JPH09202797A - 5α−還元酵素阻害化合物d1067331 - Google Patents
5α−還元酵素阻害化合物d1067331Info
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- JPH09202797A JPH09202797A JP8010280A JP1028096A JPH09202797A JP H09202797 A JPH09202797 A JP H09202797A JP 8010280 A JP8010280 A JP 8010280A JP 1028096 A JP1028096 A JP 1028096A JP H09202797 A JPH09202797 A JP H09202797A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Steroid Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、5α−還元酵素阻害作用を有し、前
立腺肥大症の予防薬および/または治療薬などの医薬と
して有用な化合物を提供する。 【解決手段】 式(I) 【化1】
立腺肥大症の予防薬および/または治療薬などの医薬と
して有用な化合物を提供する。 【解決手段】 式(I) 【化1】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は5α−還元酵素阻害
作用を有する新規なd1067331またはその塩に関
する。
作用を有する新規なd1067331またはその塩に関
する。
【0002】
【従来の技術】前立腺肥大症は、男性の加齢に伴う疾患
であり、近年の平均寿命の延長によりその疾患者数は著
しく増加している。本疾患の基本的病態は肥大血節の増
大による尿道抵抗の増加で、症状は排尿障害、残尿感で
ある。ところで、前立腺肥大症組織では正常前立腺組織
と比較して、5α−ジヒドロテストステロン(5α−D
HT)含量が有意に高いことが知られている。この5α
−DHTはおもに男性の生殖器である前立腺で、テスト
ステロンからテストステロン−5α−還元酵素によって
合成される。そこでテストステロン−5α−還元酵素を
阻害し、5α−DHTを低下させることで前立腺肥大症
を治療しようとする薬剤の開発が行われている。現在ま
でに開発されている薬剤としては、4−アザステロイド
骨格を有するフィナステロイド(G. H. Rasmusson, J.
R. Berman et al., J. Med. Chem.,29巻、 2298-2315頁
(1986年))がある。またステロイド骨格をもたない合成
化合物としてはベンズアニリド骨格を有するONO−3
805(EP 0 291 245 A2)が知られている。また天然物
由来の物としては、フェナジン骨格を有するWS−96
59AおよびB (O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.
Antibiot., 42巻、1221−1240頁 (1989年))、リボフラ
ビン(O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.Antibiot.,
43 巻、 1615-1616頁 (1990年))が知られている。
であり、近年の平均寿命の延長によりその疾患者数は著
しく増加している。本疾患の基本的病態は肥大血節の増
大による尿道抵抗の増加で、症状は排尿障害、残尿感で
ある。ところで、前立腺肥大症組織では正常前立腺組織
と比較して、5α−ジヒドロテストステロン(5α−D
HT)含量が有意に高いことが知られている。この5α
−DHTはおもに男性の生殖器である前立腺で、テスト
ステロンからテストステロン−5α−還元酵素によって
合成される。そこでテストステロン−5α−還元酵素を
阻害し、5α−DHTを低下させることで前立腺肥大症
を治療しようとする薬剤の開発が行われている。現在ま
でに開発されている薬剤としては、4−アザステロイド
骨格を有するフィナステロイド(G. H. Rasmusson, J.
R. Berman et al., J. Med. Chem.,29巻、 2298-2315頁
(1986年))がある。またステロイド骨格をもたない合成
化合物としてはベンズアニリド骨格を有するONO−3
805(EP 0 291 245 A2)が知られている。また天然物
由来の物としては、フェナジン骨格を有するWS−96
59AおよびB (O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.
Antibiot., 42巻、1221−1240頁 (1989年))、リボフラ
ビン(O. Nakayama, M. Kohsaka et al., J.Antibiot.,
43 巻、 1615-1616頁 (1990年))が知られている。
【0003】一方、ステロイド骨格を有する化合物とし
ては例えば△4、6、8(14)、22cholesta-3-one (M.Kobayash
i ら、Chem.Pharm.Bull., 40巻、 72-74 頁 (1992年) )
や△4、6、8(14)、22−ergostatetraen-3-one (H.Morimoto
ら、Liebigs Ann.Chem.,708 巻、 230-240 頁(1967 年)
)が知られているが、これらの化合物の薬理活性は知
られていない。
ては例えば△4、6、8(14)、22cholesta-3-one (M.Kobayash
i ら、Chem.Pharm.Bull., 40巻、 72-74 頁 (1992年) )
や△4、6、8(14)、22−ergostatetraen-3-one (H.Morimoto
ら、Liebigs Ann.Chem.,708 巻、 230-240 頁(1967 年)
)が知られているが、これらの化合物の薬理活性は知
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はアスペル
ギルス(Aspergillus)属に属する SANK 2229
5株の培養液から5α−還元酵素阻害作用を有する新規
化合物d1067331が生産されることを見出して本
発明を完成した。
ギルス(Aspergillus)属に属する SANK 2229
5株の培養液から5α−還元酵素阻害作用を有する新規
化合物d1067331が生産されることを見出して本
発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 式
(I)
(I)
【0006】
【化2】
【0007】を有するd1067331またはその塩に
関する。
関する。
【0008】また、本発明は、(2) アスペルギルス
(Aspergillus)属に属するd1067331生産菌を培
養し、その培養物から、d1067331を採取するこ
とからなるd1067331の製法、に関する。
(Aspergillus)属に属するd1067331生産菌を培
養し、その培養物から、d1067331を採取するこ
とからなるd1067331の製法、に関する。
【0009】更に詳細には、本発明は、(3) アスペ
ルギルス属に属するd1067331生産菌がアスペル
ギルステレウス トム(Aspergillus terreus Thom) S
ANK 22295株である(2)記載の製法、に関す
る。
ルギルス属に属するd1067331生産菌がアスペル
ギルステレウス トム(Aspergillus terreus Thom) S
ANK 22295株である(2)記載の製法、に関す
る。
【0010】また、本発明は、(4) d106733
1またはその塩からなる医薬、に関する。
1またはその塩からなる医薬、に関する。
【0011】更に詳細には、本発明は、(5) d10
67331またはその塩を有効成分とする5α−還元酵
素阻害化合物、に関する。
67331またはその塩を有効成分とする5α−還元酵
素阻害化合物、に関する。
【0012】特に、本発明は、(6) d106733
1またはその塩を有効成分とする前立腺肥大症の予防薬
または治療薬、に関する。
1またはその塩を有効成分とする前立腺肥大症の予防薬
または治療薬、に関する。
【0013】本発明のd1067331は、下記の理化
学的性状を有する。
学的性状を有する。
【0014】1)物質の性状: 淡白色粉末 2)分子式: C28H40O3 (高分解能マススペクトル
法により測定) 3)分子量: 424(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
りである。 2970, 1650, 1640, 1590, 1050, 1030 。
法により測定) 3)分子量: 424(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
りである。 2970, 1650, 1640, 1590, 1050, 1030 。
【0015】5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の
通りである。 6.31 (1H, d, J=9.4 Hz), 5.95 (1H, s), 5.82 (1H,
d, J=9.6 Hz),5.27 (1H, dd, J=15.2, 8.0 Hz), 5.19
(1H, dd, J=15.2, 8.2 Hz),3.80 (1H, dd, J=10.4, 7.2
Hz), 3.66 (1H, dd, J=10.4, 5.4 Hz),2.40 (1H, m),
2.40 (1H, m), 2.19 (1H, m), 2.16 (1H, m),2.16
(1H, m), 2.01 (1H, m), 2.01 (1H, m), 1.93 (1H,
m),1.83 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.56 (1H, m), 1.
