JP2000027262A - 便器洗浄水の殺菌装置 - Google Patents

便器洗浄水の殺菌装置

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JP2000027262A
JP2000027262A JP10213540A JP21354098A JP2000027262A JP 2000027262 A JP2000027262 A JP 2000027262A JP 10213540 A JP10213540 A JP 10213540A JP 21354098 A JP21354098 A JP 21354098A JP 2000027262 A JP2000027262 A JP 2000027262A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水アカ、ぬめりの付着や臭気の発生を防止す
る機能を備え、さらに小便器においては、尿石の付着に
ともなう汚水の通過路の狭小化や美観の損傷、臭気の発
生をも防止する機能も兼ね備えるとともに、これらのあ
らゆる機能が停電時でも使用でき、かつ感電のおそれの
ない便器洗浄水の殺菌装置を提供すること。 【解決手段】 水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける
殺菌装置において、電気供給源と、便器洗浄水に銀イオ
ンを供給させる少なくとも一方が銀である少なくとも一
対の電極とを設け、前記便器洗浄水給水路の通水時に前
記電気供給源から前記電極に給電するようにし、上記構
成における電気供給源を、前記便器洗浄水給水路の内部
に設けた翼車と、翼車により駆動される発電機で構成
し、前記翼車を前記電極の間に配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水洗便器への便器
洗浄水給水路に設ける殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、便器の日常的洗浄は、使用者のボ
タン操作等による手動洗浄装置、あるいは、便器の前に
人が立ったことを検出し、便器の使用が終了した時点で
自動的に上水又は中水を流すという動作を行なう自動洗
浄装置により行なわれていた。
【0003】しかし、便器使用後に単に水を流すのみで
は、徐々に便器に水アカやぬめりが付着したり臭気が発
生することを防止することができない。また、小便器に
おいては尿石が配管内に付着して汚水の通過路を狭くし
たり、便器の表面に付着して外観を損ね、細菌繁殖の温
床となって臭気を放つようになる。このように一旦付着
してしまった尿石は通常の清掃では除去することは難し
く、ブラシで強く擦らないと取れない。このため、尿石
除去は専門の業者に依頼する必要があり、大きな負担と
なっていた。
【0004】この問題に対し、便器洗浄水に殺菌力を有
する成分を生成し供給させることによって対処する方法
もいくつか開示されている。
【0005】例えば、本願出願人は、水道水は塩素イオ
ンを含有するということに着目し、この水を電気分解し
て得られる遊離塩素含有水を便器に供給して尿石等便器
の汚れや臭気の原因となる細菌を効果的に殺菌する便器
洗浄装置を提案した。(PCT/JP95/0165
0)
【0006】また別の例としては、水洗便器に対する便
器洗浄水給水路と、この便器洗浄水給水路内に銀イオン
を混入させる銀極板を有するイオン発生器と、前記便器
洗浄水給水路に設けた開閉弁の開弁動作に連動して閉成
し銀極板に給電する電源装置とを備えた便器洗浄水の殺
菌浄化装置も知られている。(実開平7−17391)
【0007】これらの発明では、いずれも電気エネルギ
ーは家庭用電源などの商用電源から供給する方式をとっ
ていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の商用電源による従来の方式には、停電時の器具の作動
ができない、感電のおそれがある、といった欠点があっ
た。
【0009】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、水アカ、ぬめりの付着や臭気の発
生を防止する機能を備え、さらに小便器においては、尿
石の付着にともなう汚水の通過路の狭小化や美観の損
傷、臭気の発生をも防止する機能も兼ね備えるととも
