JP2843236B2 - 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法及び製造装置Info
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- JP2843236B2 JP2843236B2 JP5231761A JP23176193A JP2843236B2 JP 2843236 B2 JP2843236 B2 JP 2843236B2 JP 5231761 A JP5231761 A JP 5231761A JP 23176193 A JP23176193 A JP 23176193A JP 2843236 B2 JP2843236 B2 JP 2843236B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法及び製造装置並びにそれによる磁気記録媒体に関す
る。
法及び製造装置並びにそれによる磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体、例えば磁気テープには、
非磁性支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに
分散させた磁性塗料を塗布してなる従来からある塗布型
テープと、フィルム上に真空中で金属を蒸着してなるバ
インダーを全く含まない蒸着型テープとがある。
非磁性支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに
分散させた磁性塗料を塗布してなる従来からある塗布型
テープと、フィルム上に真空中で金属を蒸着してなるバ
インダーを全く含まない蒸着型テープとがある。
【0003】蒸着型テープは、磁性層にバインダーを含
まないことから磁性材料の密度を高められるため、高密
度記録に有望であるとされている。
まないことから磁性材料の密度を高められるため、高密
度記録に有望であるとされている。
【0004】現在発売又は開発されている蒸着型テープ
の主な構成は、図3に示すようになっている。
の主な構成は、図3に示すようになっている。
【0005】フィルム51は、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)、ポリイミド、アラミドなどが用いられて
いる。厚さは2〜50μmまでいろいろ用いられている。
フタレート)、ポリイミド、アラミドなどが用いられて
いる。厚さは2〜50μmまでいろいろ用いられている。
【0006】磁性層52は、フィルム51上に、真空蒸着法
を用いて、Co−Ni合金(80%−20%)を1500Åの厚
さで付着させている。尚、フィルム51と磁性層52との間
に結着性等の向上のためアンダーコート層を介在させる
こともある。
を用いて、Co−Ni合金(80%−20%)を1500Åの厚
さで付着させている。尚、フィルム51と磁性層52との間
に結着性等の向上のためアンダーコート層を介在させる
こともある。
【0007】トップコート層53は、磁性層52を保護し、
また記録・再生用ヘッドとの接触をスムーズにするため
の潤滑剤としての働きを持たせるためにコートする。コ
ートする方法はグラビア法又はダイ塗工法が用いられて
いる。成分はフッ素系の潤滑剤で、パーフルオロポリエ
ーテル(例えばモンテジソン社製の商品名「ホンブリ
ン」)が用いられている。
また記録・再生用ヘッドとの接触をスムーズにするため
の潤滑剤としての働きを持たせるためにコートする。コ
ートする方法はグラビア法又はダイ塗工法が用いられて
いる。成分はフッ素系の潤滑剤で、パーフルオロポリエ
ーテル(例えばモンテジソン社製の商品名「ホンブリ
ン」)が用いられている。
【0008】バックコート層54は、カーボンブラック
(粒径10〜 100nm)をバインダー(塩ビ系、ウレタン
系、硝化綿系などを単独又は混合して用いる)中に分散
させ、グラビア法、リバース法又はダイ塗工方式で、乾
燥後の厚さが 0.4〜 1.0μmになるように、フィルム51
の磁性層52の蒸着面とは反対側の面に塗布する。
(粒径10〜 100nm)をバインダー(塩ビ系、ウレタン
系、硝化綿系などを単独又は混合して用いる)中に分散
させ、グラビア法、リバース法又はダイ塗工方式で、乾
燥後の厚さが 0.4〜 1.0μmになるように、フィルム51
の磁性層52の蒸着面とは反対側の面に塗布する。
【0009】ここで、バックコート層の主な役割として
は、下記の点が挙げられる。
は、下記の点が挙げられる。
【0010】(1)導電性を持たせることによって、帯
電防止効果で、ゴミの付着を防止する。 (2)表面性(摩擦係数)をコントロールして、走行安
定性を得る。 (3)硬さなどの点で、表の磁性層と裏とのバランスを
とって、反りの発生を防止する。 従来は、バックコート層として、カーボンをバインダー
に分散させた塗料を塗布しており、上記(1)をカーボ
ンの導電性により、上記(2)をカーボンの粒径と塗布
工程のコントロールにより、上記(3)をバインダーと
塗布厚のコントロールにより、それぞれ満足させてい
た。
電防止効果で、ゴミの付着を防止する。 (2)表面性(摩擦係数)をコントロールして、走行安
定性を得る。 (3)硬さなどの点で、表の磁性層と裏とのバランスを
とって、反りの発生を防止する。 従来は、バックコート層として、カーボンをバインダー
に分散させた塗料を塗布しており、上記(1)をカーボ
ンの導電性により、上記(2)をカーボンの粒径と塗布
工程のコントロールにより、上記(3)をバインダーと
塗布厚のコントロールにより、それぞれ満足させてい
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おいては、蒸着型テープにおいても、バックコート層は
塗布型となっており、バックコート層を先に塗布してか
ら、磁性層を真空蒸着すると、真空系でバックコート層
からの脱ガス(バインダーの溶剤から発生する)を生
じ、真空度が落ちる結果、蒸着がうまくいかない。
おいては、蒸着型テープにおいても、バックコート層は
塗布型となっており、バックコート層を先に塗布してか
ら、磁性層を真空蒸着すると、真空系でバックコート層
からの脱ガス(バインダーの溶剤から発生する)を生
じ、真空度が落ちる結果、蒸着がうまくいかない。
【0012】そこで、従来においては、真空中で磁性層
を蒸着した後、大気中にテープを取出してから、バック
コート層を塗布している。
を蒸着した後、大気中にテープを取出してから、バック
コート層を塗布している。
【0013】しかし、この方法では、バックコート層を
塗布する工程で、磁性層が傷ついたり、汚れたり、ゴミ
が付着して、ドロップアウト検査(磁気テープを検査用
のカセットデッキに入れて一定の信号を記録しつつ再生
し、テープ表面の傷や異物の付着などによる再生信号の
欠落であるところのドロップアウトを検出する検査)に
おいて、ドロップアウト数を増加させるという問題点が
あった。
塗布する工程で、磁性層が傷ついたり、汚れたり、ゴミ
が付着して、ドロップアウト検査(磁気テープを検査用
のカセットデッキに入れて一定の信号を記録しつつ再生
し、テープ表面の傷や異物の付着などによる再生信号の
欠落であるところのドロップアウトを検出する検査)に
おいて、ドロップアウト数を増加させるという問題点が
あった。
【0014】また、カーボンブラックは導電性は良好で
あるが、バインダーを入れるため、導電性が低下してし
まい、帯電防止効果が低下するという問題点があった。
あるが、バインダーを入れるため、導電性が低下してし
まい、帯電防止効果が低下するという問題点があった。
【0015】尚、どのぐらいの導電性が必要かと言え
ば、抵抗値(表面電気抵抗)として、107 Ω/□以下と
言われている(市販の8mmビデオテープの場合)。実
際のテープでの値は106 Ω/□であるが、優れた値とは
言えない状態であり、より高い導電性が望まれている。
ば、抵抗値(表面電気抵抗)として、107 Ω/□以下と
言われている(市販の8mmビデオテープの場合)。実
際のテープでの値は106 Ω/□であるが、優れた値とは
言えない状態であり、より高い導電性が望まれている。
【0016】一方、前述したように、金属薄膜型の磁気
記録媒体のトップコート層にはフッ素系潤滑剤が繁用さ
れているが、フッ素系の潤滑剤は、200 ℃以上で分解す
るなど高温に弱く蒸気圧が低いため、真空中での塗布は
実質的に不可能であり、トップコート層は、やはり別途
空気中での塗布工程により形成されており、生産性を悪
くする原因の一つとなっていた。
記録媒体のトップコート層にはフッ素系潤滑剤が繁用さ
れているが、フッ素系の潤滑剤は、200 ℃以上で分解す
るなど高温に弱く蒸気圧が低いため、真空中での塗布は
実質的に不可能であり、トップコート層は、やはり別途
空気中での塗布工程により形成されており、生産性を悪
くする原因の一つとなっていた。
【0017】本発明は、このような実情に鑑み、非磁性
支持体上の磁性層蒸着面と反対側の面にバックコート層
を形成するに際し、或いは磁性層上にトップコート層を
形成するに際し、ゴミの付着等の問題を解決でき、しか
も性能面でも十分な性能が得られる磁気記録媒体を提供
し、また、金属薄膜型の磁気記録媒体を製造するあた
り、更に生産性を向上させることを目的とする。
支持体上の磁性層蒸着面と反対側の面にバックコート層
を形成するに際し、或いは磁性層上にトップコート層を
形成するに際し、ゴミの付着等の問題を解決でき、しか
も性能面でも十分な性能が得られる磁気記録媒体を提供
し、また、金属薄膜型の磁気記録媒体を製造するあた
り、更に生産性を向上させることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは上記
課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成する
に至った。
課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明を完成する
に至った。
【0019】すなわち本発明は、非磁性支持体の一方の
面に形成されたバックコート層と、該バックコート層が
形成されている面と反対の面に形成された磁性層と、該
磁性層上に形成されたトップコート層とを有する磁気記
録媒体の製造において、前記磁性層、前記バックコート
層及びトップコート層を真空中で形成し、且つ前記トッ
プコート層を、液状のフッ素系潤滑剤を霧化して用い
て、或いは、液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することによ
り、形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
を提供するものである。この製造方法は、磁性層とバッ
クコート層或いは磁性層とトップコート層の二層を、又
は磁性層とバックコート層とトップコート層の三層を真
空中で形成する方法であるが、一の層を形成して次の層
を形成する間が真空状態であるかどうかは問わない。
面に形成されたバックコート層と、該バックコート層が
形成されている面と反対の面に形成された磁性層と、該
磁性層上に形成されたトップコート層とを有する磁気記
録媒体の製造において、前記磁性層、前記バックコート
層及びトップコート層を真空中で形成し、且つ前記トッ
プコート層を、液状のフッ素系潤滑剤を霧化して用い
て、或いは、液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することによ
り、形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
を提供するものである。この製造方法は、磁性層とバッ
クコート層或いは磁性層とトップコート層の二層を、又
は磁性層とバックコート層とトップコート層の三層を真
