JP2001252666A - 連続式電解槽および便器の殺菌装置 - Google Patents

連続式電解槽および便器の殺菌装置

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JP2001252666A
JP2001252666A JP2000066685A JP2000066685A JP2001252666A JP 2001252666 A JP2001252666 A JP 2001252666A JP 2000066685 A JP2000066685 A JP 2000066685A JP 2000066685 A JP2000066685 A JP 2000066685A JP 2001252666 A JP2001252666 A JP 2001252666A
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electrolytic cell
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Naohito Wajima
尚人 輪島
Shuji Nishiyama
修二 西山
Shigeru Ando
茂 安藤
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌性金属イオンを含み、且つ、機器に適正
な流量の洗浄水を流すことを目的としたものであり、特
に、水洗便器にぬめりの付着や臭気の発生を防止する機
能を備え、さらに小便器においては、尿石の付着にとも
なう汚水の通過路の狭小化や美観の損傷、臭気の発生を
も防止する機能も兼ね備えるとともに、水洗便器のボウ
ル面の黒色化を生じさせることのない便器の殺菌装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 水洗便器の便器洗浄水給水路等の給水路
に配設され、電解電圧により殺菌性金属イオンを溶出す
る対向した電極間に形成された流路と、流路に連通する
液体流入口と液体流出口を有する連続式電解槽におい
て、電極間に形成された流路の断面積が液体流入口もし
くは液体流出口の流路断面積以上であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌性金属イオン
が添加された水を生成する連続式電解槽に関するもので
あり、また、その連続式電解槽を水洗便器への便器洗浄
水給水路に設けた殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、便器の日常的洗浄は、使用者のボ
タン操作等による手動洗浄装置、あるいは、便器の前に
人が立ったことを検出し、便器の使用が終了した時点で
自動的に上水又は中水を流すという動作を行なう自動洗
浄装置により行なわれていた。
【0003】しかし、便器使用後に単に水を流すのみで
は、徐々に便器に水アカやぬめりが付着したり臭気が発
生することを防止することができない。また、小便器に
おいては尿石が配管内に付着して汚水の通過路を狭くし
たり、便器の表面に付着して外観を損ね、細菌繁殖の温
床となって臭気を放つようになる。このように一旦付着
してしまった尿石は通常の清掃では除去することは難し
く、ブラシで強く擦らないと取れない。このため、尿石
除去は専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担と
なっていた。
【0004】従来から銀成分には殺菌作用があることは
知られており、水洗便器の殺菌のため、水洗便器に対す
る便器洗浄水給水路と、この便器洗浄水給水路内に銀成
分を混入させる銀極板を有するイオン発生器と、前記便
器洗浄水給水路に設けた開閉弁の開弁動作に連動して銀
極板に給電する電源装置とを備えた便器の殺菌浄化装置
が知られている。(実開平7−17391)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように便器洗浄水給水路内に銀成分混入させる電極、電
解槽を設置させる場合、これらの設置にともなう洗浄水
給水路内の圧力損失の上昇によって便器洗浄水量が変化
