JPH09221802A - 便器の防汚方法及び便器の防汚装置 - Google Patents

便器の防汚方法及び便器の防汚装置

Info

Publication number
JPH09221802A
JPH09221802A JP6890196A JP6890196A JPH09221802A JP H09221802 A JPH09221802 A JP H09221802A JP 6890196 A JP6890196 A JP 6890196A JP 6890196 A JP6890196 A JP 6890196A JP H09221802 A JPH09221802 A JP H09221802A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
toilet
trap
toilet bowl
chlorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6890196A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tabata
研二 田端
Shuhei Kono
秀平 河野
Tamon Kimura
太門 木村
Etsuko Kuroishi
悦子 黒石
Makoto Hayakawa
信 早川
Yukio Takano
幸夫 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP6890196A priority Critical patent/JPH09221802A/ja
Publication of JPH09221802A publication Critical patent/JPH09221802A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】中水から殺菌性塩素含有水を生成し、殺菌性塩
素含有水の便器のトラップまたは便器のボウル面の滞留
時間を調節することにより、中水を利用して小便器を防
汚することを目的とする。 【解決手段】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
において、中水の電気分解により生成した殺菌性塩素含
有水を所定時間便器のトラップまたはトラップを含む便
器ボウル面に滞留させる便器の防汚方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中水を電気分解して
得られる遊離塩素や結合塩素を含む殺菌性塩素含有水に
より、便器の防汚を行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビル等の水の有効活用を図るた
め、使用後の上水道水(以後上水と呼ぶ)の排水を回収
し、活性汚泥などの生物処理法や凝集沈殿、砂濾過、活
性炭膜処理などの物理化学処理をした後に、中水道水
(以後中水と呼ぶ)として便器等の洗浄に再利用する方
法が利用されている。
【0003】中水の水質基準については、厚生省及び建
設省から通達が出されているが、BOD又はCOD、大
腸菌群数、pH、臭気、外観で規定されるのみであり、
上水のように遊離塩素濃度、塩素イオン等に関する規定
はない。本出願人が、全国の数箇所で中水を採取し分析
したところ、アンモニアが検出されるところが多かっ
た。
【0004】本出願人は先の出願PCT/JP95/0
1650で、電気分解水等により生成する殺菌水等を便
器の洗浄に利用することにより、便器内を殺菌し、菌に
起因する尿石等の汚れの発生を防止することを提案し
た。これは、通常の洗浄だけでは尿石等の発生は防止で
きないが、電気分解により殺菌性のある次亜塩素酸や次
亜塩素酸イオンの遊離塩素等の殺菌性物質を洗浄水に発
生させることにより、小便器の尿石の発生を防止すると
いう原理に基づく発明である。
【0005】ところで、遊離塩素はアンモニアが存在す
ると、反応してモノクロラミン、ジクロラミン等の結合
塩素が生成すること、この結合塩素は殺菌性を有するこ
とが知られている。しかし、この結合塩素の殺菌力(殺
菌速度)は遊離塩素のに比べて100分の1以下とされ
ている。従って、便器洗浄水に中水を利用し、その中水
にアンモニアが多く含まれる場合、便器の殺菌対象とな
る部分の菌濃度が高い条件下、あるいは殺菌水と便器の
殺菌対象となる部分との接触時間が短い条件下では殺菌
による防汚効果が保証できなくなるという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、中水から殺菌性塩素含有水を生成し、殺菌性塩素含
有水の便器のトラップまたは便器のボウル面の滞留時間
を調節することにより、中水を利用して小便器を防汚す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決すべく、中水を洗浄水とし、便器のトラップ内または
トラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素含
有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法に
おいて、中水の電気分解により生成した殺菌性塩素含有
水を所定時間便器のトラップまたはトラップを含む便器
ボウル面に滞留させる便器の防汚方法を提供する。電気
分解により、遊離塩素を生成し、一部または全部を中水
中のアンモニア等と反応することにより殺菌性の結合塩
素を生成し、殺菌部と長時間接触できるため、便器内の
殺菌が可能となり、便器の防汚が可能となる。また、殺
菌水は中水の電気分解により生成し、殺菌剤の供給が不
要なため、中水の有効活用ができ、メンテナンスフリー
で清潔な便器を維持することができる。
【0008】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている便器の防汚方法において、所定の時間間
隔で殺菌性塩素含有水を便器のトラップまたはトラップ
を含む便器ボウル面に滞留させる。所定時間ごとに結合
塩素含有水を滞留することにより、より有効な殺菌が可
能となり、メンテナンスフリーで清潔な便器を維持する
ことができる。
【0009】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている便器の防汚方法においで、夜間にのみ殺
菌性塩素含有水を便器のトラップまたはトラップを含む
便器ボウル面に滞留させる。夜間の、特に人の使用しな
い時に結合塩素含有水を結合塩素含有水を滞留すること