に、これらのあらゆる機能が停電時でも使用でき、かつ
感電のおそれのない便器洗浄水の殺菌装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
は、水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける殺菌装置に
おいて、自蔵エネルギー供給手段と、電気エネルギーに
よって駆動し、便器洗浄水に殺菌成分を供給する殺菌成
分供給手段とを設け、前記便器洗浄水給水路の通水時に
前記自蔵エネルギー供給手段から前記殺菌成分供給手段
に給電するようにした。
【0011】これにより、この電気エネルギーで殺菌成
分供給手段を駆動させ、便器洗浄水中に殺菌成分を供給
する。その結果、商用電源への接続が不要であり、停電
時でも殺菌成分を含んだ便器洗浄水を供給でき、便器内
及び配管内に存在する細菌を殺菌することができ、水ア
カ、ぬめりの付着や臭気の発生を防止することができ
る。
【0012】本発明の好ましい様態として、上記構成に
おける殺菌成分供給手段を、電極反応によって殺菌成分
を生成する少なくとも一対の電極にしたものを挙げるこ
とができる。
【0013】これにより、殺菌成分の供給を電極のみで
行うことが可能である。請求項1の構成の一例である、
タンクに収容した殺菌薬剤を電動ポンプで便器洗浄水中
に供給することを以て殺菌成分供給手段を形成する構成
であっても、本発明の解決しようとする課題を逸するも
のではない。しかし、この方法に比べ、装置が小型化で
きるとともに、人体にも危険な殺菌薬剤を貯蔵する必要
がないことから安全性も向上し、また、保存性に乏しい
殺菌成分(例えば次亜塩素酸)を用いる場合において
も、生成後すぐに便器洗浄水に供給させるので、殺菌成
分の濃度が低下する心配がない。
【0014】本発明のさらに好ましい様態として、上記
構成における電極の材質を少なくとも一方が銀にしたも
のを挙げることができる。
【0015】これにより、銀電極から銀イオンとして溶
解させ、便器洗浄水中に供給する。殺菌に必要な銀イオ
ン濃度は一般に50μg/L以上とされており、他の殺
菌成分である次亜塩素酸(本発明の請求項2の構成の一
例であるイリジウム−白金合金製の電極を用いた場合、
電極反応により、水道水中の塩素イオンから次亜塩素酸
を発生させることができる。)では、同じく一般に50
0μg/L以上とされているのに比べ、少ない濃度で殺
菌効果が得られる。さらにこれらの電極反応効率(すな
わち電極間を流れた電子の当量に対する、生成した殺菌
成分の当量の割合。)は、銀から銀イオンを生成する反
応では極めて高い。このことから、電極の材質に銀を用
いた場合、非常に少ない電子量、すなわち電流値で殺菌
効果が得られる。電流値が低いことから、同一の電極形
状(電極面積および電極間距離)の条件下では、他の殺
菌成分を供給する場合に比べて消費電力を少なくするこ
とができる。また、同一の消費電力の条件下では、電極
間距離を広く、あるいは電極面積を小さくすることがで
きる。前者の場合、通水による圧力損失が軽減されるの
で、時間あたりに洗浄水供給流路を流れる水量(ここで
はこの値を「流量」と呼ぶ。)が低下するという不便が
ない。また、後者の場合、殺菌成分供給手段が小型化で
き、使用の際に邪魔にならない。
【0016】また、本発明の好ましい様態として、上記
の各々の構成における自蔵エネルギー供給手段を、前記
便器洗浄水給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆
動される発電機で構成し、前記便器洗浄水給水路の水流
により前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発
電するようにしたものを挙げることができる。
【0017】これにより、便器の使用が終了した時点で
水を流す時に、便器洗浄水給水路を流れる水のエネルギ
ーが発電機により電気エネルギーに変換され前記殺菌成
分供給手段に給電される。時間あたりに発電される電気
エネルギー(単位は「ワット」など)は、流量(単位は
「リットル/分」など)に比例し、一方、時間あたりに
供給される殺菌成分の量は時間あたりに給電される電気
エネルギーに比例する。結果的としてランニングコスト
が不要になるとともに、便器洗浄水の殺菌成分濃度(す
なわち、「時間あたりに供給される殺菌成分の量」を、
