JPH0954938A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0954938A JPH0954938A JP20801995A JP20801995A JPH0954938A JP H0954938 A JPH0954938 A JP H0954938A JP 20801995 A JP20801995 A JP 20801995A JP 20801995 A JP20801995 A JP 20801995A JP H0954938 A JPH0954938 A JP H0954938A
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- Japan
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- magnetic
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- back coat
- coat layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 蒸着型の磁気記録媒体におけるバックコート
層の耐蝕性を向上させ、バックコート層の腐食による磁
気テープ等の走行の乱れや、ジッダ、ドロップアウト等
の発生を防止する。 【解決手段】 バックコート層が、ニッケル、クロム、
モリブデン、鉄及びタングステンを必須として含有する
磁気記録媒体。
層の耐蝕性を向上させ、バックコート層の腐食による磁
気テープ等の走行の乱れや、ジッダ、ドロップアウト等
の発生を防止する。 【解決手段】 バックコート層が、ニッケル、クロム、
モリブデン、鉄及びタングステンを必須として含有する
磁気記録媒体。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐蝕性能に優れた
磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】磁気記録媒体、例えば磁気テープには、
支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに分散さ
せた磁性塗料を塗布してなる塗布型テープと、フィルム
上に真空中で金属を蒸着してなるバインダーを全く含ま
ない蒸着型テープとがある。蒸着型テープは、磁性層に
バインダーを含まないことから磁性材料の密度を高める
ことができ、高密度記録に有望であるとされている。
支持体であるフィルム上に磁性粉をバインダーに分散さ
せた磁性塗料を塗布してなる塗布型テープと、フィルム
上に真空中で金属を蒸着してなるバインダーを全く含ま
ない蒸着型テープとがある。蒸着型テープは、磁性層に
バインダーを含まないことから磁性材料の密度を高める
ことができ、高密度記録に有望であるとされている。
【０００３】現在販売又は開発されている蒸着型テープ
の基本的な構成は、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレー
ト）、ポリイミド、アラミド等の支持体上に、真空蒸着
法を用いて磁性金属を蒸着させた磁性層を有している。
更に、磁性層を保護し、また記録・再生用ヘッドとの接
触をスムーズにするための潤滑剤としての働きを持たせ
るためにトップコート層が形成されたり、走行性を向上
させるために支持体の磁性層面とは反対側面にバックコ
ート層が形成されたりしている。
の基本的な構成は、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレー
ト）、ポリイミド、アラミド等の支持体上に、真空蒸着
法を用いて磁性金属を蒸着させた磁性層を有している。
更に、磁性層を保護し、また記録・再生用ヘッドとの接
触をスムーズにするための潤滑剤としての働きを持たせ
るためにトップコート層が形成されたり、走行性を向上
させるために支持体の磁性層面とは反対側面にバックコ
ート層が形成されたりしている。
【０００４】バックコート層は、従来、真空中で支持体
に磁性層を蒸着した後、支持体を大気中に取出してか
ら、該支持体の磁性層面とは反対側の面に、カーボンブ
ラック及びセラミックス粉末 (粒径10〜100nm)等をバイ
ンダー（塩ビ系、ウレタン系、硝化綿系などを単独又は
混合して用いる）中に分散させ、グラビア法、リバース
法又はダイ塗工方式で、乾燥後の厚さが 0.4〜1.0 μm
になるように塗布して、形成されている。しかし、この
方法によってバックコート層を形成した場合、その作業
工程で、磁性層が汚れたり、ゴミが付着したりして、そ
の結果、ドロップアウト検査（磁気テープを検査用のカ
セットデッキに入れて一定の信号を記録しつつ再生し、
