JPH0967362A - 5α−還元酵素阻害剤ビスイソフラボン類 - Google Patents

5α−還元酵素阻害剤ビスイソフラボン類

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JPH0967362A
JPH0967362A JP22494495A JP22494495A JPH0967362A JP H0967362 A JPH0967362 A JP H0967362A JP 22494495 A JP22494495 A JP 22494495A JP 22494495 A JP22494495 A JP 22494495A JP H0967362 A JPH0967362 A JP H0967362A
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JP
Japan
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measured
salt
absorption spectrum
magnetic resonance
nuclear magnetic
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Application number
JP22494495A
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English (en)
Inventor
Michihiro Sugano
道裕 菅野
Yoko Ogura
陽子 小倉
Emiko Hoshino
恵美子 保志野
Takakazu Hamada
孝和 浜田
Ryuzo Enokida
竜三 榎田
Yasuyuki Takamatsu
安行 高松
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】5α−還元酵素阻害作用を有し、例えば前立腺
肥大症の予防薬および/または治療薬として有用な化合
物を提供する。 【解決手段】式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は5α−還元酵素阻害
作用を有する新規なビスイソフラボン類に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺肥大症は、男性の加齢に伴う疾患
であり、近年の平均寿命の延長によりその疾患者数は著
しく増加している。本疾患の基本的病態は肥大血節の増
大による尿道抵抗の増加で、症状は排尿障害、残尿感で
ある。ところで、前立腺肥大症組織では正常前立腺組織
と比較して、5α−ジヒドロテストステロン(5α−D
HT)含量が有意に高いことが知られている。この5α
−DHTはおもに男性の生殖器である前立腺で、テスト
ステロンからテストステロン−5α−還元酵素によって
合成される。そこでテストステロン−5α−還元酵素を
阻害し、5α−DHTを低下させることで前立腺肥大症
を治療しようとする薬剤の開発が行われている。現在ま
でに開発されている薬剤としては、4−アザステロイド
骨格を有するフィナステロイド(G. H. Rasmusson, J.
R. Berman et al., J. Med. Chem.,29巻、 2298-2315頁
(1986年))がある。またステロイド骨格をもたない合成
化合物としてはベンズアニリド骨格を有するONO−3
805(EP 0 291 245 A2)が知られている。また天然物
由来の物としては、フェナジン骨格を有するWS−96
59AおよびB (O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.
Antibiot., 42巻、1221−1240頁 (1989年))、リボフラ
ビン(O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.Antibiot.,
43 巻、 1615-1616頁 (1990年))が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はミクロビ
スポラ属(Microbispora)属に属する SANK 60
695株の培養液から5α−還元酵素阻害作用を有する
新規化合物ビスイソフラボン類が生産されることを見出
して本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のビスイソフラボ
ン類は下記の性状を有する。
【0005】(1)A−758491 1)構造式:
【0006】
【化5】
【0007】2)物質の性状:淡黄色粉末 3)分子式: C301810(高分解能マススペクトル
法により測定) 4)分子量: 538(質量分析法により測定)。
【0008】5)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
りである。 3078, 1651, 1613, 1274, 1248, 1046, 1024, 8
40。
【0009】6)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 13.07 (1H, s), 12.89 (1H, s), 8.22 (1H, s), 8.1
4 (1H, s),7.37 (1H, dd, J=8.5, 2.0 Hz), 7.33 (1H,
s),7.32 (2H, d, J=6.3 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.3 H
z),6.78 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.34 (1H, s), 6.32 (1
H, d, J=2.0 Hz),6.18 (1H, d, J=2.0 Hz)。
【0010】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 264 (35800), 338 (sh, 4100)。
【0011】8)溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、
クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。
【0012】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0013】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
【0014】(2)A−758492 1)構造式:
【0015】
【化6】
【0016】2)物質の性状:淡黄色粉末 3)分子式: C30189 (高分解能マススペクトル
法により測定) 4)分子量: 522(質量分析法により測定)。
【0017】5)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
ペクトルは、次に示す通りである。 3136, 1652, 1624, 1580, 1290, 1259, 1048, 1
017, 832 。
【0018】6)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360 MH
z) は、以下の通りである。 12.95 (1H, s), 8.34 (1H, s), 8.31 (1H, s),7.96
(1H, d, J=8.7 Hz), 7.39 (1H, d, J=2.3 Hz),7.38 (1
H, d, J=2.3 Hz), 7.34 (1H, dd, J=3.7, 2.3 Hz),7.3
2 (1H, dd, J=3.8, 2.4 Hz), 6.93 (1H, d, J=3.2 H
z),6.91 (1H, d, J=3.1 Hz), 6.86 (1H, dd, J=8.8,
2.2 Hz),6.79 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.30 (1H, d, J=2.
1 Hz),6.16 (1H, d, J=2.1 Hz)。
【0019】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 260 (35500), 302 (sh, 14130) 。
【0020】8)溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、
クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。
【0021】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0022】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
【0023】(3)A−758493 1)構造式:
【0024】
【化7】
【0025】2)物質の性状:無色粉末 3)分子式: C30188 (高分解能マススペクトル
法により測定) 4)分子量: 506(質量分析法により測定)。
【0026】5)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
ペクトルは、次に示す通りである。 3209, 1625, 1591, 1508, 1456, 1290, 1266, 1
196, 1098。
【0027】6)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 8.21 (1H, s), 8.20 (1H, s), 7.93 (1H, d, J=6.2 H
z),7.90 (1H, d, J=6.2 Hz), 7.49 (1H, s), 7.29 (1
H, d, J=2.1 Hz),7.25 (1H, dd, J=8.3, 2.1 Hz), 7.0
1 (1H, d, J=8.3 Hz),6.93 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J
=6.1, 2.3 Hz),6.84 (1H, dd, J=6.1, 2.3 Hz), 6.77
(1H, d, J=3.1 Hz),6.76 (1H, d, J=2.3 Hz)。
【0028】7)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
鳴スペクトル(90 MHz)は、以下の通りである。 174.5 (2C, s), 163.6 (s), 163.5 (s), 157.6 (s),
157.6 (s),157.5 (s), 152.7 (d), 152.6 (d), 14
9.1 (s), 141.8 (s),129.9 (2C, d), 126.9 (2C, d),
125.7 (d), 125.6 (d), 123.5 (s),123.1 (s), 12
2.6 (s), 122.5 (d), 116.9 (d), 116.0 (s),115.6
(2C, d), 115.4 (2C, d), 102.0 (d), 101.9 (d) 。
【0029】8)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 249 (26000), 305 (sh, 10240) 。
【0030】9)溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、
クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。
【0031】10)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0032】11)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
【0033】(4)A−758494 1)構造式:
【0034】
【化8】
【0035】2)物質の性状:淡黄色粉末 3)分子式: C301810(高分解能マススペクトル
法により測定) 4)分子量: 538(質量分析法により測定)。
【0036】5)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
ペクトルは、次に示す通りである。 3363, 1653, 1625, 1581, 1279, 1248, 1201, 1
048, 995, 835 。
【0037】6)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 12.99 (1H, s), 8.34 (1H, s), 7.40 (1H, d, J=2.2