空中で形成する方法であるが、一の層を形成して次の層
を形成する間が真空状態であるかどうかは問わない。
【0020】このように磁性層と、トップコート層及び
/又はバックコート層を真空中で形成することにより、
ゴミの付着等の問題は生じない。尚、各層の形成は、連
続して行ってもよいし、工程を分けて一方の形成後にロ
ールに巻取ってからそのロールから巻出して他方の形成
を行ってもよい。分けて行う場合に途中で磁気記録媒体
が大気中に置かれるとしても、大気中ではロールに巻い
たままで巻出さなければ、ゴミの付着等の問題は生じな
い。
/又はバックコート層を真空中で形成することにより、
ゴミの付着等の問題は生じない。尚、各層の形成は、連
続して行ってもよいし、工程を分けて一方の形成後にロ
ールに巻取ってからそのロールから巻出して他方の形成
を行ってもよい。分けて行う場合に途中で磁気記録媒体
が大気中に置かれるとしても、大気中ではロールに巻い
たままで巻出さなければ、ゴミの付着等の問題は生じな
い。
【0021】また、本発明は、非磁性支持体の一方の面
に形成されたバックコート層と、該バックコート層が形
成されている面と反対の面に形成された磁性層と、該磁
性層上に形成されたトップコート層とを有する磁気記録
媒体の製造において、前記磁性層、前記バックコート層
及びトップコート層を、これらの層の形成工程を通して
真空状態を維持しつつ形成し、且つ前記トップコート層
を、液状のフッ素系潤滑剤を霧化して用いて、或いは、
液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することにより形成するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法を提供するもの
である。
に形成されたバックコート層と、該バックコート層が形
成されている面と反対の面に形成された磁性層と、該磁
性層上に形成されたトップコート層とを有する磁気記録
媒体の製造において、前記磁性層、前記バックコート層
及びトップコート層を、これらの層の形成工程を通して
真空状態を維持しつつ形成し、且つ前記トップコート層
を、液状のフッ素系潤滑剤を霧化して用いて、或いは、
液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することにより形成するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法を提供するもの
である。
【0022】この製造方法は、磁性層とバックコート層
或いは磁性層とトップコート層の二層を、又は磁性層と
バックコート層とトップコート層の三層を、これらの層
の形成工程を通じて、即ち、テープ巻出しからテープ巻
き取りまでの工程を通じて、途中で真空状態が途切れる
ことなく、連続的に形成する方法である。
或いは磁性層とトップコート層の二層を、又は磁性層と
バックコート層とトップコート層の三層を、これらの層
の形成工程を通じて、即ち、テープ巻出しからテープ巻
き取りまでの工程を通じて、途中で真空状態が途切れる
ことなく、連続的に形成する方法である。
【0023】本発明の磁気記録媒体の製造方法におい
て、バックコート層は、金属又は半金属を真空中で付着
させることにより形成することが好ましく、この場合、
酸化性ガスを導入しながら行なうが好ましい。バックコ
ート層を形成する金属としては、アルミニウムが好まし
い。
て、バックコート層は、金属又は半金属を真空中で付着
させることにより形成することが好ましく、この場合、
酸化性ガスを導入しながら行なうが好ましい。バックコ
ート層を形成する金属としては、アルミニウムが好まし
い。
【0024】本発明の磁気記録媒体の製造方法におい
て、トップコート層は、液状のフッ素系潤滑剤を噴霧す
ることが好ましく、特に、超音波を印加して霧化された
液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することによりトップコー
ト層を形成することが好ましい。また、潤滑剤として、
フッ素系潤滑剤が好ましい。
て、トップコート層は、液状のフッ素系潤滑剤を噴霧す
ることが好ましく、特に、超音波を印加して霧化された
液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することによりトップコー
ト層を形成することが好ましい。また、潤滑剤として、
フッ素系潤滑剤が好ましい。
【0025】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいて、磁性層は、鉄、鉄を主体とする強磁性合金及び
これらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。
おいて、磁性層は、鉄、鉄を主体とする強磁性合金及び
これらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる少なくとも
1種であることが好ましい。
【0026】以下に本発明の磁気記録媒体の製造方法に
ついて詳述する。
ついて詳述する。
【0027】〔バックコート層〕本発明の磁気記録媒体
の製造方法では、バックコート層を、真空中で金属又は
半金属を磁性層上に付着させることにより形成する。こ
こで、真空中で金属又は半金属を付着させる方法は限定
されないが、蒸着、スパッタリング等が挙げられる。
の製造方法では、バックコート層を、真空中で金属又は
半金属を磁性層上に付着させることにより形成する。こ
こで、真空中で金属又は半金属を付着させる方法は限定
されないが、蒸着、スパッタリング等が挙げられる。
【0028】また、単に金属又は半金属を付着させただ
けではバックコート層の表面が平滑すぎて走行安定性が
悪くなる場合があるので、そのような場合はバックコー
ト層の摩擦係数をコントロールするために付着するとき
に酸化性ガスを導入して、酸化作用により表面を粗くす
る。酸化性ガスとしては、酸素、空気、オゾン等が挙げ
られる。
けではバックコート層の表面が平滑すぎて走行安定性が
悪くなる場合があるので、そのような場合はバックコー
ト層の摩擦係数をコントロールするために付着するとき
に酸化性ガスを導入して、酸化作用により表面を粗くす
る。酸化性ガスとしては、酸素、空気、オゾン等が挙げ
られる。
【0029】ここで、バックコート層の表面電気抵抗が
金属を用いる場合は5〜105 Ω/□、特に 102〜103 Ω
/□となるように酸化性ガス導入量を設定することが望
ましい。また、半金属を用いる場合は 105〜108 Ω/
□、特に 106〜107 Ω/□となるように酸化性ガス導入
量を設定することが望ましい。
金属を用いる場合は5〜105 Ω/□、特に 102〜103 Ω
/□となるように酸化性ガス導入量を設定することが望
ましい。また、半金属を用いる場合は 105〜108 Ω/
□、特に 106〜107 Ω/□となるように酸化性ガス導入
量を設定することが望ましい。
【0030】すなわち、酸素等の酸化性ガスを導入する
ことにより、金属又は半金属の結合が弱まって、導電性
が低下するから、そのために、表面電気抵抗値を決め
て、酸化性ガス導入量を規制するのである。
ことにより、金属又は半金属の結合が弱まって、導電性
が低下するから、そのために、表面電気抵抗値を決め
て、酸化性ガス導入量を規制するのである。
【0031】金属バックコート層の場合、表面電気抵抗
値を5〜105 Ω/□とするのは、表面電気抵抗値が5Ω
/□より低い場合、酸素量が少なくてバックコート層の
摩擦係数が低くなりすぎてしまう。表面電気抵抗値が10
5 Ω/□より高いと、摩擦係数が高くなり過ぎてしまう
他、導電率が低下し過ぎて、ゴミの付着を招く恐れがあ
る。目標とすべきはおおよそ 102〜103 Ω/□である。
尚、中心線平均粗さでは、Ra=8〜20nmに相当す
る。
値を5〜105 Ω/□とするのは、表面電気抵抗値が5Ω
/□より低い場合、酸素量が少なくてバックコート層の
摩擦係数が低くなりすぎてしまう。表面電気抵抗値が10
5 Ω/□より高いと、摩擦係数が高くなり過ぎてしまう
他、導電率が低下し過ぎて、ゴミの付着を招く恐れがあ
る。目標とすべきはおおよそ 102〜103 Ω/□である。
尚、中心線平均粗さでは、Ra=8〜20nmに相当す
る。
【0032】バックコート層として付着する金属として
は、いろいろ考えられるが、Al,Cu,Zn,Sn,
Ni,Agなど及びこれらの合金が用いられる。但し、
価格、付着速度、酸化後の安定性の点から、Cu,Al
が最適であり、特にAlが好ましい。また、バックコー
ト層を形成する半金属としては、Si,Ge,As,S
c,Sbなどが用いられる。特に、価格、付着速度等の
点から、Siが最適である。
は、いろいろ考えられるが、Al,Cu,Zn,Sn,
Ni,Agなど及びこれらの合金が用いられる。但し、
価格、付着速度、酸化後の安定性の点から、Cu,Al
が最適であり、特にAlが好ましい。また、バックコー
ト層を形成する半金属としては、Si,Ge,As,S
c,Sbなどが用いられる。特に、価格、付着速度等の
点から、Siが最適である。
【0033】バックコート層の厚さは、 0.2〜1.0 μm
程度である。バックコート層を形成するための蒸着やス
パッタリングの際の真空度は10-4〜10-7Torr程度、特に
10-5〜10-6Torrである。
程度である。バックコート層を形成するための蒸着やス
パッタリングの際の真空度は10-4〜10-7Torr程度、特に
10-5〜10-6Torrである。
【0034】〔磁性層〕本発明の磁気記録媒体の製造方
法において、磁性層を形成する磁性材料としては、通常
の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いられる強磁性
金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の強磁性金
属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−
Fh、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−La、Co−P
r、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−S
b、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni
−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層としては
鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金粉末の薄膜が
好ましく、特に、鉄、鉄を主体とする強磁性合金及びこ
れらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる少なくとも1
種が好ましい。
法において、磁性層を形成する磁性材料としては、通常
の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いられる強磁性
金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の強磁性金
属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−
Fh、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−La、Co−P
r、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−S
b、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni
