JPH09223313A - 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置

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JPH09223313A
JPH09223313A JP2960096A JP2960096A JPH09223313A JP H09223313 A JPH09223313 A JP H09223313A JP 2960096 A JP2960096 A JP 2960096A JP 2960096 A JP2960096 A JP 2960096A JP H09223313 A JPH09223313 A JP H09223313A
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JP2960096A
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Seiichi Miyai
清一 宮井
Minehiro Sotozaki
峰広 外崎
Teiji Honjo
禎治 本庄
Shunji Amano
俊二 天野
Hiroshi Hayashi
弘志 林
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体を薄手化するとともに製造コス
トを削減するとともに周辺環境に対して悪影響を及ぼす
ことの無い磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の
製造装置の提供する。 【解決手段】 非磁性支持体の一方の面に磁性層が形成
され、この磁性層の上層に硬質カーボンによりなる保護
層が形成され、他方の面に硬質カーボンによりなるバッ
ク層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方法は、同一
成膜槽内で磁気記録媒体が保護層或いはバック層のいず
れか一方を成膜した後に連続的に他方の層を成膜するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造方法及び磁気記録媒体の製造装置に関し、特に保護槽
とバック層とを連続的に成膜する磁気記録媒体の製造方
法及び磁気記録媒体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオテープ、ビデオテ
ープ等の磁気テープとしては、酸化物磁性粉末あるいは
合金磁性粉末等の粉末磁性材料と塩化ビニル−酢酸ビニ
ル系共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
ウレタン樹脂等の有機バインダーを有機溶媒とともに分
散、混練した磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、乾燥
することにより作製される塗布型の磁気記録媒体が広く
使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりとともに、Co−Ni合金、Co−Cr合金、C
o−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエステルやポリアミド、ポリイミ
ド等の非磁性支持体上に直接被着することで作製され
る、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力や角形比等に優れるとともに、磁性層の厚みを極め
て薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著し
く小さく、短波長での電磁変換特性に優れる。また、そ
ればかりでなく、磁性層中に非磁性材であるバインダー
を混入する必要がないため磁性材料の充填密度を高める
ことができること等、数々の利点を有している。すなわ
ち、この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、磁気特性的
な優位さのため高密度磁気記録用の媒体として主流にな
ると考えられる。
【0005】なかでも、金属磁性材料を斜め方向から蒸
着することで磁性層を形成した、斜法蒸着タイプの磁気
記録媒体は、電磁変換特性にとりわけ優れ、大きな再生
出力が得られることから既に実用化されている。
【0006】このような磁気記録媒体には、非磁性支持
体、磁性層の他に、耐久性や走行性等の改善を目的とし
て、磁性層上に硬質カーボンよりなる保護層が設けられ
たり、非磁性支持体の磁性層が形成されている側とは反
対側の面に硬質カーボンよりなるバック層が設けられる
のが通常である。
【0007】保護層は、磁性層を磁気ヘッドとの摺動か