し、この結果、便器の洗浄効果を低減させ、汚れの付着
および増加を促してしまう懸念があった。また、電極部
近傍での便器洗浄水による撹拌効果が小さいと電極部近
傍での局所的な銀イオン濃度の増加を招き、この結果、
銀イオンの便器洗浄水中への拡散が律速となり、電気分
解時の印加電圧の上昇、洗浄水として用いる上水や中水
に含まれる塩素イオン等のハロゲンイオンと銀成分との
反応により塩化銀等のハロゲン化銀生成を促してしまう
懸念があった。この塩化銀等のハロゲン化銀は、非常に
難溶性であるとともに、光感受性が高く、容易に銀鏡反
応を引き起こして黒色化を生じてしまうという問題があ
った。
【0006】特に、便器洗浄水においては、比較的高い
頻度で洗浄水が水洗便器表面を流れるため、上水や中水
中に含まれる代表的な成分である、ケイ酸イオンやカル
シウムイオンが付着乾燥の繰り返しによって、多孔性の
いわゆる「水アカ」を水洗便器表面に形成する。この形
成した水アカ表面の凹凸によって、水中の粒子状懸濁物
質の捕捉効果が高まるため、上記塩化銀等のハロゲン化
銀が接触した場合も同様に捕捉されてしまう。上記のよ
うに、塩化銀等のハロゲン化銀は難溶性の結晶粒子であ
るため、便器洗浄水中に溶解することなく水洗便器表面
に残存してしまう。結果として、水洗便器表面を黒色に
着色させることになり、美観を損なってしまうという大
きな問題があった。なお、このような課題は水洗便器に
限らず、洗浄水によって機器の洗浄を行う装置全般に言
えることでも有った。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、殺菌性金属イオンを含み、且つ、
機器に適正な流量の洗浄水を流すことを目的としたもの
であり、特に、水洗便器にぬめりの付着や臭気の発生を
防止する機能を備え、さらに小便器においては、尿石の
付着にともなう汚水の通過路の狭小化や美観の損傷、臭
気の発生をも防止する機能も兼ね備えるとともに、水洗
便器のボウル面の黒色化を生じさせることのない便器の
殺菌装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課
題を解決するためになされた本発明は、給水路に配設さ
れ、電解電圧により殺菌性金属イオンを溶出する対向し
た電極間に形成された流路と、流路に連通する液体流入
口と液体流出口を有する連続式電解槽において、電極間
に形成された流路の断面積が液体流入口もしくは液体流
出口の流路断面積以上であることを特徴とする。
【0009】これにより、電解槽での圧損を抑えること
ができ、例えば、水洗便器の便器洗浄水給水路に配設さ
れた電解槽での便器洗浄水の通水圧力の上昇を抑制し、
便器の洗浄水量の低下を防止することによって、便器の
洗浄に必要な水量を確保することができる。
【0010】また、本発明の好ましい様態として、電極
間に形成された流路と液体流入口および液体流出口の流
路とが、略直線上に配置したものを挙げることができ
る。
【0011】これにより、水が電解槽を通過する際に生
じる通水路抵抗の上昇を抑制するとともに、水の滞留部
位を極力減らすことができる。さらに、電極表面近傍で
のイオンの拡散性を向上させることができ、溶出イオン
および便器洗浄水中に存在するイオンの濃度分極に伴う
電気分解時の印加電圧の上昇が抑制され、安定した電気
分解が可能になる。
【0012】また、本発明の好ましい様態として、前記
電極間に形成された流路の断面積が液体流入口もしくは
液体流出口の外径より求められる断面積以下にしたもの
を挙げることができる。
【0013】これにより、水が電解槽を通過する際の流
速が維持され、水の流れの変化にともなって発生する滞
留部を抑制することができる。さらに、電極表面近傍で
のイオンの拡散性を向上させることができ、溶出イオン
および便器洗浄水中に存在するイオンの濃度分極に伴う
電気分解時の印加電圧の上昇が抑制され、安定した電気
分解が可能になる。
【0014】また、本発明は、電極間に形成された流路
において、電極の設置面から90度以上の角度で流路壁
が構成されることを挙げることができる。
【0015】これにより、電極表面近傍でのイオンの拡
散性を向上させることができ、溶出イオンおよび便器洗