−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層としては
鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金粉末の薄膜が
好ましく、特に、鉄、鉄を主体とする強磁性合金及びこ
れらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる少なくとも1
種が好ましい。
【0035】高密度記録のためには磁気記録媒体の磁性
層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好まし
い。斜め蒸着の方法は特に限定されず、従来公知の方法
に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。蒸着による磁性層は単層構造でも多層構造の何れで
も良く、特に、酸化性ガスを導入して磁性層表面に酸化
物を形成することにより、耐久性の向上を図ることがで
きる。なお、本発明においては、磁性層は一層或いは多
層とすることができるが、蒸着で多層の磁性層を形成す
る場合、磁性層の厚さは、二層の場合、下層の磁性層の
厚さが 100〜2000Å、上層の磁性層の厚さが50〜1000Å
が好ましく、三層の場合、下層の磁性層の厚さが100 〜
2000Å、中間の磁性層の厚さが 100〜1000Å、上層の磁
性層の厚さが50〜1000Åが好ましい。また、磁性層の数
は高周波記録に対応するには、多い方が良いが、実用的
な範囲としては二〜五層が適当と考えられる。
層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好まし
い。斜め蒸着の方法は特に限定されず、従来公知の方法
に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。蒸着による磁性層は単層構造でも多層構造の何れで
も良く、特に、酸化性ガスを導入して磁性層表面に酸化
物を形成することにより、耐久性の向上を図ることがで
きる。なお、本発明においては、磁性層は一層或いは多
層とすることができるが、蒸着で多層の磁性層を形成す
る場合、磁性層の厚さは、二層の場合、下層の磁性層の
厚さが 100〜2000Å、上層の磁性層の厚さが50〜1000Å
が好ましく、三層の場合、下層の磁性層の厚さが100 〜
2000Å、中間の磁性層の厚さが 100〜1000Å、上層の磁
性層の厚さが50〜1000Åが好ましい。また、磁性層の数
は高周波記録に対応するには、多い方が良いが、実用的
な範囲としては二〜五層が適当と考えられる。
【0036】〔トップコート層〕 本発明の磁気記録媒体の製造方法において、液状のフッ
素系潤滑剤は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、超
音波噴霧器という)により非磁性支持体上に形成された
磁性層上に噴霧するのが好ましい。より詳細には、超音
波噴霧器は、潤滑剤の供給手段と、該供給手段から供給
された潤滑剤に超音波を印加して霧化する手段(超音波
発振器)と、霧化された潤滑剤を噴霧するノズルとから
なる。
素系潤滑剤は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、超
音波噴霧器という)により非磁性支持体上に形成された
磁性層上に噴霧するのが好ましい。より詳細には、超音
波噴霧器は、潤滑剤の供給手段と、該供給手段から供給
された潤滑剤に超音波を印加して霧化する手段(超音波
発振器)と、霧化された潤滑剤を噴霧するノズルとから
なる。
【0037】超音波噴霧器を使用して潤滑剤を微細な粒
子として噴霧することにより、高温(200 ℃以上)に弱
く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布によるトップ
コート層の形成に用いられていたパーフルオロポリエー
テル等の弗素系潤滑剤の真空中での噴霧が可能となる。
子として噴霧することにより、高温(200 ℃以上)に弱
く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布によるトップ
コート層の形成に用いられていたパーフルオロポリエー
テル等の弗素系潤滑剤の真空中での噴霧が可能となる。
【0038】パーフルオロポリエーテルとしては、分子
量2000〜5000のものが好適であり、例えば「FOMBLIN Z
DIAC」〔カルボキシル基変性、モンテカチーニ (株)
製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、モンテカ
チーニ (株) 製〕の商品名で市販されているものが使用
できる。これらは末端に水酸基或いはカルボキシル基を
有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るので、
本発明に特に好適に用いられる。
量2000〜5000のものが好適であり、例えば「FOMBLIN Z
DIAC」〔カルボキシル基変性、モンテカチーニ (株)
製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、モンテカ
チーニ (株) 製〕の商品名で市販されているものが使用
できる。これらは末端に水酸基或いはカルボキシル基を
有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るので、
本発明に特に好適に用いられる。
【0039】尚、これら以外にも、ベンゼン環、二重結
合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系の潤滑
剤、その他の潤滑剤を使用することも使用できる。しか
しながら、フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と比べ耐
久性だけでなく耐蝕性も向上させるため、本発明に特に
好適に用いられる。
合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系の潤滑
剤、その他の潤滑剤を使用することも使用できる。しか
しながら、フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と比べ耐
久性だけでなく耐蝕性も向上させるため、本発明に特に
好適に用いられる。
【0040】また、潤滑剤の噴霧にあたっては、潤滑剤
をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム (株) 製
「フロリナート」等のパーフルオロカーボン)、トルエ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケト
ン系溶媒等の適当な溶媒に溶解させた 0.001〜10重量%
程度、特に0.02〜2.0 重量%の溶液として用いるのが好
ましい。潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルを用い
る場合、溶媒としてはパーフルオロカーボンが使用で
き、その場合の濃度は 0.001〜1.0 重量%程度、特に0.
05〜0.2 重量%が好ましい。
をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム (株) 製
「フロリナート」等のパーフルオロカーボン)、トルエ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケト
ン系溶媒等の適当な溶媒に溶解させた 0.001〜10重量%
程度、特に0.02〜2.0 重量%の溶液として用いるのが好
ましい。潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルを用い
る場合、溶媒としてはパーフルオロカーボンが使用で
き、その場合の濃度は 0.001〜1.0 重量%程度、特に0.
05〜0.2 重量%が好ましい。
【0041】本発明の磁気記録媒体の製造方法において
は、噴霧する潤滑剤(潤滑剤溶液)の微粒子は出来るだ
け微細であることが望ましく、潤滑剤の種類や粘度によ
って適用する超音波の周波数が決定されるが、一般的に
は20 kHz〜10MHz の範囲から選択される。
は、噴霧する潤滑剤(潤滑剤溶液)の微粒子は出来るだ
け微細であることが望ましく、潤滑剤の種類や粘度によ
って適用する超音波の周波数が決定されるが、一般的に
は20 kHz〜10MHz の範囲から選択される。
【0042】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいて、潤滑剤の噴霧量は、磁気記録媒体の用途や潤滑
剤の種類等を考慮して適宜決定すればよいが、形成され
たトップコート層の厚さは50〜200 Å程度となるように
調節するのが好ましい。潤滑剤を噴霧する際の真空度は
5×10-1〜5×10-4 Torr 程度、好ましくは5×10-1〜
5×10-2 Torr である。
おいて、潤滑剤の噴霧量は、磁気記録媒体の用途や潤滑
剤の種類等を考慮して適宜決定すればよいが、形成され
たトップコート層の厚さは50〜200 Å程度となるように
調節するのが好ましい。潤滑剤を噴霧する際の真空度は
5×10-1〜5×10-4 Torr 程度、好ましくは5×10-1〜
5×10-2 Torr である。
【0043】〔本発明の製造方法の実施態様〕上記した
ような本発明の磁気記録媒体の製造方法の実施態様とし
ては、例えば、以下のようなものがあるが、これらには
限定されない。
ような本発明の磁気記録媒体の製造方法の実施態様とし
ては、例えば、以下のようなものがあるが、これらには
限定されない。
【0044】(1) 非磁性支持体上の磁性層蒸着面と反対
側の面にバックコート層を形成するに際し、真空中に
て、金属又は半金属を付着させることを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法。
側の面にバックコート層を形成するに際し、真空中に
て、金属又は半金属を付着させることを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法。
【0045】(2) バックコート層を最初に非磁性支持体
上に形成する磁気記録媒体の製造方法。
上に形成する磁気記録媒体の製造方法。
【0046】(3) 磁性層を最初に非磁性支持体上に形成
する磁気記録媒体の製造方法。
する磁気記録媒体の製造方法。
【0047】(4) 非磁性支持体の一方の面に形成された
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に金属又は半金属を付着させることによ
りバックコート層を形成し、次いで、該非磁性支持体の
前記金属バックコート層が形成されている面と反対の面
に、磁性材料を付着させることにより磁性層を形成し、
次いで該磁性層上に潤滑剤を噴霧してトップコート層を
形成する磁気記録媒体の製造方法。
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に金属又は半金属を付着させることによ
りバックコート層を形成し、次いで、該非磁性支持体の
前記金属バックコート層が形成されている面と反対の面
に、磁性材料を付着させることにより磁性層を形成し、
次いで該磁性層上に潤滑剤を噴霧してトップコート層を
形成する磁気記録媒体の製造方法。
【0048】(5) 非磁性支持体の一方の面に形成された
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に、磁性材料を付着させることにより磁
性層を形成し、次いで、該磁性層上に潤滑剤を噴霧して
トップコート層を形成し、次いで、前記該非磁性支持体
の前記磁性層が形成されている面と反対の面に金属又は
