JP3813326B2 - 汚水処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水を浄化する汚水処理装置に関し、特に汚水からリンを除去する汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種、汚水処理装置として、例えば特開平7−108296号公報(C02F 3/30)が知られている。この汚水処理装置は好気部から溶出槽に供給した汚水に鉄電極から溶出した鉄イオンを供給して嫌気部に返送し、溶出槽から溶出した鉄イオンを汚水中のオルトリン酸と反応させて水不溶性リン化合物として凝集、沈殿させて、汚水中からリンを除去するものである。
【0003】
しかしながら、長期にわたる使用により汚水中の汚泥やオルトリン酸と反応して生成されたリン化合物等が溶出槽内に徐々に堆積し、堆積物が電極に触れることにより鉄イオンの溶出効率が低下する欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、安定したリン除去性能を維持することができる汚水処理装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設けると共に、排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するための第2の手段は、汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、溶出槽内を攪拌する攪拌手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための第3の手段は、汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、前記排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、前記溶出槽内に堆積する汚泥量を検出するセンサを設け、該センサの出力に基づいて警報する警報手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための第4の手段は、汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、前記排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、前記溶出槽内に堆積する汚泥量を検出するセンサを設け、該センサの出力に基づいて閉塞手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための第1の手段乃至第4の手段において、前記排出口を嫌気部に臨ませることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1乃至図4に示す汚水処理装置に基づいて以下に詳述する。
【0011】
1は地中に埋設された処理槽である。前記処理槽1内部は第1仕切壁2,第2仕切壁3及び第3仕切壁4により、後述する第1嫌気部5,第2嫌気部21、好気部25、沈殿部31及び消毒部32に区画されている。
【0012】
5は生活雑排水等の汚水が流入する流入口6を有する第1嫌気部、7は前記第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床で、第1嫌気部5内に流入した汚水中に混入している難分解性の夾雑物を沈殿分離し、第1嫌気濾床7に付着した嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に変化させる。
【0013】
8は前記第1嫌気部5の汚水より上方で且つ後述する第1点検用開口51に臨む位置に配設された矩形箱形の溶出槽で、底部を底部中央に向けて傾斜させると共に、底部中央に排出口9を設けている。10は前記排出口9を開閉自在に閉塞する蓋体で、電磁弁等から構成されており、後述する制御部50により制御されて開閉動作を行うようになっている。11は前記溶出槽8底部に装着されたセンサで、静電容量計等から構成されており、溶出槽8底部の静電容量を検出することにより、溶出槽8底部に堆積した汚泥量を推測することができるようになっている。
【0014】
12は前記溶出槽8側面に設けられた排出管で、後述する第3返送管46を介して分水計量装置40から供給された汚水を第1嫌気部5に返送するようになっている。13は前記溶出槽8上部に設けられ溶出槽8内の空気を排出する排気口である。
【0015】
14は前記溶出槽8内に配設される鉄材からなる電極15を有し、溶出槽8を閉塞する絶縁体にて形成された電極カバーである。16は後述する制御部50により制御され、電極15間に直流定電流を供給する電源装置で、前記電極15間に直流定電流を供給することにより、溶出槽8内の汚水に鉄イオンを供給する。