浄水中に存在するイオンの濃度分極に伴う電気分解時の
印加電圧の上昇が抑制され、安定した電気分解が可能に
なる。
【0016】また、本発明は、電極と電気分解制御装置
とを接続する電極端子部が、電極材質と同一かつ連続し
た構造とした。さらに好ましい様態としては、電極は電
解槽の成型と同時に電解槽内に設置し、成型方法はイン
サート成型とした。
【0017】これにより、異種金属の接合がなく、さら
に、組み立て工程が簡略化でき生産性に優れた一体型の
電解槽を供給することができる。
【0018】また、本発明は、連続式電解槽を水洗便器
の便器洗浄水給水路に配設したこと、更には、連続式電
解槽の電極間に形成された流路の断面積が、液体流入口
もしくは液体流出口と接続される配管の外径より求めら
れる断面積以下とした。これにより、配管より大きく突
出しない電解槽形状であるため、従来設置が困難であっ
た便器内部や便器近傍の種々の設置場所への対応が可能
となる。
【0019】また、本発明は、前記電極の少なくとも一
方が、銀もしくは銀を含有する化合物であり、便器洗浄
水中に供給される銀イオン濃度が1μg/L以上10μ
g/L以下とした。これにより、殺菌性の金属イオンで
ある銀イオンを塩化銀等の難溶性ハロゲン化銀とするこ
となく、便器洗浄水に存在させることができるととも
に、難溶性ハロゲン化銀の生成にともなって生じる便器
表面の黒色化を防止することができる。
【0020】なお、本発明を大便器や小便器等の水洗便
器に適用した場合において、以上に述べた効果のほかに
も秀逸な効果を発揮する。その理由を以下に記す。
【0021】水洗便器への尿石の付着メカニズムは次の
ようなものと考えられている。水洗便器に排尿をする
と、洗浄によって除去しきれない尿が便器表面に付着す
るとともに、小便器内のトラップ部に尿が滞留する。こ
のため、便器表面やトラップ内の滞留水中には多数の細
菌が存在しやすくなる。尿には多量の尿素やタンパク
質、リン酸等が含有されており、これを栄養源として細
菌が増殖する。この際、尿素は細菌の有する酵素ウレア
ーゼの作用によりアンモニアと二酸化炭素に分解され、
この時生成するアンモニア量が臭気の一因となる。また
アンモニアの生成によってpHが上昇し、小便器ボウル
面に付着した液体やトラップ部の滞留水に含まれるカル
シウムイオンが炭酸塩やリン酸塩へと変化して析出し、
尿石として小便器に付着し、着色汚れの原因となる。
【0022】以上から、本発明に係る便器の殺菌装置を
水洗便器に適応した様態では、生成された銀イオンを水
洗便器に流すことにより、水洗便器内に存在する細菌を
殺菌するため、このような尿石付着の原因が排除され、
水洗便器は常に清浄な状態に保たれて美観を損ねること
もなく、尿石の配管内への付着による汚水通過路の狭小
化が防止され、また、アンモニア等による臭気の発生も
防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。なお、本実施例では連続式電解槽を主と
して本発明の便器洗浄水の殺菌方法及び殺菌装置を小便
器に適用した例を示したが、大便器に用いても同様の効
果を発揮することができ、また、便器以外の浴室内の洗
浄装置や、トイレや厨房等の床洗浄用としてホースへ接
続して用いることもできる。
【0024】図1は本発明に係る便器の殺菌装置の実施
例である。電解槽2が、便器洗浄用給水管4のフラッシ
ュバルブ等からなる給水弁3よりも下流に設けられてい
る。給水弁3は公知の便器自動洗浄システム5に電気的
に接続されている。便器洗浄用給水管4は小便器1に接
続されている。また、制御装置6が電源部7、電解槽2
の電極8a、8b及び便器自動洗浄システム3とに電気
的に接続されている。
【0025】図2は本実施例に用いる電解槽2の詳細図
である。電解槽2の内部には金属銀の平板を向かい合わ
せて配置した一対の電極8a、8bがあり、この電極間
に形成された電極間流路9、便器洗浄水流入口10aお
よび便器洗浄水流出口10bが構成されている。前記電
極間流路9、便器洗浄水流入口10aおよび便器洗浄水
流出口10bは略直線上に配置されている。
【0026】なお、前記便器洗浄水流入口10aおよび
10bと便器洗浄用給水管との接続形態は、通常用いら