半金属を付着させることによりバックコート層を形成す
る磁気記録媒体の製造方法。
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に、磁性材料を付着させることにより磁
性層を形成し、次いで、該磁性層上に潤滑剤を噴霧して
トップコート層を形成し、次いで、前記該非磁性支持体
の前記磁性層が形成されている面と反対の面に金属又は
半金属を付着させることによりバックコート層を形成す
る磁気記録媒体の製造方法。
【0049】(6) 非磁性支持体の一方の面に形成された
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に、磁性材料を付着させることにより磁
性層を形成し、次いで、前記該非磁性支持体の前記磁性
層が形成されている面と反対の面に金属又は半金属を付
着させることによりバックコート層を形成し、次いで、
前記磁性層上に潤滑剤を噴霧してトップコート層を形成
する磁気記録媒体の製造方法。
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成
されたトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造に
おいて、真空中で非磁性支持体を走行させ、該非磁性支
持体の一方の面に、磁性材料を付着させることにより磁
性層を形成し、次いで、前記該非磁性支持体の前記磁性
層が形成されている面と反対の面に金属又は半金属を付
着させることによりバックコート層を形成し、次いで、
前記磁性層上に潤滑剤を噴霧してトップコート層を形成
する磁気記録媒体の製造方法。
【0050】(7) 非磁性支持体の一方の面に形成された
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層とを有する磁気記録媒
体の製造において、前記バックコート層及び磁性層を真
空中で形成する磁気記録媒体の製造方法。
バックコート層と、該バックコート層が形成されている
面と反対の面に形成された磁性層とを有する磁気記録媒
体の製造において、前記バックコート層及び磁性層を真
空中で形成する磁気記録媒体の製造方法。
【0051】(8) 上記 (1)〜(7) における各層の形成工
程を、真空状態を維持し、且つ連続的に行なう磁気記録
媒体の製造方法。
程を、真空状態を維持し、且つ連続的に行なう磁気記録
媒体の製造方法。
【0052】等が挙げられる。
【0053】なお、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
おいて、非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン; セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化
ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミド等のプラスチッ
ク等が使用される。これらの非磁性支持体の厚さは3〜
50μm 程度である。
おいて、非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステ
ル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン; セルローストリアセテート、セルロースジアセテー
ト等のセルロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化
ビニル;ポリイミド;芳香族ポリアミド等のプラスチッ
ク等が使用される。これらの非磁性支持体の厚さは3〜
50μm 程度である。
【0054】〔本発明の製造装置A〕 また、本発明は、第1、第2及び第3のチャンバを有す
るハウジングと、前記各チャンバを真空に保つ真空手段
とを含む、非磁性支持体上に磁性層を形成してなる磁気
記録媒体の製造装置であって、前記各チャンバが、第
1、第2、第3のチャンバの順又は第1、第3、第2の
チャンバの順に隣接して配置され、隣接されたチャンバ
が相互に非磁性支持体通過用開口を介して連通され、前
記第1のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第1の冷
却キャンと、該第1の冷却キャンの下方に配設された第
1の蒸着手段とを有し、前記第2のチャンバは、非磁性
支持体を搬送する第2の冷却キャンと、該第2の冷却キ
ャンの下方に配設された第2の蒸着手段とを有し、前記
第3のチャンバは、非磁性支持体を搬送する加熱キャン
と、該加熱キャンの下方に配設された液状のフッ素系潤
滑剤の噴霧手段を有することを特徴とする磁気記録媒体
の製造装置を提供するものである。
るハウジングと、前記各チャンバを真空に保つ真空手段
とを含む、非磁性支持体上に磁性層を形成してなる磁気
記録媒体の製造装置であって、前記各チャンバが、第
1、第2、第3のチャンバの順又は第1、第3、第2の
チャンバの順に隣接して配置され、隣接されたチャンバ
が相互に非磁性支持体通過用開口を介して連通され、前
記第1のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第1の冷
却キャンと、該第1の冷却キャンの下方に配設された第
1の蒸着手段とを有し、前記第2のチャンバは、非磁性
支持体を搬送する第2の冷却キャンと、該第2の冷却キ
ャンの下方に配設された第2の蒸着手段とを有し、前記
第3のチャンバは、非磁性支持体を搬送する加熱キャン
と、該加熱キャンの下方に配設された液状のフッ素系潤
滑剤の噴霧手段を有することを特徴とする磁気記録媒体
の製造装置を提供するものである。
【0055】本発明の製造装置Aにおいて、真空手段と
しては、真空ポンプ等通常用いられているものが使用で
きる。また、非磁性支持体通過用開口は、通常、各チャ
ンバを連通するスリットからなる。
しては、真空ポンプ等通常用いられているものが使用で
きる。また、非磁性支持体通過用開口は、通常、各チャ
ンバを連通するスリットからなる。
【0056】本発明の製造装置Aは、第1及び第2のチ
ャンバで磁性層とバックコート層を形成するものである
が、その順序は問わず、いずれを先に形成することもで
きる。従って、第1のチャンバで磁性層を形成する場合
は、金属材料として前述したような磁性金属が選択さ
れ、第2のチャンバでは前述したようなバックコート層
を形成するための金属が選択される。形成する順序を逆
にする場合は、この逆の金属が選択される。
ャンバで磁性層とバックコート層を形成するものである
が、その順序は問わず、いずれを先に形成することもで
きる。従って、第1のチャンバで磁性層を形成する場合
は、金属材料として前述したような磁性金属が選択さ
れ、第2のチャンバでは前述したようなバックコート層
を形成するための金属が選択される。形成する順序を逆
にする場合は、この逆の金属が選択される。
【0057】また、チャンバの配列は、第1、第2、第
3の順、又は第1、第3、第2の順であり、前者の場合
は最初の2つのチャンバでバックコート層と磁性層が形
成され、3つめのチャンバでトップコート層が形成され
る。後者の場合は最初のチャンバで磁性層が形成され、
次のチャンバでトップコート層が形成され、3つめのチ
ャンバでバックコート層が形成される。
3の順、又は第1、第3、第2の順であり、前者の場合
は最初の2つのチャンバでバックコート層と磁性層が形
成され、3つめのチャンバでトップコート層が形成され
る。後者の場合は最初のチャンバで磁性層が形成され、
次のチャンバでトップコート層が形成され、3つめのチ
ャンバでバックコート層が形成される。
【0058】また、本発明の製造装置Aにおいては、前
記第1のチャンバが、蒸着中又は蒸着後に酸化性ガスを
導入する第1の酸化性ガス導入手段を有し、前記第2の
チャンバが、蒸着後又は蒸着中に酸化性ガスを導入する
第2の酸化性ガス導入手段とを有する装置が好ましい。
酸化性ガス導入手段は何れも酸化性ガス導入管や適当な
開口等からなる。また、本発明の製造装置Aは、必要に
応じて搬送ローラーや、チャンバ内部を画定する遮蔽板
等を有する。
記第1のチャンバが、蒸着中又は蒸着後に酸化性ガスを
導入する第1の酸化性ガス導入手段を有し、前記第2の
チャンバが、蒸着後又は蒸着中に酸化性ガスを導入する
第2の酸化性ガス導入手段とを有する装置が好ましい。
酸化性ガス導入手段は何れも酸化性ガス導入管や適当な
開口等からなる。また、本発明の製造装置Aは、必要に
応じて搬送ローラーや、チャンバ内部を画定する遮蔽板
等を有する。
【0059】本発明の製造装置Aの例を以下に示す。
【0060】(1) 前記第1及び/又は第2の蒸着手段
が、前記第1又は第2の冷却キャンに対して開口してい
る金属材料の収容容器と、該収容容器中の金属材料に電
子ビームを照射するための電子ビーム発生装置を含む、
本発明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
が、前記第1又は第2の冷却キャンに対して開口してい
る金属材料の収容容器と、該収容容器中の金属材料に電
子ビームを照射するための電子ビーム発生装置を含む、
本発明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
【0061】(2) 前記第1又は第2のチャンバが、更
に、蒸着中に窒素イオン又は窒素イオンと窒素の混合ガ
スを供給する第1の窒素イオン供給手段を有する、本発
明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。かかる窒素
イオン供給手段は、磁性層を形成するチャンバに配設さ
れ、これから供給される窒素イオンが磁性金属の蒸気と
反応して金属窒化物が生成し、金属窒化物の薄膜からな
る磁性層が非磁性支持体上に形成される。なお、前述の
酸化性ガス導入手段は磁性層の表面を酸化する位置に配
置される。
に、蒸着中に窒素イオン又は窒素イオンと窒素の混合ガ
スを供給する第1の窒素イオン供給手段を有する、本発
明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。かかる窒素
イオン供給手段は、磁性層を形成するチャンバに配設さ
れ、これから供給される窒素イオンが磁性金属の蒸気と
反応して金属窒化物が生成し、金属窒化物の薄膜からな
る磁性層が非磁性支持体上に形成される。なお、前述の
酸化性ガス導入手段は磁性層の表面を酸化する位置に配
置される。
【0062】(3) 前記第1又は第2のチャンバが、更
に、前記第1又は第2の冷却キャンの下方に配設された
第3の蒸着手段と、該第3の蒸着手段による蒸着中に窒
素イオンを供給する第2の窒素イオン供給手段と、該第
3の蒸着手段による蒸着後に酸化性ガスを導入する第3
の酸化性ガス導入手段と、前記第1又は第2の蒸着手段
と前記第3の蒸着手段の蒸着領域を画定する手段を有す
る、上記(3) の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
第3の蒸着手段、第2の窒素イオン供給手段、及び第3
の酸化性ガス導入手段は、磁性層が形成されるチャンバ
に配設される。
に、前記第1又は第2の冷却キャンの下方に配設された
第3の蒸着手段と、該第3の蒸着手段による蒸着中に窒
素イオンを供給する第2の窒素イオン供給手段と、該第
3の蒸着手段による蒸着後に酸化性ガスを導入する第3
の酸化性ガス導入手段と、前記第1又は第2の蒸着手段
と前記第3の蒸着手段の蒸着領域を画定する手段を有す
る、上記(3) の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
第3の蒸着手段、第2の窒素イオン供給手段、及び第3
の酸化性ガス導入手段は、磁性層が形成されるチャンバ
に配設される。
