JPH09221493A - 新規化合物k4610178 - Google Patents

新規化合物k4610178

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JPH09221493A
JPH09221493A JP8025731A JP2573196A JPH09221493A JP H09221493 A JPH09221493 A JP H09221493A JP 8025731 A JP8025731 A JP 8025731A JP 2573196 A JP2573196 A JP 2573196A JP H09221493 A JPH09221493 A JP H09221493A
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JP
Japan
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salt
measured
thielavia
reductase
methanol
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Pending
Application number
JP8025731A
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English (en)
Inventor
Michihiro Sugano
道裕 菅野
Emiko Hatano
恵美子 波田野
Takakazu Hamada
孝和 浜田
Takeshi Hosoya
剛 細矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP8025731A priority Critical patent/JPH09221493A/ja
Publication of JPH09221493A publication Critical patent/JPH09221493A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】5α−還元酵素阻害作用を有する化合物を含有
する医薬、5α−還元酵素阻害剤、前立腺肥大症の予防
および/または治療薬を提供する。 【解決手段】下記の性状を有するk4610178また
はその塩; 1)物質の性状:白色粉末 2)分子式: C293010(高分解能マススペクトル
法により測定) 3)分子量: 538(質量分析法により測定)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れたテストステロ
ン5α−還元酵素(以下「5α−還元酵素」という。)
阻害作用を有する新規化合物k4610178およびそ
の塩、新規化合物k4610178および/またはその
塩を有効成分として含有する医薬、5α−還元酵素阻害
剤、および前立腺肥大症の予防剤および/または治療
剤、ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺肥大症は、男性の加齢に伴う疾患
であり、近年の平均寿命の延長によりその疾患者数は著
しく増加している。本疾患の基本的病態は肥大血節の増
大による尿道抵抗の増加で、症状は排尿障害、残尿感で
ある。ところで、前立腺肥大症組織では正常前立腺組織
と比較して、5α−ジヒドロテストステロン(5α−D
HT)含量が有意に高いことが知られている。この5α
−DHTはおもに男性の生殖器である前立腺で、テスト
ステロンから5α−還元酵素によって合成される。そこ
で5α−還元酵素を阻害し、5α−DHTを低下させる
ことで前立腺肥大症を治療しようとする薬剤の開発が行
われている。現在までに開発されている薬剤としては、
4−アザステロイド骨格を有するフィナステロイド(G.
H. Rasmusson, J. R. Berman et al., J. Med. Chem.,
29巻、 2298-2315頁 (1986年))がある。またステロイド
骨格をもたない合成化合物としてはベンズアニリド骨格
を有するONO−3805(EP 0 291245 A2) が知られ
ている。また天然物由来の物としては、フェナジン骨格
を有するWS−9659AおよびB (O. Nakayama, M.
Kohsaka et al., J. Antibiot., 42巻、1221−1240頁
(1989年))、リボフラビン(O. Nakayama, M. Kohsaka et
al., J.Antibiot., 43 巻、 1615-1616頁 (1990年))が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はチエラビ
ア(Thielavia )属に属するチエラビア サブテモフィ
ラ モウチャッカ(Thielavia subthemophila Mouchacc
a ) SANK31281株の培養液中に、5α−還元
酵素阻害作用を有する新規化合物k4610178が生
産されることを見出して本発明を完成した。更に、本発
明の他の目的は、k4610178を有効成分として含
有する医薬、5α−還元酵素阻害剤、前立腺肥大症の予
防および/または治療薬を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1) 下記の性状; 1)物質の性状:白色粉末 2)分子式: C293010(高分解能マススペクトル
法により測定) 3)分子量: 538(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜法で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
りである;3424, 2930, 1660, 1605, 1440, 1309, 126
3, 1166, 1147, 1070。
【0005】5) 1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使
用して測定した1H−核磁気共鳴スペクトル(360M
Hz)は、以下の通りである;6.51(1H, s), 2.81(3H,