ら保護するためのものである。磁気記録媒体では、高密
度化に対応してスペーシングロスを抑えるために、表面
が一層平滑化される方向にある。しかし、磁性層表面が
平滑になると、ヘッドに対する接触面積が大きくなるた
めに、摩擦力が増大し、磁性層に生ずるせん断応力が大
きくなる。このような厳しい摺動条件から磁性層を保護
するために、上記保護層は重要である。
【0008】この保護層は、CVD法を用いたCVD装
置によって形成される。このCVD装置は、非磁性支持
体の磁性層が形成された面に対して硬質カーボンを用い
て保護層を形成する。CVD装置は、炭化水素系の反応
ガスを、例えばプラズマ雰囲気中に導入することにより
分解し、非磁性支持体の磁性層が形成された面に対して
被着させる。
【0009】また、バック層は、非磁性支持体表面の電
気抵抗を下げて帯電による走行不良を防止する。さら
に、バック層は、非磁性支持体の耐久性を上げ、使用中
の傷つき等の発生を防ぐ。さらにまた、バック層は、テ
ープ間の摩擦を小さくする等の目的から設けられるもの
である。したがって、テープの走行性、耐久性を向上さ
せるには、このバック層の形成が必須となる。
【0010】このバック層は、塗料を用いた塗布法によ
って形成されている。この塗布方法は、カーボン粒子等
の非磁性顔料や樹脂結合剤を有機溶媒とともに分散、混
練することで調製されたバック塗料を、非磁性支持体の
磁性層が形成される面と反対側の面に、塗布、乾燥する
ものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一方、磁気記録媒体
は、オーディオテープ、ビデオテープ等のテープカセッ
トに収容されて用いられるのが一般的であるが、このテ
ープカセット当たりの記録情報量を増大させるには、上
述のように記録密度を増大させるとともに、テープを薄
手化することでテープカセットに収容できるテープ長を
長くすることも必要である。
【0012】しかしながら、上述した手法は、バック層
を形成するために塗布法を用いていたために、バック層
の膜厚が厚くなっていた。この塗布法で形成されるバッ
ク層の厚さは、概ね0.5μm程度である。したがっ
て、従来の磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の
製造装置は、磁気記録媒体を薄手化する事が困難であ
り、磁気記録媒体を巻回する際、巻径が大きくなってし
まうといった問題点があった。
【0013】また、上述した手法では、保護層とバック
層とが別工程によって形成されていために、保護層を形
成するためのCVD装置とバック層を形成するための塗
布装置とが必要となっていた。したがって、従来の磁気
記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置は、装
置全体が大がかりなものとなってしまい、コストが高く
なってしまうといった問題点があった。
【0014】さらに、上述した手法は、バック層がカー
ボン粒子等の非磁性顔料や樹脂結合材を有機溶媒ととも
に分散、混練することで調整された塗料を用いていた。
したがって、従来の磁気記録媒体の製造方法及び磁気記
録媒体の製造装置は、有機溶剤の回収装置が必要である
とともに周辺環境に対して悪影響があるといった問題点
があった。
【0015】本発明は、上述した従来の磁気記録媒体の
製造方法及び磁気記録媒体の製造装置の問題点を解決
し、保護層とバック層とを同一の装置によって連続的に
形成することができ、磁気記録媒体の薄手化を実現する
とともに磁気記録媒体の製造に際してコストを削減する
とともに有機溶剤を用いずに周辺環境に対して悪影響を
及ぼすことの無い磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録
媒体の製造装置の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決した
本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体
の一方の面に磁性層が形成され、この磁性層の上層に硬
質カーボンによりなる保護層が形成され、他方の面に硬
質カーボンによりなるバック層が形成されてなる磁気記
録媒体の製造方法において、磁気記録媒体が同一成膜槽
内で保護層或いはバック層のいずれか一方を成膜した後
に連続的に他方の層を成膜することを特徴とする。
【0017】したがって以上のような磁気記録媒体の製
造方法は、成膜槽内で保護層とバック層とが連続的に形
成されることによって磁気記録媒体が形成される。
【0018】また、上述した問題点を解決した本発明に
係る磁気記録媒体の製造装置は、非磁性支持体の一方の
面に磁性層が形成され、この磁性層の上層に硬質カーボ