「洗浄水供給流路の流量」で除した値。)を一定に保つ
ことができる。
【0018】この時さらに好ましい様態として、上記構
成において、前記殺菌成分供給手段を電極反応によって
殺菌成分を生成する少なくとも一対の電極とし、かつ前
記翼車を前記電極の間に配設したものを挙げることがで
きる。
【0019】閉ざされた水路を流れる水の流れの状態に
は、層流と乱流の二種類の流れがある。流れがこの両者
のいずれかになるかは、流体力学的にはレイノルズ数と
呼ばれる指標によって決定されるが、便器洗浄水の一般
的な条件下(すなわち流量10〜15リットル/分、流
路断面積0.7〜4平方cmの異物のない直線状の流
路)でのレイノルズ数を計算すると、いずれも層流の領
域になる。
【0020】しかし、本発明のこの様態においては、水
路中に翼車という異物が存在することの効果に加え、水
流による翼車の回転により流れがかく乱させられ、乱流
状態になる。
【0021】乱流状態においては、電極反応により生成
した殺菌成分が、水流によって流れ方向に拡散するとと
もに、断面方向(対極へ向かう方向)へも拡散されるの
で、電極近傍において電極面に沿って下流に行っても殺
菌成分の濃度が過剰に高くなることはない。
【0022】化学反応では一般的に、反応生成物は速や
かに反応容器から排除した方が反応効率(与えたエネル
ギーのうち、反応生成物の生成に費やされたエネルギー
の割合。)を高く維持することができることが知られて
いる。本発明の様態においても、電極における反応で生
成した殺菌成分が乱流による拡散で速やかに電極近傍か
ら排除されるため、高い反応効率を維持することがで
き、エネルギーの無駄がない。
【0023】なお、本発明を小便器に適用した場合にお
いて、以上に述べた効果のほかにも秀逸な効果を発揮す
る。その理由を以下に記す。
【0024】小便器への尿石の付着のメカニズムは次の
ようなものと考えられている。小便器に排尿をすると、
小便器表面に尿が付着するとともに、小便器内のトラッ
プ部に尿が滞留する。一般に小便器には多数の細菌が存
在する。尿には多量の尿素が含有されているが、小便器
表面やトラップ部の滞留水に細菌が存在すると、尿素は
細菌の有する酵素ウレアーゼの作用によりアンモニアと
二酸化炭素に分解される。この時生成するアンモニア量
が多いと臭気の一因となる。またアンモニアが生成する
と、小便器表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に
溶解し、その液体のpHが上昇する。pHが上昇する
と、小便器表面に付着した液体やトラップ部の滞留水に
含まれるカルシウムイオンが炭酸塩やリン酸塩へと変化
して析出し、尿石として便器に付着し、着色汚れの原因
となる。
【0025】以上から、本発明に係る便器洗浄水の殺菌
装置を小便器に適応した様態では、生成された殺菌成分
を小便器に流すことにより、小便器内に存在する細菌を
殺菌するため、このような尿石付着の原因が排除され、
小便器は常に清浄な状態に保たれて美観を損ねることも
なく、尿石の配管内への付着による汚水通過路の狭小化
が防止され、また、アンモニア等による臭気の発生も防
止される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。なお、本実施例では主として本発明の便
器洗浄水の殺菌装置を小便器に適用した例を示したが、
大便器に用いても同様の効果を発揮することができる。
【0027】図1は本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置
の第一の実施例である。電解槽21が便器洗浄用給水管
23のフラッシュバルブ等からなる給水弁24よりも下
流に設けられている。給水弁24は公知の便器自動洗浄
システム3に接続されている。便器洗浄用給水管23は
小便器1に接続されている。
【0028】図2は電解槽21の詳細な図面である。電
解槽21の内部には、殺菌成分供給手段である金属銀の
平板を向かい合わせて配置した一対の電極6a、6b
と、この電極間に形成された電極間流路7と、この電極
間流路7に設けられた翼車12とが設けられ、電極間流
路7に連通する液体流入口と液体流出口とを有する。こ
の翼車12と、これに連結された電機子(図示せず)か
ら自蔵エネルギー供給手段である発電機13が構成され