Hz),7.33 (1H, dd, J=8.6, 2.2 Hz), 6.85 (1H, d, J=
8.3 Hz),6.37 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.21 (1H, d, J=2.
2 Hz) 。
【0038】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 262 (31200), 330 (sh, 4300)。
【0039】8)溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、
クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。
【0040】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0041】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
【0042】本発明のビスイソフラボン類は、常法に従
って塩にすることができる。そのような塩としては例え
ばリチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金
属塩;カルシウム、バリウムのようなアルカリ土類金属
塩;マグネシウム塩;アルミニウム塩;などの金属塩、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピ
リジン、ピコリン、エタノールアミン、トリエタノール
アミン、ジシクロヘキシルアミン、アンモニアのような
アミン塩;グリシン、リジン、アルギニン、オルニチ
ン、グルタミン、アスパラギンのようなアミノ酸;など
の塩基性塩を挙げることができる。好適には薬理上許容
される塩である。
【0043】更に本発明において、ビスイソフラボン類
またはその塩が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場
合には、これらもすべて含むものである。
【0044】例えば、本発明のビスイソフラボン類が、
大気中に放置されたり、または再結晶をすることによ
り、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成
する場合がある。本発明にはこのような塩も含まれる。
【0045】更に本発明において、生体内において代謝
されてビスイソフラボン類またはその塩に変換される化
合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。
【0046】本発明のビスイソフラボン類を生産するS
ANK 60695株の菌学的性状は以下の通りであ
る。
【0047】(1) SANK 60695株はISP
「インターナショナル・ストレプトマイセス・プロジェ
クト(International Streptomyces Project)」規定の
培地上で28℃、14日間の培養により次のような形態
学的特徴を示した。即ち、光学顕微鏡による観察では
SANK 60695株の基生菌糸は良好に伸長、分岐
し茶味白、黄味橙、茶ないし暗い赤味茶色を示すが、ノ
カルディア(Nocardia)属菌株様の断裂やジグザグ伸長
は観察されない。基生菌糸は希塩酸または希水酸化ナト
リウム溶液によって色調の変化を示さない。気菌糸は単
純分岐し白ないしピンク白色を示す。良く伸長し分岐し
た気菌糸上に縦に2個づつ配列された胞子連鎖を豊富に
形成する。走査型電子顕微鏡による観察では胞子は楕円
形で、その表面構造は平滑状(Smooth)を示す。胞子の
大きさは0.8−1.3x1−2μMである。胞子は気
菌糸上にのみ形成される。胞子の遊走性は観察されな
い。また、胞子のう、気菌糸の車軸分岐、気菌糸の断
裂、菌核などの特殊器官は認められない。
【0048】(2) 各種培養基上での培養性状 SANK 60695株の28℃、14日間培養後の寒
天培地上での培養性状は表1に示す通りである。
【0049】
【表1】 ──────────────────────────────────── 培地の種類 項目*1 SANK 60695株の性状 ──────────────────────────────────── イーストエキス・ G : 良好、平坦、暗い赤味茶(2.5YR 2/3)*2 麦芽エキス寒天 AM: 良好、ビロード状、ピンク白(7.5R 9/1) (ISP 2) R : 暗い茶(2.5YR 2/2) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── オートミール寒天 G : 非常に良好、平坦、赤味茶(10R 3/6) (ISP 3) AM: 良好、ビロード状、ピンク白(7.5R 9/1) R : 鈍赤味橙(10R 5/8) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── 澱粉・無機塩寒天 G : 良好、平坦、薄黄味橙(10YR 8/3) (ISP 4) AM: 僅かに形成、白 R : 薄黄味茶(10YR 8/4) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── グリセリン・ G : 良好、平坦、茶味白(2.5Y 9/1) アスパラギン寒天 AM: 余り良くない、白〜ピンク白(7.5R 9/1) (ISP 5) R : 薄黄味橙(2.5Y 9/2) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── ペプトン・イースト G : 良くない、平坦、茶(5YR 3/6) エキス・鉄寒天 AM: 形成せず (ISP 6) R : 薄黄味茶(10YR 6/4) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── チロシン寒天 G : 良好、平坦、薄黄味橙(2.5Y 9/2) (ISP 7) AM: 余り良くない、白〜ピンク白(7.5R 9/1) R : 薄黄(2.5Y 9/3) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── シュクロース・ G : 