【0016】
17は前記溶出槽8底部の電極15間に配設された第1散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第1ブロアー18に接続され、該第1ブロアー18から供給される空気を空気吹出口から放出することにより電極15を洗浄し汚泥の付着を防止すると共に、電極15から溶出する2価の鉄イオンをオルトリン酸と反応する3価の鉄イオンに酸化する。
【0017】
19は前記第1嫌気部5内に配設された第1移流管で、前記第1嫌気部5で嫌気分解された汚水を、第1仕切壁2上部を貫通する第1給水口20を介して後述する第2嫌気部21に供給する。
【0018】
21は前記第1仕切壁2により第1嫌気部5と区画された第2嫌気部、22は前記第2嫌気部21内に配設された第2嫌気濾床で、該第2嫌気濾床22によって浮遊物質を捕捉し嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に嫌気分解する。
【0019】
23は前記第2嫌気部21内に配設された第2移流管で、前記第2嫌気部21で嫌気分解された汚水を、第2仕切壁3上部を貫通する第2給水口24を介して後述する好気部25に給水する。25は前記第2仕切壁3により第2嫌気部21と区画された好気部で、第2嫌気部21で嫌気処理された汚水が第2移流管23を介して流入する。26は前記好気部25内に配設された接触材で、好気性微生物の培養を促進する。
【0020】
27は前記好気部25底部に配設された第2散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第2ブロアー28に接続され、第2ブロアー28から供給される空気を空気吹出口から放出して好気部25内を好気状態に維持し、汚水を好気性微生物により好気分解すると共に、硝酸菌や亜硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性の窒素に変化させる。
【0021】
29は前記接触材26下部に配設され、多数の空気吹出口を有する第3散気管で、前記第2ブロアー28と接続されている。前記第2ブロアー28からの空気供給は図示しない第1電磁弁によって第2散気管27あるいは第3管気管29のいずれか一方に行うようになっている。
【0022】
前記第1電磁弁は通常、第2ブロアー28から供給される空気を第2散気管27の空気吹出口から放出して好気部25内を好気状態に維持し、接触材26を洗浄する際には、後述する制御部50が第1電磁弁を第3散気管29に切り換え、第3散気管29の空気吹出口から空気を放出させて、接触材26に付着し増殖して徐々に厚くなった生物膜を剥離する。
【0023】
30は前記第3仕切壁4底部に設けられた連通口で、好気部25と後述する沈殿部31とを連通している。31は前記第3仕切壁4により好気部25と区画された沈殿部で、好気部25で好気分解され連通口30から流入する汚水を汚泥と上澄み液に分離する。また、前記沈殿部31底部に堆積した汚泥を連通口30から好気部25に返送するため、沈殿部31底部を好気部25側に傾斜させている。
【0024】
32は前記沈殿部31上部に設けられた消毒部で、沈殿部31で分離された上澄み液が流入するようになっている。33は前記消毒部32内に設けられた殺菌装置で、該殺菌装置33内に備えた塩素系の薬品により消毒部32に流入した汚水を消毒する。34は前記消毒部32に連通する排水口で、消毒部32において消毒された汚水を処理槽1外に排水するようになっている。
【0025】
35は前記好気部25底部と第1嫌気部5上部とを連通する第1返送管、36は前記好気部25底部の第1返送管35内に配設された第4散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第3ブロアー37に接続され、第3ブロアー37から供給される空気を空気吹出口から放出することにより、前記好気部25底部に堆積した汚泥及び沈殿部31から好気部25に返送された汚泥を、第1返送管35を介して第1嫌気部5に返送するようになっている。
【0026】
38は前記沈殿部31上部と後述する分水計量装置40の流入室41とを連通する第2返送管、39は前記第2返送管38内に配設された第5散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、前記第3ブロアー37に接続されている。前記第3ブロアー37からの空気は図示しない第2電磁弁により第4散気管36あるいは第5散気管39のいずれか一方に供給されている。
【0027】
前記第2電磁弁は通常、第5散気管39に切り換えられ、第3ブロアー37から供給される空気を第5散気管39の空気吹出口から放出することにより、沈殿部31内の上澄み液を第2返送管38を介して、後述する分水計量装置40の流入室41に移送するようになっている。
【0028】
