JP3938996B2 - 汚水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水を浄化する汚水処理装置に関し、特に汚水からリンを除去する汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種、汚水処理装置として、例えば特開平7−108296号公報(C02F 3/30)に記載されたものが知られている。
【0003】
この装置は、汚水を浄化する嫌気部及び好気部を有する処理槽と、鉄材と鉄材を曝気する散気管とを有する溶出槽と、処理槽内の汚水を溶出槽を介して処理槽に循環させる循環ポンプとを備え、循環ポンプにより好気部内の汚水を溶出槽を介して嫌気部に返送させ、鉄材から溶出する鉄イオンと汚水中のオルトリン酸との反応により水不溶性リン化合物として凝集、沈殿させて汚水中からリンを除去するものである。
【0004】
しかしながら、長期にわたって鉄材を汚水中に浸漬した場合には、鉄材表面に酸化被膜が発生し不動態化状態となって鉄イオンの溶出が徐々に減少するため、鉄材表面を洗浄する散気管が必要になると共に、汚水中からリンを除去するために溶出槽から溶出した鉄イオンを処理槽内の汚水に供給する循環ポンプが必要になるため、構成が複雑化する欠点を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、リンを除去する汚水処理装置において、構成を簡素化した汚水処理装置を提供することを課題とする。
【0006】
【解決を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄またはアルミニウムからなる金属を有し鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を処理槽に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路を前記金属下部に臨ませたことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための第2の手段は、嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路を前記電極下部に臨ませたことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するための第3の手段は、嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、溶出槽から排出される汚水の流量を調節する流量調節装置を設けると共に、溶出槽に連通する供給路を前記電極下部に臨ませたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための第4の手段は、嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路の一端を前記電極下部に臨ませると共に、溶出槽から排出される汚水の流量を調節する流量調節装置を溶出槽内に設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1乃至図3に示す汚水処理装置に基づいて以下に詳述する。
【0012】
1は地中に埋設された処理槽である。前記処理槽1内部は第1仕切壁2,第2仕切壁3及び第3仕切壁4により、後述する第1嫌気部5,第2嫌気部10、好気部14、沈殿部34及び消毒部35に区画されている。
【0013】
5は生活雑排水等の汚水が流入する流入口6を有する第1嫌気部、7は前記第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床で、第1嫌気部5内に流入した汚水中に混入している難分解性の夾雑物を沈殿分離し、第1嫌気濾床7に付着した嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に変化させる。
【0014】
8は前記第1嫌気部5内に配設された第1移流管で、前記第1嫌気部5で嫌気分解された汚水を、第1仕切壁2上部を貫通する第1給水口9を介して後述する第2嫌気部10に供給する。
【0015】
10は前記第1仕切壁2により第1嫌気部5と区画された第2嫌気部、11は前記第2嫌気部10内に配設された第2嫌気濾床で、該第2嫌気濾床11によって浮遊物質を捕捉し嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に変化させる。
【0016】
12は前記第2嫌気部10内に配設された第2移流管で、前記第2嫌気部10で嫌気分解された汚水を、第2仕切壁3上部を貫通する第2給水口13を介して後述する好気部14に給水する。14は前記第2仕切壁3により第2嫌気部10と区画された好気部で、第2嫌気部10で嫌気処理された汚水が第2移流管12を介して流入する。15は前記好気部14内に配設された接触材で、好気性微生物の培養を促進する。
【0017】