良好、平坦、茶味白(2.5Y 9/1) 硝酸塩寒天 AM: 僅かに形成、白 R : 茶味白(2.5Y 9/1) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── グルコース・ G : 良好、平坦、薄黄味茶(10YR 8/4) アスパラギン寒天 AM: 余り良くない、白 R : 薄黄味茶(10YR 8/6) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── 栄養寒天 G : 非常に良好、平坦、暗い赤味茶(10R 3/4) (DIFCO) AM: 形成せず R : 赤味黒(5R 2/2) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── ポテトエキス・ G : 良好、平坦、茶味紫(10R 3/3) 人参エキス寒天 AM: 良好、ビロード状、ピンク白(7.5R 9/1) R : 灰味赤(10R 6/3) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── 水寒天 G : 余り良くない、平坦、 明るい茶味灰(2.5YR 7/2) AM: 僅かに形成、白 R : 明るい茶味灰(2.5YR 7/2) SP: 産生せず ──────────────────────────────────── *1 G;生育、 AM;気菌糸、 R;裏面、 SP;可溶性色素 *2 マンセル方式に準拠した色調の表示。
【0050】(3) 生理学的性質 28℃で培養後、2日ないし21日間に観察した SA
NK 60695株の生理学的性質は表2に示す通りで
ある。
【0051】
【表2】 ──────────────────────────────────── 澱粉の水解 陽 性 ゼラチンの液化 生育せず 硝酸塩の還元 陽 性 ミルクの凝固 陰 性 ミルクのペプトン化 陰 性 基質分解性; カゼイン 陽 性 チロシン 陰 性 キサンチン 陰 性 メラニン様色素生産性 陰 性 (培地1、2、3) 生育温度範囲(培地4) 17〜46℃ 生育適正温度(培地4) 23〜44℃ 食塩存在下での生育(培地4) 2% イオジニン生産性 陰 性 ──────────────────────────────────── 培地1:トリプトン・イーストエキス・ブロス(ISP 1) 培地2:ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6) 培地3:チロシン寒天(ISP 7) 培地4:イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2) 。
【0052】(4) 炭素源の資化性 また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地(ISP 9)
を使用して、28℃、14日間培養後に観察した SA
NK 60695株の炭素源の資化性は表3に示す通り
である。
【0053】
【表3】 ──────────────────────────────────── D−グルコース + D−フルクトース + L−アラビノース + L−ラムノース ± D−キシロース + シュクロース ± イノシトール ± ラフィノース − D−マンニトール + 対照 − ──────────────────────────────────── +:資化する ±:弱く資化する −:資化しない。
【0054】(5) 化学分類学的性質 SANK 60695株の細胞壁は長谷川らの方法「長
谷川ら、ザ・ジャーナル・オブ・ジェネラル・アンド・
アプライド・マイクロバイオロジー(The Journal of G
eneral and Applied Microbiology )、29巻、319
−322頁、1983年」に従い検討した結果、mes
o−ジアミノピメリン酸が検出された。また、SANK
60695株の全細胞中の主要糖成分をエム・ピー・
レシェバリエの方法「M. P. Lechevalier 、ジャーナル
・オブ・ラボラトリー・アンド・クリニカル・メディシ
ン(Journal of Laboratory and Clinical Medicine
)、71巻、934−944頁、1968年」に従い
検討した結果、少量のマジュロースが検出された。細胞
壁ペプチドグリカンのアシル基について内田らの方法
「K. Uchida ら、ザ・ジャーナル・オブ・ジェネラル・
アンド・アプライド・マイクロバイオロジー(The Jour
nal of General and Applied Microbiology )、25
巻、169−183頁、1979年」に従い検討した結
果、アセチル型であった。ヘフトらの方法「S. T. Hech
t ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオ
ロジー(Journal of Clinical Microbiology)、4巻、
284−287頁、1976年」に従いミコール酸につ
いて検討した結果、検出されなかった。「放線菌の同定
実験法」(131−139頁、日本放線菌学会編、中越
印刷、東京、1988年)に従ってイソプレノイド・キ
ノンを検討した結果、主成分としてMK−9(H2)
を、副成分としてMK−9およびMK−9(H4)をそ
れぞれ検出した。「放線菌の同定実験法」(88−10
3頁、日本放線菌学会編、中越印刷、東京、1988
年)に従ってリン脂質を検討した結果、フォスファチジ
ルエタノールアミンを検出したが、フォスファチジルコ
リンおよびフォスファチジルグリセロールは確認されな
かった。
【0055】以上の菌学的性質から、SANK 606
95株は放線菌の中でもミクロビスポラ(Microbispor
a)属に属することが明らかにされた。従って、SAN
K 60695株をミクロビスポラ・エスピー(Microb
ispora sp.)と同定した。
【0056】本菌株は、ミクロビスポラ・エスピー S
ANK 60695(Microbisporasp. SANK 60695)株
としてブダペスト条約に従って通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に国際寄託されている(寄託番
