JPH09221448A - 新規化合物k4610422 - Google Patents

新規化合物k4610422

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JPH09221448A
JPH09221448A JP2573296A JP2573296A JPH09221448A JP H09221448 A JPH09221448 A JP H09221448A JP 2573296 A JP2573296 A JP 2573296A JP 2573296 A JP2573296 A JP 2573296A JP H09221448 A JPH09221448 A JP H09221448A
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JP
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measured
formula
reductase
methanol
magnetic resonance
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JP2573296A
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English (en)
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Michihiro Sugano
道裕 菅野
Emiko Hatano
恵美子 波田野
Takakazu Hamada
孝和 浜田
Hisao Okazaki
尚夫 岡崎
Yasuyuki Takamatsu
安行 高松
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】5α−還元酵素阻害作用を有する新規化合物を
含有する医薬、5α−還元酵素阻害剤、前立腺肥大症の
予防薬および/または治療薬を提供する。 【解決手段】下記式(I) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れたテストステロ
ン−5α−還元酵素(以下「5α−還元酵素」とい
う。)阻害作用を有する新規化合物k4610422、
新規化合物k4610422を有効成分として含有する
医薬、5α−還元酵素阻害剤、および前立腺肥大症の予
防剤および/または治療剤、ならびにそれらの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺肥大症は、男性の加齢に伴う疾患
であり、近年の平均寿命の延長によりその疾患者数は著
しく増加している。本疾患の基本的病態は肥大血節の増
大による尿道抵抗の増加で、症状は排尿障害、残尿感で
ある。ところで、前立腺肥大症組織では正常前立腺組織
と比較して、5α−ジヒドロテストステロン(5α−D
HT)含量が有意に高いことが知られている。この5α
−DHTはおもに男性の生殖器である前立腺で、テスト
ステロンから5α−還元酵素によって合成される。そこ
で5α−還元酵素を阻害し、5α−DHTを低下させる
ことで前立腺肥大症を治療しようとする薬剤の開発が行
われている。現在までに開発されている薬剤としては、
4−アザステロイド骨格を有するフィナステロイド(G.
H. Rasmusson, J. R. Berman et al., J. Med. Chem.,
29巻, 2298-2315 頁 (1986年))がある。またステロイド
骨格をもたない合成化合物としてはベンズアニリド骨格
を有するONO−3805(EP 0 291 245 A2)が知られ
ている。また天然物由来の物としては、フェナジン骨格
を有するWS−9659AおよびB (O. Nakayama, M.
Kohsaka et al., J. Antibiot., 42巻, 1221−1240頁
(1989年))、リボフラビン(O. Nakayama, M. Kohsaka et
al., J. Antibiot., 43 巻, 1615-1616 頁 (1990年))
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は微生物二
次代謝産物中より5α−還元酵素阻害作用を有する物質
を検索した結果、ストレプトスポランジウム属(Strept
osporangium )属に属するストレプトスポランジウム
エスピー(Streptosporangium sp. )SANK6219
5株の培養液中に、5α−還元酵素阻害作用を有する新
規化合物k4610422が生産されることを見出して
本発明を完成した。
【0004】更に、本発明の他の目的は、k46104
22を有効成分として含有する医薬、5α−還元酵素阻
害剤、前立腺肥大症の予防薬および/または治療薬を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 下記
式(I)
【0006】
【化2】
【0007】を有するk4610422、(2) スト
レプトスポランジウム属に属するk4610422生産
菌を培養し、その培養物からk4610422を採取す
ることを特徴とするk4610422の製法、(3)
ストレプトスポランジウム属に属するk4610422
生産菌がストレプトスポランジウム エスピーSANK
62195株である(2)に記載の製法、および(4)
k4610422を有効成分として含有する「医
薬」、「5α−還元酵素阻害剤」および「前立腺肥大症
の予防薬および/または治療薬」に関する。
【0008】本発明のk4610422は下記の性状を
有する。
【0009】1)物質の性状:淡黄色粉末 2)分子式: C19262 (高分解能マススペクトル
法により測定) 3)分子量: 286(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
に示す通りである。3611, 2952, 2930, 1663, 1451, 13
82, 1282 5) 1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重メタノール中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した 1H−核磁気共鳴スペクトル(360MH
z)は、以下の通りである:6.17(1H, brs), 5.77(1H,
dd, J=17.5Hz), 5.35(1H, brs),4.93(1H, dd, J=10.6,
1.4Hz), 4.90(1H, dd,J=17.5, 1.4Hz),4.25(1H, d, J=1
7.4Hz), 4.19(1H, d, J=17.7Hz), 2.70(1H, brd, J=12.