【0063】(4) 前記第3のチャンバにおける前記フッ
素系潤滑剤の噴霧手段が、超音波発振器と噴霧ノズルを
含むものである、本発明の磁気記録媒体の製造装置が例
示される。
素系潤滑剤の噴霧手段が、超音波発振器と噴霧ノズルを
含むものである、本発明の磁気記録媒体の製造装置が例
示される。
【0064】(5) 前記第3のチャンバが、更に、フッ素
系潤滑剤が噴霧された非磁性支持体を加熱する手段を有
する、本発明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
潤滑剤が噴霧された非磁性支持体を加熱する手段として
は、加熱ランプが適当であり、その設置位置は、潤滑剤
が噴霧された非磁性支持体を加熱できる位置であれば、
特に限定はない。加熱ランプにより非磁性支持体を加熱
する場合、加熱温度は80〜100 ℃が最適である。
系潤滑剤が噴霧された非磁性支持体を加熱する手段を有
する、本発明の磁気記録媒体の製造装置が例示される。
潤滑剤が噴霧された非磁性支持体を加熱する手段として
は、加熱ランプが適当であり、その設置位置は、潤滑剤
が噴霧された非磁性支持体を加熱できる位置であれば、
特に限定はない。加熱ランプにより非磁性支持体を加熱
する場合、加熱温度は80〜100 ℃が最適である。
【0065】本発明の製造装置Aは、バックコート層、
磁性層及び磁性層上のトップコート層を、真空系を空気
圧に戻し別ラインに移行することなく、真空中で連続的
に形成できる。本発明の製造装置Aは生産性が非常に高
く、空気中での非磁性支持体へのゴミの付着も防止でき
る。
磁性層及び磁性層上のトップコート層を、真空系を空気
圧に戻し別ラインに移行することなく、真空中で連続的
に形成できる。本発明の製造装置Aは生産性が非常に高
く、空気中での非磁性支持体へのゴミの付着も防止でき
る。
【0066】〔本発明の製造装置B〕本発明は、チャン
バと、該チャンバを真空に保つ真空手段とを含み、該チ
ャンバが非磁性支持体を搬送する冷却キャンと、該冷却
キャンの下方に配設された蒸着手段を有することを特徴
とする磁気記録媒体のバックコート層の製造装置を提供
するものである。特に、前記チャンバが蒸着中又は蒸着
後に酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段を有する
ことが望ましい。本発明のバックコート層の製造装置の
一例を図1に示す。
バと、該チャンバを真空に保つ真空手段とを含み、該チ
ャンバが非磁性支持体を搬送する冷却キャンと、該冷却
キャンの下方に配設された蒸着手段を有することを特徴
とする磁気記録媒体のバックコート層の製造装置を提供
するものである。特に、前記チャンバが蒸着中又は蒸着
後に酸化性ガスを導入する酸化性ガス導入手段を有する
ことが望ましい。本発明のバックコート層の製造装置の
一例を図1に示す。
【0067】〔本発明の製造装置C〕本発明は、第1及
び第2のチャンバを有するハウジングと、前記各チャン
バを真空に保つ真空手段とを含む、非磁性支持体上に磁
性層とバックコート層を形成してなる磁気記録媒体の製
造装置であって、前記各チャンバが、第1、第2のチャ
ンバの順に隣接して配置され、隣接されたチャンバが相
互に非磁性支持体通過用開口を介して連通され、前記第
1のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第1の冷却キ
ャンと、該第1の冷却キャンの下方に配設された第1の
蒸着手段とを有し、前記第2のチャンバは、非磁性支持
体を搬送する第2の冷却キャンと、該第2の冷却キャン
の下方に配設された第2の蒸着手段とを有することを特
徴とする磁気記録媒体の製造装置を提供するものであ
る。各チャンバは製造装置Aで述べた要素を有すること
ができる。また該装置は非磁性支持体上に磁性層とバッ
クコート層を真空蒸着により形成する装置であるが、磁
性層とバックコート層の一方が第1のチャンバで形成さ
れ、もう一方が第2のチャンバで形成される。
び第2のチャンバを有するハウジングと、前記各チャン
バを真空に保つ真空手段とを含む、非磁性支持体上に磁
性層とバックコート層を形成してなる磁気記録媒体の製
造装置であって、前記各チャンバが、第1、第2のチャ
ンバの順に隣接して配置され、隣接されたチャンバが相
互に非磁性支持体通過用開口を介して連通され、前記第
1のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第1の冷却キ
ャンと、該第1の冷却キャンの下方に配設された第1の
蒸着手段とを有し、前記第2のチャンバは、非磁性支持
体を搬送する第2の冷却キャンと、該第2の冷却キャン
の下方に配設された第2の蒸着手段とを有することを特
徴とする磁気記録媒体の製造装置を提供するものであ
る。各チャンバは製造装置Aで述べた要素を有すること
ができる。また該装置は非磁性支持体上に磁性層とバッ
クコート層を真空蒸着により形成する装置であるが、磁
性層とバックコート層の一方が第1のチャンバで形成さ
れ、もう一方が第2のチャンバで形成される。
【0068】〔本発明の製造装置D〕また、本発明は、
第1及び第2のチャンバを有するハウジングと、前記各
チャンバを真空に保つ真空手段とを含む、非磁性支持体
上に磁性層を形成してなる磁気記録媒体のバックコート
層及び前記磁性層上のトップコート層の製造装置であっ
て、前記各チャンバが、第1、第2のチャンバの順序又
は第2、第1のチャンバの順に隣接して配置され、隣接
されたチャンバが相互に非磁性支持体通過用開口を介し
て連通され、前記第1のチャンバは、磁性層が形成され
た非磁性支持体を搬送する冷却キャンと、該冷却キャン
の下方に配設された蒸着手段とを有し、前記第2のチャ
ンバは、前記非磁性支持体を搬送する加熱キャンと、該
加熱キャンの下方に配設された潤滑剤の噴霧手段を有す
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置を提供する
ものである。この装置は磁性層が形成された非磁性支持
体の磁性層が形成されている面の反対の面にバックコー
ト層を形成し、また磁性層上にトップコート層を形成す
る装置である。各チャンバは製造装置Aで述べた要素を
有することができる。
第1及び第2のチャンバを有するハウジングと、前記各
チャンバを真空に保つ真空手段とを含む、非磁性支持体
上に磁性層を形成してなる磁気記録媒体のバックコート
層及び前記磁性層上のトップコート層の製造装置であっ
て、前記各チャンバが、第1、第2のチャンバの順序又
は第2、第1のチャンバの順に隣接して配置され、隣接
されたチャンバが相互に非磁性支持体通過用開口を介し
て連通され、前記第1のチャンバは、磁性層が形成され
た非磁性支持体を搬送する冷却キャンと、該冷却キャン
の下方に配設された蒸着手段とを有し、前記第2のチャ
ンバは、前記非磁性支持体を搬送する加熱キャンと、該
加熱キャンの下方に配設された潤滑剤の噴霧手段を有す
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置を提供する
ものである。この装置は磁性層が形成された非磁性支持
体の磁性層が形成されている面の反対の面にバックコー
ト層を形成し、また磁性層上にトップコート層を形成す
る装置である。各チャンバは製造装置Aで述べた要素を
有することができる。
【0069】〔本発明の製造装置E〕本発明は、真空状
態に保持された第一のチャンバ内で支持体上に第一の層
を形成する手段と、次いで真空状態に保持された第二の
チャンバ内で前記支持体上又は前記第一の層上に第二の
層を形成する手段と、前記第一のチャンバから前記第二
のチャンバへと前記支持体を搬送する手段とを有する磁
気記録媒体の製造装置を提供するものである。
態に保持された第一のチャンバ内で支持体上に第一の層
を形成する手段と、次いで真空状態に保持された第二の
チャンバ内で前記支持体上又は前記第一の層上に第二の
層を形成する手段と、前記第一のチャンバから前記第二
のチャンバへと前記支持体を搬送する手段とを有する磁
気記録媒体の製造装置を提供するものである。
【0070】〔本発明の製造装置F〕また、本発明は、
真空状態に保持された第一のチャンバ内で支持体上に第
一の層を形成する手段と、次いで真空状態に保持された
第二のチャンバ内で前記支持体上又は前記第一の層上に
第二の層を形成する手段と、次いで真空状態に保持され
た第三のチャンバ内で前記支持体上、前記第一の層上又
は前記第二の層上に第三の層を形成する手段と、前記第
一のチャンバから前記第二のチャンバへと前記支持体を
搬送する手段と、前記第二のチャンバから前記第三のチ
ャンバへと前記支持体を搬送する手段とを有する磁気記
録媒体の製造装置を提供するものである。
真空状態に保持された第一のチャンバ内で支持体上に第
一の層を形成する手段と、次いで真空状態に保持された
第二のチャンバ内で前記支持体上又は前記第一の層上に
第二の層を形成する手段と、次いで真空状態に保持され
た第三のチャンバ内で前記支持体上、前記第一の層上又
は前記第二の層上に第三の層を形成する手段と、前記第
一のチャンバから前記第二のチャンバへと前記支持体を
搬送する手段と、前記第二のチャンバから前記第三のチ
ャンバへと前記支持体を搬送する手段とを有する磁気記
録媒体の製造装置を提供するものである。
【0071】上述した二つの製造装置E及びFは、磁気
記録媒体を構成する磁性層、トップコート層、バックコ
ート層等の層のうち、二層或いは三層を真空中で形成す
る装置である。各チャンバは目的とする層を形成できる
ような手段を有するが、具体的には、製造装置A〜Dで
述べた要素を有することができる。
記録媒体を構成する磁性層、トップコート層、バックコ
ート層等の層のうち、二層或いは三層を真空中で形成す
る装置である。各チャンバは目的とする層を形成できる
ような手段を有するが、具体的には、製造装置A〜Dで
述べた要素を有することができる。
【0072】〔本発明の磁気記録媒体〕本発明は、非磁
性支持体の一方の面に形成されたバックコート層と、該
バックコート層が形成されている面と反対の面に形成さ
れた磁性層と、該磁性層上に形成されたトップコート層
とを有する磁気記録媒体において、前記磁性層、前記バ
ックコート層及び/又はトップコート層が真空中で形成
されていることを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
性支持体の一方の面に形成されたバックコート層と、該
バックコート層が形成されている面と反対の面に形成さ
れた磁性層と、該磁性層上に形成されたトップコート層
とを有する磁気記録媒体において、前記磁性層、前記バ
ックコート層及び/又はトップコート層が真空中で形成
されていることを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
【0073】本発明の磁気記録媒体は、磁性層とバック
コート層或いは磁性層とトップコート層の二層、又は磁
性層とバックコート層とトップコート層の三層が両方が
真空中で形成されていることを特徴とする。
コート層或いは磁性層とトップコート層の二層、又は磁
性層とバックコート層とトップコート層の三層が両方が
真空中で形成されていることを特徴とする。
【0074】磁性層、バックコート層を真空中で形成す
る方法は限定されないが、蒸着、スパッタリング等が挙
げられる。バックコート層を形成する金属、半金属、磁
性層を形成する磁性材料、非磁性支持体の種類や各層の
厚さ等は、先に述べた本発明の製造方法に準じる。ま
た、トップコート層は、真空中で潤滑剤を噴霧すること
により形成されることが望ましく、潤滑剤の種類や噴霧
方法等は先に述べた本発明の製造方法に準じる。
る方法は限定されないが、蒸着、スパッタリング等が挙
げられる。バックコート層を形成する金属、半金属、磁
性層を形成する磁性材料、非磁性支持体の種類や各層の