号、微工研条寄第 4992 号(FERM BP-4992):原寄託日、
1995年 2月 7日)。
【0057】以上、SANK 60695株について説
明したが、周知の如くミクロビスポラ属の菌類の諸性質
は一定したものではなく、自然的、または人工的な操作
(例えば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)
により、変異を起こし易く、本発明のSANK 606
95株もこの点は同じである。本発明にいうSANK6
0695株はそのすべての変異株を包含する。また、こ
れらの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、組換
え、形質導入、形質転換等により得られたものも包含さ
れる。即ち、ミクロビスポラ属に属するビスイソフラボ
ン類を生産するSANK 60695株、その変異株お
よびそれらと明確に区別されない菌株は、すべてSAN
K 60695株に包含されるものである。
【0058】
【発明の実施の形態】本発明の菌株を分離するに際し
て、使用される分離培地としては炭素源、窒素源、無機
イオンおよび有機栄養源等より選択されたものを適宜含
有する培地であれば合成または天然培地のいずれでも使
用可能である。分離操作は常法に従って行われる。
【0059】本発明の新規化合物ビスイソフラボン類を
得るため、これらの微生物の培養は他の発酵生成物を生
産するために用いられるような培地中で行なわれる。こ
のような培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素
源および無機塩を含有する。
【0060】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1−10重量%で変量する。好適には 7−9重量%
であり、最適には 8重量%である。
【0061】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の 0.1−6重量%の範囲で用いる。好適には2−4
重量%であり、最適には 3重量%である。
【0062】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
【0063】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0064】SANK 60695株を培養しビスイソ
フラボン類を生産する培地の pHは、5.0−8.0
に変化させることが出来る。好ましくはpHは、7前後
である。
【0065】菌の生育温度は 4℃ から 32℃ ま
でであるが 20℃ から 30℃の範囲が生育良好で
あり、 更にビスイソフラボン類の生産には、23℃ 付
近が好適である。
【0066】ビスイソフラボン類は、好気的に培養して
得られるが通常用いられる好気的培養法、例えば固体培
養法、振とう培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
特に、振とう培養法が好ましい。
【0067】小規模な培養においては、20℃ から
26℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養
は三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により
開始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を
併用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で
23℃、1乃至3日間振とうするか、または充分に成長
するまで振とうする。成長した種は第二の種培地、また
は生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用
いる場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培
地に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフ
ラスコを一定温度で 1乃至3日間、または生産量が最
大に達するまで振とうし、インキュベーションが終わっ
たらフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0068】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は
20℃乃至 26℃で通気撹拌して行う。この方法は、
多量の化合物を得るのに適している。
【0069】培養の経過に伴って生産されるビスイソフ
ラボン類の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて測定することが出来る。通常は、振とう培養
法で5日間から8日間の培養でビスイソフラボン類の生
産量は最高値に達する。
【0070】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在するビスイソフラボン類は、培養液と同容量程
度のアセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニ
トリル類のような有機溶媒を添加し、混合することによ
り抽出する。抽出液中に存在する菌体、その他の固形部
分を珪藻土をろ過助剤とする、ろ過操作または遠心分離
によって分別し、そのろ液または上清中および菌体中に
存在するビスイソフラボン類を、5α−還元酵素阻害活
性を指標にしてその物理化学的性状を利用し抽出精製す
ることにより得られる。例えば、ろ液または上清中に存
在するビスイソフラボン類は、最初に濃縮操作で混在す
る有機溶媒を除去した後、中性または酸性 pH条件下
で水と混和しない有機溶剤、例えばブタノールなどのア
ルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸
エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化エチレ
ン、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類を用いて
