JP3954687B2 - 汚水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水を浄化する汚水処理装置に関し、特に汚水からリンを除去する汚水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種、汚水処理装置として、好気槽内の汚水を鉄イオンを溶出する溶出装置を介して嫌気槽に返送し、鉄イオンを汚水中のオルトリン酸と反応させて水不溶性リン化合物として凝集、沈殿させ、汚水中からリンを除去するものが知られている。
【0003】
しかしながら、電極の電解に伴い電極から発生する水素ガスが溶出槽内に溜まり、メンテナンス時等に誤って火気を近づけた場合、爆発が起きる危険性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる汚水処理装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、該排気手段の排出量は、前記電極に印加される総電流値に応じて設定されることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するための第2の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて前記排気手段の排気量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するための第3の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて次の数式Aで示される空気を排気手段によって排気する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
【数3】
Figure 0003954687
【0009】
上記課題を解決するための第4の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、該送風手段の送風量は、前記電極に印加される総電流値に応じて設定されることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための第5の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて前記送風手段の送風量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための第6の手段は、嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて次の数式Aで示される空気を前記送風手段によって供給する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【数4】
Figure 0003954687
【0013】
上記第1の手段乃至第6の手段において、前記電極に直流定電流を印加することが好ましい。
【0014】
上記第1の手段乃至第6の手段において、前記電極に所定時間毎に極性を転換する直流定電流を印加することが好ましい。
【0015】
上記第1の手段乃至第6の手段において、前記電極に所定時間毎にパルス状に印加電流が増大する直流電流を印加することが好ましい。
【0016】
上記第1の手段乃至第6の手段において、前記電極に所定時間毎に極性を転換すると共にパルス状に印加電流が増大する直流電流を印加することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1乃至図4に示す汚水処理装置に基づいて以下に詳述する。
【0018】
1は地中に埋設された処理槽である。該処理槽1内部は第1仕切壁2、第2仕切壁3及び第3仕切壁4により、後述する第1嫌気部5、第2嫌気部18、好気部22、沈殿部28及び消毒部30に区画されている。
【0019】
5は生活雑排水が流入する流入口6を有する第1嫌気部、7は前記第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床で、第1嫌気部5内に流入した生活雑排水中に混入している難分解性の夾雑物を沈殿分離し、第1嫌気濾床7に付着した嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に嫌気分解する。
【0020】
8は前記第1嫌気部5の汚水より上方で且つ後述する第1点検用開口49に臨む位置に配設された矩形箱状の溶出槽で、側面に後述する第3返送管45を介して分水計量装置39から供給された処理水を第1嫌気部5に返送する排出管9を備えている。10は前記溶出槽8内を外気に連通する連通管、11は前記溶出槽8に配設され、連通管10を介して溶出槽8内の空気を外気に排出する排気ファンである。12は前記溶出槽8上部に設けられ溶出槽8内に処理槽1内の空気を取り入れる吸気口である。