8Hz),2.51(1H, d, J=16.1Hz), 2.35(2H, m), 2.33(1H,
d, J=16.1Hz), 2.15(1H, m),1.89(1H, m), 1.69(1H,
m), 1.59(1H, m), 1.42-1.46(2H, m), 1.48(1H, m),1.0
6(3H, s), 0.82(3H,s) 。 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm ) 重メタノール中、内部基準にテトラメチルシランを使用
して測定した13C−核磁気共鳴スペクトル(360MH
z)は、以下の通りである:202.1(s), 168.5(s), 149.
6(d), 136.2(s), 131.5(d), 123.0(d), 111.1(t),63.3
(t), 51.9(t), 49.3(d), 48.3(d), 43.1(s), 38.6(s),
36.0(t), 35.5(t),26.5(q), 24.0(t), 20.1(t), 14.5
(q)。
【0010】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 245(8000) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
チルスルホキシド、ベンゼン、クロロホルム、ジエチル
エーテル、酢酸エチルに可溶。水に不溶。
【0011】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0012】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.5 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
【0013】本発明のk4610422はその分子中に
不斉炭素原子を含有しているので、種々の光学異性体が
存在する。前記式(I)は、これらの光学異性体および
これらの光学異性体の混合物がすべて単一の式、すなわ
ち式(I)で示されている。したがって、本発明はこれ
らの光学異性体およびこれらの光学異性体の混合物をも
すべて含むものである。更に、本発明のk461042
2はその分子内に3つの不飽和6員環を有しているの
で、種々の幾何異性体が存在する。前記式(I)は、こ
れらの幾何異性体およびこれらの幾何異性体の混合物が
すべて単一の式、すなわち式(I)で示されている。し
たがって、本発明はこれらの幾何異性体およびこれらの
幾何異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0014】本発明のk4610422が、大気中に放
置されたり、または再結晶をすることにより、水分を吸
収し、吸着水が付着したり、水和物を形成する場合があ
る。本発明はこのような水和物をも含むものである。
【0015】更に本発明において、生体内において代謝
されてk4610422に変換される化合物、いわゆる
プロドラッグもすべて含むものである。
【0016】本発明のk4610422の製造において
用いられるストレプトスポランジウム属に属するk46
10422生産菌としては、例えばストレプトスポラン
ジウム エスピーSANK62195株をあげることが
できる。SANK62195株は土壌から分離された菌
株である。
【0017】SANK62195株の形態学的特徴、生
理学的性質および化学分類学的性質は以下に示すとおり
である。
【0018】1.形態学的特徴 SANK62195株はISP「インターナショナル・
ストレプトマイセス・プロジェクト(International St
reptomyces Project)」規定の培地上で28℃、14日
間の培養により次のような形態学的特徴を示した。光学
顕微鏡による観察ではSANK62195の基生菌糸は
良好に伸長、分岐し茶味白、黄味茶ないし鈍黄味橙色を
示すがノカルディア( Nocardia )属菌株様の断裂やジ
グザグ伸長は観察されない。菌叢は白色ないし薄いピン
ク色を示す。気菌糸の形成は比較的貧弱で単純分岐す
る。気菌糸上に短い胞子柄を形成しその先端に球ないし
亜球状の胞子のうを豊富に形成する。走査型電子顕微鏡
による観察では胞子のうの表面は平滑である。胞子のう
の大きさは8〜10μmである。胞子のう胞子は球ない
し亜球状である。胞子のう胞子の遊走性は観察されな
い。また、気菌糸の車軸分岐、菌糸の断裂、菌核などの
特殊器官は認められない。
【0019】各種寒天培地上で28℃、14日間培養し
たときの性状を表1に示す。色調の表示はマンセル方式
による日本色彩研究所版「標準色票」のカラーチップ・
ナンバーを表す。