単独または、それらの組み合わせにより抽出精製するこ
とができる。
【0071】あるいは吸着剤として、例えば活性炭また
は吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD
−4 (ローム・アンド・ハース社製) 等や、ダイアイオ
ンHP−10、HP−20、CHP−20P、HP−5
0(三菱化成(株) 社製) 等が使用される。ビスイソフ
ラボン類を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させ
て不純物を吸着させて取り除くか、またはビスイソフラ
ボン類を吸着させた後、アセトン水などの含水ケトン
類、メタノール水、ブタノール水などの含水メタノール
類を用いて溶出させることにより得られる。また、菌体
内に存在するビスイソフラボン類は、50−90% 含
水アセトンなどの含水ケトン類または含水メタノール類
などの含水アルコール類により抽出し、次いで有機溶剤
を除去した後、ろ液と同様な抽出精製操作を行なうこと
により得られる。
【0072】このようにして得られたビスイソフラボン
類は、更にシリカゲル、マグネシウムーシリカゲル系の
フロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグ
ラフィー、 セファデックス LH−20(ファルマシ
ア社製) などを用いた分配カラムクロマトグラフィー、
セファデックス G−25(ファルマシア社製) などを
用いたゲルろ過クロマトグラフィー、および順相、逆相
カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製す
ることが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または
適宜組み合わせ反復用いることによりビスイソフラボン
類を分離精製することができる。
【0073】本発明のビスイソフラボン類またはその塩
は、文献未載の新規化合物であり、動物(例、ヒト、イ
ヌ、ネコ、ウサギ等) において、5α−還元酵素阻害作
用を示すことから、5α−還元酵素阻害剤として有用で
ある。
【0074】本発明のビスイソフラボン類またはその塩
を医薬として用いる場合、常法に従って種々の形態で投
与される。その投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、
錠剤、カプセル剤、シロップ剤などの形態で経口的また
は注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗
布剤、軟膏剤などの形態で非経口的に安全に投与するこ
とが出来る。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に
賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭
剤、溶解補助剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤など
の医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補
助剤を用いて製剤化することができる。投与量は対象疾
患、投与経路および投与回数などにより異なるが、例え
ば成人に対しては 1日 上限2000mg、好ましく
は500mg、から下限20mg、好ましくは100m
g、を症状に応じて1回または数回に分けて投与するの
が好ましい。
【0075】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0076】実施例 1. (1)培養 SANK 60695株を、下記の組成の前培養培地
100mlを含む500mlの三角フラスコ(種フラス
コ)に接種した。次いでこれを28℃で5日間、210
rpmのロータリー振蘯機で前培養を行った。
【0077】 前培養培地組成 グルコース 10 g グリセロール 10 g シュクロース 10 g 生イースト 10 g オートミール 5 g 大豆粉 20 g カザミノ酸 5 g CB−422(消泡剤) 0.5 ml 炭酸カルシウム 1 g ───────────────────────── 水道水 1000 ml(pH 7.0)。
【0078】本培養は次のように行った。30リットル
のジャーファーメンター2機に下記の本培養培地 15
リットルを入れ、121℃で40分間加熱滅菌した。こ
れに種培養液 75mlを接種し、回転数 100rp
m、通気量 15リットル/minで、28℃で 7日
間、攪拌培養を行った。
【0079】 本培養培地組成 大豆粉 30 g 硫酸マグネシウム・7水和物 2 g グルコース 30 g 炭酸カルシウム 4 g 生イースト 10 g CB−422(消泡剤) 0.5 ml ───────────────────────── 水道水 1000 ml(pH 7.2)。
【0080】(2)単離 培養液にセライトを加えて吸引ろ過し、得られた菌体に
80%アセトン 70リットルを加えて抽出した。この
混合物を吸引ろ過し、ろ液を減圧濃縮してアセトンを除
去した。これをpH2に調製し2倍量の酢酸エチルを使
用して3回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水 15
リットル、次いで水 15リットルで洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで脱水し、ろ過後、減圧留去すると 58.
6gの濃褐色の油状物が得られた。この油状物質をヘキ
サンー酢酸エチル(3:7)に溶解し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー (シリカゲル 60、メルク社)
に付した。以下,5α−還元酵素阻害活性の認められた
画分を濃縮すると、1.16gの褐色の油状物質が得ら
れた。これを再びジクロロメタン−メタノール(95:
5)に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付した。活性の認められた画分を濃縮すると、 61.