s), 2.79(3H, s), 2.68(3H, s), 2.31(3H, s),2.28(3H,
s), 2.24(3H, s), 2.24(3H, s), 2.22(3H, s)。
【0006】6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重クロロホルム:重メタノール(=1:1)混液中、内
部基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気
共鳴スペクトル(90MHz)は、以下の通りである;
175.5(s), 172.0(s), 171.6(s), 166.0(s), 163.2(s),
161.0(s),160.9(s), 154.4(s), 153.4(s), 142.3(s), 1
40.0(d), 139.6(s),123.5(s), 122.2(s), 118.7(d), 11
8.0(s), 114.0(s), 113.3(s),112.0(s), 111.3(s), 10
4.8(s), 26.3(q), 20.7(q), 14.8(q), 14.7(q),11.2
(q), 11.2(q), 9.2(q)。
【0007】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) 239 (15700) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。
【0008】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0009】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; 逆相 プレート(RP-18 F254, メルク社製) 展開溶媒;メタノール:水:酢酸=90:5:5 を有するk4610178またはその塩、 (2) チエラビア属に属するk4610178生産菌
を培養し、その培養物からk4610178を採取する
ことを特徴とするk4610178の製法、 (3) チエラビア属に属するk4610178生産菌
がチエラビア サブテモフィラ モウチャッカ SAN
K31281株である請求項2記載の製法、ならびに (4) k4610178またはその塩を有効成分とし
て含有する医薬、5α−還元酵素阻害剤、前立腺肥大症
の予防薬および/または治療薬に関する。
【0010】本発明のk4610178は、常法に従っ
て、塩にすることができる。そのような塩としては例え
ばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアル
カリ金属塩;カルシウム塩、バリウム塩のようなアルカ
リ土類金属塩;マグネシウム塩;アルミニウム塩;など
の金属塩;メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリエ
チルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールア
ミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルア
ミン塩、アンモニウム塩のようなアミン塩;グリシン
塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミ
ン塩、アスパラギン塩のようなアミノ酸塩;などの塩基
性物質との塩を挙げることができる。
【0011】本発明のk4610178またはその塩
が、大気中に放置されたり、または再結晶をすることに
より、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形
成する場合がある。本発明はこのような水和物をもすべ
て含むものである。
【0012】更に本発明において、生体内において代謝
されてk4610178に変換される化合物、いわゆる
プロドラッグもすべて含むものである。
【0013】本発明のk4610178の製造において
用いられるチエラビア属に属するk4610178生産
菌としては、例えばチエラビア サブテモフィラ モウ
チャッカ SANK31281株をあげることができ
る。SANK31281株は土壌から分離された菌株で
ある。SANK31281の菌学的性状は次の通りであ
る。
【0014】馬鈴薯ニンジン培地上、37℃での生育は
早く、二週間でシャーレ全面を覆う。23℃での成長
は、その約半分である。コロニーは暗黄褐色から暗褐灰
色を呈する。裏面は紫灰色である。閉子嚢殻は培地表面
に旺盛に形成される。亜球形〜卵形を呈し、直径100
−200μmである。殻壁は薄く、オリーブ味を帯びた
暗褐色、膜状で、多角菌組織様を呈す。子嚢は8胞子性
で、球形から亜球形または卵形であり、その大きさは2
8−32x22−30μm、膜は成熟に伴ない消失す
る。子嚢胞子は最初無色だが、成熟にともないしばしば
暗褐色となる。大きさは13−18x7−10μm、両
端においてやや尖り、表面は平滑、頂端付近に発芽孔を
有する。馬鈴薯ニンジン培地の組成は以下の通りであ
る。
【0015】
【表1】培地組成 ジャガイモ 20g ニンジン 20g 寒天 20g ──────────── 水 1リットル。
【0016】以上の菌学的性状により本菌株に該当する
ものを検索したところ、日本菌学会報20:13-22 (197
9) (Udagawa, S., Muroi, T. Some interesing species
ofAscomycetes from imported spices.)に記載されて
いるThielavia subthemophila Mouchacca と一致した。
よって、本菌株をThielavia subthemophila Mouchacca
と同定した。なお、本菌株は、Thielavia subthemophil
a Mouchacca SANK31281として、1995年8
月30日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所に寄託され、寄託番号 FERM BP−5213を
付された。
【0017】周知の通り、子のう菌は自然界において、
または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照