前記接触材26を洗浄した後には制御部50が第2電磁弁を第4散気管36に切り換え、第4散気管36の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部25内の汚水が第1返送管35を介して第1嫌気部5に流入する。この流れに伴って好気部25底部に堆積した汚泥及び沈殿部31から好気部25に戻った汚泥を第1返送管35を介して第1嫌気部5に返送する。
【0029】
40は前記沈殿部31上部に配設された矩形箱形の分水計量装置で、第2返送管38に接続された流入室41と、該流入室41と下部側を連通する開口を形成した隔壁42により仕切られた中間室43と、該中間室43内の汚水が流入する第1分水室44及び第2分水室45とに区画している。
【0030】
前記第1分水室44は前記溶出槽8に第3返送管46を介して連通すると共に、中間室43とは壁の上部をV字状に開放した切欠部47により連通している。前記第2分水室45は前記好気部25上部に管48により連通すると共に、中間室43とは高さ調節可能な溢流堰板49上部に形成される開口により連通している。
【0031】
前記溢流堰板49の高さを調整し、溢流堰板49の上部に形成される開口の大きさを変え、第2分水室45から好気部25に返送する汚水量を設定することにより、第1分水室44から溶出槽8に流入する汚水量が調節できるようになっている。
【0032】
50は前記第1ブロアー18、第2ブロアー28、第3ブロアー37、電源装置16、図示しない第1電磁弁及び第2電磁弁等を制御する制御部である。
【0033】
51は前記第1仕切壁2上部の第1嫌気部5、第2嫌気部21及び溶出槽8に対向する位置に設けられた第1点検用開口、52は前記第1点検用開口51を開閉自在に閉塞する第1蓋体で、第1嫌気部5及び第2嫌気部21底部に堆積した汚泥を吸引排除、溶出槽8のメンテナンス時等に開閉するようになっている。
【0034】
53は前記好気部25に対向する位置に設けられた第2点検用開口、54は前記第2点検用開口53を開閉自在に閉塞する第2蓋体である。55は前記殺菌装置33に対向する位置に設けられた第3点検用開口、56は前記第3点検用開口55を閉塞自在に閉塞する第3蓋体で、殺菌装置33への塩素系の薬品補給の際等に開閉するようになっている。
【0035】
而して、家庭から排出された汚水は、流入口6から第1嫌気部5に流入し、第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床7によって汚水中のトイレットペーパー等の比較的粗大な固形物や夾雑物が除去され、後に流入する各処理部での処理を円滑に行うための予備的処理がなされると共に、除去した固形物、夾雑物や第1嫌気濾床7を通過する汚水が嫌気性微生物の働きにより嫌気分解され、BODが低減化されると共に、汚水の分解により発生した汚泥が第1嫌気部5底部に堆積する。また、嫌気性微生物の働きにより有機性の窒素はアンモニア性窒素に変化する。
【0036】
第1嫌気部5に新たな汚水が流入することにより嫌気分解した汚水は第1移流管19の第1給水口20から第2嫌気部21に流入する。第2嫌気部21に流入した汚水は、第2嫌気濾床22で嫌気性微生物の働きにより嫌気分解され、BODが低減化されると共に、汚水の分解により発生した汚泥が第2嫌気部21底部に堆積する。また、嫌気性微生物の働きにより有機性の窒素はアンモニア性窒素に変化する。
【0037】
第2嫌気部21に新たな汚水が流入することにより、第2嫌気濾床22で嫌気分解された汚水が第2移流管23の第2給水口24から好気部25に流入し、第2ブロアー28から供給される空気が第2散気管27の空気吹出口から放出されることにより攪拌される。
【0038】
そして、汚水中に酸素が溶存され、接触材26の表面に多数付着した好気性微生物の働きにより汚水を好気分解すると共に、有機リン酸塩等をオルトリン酸等に分解し、アンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性窒素に変化させる。また、汚水の分解により発生した汚泥は好気部25底部に堆積する。
【0039】
好気部25に新たな汚水が流入することにより、接触材26に付着した好気性微生物の働きにより好気分解された汚水は好気部25底部の連通口30から沈殿部31に流入する。沈殿部31に流入した汚水は、沈殿部31内を上昇する間に沈降性物質が沈降して連通口30から好気部25に返送され、上澄み液は消毒部32に流入する。消毒部32に流入した上澄み液は、塩素系の薬品を備えた消毒装置33により消毒され病原菌等の細菌を死滅させて、排水口34より処理槽1外に排水される。
【0040】
第3ブロアー37から供給される空気を第5散気管39の空気吹出口から放出することにより、沈殿部31内の上澄み液は分水計量装置40の流入室41に流入し、中間室43で整流されて第1分水室44と第2分水室45に流入する。