厚さ等は、先に述べた本発明の製造方法に準じる。ま
た、トップコート層は、真空中で潤滑剤を噴霧すること
により形成されることが望ましく、潤滑剤の種類や噴霧
方法等は先に述べた本発明の製造方法に準じる。
【0075】本発明の磁気記録媒体は、バックコート層
が、金属もしくは半金属又はこれらの酸化物の蒸着層で
あることが好ましく、特に好ましくは酸化アルミニウム
からなるバックコート層である。バックコート層が金属
又はその酸化物からなる場合は、バックコート層の表面
電気抵抗値が5〜105 Ω/□であることが望ましい。ま
た、バックコート層が半金属又はその酸化物からなる場
合は、バックコート層の表面電気抵抗値が 105〜108 Ω
/□であるのが好ましい。特にバックコート層が半金属
により形成された本発明の磁気記録媒体は、真空中で製
造できる場合のメリットの他に、更にエンベロープ特性
が改良される。これは半金属でバックコート層を形成す
ることにより、磁気記録媒体に適度な弾力性を付与し、
磁気記録媒体と再生ヘッドの接触の程度(あたり)が適
切に保たれるためと考えられる。
が、金属もしくは半金属又はこれらの酸化物の蒸着層で
あることが好ましく、特に好ましくは酸化アルミニウム
からなるバックコート層である。バックコート層が金属
又はその酸化物からなる場合は、バックコート層の表面
電気抵抗値が5〜105 Ω/□であることが望ましい。ま
た、バックコート層が半金属又はその酸化物からなる場
合は、バックコート層の表面電気抵抗値が 105〜108 Ω
/□であるのが好ましい。特にバックコート層が半金属
により形成された本発明の磁気記録媒体は、真空中で製
造できる場合のメリットの他に、更にエンベロープ特性
が改良される。これは半金属でバックコート層を形成す
ることにより、磁気記録媒体に適度な弾力性を付与し、
磁気記録媒体と再生ヘッドの接触の程度(あたり)が適
切に保たれるためと考えられる。
【0076】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。しかしな
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0077】実施例1 先ず、厚さ 9.8μmのPETフィルムの上に、真空蒸着
により、Co−Ni合金(80%−20%)を1500Å蒸着
し、このようにして磁性層を形成した磁気テープをロー
ルに巻取った。
により、Co−Ni合金(80%−20%)を1500Å蒸着
し、このようにして磁性層を形成した磁気テープをロー
ルに巻取った。
【0078】次に、図1の真空蒸着装置を用いて、この
磁気テープの裏面にAl(アルミニウム)金属を1000Å
蒸着して、バックコート層を形成した。
磁気テープの裏面にAl(アルミニウム)金属を1000Å
蒸着して、バックコート層を形成した。
【0079】図1の真空蒸着装置について説明する。
【0080】真空容器1は、ターボポンプ2とロータリ
ポンプ3との運転により真空状態とされる。
ポンプ3との運転により真空状態とされる。
【0081】真空容器1内には、巻出しロール4と巻取
りロール5とが設けられ、巻出しロール4から巻出され
て巻取りロール5に巻取られる間で、磁気テープ6は冷
却キャン7の下側面に巻掛けられて走行するようになっ
ている。
りロール5とが設けられ、巻出しロール4から巻出され
て巻取りロール5に巻取られる間で、磁気テープ6は冷
却キャン7の下側面に巻掛けられて走行するようになっ
ている。
【0082】冷却キャン7の下方にはMgO製のルツボ
8が置かれ、この中にAlが入れられている。
8が置かれ、この中にAlが入れられている。
【0083】そして、ルツボ8中のAlに対し斜め上方
の電子ビーム銃9から電子ビームを照射し、これにより
加熱してAlを蒸発させるようになっている。
の電子ビーム銃9から電子ビームを照射し、これにより
加熱してAlを蒸発させるようになっている。
【0084】そして、ルツボ8と冷却キャン7との間に
磁気テープ6への蒸着範囲を規制するための遮蔽板10を
配置してある。
磁気テープ6への蒸着範囲を規制するための遮蔽板10を
配置してある。
【0085】そして、真空容器1外部から内部へ導いた
酸素導入管11の先端部を遮蔽板10の穴部より蒸着面を臨
むように配置してある。酸素導入量は図示しない流量制
御弁により調整可能である。
酸素導入管11の先端部を遮蔽板10の穴部より蒸着面を臨
むように配置してある。酸素導入量は図示しない流量制
御弁により調整可能である。
【0086】ここにおいて、前述の磁性層を形成した磁
気テープのロールを巻出しロール4にセットして、磁気
テープ6の裏面を外側にして、冷却キャン7上を走行さ
せ、酸素導入管11により酸素を導入しつつ、電子ビーム
銃9により加熱されて蒸発されるAlを付着させた。酸
素導入量については、純度99.998%酸素を毎分25cc導入
した。そして、バックコート層の蒸着を終えた磁気テー
プ6は巻取りロール5に巻取った。
気テープのロールを巻出しロール4にセットして、磁気
テープ6の裏面を外側にして、冷却キャン7上を走行さ
せ、酸素導入管11により酸素を導入しつつ、電子ビーム
銃9により加熱されて蒸発されるAlを付着させた。酸
素導入量については、純度99.998%酸素を毎分25cc導入
した。そして、バックコート層の蒸着を終えた磁気テー
プ6は巻取りロール5に巻取った。
【0087】その後、磁気テープを大気中に取出し、8
mm幅にスリッタ(裁断)し、8mmのカセットに挿入
し、ドロップアウトとバックコートの表面電気抵抗とを
測定した。
mm幅にスリッタ(裁断)し、8mmのカセットに挿入
し、ドロップアウトとバックコートの表面電気抵抗とを
測定した。
【0088】ここで、表面電気抵抗値は、図4に示すよ
うに、断面が半径約1cmの4分の1の円をなす2本の棒
状金属製電極(図中A)を8mm離して置き、これらの
上に直角に8mm幅の磁気テープ(図中B)の磁性面を
接して置いてテープの両端に各質量30gの分銅をつる
し、絶縁抵抗計を用い、直流500 ±50Vの測定電圧をこ
れらの電極に加えて測定した抵抗値から表面電気抵抗値
を算出する。また、ドロップアウトの測定は、ドロップ
アウトカウンタを用い、10μsの間に−16dB以上出力
が低下したものをドロップアウトとした。
うに、断面が半径約1cmの4分の1の円をなす2本の棒
状金属製電極(図中A)を8mm離して置き、これらの
上に直角に8mm幅の磁気テープ(図中B)の磁性面を
接して置いてテープの両端に各質量30gの分銅をつる
し、絶縁抵抗計を用い、直流500 ±50Vの測定電圧をこ
れらの電極に加えて測定した抵抗値から表面電気抵抗値
を算出する。また、ドロップアウトの測定は、ドロップ
アウトカウンタを用い、10μsの間に−16dB以上出力
が低下したものをドロップアウトとした。
【0089】比較例としては、粒径20nmのカーボンブ
ラックと60nmのカーボンブラックとを1:1に混合し
たカーボンブラックを塩ビとウレタンとを1:1に混合
したバインダー中に分散させた塗料を用い、実施例と同
じ磁性層蒸着済みのフィルムに、バックコート層として
厚さ 0.5μmになるように塗布した。そして、実施例と
同様にドロップアウトとバックコートの表面電気抵抗と
を測定した。
ラックと60nmのカーボンブラックとを1:1に混合し
たカーボンブラックを塩ビとウレタンとを1:1に混合
したバインダー中に分散させた塗料を用い、実施例と同
じ磁性層蒸着済みのフィルムに、バックコート層として
厚さ 0.5μmになるように塗布した。そして、実施例と
同様にドロップアウトとバックコートの表面電気抵抗と
を測定した。
【0090】これらの測定結果を下記に示す。
【0091】 ドロップアウト(個/分) 表面電気抵抗(Ω/□) 〔実施例〕 8 7×102 〔比較例〕 11 5×106 この結果から、本発明方法である実施例では従来方法で
ある比較例と比べてドロップアウトが3割ほど低くなっ
ている。この理由として、バックコート層を塗布しない
ことによるキズ、ゴミの防止と、表面電気抵抗値の向上
により、ゴミの付着を防止できたためと考えられる。
ある比較例と比べてドロップアウトが3割ほど低くなっ
ている。この理由として、バックコート層を塗布しない
ことによるキズ、ゴミの防止と、表面電気抵抗値の向上
により、ゴミの付着を防止できたためと考えられる。
【0092】尚、図1の真空蒸着装置についてはバック
コート層の蒸着用としてのみ説明したが、本装置によ
り、AlをCo−Ni合金に代え、また酸素の導入を停
止して、磁性層の真空蒸着を行い、その後に巻取りロー
ル5の磁気テープを巻出しロール4にセットして裏面に
対し前述のようにバックコート層の蒸着を行ってもよ
い。
コート層の蒸着用としてのみ説明したが、本装置によ
り、AlをCo−Ni合金に代え、また酸素の導入を停
止して、磁性層の真空蒸着を行い、その後に巻取りロー
ル5の磁気テープを巻出しロール4にセットして裏面に
対し前述のようにバックコート層の蒸着を行ってもよ
い。
【0093】また、真空容器内で1走行経路に連続して
磁性層の蒸着部とバックコート層の蒸着部とを設けて、
磁性層とバックコート層の真空蒸着を連続して行うよう
にしてもよい。
磁性層の蒸着部とバックコート層の蒸着部とを設けて、
磁性層とバックコート層の真空蒸着を連続して行うよう
にしてもよい。
【0094】実施例2 実施例1において、バックコート層を形成する材料を半
金属のSiに代えた以外は実施例1と同様にして8mm
カセットを作製した。この8mmカセットについて実施
例1と同様にドロップアウトと表面電気抵抗値を測定し
たところ、ドロップアウトは7個/分、表面電気抵抗値
は7×102 (Ω/□)であった。
金属のSiに代えた以外は実施例1と同様にして8mm
カセットを作製した。この8mmカセットについて実施
例1と同様にドロップアウトと表面電気抵抗値を測定し
たところ、ドロップアウトは7個/分、表面電気抵抗値
は7×102 (Ω/□)であった。
【0095】更にこの8mmカセットのエンベロープ特
性を評価した。すなわち8mmカセットを、市販のHi
8VTRを改造した装置に装着し、7MHz の信号を記録
し、その再生出力を測定する。この際、次式で定義する
1トラック間の出力変動の値を測定する。 出力変動(%)=B/A×100 A:1トラック間の出力の最大値 〔V〕 B:1トラック間の出力の最小値 〔V〕 すなわち、上記式により求められる値が大きい方が出力
変動が少ない良好なエンベロープ特性を示す。このよう
にしてエンベロープ特性を評価したところ、80%と非
常に良好な結果を示した。
性を評価した。すなわち8mmカセットを、市販のHi
8VTRを改造した装置に装着し、7MHz の信号を記録
し、その再生出力を測定する。この際、次式で定義する
1トラック間の出力変動の値を測定する。 出力変動(%)=B/A×100 A:1トラック間の出力の最大値 〔V〕 B:1トラック間の出力の最小値 〔V〕 すなわち、上記式により求められる値が大きい方が出力
変動が少ない良好なエンベロープ特性を示す。このよう
にしてエンベロープ特性を評価したところ、80%と非
常に良好な結果を示した。
【0096】実施例3 図2は本発明による磁気記録媒体の製造装置の一例を示
す略図であり、該装置では最初にバックコート層が、次
いで磁性層が、最後にトップコート層が形成される。
す略図であり、該装置では最初にバックコート層が、次
いで磁性層が、最後にトップコート層が形成される。
【0097】ハウジング21は第1のチャンバ22、第2の
チャンバ23及び第3のチャンバ24により画定されてい
る。また各チャンバは、図示しない真空手段に接続さ
れ、適当な真空度を保っている。なお、各チャンバの真
空度は付着させる材料等により適宜決定され、全てが同
一でも異なっていてもよい。
チャンバ23及び第3のチャンバ24により画定されてい