れる配管継手方法であれば構わない。
【0027】また、図3は前記図2のA−A断面部を示
したものである。金属銀の平板を向かい合わせて配置し
た一対の電極8a、8b間に形成された電極間流路9の
断面積は、便器洗浄水流入口10aもしくは便器洗浄水
流出口10bの内径より計算される断面積以上であり、
便器洗浄水流入口10aもしくは便器洗浄水流出口10
bの外径より計算される断面積以下となっている。
【0028】図4乃至7は電極8a、8bの電解槽2へ
の設置構造の一例を示したものである。電極8a、8b
間に形成された流路において、電極の設置面から90度
以上の角度で流路壁が構成されており、電気分解によっ
て電極8a、8bから発生した銀イオンおよび便器洗浄
水中に存在するイオン種の便器洗浄水への拡散性を高
め、電極近傍での濃度分極の発生を抑制している。特
に、図4および図5に示した電極表面と便器洗浄水の流
れに平行する流路面との距離dが大きいと濃度分極の発
生が容易になるため、好ましくは便器洗浄水流入口10
aもしくは便器洗浄水流出口10bの内径の2分の1以
下が望ましい。
【0029】図8は電極表面と便器洗浄水の流れに平行
する流路面との距離dと、便器洗浄水流入口10aもし
くは便器洗浄水流出口10bの内径の比と電流1.5m
A印加時の電圧の関係を示したものである。これによ
り、電極表面と便器洗浄水の流れに平行する流路面との
距離dは、便器洗浄水流入口10aもしくは便器洗浄水
流出口10bの内径の2分の1以下にすれば、電極8
a、8b表面近傍での濃度分極の発生が抑制され、電圧
の変動がなく安定な電気分解特性を得ることができる。
【0030】また、前記電極間に形成された流路を通過
する便器洗浄水の流速は、電極近傍に発生する濃度分極
に対して影響を与える。図9は便器洗浄水の電極8a、
8b間に形成された流路通過時の流速と電流1.5mA
印加時の電圧の関係を示したものである。いずれの電極
間距離においても0.3m/sec以上の便器洗浄水通
過流速であれば電圧の変動がなく、安定な電気分解特性
を得ることができる。
【0031】これにより、便器洗浄水が電解槽を通過す
る際に生じる通水路抵抗の上昇を抑制するとともに、便
器洗浄水の滞留部位を極力減らすことができ、電極表面
近傍でのイオンの拡散性を向上させることができ、溶出
イオンおよび便器洗浄水中に存在するイオンの濃度分極
に伴う電気分解時の印加電圧の上昇が抑制され、安定し
た電気分解が可能になる。
【0032】また、前記電解槽2において、電極8a、
8bと電気分解制御装置6とを接続する電極端子部が、
電極材質と同一かつ連続した構造とし、電極8a、8b
を電解槽2の成型と同時に設置することによって、イン
サート成型等の樹脂成型法を用いた一体成形を可能にし
た。これによって、電解槽製造工程が大幅に低減される
とともに、均質かつ電解特性の安定した電解槽が簡便に
提供できる。
【0033】さらに、前記電解槽2は、接続される便器
洗浄用給水管から大きく突出することのないコンパクト
な構造が可能となるため、これまで給水配管設置スペー
スが狭く設置が困難であった部位や複数連結された多連
便器システム等への組込が容易となる。
【0034】次に動作について説明する。便器洗浄は便
器洗浄水に銀成分を含む場合と、便器洗浄水に銀成分を
含まない場合とに適宜わけられる。便器洗浄水に銀成分
を含まない場合は、使用者が小便器1を使用した後、便
器自動洗浄システム5の作動により給水弁3が開き、便
器洗浄用給水管4を通り電解槽2を通じて小便器1に供
給される。
【0035】便器洗浄水に銀成分を含む場合、便器洗浄
の開始は、便器自動洗浄システム5の作動による給水弁
3の開弁信号を検知して、電源部7の電気エネルギーが
制御装置6を介して電解槽2内の一対の電極8a、8b
に給電され、電極8a、8bのいずれかアノード側から
銀成分が溶出し、1μg/L以上10μg/L以下の銀
成分を含んだ便器洗浄水が便器洗浄用給水管4を通って
小便器1に供給される。さらに、便器洗浄の終了は、便
器自動洗浄システム5の作動による給水弁3の閉弁信号
を検知して、電源部7の電気エネルギーが制御装置6を
介して電解槽2内の一対の電極8a、8bへの給電を停
止する。