【0021】
13は前記溶出槽8内に配設される鉄材からなる電極14を有し、溶出槽8を閉塞する絶縁体にて形成された電極カバ−である。15は後述する制御回路57により制御され、電極14間に直流定電流を印加する電源装置で、前記電極14間に電源装置15から供給される直流定電流を印加することにより、電極14から溶出した鉄イオンを溶出槽8内に供給する。前記溶出槽8、電極14及び電源装置15により溶出装置を構成している。
【0022】
16は前記第1嫌気部5内に配設された第1移流管で、前記第1嫌気部5で嫌気分解された処理水を、第1仕切壁2上部を貫通する第1給水口17を介して後述する第2嫌気部18に供給する。
【0023】
18は前記第1仕切壁2により第1嫌気部5と区画された第2嫌気部、19は前記第2嫌気部18内に配設された第2嫌気濾床で、該第2嫌気濾床19により、浮遊物質を捕捉し嫌気性微生物により有機物を嫌気分解すると共に、有機性の窒素をアンモニア性窒素に嫌気分解する。
【0024】
20は前記第2嫌気部18内に配設された第2移流管で、前記第2嫌気部18で嫌気分解された処理水を、第2仕切壁23上部を貫通する第2給水口21を介して後述する好気部22に給水する。22は前記第2仕切壁3により第2嫌気部18と区画された好気部で、第2嫌気部18で嫌気処理された処理水が第2移流管20を介して流入する。23は前記好気部22内に配設された接触材で、好気性微生物の培養を促進する。
【0025】
24は前記好気部22底部に配設された第1散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第1ブロアー25と接続され、第1ブロアー25から供給される空気を空気吹出口から放出して好気部22内を好気状態に維持し、処理水を好気性微生物により好気分解すると共に、硝酸菌や亜硝酸菌の働きによりアンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性の窒素に分解する。
【0026】
26は前記接触材23下部に配設され、多数の空気吹出口を有する第2散気管で、前記第1ブロアー25と接続されている。前記第1ブロアー25からの空気供給は第1散気管24あるいは第2散気管26のいずれか一方に後述する制御回路57により制御された第1電磁弁27によって切り換えできるようになっている。
【0027】
前記第1電磁弁27は通常、第1散気管24に切り換えて第1ブロアー25から供給される空気を第1散気管24の空気吹出口から放出して好気部22内を好気状態に維持し、接触材23を洗浄する際には第1ブロアー25からの空気供給を第2散気管26に切り換え、第2散気管26の空気吹出口から空気を放出させて、接触材23に付着し増殖して徐々に厚くなった生物膜を剥離する。
【0028】
28は前記第3仕切壁4により好気部22と区画された沈殿部で、第3仕切壁4底部に設けられ、好気部22と沈殿部28を連通する連通口29から流入する、好気部22で好気分解された処理水を沈殿物と上澄み液とに分離する。また、前記沈殿部28底部に堆積した沈殿物を連通口29から好気部22に戻すため、沈殿部28底部を好気部22側に傾斜させている。
【0029】
30は前記沈殿部28上部に設けた消毒部で、沈殿部28で分離された上澄み液が流入するようになっている。31は前記消毒部30内に設けられた殺菌装置で、該殺菌装置31内に備えた塩素系等の薬品により、消毒部30に流入した処理水を消毒する。32は前記消毒部30に連通する排水口で、消毒部30において消毒された処理水を処理槽1外に排水するようになっている。
【0030】
33は前記好気部22底部と第1嫌気部5上部を連通する第1返送管である。34は前記好気部22底部の第1返送管33内に配設された第3散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、第2ブロアー35と接続され、第2ブロアー35から供給される空気を空気吹出口から放出することにより、前記好気部22底部に堆積した汚泥及び沈殿部28から好気部22に返送された沈殿物を、第1返送管33内に吸い込み第1嫌気部5に返送するようになっている。
【0031】
36は前記沈殿部28上部と後述する分水計量装置39の流入室40を連通する第2返送管である。37は前記第2返送管36内に配設された第4散気管で、多数の空気吹出口を形成すると共に、前記第2ブロアー35と接続している。前記第2ブロアー35からの空気供給は第3散気管34あるいは第4散気管37のいずれか一方に後述する制御回路57により制御された第2電磁弁38によって切り換えできるようになっている。
【0032】
前記第2電磁弁38は通常、第4散気管37に切り換えて第2ブロアー38から供給される空気を第4散気管37の空気吹出口から放出することにより、沈殿部28内の上澄み液を第2返送管36内に吸い込み、後述する分水計量装置39の流入室40に移送するようになっている。