る。また各チャンバは、図示しない真空手段に接続さ
れ、適当な真空度を保っている。なお、各チャンバの真
空度は付着させる材料等により適宜決定され、全てが同
一でも異なっていてもよい。
【0098】第1のチャンバ22は、巻き出しロール25
と、非磁性支持体28を搬送する第1の冷却キャン26と、
送りロール27と、第1の蒸着手段と、第1の酸素ガス導
入管33を有する。また、巻き出しロール25を出た非磁性
支持体、或いは送りロール27に入る非磁性支持体に微細
なごみやちりが付着しないように、ボンバード装置 29,
29' が設置されている。
と、非磁性支持体28を搬送する第1の冷却キャン26と、
送りロール27と、第1の蒸着手段と、第1の酸素ガス導
入管33を有する。また、巻き出しロール25を出た非磁性
支持体、或いは送りロール27に入る非磁性支持体に微細
なごみやちりが付着しないように、ボンバード装置 29,
29' が設置されている。
【0099】第1のチャンバ22における第1の蒸着手段
は、第1の冷却キャン26の下方に配設されたルツボ30と
電子銃32からなり、このルツボ30は冷却キャン26に対し
て開口しており、凹部内にバックコート層となる金属ア
ルミニウム31が収容されている。電子銃32から電子ビー
ムが発射され、この電子ビームがルツボ30のアルミニウ
ム31に照射されるようになっている。また、アルミニウ
ム蒸気の蒸発領域内には第1の酸素ガス導入管33により
酸素ガスが導入され、アルミニウムを酸化し、酸化アル
ミニウムの薄膜がバックコート層として形成される。酸
素導入量は図示しない流量制御弁により調整可能であ
る。
は、第1の冷却キャン26の下方に配設されたルツボ30と
電子銃32からなり、このルツボ30は冷却キャン26に対し
て開口しており、凹部内にバックコート層となる金属ア
ルミニウム31が収容されている。電子銃32から電子ビー
ムが発射され、この電子ビームがルツボ30のアルミニウ
ム31に照射されるようになっている。また、アルミニウ
ム蒸気の蒸発領域内には第1の酸素ガス導入管33により
酸素ガスが導入され、アルミニウムを酸化し、酸化アル
ミニウムの薄膜がバックコート層として形成される。酸
素導入量は図示しない流量制御弁により調整可能であ
る。
【0100】バックコート層が形成された非磁性支持体
28は、送りロール27上を搬送され、非磁性支持体通過用
開口であるスリット46を経て第2のチャンバ23に誘導さ
れる。
28は、送りロール27上を搬送され、非磁性支持体通過用
開口であるスリット46を経て第2のチャンバ23に誘導さ
れる。
【0101】第2のチャンバ23は、送りロール34,34'
と、非磁性支持体28が走行する第2の冷却キャン35とを
有する。図2では、第2のチャンバが、第2の蒸着手段
と第3の蒸着手段を有する装置が示されている。
と、非磁性支持体28が走行する第2の冷却キャン35とを
有する。図2では、第2のチャンバが、第2の蒸着手段
と第3の蒸着手段を有する装置が示されている。
【0102】第2の蒸着手段は、第2の冷却キャン35の
下方に配設されたルツボ36と電子銃38からなり、このル
ツボ36は第2の冷却キャン35に対して開口しており、凹
部内に磁性層となる金属鉄37が収容されている。電子銃
38から電子ビームが発射され、この電子ビームがルツボ
36の金属鉄37に照射されるようになっている。
下方に配設されたルツボ36と電子銃38からなり、このル
ツボ36は第2の冷却キャン35に対して開口しており、凹
部内に磁性層となる金属鉄37が収容されている。電子銃
38から電子ビームが発射され、この電子ビームがルツボ
36の金属鉄37に照射されるようになっている。
【0103】また、鉄の蒸発領域内には第1の窒素イオ
ン供給手段39より窒素イオンが供給され、蒸発した鉄を
窒化し、これが非磁性支持体上に付着し、窒化鉄の薄膜
が非磁性支持体上に形成される。
ン供給手段39より窒素イオンが供給され、蒸発した鉄を
窒化し、これが非磁性支持体上に付着し、窒化鉄の薄膜
が非磁性支持体上に形成される。
【0104】次いで、第2の酸素ガス導入管33' より、
蒸着後に酸素ガスが供給され、磁性層の表面近傍を酸化
する。第2のチャンバでは酸素ガス導入管は、窒化鉄が
非磁性支持体に付着した直後に磁性層の表面を酸化でき
る位置に設置する必要がある。
蒸着後に酸素ガスが供給され、磁性層の表面近傍を酸化
する。第2のチャンバでは酸素ガス導入管は、窒化鉄が
非磁性支持体に付着した直後に磁性層の表面を酸化でき
る位置に設置する必要がある。
【0105】第3の蒸着手段も、第2の蒸着手段と同
様、第2の冷却キャン35の下方に配設されたルツボ36'
と電子銃38' からなり、このルツボ36' は第2の冷却キ
ャン35に対して開口しており、凹部内に磁性層となる金
属鉄37' が収容されている。電子銃38' から電子ビーム
が発射され、この電子ビームがルツボ36' の金属鉄37'
に照射されるようになっている。
様、第2の冷却キャン35の下方に配設されたルツボ36'
と電子銃38' からなり、このルツボ36' は第2の冷却キ
ャン35に対して開口しており、凹部内に磁性層となる金
属鉄37' が収容されている。電子銃38' から電子ビーム
が発射され、この電子ビームがルツボ36' の金属鉄37'
に照射されるようになっている。
【0106】また、鉄の蒸発領域内には第2の窒素イオ
ン供給手段39' より窒素イオンが供給され、蒸発した鉄
を窒化し、これが非磁性支持体上に付着し、窒化鉄の薄
膜が非磁性支持体上に形成される。
ン供給手段39' より窒素イオンが供給され、蒸発した鉄
を窒化し、これが非磁性支持体上に付着し、窒化鉄の薄
膜が非磁性支持体上に形成される。
【0107】次いで、第3の酸素ガス導入管33''より、
蒸着後に酸素ガスが供給され、磁性層の表面近傍を酸化
する。本装置では、前記の第2の酸素ガス導入管33' と
第3の酸素ガス導入管33''は、同じ酸素供給源につなが
る分岐管により構成されている。
蒸着後に酸素ガスが供給され、磁性層の表面近傍を酸化
する。本装置では、前記の第2の酸素ガス導入管33' と
第3の酸素ガス導入管33''は、同じ酸素供給源につなが
る分岐管により構成されている。
【0108】また、前記第2の蒸着手段と第3の蒸着手
段から発生する金属蒸気の領域を画定する手段は、遮蔽
板47であり、通常は金属板からなる。
段から発生する金属蒸気の領域を画定する手段は、遮蔽
板47であり、通常は金属板からなる。
【0109】本装置では、コランダムの傾斜方向が互い
に異なる2層の磁性層が形成される。磁性層が形成され
た非磁性支持体28は送りロール34' 上を搬送され、スリ
ット46' を経て第3のチャンバ24に誘導される。
に異なる2層の磁性層が形成される。磁性層が形成され
た非磁性支持体28は送りロール34' 上を搬送され、スリ
ット46' を経て第3のチャンバ24に誘導される。
【0110】第3のチャンバ24は、送りロール40,40'
と、非磁性支持体28を搬送する加熱キャン41と、巻取り
ロール42と、潤滑剤の噴霧手段を有する。ここで、潤滑
剤の噴霧手段は、超音波噴霧装置43と、噴霧ノズル44か
らなり、加熱キャン41の下方、図面左側に配設されてい
る。潤滑剤は超音波により微粒子化され、噴霧ノズル44
から加熱キャン41を走行する非磁性支持体28に噴霧され
て、磁性層上にトップコート層が形成される。また、本
装置は、第3のチャンバが加熱ランプ45を有し、非磁性
支持体に噴霧された潤滑剤の乾燥を促進している。
と、非磁性支持体28を搬送する加熱キャン41と、巻取り
ロール42と、潤滑剤の噴霧手段を有する。ここで、潤滑
剤の噴霧手段は、超音波噴霧装置43と、噴霧ノズル44か
らなり、加熱キャン41の下方、図面左側に配設されてい
る。潤滑剤は超音波により微粒子化され、噴霧ノズル44
から加熱キャン41を走行する非磁性支持体28に噴霧され
て、磁性層上にトップコート層が形成される。また、本
装置は、第3のチャンバが加熱ランプ45を有し、非磁性
支持体に噴霧された潤滑剤の乾燥を促進している。
【0111】かくしてトップコート層が形成された非磁
性支持体28は、送りロール40' 上を搬送されて巻取りロ
ール42により巻き取られる。
性支持体28は、送りロール40' 上を搬送されて巻取りロ
ール42により巻き取られる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真
空中にてバックコート層を蒸着により形成するため、ゴ
ミの付着等の問題が解消される。
空中にてバックコート層を蒸着により形成するため、ゴ
ミの付着等の問題が解消される。
【0113】更に、本発明によれば、金属薄膜型の磁気
記録媒体のバックコート層、磁性層及びトップコート層
を真空中で連続的に形成することができるため、生産性
が非常に高くなる。
記録媒体のバックコート層、磁性層及びトップコート層
を真空中で連続的に形成することができるため、生産性
が非常に高くなる。
【0114】また、バックコート層を単なる真空蒸着に
より形成すると、表面が平滑すぎて走行安定性が悪くな
る場合があるが、蒸着するときに酸化性ガスを導入し
て、バックコート層の摩擦係数をコントロールすること
により、走行安定性も維持できる。しかも、酸化性ガス
を導入することにより、表面粗さをコントロールするば
かりでなく、耐食性をも向上できる。
より形成すると、表面が平滑すぎて走行安定性が悪くな
る場合があるが、蒸着するときに酸化性ガスを導入し
て、バックコート層の摩擦係数をコントロールすること
により、走行安定性も維持できる。しかも、酸化性ガス
を導入することにより、表面粗さをコントロールするば
かりでなく、耐食性をも向上できる。
【0115】また、酸化性ガスを導入することにより、
金属結合が弱まって、導電性が低下するが、表面電気抵
抗値を決めて、酸化性ガス導入量を規制することによ
り、導電性も維持できる。
金属結合が弱まって、導電性が低下するが、表面電気抵
抗値を決めて、酸化性ガス導入量を規制することによ
り、導電性も維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の一実施例で用いる真空蒸
着装置の概略図。
着装置の概略図。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の製造装置の一例を示
す略図。
す略図。
【図3】 蒸着型テープの構成図。
【図4】 実施例における表面電気抵抗値の測定方法を
示す略図。
示す略図。
1 真空容器 4 巻出しロール 5 巻取りロール 6 磁気テープ 7 冷却キャン 8 ルツボ 9 電子ビーム銃 10 遮蔽板 11 酸素導入管 21 ハウジング 22 バックコート層を形成する第1のチャンバ 23 磁性層を形成する第2のチャンバ 24 トップコート層を形成する第3のチャンバ 43 超音波噴霧装置 44 噴霧ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/84 G11B 5/66 G11B 5/72
Claims (18)
- 【請求項1】非磁性支持体の一方の面に形成されたバッ
クコート層と、該バックコート層が形成されている面と
反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成され
たトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造におい
て、前記磁性層、前記バックコート層及びトップコート
層を真空中で形成し、且つ前記トップコート層を、液状
のフッ素系潤滑剤を霧化して用いて形成することを特徴
とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】非磁性支持体の一方の面に形成されたバッ
クコート層と、該バックコート層が形成されている面と