【0020】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── イースト・麦芽寒天 SM*1:非常に良好、平坦、黄味茶(10YR 6/10)*2 (ISP 2) AM:あまり良くない、茶味白(5YR 9/1) R :黄味茶(10YR 7/6) SP:産生せず SG:僅かに形成 ──────────────────────────────────── オートミール寒天 SM:非常に良好、平坦、薄黄味茶(2.5Y 7/3) (ISP 3) AM:あまり良くない、茶味白(7.5Y 9/1) R :黄味灰(5Y 9/4) SP:産生せず SG:僅かに形成 ──────────────────────────────────── 澱粉・無機塩寒天 SM:良好、平坦、鈍黄味橙(10YR 8/8) (ISP 4) AM:着生せず R :薄黄味茶(10YR 8/6) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── グリセリン・ SM:良好、平坦、薄黄味橙(2.5Y 9/2) アスパラギン寒天 AM:僅かに形成、薄茶(5YR 8/3) (ISP 5) R :黄味灰(5Y 9/2) SP:産生せず SG:良好に形成 ──────────────────────────────────── ペプトン・ SM:良好、平坦、黄味茶(10YR 6/8) イーストエキス・ AM:着生せず 鉄寒天 R :薄黄味茶(10YR 8/6) (ISP 6) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── チロシン寒天 SM:良好、平坦、薄黄味茶(2.5Y 8/4) (ISP 7) AM:僅かに着生、茶味白(7.5YR 9/1) R :薄黄味橙(10YR 8/3) SP:薄黄味茶(2.5YR 8/4 ) SG:形成せず ──────────────────────────────────── シュクロース・ SM:良好、平坦、黄味茶(2.5Y 7/4) 硝酸塩寒天 AM:着生せず R :明るいオリーブ灰(5Y 8/4) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── グルコース・ SM:あまり良くない、平坦、茶味白(2.5Y 9/1) アスパラギン寒天 AM:着生せず R :茶味白(2.5Y 9/1) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── 栄養寒天 SM:非常に良好、平坦、黄味茶(10YR 7/6) (DIFCO) AM:着生せず R :薄黄味茶(10YR 8/6) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── ポテトエキス・ SM:良好、平坦、黄味灰(5Y 9/1) 人参エキス寒天 AM:僅かに着生、白 R :黄味灰(5Y 9/1) SP:産生せず SG:形成せず ──────────────────────────────────── 水寒天 SM:僅かに形成、平坦、黄味灰(5Y 9/1) AM:僅かに着生 R :黄味灰(5Y 9/1) SP:産生せず SG:僅かに形成 ──────────────────────────────────── *1 SM:基生菌糸、AM:気菌糸、R:裏面、SP:可溶性色素、 SG:胞子のう *2 マンセル方式に準拠した標準色票表示。
【0021】2.生理学的性質 28℃で2ないし21日間培養したときのSANK62
195株の生理学的性質を表2に示す。
【0022】
【表2】 表2 ───────────────────────── 澱粉の加水分解 陽 性 ゼラチンの液化 陽 性 硝酸塩の還元 疑陽性 ミルクの凝固 陽 性 ミルクのペプトン化 陰 性 メラニン様色素の産生 (培地1、2、3) 陰 性 基質分解性 カゼイン 陽 性 チロシン 陽 性 キサンチン 陰 性 生育温度範囲(培地4) 13〜37℃ 生育至適温度(培地4) 20〜30℃ 食塩存在下での生育(培地4) 3%まで生育 ───────────────────────── 培地1:トリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP 1) 培地2:ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) 培地3:チロシン寒天(ISP 7) 培地4:イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2)。
【0023】基礎培地としてプリドハム・ゴトリーブ寒
天培地(ISP 9)、C−1およびC−2(Bergey's
manual of systematic bacteriology, 4巻,2548頁 (19
89年))を用いて28℃で培養し、14日目に観察したS
ANK62195株の炭素源資化性は表3に示したとお
りである。
【0024】
【表3】 表3 ──────────────────────────── ISP 9 C−1 C−2 ────────────────────────── D−グルコース + + + L−アラビノース + + + D−キシロース + + + イノシトール ± − − D−マンニトール ± + + D−フルクトース + + + L−ラムノース ± − − シュクロース + + + ラフィノース ± − − 対照 ± − − ──────────────────────────── +:資化する、 ±:弱く資化する、 −:資化しない。 3.化学分類学的性質 SANK62195株の細胞壁は長谷川らの方法 (長谷
川ら、ザ・ジャーナル・オブ・ゼネラル・アンド・アプ
ライド・マイクロバイオロジー (The Journalof Genera
l and Applied Microbiology), 29巻, 319-322 頁 (198
3年))に従い検討した結果、meso−ジアミノピメリン酸
が検出された。また、SANK62195株の全細胞中
の主要糖成分をエム・ピー・レシェバリエの方法 (M.