【0036】また、上記電解槽2内の一対の電極8a、
8bへの給電停止は、給水弁3の開弁信号を検知後、所
定の時間経過後に作動させるようにしてもよい。
【0037】この工程によって、小便器1のボウル面、
トラップ部さらには小便器1よりも下流の配管に銀成分
を含んだ水を供給することができ、小便器1に細菌の増
殖によって生じるぬめりの付着や臭気の発生を防止する
とともに、尿石の付着にともなう汚水の通過路の狭小化
や美観の損傷、臭気の発生をも防止することができる。
【0038】なお、本発明の殺菌装置に流量センサーを
設けることによって、便器洗浄水の流量を検知すること
ができるので、制御装置6は電極8a、8bに、流量に
比例した電流もしくは電圧を印加するように制御でき、
便器洗浄水の流量が変動しても、溶解する銀成分濃度を
一定に維持することができる。この場合、電源部7の電
気エネルギーが制御装置6を介して電解槽2内の一対の
電極8a、8bに給電もしくは給電停止を流量センサー
の信号を検知して作動させることもできる。
【0039】この時、流量センサーに代えて、定流量弁
を設け、給水弁3の開閉状態を制御装置6が検知しうる
ように構成し、給水弁3の開弁時に電源部7の電気エネ
ルギーが制御装置6を介して電解槽2内の一対の電極8
a、8bに給電されるようにしてもよい。この場合、定
流量弁によって流量を一定に保つことができるので、供
給する銀成分濃度を一定に維持することができる。
【0040】さらに、上記流量センサーもしくは定流量
弁に代えて流量スイッチを設け、便器洗浄水の通水状態
を検知して、電源部7の電気エネルギーが制御装置6を
介して電解槽2内の一対の電極8a、8bに給電もしく
は給電停止を流量センサーの信号を検知して作動させる
こともできる。
【0041】電極8a、8bの極性(すなわちアノード
とカソード)は、制御装置6が定期的に反転させてお
り、カソード側に炭酸カルシウムなどのスケールが付着
するのを防いでいる。この際、銀イオンの供給にともな
い、電極8a、8bは消耗していくので、電極がアノー
ドである時間とカソードである時間とは均等にしておく
ことで一対の電極8a、8bを均等に消耗させることが
でき、最後まで無駄なく電極8a、8bを使い切ること
ができる。電極8a、8bは、それ自身から銀成分を溶
出させるため、寿命を長くできるという点で、純銀の板
材が好ましいが、銀を含む合金や銀メッキであっても構
わない。
【0042】なお、一対の電極8a、8bのうち少なく
とも一方が銀であればよい。一方に銀以外の電極を用い
る場合は、制御装置6によって銀電極側の極性をアノー
ドに切り替えることで銀成分を供給することができる。
また、この少なくとも一方が銀である対の電極を複数対
設けてもよい。
【0043】また、便器の使用様態によっては、必ずし
も上記のごとき毎回の便器洗浄の時に銀成分を供給する
という動作には限られない。すなわち、銀の消耗を極力
抑えたい場合には、数回おきの便器洗浄時にのみ銀成分
を供給する様態でもよい。また、銀の時間的な消耗を一
定にしたい場合には、便器使用後の便器洗浄時には銀成
分を供給させず、一定時間おきに制御装置6が便器自動
洗浄システム5を介して給水弁3を開閉させることで自
動的に便器洗浄を行い、この際にのみ銀成分を供給する
様態でもよい。さらに、たとえ銀の消耗が増大しても、
より高度な殺菌のレベルを維持したい場合には、便器使
用後の便器洗浄時のみならず、非使用時にも一定時間お
きに自動的に便器洗浄を行い、この際にも銀成分を供給
する様態でもよい。以上の動作は、便器の使用様態に応
じて制御装置6のプログラムを変更して、給水弁3を開
栓させる条件を変更することで対応できる。
【0044】次に本発明の効果を発揮させるのに必要な
銀成分濃度について説明する。図10は便器洗浄水に含
まれる銀成分濃度と塩素イオン濃度の関係を示すもので
ある。銀イオンは、水中に存在する塩素イオン等のハロ
ゲンイオンと極めて容易に反応し、不溶性のハロゲン化
銀を生成する。通常用いられる便器洗浄水には、ハロゲ
ンイオンとして主に塩素イオンが数10ppm含まれて
いるため、生成するハロゲン化銀としては、塩化銀が一
般的である。下式の如く、塩化銀の生成は銀成分濃度と