【0041】
第1分水室44から第3返送管46を介して溶出槽8に流入した汚水には鉄材からなる電極15間に直流定電流が供給されることにより電極15から鉄イオンが溶出される。
【0042】
さらに、溶出槽8底部に配設した第1散気管17により、電極15表面に汚泥等が付着することを防止すると共に、第1散気管17から供給される空気中の酸素を利用して電極15から溶出した2価の鉄イオンをオルトリン酸と反応する3価の鉄イオンに酸化させることができ、脱リン効率をより向上することができる。
【0043】
溶出槽8内で3価の鉄イオンを供給された汚水は、排出管12から第1嫌気部5に返送される。第1嫌気部5に返送された汚水中の3価の鉄イオンは、第1嫌気部5内に存在するオルトリン酸と反応し、水不溶性のリン化合物として凝集、沈殿する。
【0044】
また、第1嫌気部5に返送された汚水中の硝酸性や亜硝酸性の窒素は、第1嫌気部5に多く存在する脱窒菌により還元され、窒素ガスとして空気中に放散して除去される。
【0045】
溶出槽8から第1嫌気部5に返送される汚水は、溶存酸素濃度が極端に高い好気部25からではなく沈殿部31から供給したものであり、溶出槽8内の汚水を第1嫌気部5に返送しても嫌気性微生物に対する影響も少なく嫌気分解がおこなえる。
【0046】
接触材26に付着した好気性微生物により形成された生物膜は増殖して徐々に厚くなるので、目詰まり防止のため制御部50が定期的に第1電磁弁を制御して第2ブロアー28からの空気供給を第3散気管29に切り換え、第3散気管29の空気吹出口から空気を放出させて生物膜を剥離させる。
【0047】
第3散気管29からの空気供給が終了すると、剥離された生物膜は好気部25底部に汚泥として堆積するが、制御部50が第2電磁弁を制御して第3ブロアー37からの空気供給を第4散気管36に切り換え、第4散気管36の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部25内の汚水が好気部25底部に堆積した汚泥と共に、第1返送管35を介して第1嫌気部5に返送される。
【0048】
溶出槽8は第1点検用開口51に臨ませて配設しており、第1蓋体52を開けて第1嫌気部5及び第2嫌気部21に堆積した汚泥を吸引排除する際等に溶出槽8を点検することができる。
【0049】
溶出槽8内はオルトリン酸と鉄イオンとが反応して生成された水不溶性のリン化合物等の汚泥が堆積する。この汚泥の堆積量が増して電極15間に接触すると、電極15間を短絡した状態になるため、電極15から溶出する鉄イオン量が減少してリン除去性能が低下する。
【0050】
そこで、本実施の形態においては、溶出槽8底部の最も低い位置である底部中央に排出口9を設けると共に、排出口9近傍に第1散気管17を設けているため、溶出槽8底部に堆積した汚泥を底部から効率よく攪拌して排出管12から汚水とともに第1嫌気部5に返送することができると共に、排出口9を開口した際には、溶出槽8内に堆積した汚泥を効率よく排出口9から第1嫌気部5に排出させることができる。
【0051】
さらに、排出口9を開閉自在に閉塞する蓋体10は、溶出槽8底部に設けたセンサ11の出力に基づいて制御部50により制御されているため、溶出槽8底部に所定量の汚泥が堆積するとセンサ11が検出し、制御部50が蓋体10を制御して開口状態にして、自動的に溶出槽8内に堆積した汚泥を効率よく排出口9から第1嫌気部5に排出させることができる。
【0052】
また、溶出槽8内に堆積した汚泥を第1嫌気部5に返送する汚泥返送路を設けることなく溶出槽8内に堆積した汚泥を排出口9から第1嫌気部5に返送することができるため、構成を簡素化することができると共に、第1嫌気部5に堆積した汚泥を吸引排除する際に、溶出槽8内に堆積していた汚泥も容易に処理することができる。
【0053】
電極15の電解により電極15から水素ガスが発生するため、溶出槽8上部に溜まる水素ガスの濃度が上昇すると爆発する虞がある。そこで、本実施の形態においては、排気口13を溶出槽8上部に設けて、溶出槽8内の水素ガスを第1散気管17から溶出槽8内汚水に供給される空気と共に、効率よく溶出槽8外に排出し、溶出槽8内の水素ガス濃度の上昇を防いで爆発を防止している。
【0054】
鉄材からなる電極15を長期にわたって溶出槽8内の汚水中に浸漬していると、電極15表面に酸化被膜が発生し、不動態化状態となって鉄イオンの溶出量が徐々に低下し、脱リン性能が低下する。
【0055】
従って、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を供給し、その電流を所定時間毎に極性転換する構成とすることが好ましい。陽極側の鉄材表面には、長期にわたって使用していると酸化被膜が発生するが、陰極側の鉄材表面は、陰極側鉄材から発生する水素ガスにより洗浄されて酸化被膜は生じない。よって、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が発生して鉄イオンの溶出量が減少するまでの時間間隔で極性を転換することにより、鉄イオンの溶出を略一定に維持することができ、脱リン性能を一定に維持することができる。