44 (1H, m),1.31 (1H, m), 1.31 (1H, m), 1.21 (1H,
m), 1.14 (3H, s),1.13 (3H, s), 1.04 (1H, m),
0.98 (3H, d, J=6.7), 0.79 (3H, s),0.77 (3H, s)。
ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の
通りである。 6.31 (1H, d, J=9.4 Hz), 5.95 (1H, s), 5.82 (1H,
d, J=9.6 Hz),5.27 (1H, dd, J=15.2, 8.0 Hz), 5.19
(1H, dd, J=15.2, 8.2 Hz),3.80 (1H, dd, J=10.4, 7.2
Hz), 3.66 (1H, dd, J=10.4, 5.4 Hz),2.40 (1H, m),
2.40 (1H, m), 2.19 (1H, m), 2.16 (1H, m),2.16
(1H, m), 2.01 (1H, m), 2.01 (1H, m), 1.93 (1H,
m),1.83 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.56 (1H, m), 1.
44 (1H, m),1.31 (1H, m), 1.31 (1H, m), 1.21 (1H,
m), 1.14 (3H, s),1.13 (3H, s), 1.04 (1H, m),
0.98 (3H, d, J=6.7), 0.79 (3H, s),0.77 (3H, s)。
【0016】6)13Cー核磁気共鳴スペクトル:(δ:
ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(90 MHz)は、以下の通
りである。 197.6 (s), 162.7 (s), 154.5 (s), 140.1(d), 13
3.2 (d),126.7 (d), 125.7 (d), 125.4 (s), 124.5
(d), 73.3 (s),64.9 (t), 55.9 (d), 55.5 (d),
45.0 (d), 44.3 (s),40.1 (d), 37.1 (s), 36.4
(t), 34.9 (t), 34.7 (t),30.3 (q), 28.4 (t),
26.6 (q), 25.7 (t), 21.4 (q),19.5 (t), 19.4
(q), 16.9 (q) 。
ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(90 MHz)は、以下の通
りである。 197.6 (s), 162.7 (s), 154.5 (s), 140.1(d), 13
3.2 (d),126.7 (d), 125.7 (d), 125.4 (s), 124.5
(d), 73.3 (s),64.9 (t), 55.9 (d), 55.5 (d),
45.0 (d), 44.3 (s),40.1 (d), 37.1 (s), 36.4
(t), 34.9 (t), 34.7 (t),30.3 (q), 28.4 (t),
26.6 (q), 25.7 (t), 21.4 (q),19.5 (t), 19.4
(q), 16.9 (q) 。
【0017】7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、以下
の通りである。 282 (3820), 350 (14950)。
(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、以下
の通りである。 282 (3820), 350 (14950)。
【0018】8)溶解性:メタノール、エタノール、ア
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、クロロホル
ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに可溶。水に不溶。
セトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、クロロホル
ム、ジエチルエーテル、酢酸エチルに可溶。水に不溶。
【0019】9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。
【0020】10)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.15 吸着剤 ; 逆相プレート(RP−18 F254、メ
ルク社製) 展開溶媒; メタノールー水=9:1。
ルク社製) 展開溶媒; メタノールー水=9:1。
【0021】本発明の d1067331は、常法に従
って塩にすることができる。 d1067331の塩と
しては、d1067331に比べて医学的に使用され、
薬理上受け入れられる、即ち活性を低下せしめない、毒
性を増加せしめない、ものであれば特に限定はない。な
お、医薬以外の用途、例えば中間体として使用する場合
は、なんら限定はない。その様な塩としては、好適には
ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、のようなアル
カリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、のような
アルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、
銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウ
ム塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モ
ルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキ
ルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカ
ミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチル
アミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベ
ンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロ
カイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェ
ネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニ
ア塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のよ
うな有機塩等のアミン塩;を挙げることができる。好適
には薬理上許容される塩である。
って塩にすることができる。 d1067331の塩と
しては、d1067331に比べて医学的に使用され、
薬理上受け入れられる、即ち活性を低下せしめない、毒
性を増加せしめない、ものであれば特に限定はない。な
お、医薬以外の用途、例えば中間体として使用する場合
は、なんら限定はない。その様な塩としては、好適には
ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、のようなアル
カリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、のような
アルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、
銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウ
ム塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モ
ルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキ
ルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカ
ミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチル
アミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベ
ンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロ
カイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェ
ネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニ
ア塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のよ
うな有機塩等のアミン塩;を挙げることができる。好適
には薬理上許容される塩である。
【0022】更に、本発明の d1067331は種々
の立体異性体を有する。本発明においては、これらの異
性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示さ
れている。従って、本発明においてはこれらの異性体お
よびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものであ
る。
の立体異性体を有する。本発明においては、これらの異
性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示さ
れている。従って、本発明においてはこれらの異性体お
よびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものであ
る。
【0023】更に本発明において、 d1067331
が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場合には、これ
らもすべて含むものである。
が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場合には、これ
らもすべて含むものである。
【0024】例えば、本発明の d1067331が、
大気中に放置されたり、または再結晶をすることによ
り、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成
する場合がある。本発明にはこのような溶剤和物も含ま
れる。
大気中に放置されたり、または再結晶をすることによ
り、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成
する場合がある。本発明にはこのような溶剤和物も含ま
れる。
【0025】更に本発明において、生体内において代謝
されて d1067331に変換される化合物、いわゆ
るプロドラッグもすべて含むものである。
されて d1067331に変換される化合物、いわゆ
るプロドラッグもすべて含むものである。
【0026】本発明の新規化合物 d1067331を
生産する上記 SANK 22295株の菌学的性状は
次の通りである。
生産する上記 SANK 22295株の菌学的性状は
次の通りである。
【0027】CYA培地上のコロニーの直径は25℃で
1週間培養すると49−51mmに達する。表面はビロ
ード状から羊毛状で、中心部では綿毛状を呈し、同心円
状・放射状にしわを形成する。培地中に黄色い可溶性色
素が浸出する。分生子は褐色である。MEA培地上のコ
ロニーの直径は25℃で1週間培養すると49−51m
mに達する。表面は顆粒状である。菌糸は白色である。
分生子は疎で黄褐色を呈する。裏面はオリーブブラウン
色を呈する。37℃でのコロニーの直径は63−71m
mである。CY20S培地上のコロニーの直径は25℃
で1週間培養すると66−71mmである。表面の色は
CYA培地上のそれに類似する。分生子頭は柱状とな
る。柄は平滑で、無色、長さは100−250μmであ
る。頂球は幅12−20μm、球状から楕円状を呈し、
フィアライドは大きさ5−7×2−3μmで、頂球の約
2/3を覆い、メトレと共にしっかり束なっている。
分生子は球形で、表面は平滑であり、直径は2−2.5
μmある。無色で球形から卵形をした厚壁細胞が、培地
中に埋没した菌糸から生じる。以上のような特徴から、
本菌に該当するものを検索したとことろ、”A laborato
ry guide to commonAspergillus species and their te
leomorphs”,Klich M.A., Pitt, J.I. (1988),”CSIRO
”, Korenerup A. and Wanscher J.H.(1978), ”M
ethuen handbook of colour” Eyre Methuen, London.
Klich and Pitt (1988) 記載されているアスペルギル
ス テレウス トム(Aspergillus terreus Thom) の記
載とよく一致した。よって、本菌株をアスペルギルス
テレウス トム(Aspergillusterreus Thom) と同定し
た。
1週間培養すると49−51mmに達する。表面はビロ
ード状から羊毛状で、中心部では綿毛状を呈し、同心円
状・放射状にしわを形成する。培地中に黄色い可溶性色
素が浸出する。分生子は褐色である。MEA培地上のコ
ロニーの直径は25℃で1週間培養すると49−51m
mに達する。表面は顆粒状である。菌糸は白色である。
分生子は疎で黄褐色を呈する。裏面はオリーブブラウン
色を呈する。37℃でのコロニーの直径は63−71m
mである。CY20S培地上のコロニーの直径は25℃
で1週間培養すると66−71mmである。表面の色は
CYA培地上のそれに類似する。分生子頭は柱状とな
る。柄は平滑で、無色、長さは100−250μmであ
る。頂球は幅12−20μm、球状から楕円状を呈し、
フィアライドは大きさ5−7×2−3μmで、頂球の約
2/3を覆い、メトレと共にしっかり束なっている。
分生子は球形で、表面は平滑であり、直径は2−2.5
μmある。無色で球形から卵形をした厚壁細胞が、培地
中に埋没した菌糸から生じる。以上のような特徴から、
本菌に該当するものを検索したとことろ、”A laborato
ry guide to commonAspergillus species and their te
leomorphs”,Klich M.A., Pitt, J.I. (1988),”CSIRO
”, Korenerup A. and Wanscher J.H.(1978), ”M
ethuen handbook of colour” Eyre Methuen, London.