テープ表面の傷や異物の付着などによる再生信号の欠落
であるところのドロップアウトを検出する検査）におい
て、ドロップアウト数を増加させるという問題点があっ
た。また、カーボンブラックは導電性は良好であるが、
バインダーを入れるため、導電性が低下してしまい、帯
電防止効果が低下するという問題点があった。
に磁性層を蒸着した後、支持体を大気中に取出してか
ら、該支持体の磁性層面とは反対側の面に、カーボンブ
ラック及びセラミックス粉末 (粒径10〜100nm)等をバイ
ンダー（塩ビ系、ウレタン系、硝化綿系などを単独又は
混合して用いる）中に分散させ、グラビア法、リバース
法又はダイ塗工方式で、乾燥後の厚さが 0.4〜1.0 μm
になるように塗布して、形成されている。しかし、この
方法によってバックコート層を形成した場合、その作業
工程で、磁性層が汚れたり、ゴミが付着したりして、そ
の結果、ドロップアウト検査（磁気テープを検査用のカ
セットデッキに入れて一定の信号を記録しつつ再生し、
テープ表面の傷や異物の付着などによる再生信号の欠落
であるところのドロップアウトを検出する検査）におい
て、ドロップアウト数を増加させるという問題点があっ
た。また、カーボンブラックは導電性は良好であるが、
バインダーを入れるため、導電性が低下してしまい、帯
電防止効果が低下するという問題点があった。
【０００５】そこで、従来空気中で塗布により形成して
いたバックコート層を、アルミニウム−銅合金等の金属
材料を用いた真空中での金属蒸着により形成することが
行なわれている。
いたバックコート層を、アルミニウム−銅合金等の金属
材料を用いた真空中での金属蒸着により形成することが
行なわれている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
金属材料でバックコート層が形成されている磁気記録媒
体は、例えば、再生装置にかけて早送り／巻戻しを繰り
返すと、再生装置のエッジやその他の構成部材と摺動し
て、バックコート層に傷が生じる場合がある。バックコ
ート層に傷が生じると、そこから酸化等の腐食が発生す
る危険性がある。また、バックコート層に生じた傷によ
りテープの走行安定性が損なわれ、ジッタ、ドロップア
ウト等が増加する原因となる。そこで、より高性能な磁
気記録媒体を提供するためには、バックコート層の耐蝕
性の向上が要求されている。
金属材料でバックコート層が形成されている磁気記録媒
体は、例えば、再生装置にかけて早送り／巻戻しを繰り
返すと、再生装置のエッジやその他の構成部材と摺動し
て、バックコート層に傷が生じる場合がある。バックコ
ート層に傷が生じると、そこから酸化等の腐食が発生す
る危険性がある。また、バックコート層に生じた傷によ
りテープの走行安定性が損なわれ、ジッタ、ドロップア
ウト等が増加する原因となる。そこで、より高性能な磁
気記録媒体を提供するためには、バックコート層の耐蝕
性の向上が要求されている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意研究した結果、バックコート層を
特定の金属材料で構成することにより、耐蝕性の良好な
磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち本発明は、支持体と、該支持体の一方
の面に形成された磁性層と、前記支持体の前記磁性層が
形成された面と反対の面の形成されたバックコート層と
を有する磁気記録媒体において、前記バックコート層が
ニッケル、クロム、モリブデン、鉄及びタングステンを
含有することを特徴とする磁気記録媒体を提供するもの
である。以下、本発明の磁気記録媒体について詳説す
る。
を達成するために鋭意研究した結果、バックコート層を
特定の金属材料で構成することにより、耐蝕性の良好な
磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち本発明は、支持体と、該支持体の一方
の面に形成された磁性層と、前記支持体の前記磁性層が
形成された面と反対の面の形成されたバックコート層と
を有する磁気記録媒体において、前記バックコート層が
ニッケル、クロム、モリブデン、鉄及びタングステンを
含有することを特徴とする磁気記録媒体を提供するもの
である。以下、本発明の磁気記録媒体について詳説す
る。
【０００８】本発明の磁気記録媒体において、磁性層は
支持体の一面に形成される。特に磁性層は真空中で蒸着
により形成される。磁性層を形成する磁性材料として
は、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いられ
る強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の強
磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−La、Co−P
r、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−S
b、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni
−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層としては
鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金の薄膜が好ま
しく、特に、鉄、コバルト、ニッケルを主体とする強磁
性合金及びこれらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる
少なくとも１種が好ましい。
支持体の一面に形成される。特に磁性層は真空中で蒸着
により形成される。磁性層を形成する磁性材料として
は、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いられ
る強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo, Ni, Fe等の強
磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y 、Co−La、Co−P
r、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−S
b、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni
−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。磁性層としては
鉄の薄膜或いは鉄を主体とする強磁性合金の薄膜が好ま
しく、特に、鉄、コバルト、ニッケルを主体とする強磁
性合金及びこれらの窒化物もしくは炭化物から選ばれる
少なくとも１種が好ましい。
【０００９】また、高密度記録のためには磁気記録媒体
の磁性層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好
ましく、その方法は特に限定されず、従来公知の方法に
準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。特に、蒸着の際に酸化性ガスを導入してコラムを形
成することにより、C/N 、耐久性の向上を図ることがで
きる。
の磁性層は、斜め蒸着により基材上に形成することが好
ましく、その方法は特に限定されず、従来公知の方法に
準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度であ
る。特に、蒸着の際に酸化性ガスを導入してコラムを形
成することにより、C/N 、耐久性の向上を図ることがで
きる。
【００１０】本発明の磁気記録媒体は、支持体の磁性層
が形成された面と反対の面に形成された特定のバックコ
ート層を有する。かかるバックコート層は、ニッケル、
クロム、モリブデン、鉄及びタングステンを必須として
含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で
別の金属材料を含むことができる。バックコート層を形
成する手段は問わないが、真空中での五元ルツボを用い
た蒸着法が好適である。また、蒸着の際に酸化性ガスを
導入することにより、表面性をコントロールすることが
でき、且つ耐久性を高めることができる。バックコート
層中の各金属の組成は、重量比で、ニッケル：クロム：
モリブデン：鉄：タングステン＝58：22：13：４：３で
あるか、又は59：16：16：５：４であることが望まし
い。本発明の磁気記録媒体において、支持体としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トのようなポリエステル；ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン; セルローストリアセテート、セ
ルロースジアセテート等のセルロース誘導体；ポリカー
ボネート；ポリ塩化ビニル；ポリイミド；芳香族ポリア
ミド等のプラスチック等が使用される。これらの支持体
の厚さは３〜50μm 程度である。
が形成された面と反対の面に形成された特定のバックコ
ート層を有する。かかるバックコート層は、ニッケル、
クロム、モリブデン、鉄及びタングステンを必須として
含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で
別の金属材料を含むことができる。バックコート層を形