【0056】
また、この構成では、両電極を鉄材とすることにより、常時陽極側電極となる鉄材から鉄イオンが溶出して汚水に供給されるため、脱リン性能を常時一定の状態に維持することができる。
【0057】
上記構成において、本実施の形態では、1〜1.2Aの直流定電流を供給している。また、電流を極性転換する時間間隔は、鉄イオン溶出理論値に対する実溶出量が約90%以上となる約4分以上、鉄材表面に酸化被膜が発生する2ヶ月以内とすればよいが、極性を転換するスイッチング素子の耐久性を向上させるため及び陽極側電極となる鉄材のみが鉄イオンの溶出により減少することを防止して両電極を略均一な減少状態とするために、1週間以内、好ましくは1日以内、本実施の形態では、4時間毎に極性を転換するようにしている。
【0058】
また、電極の少なくとも陽極側に鉄材を用い、両電極に直流定電流を供給し、所定時間毎にパルス状に供給電流を増大させる構成としてもよい。この構成においては、パルス状に供給電流を増大させることにより、陽極側鉄材表面に発生した酸化被膜を剥離させることができ、鉄イオンの溶出を略一定に維持して、脱リン性能を一定に維持することができる。
【0059】
上記構成において、本実施の形態では、1〜1.2Aの直流定電流を供給し、4時間あたり合計24分間の間3〜4Aのパルス電流を供給している。
【0060】
さらに、上述した2種類の供給電流構成を組み合わせ、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を供給し、その電流を所定時間毎に極性転換すると共に、パルス状に供給電流を増大させる構成としてもよい。極性転換するまでの時間が長い場合には、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が生じており、極性を転換することによって水素ガスにより洗浄して酸化被膜を剥離することができるが、酸化被膜が剥離されるまでに若干の時間を必要とし、酸化被膜が剥離されるまでの間の電気抵抗が大きいため、消費電力が増大するおそれがある。
【0061】
従って、上記構成としてパルス状に供給電流を増大させることにより陽極から陰極に転換した鉄材表面の酸化被膜を短時間に除去することができ、消費電力の増大を防止することができる。
【0062】
尚、本発明の実施の形態では、直流定電流を供給して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、陽極側の電極に鉄材を用い、陰極側の電極をチタンや白金等の不溶性材料とした構成にしてもよい。
【0063】
さらに、発明の実施の形態では、直流定電流を供給して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、アルミニウムを用いた構成としてもよい。
【0064】
また、本発明の実施の形態では、センサ11の出力に基づいて排出口9を開閉自在に閉塞する蓋体10を制御部50が制御することにより溶出槽8内の汚泥を自動的に排出させる構成としたが、センサ11の出力に基づいて制御部50がLED、ブザー等からなる警報手段を制御して、溶出槽8内に汚泥が所定量堆積していることを使用者に知らせる構成としてもよい。この構成であれば、溶出槽8内に所定量の汚泥が堆積していることを知った使用者が清掃業者に連絡し、連絡を受けた清掃業者が排出口9を閉塞している蓋体を取り除くことにより、溶出槽8内の汚泥を容易に排出させることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によると、排出口から溶出槽内に堆積した汚泥を排出させることができ、電極から溶出するイオン溶出効率の低下を防いで電極から安定したイオン溶出を行うことができる等の効果を奏する。
【0066】
本発明の請求項2の構成によると、攪拌装置により溶出槽内に堆積した汚泥を効率よく攪拌して、返送手段による汚水の返送とともに汚泥を返送することにより溶出槽内の汚泥堆積量を減少させることができると共に、排出口から溶出槽内に堆積した汚泥を排出させることができ、電極から溶出するイオン溶出効率の低下を防いで電極から安定したイオン溶出を行うことができる等の効果を奏する。
【0067】
本発明の請求項3の構成によると、警報手段により溶出槽内に所定量の汚泥が堆積したことを知ることができ、電極から溶出するイオン溶出効率の低下を防いで電極から安定したイオン溶出を行うことができる等の効果を奏する。
【0068】
本発明の請求項4の構成によると、開閉自在に閉塞する蓋体を制御手段で制御することにより溶出槽内に堆積した汚泥を自動的に排出させることができ、電極から溶出するイオン溶出効率の低下を防いで電極から安定したイオン溶出を行うことができる等の効果を奏する。