ンによりなる保護層が形成され、他方の面に硬質カーボ
ンによりなるバック層が形成されてなる磁気記録媒体の
製造装置において、密閉された空間部を形成する成膜槽
と、この成膜槽内に配設され、硬質カーボンによりなる
保護層を成膜する保護層成膜部と、この成膜槽内に配設
され、硬質カーボンによりなるバック層を成膜するバッ
ク層成膜部とを備える。
【0019】磁気記録媒体の製造装置は、磁気記録媒体
が成膜槽内に供給され、その一方の面が保護層成膜部に
対向し、他方の面がバック層成膜部に対向して配置され
るとともにその両面が硬質カーボンによって成膜される
ことを特徴とする。
【0020】したがって、以上のように構成された磁気
記録媒体の製造装置は、保護層成膜部とバック層成膜部
とが同一の成膜槽内に配設されており、保護層とバック
層とを連続的に形成する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置の好適な実施の
形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、
図1に示すように、縦型成膜装置1が用いられる。縦型
成膜装置1は、後述するテープ基板2に対して硬質カー
ボン膜からなる保護層と硬質カーボン膜からなるバック
層とを形成する。テープ基板2は、テープ状に形成され
た非磁性体からなる非磁性支持体の一方の面に磁性体か
らなる磁性層が形成されてなり、磁性層が形成された面
に保護層が形成されるとともに磁性層が形成された面と
反対の面にバック層が形成されてなる。この保護層とバ
ック層との形成には、気体のメタン、エチレン、ブタン
や液体のベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール
等の炭化水素が反応ガスとして用いられる。
【0023】テープ基板2には、非磁性支持体の材質と
して、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
類、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン
類、セルローストリアセテート,セルロースダイアセテ
ート,セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポ
リ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、
ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等の高分子
材料が用いられる。
【0024】また、テープ基板2には、磁性層として、
例えば金属磁性材料を薄膜形成手段によって非磁性支持
体上に直接被着することで形成される金属磁性薄膜が設
けられる。
【0025】この金属磁性材料としては、蒸着タイプの
磁気テープで通常使用されるものがいずれも使用可能で
ある。例えばFe、Co、Niなどの強磁性金属、Fe
−Co、Co−O、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、C
o−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn−Bi、Mn
−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−
Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−C
r等の強磁性合金が挙げられる。
【0026】これら金属磁性材料を成膜する手段として
は、真空下で金属磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体
上に沈着させる真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を
放電中で行うイオンプレーティング法、アルゴンを主成
分とする雰囲気中でグロー放電を起こし生じたアルゴン
イオンでターゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法
等、いわゆるPVD技術が挙げられる。
【0027】なお、テープ基板2は、金属磁性薄膜とし
て、上述した材料の単層膜であっても良いし多層膜であ
っても良い。また、テープ基板2は、非磁性支持体と金
属磁性薄膜との間及び多層膜である場合は各層間に、付
着力向上並びに抗磁力の制御等を目的として、下地層や
中間層を設けるようにしても良い。さらに、テープ基板
2は、金属磁性薄膜の表面近傍が耐食性改善等のために
酸化物になっていてもよい。
【0028】このように構成されたテープ基板2は、図