射、化学薬品処理等)により変異を起こし易い。本発明
のチエラビア サブテモフィラ モウチャッカ SAN
K31281株もこの点は同じである。本発明にいうチ
エラビア サブテモフィラ モウチャッカ SANK3
1281株はそのすべての変異株を含有する。
【0018】また、これらの変異株の中には、遺伝学的
方法、例えば組み替え、形質導入、形質転換等により得
られたものも包含される。すなわち、k4610178
を生産する、チエラビア サブテモフィラ モウチャッ
カ SANK31281株およびその変異株およびそれ
らと明確に区別されない菌株は、すべてチエラビアサブ
テモフィラ モウチャッカ SANK31281株に包
含されるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
1.培養 本発明のチエラビア属に属するk4610178生産菌
を分離するに際して、使用される分離培地としては炭素
源、窒素源、無機イオンおよび有機栄養源等より選択さ
れたものを適宜含有する培地であれば合成または天然培
地のいずれでも使用可能である。分離操作は常法に従っ
て行われる。
【0020】本発明の新規化合物k4610178を得
るため、これらの微生物の培養は他の発酵生成物を生産
するために用いられるような培地中で行なわれる。この
ような培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素源
および無機塩を含有する。
【0021】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あ
るいは併用して用いる事が出来る。一般には、培地量の
1−10重量%の範囲で用いられる。好適には7−9重
量%であり、最適には8重量%である。
【0022】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス等の動物系、植物系またはエキス類の窒素源、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等の無
機窒素源である。窒素源は、単一または併用して培地量
の0.1−6重量%の範囲で用いられる。好適には2−
4重量%であり、最適には3重量%である。
【0023】培地中に取り入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、カリウム、マグネシ
ウム、鉄、フォスフェート、サルフェート、クロライ
ド、カーボネート等のイオンを得ることの出来る通常の
塩類である。また、コバルト、マンガン、ストロンチウ
ム等の微量の金属、その他ブロマイド、フルオライド、
ボレ−ト、シリケ−ト等の微量イオンを得る塩も含む。
【0024】液体培養に際しては、消泡剤としてシリコ
ン油、植物油、界面活性剤等が使用される。
【0025】SANK31281株を培養し、k461
0178を生産する培地のpHは、5.0−8.0の範
囲で変化させることが出来る。好ましくはpH 7前後
である。
【0026】菌の生育温度は4℃乃至32℃であり、2
0℃乃至30℃の範囲で生育が良好であり、 更にk46
10178の生産には、23℃付近が好適である。
【0027】k4610178は、好気的に培養して得
られるが、通常用いられる好気的培養法、例えば固体培
養法、振とう培養法、通気撹拌培養法等を用いることが
できる。その中でも、特に振とう培養法が好ましい。
【0028】小規模な培養においては、20℃乃至26
℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養は三
角フラスコ中で、1乃至2段階の種培養の発育工程によ
り開始する。種培養発育段階の培地は、炭素源および窒
素源を併用出来る。種フラスコは定温インキュベーター
中で23℃、1乃至3日間振とうするか、または充分に
成長するまで振とうする。成長した種培養液は第二の種
培地、または生産培地に接種するのに用いられる。中間
の発育工程を用いる場合には、本質的に同様の方法で成
長させ、生産培地に接種するためにそれを部分的に用い
る。本培養は、例えば種培養液を接種した生産培地を含
むフラスコを一定温度で1乃至3日間、またはk461
0178の生産量が最大に達するまで振とう培養するこ
とによりおこなうことができる。
【0029】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地に
あらかじめ成長させてあった種培養液を接種する。培養
は20℃乃至26℃で通気撹拌して行う。この方法は、
多量の化合物を得るのに適している。
【0030】培養の経過に伴って生産されるk4610
178の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィー
を用いて測定することが出来る。通常は、5日間乃至8
日間の振とう培養でk4610178の生産量は最高値
に達する。
【0031】2.抽出精製 培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体内に存在する
k4610178を得るには、培養液に同容量程度のア
セトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル
類のような有機溶媒を添加し、混合して抽出する。次い
で、抽出液中に存在する菌体、その他の固形部分を珪藻
土をろ過助剤とするろ過操作または遠心分離によって分
別し、そのろ液もしくは上清中または菌体中に存在する
k4610178を、5α−還元酵素阻害活性を指標に
してその物理化学的性状を利用し抽出精製することによ
り得られる。例えば、ろ液または上清中に存在するk4
610178は、最初に濃縮操作で混在する有機溶媒を
除去した後、中性または酸性条件下で水と混和しない有
機溶剤(例えばブタノールなどのアルコール類;メチル
エチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステ
ル類;クロロホルム、塩化エチレン、塩化メチレンなど
のハロゲン化炭化水素類;など)を用いて単独または、
それらの組み合わせにより抽出精製することができる。