【0069】
本発明の請求項5の構成によると、溶出槽内に堆積した汚泥を嫌気部に返送する汚泥返送路を設けることなく溶出槽内に堆積した汚泥を排出口から嫌気部に返送することができるため、構成を簡素化することができると共に、嫌気部に堆積した汚泥を吸引排除する際に、溶出槽内に堆積していた汚泥も容易に処理することができる等の効果を奏する。
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の汚水処理装置の断面図である。
【図2】同上断面図である。
【図3】同溶出槽の拡大断面図である。
【図4】同分水計量装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 処理槽
5 嫌気部(第1嫌気部)
8 溶出槽
9 排出口
15 電極
25 好気部
31 沈殿部
32 消毒部
Claims (5)
- 汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設けると共に、排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
- 汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、溶出槽内を攪拌する攪拌手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
- 汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、前記排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、前記溶出槽内に堆積する汚泥量を検出するセンサを設け、該センサの出力に基づいて警報する警報手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
- 汚水を嫌気分解するための嫌気部、汚水を好気分解するための好気部、汚水中の沈降性物質を沈降させるための沈殿部及び沈殿部から流入した上澄み液を消毒するための消毒部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し、該電極に通電することにより、流入した汚水中に鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、該溶出槽内に溶出した鉄イオンまたはアルミニウムイオンを処理槽に供給する供給手段とを備え、前記溶出槽内に堆積した汚泥を排出する排出口を溶出槽下部に設け、前記排出口を開閉自在に閉塞する閉塞手段を設けると共に、前記溶出槽内に堆積する汚泥量を検出するセンサを設け、該センサの出力に基づいて閉塞手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
- 前記排出口を嫌気部に臨ませたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の汚水処理装置。
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JP26215797A JP3813326B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 汚水処理装置 |
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JP26215797A JP3813326B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 汚水処理装置 |
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JPH1190467A JPH1190467A (ja) | 1999-04-06 |
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JP26215797A Expired - Lifetime JP3813326B2 (ja) | 1997-09-26 | 1997-09-26 | 汚水処理装置 |
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- 1997-09-26 JP JP26215797A patent/JP3813326B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH1190467A (ja) | 1999-04-06 |
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