入性を高めるために、ハブの中空部の内面がハブ
後端からハブ先端にかけ漸次その内径が小さくなるよう
なテーパ形状をなしたものが好ましい。ハブ中空には生
体管腔から体液または血液がシースを通して吹き出して
くるのを防ぐために止血弁を設けるのが好ましい。この
止血弁は、例えば中央部に密着孔が形成してなる円盤な
どで構成されている。止血弁の密着孔は、通常、閉じて
いて、カテーテルを通すときにカテーテルの外径に相当
する大きさだけ開き、カテーテルを挿入できる。
【0037】ハブの材質はABS樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリ
エチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどから
選べばよい。ハブの硬度は、通常、ショア硬度50D以
上、好適には55D以上である。
【0038】ハブの側壁には中空部と連通するルーメン
を有する分岐管8を備えることが好ましい。この分岐管
を通して、血液などの体液の吸引、ヘパリンなどの薬液
や生理食塩水を注入することができる。分岐管のルーメ
ンがハブ中空部の内壁に開口する部分の周囲を盛り上げ
ることによってまたは防護柵を設けることによって、カ
テーテルやガイドワイヤーを誤って分岐管へ挿通するこ
とを防止できる。
【0039】なお、ハブには、前記ピールオフタイプに
するためにハブの軸方向に分割できるような裂け目を設
けてもよい。カテーテルの挿入抵抗を低くするためにハ
ブの内壁に潤滑性材料からなる層を設けることが好まし
い。潤滑性材料としてはシリコンオイル、グリセリン、
脂肪酸、界面活性剤、弗素オリゴマー、ポリビニルピロ
リドンなどが挙げられる。
【0040】ハブの先端はハブの中空部とシースのルー
メンとが連通するようにシースの後端に連接している。
ハブとシースとを連接するには、ハブ先端にシースを嵌
合可能な外径の長手状体に形成しこの長手状体にシース
を嵌合するか、ハブ先端とシース後端とを溶接または接
着するか、ハブ先端にシース後端部を嵌入し内面から環
状の留め具でシースを挟持するか、ハブ先端をシース後
端部に嵌入し外面から環状の留め具でシースを挟持する
かなどの手段により行うことができる。
【0041】シースがキンクするのを防止するためにハ
ブとシースとの連接部の外側に可撓性の材料からなる層
6を被覆することが好ましい。キンク防止のための可撓
性材料としてはポリウレタン、ポリ塩化ビニル、スチレ
ン−ブタジエン系ブロック共重合体水素付加物などが挙
げられる。このうち、スチレン−ブタジエン系ブロック
共重合体水素付加物が好適である。
【0042】[第二実施例]本発明の第二実施例に係る
イントロデューサーについて説明する。本実施例のイン
トロデューサーは、第一実施例と同様にシースとハブと
を備え、さらにダイレーターが備えられている。シース
は第一実施例において説明したとおりのものであるが、
これに加えてシース先端の内径がシースの先端以外の部
分よりも小さく且つ後記のダイレーターの外径よりも小
さくなっている。また、挿入性を高めるために先端部を
有機溶剤に浸漬して硬化させている。
【0043】ハブは、第一実施例とほぼ同じ構成をなし
ているが、これに加えてダイレーターを挿通し固定する
ためにハブの後端周面に、これと後記ダイレーターのキ
ャップとの嵌合手段13が設けられている。本第二実施
例ではハブの外周にリング状の係合用凸部が形成してあ
り、キャップ部の内周に係合用凸部に嵌合可能な係合用
凹部が形成してある。係合用凸部の突出高さは、その外
径が、ハブの外径の、通常、10〜16%大きいことが
好ましい。ハブの外径は、キャップ部の内径に対して、
同等以上、好ましくは、3〜7%大きいことが好まし
い。
【0044】ダイレーターは、中空の管部14とダイレ
ーターキャップ11とダイレーターハブ12で構成され
ており、それらの内部を貫通するガイドワイヤー挿通孔
が形成してある。ダイレーター管部の基端にはダイレー
ターハブ及びダイレーターキャップが接着又は融着など
の手段により接合してある。ダイレーターの管部の材質
は、通常、弗素樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどから選べばよいが、好ましくは弗素樹脂
であり、管部の内径は、通常、0.6〜1mm、肉厚
は、通常、0.1〜2mmである。ダイレーター管部の
先端部は先端に向かって細くなるテーパー状に形成され
ている。ダイレーター管部はその構造を単層または多層
にすることができ、特に内層を硬い材料で形成し、外層
を内層より柔らかい材料で形成したものはダイレーター
のキンクが防止でき且つ生体管腔の曲がり追随性が良
い。ダイレーター管部の長さは、シースの先端からダイ
レーター管部の上記テーパー状に形成された部分が突き