【0033】
前記接触材23を洗浄した後には第2ブロアー35からの空気供給を第3散気管34に切り換え、第3散気管34の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部22内の処理水が第1返送管33内を通り第1嫌気部5に流入する。この流れに伴って好気部22底部に堆積した汚泥及び沈殿部28から好気部22に戻った沈殿物を第1返送管33内に吸い込み第1嫌気部5に返送する。
【0034】
39は前記沈殿部28上部に配設された矩形箱状の分水計量装置で、第2返送管36により移送された上澄み液を溶出槽8へ供給する量を所定量に調整できるようになっている。前記分水計量装置39は第2返送管36と接続された流入室40と、該流入室40と下部側を連通する開口を形成した隔壁41により仕切られた中間室42と、該中間室42内の処理水が流入する第1分水室43及び第2分水室44とに区画している。
【0035】
前記第1分水室43は溶出槽8に第3返送管45を介して連通すると共に、中間室42とは壁の上部をV字状に開放した切欠部46により連通している。前記第2分水室44は前記好気部22上部に管47により連通すると共に、中間室42とは高さ調整可能な溢流堰板48の上部に形成される開口により連通している。
【0036】
前記溢流堰板48の高さを調整し溢流堰板48の上部に形成される開口の大きさを変え、第2分水室44から好気部22に返送する処理水量を設定することにより、第1分水室43から溶出槽8に流入する処理水量が調節できるようになっている。
【0037】
49は前記第1仕切壁2上部の第1嫌気部5、第2嫌気部18及び溶出槽8に対向する位置に設けられた第1点検用開口、50は前記第1点検用開口49に設けられたリードスイッチで、後述する第1蓋体51の開閉状態を検知するようになっている。51は前記第1点検用開口49を開閉自在に閉塞する第1蓋体、52は前記第1蓋体51に設けられ前記リードスイッチ50をオンオフ操作する磁石である。前記第1蓋体51に設けられた磁石52がリードスイッチ50に対向するように、第1蓋体51は図示しない位置決め手段により位置決めされている。
【0038】
前記第1蓋体51は第1嫌気部5及び第2嫌気部18底部に堆積した汚泥の吸引排除、溶出槽8の電極14のメンテナンス時等に開閉するようになっている。また、第1蓋体51開放時にはリードスイッチ50がオフとなり、この信号に基づいて制御回路57は電源装置15だけを停止させ、第1蓋体51を装着すると電源装置15を作動させる。
【0039】
53は前記好気部22に対向する位置に設けられた第2点検用開口、54は前記第2点検用開口53を開閉自在に閉塞する第2蓋体である。55は前記殺菌装置31に対向する位置に設けられた第3点検用開口、56は前記第3点検用開口55を開閉自在に閉塞する第3蓋体で、殺菌装置31への塩素系の薬品補給の際等に開閉するようになっている。
【0040】
57は前記排気ファン11、第1ブロアー25、第2ブロアー25、電源装置35、第1電磁弁27及び第2電磁弁38等を制御する制御回路である。
【0041】
而して、家庭から排出された生活雑排水は流入口6から第1嫌気部5に流入する。第1嫌気部5内に配設された第1嫌気濾床7により、生活雑排水中のトイレットペーパ−等の比較的粗大な固形物や夾雑物を除去し、後に流入する各処理槽での処理を円滑に行うための予備的処理を行うと共に、除去した固形物、夾雑物及び第1嫌気濾床7を通過する汚水を嫌気性微生物の働きにより嫌気分解し、BODを低減化すると共に、汚水の分解により発生した汚泥は第1嫌気部5底部に堆積する。また、有機性の窒素をアンモニア性の窒素に嫌気分解する。
【0042】
第1嫌気部5に流入する新たな生活雑排水により、前記第1嫌気部5で嫌気分解した処理水は第1移流管16の第1給水口17から第2嫌気部18に流入する。第2嫌気部18に流入した処理水は、第2嫌気濾床19で嫌気性微生物の働きにより有機物を嫌気分解し、BODを低減化すると共に、汚水の分解により発生した汚泥は第2嫌気部18底部に堆積する。また、有機性の窒素をアンモニア性の窒素に嫌気分解する。
【0043】
第2嫌気部18に流入する新たな処理水により、第2嫌気濾床19で嫌気分解した処理水は第2移流管20の第2給水口21から好気部22に流入する。好気部22に流入した処理水は、第1ブロアー25から供給される空気が第1散気管24の空気吹出口から放出されることにより撹拌される。
【0044】
さらに、処理水中に酸素が溶存され、接触材23の表面に多数付着した好気性微生物の働きにより処理水を好気分解すると共に、有機リン酸塩等をオルトリン酸に分解し、アンモニア性窒素を硝酸性や亜硝酸性窒素に分解する。また、汚水の分解により発生した汚泥は好気部22底部に堆積する。