Klich and Pitt (1988) 記載されているアスペルギル
ス テレウス トム(Aspergillus terreus Thom) の記
載とよく一致した。よって、本菌株をアスペルギルス
テレウス トム(Aspergillusterreus Thom) と同定し
た。
【0028】尚、SANK 22295株は、アスペル
ギルス テレウス トム(Aspergillus terreus Thom)
SANK 22295株として、1995年08月30
日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託され、寄託番号 FERMBP−5210 が付され
た。
ギルス テレウス トム(Aspergillus terreus Thom)
SANK 22295株として、1995年08月30
日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託され、寄託番号 FERMBP−5210 が付され
た。
【0029】周知の通り、アスペルギルス属は自然界に
おいて、または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放
射線照射、化学薬品処理等)により、変異を起こしやす
く、本発明のSANK 22295株もその点は同じで
ある。本発明にいうSANK22295株はそのすべて
の変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、
遺伝的方法、例えば、組み換え、形質導入、形質転換等
により得られたものも包含される。即ち、d10673
31を生産するSANK 22295株、それらの変異
株およびそれらと明確に区別されない菌株はすべてSA
NK 22295株に包含される。
おいて、または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放
射線照射、化学薬品処理等)により、変異を起こしやす
く、本発明のSANK 22295株もその点は同じで
ある。本発明にいうSANK22295株はそのすべて
の変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、
遺伝的方法、例えば、組み換え、形質導入、形質転換等
により得られたものも包含される。即ち、d10673
31を生産するSANK 22295株、それらの変異
株およびそれらと明確に区別されない菌株はすべてSA
NK 22295株に包含される。
【0030】なお、以上において用いられた培地組成を
下記に示す。また、色調の表示は”Kornerup and Wansc
her (1978)”に従った。
下記に示す。また、色調の表示は”Kornerup and Wansc
her (1978)”に従った。
【0031】 CYA培地(Czapek yeast agar) リン酸水素二カリウム 1 g Czapek concentrate * 10 ml イースト・エキストラクト 5 g シュークロース 30 g 寒天 15 g 蒸留水. 1000 ml ──────────────────────────────。
【0032】 MEA培地(Malt extract agar) マルト・エキストラクト 20 g ペプトン 1 g グルコース 20 g 寒天 15 g 蒸留水. 1000 ml ──────────────────────────────。
【0033】 CYA20S リン酸水素二カリウム 1 g Czapek concentrate * 10 ml イースト・エキストラクト 5 g シュークロース 200 g 寒天 15 g 蒸留水. 1000 ml ──────────────────────────────。
【0034】 *Czapek concentrate 硝酸ナトリウム 30 g 塩化カリウム 5 g 硫酸マグネシウム・7水和物 5 g 硫酸第一鉄・7水和物 0.1 g 硫酸亜鉛・7水和物 0.1 g 硫酸第二銅・7水和物 0.05 g 蒸留水. 1000 ml ──────────────────────────────。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の d1067331を得
るため、これらの微生物の培養は他の発酵生成物を生産
するために用いられるような培地中で行なわれる。この
ような培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素源
および無機塩を含有する。
るため、これらの微生物の培養は他の発酵生成物を生産
するために用いられるような培地中で行なわれる。この
ような培地中には、微生物が資化出来る炭素源、窒素源
および無機塩を含有する。
【0036】一般に、炭素源としてはグルコース、フラ
クトース、マルトース、シュークロース、マンニトー
ル、グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、
トウモロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、
大豆油、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などをあげる
ことができる。これらの炭素源は当該培地に単独で用い
てもよいし、同培地にいくつかの炭素源を組み合わせて
用いることもできる。
クトース、マルトース、シュークロース、マンニトー
ル、グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、
トウモロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、
大豆油、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸などをあげる
ことができる。これらの炭素源は当該培地に単独で用い
てもよいし、同培地にいくつかの炭素源を組み合わせて
用いることもできる。
【0037】培地に用いる炭素源の正確な量は、培地中
の他の成分にもよるが、通常、培地量の 1−10重量
%で変量する。好適には 7−9重量%であり、最適に
は8重量%である。
の他の成分にもよるが、通常、培地量の 1−10重量
%で変量する。好適には 7−9重量%であり、最適に
は8重量%である。
【0038】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム等である。いろいろの窒素源は、0.1−6重量%
の範囲で用いる。好適には2−4重量%であり、最適に
は 3重量%である。
物質を発酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実粉、カゼイン加水分解物、
ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプト
ン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキ
ス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム等である。いろいろの窒素源は、0.1−6重量%
の範囲で用いる。好適には2−4重量%であり、最適に
は 3重量%である。
【0039】炭素源および窒素源は、一般に組み合わせ
て用いるが、純粋な形態である必要がない。微量の生育
因子、ビタミンおよび鉱物栄養を含むより純度の低いも
のをもちいてもよい。また、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェー
ト、サルフェート、クロライド、カーボネート等のイオ
ンを得ることの出来る通常の塩類を培地中に加えてもよ
い。また、菌の資化しうる硫黄化合物を培地に添加する
と、目的物の生成量が増大する場合がある。例えば、硫
酸亜鉛、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウムのよう
な硫酸塩、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、
亜硫酸アンモニウムのような亜硫酸塩等の無機硫黄化合
物;シスチン、システィン、L−チアゾリジン−4−カ
ルボン酸のような含硫アミノ酸、ヒポタウリン、グルタ
チオンのような含硫ペプチド等の有機硫黄化合物 硫酸
第一鉄、硫酸銅のような重金属類、ビタミンB1 、ビオ
チンのようなビタミン類、サイアミンのような菌体増殖
促進物質等も必要に応じて添加してもよい。また、マン
ガン、鉄、モリブデン、亜鉛、その他の微量金属が含ま
れる。更に必要ならば、特に、栄養培地がかなり泡立つ
ならば、シリコンオイル、ポリアルキレングリコールエ
ーテル、植物油、動物油、界面活性剤のような消泡剤を
培地に添加しても良い(特に、液体培養に際しては、好
適である)。SANK 22295株を培養し d10
67331を生産する培地の pHは、5.0−8.0
に変化させることが出来る。好ましくはpHは、7前後
である。
て用いるが、純粋な形態である必要がない。微量の生育
因子、ビタミンおよび鉱物栄養を含むより純度の低いも
のをもちいてもよい。また、ナトリウム、カリウム、マ
グネシウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェー
ト、サルフェート、クロライド、カーボネート等のイオ
ンを得ることの出来る通常の塩類を培地中に加えてもよ
い。また、菌の資化しうる硫黄化合物を培地に添加する
と、目的物の生成量が増大する場合がある。例えば、硫
酸亜鉛、硫酸銅、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウムのよう
な硫酸塩、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、
亜硫酸アンモニウムのような亜硫酸塩等の無機硫黄化合
物;シスチン、システィン、L−チアゾリジン−4−カ
ルボン酸のような含硫アミノ酸、ヒポタウリン、グルタ
チオンのような含硫ペプチド等の有機硫黄化合物 硫酸
第一鉄、硫酸銅のような重金属類、ビタミンB1 、ビオ
チンのようなビタミン類、サイアミンのような菌体増殖
促進物質等も必要に応じて添加してもよい。また、マン