ている。また、制御装置27が発電機13と電極6a、
6bとに接続されている。
【0029】次に動作について説明する。便器自動洗浄
システム3の作動により給水弁24が開き、便器洗浄用
給水管23を通り水道水が電解槽21の電極間流路7に
流入する。この流入水は翼車12を高速で回転させ、発
電機13が水のエネルギーを電気エネルギーに変換す
る。発電された電気エネルギーは制御装置27を介して
電解槽21内の一対の電極6a、6bに給電され、電極
6a、6bのいずれかアノード側から銀イオンが溶出
し、銀イオンを含んだ便器洗浄水が便器洗浄用給水管2
3を通って小便器1に供給される。
【0030】電極6a、6bの極性(すなわちアノード
とカソード)は、制御装置27が定期的に反転させてお
り、カソード側に炭酸カルシウムなどのスケールが付着
するのを防いでいる。この際、銀イオンの供給にともな
い、電極6a、6bは消耗していくので、電極がアノー
ドである時間とカソードである時間とは均等にしておく
ことで一対の電極6a、6bを均等に消耗させることが
でき、最後まで無駄なく電極6a、6bを使い切ること
ができる。電極6a、6bは、それ自身から銀イオンを
溶出させるため、寿命を長くできるという点で、純銀の
板材が好ましいが、銀を含む合金や銀メッキであっても
構わない。
【0031】なお、一対の電極6a、6bのうち少なく
とも一方が銀であればよい。一方に銀以外の電極を用い
る場合は、制御装置27によって銀電極側の極性をアノ
ードに切り替えることで銀イオンを供給することができ
る。また、この少なくとも一方が銀である対の電極を複
数対設けてもよい。
【0032】また、便器の使用様態によっては、必ずし
も上記のごとき毎回の便器洗浄の時に銀イオンを供給す
るという動作には限られない。すなわち、銀の消耗を極
力抑えたい場合には、数回おきの便器洗浄時にのみ銀イ
オンを供給する様態でもよい。また、銀の時間的な消耗
を一定にしたい場合には、制御装置27の出力信号を便
器自動洗浄システム3に入力するように接続させ、便器
使用後の便器洗浄時には銀イオンは供給させず、一定時
間おきに制御装置27が便器自動洗浄システム3を介し
て給水弁24を開閉させることで自動的に便器洗浄を行
い、この際にのみ銀イオンを供給する様態でもよい。さ
らに、たとえ銀の消耗が増大してでも、より高度な殺菌
のレベルを維持したい場合には、便器使用後の便器洗浄
時のみならず、非使用時にも一定時間おきに自動的に便
器洗浄を行い、この際にも銀イオンを供給する様態でも
よい。以上の動作は、便器の使用様態に応じて、制御装
置27の出力信号を便器自動洗浄システム3に入力する
ように接続させ、制御装置27のプログラムを変更する
ことで対応できる。
【0033】電極間流路7の流れの状態は、翼車12と
いう異物が存在することの効果に加え、水流によって翼
車12が回転することによりかく乱させられ、乱流状態
になる。
【0034】乱流状態においては、電極6a、6bのう
ちのアノード側(電極の金属銀がイオンとなって溶出す
る側)から溶出した銀イオンは、電極間流路7の断面方
向(カソード側へ向かう方向)へも拡散されるので、電
極間流路7内のアノード側電極近傍において電極と平行
な方向に沿って下流に達するにしたがっても銀濃度が過
剰に高くなることがない。その結果、銀イオンの溶出効
率を高く維持することができ、水流により得られた電気
エネルギーを無駄なく銀イオンの供給に使用することが
できる。
【0035】次に本発明の効果を発揮させるのに必要な
銀イオン濃度と電流について説明する。便器洗浄水に含
有させる銀イオンの濃度は、一般的に銀イオンが殺菌効
果を発揮するとされている50μg/リットル以上にす
ることが好ましい。また、銀イオン濃度が過剰になる
と、小便器1のボウル面やトラップ部に酸化銀あるいは
金属銀の析出物による黒ずみが生じることがあるので、
300μg/リットル以下に維持することが好ましい。
【0036】便器洗浄水の流量は、一般的には10リッ
トル/分(=0.17リットル/秒)程度であり、この
時に、電解槽21内の電極6a、6b間に電流としてわ
ずか0.03Aを通電させた場合、電極反応効率(電極
6a、6b間に流れた電気量のうち、銀イオンの生成に
用いられた量の割合)を仮に100%とし、ファラデー
定数を96500とすると、一対の電極6a、6bのう
ちのアノード側から流出する銀イオン(原子量107.