【0045】
好気部22に流入する新たな処理水によって、接触材23に付着した好気性微生物の働きにより好気分解した処理水が、好気部22底部の連通口29から沈殿部28に流入する。沈殿部28に流入した処理水は、沈殿部28内を上昇する間に沈降性物質が沈降して連通口29から好気部22に返送され、上澄み液は消毒部30に流入する。消毒部30に流入した上澄み液は、塩素系の薬品を備えた消毒装置31により消毒され病原菌等の細菌を死滅させて、排水口32より処理槽1外に排水される。
【0046】
第2ブロアー35から供給される空気を第4散気管37の空気吹出口から放出することにより、沈殿部28内の上澄み液は分水計量装置39の流入室40に流入し、中間室42で整流されて第1分水室43と第2分水室44に流入する。
【0047】
溢流堰板48の高さを調整し、第2分水室44と中間室42を連通する溢流堰板48の上方に形成される開口の大きさを変えることにより、第2分水室44から好気部22に返送される水量は決まるため、第1分水室43から溶出槽8に流入する処理水を所定量に調節することができる。
【0048】
第1分水室43から第3返送管45を介して溶出槽8に流入した処理水には、鉄材からなる電極14間に直流定電流を印加することにより電極14から溶出する鉄イオンが供給される。溶出した鉄イオンは溶出槽8内に存在するオルトリン酸と反応し、水不溶性のリン化合物として凝集、沈殿すると共に、排出管9により第1嫌気部5に返送される。第1嫌気部5に返送された処理水中の鉄イオンは、第1嫌気部5内に存在するオルトリン酸と反応し、水不溶性のリン化合物として凝集、沈殿する。
【0049】
また、第1嫌気部5に返送された処理水中の硝酸性や亜硝酸性の窒素は、第1嫌気部5に多く存在する脱窒菌により還元され、窒素ガスとして空気中に放散して除去される。
【0050】
溶出槽8から第1嫌気部5に返送される処理水は、溶存酸素濃度が極端に高い好気部22からではなく、沈殿部28から供給したものであり、溶出槽8内の処理水を第1嫌気部5に返送しても嫌気性微生物に対する影響も少なく嫌気処理がおこなえる。
【0051】
接触材23に付着した好気性微生物により形成された生物膜は増殖して徐々に厚くなるので、目詰まり防止のため、制御回路58が定期的に第1電磁弁27を制御して第1ブロアー25からの空気供給を第2散気管26に切り換え、第2散気管26の空気吹出口から空気を放出させて生物膜を剥離させる。
【0052】
第2散気管26からの空気供給が終了すると、剥離された生物膜は好気部22底部に堆積するが、制御回路58が第2電磁弁38を制御して第2ブロアー35からの空気供給を第3散気管34に切り換え、第3散気管34の空気吹出口から空気を放出することにより、好気部22内の処理水は第1返送管33を介して第1嫌気部5に流入する。この流れに伴って好気部22底部に堆積した汚泥及び沈殿部28から好気部22に戻った沈殿物を第1返送管33を介して第1嫌気部5に返送する。
【0053】
溶出槽8は第1点検用開口49に臨ませて配設しており、第1蓋体51を開けて第1嫌気部5及び第2嫌気部18に堆積した汚泥を吸引排除する際等に溶出装置を点検することができる。さらに、第1蓋体51を開放すると、制御回路58は電源装置15だけを停止させ、電源装置15以外の装置は継続して動作させているため、汚水処理装置の動作及び汚水処理状況を確認することができると共に、溶出槽8メンテナンス時の感電を防止することができる。
【0054】
溶出槽8内の電極14の電解により電極14から発生する水素ガス量はファラデーの法則により電極14に印加される電流値によって決まるものであり、例えば、電極14に印加する電流値をBアンペアとすると、1分間に発生する水素ガス量A(リットル)は、標準状態(摂氏20度、1気圧)において次の式で示される。
【0055】
【数5】
Figure 0003954687
【0056】
水素ガスの爆発濃度は4〜75%であり、溶出槽8内の空気を排出して溶出槽8内の水素ガス濃度を4%未満にするために1分間に最低限必要な排気量V(リットル)は次の式で示される。
【0057】
【数6】
Figure 0003954687
【0058】
従って、排気ファン11の排気量を制御して、制御回路57が、上記関係式V=0.179B(リットル/分)から算出される排気量より多くの空気を排気ファン11により溶出槽8から外気に排出することにより、溶出槽8内の水素ガスを爆発濃度より低い濃度に低下させることができ、爆発を防止することができる。
【0059】
また、家に住んでいる人数により、汚水処理装置に流入するリンの量は略決まり、流入したリンに対応する鉄イオンを溶出させるために電極14に印加する電流値が決定されるため、施工業者が電極14に印加する電流値に応じて最適な排気量の排気ファン 11を選択して設置する構成、あるいは、電極14に印加した電流値に応じて排気ファン 11 の排気量を調節して水素ガスによる爆発を防止する構成としてもよい。