成する手段は問わないが、真空中での五元ルツボを用い
た蒸着法が好適である。また、蒸着の際に酸化性ガスを
導入することにより、表面性をコントロールすることが
でき、且つ耐久性を高めることができる。バックコート
層中の各金属の組成は、重量比で、ニッケル：クロム：
モリブデン：鉄：タングステン＝58：22：13：４：３で
あるか、又は59：16：16：５：４であることが望まし
い。本発明の磁気記録媒体において、支持体としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トのようなポリエステル；ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン; セルローストリアセテート、セ
ルロースジアセテート等のセルロース誘導体；ポリカー
ボネート；ポリ塩化ビニル；ポリイミド；芳香族ポリア
ミド等のプラスチック等が使用される。これらの支持体
の厚さは３〜50μm 程度である。
【００１１】本発明の磁気記録媒体には、磁性層上にダ
イヤモンドライクカーボン等の炭素薄膜、その他の薄膜
からなる保護層を形成することができる。また、更に磁
性層又は保護層上にフッ素系潤滑剤等からなる潤滑剤層
を形成することができる。潤滑剤層はバックコート層上
に形成してもよい。これら層の厚さや形成方法は限定さ
れない。
イヤモンドライクカーボン等の炭素薄膜、その他の薄膜
からなる保護層を形成することができる。また、更に磁
性層又は保護層上にフッ素系潤滑剤等からなる潤滑剤層
を形成することができる。潤滑剤層はバックコート層上
に形成してもよい。これら層の厚さや形成方法は限定さ
れない。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて具体的に本発
明の磁気記録媒体の製造法の一例を説明する。図１は、
本発明のバックコート層の形成に用いられる蒸着装置の
一例を示す略図であり、真空容器１内は真空ポンプを用
いた排気系９により10-4〜10-7Torr程度の真空に保たれ
ており、フィルム３は巻き出しロール４から冷却キャン
ロール２上を経て巻取りロール５へ搬送される。ここ
で、フィルム３にはバックコート層が形成される面と反
対の面に磁性層が形成されている。なお、この例では磁
性層が形成されたフィルムを用いているが、バックコー
ト層を形成した後、磁性層を形成することも可能であ
る。図中６は金属蒸気の領域を規制する遮蔽板である。
電子銃８により五元ルツボ10に収容された各蒸着材料７
が気化され、フィルム３の表面に所定の比率で蒸着す
る。図２は電子銃８と五元ルツボ10の拡大概略図であ
り、両者は一体的に構成されている。バックコート層を
構成する金属材料であるニッケル、クロム、モリブデ
ン、鉄およびタングステン72,72 ……を、それぞれ別々
にるつぼ71, 71, ……に入れ、電子銃81から電子ビーム
を照射するが、その際、例えばスキャンニングコントロ
ーラー等を用いて、電子ビームの照射サイクルをコント
ロールすることにより、支持体表面への各金属の付着量
が所望の比率、好ましくは前記したように重量比でニッ
ケル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン＝58：2
2：13：４：３又は59：16：16：５：４となるように規
制することができる。具体的には、各金属の融点やバッ
クコート層中の比率を考慮して電子ビームの照射時間、
照射面積をコントロールする。
明の磁気記録媒体の製造法の一例を説明する。図１は、
本発明のバックコート層の形成に用いられる蒸着装置の
一例を示す略図であり、真空容器１内は真空ポンプを用
いた排気系９により10-4〜10-7Torr程度の真空に保たれ
ており、フィルム３は巻き出しロール４から冷却キャン
ロール２上を経て巻取りロール５へ搬送される。ここ
で、フィルム３にはバックコート層が形成される面と反
対の面に磁性層が形成されている。なお、この例では磁
性層が形成されたフィルムを用いているが、バックコー
ト層を形成した後、磁性層を形成することも可能であ
る。図中６は金属蒸気の領域を規制する遮蔽板である。
電子銃８により五元ルツボ10に収容された各蒸着材料７
が気化され、フィルム３の表面に所定の比率で蒸着す
る。図２は電子銃８と五元ルツボ10の拡大概略図であ
り、両者は一体的に構成されている。バックコート層を
構成する金属材料であるニッケル、クロム、モリブデ
ン、鉄およびタングステン72,72 ……を、それぞれ別々
にるつぼ71, 71, ……に入れ、電子銃81から電子ビーム
を照射するが、その際、例えばスキャンニングコントロ
ーラー等を用いて、電子ビームの照射サイクルをコント
ロールすることにより、支持体表面への各金属の付着量