【0032】あるいは、k4610178を含む液を吸
着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、
またはk4610178を吸着させた後、アセトン水な
どの含水ケトン類;メタノール水、ブタノール水などの
含水アルコール類;などを用いて溶出させることにより
得られる。吸着剤としては、例えば活性炭または吸着用
樹脂であるアンバーライト XAD−2、XAD−4
(ローム・アンド・ハース社製) 等や、ダイアイオン
HP−10、HP−20、CHP−20P、HP−50
(三菱化成(株) 社製) 等が使用される。
【0033】菌体内に存在するk4610178は、例
えば50−90%含水アセトンなどの含水ケトン類また
は含水メタノール類などの含水アルコール類により抽出
し、次いで有機溶剤を除去した後、上記の「ろ液または
上清中に存在するk4610178」の抽出精製操作と
同様の抽出精製操作を行なうことにより得られる。
【0034】このようにして得られたk4610178
は、更にシリカゲル、マグネシウムーシリカゲル系のフ
ロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラ
フィー;セファデックス LH−20(ファルマシア社
製) などを用いた分配カラムクロマトグラフィー;セフ
ァデックス G−25(ファルマシア社製) などを用い
たゲルろ過クロマトグラフィー;および順相、逆相カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィー;等で精製する
ことが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または適
宜組み合わせて、必要ならば反復して0用いることによ
りk4610178を分離精製することができる。
【0035】3. 5α−還元酵素阻害試験 5α−還元酵素阻害試験は、k4610178存在下も
しくは非存在下における5α−還元酵素活性、即ちテス
トステロンを還元して5α−ジヒドロテストステロンと
する5α−還元酵素の活性を測定することにより行うこ
とができる。5α−還元酵素活性は(Endocrinology, 11
7 巻,571-579 頁 (1985年))に記載された方法により測
定することができる。以下に、より詳しく述べる。
【0036】5α−還元酵素としては、例えばラット前
立腺腹葉からを調製したラット5α−還元酵素を用いる
ことができる。
【0037】5α−還元酵素阻害試験は5α−還元酵
素、放射性同位元素で標識されたテストステロン、ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド−フォスフェート還
元体(NADPH)を含む緩衝液にk4610178を
含む検体を加え、一定時間、一定温度でインキュベート
し、その後、エタノールを加えて反応を停止する。反応
液を薄層クロマトプレート上で展開し、薄層クロマトプ
レート上の放射活性を測定する。ラット5α−還元酵素
活性は、加えられた[14C]テストステロンに対する、
14C]5α−ジヒドロテストステロンの割合(変換率
(%)) で表し、5α−還元酵素阻害活性は次式を用い
て求められる。
【0038】5α−還元酵素阻害活性={1−(検体添
加群の変換率/(対照群の変換率)}×100 (%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求める
ことができる。
【0039】本発明のk4610178または薬理的に
許容されるエステルは、文献未載の新規化合物であり、
5α−還元酵素阻害作用を示すことから、医薬、5α−
還元酵素阻害剤、特に、前立腺肥大症の予防薬および/
または治療薬として有用である。
【0040】本発明のk4610178またはその塩を
医薬として用いる場合、常法に従って種々の形態で投与
される。その投与形態としては例えば散剤、顆粒剤、錠
剤、カプセル剤、シロップ剤などの形態で経口的または
注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、座剤、塗布
剤、軟膏剤などの形態で非経口的に安全に投与すること
が出来る。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦
形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、
溶解補助剤、懸濁剤、コ−ティング剤、希釈剤などの医
薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の添加物
を用いて製剤化することができる。
【0041】ここに、賦形剤としては、例えば乳糖、白
糖、ぶどう糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導
体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−
デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンの
ような澱粉誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビ
アゴム;デキストラン;プルラン;などの有機系賦形
剤;および軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ
珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐
酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような
炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩;などの無機系
賦形剤をあげることができる。
【0042】滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのよ
うなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビ
ーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸:アジピン
酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマ
ル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナ
トリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マ
グネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水
和物のような珪酸類;および、上記澱粉誘導体などをあ
げることができる。結合剤としては、例えばポリビニル
ピロリドン、マクロゴールおよび前記賦形剤と同様の化
合物をあげることができる。崩壊剤としては、例えば前
記賦形剤と同様の化合物およびクロスカルメロースナト
リウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポ
リビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・
セルロース類をあげることができる。安定剤としては、
例えばメチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラ
オキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジ
ルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアル
コール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾ
ールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ
酢酸;およびソルビン酸をあげることができる。矯味矯
臭剤としては、例えば通常使用される、甘味料、酸味
料、香料等をあげることができる。
【0043】投与量は対象疾患、投与経路および投与回
数などにより異なるが、例えば成人に経口投与する場
合、1日当たりの投与量の上限は2000mg(好適に
は500mg)であり、下限は1mg(好適には10m
g)であり、症状に応じて1回または数回に分けて投与
するのが好ましい。成人に静脈内投与する場合、1日当
たりの投与量の上限は400mg(好適には100m
g)であり、下限は0.1mg(好適には1mg)であ
り、症状に応じて1回または数回に分けて投与するのが
好ましい。
【0044】本発明の新規化合物k4610178また
はその塩を含有するカプセル剤を製造する場合は、例え
ば以下のように製造することができる。製剤例1. カプセル剤 k4610178 10g、乳糖 10g、トウモロコ
シ澱粉 15.8gおよびステアリン酸マグネシウム
0.2gをV型混合機を用いて混合した後、ゼラチンカ
プセルに180mgずつ充填すると、カプセル剤が得ら
れる。該カプセル剤は1カプセル当たりk461017
8 50mgを含有する。
【0045】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】実施例 1. (1)培養 一白金耳のチエラビア サブテモフィラ モウチャッカ
SANK31281株(FERM BP−5213)
を、下記の組成の前培養培地 100mlを含む500
mlの三角フラスコ(種培養フラスコ)に接種した。次
いでこれを26℃で5日間、210rpmのロータリー
振蘯機で前培養を行った。
【0047】前培養培地組成 グリセロール 50 g ポテト 50 g 麦芽エキス 5 g 酵母エキス 5 g CB−422(消泡剤) 0.5 ml ───────────────────────── 水道水 1000 ml (pH 無調整)。
【0048】500mlの三角フラスコ42本、上記組
成の培地 100mlずつ入れ、更に前培養液 を5m
lずつ接種した。これを26℃で7日間、210rpm
のロータリー振蘯機で本培養を行った。
【0049】(2)単離精製 培養終了後、培養液 4.2リットルをろ過し、ろ液と
菌体部分とに分別した。
【0050】ろ液のpHを3.0に調整した後、酢酸エ
チル 3リットルで抽出し、抽出液の溶媒を留去し、残
留物を得た。一方、菌体部分にはアセトン 1リットル
を加えて一晩放置した後、溶媒を留去し、酢酸エチル
500mlで抽出した。この抽出液の溶媒を留去し、残
留物を得た。こうして得られた両残留物とも5α−還元
酵素阻害活性を示したので、両者をを合わせ、計1.4
3gの残留物を得た。
【0051】これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(メチレンクロライド:メタノール=9:1)に付し
た。5α−還元酵素阻害活性を示した画分を集めて、溶
媒を留去した後、ローバーカラムクロマトグラフィー
(カラム:RP-18 A size、メルク社製;移動層:80%
メタノール)、(カラム:RP-18 A size、メルク社製;
移動層:80%メタノール)および(カラム:RP-18 A
size、メルク社製;移動層:70%メタノール)に付し
て精製すると、9.3mgのk4610178が得られ
た。
【0052】
【発明の効果】
試験例 1. 5α−還元酵素阻害活性試験 (1)5α−還元酵素の調製 成熟雄ラット(350−400g:Spague−Da
wley) の前立腺腹葉をはさみで小片に細切後、組織
の約3倍量の緩衝液[0.33Mシュクロース、1mM
ジチオスレイトール、50mM ニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチドホスフェート−還元体(NADP
H)、0.001%フェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(PMSF)を含む 20mMリン酸カリウム緩衝
液 (pH7.4) ]を加え、まずポリトロン(KINE
MATICA Gmb)でホモジナイズし、ついでテフ
ロン−ガラスホモジナイザーでホモジナイズした。得ら
れたホモジネートを遠心分離 (100,000×g、6
0分) に供し、沈殿物を上記緩衝液に懸濁し、再び同条
件で遠心分離することによって洗浄した。この沈殿物を