1に示すように、縦型成膜装置1によってその表面に保
護層とバック層とが形成される。縦型成膜装置1は、密
閉された空間部を形成する成膜槽3と、この成膜槽3内
に配設されて保護層を形成する保護層成膜部4と、この
成膜槽3内に配設されてバック層を形成するバック層成
膜部5とを備えて構成されている。
【0029】成膜槽3は、その内部が密閉されるように
形成され、外部に図示しない真空排気装置が付設されて
いる。成膜槽3は、この真空排気装置によって、その内
部が高度に真空状態が保持される。
【0030】また、成膜槽3には、その内部にテープ基
板2を走行させるテープ走行路が設けられている。テー
プ走行路は、送りロール10と、第1のキャン11と、
第2のキャン12と、巻取りロール13とから構成され
ている。また、テープ走行部には、テープ基板2を円滑
に走行させるために、第1のガイドローラ14及び第2
のガイドローラ15が設けられている。
【0031】送りロール10及び巻取りロール13は、
テープ基板2の幅寸法よりも大の高さ寸法を有して円筒
状に形成されている。これら送りロール10及び巻取り
ロール13は、成膜槽3内に上下方向に離間してそれぞ
れ回転自在に配設されるとともにテープ基板2が掛け合
わされて配設されている。
【0032】第1のキャン11は、送りロール10及び
巻取りロール13の内径よりも大の内径を有し、テープ
基板2の幅寸法よりも大の高さ寸法を有して円筒状に形
成されている。第1のキャン11は、送りロール10に
近接して回転自在に配設されるとともに送りロール10
から引き出されたテープ基板2が掛け合わされて配設さ
れている。
【0033】第2のキャン12は、送りロール10及び
巻取りロール13の内径よりも大の内径を有し、テープ
基板2の幅寸法よりも大の高さ寸法を有して円筒状に形
成されている。第2のキャン12は、巻取りロール13
に近接するとともに第1のキャン11に対して上方向に
位置するように回転自在に配設されるとともにテープ基
板2が第1のキャン11を介して掛け合わされて配設さ
れている。
【0034】この時、テープ基板2は、その非磁性支持
体からなる面が第1のキャン11の外周面に当接し、磁
性層が形成されている面が第2のキャン12の外周面に
当接するように掛け合わされている。
【0035】第1のガイドローラ14及び第2のガイド
ローラ15は、テープ基板2の幅寸法よりも大の高さ寸
法を有して円筒状に形成されている。第1のガイドロー
ラ14は、送りロール10と第1のキャン11との間に
回転自在に配設され、第1のキャン11に掛け合わされ
たテープ基板2に所定のテンションを付加している。第
2のガイドローラ15は、巻取りロール13と第2のキ
ャン12の間に回転自在に配設され、第2のキャン12
に掛け合わされたテープ基板2に所定のテンションを付
加している。
【0036】保護層成膜部4は、第1のキャン11のテ
ープ基板2が掛け合わされる部分に対向した位置に配設
され、反応管16と、この反応管16の内部に配設され
た電極板17とから構成されている。反応管16は、成
膜槽3の外部に設置された図示しない反応ガス供給装置
と導通されている。電極板17は、金属メッシュ等より
なり、成膜槽3の外部に設けられた直流電源部18に接
続されている。
【0037】バック層成膜部5は、第2のキャン12の
テープ基板2が掛け合わされる部分に対向した位置に配
設され、反応管19と、この反応管19の内部に配設さ
れた電極板20とから構成されている。反応管19は、
成膜槽3の外部に設置された図示しない反応ガス供給装
置と導通されている。電極板20は、金属メッシュ等よ
りなり、成膜槽3の外部に配置された交流電源部21に
接続されている。
【0038】上述のように構成された縦型成膜装置1に
おいて、テープ基板2は、テープ走行路に掛け合わされ
て送りロール10から巻取りロール13へと図1中矢印
で示した方向に走行され、保護層成膜部4において保護
層が形成され、バック層成膜部5においてバック層が形
成される。
【0039】テープ基板2は、送りロール10から引き
出され、その非磁性支持体からなる面が第1のキャン1
1の外周面に当接するように掛け合わされる。この時、
反応管16は、その内部に上述した反応ガス供給装置よ
り反応ガスが供給されるとともに所定の電圧が直流電源
部18より電極板17に印加されることによって、電界
が発生する。これによって、反応ガスは、反応管16内
でプラズマ化されラジカル分解生成物となる。反応ガス
は、その主成分が炭化水素からなっているために、その
ラジカル分解生成物がラジカル反応を起こして硬質カー
ボン膜を形成する。
【0040】これよって、テープ基板2は、その磁性層
が形成されている面に硬質カーボン膜よりなる保護層が
形成される。この保護層は、テープ基板2の走行速度及