により、より有効な殺菌が可能であり、メンテナンスフ
リーで清潔な便器を維持することができる。
【0010】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている便器の防汚方法において、便器使用後一
定時間以内に便器が使用されない場合に殺菌性塩素含有
水を便器のトラップまたはトラップを含む便器ボウル面
に滞留させる。便器使用後一定時間以内に便器が使用さ
れないときに結合塩素含有水を滞留することにより、よ
り有効な殺菌が可能であり、メンテナンスフリーで清潔
な便器を維持することができる。
【0011】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている便器の防汚方法においで、便器使用後の
便器洗浄の度毎に殺菌性塩素含有水を便器のトラップま
たはトラップを含む便器ボウル面に滞留させる。便器使
用後の便器洗浄の度毎に結合塩素含有水を滞留すること
により、より有効な殺菌が可能であり、メンテナンスフ
リーで清潔な便器を維持することができる。尚、頻繁に
使用される便器では使用の度に洗浄が行なわれるので、
菌の増加は阻止できる。
【0012】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている便器の防汚方法において、電気分解して
いない中水による便器の洗浄後、中水の電気分解により
生成した殺菌性塩素含有水を便器のトラップまたはトラ
ップを含む便器ボウル面に滞留させる。電気分解してい
ない中水による便器の洗浄後、中水の電気分解により生
成した殺菌性塩素含有水を便器のトラップまたはまたは
トラップを含む便器ボウル面に滞留させることにより、
より有効な殺菌が可能であり、メンテナンスフリーで清
潔な便器を維持することができる。トラップ内の滞留水
を、電気分解していない中水で置換することにより、便
器のトラップに滞留する菌数を減らし、10ケ/ml
以下に減少した後、殺菌性塩素含有水を滞留させること
により、便器内の菌を殺菌することができ、遊離塩素含
有殺菌水を用いた場合と同様の防汚効果を発揮させるこ
とができる。
【0013】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている小便器の防汚方法において、便器のトラ
ップまたはトラップを含む便器ボウル面の殺菌性塩素含
有水の滞留時間は5分以上である。滞留時間は少なくと
も5分とすることにより、10ケ/ml−殺菌水以下
の菌数に調整された便器内において菌を全滅することが
できる。より好ましくは、10分以上とすることによ
り、便器の菌濃度が10ケ/ml−殺菌水程度と高い
現場でも全滅が可能である。また、別の観点からは15
分以上とすることにより、結合塩素濃度が低くても便器
内の菌を全滅させることが可能である。濃度の高い結合
塩素を得るには、濃度の高い遊離塩素を発生することが
必要であり、電極寿命を縮めることになり、したがっ
て、電極寿命を延ばす観点からは結合塩素濃度は低いこ
とが望ましい。
【0014】本発明のより好ましい態様は、中水を洗浄
水とし、便器のトラップ内またはトラップより上流に、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が
配置されている小便器の防汚方法において、殺菌性塩素
含有水は0.3ppm以上の結合塩素を含む。殺菌性塩
素含有水は0.3ppm以上の結合塩素を含むことによ
り、便器内の菌を全滅することが可能であり、便器の汚
れを防止できる。かつ電極寿命も長くなる。
【0015】本発明の別の態様は、中水を洗浄水とし、
便器のトラップ内またはトラップより上流に、中水を電
気分解して殺菌性塩素含有水を生成する装置が配置され
ている便器の防汚装置を提供する。中水を洗浄水とし、
中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成することに
より、便器内の菌を全滅することが可能であり、便器の
汚れを防止できる。また、中水を利用することで、水の
有効活用が可能である。
【0016】本発明の別の態様は、少なくとも1対の電
極と、電極間に形成された流路と、流路に連通する液体
流入口と液体流出口を有する電気分解槽と、電極間に電
圧を印加する電源装置を有し、便器に中水の電気分解水
を供給して便器を防汚する装置において、便器の使用を
検知する手段と便器後段の排水管を開閉する手段と制御
手段を有し、制御手段からの信号により排水管の開閉手
段を閉じ、電気分解により生成した殺菌性塩素含有水を
便器に滞留させ、制御手段からの信号により、あるいは
該検知手段による便器使用の検知により、排水管の開閉
手段を開とすることを特徴とする中水を用いた便器の防
汚装置を提供する。上記便器の防汚装置の開閉手段によ
り、便器内への殺菌水の滞留が可能となる。また、開閉
手段により、便器のトラップのみならず、便器のボウル
面、便器後段の排水管への殺菌水の滞留が可能となる。
また、便器が複数連立する場合、該複数の便器のトラッ
プを経由して連通する排水管の途上に開閉弁を設けるこ
とにより、排水管内に殺菌水塩素含有水を滞留させるこ
とも可能であり、したがって、排水管の尿石等の付着を
防止し、また尿石等に起因する悪臭の発生を防止でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る中水を用いた便器の
洗浄方法と装置では、以下のような作用により防汚機能
が発揮される。電気分解により生成された次亜塩素酸等
の遊離塩素は、殺菌力が強い。従って、電気分解槽で電
気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっ
ている。ところで、次亜塩素酸はアンモニアと接触する
と、以下に示す(1)の反応により結合塩素となること
が知られている。結合塩素とは、アンモニアの少なくと
も1つの水素イオンが、塩素イオンに置き換わったもの
である。アンモニアの水素1つが塩素と置換したものを
モノクロラミン、2つと置換したものをジクロラミンと
いう。 NH + HClO → NHCl + HO・・・・・(1)
【0018】この結合塩素は殺菌力を持つこと、およ
び、その殺菌力は次亜塩素酸に比べ非常に小さい(遅
い)ことが知られている。中水の電気分解により生成さ
れた結合塩素含有殺菌水は殺菌水配水管を経由して便器
に供給され、滞留することにより便器内の細菌を殺菌す
ることが可能となる。
【0019】便器への尿石の付着のメカニズムは次のよ
うなものと考えられている。便器に排尿すると、便器表