9)濃度は下式のごとく、約197μg/リットルとな
る。 (0.03×107.9/96500/0.17)=
1.97×10−4g/リットル=197μg/リット
ル 電極反応効率は電解槽21の設計(電極面積、電極間距
離、電極間流路の断面積、電圧、電流など)や便器洗浄
水の水質(電気伝導度、塩素イオン濃度、pHなど)に
よって変化するが、本願出願人の実験により確認したと
ころによると、日本の水道水の範囲であれば、いかなる
条件においても、50〜100%であるので、生成され
る銀イオン濃度は98〜197μg/リットルであると
予想され、好適な銀イオン濃度範囲に入る。
【0037】次に必要な電力について説明する。発電機
13が発電する電力に関しては、市販されている発電機
(イナックス社製、商品名「オートマージュ AM−2
1」に搭載されているもの)を用いて本願出願人が実測
したところ、水の流量が10リットル/分である時に
0.42Wの発電能力があった。一方、電極6a、6b
にそれぞれ縦40mm横90mmの銀の平板を用い、電
極間の距離を5mmに設計した電解槽に茅ヶ崎市の水道
水(電気伝導度20μS/m、塩素イオン濃度10mg
/L、pH7.2)を10リットル/分で通水させた場
合、0.03Aの電流を流すのに必要な電圧はわずか
4.6Vであり、感電のおそれのない電圧であった。こ
の時必要な電力は約0.14Wであり、前記発電機の発
電量で十分に賄えるものであった。
【0038】なお、発電機13の発電量は翼車12の回
転速度、すなわち、電極間流路7の流量に比例する。ま
た、時間あたりに電極6a、6bのアノード側から溶解
される銀イオン量は給電される電気エネルギーに比例す
る。結果的として時間あたりに溶解される銀イオン量が
洗浄水供給流路の流量に比例する結果となる。従って、
供給されるランニングコストを不要にすることが可能で
あり、かつ、電極間流路7の流量が変動した場合におい
ても、便器洗浄水の銀イオン濃度を一定に保つことがで
きる。
【0039】以上の結果、商用電源への接続およびラン
ニングコストが不要であり、停電時でも銀イオンを含ん
だ便器洗浄水を供給でき、小便器内及び配管内に存在す
る細菌を殺菌するため、水アカ、ぬめりの付着や臭気の
発生を防止するとともに、小便器内の尿石付着の原因が
排除され、小便器は常に清浄な状態に保たれて美観を損
ねることもなく、尿石の配管内への付着による汚水通過
路の狭小化が防止され、また、アンモニア等による臭気
の発生も防止される。
【0040】また、洗浄水供給流路の流量にかかわら
ず、便器洗浄水の銀イオン濃度を一定に保つことがで
き、さらに、電極における反応で生成した銀イオンが乱
流による拡散で速やかに電極近傍から排除されるため、
高い反応効率を維持することができ、エネルギーの無駄
がない。
【0041】図3は本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置
の第二の実施例である。第一の実施例にある翼車12と
これに連結された電機子から構成される発電機13を、
発電部14として別に設けた様態であっても、この発電
部14が便器洗浄用給水路のいずれかの場所にあれば電
極6a、6bから銀イオンを供給することが可能なの
で、本発明が解決しようとする課題を逸するものではな
く、図3に示すような第二の実施例も開示できる。
【0042】図4は第二の実施例に用いる電解槽25の
詳細図である。電解槽25の内部には金属銀の平板を向
かい合わせて配置した一対の電極6a、6bがあり、こ
の電極間に形成された電極間流路7が構成されている。
【0043】また、図5は第二の実施例に用いる発電部
14の詳細図である。発電部14は、流路15と、この
流路15に設けられた翼車12と、流路15に連通する
液体流入口と液体流出口とを有し、この翼車12と、こ
れに連結された電機子(図示せず)から発電機13が構
成されている。また、制御装置27が発電機13と電解
槽25の電極6a、6bとに接続されている。
【0044】図3においては発電部14を便器洗浄用給
水管23の電解槽25と隣接した場所に設けたが、この
場所に限らず、空き空間が存在する場所等適宜自由に配
置して差し支えない。
【0045】図6は本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置
の第三の実施例である。この第三の実施例は本発明を大
便器に用いた場合である。大便器2に接続されたロータ
ンク22には、便器洗浄用給水管23が接続されてお
り、ロータンク22内のロータンク内給水管45に連通
し、便器洗浄用給水路を構成している。ロータンク内給
水管45には、ボールタップ44、発電部14、第二の
実施例と同じ電解槽25がこの順に設けられている。
【0046】次に動作について説明する。ロータンク2