ガン、鉄、モリブデン、亜鉛、その他の微量金属が含ま
れる。更に必要ならば、特に、栄養培地がかなり泡立つ
ならば、シリコンオイル、ポリアルキレングリコールエ
ーテル、植物油、動物油、界面活性剤のような消泡剤を
培地に添加しても良い(特に、液体培養に際しては、好
適である)。SANK 22295株を培養し d10
67331を生産する培地の pHは、5.0−8.0
に変化させることが出来る。好ましくはpHは、7前後
である。
【0040】菌の生育温度は 4℃ から 32℃ ま
でであるが 20℃ から 30℃の範囲が生育良好で
あり、 更に d1067331の生産には、23℃ 付
近が好適である。
でであるが 20℃ から 30℃の範囲が生育良好で
あり、 更に d1067331の生産には、23℃ 付
近が好適である。
【0041】培養方法としては、特に制限はなく、微生
物一般に用いられる培養法であればよく、撹拌培養法、
振とう培養法、通気培養法などを使用することができ
る。好適には、好気的な液体培養法である撹拌培養法、
振とう培養法、または通気培養法であり、更に好適に
は、振とう培養法である。なお、工業的には、通気撹拌
培養法が好適である。
物一般に用いられる培養法であればよく、撹拌培養法、
振とう培養法、通気培養法などを使用することができ
る。好適には、好気的な液体培養法である撹拌培養法、
振とう培養法、または通気培養法であり、更に好適に
は、振とう培養法である。なお、工業的には、通気撹拌
培養法が好適である。
【0042】小規模な培養においては、20℃ から
26℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養
は三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により
開始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を
併用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で
23℃、1乃至3日間振とうするか、または充分に成長
するまで振とうする。成長した種は第二の種培地、また
は生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用
いる場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培
地に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフ
ラスコを一定温度で 1乃至3日間、または生産量が最
大に達するまで振とうし、インキュベーションが終わっ
たらフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
26℃で数日間振とう培養を行うのが良好である。培養
は三角フラスコ中で、1ー2段階の種の発育工程により
開始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を
併用出来る。種フラスコは定温インキュベーター中で
23℃、1乃至3日間振とうするか、または充分に成長
するまで振とうする。成長した種は第二の種培地、また
は生産培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用
いる場合には、本質的に同様の方法で成長させ、生産培
地に接種するためにそれを部分的に用いる。接種したフ
ラスコを一定温度で 1乃至3日間、または生産量が最
大に達するまで振とうし、インキュベーションが終わっ
たらフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0043】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は
20℃乃至 26℃で通気撹拌して行う。この方法は、
多量の化合物を得るのに適している。
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成出来る。栄養培
地を125℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地
にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は
20℃乃至 26℃で通気撹拌して行う。この方法は、
多量の化合物を得るのに適している。
【0044】培養の経過に伴って生産される d106
7331の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて測定することが出来る。通常は、振とう培養
法で5日間から8日間の培養で d1067331の生
産量は最高値に達する。
7331の量の経時変化は、高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて測定することが出来る。通常は、振とう培養
法で5日間から8日間の培養で d1067331の生
産量は最高値に達する。
【0045】培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体
内に存在する d1067331は、培養液と同容量程
度のアセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニ
トリル類のような有機溶媒を添加し、混合することによ
り抽出する。抽出液中に存在する菌体、その他の固形部
分を珪藻土をろ過助剤とする、ろ過操作または遠心分離
によって分別し、そのろ液または上清中および菌体中に
存在する d1067331を、5α−還元酵素阻害活
性を指標にしてその物理化学的性状を利用し抽出精製す
ることにより得られる。例えば、ろ液または上清中に存
在する d1067331は、最初に濃縮操作で混在す
る有機溶媒を除去した後、中性または酸性 pH条件下
で水と混和しない有機溶剤、例えばブタノールなどのア
ルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸
エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化エチレ
ン、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類を用いて
単独または、それらの組み合わせにより抽出精製するこ
とができる。
内に存在する d1067331は、培養液と同容量程
度のアセトンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニ
トリル類のような有機溶媒を添加し、混合することによ
り抽出する。抽出液中に存在する菌体、その他の固形部
分を珪藻土をろ過助剤とする、ろ過操作または遠心分離
によって分別し、そのろ液または上清中および菌体中に
存在する d1067331を、5α−還元酵素阻害活
性を指標にしてその物理化学的性状を利用し抽出精製す
ることにより得られる。例えば、ろ液または上清中に存
在する d1067331は、最初に濃縮操作で混在す
る有機溶媒を除去した後、中性または酸性 pH条件下
で水と混和しない有機溶剤、例えばブタノールなどのア
ルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸
エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化エチレ
ン、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類を用いて
単独または、それらの組み合わせにより抽出精製するこ
とができる。
【0046】あるいは吸着剤として、例えば活性炭また
は吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD
−4 (ローム・アンド・ハース社製) 等や、ダイアイオ
ンHP−10、HP−20、CHP−20P、HP−5
0(三菱化成(株) 社製) 等が使用される。 d106
7331を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させ
て不純物を吸着させて取り除くか、または d1067
331を吸着させた後、アセトン水などの含水ケトン
類、メタノール水、ブタノール水などの含水メタノール
類を用いて溶出させることにより得られる。また、菌体
内に存在するd1067331は、50−90% 含水
アセトンなどの含水ケトン類または含水メタノール類な
どの含水アルコール類により抽出し、次いで有機溶剤を
除去した後、ろ液と同様な抽出精製操作を行なうことに
より得られる。
は吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD
−4 (ローム・アンド・ハース社製) 等や、ダイアイオ
ンHP−10、HP−20、CHP−20P、HP−5
0(三菱化成(株) 社製) 等が使用される。 d106
7331を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させ
て不純物を吸着させて取り除くか、または d1067
331を吸着させた後、アセトン水などの含水ケトン
類、メタノール水、ブタノール水などの含水メタノール
類を用いて溶出させることにより得られる。また、菌体
内に存在するd1067331は、50−90% 含水
アセトンなどの含水ケトン類または含水メタノール類な
どの含水アルコール類により抽出し、次いで有機溶剤を
除去した後、ろ液と同様な抽出精製操作を行なうことに
より得られる。
【0047】このようにして得られた d106733
1は、更にシリカゲル、マグネシウムーシリカゲル系の
フロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグ
ラフィー、 セファデックス LH−20(ファルマシ
ア社製) などを用いた分配カラムクロマトグラフィー、
セファデックス G−25(ファルマシア社製) などを
用いたゲルろ過クロマトグラフィー、および順相、逆相
カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製す