2mgの褐色物質が得られた。この物質をメタノールで
溶解し、60%含水メタノール溶媒で平衡化した高速液
体カラムクロマトグラフィー(センシュウパック OD
S−H−4252、センシュウ科学(株)社製)に付し
た。その結果、A−758491が 8.7mg、 A
−758492が 4.2mg、A−758493が
7.2mg、A−758494が 2.8mgの活性成
分として得られた。
【0081】
【発明の効果】以下に5α−還元酵素阻害作用の試験結
果を述べる。
【0082】試験例 1. (1)ラット前立腺からの5α−還元酵素の調製 成熟雄ラット(350−400g:Spague−Da
wley) の前立腺腹葉をはさみで小片に細切後、組織
の約3倍量の緩衝液(0.33Mシュクロース、1mM
ジチオスレイトール、50mM ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェートー還元体(NADP
H)、0.001%フェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(PMSF)を含む 20mMリン酸カリウム緩衝
液 (pH7.4) を加え、まずポリトロン(KINEM
ATICA Gmb)で、ついでテフロンーガラスホモ
ジナイザーでホモジナイズした。得られたホモジネート
を遠心分離 (100、000×g、60分) し、沈殿物
を上記緩衝液に懸濁し、再び同条件で遠心分離して洗浄
した。この沈殿物をラット5α−還元酵素とし、上記緩
衝液を加えて、蛋白量を約 20mg/mlに調製後、
−80℃で凍結保存した。
【0083】(2)ラットの5α−還元酵素阻害試験 ラットの5α−還元酵素(蛋白量 200μg) 、2μ
M[14C]テストステロン、1mMジチオスレイトー
ル、1.5mM NADPHを含む 40mMリン酸カ
リウム緩衝液 (pH 7.0) にジメチルスルホキシド
(場合によってはエタノールを用いて)に溶解した検体
2ml(対照群には溶媒のみ)を加え、総液量が 1
00μlになるように調製した後、37℃で25分間ー
40分間インキュベートした。その後、 100mlの
エタノールを加えて反応を停止し、この反応液のうちの
25μlを薄層クロマトプレート(LK6DF si
lica plate、Whatman社製)にスポッ
トし、酢酸エチル−シクロヘキサン(1:1)混合液で
室温中で2度展開した。薄層クロマトプレート上の放射
活性はバイオイメージアナライザー(富士写真フィルム
(株)社製)を用いて測定した。ラットの5α−還元酵
素活性は、加えた[14C]テストステロンのうち、[14
C]5α−ジヒドロテストステロンとなった割合(変換
率(%)) で表し、検体の5α−還元酵素阻害活性は次
式を用いて求めた。
【0084】検体の5α−還元酵素阻害活性={1ー
(検体添加群の変換率/(対照群の変換率)}x 100
(%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求め
た。
【0085】ビスイソフラボン類の5α−還元酵素阻害
活性(IC50)は 以下の通りであった。
【0086】
【表4】 ──────────────────────────────────── ラット酵素(μg/ml) ヒト酵素(μg/ml) ──────────────────────────────────── A−758491 36.1 19.9 A−758492 2.1 41.4%* A−758493 3.0 73.1%* A−758494 1.6 11.8 ──────────────────────────────────── *=1μg/mlでの阻害率(%)。
【0087】以上から、本発明のビスイソフラボン類ま
たはその塩は5α−還元酵素阻害作用を有し、前立腺肥
大症の予防薬および/または治療薬などの医薬として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 孝和 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 榎田 竜三 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 (72)発明者 高松 安行 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 を有するA−758491またはその塩。
  2. 【請求項2】下記の性状を有するA−758491また
    はその塩。 1)物質の性状:淡黄色粉末 2)分子式: C301810(高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 538(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
    りである。 3078, 1651, 1613, 1274, 1248, 1046, 1024, 8
    40 5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ: ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
    基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
    鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 13.07 (1H, s), 12.89 (1H, s), 8.22 (1H, s), 8.1
    4 (1H, s),7.37 (1H, dd, J=8.5, 2.0 Hz), 7.33 (1H,
    s),7.32 (2H, d, J=6.3 Hz), 6.94 (1H, d, J=8.3 H
    z),6.78 (2H, d, J=8.6 Hz), 6.34 (1H, s), 6.32 (1
    H, d, J=2.0 Hz),6.18 (1H, d, J=2.0 Hz) 6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 264 (35800), 338 (sh, 41
    00) 7)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
    ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。 8)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 9)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel
    60 F254, メルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
  3. 【請求項3】 式 【化2】 を有するA−758492またはその塩。
  4. 【請求項4】下記の性状を有するA−758492また
    はその塩。 1)物質の性状:淡黄色粉末 2)分子式: C30189 (高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 522(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
    ペクトルは、次に示す通りである。 3136, 1652, 1624, 1580, 1290, 1259, 1048, 1
    017, 832 5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ: ppm) 重ジメチルスルホキシド中、内部基準にテトラメチルシ