16は前記好気部14底部に配設された第1散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第1ブロアー17に接続され、第1ブロアー17から供給される空気を空気吹出口から放出して好気部14内を好気状態に維持し、汚水を好気性微生物により好気分解すると共に、硝酸菌や亜硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性の窒素に変化させる。
【0018】
18は前記接触材15下部に配設され、多数の空気吹出口を有する第2散気管で、前記第1ブロアー17と接続されている。前記第1ブロアー17からの空気供給は図示しない第1電磁弁によって第1散気管16あるいは第2管気管18のいずれか一方に行うようになっている。
【0019】
前記第1電磁弁は通常、第1ブロアー17から供給される空気を第1散気管16の空気吹出口から放出して好気部14内を好気状態に維持し、接触材15を洗浄する際には、制御部が第1電磁弁を第2散気管18に切り換え、第2散気管18の空気吹出口から空気を放出させて、接触材15に付着し増殖して徐々に厚くなった生物膜を剥離する。
【0020】
19は前記第3仕切壁4の上方の後述する第3点検用開口42に臨む位置に配設された矩形箱形の溶出槽で、該溶出槽19内部は電極配設室20、第1分水室21及び第2分水室22に区画されている。23は前記電極配設室20に配設された鉄材からなる電極で、一対の電極23間に図示しない電源装置から直流定電流を供給することにより、電極23から溶出した鉄イオンが溶出槽19内に供給される。
【0021】
前記第1分水室21は、好気部14底部と第1嫌気部5上部とを連通する第1返送管24に管25を介して連通すると共に、電極配設室20とは仕切壁上部をV字状に開放した切欠部26により連通している。前記第2分水室22は前記好気部14に排出口27を介して連通すると共に、電極配設室20とは高さ調整可能な溢流堰板28に形成される開口により連通している。
【0022】
前記溢流堰板28の高さを調整し溢流堰板28に形成される開口の高さを変え、第2分水室22から好気部14に返送する汚水量を設定することにより、第1分水室21から第1返送管24に流入する汚水量が調節できるようになっている。
【0023】
29は前記溶出槽19の電極配設室20と後述する沈殿部34とを連通する第2返送管である。前記第2返送管29の電極配設室20と連通する一端の開口面積はテーパー状に他端より大きくなっている。30は前記第2返送管29内底部に配設された第3散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第2ブロアー31と接続され、第2ブロアー31から供給される空気を空気吹出口から放出することにより、沈殿部34内の汚水を第2返送管29内に吸い込み電極配設室20に移送するようになっている。
【0024】
32は前記第1返送管24内底部に配設された第4散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、前記第2ブロアー31に接続されている。前記第2ブロアー31からの空気は図示しない第2電磁弁により第3散気管30あるいは第4散気管32のいずれか一方に供給されている。
【0025】
前記第2電磁弁は通常、第3散気管30に切り換えて第2ブロアー31から供給される空気を第3散気管30の空気吹出口から放出することにより、沈殿部34内の上澄み液を第2返送管29内に吸い込み、電極配設室20に移送するようになっている。
【0026】
前記接触材15を洗浄した後には第2ブロアー31からの空気供給を第4散気管32に切り換え、第4散気管32の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部14内の汚水が第1返送管24内を通り第1嫌気部5に流入する。この流れに伴って好気部14底部に堆積した汚泥及び沈殿部34から好気部14に戻った汚泥を第1返送管24内に吸い込み第1嫌気部5に返送する。
【0027】
33は前記第3仕切壁4底部に設けられた連通口で、好気部14と後述する沈殿部34とを連通している。34は前記第3仕切壁4により好気部14と区画された沈殿部で、好気部14で好気分解され連通口33から流入する汚水を汚泥と上澄み液に分離する。また、前記沈殿部34底部に堆積した汚泥を連通口33から好気部14に返送するため、沈殿部34底部を好気部14側に傾斜させている。
【0028】
35は前記沈殿部34上部に設けられた消毒部で、沈殿部34で分離された上澄み液が流入するようになっている。36は前記消毒部35内に設けられた殺菌装置で、該殺菌装置36内に備えた塩素系等の薬品により消毒部35に流入した汚水を殺菌する。37は前記消毒部35に連通する排水口で、消毒部35において殺菌された汚水を処理槽1外に排水するようになっている。
【0029】
38は前記第1嫌気部5に対向する位置に設けられた第1点検用開口、39は前記第1点検用開口38を開閉自在に閉塞する第1蓋体で、第1嫌気部5底部に堆積した汚泥を吸引排除する際等に開閉するようになっている。40は前記第2仕切壁3上部の第2嫌気部10及び好気部14に対向する位置に設けられた第2点検用開口、41は前記第2点検用開口40を開閉自在に閉塞する第2蓋体である。
【0030】