ることが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または
適宜組み合わせ反復用いることによりd1067331
を分離精製することができる。
1は、更にシリカゲル、マグネシウムーシリカゲル系の
フロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグ
ラフィー、 セファデックス LH−20(ファルマシ
ア社製) などを用いた分配カラムクロマトグラフィー、
セファデックス G−25(ファルマシア社製) などを
用いたゲルろ過クロマトグラフィー、および順相、逆相
カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製す
ることが出来る。以上の分離、精製の手段を単独または
適宜組み合わせ反復用いることによりd1067331
を分離精製することができる。
【0048】本発明の d1067331は、文献未載
の新規化合物であり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウ
サギ等) において、5α−還元酵素阻害作用を示すこと
から、5α−還元酵素阻害化合物、例えば前立腺肥大症
の予防薬または治療薬、として有用である。
の新規化合物であり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウ
サギ等) において、5α−還元酵素阻害作用を示すこと
から、5α−還元酵素阻害化合物、例えば前立腺肥大症
の予防薬または治療薬、として有用である。
【0049】本発明の d1067331を5α−還元
酵素阻害化合物、例えば前立腺肥大症の予防薬または治
療薬として用いる場合、種々の形態で投与される。その
投与形態としては特に限定はなく、各種製剤形態、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定
される。例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ
剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場
合には経口投与される。また注射剤の場合には単独であ
るいはぶどう糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静
脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
酵素阻害化合物、例えば前立腺肥大症の予防薬または治
療薬として用いる場合、種々の形態で投与される。その
投与形態としては特に限定はなく、各種製剤形態、患者
の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じて決定
される。例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロップ
剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場
合には経口投与される。また注射剤の場合には単独であ
るいはぶどう糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静
脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
【0050】これらの各種製剤は、常法に従って主薬に
賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶解剤、矯味矯臭、
コーティング剤等既知の医薬製剤分野において通常使用
しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶解剤、矯味矯臭、
コーティング剤等既知の医薬製剤分野において通常使用
しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0051】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉、
炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等
の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロッ
プ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメ
チルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸
カリウム、ポリビニルピロリドン糖の結合剤、乾燥澱
粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等
の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加
油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル
硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の
保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイ
ド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、
硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示で
きる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉、
炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等
の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロッ
プ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメ
チルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸
カリウム、ポリビニルピロリドン糖の結合剤、乾燥澱
粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナ
トリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等
の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加
油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル
硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の
保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイ
ド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、
硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示で
きる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。
【0052】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリ
ン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント
末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカン
テン等の崩壊剤等が例示できる。坐剤の形態に成形する
に際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広
く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ
脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼ
ラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリ
ン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント
末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカン
テン等の崩壊剤等が例示できる。坐剤の形態に成形する
に際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広
く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ
脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼ
ラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。
【0053】注射剤として調製される場合には、液剤お
よび懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ま
しく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形する
に際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されて
いるものを全て使用でき、例えば水、エチルアルコー
ル、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリル
アルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙
げることができる。なお、この場合、等張性の溶液を調
製するに十分な量の食塩、ぶどう糖、あるいはグリセリ
ンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解