P. Lechevalier, ジャーナル・オブ・ラボラトリー・
アンド・クリニカル・メディシン(Journal of Laborat
ory and Clinical Medicine), 71巻, 934-944 頁 (1968
年))に従い検討した結果少量のマジュロースが検出され
た。細胞壁ペプチドグリカンのアシル基について内田ら
の方法 (K. Uchida ら、ザ・ジャーナル・オブ・ゼネラ
ル・アンド・アプライド・マイクロバイオロジー(The
Journal of General and Applied Microbiology), 25
巻, 169-183 頁 (1979年))に従い検討した結果アセチル
型であった。ヘフトらの方法 (S. T. Hecht ら、ジャー
ナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー(Jour
nal of Clinical Microbiology), 4 巻,284-287 頁 (1
976年))に従いミコール酸について検討した結果、検出
されなかった。放線菌の同定実験法(日本放線菌学会
編、中越印刷、東京、131-139 頁(1988 年))に従ってイ
ソプレノイド・キノンを検討した結果、主成分としてM
K−9(H2)を検出した。放線菌の同定実験法(日本
放線菌学会編、中越印刷、東京、88-103頁 (1988年))に
従ってリン脂質を検討したところ、主要成分としてフォ
スファチジルイノシトール(PI)および未知のグルコ
サミン含有リン脂質(GluNU)を検出したがフォス
ファチジルエタノールアミン(PE)、フォスファチジ
ルコリン(PC)およびフォスファチジルグリセロール
(PG)は確認されなかった。
【0025】以上の菌学的性質からSANK62195
株は放線菌の中でもストレプトスポランジウム(Strept
osporangium )属に属することが明らかにされた。従っ
て、SANK62195株をストレプトスポランジウム
エスピーと同定した。なお、本菌株は、Streptospora
ngium sp. SANK62195として、1995年8月
11日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託され、寄託番号FERM BP−5200を付さ
れた。
【0026】周知の通り、放線菌は自然界において、ま
たは人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照射、
化学薬品処理等)により変異を起こし易い。本発明のS
ANK62195株もこの点は同じである。本発明にい
うSANK62195株はそれらのすべての変異株を含
有する。
【0027】また、これらの変異株の中には、遺伝学的
方法、例えば組み替え、形質導入、形質転換等により得
られたものも包含される。すなわち、k4610422
を生産する、SANK62195株およびその変異株お
よびそれらと明確に区別されない菌株は、すべてSAN
K62195株に包含されるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
1. 培養 本発明の菌株を分離するに際して、使用される分離培地
としては炭素源、窒素源、無機イオンおよび有機栄養源
等より選択されたものを適宜含有する培地であれば合成
または天然培地のいずれでも使用可能である。分離操作
は常法に従って行われる。
【0029】本発明の新規化合物k4610422を得
るため、これらの微生物の培養は他の発酵生産物を生産
するために用いられるような培地中で行なわれる。この
ような培地は、微生物が資化できる炭素源、窒素源およ
び無機塩を含有する。
【0030】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1−10重量%の範囲で用いられる。好適には7−9重
量%であり、最適には8重量%である。
【0031】窒素源としては、一般に蛋白質およびその
加水分解物を含有する物質または無機塩を発酵工程に用
いる。適当な窒素源としては、例えば大豆粉、フスマ、
落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、ファーマミ
ン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプトン、肉エキ
ス、イースト、イーストエキス、マルトエキス、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等をあ
げることができる。これらの窒素源は、一般に、単一ま
たは併用して培地量の0.1−6重量%の範囲で用いら
れる。好適には2−4重量%であり、最適には3重量%
である。
【0032】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
【0033】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等を使用することができる。
【0034】SANK60695株を培養しk4610
422を生産する培地のpHは、5.0−8.0の範囲
で変化させることが出来る。好ましくはpHは、7前後
である。
【0035】菌の生育温度は4℃乃至32℃であり、2
0℃乃至30℃での生育が良好である。k461042
2の生産には、23℃付近が好適である。
【0036】k4610422はk4610422生産
菌を好気的に培養して得られ、通常用いられる好気的培
養法、例えば固体培養法、振とう培養法、通気撹拌培養
法等によって培養することができる。それらのうち特
に、振とう培養法が好ましい。