面に尿が付着し、便器内の滞留水に尿が滞留する。一般
に便器には桿菌等の細菌が存在する。尿には多量の尿素
が含有されているが、便器表面や便器内の滞留水に細菌
が存在すると、尿素は細菌の有する酵素ウレアーゼの作
用によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。このと
き生成するアンモニア量が多いと異臭の一因となる。ま
たアンモニアが生成すると、便器表面に付着した液体や
便器内の滞留水に溶解し、その液体のpHが上昇する。
pHが上昇すると、便器表面に付着した液体や便器内の
滞留水に含まれるカルシウムイオンが炭酸塩やリン酸塩
へと形悪変化して析出し、尿石として便器に付着して着
色汚れの原因となる。
【0020】したがって、電気分解により生成された結
合塩素含有殺菌水を便器のトラップまたは便器のボウル
面に滞留させることにより、便器内に存在する上記桿菌
等の細菌を殺菌するため、このような尿石付着の原因が
排除され、便器は常に清浄な状態に保たれ、また、アン
モンニア等による臭気の発生も防止される。中水を電気
分解することにより生成する殺菌性塩素含有水は、遊離
塩素に比べ殺菌力が弱いため、滞留させることにより殺
菌力不足をカバーできる。
【0021】このような理由から、中水を原水として電
気分解し便器の殺菌に用いる場合は、結合塩素の生成量
および結合塩素含有水と防汚部分の接触時間を調整する
ことが必要とされる。また、結合塩素は、遊離塩素に比
べ、殺菌力は小さいが、寿命が長く、臭いを発しないな
どの利点もある。尚、ここでいう便器のトラップとは、
便器の洗浄水を貯留し、排水管との接続部を水で封鎖す
る部分(水封)をいい、便器本体の下部に有るもの、あ
るいは便器後段の排水管にU字型等の配管として配設さ
れるものがある。また、小使器本体下部には、ゴミ等の
侵入を防止するサナが配設され、このサナはトラップ内
で浸水しているタイプの小便器もある。また、便器のボ
ウル面とは、便器内の尿等の排泄物を受ける部分のこと
である。
【0022】
【実施例】以下の本発明に係わる実施例をもとに説明す
る。
【0023】[実施例1] 実験1.結合塩素の殺菌能力確認試験 便器や浴室等の排水口などに発生する赤シミやスライム
は、Pseudomonas属細菌などの細菌の活動に
由来することが知られている。菌の全滅に要する時間
は、結合塩素濃度および、単位殺菌水と接触する菌数で
規定される。そこで、単位殺菌水と接触する菌数及び結
合塩素の濃度を組み合わせることにより、殺菌に必要な
殺菌水の濃度および滞留時間を調べた。以下に、具体的
な実験について説明する。
【0024】(1)実験方法 (結合塩素殺菌力の評価方法)結合塩素の殺菌力の評価
は、British Standard Insti−
tution (1960)のMethod for
LaboratoryEvaluation of D
isinfect Activity ofQuate
rnary Ammonium Compounds
(第四アンモニウム化合物とそれらを含有する製剤の、
実験室における効力評価法)に従い行った。
【0025】(試験菌液の調整)評価対象菌として、小
便器トラップのスライムを構成する細菌の同属菌である
Pseudomonas aeruginosa IF
O13736を用いた。これを、SCD培地(日本製薬
製)にて、30℃で16±2h前培養したものを実験に
供した。培養した菌液に、4000rpm、10分間の
遠心沈降による集菌と生理食塩水による洗浄処理を2回
繰り返した。この菌液を生理食塩水で希釈し、1×10
、1×10、1×10、1×1010CFU/m
lの4種類の濃度の試験用菌液を調整した。
【0026】(中水の調整)実験には、実験室にて調整
した模擬中水を用いた。神奈川県茅ケ崎市の上水に、紫
外線ランプを照射して、上水中の遊離塩素を分解し、D
PD法により同処理上水中に残留する遊離塩素のないこ
とを確認した。この紫外線処理水にアンモニア水(和光
純薬工業(株)精密分析用 25%)を添加してアンモ
ニア性窒素濃度を20ppmとし、pHを5N塩酸(和
光純薬工業(株))で調整して模擬中水とした。
【0027】(殺菌水の製造装置)図1に本発明の実施
例に係わる電気分解装置の機器構成を示す。タンク12
は模擬中水等の被電気分解水を貯留するためのものであ
る。タンク12の水は順に開閉弁7と、ポンプPと流量
計16を介して、電気分解槽3へ導かれる構成となって
いる。整流回路を有する直流電源装置6をAC100ボ
ルトの家庭用電源に接続し、電気分解槽3内に配設した
電極板4を直流電源装置6に接続した。電気分解槽3に
流入する被電気分解水の流量はポンプPの回転数により
調節可能とした。流量計10により流量を計測した。電
極板4、4間に印加される電圧を電圧計11で計測し、
電極板4、4間を流れる電流を電流計8で計測した。電
流が一定になるように電圧を調整した。
【0028】図2に本発明に係わる電気分解槽3の概念
図を示す。電気分解槽3内の2枚の電極板4、4間の流
路を流れ、電気分解された水を電気分解槽3から排出
し、容器13に貯水した。図3、図4に本発明の実施例
に係る電気分解槽の構成を示す。図3は電気分解槽の平
面図で、電気分解槽内の液体の流れを矢印で表示してい
る。図4は図3のb−b断面図である。電気分解槽3は
1対の電極板4,4と、電極間に形成された流路5と、
流路に連通する液体流入口1と液体流出口2からなり、
極性の切り換え可能な直流電源6により電極に直流電圧
が印加される。液体流入口1と電極間に形成された流路
5、さらに電極間に形成された流路5と液体流出口2
は、電気分解槽3内の液体の流れる方向が夫々直角にな
るように形成されている。
【0029】図5に本発明の実施例に係わる電気分解槽
の分解斜視図を示す。電気分解槽3を、対角位置に液体
流入口1及び液体流出口2を設け一端が閉鎖された長方
形断面の筒状部材3aと、筒状部材3aの開放端を液密
に閉鎖する蓋部材3bとにより構成した。液体流入口1
と液体流出口2を対角位置に設けることにより、電極間
流路の液体の偏流の防止を行なった。
【0030】電極板4は、縦×横×板厚が40mm×4
0mm×0.5mmの正方形板とした。各電極板4の接
続端子4aを電気分解槽3の外部へ導出し電源に接続す
る構造とした。電極板4の材質は、白金とイリジウムを
重量比7:3の割合で含む白金・酸化イリジウム触媒で
被覆したチタンとした。触媒層の厚さは電極の寿命に影
響するため、各実験に用いた電極の触媒層の初期厚さは
1.0μmとした。電極板間距離は、0.5mmとし
た。電極板4、4間に電極板間距離と等しいポリエチレ