び反応ガスの供給量及び電界の強さを一定にすることに
よって、その厚みが一定となるように形成されている。
【0041】この時、テープ基板2は、第1のガイドロ
ーラ14により所定のテンションが負荷されることによ
って弛みが発生することなく第1のキャン11に掛け合
わされる。
【0042】その後、テープ基板2は、その磁気層が形
成された面が第2のキャン12の外周面に当接するよう
に掛け合わされる。この時、反応管19は、その内部に
反応ガス供給装置より反応ガスが供給されるとともに所
定の電圧が交流電源部21より電極板20に印加される
ことによって、電界が発生する。これによって、反応ガ
スは、反応管19内でプラズマ化されラジカル分解生成
物となる。反応ガスは、その主成分が炭化水素からなっ
ているため、ラジカル分解生成物がラジカル反応を起こ
して硬質カーボン膜を形成する。
【0043】これによって、テープ基板2は、その非磁
性支持体からなる面に硬質カーボン膜からなるバック層
が形成される。このバック層は、その厚みが保護層に対
して大とされ、テープ基板2の走行速度及び反応ガスの
供給量及び電界の強さを一定にすることによって、その
厚みが一定となるように形成されている。
【0044】この時、テープ基板2は、第2のガイドロ
ーラ15により所定のテンションが負荷されることによ
って弛みを発生させることなく第2のキャン12に掛け
合わされる。
【0045】そして、テープ基板2は、巻取りロール1
3に巻取られる。
【0046】しかしながら、本発明は、上述した実施の
形態に限定されるものではなく、図2に示すように、横
型成膜装置50であっても良い。なお、この横型成膜装
置50において、上述した縦型成膜装置1と同一の部材
について、同一の符号を付することによりその構成及び
動作の詳細な説明は省略する。
【0047】横型成膜装置50は、テープ走行路が送り
ロール51と、第1のキャン52と、第2のキャン53
と、巻取りロール54とを有して構成されている。
【0048】送りロール51は、テープ基板2の幅寸法
よりも大の高さ寸法を有する円筒状に形成され、成膜槽
3内部の横方向の一方の端面に近接して回転自在に設け
られている。
【0049】第1のキャン52は、送りロール51の内
径よりも大の内径を有し、テープ基板2の幅寸法よりも
大の高さ寸法を有する円筒状に形成されている。第1の
キャン52は、成膜槽3内部の略中心に回転自在に配設
されるとともに送りロール51から引き出されたテープ
基板2が掛け合わされて配設されている。
【0050】第2のキャン53は、送りロール51の内
径よりも大の内径を有し、テープ基板2の幅寸法よりも
大の高さ寸法を有する円筒状に形成されている。第2の
キャン53は、成膜槽3内部の他方の端面と第1のキャ
ン52との間に回転自在に配設されるとともにテープ基
板2が第1のキャン11を介して掛け合わされて配設さ
れている。
【0051】巻取りロール54は、送りロール51と略
同形に円筒状に形成され、他方の端面と第2のキャン5
3との間に回転自在に配設されている。
【0052】テープ基板2は、送りロール51から引き
出されて非磁性支持体からなる面が第1のキャン52の
外周面に当接ように掛け合わされ、略S字状を呈するよ
うに導かれ磁性層が形成された面が第2にキャン53の
外周面に当接するように掛け渡され、第2のキャン53
から巻取りロール54に巻き取られるるようにテープ走
行路を形成している。なお、保護層成膜部4は、第1の
キャン52のテープ基板2が掛け合わされる外周面に対
向した位置に配設されている。バック層成膜部5は、第
2のキャン53のテープ基板2が掛け合わされる外周面
に対向した位置に配設されている。
【0053】以上のように構成された横型成膜装置50
は、送りロール51から巻取りロール54へとテープ基
板2が走行される。これによって、テープ基板2は、保
護層成膜部4においてその磁性層が形成された面に保護
層が形成されるとともにバック層成膜部5においてその
非磁性支持体からなる面にバック層が形成される。
【0054】本発明は、上述したように縦型成膜装置1
及び横型成膜装置50がテープ基板2に保護層を形成し
た後に連続的にバック層を形成してなるものであった
が、係る構成に限定されるものではない。
【0055】すなわち、本発明は、縦型成膜装置1及び
横型成膜装置50がテープ基板2にバック層を形成した
後に連続的にバック層を形成するような構成であっても
良いことは勿論である。この場合、縦型成膜装置1及び
横型成膜装置50は、保護層成膜部4の位置とバック層
成膜部5の位置とが互換されて構成されればよい。この
時、テープ基板2は、その磁性層が形成された面が第1
のキャン11,52の外周面と当接し、その非磁性支持
体からなる面が第2のキャン12,53の外周面と当接