が所望の比率、好ましくは前記したように重量比でニッ
ケル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン＝58：2
2：13：４：３又は59：16：16：５：４となるように規
制することができる。具体的には、各金属の融点やバッ
クコート層中の比率を考慮して電子ビームの照射時間、
照射面積をコントロールする。
【００１３】このように、ニッケル、クロム、モリブデ
ン、鉄およびタングステンの五元金属からなるバックコ
ート層を形成した後、フィルム３は巻き取りロール５で
巻き取られ、次いで、このフィルムの磁性層の表面に E
CRプラズマCVD 法等によりダイヤモンドライクカーボン
薄膜からなる厚さ20〜300 Å程度の保護層やその他の薄
膜からなる保護層が保護層が形成される。更に保護層上
にはフッ素系潤滑剤からなる厚さ５〜100 Å程度の潤滑
剤が形成される。なお、上記に記載した製造法は一例で
あり、具体的な蒸着条件は適宜変更可能である。また、
バックコート層を真空中での蒸着により形成することに
より、磁性層の形成と連続的に行なうことができるた
め、生産効率が向上する。
ン、鉄およびタングステンの五元金属からなるバックコ
ート層を形成した後、フィルム３は巻き取りロール５で
巻き取られ、次いで、このフィルムの磁性層の表面に E
CRプラズマCVD 法等によりダイヤモンドライクカーボン
薄膜からなる厚さ20〜300 Å程度の保護層やその他の薄
膜からなる保護層が保護層が形成される。更に保護層上
にはフッ素系潤滑剤からなる厚さ５〜100 Å程度の潤滑
剤が形成される。なお、上記に記載した製造法は一例で
あり、具体的な蒸着条件は適宜変更可能である。また、
バックコート層を真空中での蒸着により形成することに
より、磁性層の形成と連続的に行なうことができるた
め、生産効率が向上する。
【００１４】
【実施例】以下、実施例にて本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００１５】実施例１ 厚さ6.3 μm のポリエチレンテレフタレート製フィルム
の一面に、蒸着により厚さ1800Åのコバルトからなる磁
性層を形成した。次いで、このフィルム３を図１に示す
装置にフィルムの磁性層が形成されている面と反対の面
が蒸着面となるようにセットした。該装置において、電
子銃８とルツボ10の概略図を図２に示す。図２のルツボ
71に、それぞれニッケル、クロム、モリブデン、鉄およ
びタングステンの各蒸着材料72,72 ……を単体で入れ、
各金属の融点を考慮して電子銃81を操作しながら照射し
て蒸着を行い、厚さ1860Åのバックコート層を形成し
た。このバックコート層の成分比率を ICP分析（誘電結
合プラズマ原子分光分析）により確認したところ、バッ
クコート層中の各金属の組成比率（重量比）はニッケ
ル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン＝58：22：
14：４：３であった。次いで磁性層及びバックコート層
が形成されたＰＥＴフィルムを大気中に取り出し、フィ
ルムの両面にパーフルオロポリエーテル「FOMBLIN Z DO
L 」〔アルコール変性、モンテカチーニ (株) 製〕の0.
05重量％溶液〔溶媒はフッ素系の不活性液体「PF-5080
」（住友スリーエム (株) 製）〕を、乾燥後の厚さが1
5Åとなるように塗布し、次いで100 ℃で乾燥した。そ
の後、フィルムを大気中に取り出し８mm幅にスリット
（裁断）し、８mm用カセットケースに入れてHi−８用の
ビデオカセットを作製した。
の一面に、蒸着により厚さ1800Åのコバルトからなる磁
性層を形成した。次いで、このフィルム３を図１に示す
装置にフィルムの磁性層が形成されている面と反対の面
が蒸着面となるようにセットした。該装置において、電
子銃８とルツボ10の概略図を図２に示す。図２のルツボ
71に、それぞれニッケル、クロム、モリブデン、鉄およ
びタングステンの各蒸着材料72,72 ……を単体で入れ、
各金属の融点を考慮して電子銃81を操作しながら照射し
て蒸着を行い、厚さ1860Åのバックコート層を形成し
た。このバックコート層の成分比率を ICP分析（誘電結
合プラズマ原子分光分析）により確認したところ、バッ
クコート層中の各金属の組成比率（重量比）はニッケ
ル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン＝58：22：
14：４：３であった。次いで磁性層及びバックコート層
が形成されたＰＥＴフィルムを大気中に取り出し、フィ
ルムの両面にパーフルオロポリエーテル「FOMBLIN Z DO
L 」〔アルコール変性、モンテカチーニ (株) 製〕の0.