ンテレフタレートからなる板厚0.5mmの3枚のスペ
ーサー9、9、9(幅2mm)を挟んで電極板間距離を
確保した。スペーサー9に当接する部分の面積を除いた
実質の電極面積は、0.136dm/極とした。
【0031】(結合塩素含有殺菌水の製造方法)図1に
示す実験装置を用いて、前述の模擬中水を電気分解する
ことにより結合塩素含有水を生成した。結合塩素の濃度
は電気分解電流により調節した。結合塩素濃度の測定
は、電気分解水を10ml採取し、DPD法により実施
した。なお、この殺菌水は菌との接触試験の直前4分以
内に生成した。電気分解条件を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】(結合塩素含有殺菌水と菌の接触)上記の
各濃度の結合塩素を有する殺菌水25mlに、上述の試
験用菌液0.25mlを注入し、ただちに撹拌した。こ
の時点での殺菌水中における菌の濃度は、1×10
1×10、10×10、1×10CFU/ml−
殺菌水(以後殺菌水1ml当たりの菌数はこのように表
示する)とした。注入から所定時間経過後、殺菌水と試
験用菌液の混合液1mlを採取し、結合塩素の不活化剤
である0.1w/v%チオ硫酸ナトリウム水溶液9ml
中に注入し、反応を停止させた。これを試験区とした。
対照区として、殺菌水の代わりに生理食塩水を用いた試
験を同様に実施した。
【0034】(菌生残率の算出方法)反応停止後の液
を、平板混釈培養法にて36℃で24h培養を行い、生
菌数を計数した。培地には、普通寒天培地(日水製薬
製)を用いた。試験区と対照区の生菌数の比より、菌生
残率を算出した。
【0035】(2)実験結果 (結合塩素濃度と接触時間の関係)表2に初期菌濃度と
結合塩素による菌の全滅時間の関係を、図6から図9
に、菌生残率と接触時間の関係を示す。
【0036】
【表2】
【0037】結合塩素濃度の低下あるいは単位殺菌水と
接触する初期菌数の増大とともに、全滅に要する時間が
長くなることがわかる。初期菌数として最悪条件の1×
10ケ/ml−殺菌水でも3mg/lの結合塩素を含
有する殺菌水で殺菌すれば、10分の滞留で菌を全滅す
ることが可能である。
【0038】神奈川県茅ケ崎市の小便器を調べた所、通
常のトラップ内の菌濃度は、最も大きいときで1×10
ケ/ml程度である。また、殺菌水流水時には、トラ
ップ内滞留水を99%置換するので、初期菌数は10
ケ/mlと推測される。したがって、10ケ/ml−
殺菌水の結果を見ると、0.3ppmでも40分で全滅
可能なことがわかる。また、3ppmの結合塩素を含有
する殺菌水で殺菌すれば、5分の滞留で菌を全滅するこ
とが可能である。また、さらに低濃度の0.1ppmの
結合塩素を含有する殺菌水でも300分で殺菌が100
0分の1に減少でき、殺菌に有効であることがわかっ
た。
【0039】以上からトラップの滞留水を洗浄水により
置換し、希釈することにより、低濃度の結合塩素含有水
でも、菌を全滅することが可能である。したがって、予
め、トラップ内滞留水の菌濃度を小さくしておくことが
菌の全滅には望ましい。
【0040】実験2.結合塩素含有水による便器防汚試
験 (1)実験方法 実験1で得た知見をもとに、模擬中水を用いて、電気分
解により生成する結合塩素含有水による便器の防汚試験
を行なった。
【0041】(実験装置)図10に実験装置の構成を示
す。実験装置は模擬中水を供給するためのタンク14、
模擬水供給用のポンプP、開閉弁7、定流量弁10、電
気分解槽3、洗浄水あるいは殺菌水の供給するは開閉弁
71、72、73、コントローラC、3台の小便器T1
1、T12、T13からなり、殺菌水の供給時は、コン
トローラCにより、電気分解電圧と供給タイミングが指
示されるようにし、通常の洗浄はセンサーD11、D1
2、D13の使用検出により作動させた。模擬中水はポ
ンプPにより引き上げられ、開閉弁7、定流量弁10を
介して、電気分解槽3に導かれ、電気分解された後、各
開閉弁から便器に供給されるようにした。また、洗浄
水、殺菌水ともスプレッダーS11、S12、S13か
ら吐出するようにした。
【0042】(実験条件)図10に示すように小便器は
図面左から順にNo.1、No.2、No.3とし、順
に電気分解しない模擬中水、結合塩素濃度3ppmの模
擬中水、0.3ppm模擬中水を便器トラップに供給す
る滞留水として実験を行なった。滞留水は、便器使用中
止後の午後10時に順次生成、滞留を行なった。菌の測
定は、実験1と同じ方法により実施した。菌の測定は、
午後10時前、滞留開始後の2時間後および、午前7時
前に行なった。なお、午前7時から午後10時以外は便
器は使用しなかった。また、この結合塩素の供給は5週
間続け1週間おきにトラップ部に収容されるサナ、およ
び、トラップ部を観察をした。
【0043】(2)実験結果 結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】殺菌水の滞留により、0.3ppm以上の
結合塩素を含む場合、2時間で菌は全滅していることが
確認された。また、トラップ部に収容されるサナ、およ
び、トラップ部を観察した所、3および0.3ppmに
は尿石発生等の汚れは見られなかった。一方、電気分解
しない摸擬中水の洗浄の便器は2週目から汚れが観察さ
れだし、5週間後には落ちにくい尿石となった。したが
って、この殺菌水の滞留を所定時間間隔で行なうことに
より、便器の防汚が可能である。また、特に通常の洗浄
が行なわれない夜間、言い換えれば、人の使用しない時
間は、細菌が増殖しやすいので、夜間、あるいは便器使
用後一定時間以内に使用されない場合、殺菌水を滞留さ
せることは有効である。また、使用後の便器洗浄の度毎
に滞留させることにより、菌数の少ない洗浄後から増殖
を食い止めることにより、防汚が有効にできる。,ま
た、通常の洗浄により便器のトラップ内の滞留水を置換
し、トラップ内の細菌数を減少できるので通常の洗浄後
に殺菌水を滞留水することも望ましい。
【0046】[実施例2]図11には、本発明の便器防
汚装置の実施例を示した。給水管21には順に止水弁3
2、逆止弁33、定流量弁34、開閉弁K1が接続さ
れ、さらに小便器T1、排水管28が後段に接続され
る。また、給水管21は定流量弁34と開閉弁K1の間
で分岐し、開閉弁K1と小便器T1の間で給水管21に
合流する分岐管22がある。分岐管22の途上には、分
岐部側から順に開閉弁V1、電気分解槽3がある。電気
分解槽3は少なくとも一対の電極と、電極間に形成され
た流路と、流路に連通する液体流入口と液体流出口とを