【0060】
さらに、溶出槽8内に電極を複数組配設した場合は、各々の電極に印加する電流値を合計した総電流値に対して算出した水素ガス発生量に基づいて、必要量の空気排出を行えばよい。
【0061】
また、吸気口12から溶出槽8内に流入する第1嫌気部5内の空気は、排気ファン11により連通管10を介して外気に排出されるため、第1嫌気部5内の嫌気処理により発生した悪臭を水素ガスと共に排出することができる。
【0062】
本発明の実施の形態において、鉄材からなる電極14を長期にわたって溶出槽8内の処理水中に浸漬していると、電極表面に酸化被膜が発生し、不動態化状態となって鉄イオンの溶出が徐々に減少し、脱リン性能が低下する。
【0063】
従って、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を印加し、その電流を所定時間毎に極性転換する構成とすることが好ましい。陽極側の鉄材表面には、長期にわたって使用していると酸化被膜が発生するが、陰極側の鉄材表面は、陰極側鉄材から発生する水素ガスにより洗浄され、酸化被膜は生じない。よって、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が発生して鉄イオンの溶出が減少するまでの時間間隔で極性を転換することにより、鉄イオンの溶出を略一定に維持することができ、脱リン性能を一定に維持することができる。
【0064】
また、この構成では、両電極を鉄材とすることにより、常時陽極側電極となる鉄材から鉄イオンが溶出して処理水に供給されるため、脱リン性能を常時一定の状態に維持することができる。
【0065】
また、電極の少なくとも陽極側に鉄材を用い、両電極間に直流定電流を印加し、所定時間毎にパルス状に印加電流を増大させる構成としてもよい。この構成においては、パルス状に印加電流を増大させることにより、陽極側鉄材表面に発生した酸化被膜を剥離させることができ、鉄イオンの溶出を略一定に維持して、脱リン性能を一定に維持することができる。印加電流の増大に伴って水素ガス発生量は増大するが、印加電流の増大に伴って排気ファン11の排気量を増大させれはよい。
【0066】
さらに、鉄材からなる一対の電極間に直流定電流を印加し、その電流を所定時間毎に極性転換すると共に、パルス状に印加電流を増大させる構成としてもよい。極性転換するまでの時間が長い場合には、陽極側の鉄材表面に酸化被膜が生じており、極性を転換することによって水素ガスにより洗浄して酸化被膜を剥離することができるが、酸化被膜が剥離されるまでに若干の時間を必要とし、酸化被膜が剥離されるまでの間の電気的抵抗が大きいため、消費電力が増大するおそれがある。
【0067】
従って、上記構成としてパルス状に印加電流を増大させることにより陽極から陰極に転換した鉄材表面の酸化被膜を短時間に除去することができ、消費電力の増大を防止することができる。
【0068】
尚、本発明の実施の形態では、直流定電流を印加して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、陽極側の電極に鉄材を用い、陰極側の電極をチタンや白金等の不溶性材料とした構成にしてもよい。
【0069】
また、本発明の実施の形態では、直流定電流を印加して鉄イオンを溶出する電極として両極に鉄材を用いたが、アルミニウムを用いた構成としてもよい。
【0070】
さらに、本発明の実施の形態では、排気ファン11により溶出槽8内の空気を外気に排出する構成としたが、排気ファン11に換えて送風ファンを溶出槽8に装着し、送風ファンにより外気を溶出槽8内に供給する構成としてもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によると、電極の電解により発生した水素ガスを排出することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0072】
本発明の請求項2の構成によると、電極の電解により発生した水素ガスを排出することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0073】
本発明の請求項3の構成によると、電極の電解により発生した水素ガスを排出することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0074】
本発明の請求項4の構成によると、電極の電解により発生した水素ガスを希釈することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0075】
本発明の請求項5の構成によると、電極の電解により発生した水素ガスを希釈することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0076】