05重量％溶液〔溶媒はフッ素系の不活性液体「PF-5080
」（住友スリーエム (株) 製）〕を、乾燥後の厚さが1
5Åとなるように塗布し、次いで100 ℃で乾燥した。そ
の後、フィルムを大気中に取り出し８mm幅にスリット
（裁断）し、８mm用カセットケースに入れてHi−８用の
ビデオカセットを作製した。
【００１６】上記で得られたビデオカセットの走行耐久
性、ドロップアウト及び摩擦係数を以下の方法で測定
し、その結果を表１に示す。 （走行耐久性）上記で得られた磁気テープを８ミリVTR
再生装置に入れて、早送り、巻き戻しを 10000回繰り返
した後、ジッタメータを接続して、ジッタを測定した。 （ドロップアウト）上記で得られた磁気テープを８ミリ
VTR 再生装置に入れて、早送り、巻き戻しを 10000回繰
り返した後、ドロップアウトカウンタを接続し、10μｓ
の間に出力が−16dB低下したものをドロップアウトとし
て、10分当りの回数を計測した。 （摩擦係数）20℃／50％（温度／湿度）の雰囲気下で摩
擦係数を測定した。
性、ドロップアウト及び摩擦係数を以下の方法で測定
し、その結果を表１に示す。 （走行耐久性）上記で得られた磁気テープを８ミリVTR
再生装置に入れて、早送り、巻き戻しを 10000回繰り返
した後、ジッタメータを接続して、ジッタを測定した。 （ドロップアウト）上記で得られた磁気テープを８ミリ
VTR 再生装置に入れて、早送り、巻き戻しを 10000回繰
り返した後、ドロップアウトカウンタを接続し、10μｓ
の間に出力が−16dB低下したものをドロップアウトとし
て、10分当りの回数を計測した。 （摩擦係数）20℃／50％（温度／湿度）の雰囲気下で摩
擦係数を測定した。
【００１７】実施例２ 実施例１において、電子銃からの電子ビームの照射条件
を変更して、ニッケル：クロム：モリブデン：鉄：タン
グステンの重量比が59：16：16：５：４のバックコート
層を形成し、その他は実施例１と同様にして磁気テープ
を製造し、同様の評価を行なった。その結果を表１に示
す。
を変更して、ニッケル：クロム：モリブデン：鉄：タン
グステンの重量比が59：16：16：５：４のバックコート
層を形成し、その他は実施例１と同様にして磁気テープ
を製造し、同様の評価を行なった。その結果を表１に示
す。
【００１８】比較例１ 実施例１において、蒸着材料として銅−アルミニウム系
合金（銅：Al＝95：５）とを用いて（ルツボは一元ルツ
ボとした）、実施例１同様に蒸着法によりバックコート
層を形成し、その他は実施例１と同様にして磁気テープ
を製造し、同様の評価を行なった。その結果を表１に示
す。
合金（銅：Al＝95：５）とを用いて（ルツボは一元ルツ
ボとした）、実施例１同様に蒸着法によりバックコート
層を形成し、その他は実施例１と同様にして磁気テープ
を製造し、同様の評価を行なった。その結果を表１に示
す。
【００１９】
【表１】
【００２０】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性に優れたバック
コート層を有する磁気記録媒体が提供され、バックコー
ト層の腐蝕による走行安定性の問題が解消され、その結
果、ジッタ、ドロップアウトの発生という従来の問題点
を解消することができる。
コート層を有する磁気記録媒体が提供され、バックコー
ト層の腐蝕による走行安定性の問題が解消され、その結
果、ジッタ、ドロップアウトの発生という従来の問題点
を解消することができる。
【図１】本発明の磁気記録媒体のバックコート層を形成
する蒸着装置の一例を示す略図である。
する蒸着装置の一例を示す略図である。
【図２】図１の装置におけるルツボ及び電子銃部分の拡
大略示図である。
大略示図である。
１…真空容器 ２…冷却キャンロール ３…フィルム ４…巻き出しロール ５…巻き取りロール ６…遮蔽板 ７…蒸着金属 ８…電子銃 ９…排気系 10…五元ルツボ 71…ルツボ 72…蒸着金属 81…電子銃
Claims (3)
- 【請求項１】 支持体と、該支持体の一方の面に形成さ
れた磁性層と、前記支持体の前記磁性層が形成された面
と反対の面の形成されたバックコート層とを有する磁気
記録媒体において、前記バックコート層がニッケル、ク
ロム、モリブデン、鉄及びタングステンを含有すること
を特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項２】 前記バックコート層中のニッケル、クロ
ム、モリブデン、鉄及びタングステンの組成比が、重量
比でニッケル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン
＝58：22：13：４：３である請求項１記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項３】 前記バックコート層中のニッケル、クロ
ム、モリブデン、鉄及びタングステンの組成比が、重量
比でニッケル：クロム：モリブデン：鉄：タングステン
＝59：16：16：５：４である請求項１記載の磁気記録媒
体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20801995A JPH0954938A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20801995A JPH0954938A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0954938A true JPH0954938A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16549335
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20801995A Pending JPH0954938A (ja) | 1995-08-15 | 1995-08-15 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0954938A (ja) |
-
1995
- 1995-08-15 JP JP20801995A patent/JPH0954938A/ja active Pending
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