有する。小便器の後段には、排水管28を開閉するため
の開閉弁Hがある。小便器T1とは別に、小便器の使用
を検知するセンサーD1がある。コントローラC1には
各開閉弁K1、V1、H及び電気分解槽3を作動させる
電源が含まれ、給水用の開閉弁K1電解槽用の開閉弁V
1、電気分解槽3、排水川の開閉弁H、センサーD1と
接続される。本装置の動作を図11に基づいて説明す
る。通常の便器の使用後はセンサーD1からの信号によ
りコントローラC1から開閉弁K1に開の指示が送ら
れ、所定時間の洗浄後、開閉弁K1を閉じる。また、コ
ントローラC1には図示しないタイマーが内蔵される。
殺菌水を便器T1のトラップに滞留させたい時間を予め
設定しておくと、設定時間になるとコントローラC1か
らの指示により、開閉弁K1が開となり、トラップ内の
滞留水が置換された後、閉となる。次に、電気分解槽用
の開閉弁V1が開となり、同時またはやや遅延して電気
分解槽3に電気分解電圧が印加される。電気分解された
殺菌性を有する電気分解水は、分岐管22を介して、給
水管21より便器内に予め設定された所定量供給され、
滞留水を置換する。続いて、排水管28側の開閉弁Hが
閉となり、電気分解水をさらに所定量供給すると、便器
のトラップを含む便器ボウルに滞留するため、便器内を
殺菌する。この後、所定時間経過後、あるいはセンサー
D1による使用者の検知と同時に、排水用の開閉弁Hは
開となり、滞留水は一気に排水管に流される。
【0047】ここで、殺菌水の滞留前にトラップ内滞留
水を置換洗浄することは省略することも可能である。こ
の場合、置換洗浄水を節約できる。また、殺菌水滞留、
排出後の再滞留の際に好ましい。また、殺菌水供給水装
置の誤作動による便器からの溢れ防止のために、便器内
にオーバーフロー管を設けることも好ましい。また、排
水管途上の開閉弁Hに開の指示を送るセンサーD1は、
本装置では通常の使用後自動洗浄用のセンサーを利用し
たが、トイレの別の場所、例えば、トイレルームの入口
等に設置することにより、便器の使用に際し、より早い
便器滞留水の排出が可能となる。この装置により、便器
のトラップを含む便器ボウル面の防汚も可能となり、メ
ンテナンスフリーで便器防汚することができる。
【0048】図12に本発明の便器防汚装置の別の実施
例を示した。本実施例は、小便器T2、T3が2台連立
する便器ユニット50である。2台の便器T2、T3と
1セットの殺菌水生成装置を含む。本便器ユニット50
にはその他に給水管30、コントローラC2、C3、排
水管48、及びこれらの建物に固定するためのフレーム
(図示せず)等が含まれる。本便器ユニット50を建物
に取付ける際、給水管30は上水道管又は中水道管に、
排水管48は下水道管に接続される。そして、給水管3
0と各便器T2、T3との間には洗浄用配管52、53
が設けられ、その洗浄用配管52、53の途上には開閉
弁K2、K3が設けられる。開閉弁K2、K3は第1コ
ントローラC2に接続され、その指示により開閉を行な
う。尚、第1コントローラC2には各便器T2、T3の
使用を検知する赤外線センサ−D2、D3が接続されて
いる。
【0049】殺菌水供給部は、給水管30から分岐した
電解用分岐管31の途上に、止水栓32、逆止弁33、
定流量弁34、第1開閉弁35、電気分解槽3及び電気
分解水貯留タンク37がこの順に接続され、電気分解水
貯留タンク37から殺菌水供給管38が第1及び第2便
器T2、T3に向けて延びている。殺菌水供給管38に
はポンプPが設けられ、殺菌水供給管38と各便器T
2、T3とを接続する分岐管40、41にはそれぞれ第
2開閉弁V2、V3が設けられている。第1開閉弁3
5、電気分解槽3、ポンプP及び両第2開閉弁V2、V
3には第2コントローラC3が接続され、その制御によ
り弁の開閉等の動作を行なう。排水管48の小便器T2
からの合流部より下流には開閉弁H1が配設されてい
る。この排水管途上の開閉弁H1は2つのコントローラ
C2、C3と接続され、開閉を行う。
【0050】本実施例の便器ユニット50が建物に取付
けられた後の使用時の動作は、次の通りである。まず、
便器(第1便器T2)が使用されると、その便器T2の
センサーD2がこれを検出し、第1コントローラC2に
検知信号を送る。検知信号を受けた第1コントローラC
2は、その便器T2の開閉弁K2を所定時間だけ開放す
る。これにより、給水管30の水は洗浄用配管52及び
開閉弁K2を経由して、便器T2の上部に設けられた叶
出口S2より便器内に吐出される。便器を洗浄した洗浄
水は、便器T2のトラップ部より排水管48に排出され
る。第2便器T3が使用された場合も同様である。な
お、複数の便器T2、T3からの排水を確実にするため
に、排水管48を図12に示すようにやや傾斜して設け
られる。
【0051】一方、第2コントローラC3にはタイマー
が内蔵されており、予め定められた動作時刻が到来する
と次のような処理を行なう。まず、排水管用の開閉弁H
1を閉じる。次に、第1開閉弁35を開放して、給水管
30の水を電気分解槽3に導く。このとき、定流量弁3
4により単位時間当たりに電気分解槽36に流入する水
の量は一定となるため、電気分解により生成される遊離
塩素、結合塩素の濃度も一定となる。第2コントローラ
C3は第1開閉弁35を開放すると同時に、電気分解槽
3に電気分解用の電圧を印加する。なお、この塩素イオ
ン含有水の電気分解についてはPCT/JP95/01
036に詳しい開示がある。電気分解槽3で生成された
殺菌水は貯留タンク37に貯留される。第2コントロー
ラーC3は、適宜のタイミングでポンプPを起動すると
ともに第2開閉弁V2を所定時間だけ開放することによ
り、貯留タンク37に貯留された殺菌水を第1便器T2
に供給する。本動作は第2便器T3についても行われ
る。本実施例の場合、図12に示すように、便器への供
給は洗浄水と同じ吐出口S2を用いるが、便器に別途吐
出口を設けてもよい。
【0052】このように、貯留タンク37に貯留された
殺菌水をポンプPで一気に便器に供給することにより、
殺菌水を便器T2、T3内の広い範囲に拡散させ、かつ
排水管及び便器トラップを含む便器ボウル内に滞留させ
ることができるようになり、便器T2、T3内はもとよ
り排水管途上の開閉弁H1より上流の排水管も充分な殺
菌を行なうことが可能となる。H1を閉じるタイミング
を遅らせて、滞留水を系外へ排出することにより、より
効果的に殺菌水を滞留させることも可能である。
【0053】第2開閉弁V2を開放する時間は便器T2
に貯留する殺菌水の量に応じて適宜設定するが、この量
はトラップ帯留水を置換できる程度以上とすることが望