【0037】小規模な培養においては、20℃乃至26
℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は三
角フラスコ中で、1または数段階の種培養の発育工程に
より開始する。種培養発育段階の培地は、上記炭素源お
よび窒素源を併用することが出来る。種培養フラスコは
定温インキュベーター中で1乃至3日間振とうするか、
または充分に成長するまで振とうする。成長した種培養
液は次段階の種培地、または生産培地に接種するのに用
いられる。本培養は、例えば種培養液を接種した生産培
地を含むフラスコを一定温度で1乃至3日間、または生
産量が最大に達するまで振とう培養することによりおこ
なうことができる。
【0038】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を滅菌し、冷却後、滅菌培地にあらかじめ成長させて
おいた種培養液を接種する。培養は20℃乃至26℃で
通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を得るの
に適している。
【0039】培養の経過に伴って生産されるk4610
422の量の経時的変化は、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて測定することができる。通常は、5日間乃至
8日間の振とう培養でk4610422の生産量は最高
値に達する。
【0040】2. 抽出精製 培養液中の液体部分もしくは菌体内に存在するk461
0422を得るには、培養終了後、培養液に同容量程度
のアセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニト
リル類のような有機溶媒を加えて、混合し、抽出する。
必要ならば抽出液中に存在する菌体およびその他の固形
部分を珪藻土をろ過助剤とするろ過操作または遠心分離
によって分別し、そのろ液もしくは上清中または菌体中
に存在するk4610422を、5α−還元酵素阻害活
性を指標にしてその物理化学的性状を利用し抽出精製す
ることにより得られる。
【0041】例えば、ろ液もしくは上清中に存在するk
4610422は、最初に濃縮操作で混在する有機溶媒
を除去した後、中性または酸性pH条件下で水と混和し
ない有機溶剤、例えばブタノールなどのアルコール類;
メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどの
エステル類;クロロホルム、塩化エチレン、塩化メチレ
ンなどのハロゲン化炭化水素類を単独にもしくは組み合
わせて用いて抽出精製することができる。
【0042】あるいは、k4610422を含む液を吸
着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、
またはk4610422を吸着させた後、アセトン水な
どの含水ケトン類、メタノール水、ブタノール水などの
含水アルコール類を用いて溶出させることにより得られ
る。吸着剤としては、例えば活性炭または吸着用樹脂で
あるアンバーライト XAD−2、XAD−4 (ローム
・アンド・ハース社製) 等や、ダイアイオン HP−1
0、HP−20、CHP−20P、HP−50(三菱化
成(株) 社製) 等が使用される。
【0043】菌体内に存在するk4610422は、例
えば50乃至90%の含水アセトンなどの含水ケトン類
または含水メタノール類などの含水アルコール類により
抽出し、次いで有機溶剤を除去した後、上記の「ろ液も
しくは上清中に存在するk4610422」の抽出精製
操作と同様の抽出精製操作を行なうことにより得られ
る。
【0044】このようにして得られたk4610422
は、更にシリカゲル、マグネシウム−シリカゲル系のフ
ロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラ
フィー;セファデックス LH−20(ファルマシア社
製) などを用いた分配カラムクロマトグラフィー;セフ
ァデックス G−25(ファルマシア社製) などを用い
たゲルろ過クロマトグラフィー;および順相、逆相カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィー;等によって精
製することが出来る。以上の分離、精製の手段を単独ま
たは適宜組み合わせて反復して用いることによりk46
10422を分離精製することができる。
【0045】3. 5α−還元酵素阻害試験 5α−還元酵素阻害試験は、k4610422存在下も
しくは非存在下における5α−還元酵素活性、即ちテス
トステロンを還元して5α−ジヒドロテストステロンと
する5α−還元酵素の活性を測定することにより行うこ
とができる。5α−還元酵素活性は(Endocrinology, 11
7 巻,571-579 頁 (1985年))に記載された方法により測
定することができる。以下に、より詳しく述べる。
【0046】5α−還元酵素としては、例えばラット前
立腺腹葉からを調製したラット5α−還元酵素を用いる
ことができる。
【0047】5α−還元酵素阻害試験は5α−還元酵
素、放射性同位元素で標識されたテストステロン、ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド−フォスフェート還
元体(NADPH)を含む緩衝液にk4610422を
含む検体を加え、一定時間、一定温度でインキュベート
し、その後、エタノールを加えて反応を停止する。反応
液を薄層クロマトプレート上で展開し、薄層クロマトプ
レート上の放射活性を測定する。ラット5α−還元酵素
活性は、加えられた[14C]テストステロンに対する、