ラット5α−還元酵素とし、上記緩衝液を加えて、蛋白
量を約 20mg/mlに調製後、−80℃で凍結保存
した。
【0053】(2)5α−還元酵素阻害試験 50ml中に、(1)で得た5α−還元酵素(蛋白量
200μg) を含有する40mMリン酸カリウム緩衝液
(pH 7.0)を調製して、これを酵素液とした。2
μM[14C]テストステロン、1mMジチオスレイトー
ルおよび1.5mM NADPHを含む40mMリン酸
カリウム緩衝液 (pH 7.0) に、ジメチルスルホキ
シドもしくはエタノールで希釈した検体 2μlを加
え、総液量が 50μlになるように基質液を調製し
た。
【0054】基質液50μlに酵素液50μlを加える
ことにより、酵素反応を開始し、これを37℃で25分
間乃至40分間インキュベートして酵素反応を進行させ
た。これに、100mlのエタノールを加えて反応を停
止し、この反応液のうちの25μlを薄層クロマトグラ
フィー用のプレート(LK6DF silicapla
te、Whatman社製)にスポットし、酢酸エチル
−シクロヘキサン(1:1)混合液を展開溶媒として用
いて、室温で2回展開した。薄層クロマトプレート上の
放射活性をバイオイメージアナライザー(富士写真フィ
ルム(株)社製)を用いて測定した。ラットの5α−還
元酵素活性は、加えた[14C]テストステロンのうち、
14C]5α−ジヒドロテストステロンとなった割合
(変換率(%)) で表し、5α−還元酵素阻害活性は次
式を用いて求めた。
【0055】5α−還元酵素阻害活性={1−(検体添
加群の変換率/(対照群の変換率)}×100 (%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求め
た。
【0056】k4610178の5α−還元酵素阻害活
性(IC50)は6.4μMであった。
【0057】以上から、本発明のk4610178は5
α−還元酵素阻害作用を有し、前立腺肥大症の予防薬お
よび/または治療薬などの5α−還元酵素阻害剤、医薬
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) (72)発明者 細矢 剛 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の性状; 1)物質の性状:白色粉末 2)分子式: C293010(高分解能マススペクトル
    法により測定) 3)分子量: 538(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜法で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
    りである;3424, 2930, 1660, 1605, 1440, 1309, 126
    3, 1166, 1147, 1070。 5) 1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重クロロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使
    用して測定した1H−核磁気共鳴スペクトル(360M
    Hz)は、以下の通りである;6.51(1H, s), 2.81(3H,
    s), 2.79(3H, s), 2.68(3H, s), 2.31(3H, s),2.28(3H,
    s), 2.24(3H, s), 2.24(3H, s), 2.22(3H, s)。 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重クロロホルム:重メタノール(=1:1)混液中、内
    部基準にテトラメチルシランを使用して測定した核磁気
    共鳴スペクトル(90MHz)は、以下の通りである;
    175.5(s), 172.0(s), 171.6(s), 166.0(s), 163.2(s),
    161.0(s),160.9(s), 154.4(s), 153.4(s), 142.3(s), 1
    40.0(d), 139.6(s),123.5(s), 122.2(s), 118.7(d), 11
    8.0(s), 114.0(s), 113.3(s),112.0(s), 111.3(s), 10
    4.8(s), 26.3(q), 20.7(q), 14.8(q), 14.7(q),11.2
    (q), 11.2(q), 9.2(q)。 7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) 239(15700) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
    チルスルホキシド、ベンゼンに可溶。水、クロロホル
    ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに不溶。 9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 10)薄層クロマトグラフィー: Rf値; 0.3 吸着剤; 逆相 プレート(RP-18 F254, メルク社製) 展開溶媒;メタノール:水:酢酸=90:5:5 を有するk4610178またはその塩。
  2. 【請求項2】 チエラビア属に属するk4610178
    生産菌を培養し、その培養物からk4610178を採
    取することを特徴とするk4610178の製法。
  3. 【請求項3】 チエラビア属に属するk4610178
    生産菌がチエラビア サブテモフィラ モウチャッカ
    SANK31281株である請求項2記載の製法。
  4. 【請求項4】 k4610178またはその塩を有効成
    分として含有する医薬。
  5. 【請求項5】 k4610178またはその塩を有効成
    分として含有する5α−還元酵素阻害剤。
  6. 【請求項6】 k4610178またはその塩を有効成
    分として含有する前立腺肥大症の予防薬および/または
    治療薬。
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