ましい。通常の小便器では約2リットル/台以上とする
のが適当である。貯留タンク37の容量は、小便器1台
分の使用量とほぼ等しくしておいてもよいし、2台分の
使用量に等しくしておいてもよい。貯留タンク37の容
量が1回分の使用量しかない場合は、第2コントローラ
ーC3は第1便器T2の第2開閉弁V2を開放及び閉鎖
した後、再び殺菌水が貯留タンク37に充満するまで待
ち、その後第2便器T3の第2開閉弁V3を所定時間だ
け開放する。貯留タンク37が2回分の容量を持つ場合
は、第1便器T2の第2開閉弁V2を開放及び閉鎖した
直後に第2便器T3の第2開閉弁V3を開放する。ま
た、同時に行なってもよい。こうして第1及び第2便器
T2、T3の双方に殺菌水を流した後は、第2コントロ
ーラC3は第1開閉弁35を閉鎖し、次回の殺菌水供給
タイミングを待つ。
【0054】殺菌水を所定時間滞留させた後、あるいセ
ンサーにより使用者が検知された時、排水管の途上の開
閉弁H1は開となり、滞留水は一気に排出される。な
お、本装置では通常の使用後自動洗浄用のセンサーを利
用したが、トイレの別の場所、例えば、トイレルームの
入口等に設置することにより、便器の使用に際し、より
早い便器滞留水の排出が可能となる。貯留タンク37に
はオーバーフロー口が設けられており、オーバーフロー
口から溢れた水はオーバーフロー配管44により第1便
器T2に供給されるようになっている。これは、何らか
の不具合により、第1、開閉弁35が開放されたまま貯
留タンク37への水の供給が続いているにも拘わらず、
貯留タンク37の貯留水が便器T2、T3に供給されな
いという以上な場合に対処するためである。また、排水
管途上の開閉弁H1は第1便器T2からの合流部より上
流の排水管途上に設置することにより、殺菌水の滞留を
各便器ごとに行うことも可能となり、この場合、2つの
便器の片方が利用されることによる殺菌水の再滞留の際
に殺菌水の供給量を節約することが可能となる。
【0055】殺菌水供給タイミングは、種々のパターン
を採用することができる。最も単純には、例えば2時間
毎、4時間毎等の一定時間毎としてもよいが、便器の使
用との関係を考慮することにより、より有効な便器の殺
菌を行なうことができる。すなわち、殺菌水を便器に供
給した直後に便器が使用されると、殺菌水は便器使用後
の洗浄水により排出されてしまい、便器を殺菌するため
の時間が与えられないことになる。したがって、例え
ば、 (1)便器使用後の洗浄水の供給直後に殺菌水を滞留さ
せる。 (2)便器が使用された後、所定時間便器が使用されな
い場合には殺菌水を滞留させる。 (3)夜間又は休日に限って一定時間間隔で滞留させ
る。 等の方法をとることが望ましい。この場合、第1コント
ローラC2と第2コントローラC3とを接続し、第1コ
ントローラC2の動作信号が第2コントローラC3に与
えられるようにしなければならない。なお、両者をまと
めて1台のコントローラで制御するようにしてもよい。
【0056】図11、図12の止水栓32及び逆止弁3
3は、次のような目的で設けられている。まず、電気分
解槽の電極を交換する等、電気分解槽3のメンテナンス
が必要となったときは、止水栓32を閉鎖して、上水又
は中水を遮断する。貯留タンク37等、その他の部分の
メンテナンスの場合も同様である。また、逆止弁33
は、電気分解槽3で生成された遊離塩素含有水が上水道
または中水道に逆流することを防止する。
【0057】上記実施例では、各便器毎に殺菌水供給用
の開閉弁V2、V3を設けたが、これらを廃し、ポンプ
から全ての便器に直接殺菌水を供給するようにしてもよ
い。また、タンク及びポンプを使用することなく、電気
分解槽で生成された殺菌水を連続的に各便器に供給する
ようにしてもよい。更に、電気分解槽3を開閉弁K2、
K3と直列に、その上流側に設けるようにしてもよい
し、下流側に設けるようにしてもよい。下流側に設ける
場合、電気分解槽3を各便器T2、T3毎に設けるよう
にしてもよい。上記各例では説明の便のために小便器2
台の2連立便器ユニットを例として挙げたが、3台以上
の便器を含む多連立便器ユニットについても、本発明は
全く同様に適用することができるのはもちろんである。
また、本実験は小便器で実施したものであるが、大便器
にも適用できることはいうまでもない。
【0058】以上で述べた、便器の防汚方法及び防汚装
置は中水の電気分解により生成する遊離塩素、結合塩素
等の殺菌性塩素含有水に限定されず、上水の電気分解に
より生成する遊離塩素はもちろんものこと、PCT/J
P95/01650に開示しているような電気分解、あ
るいは無声放電によるオゾン含有水、抗菌性金属イオン
水等の他の殺菌剤にも適用できることはいうまでもな
い。適用により、従来、不使用時は滞留する洗浄水とは
接触していなかった便器ボウル面や、排水管等の防汚も
可能である。滞留は結合塩素、抗菌性金属イオン等のよ
うに殺菌対象部との瞬時の接触では、殺菌力が有効に発
揮されない殺菌水に有効であるが、遊離塩素、オゾン等
の殺菌力の強い殺菌水にも当然有効である。その際、滞
留時間を短く設定することもできる。
【0059】
【発明の効果】本発明では上記問題を解決すべく、中水
を洗浄水とし、便器のトラップ内またはトラップより上
流に、中水を電気分解して殺菌性塩素含有水を生成する
装置が配置されている便器の防汚方法において、中水の
電気分解により生成した殺菌性塩素含有水を所定時間便
器のトラップまたはトラップを含む便器ボウル内に滞留
させる便器の防汚方法および便器の防汚装置を提供し
た。本発明により、電気分解により、遊離塩素を生成
し、一部または全部を中水中のアンモニア等と反応する
ことにより殺菌性の結合塩素を生成し、殺菌部と長時間
接触できるため、便器内の殺菌が可能となり、便器の防
汚が可能となる。また、殺菌水は中水の電気分解により
生成し、殺菌剤の供給が不要なため、中水の有効活用が
でき、メンテナンスフリーで清潔な便器を維持すること
ができる。
【0060】所定時間ごとに結合塩素含有水を滞留する
ことにより、より有効な殺菌が可能となり、メンテナン
スフリーで清潔な便器を維持することができる。夜間
の、特に人の使用しない時に結合塩素含有水を結合塩素
含有水を滞留することにより、より有効な殺菌が可能で
あり、メンテナンスフリーで清潔な便器を維持すること
ができる。便器使用後一定時間以内に便器が使用されな
いときに結合塩素含有水を滞留することにより、より有
効な殺菌が可能であり、メンテナンスフリーで清潔な便
器を維持することができる。便器使用後の便器洗浄の度
毎に結合塩素含有水を滞留することにより、より有効な
殺菌が可能であり、メンテナンスフリーで清潔な便器を