14C]5α−ジヒドロテストステロンの割合(変換率
(%)) で表し、5α−還元酵素阻害活性は次式を用い
て求められる。
【0048】5α−還元酵素阻害活性={1−(検体添
加群の変換率/(対照群の変換率)}x 100 (%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求める
ことができる。
【0049】本発明のk4610422または薬理的に
許容されるエステルは、文献未載の新規化合物であり、
5α−還元酵素阻害作用を示すことから、医薬、5α−
還元酵素阻害剤、特に、前立腺肥大症の予防薬および/
または治療薬として有用である。
【0050】本発明のk4610422を医薬として用
いる場合、常法に従って種々の形態で投与される。その
投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤などの形態で経口的または注射剤(静脈
内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布剤、軟膏剤な
どの形態で非経口的に安全に投与することが出来る。こ
れらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合
剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、溶解補助
剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医薬の製剤
技術分野において通常使用しうる既知の添加物を用いて
製剤化することができる。
【0051】ここに、賦形剤としては、例えば乳糖、白
糖、ぶどう糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導
体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−
デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンの
ような澱粉誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビ
アゴム;デキストラン;プルラン;などの有機系賦形
剤;および軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ
珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐
酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような
炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩;などの無機系
賦形剤をあげることができる。
【0052】滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのよ
うなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビ
ーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸:アジピン
酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマ
ル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナ
トリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マ
グネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水
和物のような珪酸類;および、上記澱粉誘導体などをあ
げることができる。結合剤としては、例えばポリビニル
ピロリドン、マクロゴールおよび前記賦形剤と同様の化
合物をあげることができる。崩壊剤としては、例えば前
記賦形剤と同様の化合物およびクロスカルメロースナト
リウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポ
リビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・
セルロース類をあげることができる。安定剤としては、
例えばメチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラ
オキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジ
ルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアル
コール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾ
ールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ
酢酸;およびソルビン酸をあげることができる。矯味矯
臭剤としては、例えば通常使用される、甘味料、酸味
料、香料等をあげることができる。
【0053】投与量は対象疾患、投与経路および投与回
数などにより異なるが、例えば成人に経口投与する場
合、1日当たりの投与量の上限は2000mg(好適に
は500mg)であり、下限は1mg(好適には10m
g)であり、症状に応じて1回または数回に分けて投与
するのが好ましい。成人に静脈内投与する場合、1日当
たりの投与量の上限は400mg(好適には100m
g)であり、下限は0.1mg(好適には1mg)であ