補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
よび懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ま
しく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形する
に際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されて
いるものを全て使用でき、例えば水、エチルアルコー
ル、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリル
アルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙
げることができる。なお、この場合、等張性の溶液を調
製するに十分な量の食塩、ぶどう糖、あるいはグリセリ
ンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解
補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0054】更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、
風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよい。
風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよい。
【0055】上記医薬製剤中に含まれる有効成分化合物
の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通
常全組成物中1−70重量%、好ましくは1−30重量
%含まれる量とするのが適当である。
の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通
常全組成物中1−70重量%、好ましくは1−30重量
%含まれる量とするのが適当である。
【0056】その投与量は症状、年齢、体重、投与方法
および剤形等によって異なるが通常は成人に対して1
日、上限として2、000mg(好ましくは200m
g、更に好ましくは20mg)であり、下限として0.
001mg(好ましくは0.01mg、更に好ましくは
0.1mg)を投与することができる。
および剤形等によって異なるが通常は成人に対して1
日、上限として2、000mg(好ましくは200m
g、更に好ましくは20mg)であり、下限として0.
001mg(好ましくは0.01mg、更に好ましくは
0.1mg)を投与することができる。
【0057】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】実施例1 d1067331 (1) 培養 SANK 22295株を、下記の組成の前培養培地
100mlを含む500mlの三角フラスコ(種フラス
コ)に接種した。次いでこれを28℃で5日間、210
rpmのロータリー振盪機で前培養を行った。
100mlを含む500mlの三角フラスコ(種フラス
コ)に接種した。次いでこれを28℃で5日間、210
rpmのロータリー振盪機で前培養を行った。
【0059】
【表1】 前培養培地組成 グリセロール 50 g ジャガイモ 20 g イーストエキストラクト 5 g マルトエキストラクト 5 g 水道水 1000 ml ──────────────────────── (pH 無調整)。
【0060】本培養は次のように行った。即ち、滅菌し
た上記の培地組成で、100mlを含む 500mlの
三角フラスコ50本に種培養液1mlを入れ、28℃で
7日間、210rpmのロータリー振盪機で培養を行っ
た。
た上記の培地組成で、100mlを含む 500mlの
三角フラスコ50本に種培養液1mlを入れ、28℃で
7日間、210rpmのロータリー振盪機で培養を行っ
た。
【0061】(2) 単離 三角フラスコ50本分の培養液を吸引ろ過した。得られ
た菌体に80%アセトンを 3.0リットル加え、抽出
した。抽出液を吸引ろ過して、アセトンを除去した。こ
の作業を2回繰り返し、得られた水溶液をpH 3に調
整し等量の酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和
食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで脱水し、
ろ過後、溶剤を留去すると、 5.7gの茶褐色の抽出
物が得られた。この抽出物にアセトンを加えて溶解し、
400mlのHP−20カラムクロマトグラフィーに付
した。このカラムをそれぞれ 800mlの水、40%
含水アセトン、60%含水アセトンで洗浄し、80%ア
セトンで溶出した。5α−還元酵素阻害活性の認められ
た画分を濃縮したところ、1.6gの茶褐色の物質を得
た。これを再び、アセトニトリルに溶解し、140ml
のコスモシルカラムクロマトグラフィーに付し、60%
含水アセトンで溶出したところ活性の認められた 7
1.7mgの分画を得た。この物質をメタノールに溶解
し高速液体クロマトグラフィー(Senshu PEG
ASIL ODS 20φ×250mm,70%アセト
ニトリル)に付した。分取した画分を更に高速液体クロ
マトグラフィー(Senshu PEGASIL OD
S 10φ×250mm,60%アセトニトリル)に付
すと、 d1067331 1.7mgが得られた。
た菌体に80%アセトンを 3.0リットル加え、抽出
した。抽出液を吸引ろ過して、アセトンを除去した。こ
の作業を2回繰り返し、得られた水溶液をpH 3に調
整し等量の酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和
食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで脱水し、
ろ過後、溶剤を留去すると、 5.7gの茶褐色の抽出
物が得られた。この抽出物にアセトンを加えて溶解し、
400mlのHP−20カラムクロマトグラフィーに付
した。このカラムをそれぞれ 800mlの水、40%
含水アセトン、60%含水アセトンで洗浄し、80%ア
セトンで溶出した。5α−還元酵素阻害活性の認められ
た画分を濃縮したところ、1.6gの茶褐色の物質を得
た。これを再び、アセトニトリルに溶解し、140ml
のコスモシルカラムクロマトグラフィーに付し、60%
含水アセトンで溶出したところ活性の認められた 7
1.7mgの分画を得た。この物質をメタノールに溶解
し高速液体クロマトグラフィー(Senshu PEG
ASIL ODS 20φ×250mm,70%アセト
ニトリル)に付した。分取した画分を更に高速液体クロ
マトグラフィー(Senshu PEGASIL OD
S 10φ×250mm,60%アセトニトリル)に付
すと、 d1067331 1.7mgが得られた。
【0062】
【試験例】次に、 d1067331の5α−還元酵素
阻害作用について述べる。
阻害作用について述べる。
【0063】試験例 1 (1)ラット前立腺からの5α−還元酵素の調製 5α−還元酵素の調製はリアングらの方法(Endocrinol
ogy, 117巻、 571−579頁(1985 年) )に
準じて行った。即ち、成熟雄ラット(350−400
g:Spague−Dawley) の前立腺腹葉をはさ
みで小片に細切後、組織の約3倍量の緩衝液(0.33
Mシュクロース、1mMジチオスレイトール、50mM
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェートー
還元体(NADPH)、0.001%フェニルメチルス
ルホニルフルオライド(PMSF)を含む 20mMリ
ン酸カリウム緩衝液 (pH 7.4) を加え、まずポリ
トロン(KINEMATICA Gmb)で、次いでテ
フロンーガラスホモジナイザーでホモジナイズした。得
られたホモジネートを遠心分離 (100、000×g、
60分) し、沈殿物を上記緩衝液に懸濁し、再び同条件
で遠心分離して洗浄した。この沈殿物をラット5α−還
元酵素とし、上記緩衝液を加えて、蛋白量を約 20m
g/mlに調製後、−80℃で凍結保存した。
ogy, 117巻、 571−579頁(1985 年) )に
準じて行った。即ち、成熟雄ラット(350−400
g:Spague−Dawley) の前立腺腹葉をはさ
みで小片に細切後、組織の約3倍量の緩衝液(0.33
Mシュクロース、1mMジチオスレイトール、50mM
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェートー
還元体(NADPH)、0.001%フェニルメチルス
ルホニルフルオライド(PMSF)を含む 20mMリ
ン酸カリウム緩衝液 (pH 7.4) を加え、まずポリ
トロン(KINEMATICA Gmb)で、次いでテ
フロンーガラスホモジナイザーでホモジナイズした。得
られたホモジネートを遠心分離 (100、000×g、
60分) し、沈殿物を上記緩衝液に懸濁し、再び同条件
で遠心分離して洗浄した。この沈殿物をラット5α−還
元酵素とし、上記緩衝液を加えて、蛋白量を約 20m
g/mlに調製後、−80℃で凍結保存した。
【0064】(2)ラットの5α−還元酵素阻害試験 5α−還元酵素阻害試験はリアングらの方法(Endocrin
ology, 117巻、 571-579 頁(1985 年) )に準じて行っ
た。即ち、ラットの5α−還元酵素(蛋白量 200μ
g) 、2μM[14C]テストステロン、1mMジチオス
レイトール、1.5mM NADPHを含む 40mM
リン酸カリウム緩衝液 (pH 7.0) にジメチルスル
ホキシド(場合によってはエタノールを用いて)に溶解
した検体2ml(対照群には溶媒のみ)を加え、総液量
が 100μlになるように調製した後、37℃で25
分間ー40分間インキュベートした。その後、 100
mlのエタノールを加えて反応を停止し、この反応液の
うちの 25μlを薄層クロマトプレート(LK6DF
silica plate、Whatman社製)に
スポットし、酢酸エチル−シクロヘキサン(1:1)混
合液で室温中で2度展開した。薄層クロマトプレート上
の放射活性はバイオイメージアナライザー(富士写真フ
ィルム(株)社製)を用いて測定した。ラットの5α−