維持することができる。尚、頻繁に使用される便器では
使用の度に洗浄が行なわれるので、菌の増加は阻止でき
る。電気分解していない中水による便器の洗浄後、中水
の電気分解により生成した殺菌性塩素含有水をトラップ
に滞留させることにより、より有効な殺菌が可能であ
り、メンテナンスフリーで清潔な便器を維持することが
できる。トラップ内の滞留水を置換洗浄することによ
り、滞留する菌数を減らすことが可能であり、濃度の低
い結合塩素を滞留させることにより、便器内の菌を殺菌
することができ、遊離塩素含有殺菌水を用いた場合と同
様の防汚効果を発褌させることができる。
【0061】滞留時間は少なくとも5分とすることによ
り、便器内の菌を全滅することができる。より好ましく
は、10分以上とすることにより、便器の菌濃度が高い
現場でも全滅が可能である。殺菌性塩素含有水は0.3
ppm以上の結合塩素を含むことにより、短時間の滞留
で便器の殺菌が可能となる。トラップ内またはトラップ
より上流に電気分解装置を配置する便器の防汚装置によ
り、便器のトラップのみならず、便器のボウル面への殺
菌水の滞留が可能となり、メンテナンスフリーの便器防
汚が可能となる。また、便器後段には便器の排水管途上
に開閉弁を配設することにより、排水管の防汚も可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実験1に係わる実験装置装置の構成図
【図2】電気分解装置の概念図
【図3】本発明の実施例に係わる電気分解槽の概念図
【図4】本発明の実施例に係わる電気分解槽の概念図
【図5】本発明の実施例に係わる電気分解槽の分解斜視
【図6】結合塩素殺菌力の接触時間依存性
【図7】結合塩素殺菌力の接触時間依存性
【図8】結合塩素殺菌力の接触時間依存性
【図9】結合塩素殺菌力の接触時間依存性
【図10】本発明の実験2に係わる実験装置装置の構成
【図11】本発明に係わる便器の防汚装置の構成図
【図12】本発明に係わる便器の防汚装置の構成図
【符号の説明】
1 液体流入口 2 液体流出口 3 電気分解槽 4 電極 5 電極間流路 6 電源 7 開閉弁 8 電流計 9 スペーサー 10 定流量弁 11 電圧計 12、14 タンク 16 流量計 32 止水栓 33 逆止弁 34 定流量弁 35 開閉弁 37 貯留タンク 50 便器ユニット P ポンプ V1、V2、V3 殺菌水供給用の開閉弁 K1、K2、K3 洗浄水用の開閉弁 D1、D2、D3 センサー C、C1、C2、C3 コントローラ H、H1 排水用の開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒石 悦子 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 早川 信 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内 (72)発明者 高野 幸夫 北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東 陶機器株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、中水の電気分解により生成した殺菌性塩素含
    有水を所定時間便器のトラップまたはトラップを含む便
    器ボウル面に滞留させることを特徴とする便器の防汚方
    法。
  2. 【請求項2】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、所定の時間間隔で殺菌性塩素含有水を便器の
    トラップまたはトラップを含む便器ボウル面に滞留させ
    ることを特徴とする請求項1に記載の便器の防汚方法。
  3. 【請求項3】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、夜間にのみ殺菌性塩素含有水を便器のトラッ
    プまたはトラップを含む便器ボウル面に滞留させること
    を特徴とする請求項1に記載の便器の防汚方法。
  4. 【請求項4】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、便器使用後一定時間以内に便器が使用されな
    い場合に殺菌性塩素含有水を便器のトラップまたはトラ
    ップを含む便器ボウル面に滞留させることを特徴とする
    請求項1に記載の便器の防汚方法。
  5. 【請求項5】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、便器使用後の便器洗浄の度毎に殺菌性塩素含
    有水を便器のトラップまたはトラップを含む便器ボウル
    面に滞留させることを特徴とする請求項1に記載の便器
    の防汚方法。
  6. 【請求項6】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている便器の防汚方法
    において、電気分解していない中水による便器の洗浄
    後、中水の電気分解により生成した殺菌性塩素含有水を
    便器のトラップまたはトラップを含む便器ボウル面に滞
    留させることを特徴とする請求項1に記載の便器の防汚
    方法。
  7. 【請求項7】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている小便器の防汚方
    法において、便器のトラップまたはトラップを含む便器
    ボウル面の殺菌性塩素含有水の滞留時間は5分以上であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1
    項に記載の便器の防汚方法。
  8. 【請求項8】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されている小便器の防汚方
    法において、殺菌性塩素含有水は0.3ppm以上の結
    合塩素を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の
    いずれか1項に記載の便器の防汚方法。
  9. 【請求項9】中水を洗浄水とし、便器のトラップ内また
    はトラップより上流に、中水を電気分解して殺菌性塩素
    含有水を生成する装置が配置されていることを特徴とす
    る中水を用いた便器の防汚装置。
  10. 【請求項10】少なくとも1対の電極と、電極間に形成
    された流路と、流路に連通する液体流入口と液体流出口