出すように設計されている。
【0045】ダイレーターキャップ及びダイレーターハ
ブの材質はポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、天然ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体及びスチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体水素付加物などである。ダイレーターキャッ
プ部及びダイレーターハブ部の硬度は、通常、ショア硬
度90A以下、好適には85〜70Aである。
【0046】本第二実施例に係るイントロデューサーを
血管内に挿入するには、まず患者の皮膚の上から、外套
針(カニューラ)と内套針より構成される穿刺針(セル
ジンガー針)を突き刺し、その先端を血管内に位置させ
る。次に外套針を残したまま内套針を抜き取り、内套針
を抜きだした孔からガイドワイヤーを血管内へ挿入す
る。
【0047】次に、挿入したガイドワイヤーに沿って、
外套針を抜きだし、その後、ガイドワイヤーをダイレー
ターの挿通孔内に通し、このガイドワイヤーに沿って、
ダイレーターをシースに挿通して一体化したイントロデ
ューサーの先端部を血管の挿入口に差し込む。
【0048】シース内にダイレーターを挿通一体化させ
るために、本実施例では、ハブの後端からダイレーター
の管部を差込み、ダイレーター管部のテーパー状先端を
シースの先端から突き出させる。そしてダイレーターの
キャップ部をハブに押し込む。その結果、キャップ部の
内周に形成してある係合用凹部にハブの外周に形成して
ある係合用凸部が嵌合し、ダイレーターがシースに固定
一体化される。
【0049】本実施例のイントロデューサーを血管の挿
入口に押し込むと、ダイレーターの先端に形成してある
テーパ状先端部が血管の挿入口を押し広げる。さらにイ
ントロデューサーを押し込めばシース先端も血管内に挿
入される。本発明のイントロデューサーはシース先端部
の内層が露出しているので皮膚への突き刺し性が良好に
なり挿入性がよい。また、テーパー状に形成し薄肉化し
た先端部が硬い材料からなる最内側層で形成されている
ので挿入時にシース先端開口が押し広げられることがな
く挿入抵抗が高くならない。
【0050】その後、ダイレーターキャップ部を傾ける
などして、係合用凸部と係合用凹部との嵌合を解除し、
キャップ部をハブから外し、ダイレーターをガイドワイ
ヤーと共に引けば、ダイレーターとガイドワイヤーがシ
ースから引き抜かれる。その後、ハブ後端からカテーテ
ルを差し込めば、カテーテルは挿入抵抗なく滑らかに血
管内へ挿入される。
【0051】
【発明の効果】本発明のイントロデューサーは、内層が
硬く、外層が内層より柔らかい多層管からなるシースを
備えるものであるから、キンクをし難く、生体管腔の曲
がりに併せて挿入できる。またシース先端部は内層が露
出しているので、先端部が他の部分より硬いから皮膚へ
の突き刺し性がよい。また先端部を薄肉化しても挿入時
にシース先端開口が広がり難く挿入性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係るイントロデューサ
ーの一部破壊図
【図2】 本発明の第二実施例に係るイントロデューサ
ーの一部破壊図
【図3】 本発明のイントロデューサーのシース先端部
の態様を示す断面図
【符号の説明】
1・・・シース 2・・・ハブ 3・・・シース内層 5・・・シース外層 6・・・キンク防止層被覆部分 7・・・引き裂き部 8・・・分岐管 11・・・ダイレーターキャップ 12・・・ダイレーターハブ 13・・・ダイレーターキャップ部との嵌合手段 14・・・ダイレーター管部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端から後端まで連通するルーメンを有
    するシースと、中空構造のハブとを備えるイントロデュ
    ーサーであって、 シースは、可撓性の材料から形成される多層管で、該管
    壁の半径方向に対して最内側層が最も硬く最外側層が最
    も柔らかくなるように形成されており、シースの先端部
    は最内側層が露出しており、 ハブはその先端がハブの中空部とシースのルーメンとが
    連通するようにシースの後端に連接してなることを特徴
    とするイントロデューサー。
  2. 【請求項2】 ハブ後端からシース先端へダイレーター
    を挿通してなることを特徴とする請求項1記載のイント
    ロデューサー。
JP6339285A 1994-12-28 1994-12-28 イントロデューサー Pending JPH08182765A (ja)

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