り、症状に応じて1回または数回に分けて投与するのが
好ましい。
【0054】本発明の新規化合物k4610422を含
有するカプセル剤を製造する場合は、例えば以下のよう
に製造することができる。製剤例1. カプセル剤 k4610422 10g、乳糖 10g、トウモロコ
シ澱粉 15.8gおよびステアリン酸マグネシウム
0.2gをV型混合機を用いて混合した後、ゼラチンカ
プセルに180mgずつ充填すると、カプセル剤が得ら
れる。該カプセル剤は1カプセル当たりk461042
2 50mgを含有する。
【0055】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】実施例 1. (1)培養 一白金耳のSANK60695株を、下記の組成の前培
養培地 100mlを含む500mlの三角フラスコ
(種培養フラスコ)に接種した。次いでこれを28℃で
5日間、210rpmのロータリー振蘯機で前培養を行
った。
【0057】前培養培地組成 グルコース 10 g グリセロール 10 g シュクロース 10 g 生イースト 10 g オートミール 5 g 大豆粉 20 g カザミノ酸 5 g CB−422(消泡剤) 0.5 ml 炭酸カルシウム 1 g ───────────────────────── 水道水 1000 ml (pH 7.0)。
【0058】本培養は次のように行った。30リットル
のジャーファーメンター2機に下記の本培養培地 15
リットルを入れ、121℃で40分間加熱滅菌した。こ
れに種培養液 75mlずつを接種し、回転数 100
rpm、通気量 15リットル/分で、28℃で7日
間、攪拌培養を行った。
【0059】本培養培地組成 グルコース 20 g 可溶化デンプン 20 g イースト 5 g 大豆粉 20 g 炭酸カルシウム 3.2g 食塩 2.5g ─────────────────── 水道水 1000 ml (pH 7.2)。
【0060】(2)単離精製 培養終了後、培養液 28リットルにセライト 1.5
gを加えて吸引ろ過し、菌体部分とろ液に分別した。菌
体部分を80%アセトン 70リットルを加えて混合
し、これを吸引ろ過した。得られたろ液を減圧下で濃縮
してアセトンを除去し、残留物のpHを3に調整し2倍
量の酢酸エチルを使用して3回抽出した。酢酸エチル層
を飽和食塩水15リットル、次いで水 15リットルで
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下で溶
媒を留去すると 10.2gの濃褐色の油状物が得られ
た。
【0061】この油状物質を、1000mlのHP−2
0を充填したカラム(φ70mm×250mm)に付し
た。このカラムを各1リットルの水、20%、40%、
60%、80%の含水アセトン、100%アセトンで溶
出した。5α−還元酵素阻害活性の認められた80%含
水アセトン画分を濃縮すると、3.7gの濃褐色物質が
得られた。
【0062】このエキス 3.7gを、コスモシル 1
00mlを充填したカラム(φ30mm×15mm)に
付して80%アセトンで溶出した後、100%アセトン
で溶出した。100%アセトンで溶出された画分の溶媒
を減圧下で留去すると1.87gの油状物が得られた。
【0063】これをローバーカラム(RPー18、メル
ク社製)を用いたカラムクロマトグラフィー(80%メ
タノール)によって精製し、次いで、高速液体カラムク
ロマトグラフィー(センシュウパック ODS−H−4
252、センシュウ科学(株)社製、移動相;アセトニ
トリル:水=1:1)によって精製すると、k4610
422 0.7mgが得られた。
【0064】
【発明の効果】
試験例 1. 5α−還元酵素阻害活性試験 (1)5α−還元酵素の調製 成熟雄ラット(350−400g:Spague−Da
wley) の前立腺腹葉をはさみで小片に細切後、組織
の約3倍量の緩衝液[0.33Mシュクロース、1mM
ジチオスレイトール、50mM ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェートー還元体(NADP
H)、0.001%フェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(PMSF)を含む 20mMリン酸カリウム緩衝
液 (pH7.4) ]を加え、まずポリトロン(KINE
MATICA Gmb)でホモジナイズし、ついでテフ
ロンーガラスホモジナイザーでホモジナイズした。得ら
れたホモジネートを遠心分離 (100,000×g、6
0分) に供し、沈殿物を上記緩衝液に懸濁し、再び同条
件で遠心分離することによって洗浄した。この沈殿物を
ラット5α−還元酵素とし、上記緩衝液を加えて、蛋白
量を約 20mg/mlに調製後、−80℃で凍結保存
した。
【0065】(2)5α−還元酵素阻害試験 50ml中に、(1)で得た5α−還元酵素(蛋白量
200μg) を含有する40mMリン酸カリウム緩衝液
(pH 7.0)を調製して、これを酵素液とした。2
μM[14C]テストステロン、1mMジチオスレイトー
ルおよび1.5mM NADPHを含む40mMリン酸
カリウム緩衝液 (pH 7.0) に、ジメチルスルホキ
シドもしくはエタノールで希釈した検体 2μlを加
え、総液量が 50μlになるように基質液を調製し
た。
【0066】基質液50μlに酵素液50μlを加える
ことにより、酵素反応を開始し、これを37℃で25分
間乃至40分間インキュベートして酵素反応を進行させ
た。これに、100mlのエタノールを加えて反応を停
止し、この反応液のうちの25μlを薄層クロマトグラ
フィー用のプレート(LK6DF silicapla