本発明の請求項6の構成によると、電極の電解により溶出槽内で発生した水素ガスを送風手段により希釈することができ、メンテナンス時等の爆発を防止し、信頼性を向上することができる等の効果を奏する。
【0077】
本発明の請求項7の構成によると、イオン溶出量を略一定に保つことができる等の効果を奏する。
【0078】
本発明の請求項8の構成によると、両電極を略均一に減少させて、両電極を同時交換することができ、メンテナンスを容易にすることができる等の効果を奏する。
【0079】
本発明の請求項9の構成によると、陽極側鉄材表面に発生した酸化被膜を剥離することができ、イオン溶出量低下を防止すると共に、消費電力を減少させることができる等の効果を奏する。
【0080】
本発明の請求項10の構成によると、陽極側鉄材表面に発生した酸化被膜を剥離することができ、イオン溶出量低下を防止すると共に、両電極を略均一に減少させて、両電極を同時交換することができ、メンテナンスを容易にすることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の形態の汚水処理装置の断面図である。
【図2】同他の方向から見た断面図である。
【図3】同溶出装置の拡大断面図である。
【図4】同分水計量装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 処理槽
5 第1嫌気部(嫌気部)
8 溶出槽
11 排気手段(排気ファン)
14 電極
22 好気部
28 沈殿部
57 制御手段(制御回路)

Claims (10)

  1. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、該排気手段の排出量は、前記電極に印加される総電流値に応じて設定されることを特徴とする汚水処理装置。
  2. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて前記排気手段の排気量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
  3. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を含む空気を外気に排出する排気手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて次の数式Aで示される空気を排気手段によって排気する制御手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
    Figure 0003954687
  4. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、該送風手段の送風量は、前記電極に印加される総電流値に応じて設定されることを特徴とする汚水処理装置。
  5. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて前記送風手段の送風量を制御する制御手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
  6. 嫌気部、好気部及び沈殿部を有する処理槽と、鉄材またはアルミニウムからなり電流を印加して鉄イオンまたはアルミニウムイオンを溶出する電極とを備え、溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンを前記処理槽内の汚水に供給する汚水処理装置であって、前記電極の電解により発生する水素を希釈すべく外気を供給する送風手段を設けると共に、前記電極に印加される総電流値を検出し、検出した総電流値に基づいて次の数式Aで示される空気を前記送風手段によって供給する制御手段を設けたことを特徴とする汚水処理装置。
    Figure 0003954687
  7. 前記電極に直流定電流を印加したことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の汚水処理装置。
  8. 前記電極に所定時間毎に極性を転換する直流定電流を印加したことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の汚水処理装置。
  9. 前記電極に所定時間毎にパルス状に印加電流が増大する直流電流を印加した請求項1乃至請求項6記載の汚水処理装置。
  10. 前記電極に所定時間毎に極性を転換すると共にパルス状に印加電流が増大する直流電流を印加したことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の汚水処理装置。
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