2に貯留されていた水は、使用後に洗浄コック41を回
転させることで玉鎖42が引き上げられ、その先端に結
合されている開閉弁43が動作することにより、大便器
2に流入する。ロータンク22内部の水位が下がるとボ
ールタップ44が作動し、便器洗浄用給水管23からの
水道水がボールタップ44、発電部14、電解槽25の
順に通水され、発電部14が発電した電気エネルギーが
制御装置27を介して電解槽25内の一対の電極6a、
6bに給電され、電極6a、6bのいずれかアノード側
から銀イオンが溶出し、銀イオンを含んだ便器洗浄水が
ロータンク22に貯留され、次回の便器洗浄時に大便器
2に供給される。
【0047】なお、電解槽25、発電部14の少なくと
も一方を、ロータンク22の外部の便器洗浄用給水管2
3の途上に設けてもよい。
【0048】図7は本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置
の第四の実施例である。第一〜第三の実施例にある発電
機13に代えて、自蔵エネルギー供給手段として公知の
乾電池を設けても、電極6a、6bから銀イオンを供給
することが可能なので、本発明が解決しようとする課題
を逸するものではなく、図7に示すような第四の実施例
も開示できる。
【0049】本実施例においては、第二の実施例と同じ
電解槽25と、流量センサー32とが便器洗浄用給水管
23のフラッシュバルブ等からなる給水弁24よりも下
流に設けられている。給水弁24は公知の便器自動洗浄
システム3に接続されている。便器洗浄用給水管23は
小便器1に接続されている。また、制御装置27が流量
センサー32と乾電池33と電解槽25の電極6a、6
bとに接続されている。
【0050】次に動作について説明する。便器自動洗浄
システム3の作動により給水弁24が開き、便器洗浄用
給水管23を通り水道水が流量センサー32→電解槽2
5の順に流れる。流量センサー32によって通水が検知
され、乾電池33の電気エネルギーが制御装置27を介
して電解槽25内の一対の電極6a、6bに給電され、
電極6a、6bのいずれかアノード側から銀イオンが溶
出し、銀イオンを含んだ便器洗浄水が便器洗浄用給水管
23を通って小便器1に供給される。
【0051】なお、流量センサー32によって流量を検
知することができるので、制御装置27は電極6a、6
bに、流量に比例した電流が流れるように制御すること
で、溶解する銀イオン濃度を一定に維持することができ
る。
【0052】この時、流量センサー32に代えて、定流
量弁31を設け、給水弁24の開閉状態を制御装置27
が検知しうるように構成し、給水弁の開弁時に乾電池3
3の電気エネルギーが制御装置27を介して電解槽25
内の一対の電極6a、6bに給電されるようにしてもよ
い。この場合、定流量弁31によって流量を一定に保つ
ことができるので、制御装置27は電極6a、6bに一
定の電流が流れるように制御することで、溶解する銀イ
オン濃度を一定に維持することができる。
【0053】以上に説明した本発明の実施例は、いずれ
も殺菌成分供給手段として銀の電極を用い、この電極反
応で殺菌成分である銀イオンを供給したが、本発明にお
ける殺菌成分供給手段はこれには限られない。
【0054】例えば、電極に塩素発生電極を用いた場
合、電極反応により、便器洗浄水中の塩素イオンから次
亜塩素酸を発生させることができる。この塩素発生用電
極とは次亜塩素酸発生反応を起こすことのできる電極で
あり、例えば、フェライト等の鉄系電極、パラジウム系
電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電
極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電
極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電
極、イリジウム−白金−タンタル系電極等がある。
【0055】これらの塩素発生電極を用いた場合、電極
反応効率が銀電極の場合よりも低く、かつ殺菌効果を発
揮するためには銀の場合よりも高濃度の次亜塩素酸を必
要とすることから、銀電極の場合よりも多くの電流を必
要とする。この時、消費電力の増大を抑える方法とし
て、便器洗浄水に例えば塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム等の塩素化合物である水溶性塩を混
入させた後に電極反応を起こさせることが有効である。
すなわち、この塩を混入させることで、便器洗浄水中の
塩素イオンの存在比率が上がり、電極反応効率が向上す
るとともに、便器洗浄水の電気抵抗が低下し、同じ電流
を流すのに必要な電圧を低下させることができる。
【0056】さらに、本発明における殺菌成分供給手段
は電極を用いるものには限られず、電気エネルギーによ