塩素イオンの平衡によって決定される。 Ag++Cl-=AgClaq Ag++2Cl-=AgCl2 - Ag++3Cl-=AgCl3 2- Ag++4Cl-=AgCl4 3- 全銀成分濃度=Ag++AgClaq+AgCl2 -+Ag
Cl3 2-+AgCl4 3- 上記銀成分は水中で安定に存在するイオン種であって、
上記AgClは価数をもたないノニオンである。したが
って、上記全銀成分濃度以上の銀イオンを便器洗浄水中
に溶出させると、余剰の銀イオンは不溶性の塩化銀とし
て便器洗浄水中に存在することになる。これらの平衡式
から計算される、安定に存在しうる銀成分濃度におい
て、銀成分濃度を50μg/L以下にすることによっ
て、塩素イオン濃度が変化、すなわち、水質が変化して
も銀成分はイオンとして安定に水中に存在させることが
できる。これによって、生成した不溶性の塩化銀が水洗
便器の表面に付着して黒色化することを防ぐことができ
る。
【0045】図11は銀成分濃度と細菌数の経時変化の
関係を示すものである。銀成分濃度が高ければ高いほ
ど、殺菌に要する時間は当然のことながら短くなる。し
かしながら、水洗便器の表面やトラップ内の細菌を増殖
させなければ、ぬめりや尿石の生成といった細菌に由来
する汚れの発生が抑制されるとともに、アンモニア等の
臭いの発生もまた抑制できる。したがって、銀成分の濃
度は1μg/L以上あれば十分な効果をもたらすことが
できる。さらに、上記の不溶性塩化銀の発生にともなう
水洗便器表面の黒色化を考慮すれば、過剰の銀成分の供
給は適当ではない。
【0046】図12は便器洗浄水中の銀成分濃度と不溶
性の塩化銀生成濃度の関係を示すものである。電解槽2
内の一対の電極8a、8bに給電して、銀成分を便器洗
浄水に供給する場合、電極8a、8bの表面近傍の銀成
分濃度は瞬間的に供給しようとする銀成分濃度にくらべ
て高くなり、この結果、上記不溶性の塩化銀の生成を招
いてしまう懸念があり、平衡に達して安定なイオン成分
になるまでに時間を要してしまう。この結果、便器洗浄
水に含まれる銀成分濃度は10μg/L以下であれば不
溶性の塩化銀の生成がなく、便器表面の黒色化が防止で
きる。
【0047】したがって、便器洗浄水の銀成分濃度は1
μg/L以上50μg/L以下、好ましくは1μg/L
以上10μg/L以下が適当であり、便器表面の黒色化
を生じさせることなく、細菌の増殖によるぬめりや尿
石、アンモニア臭等の悪臭の発生を抑制できる。
【0048】以上の結果、便器洗浄水配管に電解槽を設
置しても圧力損失の上昇を招くことがなく適正な便器洗
浄水量を維持できるとともに、電極表面近傍での濃度分
極を抑制して安定した電気分解ができる。これにより、
便器洗浄水の銀成分濃度は殺菌に必要な濃度に維持でき
るので、小便器1にぬめりの付着や臭気の発生を防止す
る機能を備え、尿石の付着にともなう汚水の通過路の狭
小化や美観の損傷、臭気の発生をも防止するとともに、
小便器1のボウル面の黒色化を生じさせることを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る便器の殺菌装置の実施例の構成図
である。
【図2】本発明の実施例に用いる電解槽の構造図であ
る。
【図3】本発明の実施例に用いる電解槽の構造図であ
る。
【図4】本発明の実施例に用いる電解槽の電極設置部の
構造図である。
【図5】本発明の実施例に用いる電解槽の電極設置部の
構造図である。
【図6】本発明の実施例に用いる電解槽の電極設置部の
構造図である。
【図7】本発明の実施例に用いる電解槽の電極設置部の
構造図である。
【図8】電解槽の電極表面と便器洗浄水の流れに平行す
る流路面との距離と便器洗浄水流出入口との内径の比と
電圧の関係を示す図である。
【図9】便器洗浄水の電極間に形成された流路通過流速
と電圧値の関係を示す図である。
【図10】便器洗浄水に含まれる銀成分濃度と塩素イオ
ン濃度の関係を示す図である。
【図11】銀成分濃度と細菌数の経時変化の関係を示す
図である。
【図12】銀成分濃度と不溶性の塩化銀生成濃度の関係
を示す図である。
【符号の説明】