    を有する電気分解槽と、電極間に電圧を印加する電源装
    置を有し、便器に中水の電気分解水を供給して便器を防
    汚する装置において、便器の使用を検知する手段と便器
    後段の排水管を開閉する手段と制御手段を有し、制御手
    段からの信号により排水管の開閉手段を閉じ、電気分解
    により生成した殺菌性塩素含有水を便器に滞留させ、制
    御手段からの信号により、あるいは該検知手段による便
    器使用の検知により、排水管の開閉手段を開とすること
    を特徴とする中水を用いた便器の防汚装置。
JP6890196A 1996-02-19 1996-02-19 便器の防汚方法及び便器の防汚装置 Pending JPH09221802A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6890196A JPH09221802A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 便器の防汚方法及び便器の防汚装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6890196A JPH09221802A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 便器の防汚方法及び便器の防汚装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09221802A true JPH09221802A (ja) 1997-08-26

Family

ID=13387030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6890196A Pending JPH09221802A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 便器の防汚方法及び便器の防汚装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09221802A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010535956A (ja) * 2007-08-08 2010-11-25 マスノウ,フランシスコ ハヴィエル ドロ 家庭内等設置用節水システム
JP2011047129A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Yanmar Co Ltd 取水管内壁の防汚方法及び取水装置
JP2015132099A (ja) * 2014-01-11 2015-07-23 共立製薬株式会社 小便器システム及び小便器システムの洗浄方法
US20180258765A1 (en) * 2015-01-13 2018-09-13 Hitachi Zosen Corporation Tunnel boring machine

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010535956A (ja) * 2007-08-08 2010-11-25 マスノウ,フランシスコ ハヴィエル ドロ 家庭内等設置用節水システム
JP2011047129A (ja) * 2009-08-25 2011-03-10 Yanmar Co Ltd 取水管内壁の防汚方法及び取水装置
JP2015132099A (ja) * 2014-01-11 2015-07-23 共立製薬株式会社 小便器システム及び小便器システムの洗浄方法
US20180258765A1 (en) * 2015-01-13 2018-09-13 Hitachi Zosen Corporation Tunnel boring machine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3480173B2 (ja) 殺菌水供給機能付便器ユニット
JPH11222898A (ja) 便器洗浄方法及び装置
CA2940224C (en) Siphon trap disinfection system
US10183875B2 (en) Point of use electrolysis system
JPH09221802A (ja) 便器の防汚方法及び便器の防汚装置
JPH11235378A (ja) 電解水手洗器
KR200353265Y1 (ko) 소독장치를 구비한 정수기
EP4150168B1 (en) Plumbing fixture sanitising system
JP2001090145A (ja) 便器の殺菌装置および便器の殺菌方法
JP2000355965A (ja) 便器殺菌装置
JP3031280B2 (ja) 便器洗浄装置
JP2000027262A5 (ja)
JP2000027262A (ja) 便器洗浄水の殺菌装置
KR102461570B1 (ko) 변기 소독 장치
JP3191798B2 (ja) 便器表面への尿石の付着除去方法
JPH09220572A (ja) 水処理方法及びその方法を用いた水処理装置
JPH09221807A (ja) 便器排水管の防汚防臭方法
JP2000355966A (ja) 便器殺菌装置
JPH09144102A (ja) 便器用殺菌水供給ユニット
WO1997017298A1 (fr) Procede de fabrication pour bactericide, dispositif de fabrication et bactericide
WO2024024953A1 (ja) 建物内における、水道水が使用される設備を含むユニット、または当該ユニットの表面に塩素耐性メチロバクテリウムが増殖するのを抑制するための、もしくは当該ユニットの表面に増殖した塩素耐性メチロバクテリウムを殺菌するための方法
JP2000054455A (ja) 便器洗浄装置
JP3813326B2 (ja) 汚水処理装置
JP2001252666A (ja) 連続式電解槽および便器の殺菌装置
TW202413285A (zh) 建築物內之包含使用自來水的設備之單元、用來在該單元的表面抑制耐氯甲基桿菌增生或將已經在該單元的表面增生的耐氯甲基桿菌殺菌的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040518

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02