反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成され
たトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造におい
て、前記磁性層、前記バックコート層及びトップコート
層を、これらの層の形成工程を通して真空状態を維持し
つつ形成し、且つ前記トップコート層を、液状のフッ素
系潤滑剤を霧化して用いて形成することを特徴とする磁
気記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】非磁性支持体の一方の面に形成されたバッ
クコート層と、該バックコート層が形成されている面と
反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成され
たトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造におい
て、前記磁性層、前記バックコート層及びトップコート
層を真空中で形成し、且つ前記トップコート層を、液状
のフッ素系潤滑剤を噴霧することにより形成することを
特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】非磁性支持体の一方の面に形成されたバッ
クコート層と、該バックコート層が形成されている面と
反対の面に形成された磁性層と、該磁性層上に形成され
たトップコート層とを有する磁気記録媒体の製造におい
て、前記磁性層、前記バックコート層及びトップコート
層を、これらの層の形成工程を通して真空状態を維持し
つつ形成し、且つ前記トップコート層を、液状のフッ素
系潤滑剤を噴霧することにより形成することを特徴とす
る磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】前記トップコート層を、超音波を印加して
霧化された液状のフッ素系潤滑剤を噴霧することにより
形成することを特徴とする請求項3又は4記載の磁気記
録媒体の製造方法。 - 【請求項6】前記バックコート層を、金属又は半金属を
真空中で付着させることにより形成することを特徴とす
る請求項1〜5の何れか1項記載の磁気記録媒体の製造
方法。 - 【請求項7】前記バックコート層を、酸化性ガスを導入
することにより形成することを特徴とする請求項6記載
の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】前記バックコート層を、金属としてアルミ
ニウムを用いることにより形成することを特徴とする請
求項6又は7記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】前記磁性層が、鉄、鉄を主体とする強磁性
合金及びこれらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる少
なくとも1種である請求項1〜8の何れか1項記載の磁
気記録媒体の製造方法。 - 【請求項10】前記バックコート層を最初に非磁性支持
体上に形成することを特徴とする請求項1又は2記載の
磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項11】前記磁性層を最初に非磁性支持体上に形
成することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録
媒体の製造方法。 - 【請求項12】第1、第2及び第3のチャンバを有する
ハウジングと、前記各チャンバを真空に保つ真空手段と
を含む、非磁性支持体上に磁性層を形成してなる磁気記
録媒体の製造装置であって、 前記各チャンバが、第1、第2、第3のチャンバの順又
は第1、第3、第2のチャンバの順に隣接して配置さ
れ、隣接されたチャンバが相互に非磁性支持体通過用開
口を介して連通され、 前記第1のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第1の
冷却キャンと、該第1の冷却キャンの下方に配設された
第1の蒸着手段とを有し、 前記第2のチャンバは、非磁性支持体を搬送する第2の
冷却キャンと、該第2の冷却キャンの下方に配設された
第2の蒸着手段とを有し、 前記第3のチャンバは、非磁性支持体を搬送する加熱キ
ャンと、該加熱キャンの下方に配設された液状のフッ素
系潤滑剤の噴霧手段を有することを特徴とする磁気記録
媒体の製造装置。 - 【請求項13】前記第1のチャンバが、蒸着中又は蒸着
後に酸化性ガスを導入する第1の酸化性ガス導入手段を
有し、前記第2のチャンバが、蒸着後又は蒸着中に酸化
性ガスを導入する第2の酸化性ガス導入手段とを有する
ことを特徴とする請求項12記載の磁気記録媒体の製造装
置。 - 【請求項14】前記第1及び/又は第2の蒸着手段が、
前記第1又は第2の冷却キャンに対して開口している金
属材料の収容容器と、該収容容器中の金属材料に電子ビ
ームを照射するための電子ビーム発生装置を含む請求項
12又は13記載の磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項15】前記第1又は第2のチャンバが、更に、
蒸着中に窒素イオンを供給する第1の窒素イオン供給手
段を有する請求項12〜14の何れか1項記載の磁気記録媒
体の製造装置。 - 【請求項16】前記第1又は第2のチャンバが、更に、
前記第1又は第2の冷却キャンの下方に配設された第3
の蒸着手段と、該第3の蒸着手段による蒸着中に窒素イ
オンを供給する第2の窒素イオン供給手段と、該第3の
蒸着手段による蒸着後に酸化性ガスを導入する第3の酸
化性ガス導入手段と、前記第1又は第2の蒸着手段と前
記第3の蒸着手段の蒸着領域を画定する手段を有する請
求項15記載の磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項17】前記フッ素系潤滑剤の噴霧手段が、超音
波発振器と噴霧ノズルを含むものである請求項12〜16の
何れか1項記載の磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項18】前記第3のチャンバが、更に、フッ素系
潤滑剤が噴霧された非磁性支持体を加熱する手段を有す
る請求項12〜17の何れか1項記載の磁気記録媒体の製造
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5231761A JP2843236B2 (ja) | 1992-09-17 | 1993-09-17 | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4-247922 | 1992-09-17 | ||
| JP24792292 | 1992-09-17 | ||
| JP18150193 | 1993-07-22 | ||
| JP5-181501 | 1993-07-22 | ||
| JP5231761A JP2843236B2 (ja) | 1992-09-17 | 1993-09-17 | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0785466A JPH0785466A (ja) | 1995-03-31 |
| JP2843236B2 true JP2843236B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=27325016
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5231761A Expired - Lifetime JP2843236B2 (ja) | 1992-09-17 | 1993-09-17 | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2843236B2 (ja) |
Family Cites Families (14)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5423507A (en) * | 1977-07-22 | 1979-02-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Producing apparatus of magnetic recording media |
| JPS6050624A (ja) * | 1983-08-27 | 1985-03-20 | Olympus Optical Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS60113318A (ja) * | 1983-11-22 | 1985-06-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 磁気記録媒体 |
| JPS60191435A (ja) * | 1984-03-10 | 1985-09-28 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体製造装置 |
| JPH061551B2 (ja) * | 1984-08-24 | 1994-01-05 | 富士写真フイルム株式会社 | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS61110343A (ja) * | 1984-11-05 | 1986-05-28 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS61229230A (ja) * | 1985-04-04 | 1986-10-13 | Canon Inc | 磁気記録テ−プ |
| JPS62236141A (ja) * | 1986-04-07 | 1987-10-16 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS63206912A (ja) * | 1987-02-23 | 1988-08-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPS63281214A (ja) * | 1987-05-13 | 1988-11-17 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体 |
| JPH02240831A (ja) * | 1989-03-14 | 1990-09-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPH0330120A (ja) * | 1989-06-27 | 1991-02-08 | Sony Corp | 磁気記録媒体の製造方法 |
| JPH03116517A (ja) * | 1989-09-29 | 1991-05-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 磁気記録媒体 |
| JP2971558B2 (ja) * | 1990-11-22 | 1999-11-08 | 株式会社ブリヂストン | 耐摩耗性および耐食性に優れた磁気記録テープおよびその製造方法 |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP5231761A patent/JP2843236B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0785466A (ja) | 1995-03-31 |
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