って駆動し、便器洗浄水に殺菌成分を供給するものであ
ればよい。
【0057】例えば、タンクに収容した殺菌薬剤を電動
ポンプにした構成であっても、本発明の解決しようとす
る課題を逸するものではない。殺菌薬剤としては、例え
ば、硝酸銀溶液、次亜塩素酸ナトリウム溶液、塩酸溶
液、メチレンブルー溶液、エタノール溶液、過炭酸ナト
リウム溶液等を用いることができる。
【0058】また、本明細書においては、自蔵エネルギ
ー供給手段として、水流による発電手段、あるいは乾電
池を例に挙げて本発明の効果を説明したが、これ以外で
も、商用電力を用いないものであれば本発明の効果は発
揮され、例えば、室温と水温の差を利用したペルチェ素
子による発電、水圧を開放した際の圧力差を利用した圧
電素子による発電、便所内照明等を利用した太陽電池に
よる発電でもよい。
【0059】以上、本発明により、水アカ、ぬめりの付
着や臭気の発生を防止する機能を備え、さらに小便器に
おいては、尿石の付着にともなう汚水の通過路の狭小化
や美観の損傷、臭気の発生をも防止する機能も兼ね備え
るとともに、これらのあらゆる機能が停電時でも使用で
き、かつ感電のおそれのない便器洗浄水の殺菌装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置の第一の
実施例の構成図である。
【図2】 本発明の第一の実施例に用いる電解槽の構造
図である。
【図3】 本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置の第二の
実施例の構成図である。
【図4】 本発明の第二の実施例に用いる電解槽の構造
図である。
【図5】 本発明の第二の実施例に用いる発電部の構造
図である。
【図6】 本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置の第三の
実施例の構成図である。
【図7】 本発明に係る便器洗浄水の殺菌装置の第四の
実施例の構成図である。
【符号の説明】
1:小便器 2:大便器 3:便器自動洗浄システム 6a、6b:電極 7:電極間流路 12:翼車 13:発電機 14:発電部 15:流路 21、25:電解槽 22:ロータンク 23:便器洗浄用給水管 24:給水弁 27:制御装置 31:定流量弁 32:流量センサー 33:乾電池 41:洗浄コック 42:玉鎖 43:開閉弁 44:ボールタップ 45:ロータンク内給水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 修二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 坂元 健二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 BC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水洗便器への便器洗浄水給水路に設ける
    殺菌装置において、自蔵エネルギー供給手段と、電気エ
    ネルギーによって駆動し、便器洗浄水に殺菌成分を供給
    する殺菌成分供給手段とを設け、前記便器洗浄水給水路
    の通水時に前記自蔵エネルギー供給手段から前記殺菌成
    分供給手段に給電することを特徴とする便器洗浄水の殺
    菌装置。
  2. 【請求項2】 前記殺菌成分供給手段とは、電極反応に
    よって殺菌成分を生成する少なくとも一対の電極である
    ことを特徴とする請求項1に記載の便器洗浄水の殺菌装
    置。
  3. 【請求項3】 前記電極の材質が少なくとも一方が銀で
    あることを特徴とする請求項2に記載の便器洗浄水の殺
    菌装置。
  4. 【請求項4】 前記自蔵エネルギー供給手段とは、前記
    便器洗浄水給水路の内部に設けた翼車と、翼車により駆
    動される発電機であり、前記便器洗浄水給水路の水流に
    より前記翼車を回転させ、この回転により発電機が発電
    することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    に記載の便器洗浄水の殺菌装置。
  5. 【請求項5】 前記殺菌成分供給手段とは、電極反応に
    よって殺菌成分を生成する少なくとも一対の電極であ
    り、かつ前記翼車が前記電極の間に配設されていること
    を特徴とする請求項4に記載の便器洗浄水の殺菌装置。
  6. 【請求項6】 前記水洗便器が小便器であることを特徴
    とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の便器洗
    浄水の殺菌装置。
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