    ランを使用して測定した核磁気共鳴スペクトル(360 MH
    z) は、以下の通りである。 12.95 (1H, s), 8.34 (1H, s), 8.31 (1H, s),7.96
    (1H, d, J=8.7 Hz), 7.39 (1H, d, J=2.3 Hz),7.38 (1
    H, d, J=2.3 Hz), 7.34 (1H, dd, J=3.7, 2.3 Hz),7.3
    2 (1H, dd, J=3.8, 2.4 Hz), 6.93 (1H, d, J=3.2 H
    z),6.91 (1H, d, J=3.1 Hz), 6.86 (1H, dd, J=8.8,
    2.2 Hz),6.79 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.30 (1H, d, J=2.
    1 Hz),6.16 (1H, d, J=2.1 Hz) 6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 260 (35500), 302 (sh, 14130) 7)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
    ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。 8)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 9)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
    ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
  5. 【請求項5】 式 【化3】 を有するA−758493またはその塩。
  6. 【請求項6】下記の性状を有するA−758493また
    はその塩。 1)物質の性状:無色粉末 2)分子式: C30188 (高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 506(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
    ペクトルは、次に示す通りである。 3209, 1625, 1591, 1508, 1456, 1290, 1266, 1
    196, 1098 5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ: ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
    基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
    鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 8.21 (1H, s), 8.20 (1H, s), 7.93 (1H, d, J=6.2 H
    z),7.90 (1H, d, J=6.2 Hz), 7.49 (1H, s), 7.29 (1
    H, d, J=2.1 Hz),7.25 (1H, dd, J=8.3, 2.1 Hz), 7.0
    1 (1H, d, J=8.3 Hz),6.93 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J
    =6.1, 2.3 Hz),6.84 (1H, dd, J=6.1, 2.3 Hz), 6.77
    (1H, d, J=3.1 Hz),6.76 (1H, d, J=2.3 Hz) 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ: ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
    基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
    鳴スペクトル(90 MHz)は、以下の通りである。 174.5 (2C, s), 163.6 (s), 163.5 (s), 157.6 (s),
    157.6 (s),157.5 (s), 152.7 (d), 152.6 (d), 14
    9.1 (s), 141.8 (s),129.9 (2C, d), 126.9 (2C, d),
    125.7 (d), 125.6 (d), 123.5 (s),123.1 (s), 12
    2.6 (s), 122.5 (d), 116.9 (d), 116.0 (s),115.6
    (2C, d), 115.4 (2C, d), 102.0 (d), 101.9 (d) 7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 249 (26000), 305 (sh, 10240) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
    ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
    ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
  7. 【請求項7】 式 【化4】 を有するA−758494またはその塩。
  8. 【請求項8】下記の性状を有するA−758494また
    はその塩。 1)物質の性状:淡黄色粉末 2)分子式: C301810(高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 538(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収ス
    ペクトルは、次に示す通りである。 3363, 1653, 1625, 1581, 1279, 1248, 1201, 1
    048, 995, 835 5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ: ppm) 重クロロホルムおよび重ジメチルスルホキシド中、内部
    基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気共
    鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の通りである。 12.99 (1H, s), 8.34 (1H,
    s), 7.40 (1H, d, J=2.2
    Hz),7.33 (1H, dd, J=8.6,
    2.2 Hz), 6.85 (1H, d, J=
    8.3 Hz),6.37 (1H, d, J=2.
    2 Hz), 6.21 (1H, d, J=2.
    2 Hz) 6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 262 (31200), 330 (sh, 4300) 7)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
    ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。 8)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 9)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; シリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254, メ
    ルク社製) 展開溶媒;メチレンクロライド:メタノール=9:1。
  9. 【請求項9】ミクロビスポラ属に属するA−75849
    1、A−758492、A−758493および/また
    はA−758494生産菌を培養し、その培養物から、
    A−758491、A−758492、A−75849
    3および/またはA−758494を採取することから
    なるA−758491、A−758492、A−758
    493および/またはA−758494の製法。
  10. 【請求項10】ミクロビスポラ属に属するA−7584
    91、A−758492、A−758493および/ま
    たはA−758494生産菌がミクロビスポラ・エスピ
    ー SANK 60695株である請求項9記載の製
    法。
  11. 【請求項11】A−758491、A−758492、
    A−758493および/またはA−758494ある
    いはその塩からなる医薬。
  12. 【請求項12】A−758491、A−758492、
    A−758493および/またはA−758494ある
    いはその塩を有効成分とする5α−還元酵素阻害剤。
  13. 【請求項13】A−758491、A−758492、
    A−758493および/またはA−758494ある
    いはその塩を有効成分とする前立腺肥大症の予防薬およ
    び/または治療薬。
JP22494495A 1995-09-01 1995-09-01 5α−還元酵素阻害剤ビスイソフラボン類 Pending JPH0967362A (ja)

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