1:小便器 2:電解槽 3:給水弁 4:便器洗浄用給水管 5:便器自動洗浄システム 6:制御装置 7:電源部 8a、8b:電極 9:電極間流路 10a、10b:便器洗浄水流出入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 550 C02F 1/50 550D 560 560F E03D 9/02 E03D 9/02 Fターム(参考) 2D038 AA02 4D061 DA02 DA03 DB09 EA02 EB01 EB05 EB14 EB16 EB17 EB19 EB31 EB33 EB37 EB39 FA10 GA02 GC12 GC14 GC16 GC18 GC19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水路に配設され、電解電圧により殺菌
    性金属イオンを溶出する対向した電極間に形成された流
    路と、流路に連通する液体流入口と液体流出口を有する
    連続式電解槽において、電極間に形成された流路の断面
    積が液体流入口もしくは液体流出口の流路断面積以上で
    あることを特徴とする連続式電解槽。
  2. 【請求項2】 前記電極間に形成された流路と液体流入
    口および液体流出口の流路とが、略直線上に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の連続式電解槽。
  3. 【請求項3】 前記電極間に形成された流路の断面積
    が、液体流入口もしくは液体流出口の外径より求められ
    る断面積以下であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の連続式電解槽。
  4. 【請求項4】 前記電極間に形成された流路において、
    電極の設置面から90度以上の角度で流路壁が構成され
    ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の連続式電解
    槽。
  5. 【請求項5】 前記電極と電気分解制御装置とを接続す
    る電極端子部が、電極材質と同一かつ連続した構造であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4に記載の連続式電解
    槽。
  6. 【請求項6】 前記電極は電解槽の成型と同時に電解槽
    内に設置されることを特徴とする請求項5に記載の連続
    式電解槽。
  7. 【請求項7】 前記成型方法はインサート成型であるこ
    とを特徴とする請求項5または6に記載の連続式電解
    槽。
  8. 【請求項8】 前記請求項1から7記載の連続式電解槽
    を水洗便器の便器洗浄水給水路に配設したことを特徴と
    する便器の殺菌装置。
  9. 【請求項9】 前記連続式電解槽の電極間に形成された
    流路の断面積が、液体流入口もしくは液体流出口と接続
    される配管の外径より求められる断面積以下であること
    を特徴とする請求項8に記載の便器の殺菌装置。
  10. 【請求項10】 前記連続式電解槽の電極の少なくとも
    一方が、銀もしくは銀を含有する化合物であり、便器洗
    浄水中に供給される銀イオン濃度が1μg/L以上10
    μg/L以下であることを特徴とする請求項8または9
    に記載の便器の殺菌装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005095281A1 (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Toto Ltd. 銀電解水吐水装置
JP2006326569A (ja) * 2005-10-18 2006-12-07 Toto Ltd 銀電解水吐水装置
JP2014172035A (ja) * 2013-03-13 2014-09-22 Panasonic Corp 電解水生成装置
JP2015003294A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 パナソニック株式会社 電解水生成装置

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