還元酵素活性は、加えた[14C]テストステロンのう
ち、[14C]5α−ジヒドロテストステロンとなった割
合(変換率(%)) で表し、検体の5α−還元酵素阻害
活性は次式を用いて求めた。
ology, 117巻、 571-579 頁(1985 年) )に準じて行っ
た。即ち、ラットの5α−還元酵素(蛋白量 200μ
g) 、2μM[14C]テストステロン、1mMジチオス
レイトール、1.5mM NADPHを含む 40mM
リン酸カリウム緩衝液 (pH 7.0) にジメチルスル
ホキシド(場合によってはエタノールを用いて)に溶解
した検体2ml(対照群には溶媒のみ)を加え、総液量
が 100μlになるように調製した後、37℃で25
分間ー40分間インキュベートした。その後、 100
mlのエタノールを加えて反応を停止し、この反応液の
うちの 25μlを薄層クロマトプレート(LK6DF
silica plate、Whatman社製)に
スポットし、酢酸エチル−シクロヘキサン(1:1)混
合液で室温中で2度展開した。薄層クロマトプレート上
の放射活性はバイオイメージアナライザー(富士写真フ
ィルム(株)社製)を用いて測定した。ラットの5α−
還元酵素活性は、加えた[14C]テストステロンのう
ち、[14C]5α−ジヒドロテストステロンとなった割
合(変換率(%)) で表し、検体の5α−還元酵素阻害
活性は次式を用いて求めた。
【0065】検体の5α−還元酵素阻害活性={1ー
(検体添加群の変換率/(対照群の変換率)}x 100
(%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求め
た。
(検体添加群の変換率/(対照群の変換率)}x 100
(%) 更に、検体の濃度を変えて上式を用いて阻害活性(%)
を求め、その値から50%阻害濃度(IC50)を求め
た。
【0066】d1067331の5α−還元酵素阻害活
性(IC50)は5.86mg/mlであった。
性(IC50)は5.86mg/mlであった。
【0067】
【製剤例】次に、製剤例をあげる。製剤例1 経口用カプセル剤
【0068】
【表2】 処方 d1067331 30 mg 乳糖 170 mg トウモロコシ澱粉 150 mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg ─────────────────────────── 352 mg 上記処方の粉末を混合し、30メッシュのふるいを通し
た後、この粉末352mgをゼラチンカプセルに入れ、
カプセル剤とする。
た後、この粉末352mgをゼラチンカプセルに入れ、
カプセル剤とする。
【0069】
【発明の効果】本発明の d1067331は5α−還
元酵素阻害作用を有し、前立腺肥大症の予防薬または治
療薬などの医薬として有用である。
元酵素阻害作用を有し、前立腺肥大症の予防薬または治
療薬などの医薬として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:66) (72)発明者 浜田 孝和 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 細矢 剛 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内
Claims (7)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 を有するd1067331またはその塩。
- 【請求項2】下記の性状を有するd1067331: 1)物質の性状: 淡白色粉末 2)分子式: C28H40O3 (高分解能マススペクトル
法により測定) 3)分子量: 424(質量分析法により測定) 4)赤外線吸収スペクトル:νmax cm-1 液膜中で測定した赤外線吸収スペクトルは、次に示す通
りである。 2970, 1650, 1640, 1590, 1050, 1030 5)1 H−核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(360 MHz) は、以下の
通りである。 6.31 (1H, d, J=9.4 Hz), 5.95 (1H, s), 5.82 (1H,
d, J=9.6 Hz),5.27 (1H, dd, J=15.2, 8.0 Hz), 5.19
(1H, dd, J=15.2, 8.2 Hz),3.80 (1H, dd, J=10.4, 7.2
Hz), 3.66 (1H, dd, J=10.4, 5.4 Hz),2.40 (1H, m),
2.40 (1H, m), 2.19 (1H, m), 2.16 (1H, m),2.16
(1H, m), 2.01 (1H, m), 2.01 (1H, m), 1.93 (1H,
m),1.83 (1H, m), 1.62 (1H, m), 1.56 (1H, m), 1.
44 (1H, m),1.31 (1H, m), 1.31 (1H, m), 1.21 (1H,
m), 1.14 (3H, s),1.13 (3H, s), 1.04 (1H, m),
0.98 (3H, d, J=6.7), 0.79 (3H, s),0.77 (3H, s)。 6)13Cー核磁気共鳴スペクトル:(δ:ppm) 重ベンゼン中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(90 MHz)は、以下の通
りである。 197.6 (s), 162.7 (s), 154.5 (s), 140.1(d), 13
3.2 (d),126.7 (d), 125.7 (d), 125.4 (s), 124.5
(d), 73.3 (s),64.9 (t), 55.9 (d), 55.5 (d),
45.0 (d), 44.3 (s),40.1 (d), 37.1 (s), 36.4
(t), 34.9 (t), 34.7 (t),30.3 (q), 28.4 (t),
26.6 (q), 25.7 (t), 21.4 (q),19.5 (t), 19.4
(q), 16.9 (q) 。 7)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε) エタノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは、以下
の通りである。 282 (3820), 350 (14950) 8)溶解性:メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
チルスルホキシド、ベンゼン、クロロホルム、ジエチル
エーテル、酢酸エチルに可溶。水に不溶。 9)呈色反応:硫酸、ヨードに陽性。 10)薄層クロマトグラフィー: Rf値 ; 0.15 吸着剤 ; 逆相プレート(RP−18 F254、メ
ルク社製) 展開溶媒; メタノールー水=9:1 またはその塩。 - 【請求項3】アスペルギルス属に属するd106733
1生産菌を培養し、その培養物から、d1067331
を採取することからなるd1067331の製法。 - 【請求項4】アスペルギルス属に属するd106733
1生産菌がアスペルギルス テレウス トム SANK
22295株である請求項3記載の製法。 - 【請求項5】d1067331またはその塩からなる医
薬。 - 【請求項6】d1067331またはその塩を有効成分
とする5α−還元酵素阻害化合物。 - 【請求項7】d1067331またはその塩を有効成分
とする前立腺肥大症の予防薬または治療薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010280A JPH09202797A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 5α−還元酵素阻害化合物d1067331 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8010280A JPH09202797A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 5α−還元酵素阻害化合物d1067331 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09202797A true JPH09202797A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11745909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8010280A Pending JPH09202797A (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 5α−還元酵素阻害化合物d1067331 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09202797A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998047888A1 (en) * | 1997-04-18 | 1998-10-29 | Hoechst Marion Roussel Deutschland Gmbh | Kodaistatins a, b, c and d, a process for their production and their use |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP8010280A patent/JPH09202797A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998047888A1 (en) * | 1997-04-18 | 1998-10-29 | Hoechst Marion Roussel Deutschland Gmbh | Kodaistatins a, b, c and d, a process for their production and their use |
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