42は前記殺菌装置36及び溶出槽19に対向する位置に設けられた第3点検用開口、43は前記第3点検用開口42に設けられたリードスイッチで、後述する第3蓋体44の開閉状態を検知するようになっている。44は前記第3点検用開口42を閉塞自在に閉塞する第3蓋体、45は前記第3蓋体44に設けられ前記リードスイッチ43をオンオフ操作する磁石である。前記第3蓋体44の磁石45が常にリードスイッチ43対向する位置となるように、第3蓋体44を図示しない位置決め手段により位置決めしている。
【0031】
前記第3蓋体44は殺菌装置36への塩素系の薬品補給及び溶出槽19のメンテナンス時等に開閉するようになっている。また、第3点検用開口42開放時にはリードスイッチ43がオフとなり、この信号に基づいて制御回路は電極23への直流定電流供給を停止させ、第3蓋体44を装着すると電極23への通電を再開する。
【0032】
而して、家庭から排出された汚水は、流入口6から第1嫌気部5に流入し、第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床7によって汚水中のトイレットペーパー等の比較的粗大な固形物や夾雑物が除去され、後に流入する各処理部での処理を円滑に行うための予備的処理がなされると共に、除去した固形物、夾雑物や第1嫌気濾床7を通過する汚水が嫌気性微生物の働きにより嫌気分解され、BODが低減化されると共に、汚水の分解により発生した汚泥が第1嫌気部5底部に堆積する。また、嫌気性微生物の働きにより有機性の窒素はアンモニア性窒素に変化する。
【0033】
第1嫌気部5に新たな汚水が流入することにより嫌気分解した汚水は第1移流管8の第1給水口9から第2嫌気部10に流入する。第2嫌気部10に流入した汚水は、第2嫌気濾床11で嫌気性微生物の働きにより嫌気分解され、BODが低減化されると共に、汚水の分解により発生した汚泥が第2嫌気部10底部に堆積する。また、嫌気性微生物の働きにより有機性の窒素はアンモニア性窒素に変化する。
【0034】
第2嫌気部10に新たな汚水が流入することにより、第2嫌気濾床11で嫌気分解された汚水が第2移流管12の第2給水口13から好気部14に流入し、第1ブロアー17から供給される空気が第1散気管16の空気吹出口から放出されることにより攪拌される。
【0035】
そして、汚水中に酸素が溶存され、接触材15の表面に多数付着した好気性微生物の働きにより汚水を好気分解すると共に、有機リン酸塩等をオルトリン酸等に分解し、アンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性窒素に変化させる。また、汚水の分解により発生した汚泥は好気部14底部に堆積する。
【0036】
好気部14に新たな汚水が流入することにより、接触材15に付着した好気性微生物の働きにより好気分解された汚水は好気部14底部の連通口33から沈殿部34に流入する。沈殿部34に流入した汚水は、沈殿部34内を上昇する間に沈降性物質が沈降して連通口33から好気部14に返送され、上澄み液は消毒部35に流入する。消毒部35に流入した上澄み液は、塩素系等の薬品を備えた殺菌装置36により殺菌され病原菌等の細菌を死滅させて、排水口37より処理槽1外に排水される。
【0037】
第2ブロアー31から供給される空気を第3散気管30の空気吹出口から放出することにより、沈殿部34内の汚水は電極配設室20に流入し、電極23から溶出する鉄イオンが供給される。
【0038】
また、第3散気管30と汚水面との距離が離れており、第3散気管30から放出された空気が汚水面に到達するまでに充分な加速度を得ることができるため、第3散気管30のエアリフト効果による電極配設室20に流入する汚水の流速が速くなり、しかも、溶出槽19の電極配設室20に連通する第2返送管29の一端の開口面積を他端よりテーパー状に大きくしており、電極配設室20内に流入した汚水は全周に広がり全ての電極23表面に流れる流路を形成するため、電極23表面に汚泥等が付着することを確実に防止できるようになっている。
【0039】
さらに、第3散気管30から供給される空気中の酸素を利用して電極23から溶出した2価の鉄イオンをオルトリン酸と反応する3価の鉄イオンに酸化させることができ、脱リン効率をより向上することができる。
【0040】
電極配設室20内で3価の鉄イオンを供給された汚水は、第1分水室21と第2分水室22に流入する。第2分水室22と電極配設室20とを連通する溢流堰板28の開口の高さを変えることにより、第2分水室22から排出口27を介して好気部14に返送される汚水量は決まるため、第1分水室21から第1返送管24に流入する汚水量を所定量に調節することができる。
【0041】
第2分水室22から好気部14に返送された汚水中の鉄イオンは、好気部14内に存在するオルトリン酸と反応し、水不溶性のリン化合物として凝集、沈殿する。また、第1分水室21から第1返送管24を介して第1嫌気部5に返送された汚水中の鉄イオンは、第1嫌気部5内に存在するオルトリン酸と反応し、水不溶性のリン化合物として凝集、沈殿すると共に、第1嫌気部5に返送された汚水中の硝酸性や亜硝酸性の窒素は、第1嫌気部5に多く存在する脱窒菌により還元され窒素ガスとして空気中に放散して除去される。
【0042】