するように走行される。
【0056】また、本発明は、上述したように縦型成膜
装置1及び横型成膜装置50において、保護層成膜部4
内部に設けられた電極板17が直流電源部18と接続さ
れ、バック層成膜部5内部に設けられた電極板20が交
流電源部21と接続されて構成されていたが、係る構成
に限定されるものではない。
【0057】すなわち、本発明は、上述した保護層成膜
部4内部に設けられた電極板17に接続される電源が直
流電源部18或いは交流電源部21のいずれであっても
よく、バック層成膜部5内部に設けられた電極板20に
接続される電源が直流電源部18或いは交流電源部21
のいずれであってもよい。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録媒体の製造装置
では、密閉された成膜槽内に保護層成膜部とバック層成
膜部とを配設するこによって、単一の該製造装置によっ
て保護層とバック層とを連続的に形成することができ、
コストの削減をすることができる。
【0059】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法及び磁気記録媒体の製造装置では、バック層成膜部が
塗布法を用いずにバック層を形成することにより、磁気
記録媒体の薄手化を実現することができ、磁気記録媒体
を巻回する際、巻径を小さくすることができる。
【0060】さらに、本発明に係る磁気記録媒体の製造
方法及び磁気記録媒体の製造装置では、バック層形成部
が有機溶剤を用いることなくバック層を形成することに
より、有機溶剤の回収装置を必要とせず周辺環境に対し
て悪影響を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法に用いら
れる成膜装置の構成図である。
【図2】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法に用いら
れる他の成膜装置の構成図である。
【符号の説明】
1 縦型成膜装置、2 テープ基板、4 保護層成膜
部、5 バック層成膜部、11 第1のキャン、12
第2のキャン、50 横型成膜装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 俊二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 林 弘志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面に磁性層が形成
    され、この磁性層の上層に硬質カーボンによりなる保護
    層が形成され、他方の面に硬質カーボンによりなるバッ
    ク層が形成されてなる磁気記録媒体の製造方法におい
    て、 磁気記録媒体は、同一成膜槽内において保護層或いはバ
    ック層のいずれか一方を成膜した後に連続的に他方の層
    を成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記保護層は、CVD法或いはスパッタ
    法により成膜されることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記バック層は、CVD法或いはスパッ
    タ法により成膜されることを特徴とする請求項1記載の
    磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体の一方の面に磁性層が形成
    され、この磁性層の上層に硬質カーボンによりなる保護
    層が形成され、他方の面に硬質カーボンによりなるバッ
    ク層が形成されてなる磁気記録媒体の製造装置におい
    て、 密閉された空間部を形成する成膜槽と、 この成膜槽内に配設され、硬質カーボンによりなる保護
    層を成膜する保護層成膜部と、 この成膜槽内に配設され、硬質カーボンによりなるバッ
    ク層を成膜するバック層成膜部とを備え、 磁気記録媒体は、成膜槽内に供給され、その一方の面が
    保護層成膜部に対向し、その他方の面がバック層成膜部
    に対向して配置されるとともにその両面が硬質カーボン
    によって成膜されることを特徴とする磁気記録媒体の製
    造装置。
  5. 【請求項5】 上記保護層成膜部は、CVD装置或いは
    スパッタ装置を備えることを特徴とする請求項4記載の
    磁気記録媒体の製造装置。
  6. 【請求項6】 上記バック層成膜部は、CVD装置或い
    はスパッタ装置を備えることを特徴とする請求項4記載
    の磁気記録媒体の製造装置。
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