te、Whatman社製)にスポットし、酢酸エチル
−シクロヘキサン(1:1)混合液を展開溶媒として用
いて、室温で2回展開した。薄層クロマトプレート上の
放射活性をバイオイメージアナライザー(富士写真フィ
ルム(株)社製)を用いて測定した。ラットの5α−還
元酵素活性は、加えた[14C]テストステロンのうち、
14C]5α−ジヒドロテストステロンとなった割合
(変換率(%)) で表し、5α−還元酵素阻害活性は次
式を用いて求めた。
【0067】5α−還元酵素阻害活性={1−(検体添
加群の変換率/(対照群の変換率)}x 100 (%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求め
た。
【0068】k4610422の5α−還元酵素阻害活
性(IC50)は7.8μg/mlであった。
【0069】以上から、本発明のk4610422は5
α−還元酵素阻害作用を有し、前立腺肥大症の予防薬お
よび/または治療薬などの5α−還元酵素阻害剤、医薬
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (72)発明者 岡崎 尚夫 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 (72)発明者 高松 安行 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 を有するk4610422。
  2. 【請求項2】 下記の性状を有するk4610422; 1)物質の性状:白色粉末 2)分子式: C19262 (高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 286(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 クロロホルム中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次
    に示す通りである。3611, 2952, 2930, 1663, 1451, 13
    82, 1282 5) 1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重メタノール中、内部基準にテトラメチルシランを使用
    して測定した 1H−核磁気共鳴スペクトル(360MH
    z)は、以下の通りである:6.17(1H, brs), 5.77(1H,
    dd, J=17.5Hz), 5.35(1H, brs),4.93(1H, dd, J=10.6,
    1.4Hz), 4.90(1H, dd,J=17.5, 1.4Hz),4.25(1H, d, J=1
    7.4Hz), 4.19(1H, d, J=17.7Hz), 2.70(1H, brd, J=12.
    8Hz),2.51(1H, d, J=16.1Hz), 2.35(2H, m), 2.33(1H,
    d, J=16.1Hz), 2.15(1H, m),1.89(1H, m), 1.69(1H,
    m), 1.59(1H, m), 1.42-1.46(2H, m), 1.48(1H, m),1.0
    6(3H, s), 0.82(3H,s) 。 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm ) 重メタノール中、内部基準にテトラメチルシランを使用
    して測定した13C−核磁気共鳴スペクトル(360MH
    z)は、以下の通りである:202.1(s), 168.5(s), 149.
    6(d), 136.2(s), 131.5(d), 123.0(d), 111.1(t),63.3
    (t), 51.9(t), 49.3(d), 48.3(d), 43.1(s), 38.6(s),
    36.0(t), 35.5(t),26.5(q), 24.0(t), 20.1(t), 14.5
    (q)。 7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 245(8000) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼン、クロロホルム、ジエチル
    エーテル、酢酸エチルに可溶。水に不溶。 9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.5 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
    ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
  3. 【請求項3】 ストレプトスポランジウム属に属するk
    4610422生産菌を培養し、その培養物からk46
    10422を採取することを特徴とするk461042
    2の製法。
  4. 【請求項4】 ストレプトスポランジウム属に属するk
    4610422生産菌がストレプトスポランジウム エ
    スピー SANK62195株である請求項3記載の製
    法。
  5. 【請求項5】 k4610422を有効成分として含有
    する医薬。
  6. 【請求項6】 k4610422を有効成分として含有
    する5α−還元酵素阻害剤。
  7. 【請求項7】 k4610422を有効成分として含有
    する前立腺肥大症の予防薬および/または治療薬。
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