溶出槽19から第1嫌気部5に返送される汚水は、溶存酸素濃度が極端に高い好気部14からではなく沈殿部34から供給したものであり、しかも沈殿部34から溶出槽19を介して第1嫌気部5に返送する返送手段である第3散気管30からの空気供給を利用して電極23の洗浄及び溶出した鉄イオンの酸化を行うようになっていると共に、第1分水室21及び第2分水室22により第1嫌気部5に返送する汚水量が所定量に調節されているため、嫌気性微生物に対する影響も少なく嫌気分解がおこなえる。
【0043】
溶出槽19は第3点検用開口42に臨ませて配設しており、第3蓋体44を開けて消毒槽35の殺菌装置36に薬品を補給する際等に溶出槽19を点検することができる。
【0044】
さらに、溶出槽19内に電極配設室20及び流量調節装置を構成する第1分水室21と第2分水室22を配設しているため、第3点検用開口42を開放して溶出槽19をメンテナンスする際に、消耗した電極23の交換を行うことができると共に、汚泥等が溢流堰板28の開口に付着して変化した第1嫌気部5に返送される汚水量を、溢流堰板28の開口に付着した汚泥の清掃により元の状態に戻すことが容易にできるようになっている。
【0045】
また、第3点検用開口42開放時には、電極23への直流定電流の供給を停止させているため、殺菌装置36への薬品補給や溶出槽19のメンテナンス時等に感電することが防止できるようになっている。
【0046】
接触材15に付着した好気性微生物により形成された生物膜は増殖して徐々に厚くなるので、目詰まり防止のため制御部が定期的に第1電磁弁を制御して第1ブロアー17からの空気供給を第2散気管18に切り換え、第2散気管18の空気吹出口から空気を放出させて生物膜を剥離させる。
【0047】
第2散気管18からの空気供給が終了すると、剥離された生物膜は好気部14底部に汚泥として堆積するが、制御部が第2電磁弁を制御して第2ブロアー31からの空気供給を第4散気管32に切り換え、第4散気管32の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部14内の汚水が好気部14底部に堆積した汚泥と共に、第1返送管24を介して第1嫌気部5に返送される。
【0048】
鉄材からなる電極23を長期にわたって溶出槽19内の汚水中に浸漬していると、電極23表面に酸化被膜が発生し、不動態化状態となって鉄イオンの溶出量が徐々に低下し、脱リン性能が低下する。
【0049】
従って、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を供給し、その電流を所定時間毎に極性転換する構成とすることが好ましい。陽極側の鉄材表面には、長期にわたって使用していると酸化被膜が発生するが、陰極側の鉄材表面は、陰極側鉄材から発生する水素ガスにより洗浄されて酸化被膜は生じない。よって、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が発生して鉄イオンの溶出量が減少するまでの時間間隔で極性を転換することにより、鉄イオンの溶出を略一定に維持することができ、脱リン性能を一定に維持することができる。
【0050】
また、この構成では、両電極を鉄材とすることにより、常時陽極側電極となる鉄材から鉄イオンが溶出して汚水に供給されるため、脱リン性能を常時一定の状態に維持することができる。
【0051】
上記構成において、本実施の形態では、1〜1.2Aの直流定電流を供給している。また、電流を極性転換する時間間隔は、鉄イオン溶出理論値に対する実溶出量が約90%以上となる約4分以上、鉄材表面に酸化被膜が発生する2ヶ月以内とすればよいが、極性を転換するスイッチング素子の耐久性を向上させるため及び陽極側電極となる鉄材のみが鉄イオンの溶出により減少することを防止して両電極を略均一な減少状態とするために、1週間以内、好ましくは1日以内、本実施の形態では、4時間毎に極性を転換するようにしている。
【0052】
また、電極の少なくとも陽極側に鉄材を用い、両電極に直流定電流を供給し、所定時間毎にパルス状に供給電流を増大させる構成としてもよい。この構成においては、パルス状に供給電流を増大させることにより、陽極側鉄材表面に発生した酸化被膜を剥離させることができ、鉄イオンの溶出を略一定に維持して、脱リン性能を一定に維持することができる。
【0053】
上記構成において、本実施の形態では、1〜1.2Aの直流定電流を供給し、4時間あたり合計24分間の間3〜4Aのパルス電流を供給している。
【0054】
さらに、上述した2種類の供給電流構成を組み合わせ、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を供給し、その電流を所定時間毎に極性転換すると共に、パルス状に供給電流を増大させる構成としてもよい。極性転換するまでの時間が長い場合には、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が生じており、極性を転換することによって水素ガスにより洗浄して酸化被膜を剥離することができるが、酸化被膜が剥離されるまでに若干の時間を必要とし、酸化被膜が剥離されるまでの間の電気抵抗が大きいため、消費電力が増大するおそれがある。
【0055】
従って、上記構成としてパルス状に供給電流を増大させることにより陽極から陰極に転換した鉄材表面の酸化被膜を短時間に除去することができ、消費電力の増大を防止することができる。
【0056】
尚、本発明の実施の形態では、直流定電流を供給して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、陽極側の電極に鉄材を用い、陰極側の電極をチタンや白金等の不溶性材料とした構成にしてもよい。
【0057】
さらに、本発明の実施の形態では、直流定電流を供給して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、両極にアルミニウムを用いた構成としてもよい。
【0058】
また、本発明の実施の形態では、鉄材からなる電極に直流定電流を供給して鉄イオンを溶出させる構成としたが、鉄またはアルミニウムからなる金属を溶出槽19内に配設し、第3散気管30から放出される空気により金属表面を洗浄して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出させる構成としてもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によると、エアリフト効果により処理槽内汚水を溶出槽を介して処理槽に循環させる曝気装置を利用して鉄またはアルミニウムからなる金属を効率よく洗浄することができ、構成を簡素化することができる等の効果を奏する。
【0060】
本発明の請求項2の構成によると、エアリフト効果により処理槽内汚水を溶出槽を介して嫌気部に循環させる曝気装置を利用して電極を効率よく洗浄することができ、構成を簡素化することができると共に、処理槽内の汚水を嫌気部に返送することができ、汚水中から窒素を除去することができる等の効果を奏する。
【0061】
本発明の請求項3の構成によると、エアリフト効果により処理槽内汚水を溶出槽を介して嫌気部に循環させる曝気装置を利用して電極を効率よく洗浄することができ、構成を簡素化することができると共に、処理槽内の所定量の汚水を嫌気部に返送することができ、汚水中から窒素を効率よく除去することができる等の効果を奏する。
【0062】
本発明の請求項4の構成によると、エアリフト効果により処理槽内汚水を溶出槽を介して嫌気部に循環させる曝気装置を利用して電極を効率よく洗浄することができ、構成を簡素化することができると共に、処理槽内の所定量の汚水を嫌気部に返送することができ、汚水中から窒素を効率よく除去することができる。
【0063】
さらに、溶出槽内に流量調節装置を設けたため、電極交換及び流量調整装置の清掃等を同時に行うことができ、メンテナンス性を向上することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の汚水処理装置の断面図である。
【図2】同上断面図である。
【図3】同溶出槽の斜視図である。
【符号の説明】
1 処理槽
5 第1嫌気部(嫌気部)
10 第2嫌気部(嫌気部)
14 好気部
19 溶出槽
23 電極
29 第2供給管(供給路)
30 第3散気管(曝気装置)
34 沈殿部
36 消毒部
42 第3点検用開口
43 リードスイッチ
44 第3蓋体
45 磁石

Claims (4)

  1. 嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄またはアルミニウムからなる金属を有し鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を処理槽に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路を前記金属下部に臨ませたことを特徴とする汚水処理装置。
  2. 嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路を前記電極下部に臨ませたことを特徴とする汚水処理装置。
  3. 嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、溶出槽から排出される汚水の流量を調節する流量調節装置を設けると共に、溶出槽に連通する供給路を前記電極下部に臨ませたことを特徴とする汚水処理装置。
  4. 嫌気部、好気部、沈殿部及び消毒部を有する処理槽と、該処理槽内汚水より上方に位置すると共に、鉄材またはアルミニウムからなる電極を有し該電極に通電して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する溶出槽と、前記処理槽内汚水と溶出槽とを連通する供給路と、前記処理槽内汚水に連通する供給路内の汚水を曝気して処理槽内の汚水をエアリフト効果により供給路を介して溶出槽に供給する曝気装置と、前記溶出槽内の汚水を嫌気部に返送する返送路とを備え、前記溶出槽に連通する供給路の一端を前記電極下部に臨ませると共に、溶出槽から排出される汚水の流量を調節する流量調節装置を溶出槽内に設けたことを特徴とする汚水処理装置。
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