JPH09220853A - 感圧記録用顕色剤組成物および感圧記録シート - Google Patents

感圧記録用顕色剤組成物および感圧記録シート

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JPH09220853A
JPH09220853A JP8029113A JP2911396A JPH09220853A JP H09220853 A JPH09220853 A JP H09220853A JP 8029113 A JP8029113 A JP 8029113A JP 2911396 A JP2911396 A JP 2911396A JP H09220853 A JPH09220853 A JP H09220853A
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acid
pressure
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metal salt
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Application number
JP8029113A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Nakatsuka
正勝 中塚
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 サリチル酸誘導体の多価金属塩を成分と
する顕色剤と、アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩を含
有する感圧記録用顕色剤組成物および該組成物を含む水
分散液を支持体上に塗布して得られる感圧記録シート。 【効果】 発色速度に優れた性能を有する感圧記録用顕
色剤組成物、感圧記録シートを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感圧記録用顕色剤
組成物、および該組成物を含む水分散液を支持体に塗布
して得られる感圧記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、感圧記録シートは、例えば、
電子供与性発色性化合物等を溶解した油性物質を内包す
るカプセルを主成分とするマイクロカプセル組成物を支
持体の片面に塗布した上用シートと、支持体の片面に上
記電子供与性発色性化合物と接触した時に呈色する電子
受容性顕色剤を主成分とする顕色剤組成物を塗布し、反
対面に上記マイクロカプセル組成物を塗布した中用シー
ト、および支持体の片面に上記顕色剤組成物を塗布した
下用シートがあり、一般に、上用シート−下用シート、
あるいは、上用シート−中用シート−下用シートの組み
合わせで使用されている。また、支持体の同一面に上記
のマイクロカプセル組成物と電子受容性顕色剤組成物を
塗布して1枚のシートで複写可能とした単体複写シート
がある。従来より、サリチル酸誘導体、例えば、3,5
−ジ置換サリチル酸誘導体の多価金属塩(例えば、特公
昭51−25174号公報)、あるいはサリチル酸エス
テル類とスチレン類とを反応させて、得られるサリチル
酸エステル樹脂を加水分解した後、多価金属化合物を作
用させて得られるサリチル酸樹脂の多価金属塩(特開平
1−133780号公報)は感圧記録シートの電子受容
性顕色剤として有用であることが知られている。しか
し、これらのサリチル酸誘導体の多価金属塩を電子受容
性顕色剤とする感圧記録シートは、発色速度、特に低温
環境下での発色速度が遅く、実用上充分な発色濃度の画
像を得るのに長時間を要するという難点がある。現在で
は、発色速度が速い感圧記録シートが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、発色
速度に優れた感圧記録用顕色剤組成物、ならびに該組成
物を含む水分散液を塗布して得られる感圧記録シートを
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の要
望にこたえるべく、感圧記録用顕色剤組成物および感圧
記録シートに関し、鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、サリチル酸誘導体の
多価金属塩を成分とする顕色剤と、アセト酢酸アニリド
誘導体の金属塩を含有する感圧記録用顕色剤組成物、ア
セト酢酸アニリド誘導体として一般式(1)(化2)で
表される化合物を用いる前記の顕色剤組成物に関するも
のである。さらには、該顕色剤組成物を含有する水分散
液、および該水分散液を支持体に塗布して得られる感圧
記録シートに関するものである。
【0005】
【化2】 (式中、X1 〜X4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、ニトロ基またはアセトアセチルア
ミノ基を表す)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感圧記録用顕色剤
組成物および感圧記録シートに関して、詳細に説明す
る。本発明に係るサリチル酸誘導体の多価金属塩として
は、好ましくは、例えば、一般式(2)(化3)で表さ
れるサリチル酸誘導体の多価金属塩を挙げることができ
る。
【0007】
【化3】 (式中、R1 〜R4 は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を
表し、また、R1 〜R4 の内、隣接する2つの基が結合
して環を形成してもよい)
【0008】一般式(2)において、R1 〜R4 はそれ
ぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル
基、アリール基またはハロゲン原子を表し、R1 〜R4
のうち、隣接する2つの基が結合して環を形成してもよ
く、好ましくは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基、置換基を有してい
てもよい総炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有
していてもよい総炭素数6〜20のアリール基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子である。
【0009】一般式(2)で表されるサリチル酸誘導体
の多価金属塩の具体例としては、例えば、サリチル酸、
3−メチルサリチル酸、6−エチルサリチル酸、5−イ
ソプロピルサリチル酸、5−sec −ブチルサリチル酸、
5−tert−ブチルサリチル酸、5−tert−アミルサリチ
ル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、5−n−オクチ
ルサリチル酸、5−tert−オクチルサリチル酸、5−イ
ソノニルサリチル酸、3−イソドデシルサリチル酸、5
−イソドデシルサリチル酸、5−イソペンタデシルサリ
チル酸、4−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリチ
ル酸、5−エトキシサリチル酸、6−イソプロポキシサ
リチル酸、4−n−ヘキシルオキシサリチル酸、4−n
−デシルオキシサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル
サリチル酸、3,5−ジ−tert−オクチルサリチル酸、
3,5−ジイソノニルサリチル酸、3,5−ジイソドデ
シルサリチル酸、3−メチル−5−tert−ノニルサリチ
ル酸、3−tert−ブチル−5−イソノニルサリチル酸、
3−イソノニル−5−tert−ブチルサリチル酸、3−イ
ソドデシル−5−tert−ブチルサリチル酸、3−イソノ
ニル−5−tert−アミルサリチル酸、3−イソノニル−
5−tert−オクチルサリチル酸、3−イソノニル−6−
メチルサリチル酸、3−イソドデシル−6−メチルサリ
チル酸、3−sec −オクチル−5−メチルサリチル酸、
3−イソノニル−5−フェニルサリチル酸、3−フェニ
ル−5−イソノニルサリチル酸、
【0010】3−メチル−5−(α−メチルベンジル)
サリチル酸、3−メチル−5−(α,α−ジメチルベン
ジル)サリチル酸、3−イソノニル−5−(α−メチル
ベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−
5−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル
酸、5−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、5−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、4
−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、5−
(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ
(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(α,
α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチル
ベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチ
ル酸、3−(1’,3’−ジフェニルブチル)サリチル
酸、5−(1’,3’−ジフェニルブチル)サリチル
酸、3−〔α−メチル−4’−(α’−メチルベンジ
ル)ベンジル〕サリチル酸、5−〔α−メチル−4’−
(α’−メチルベンジル)ベンジル〕サリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−5−(1’,3’−ジフェニ
ルブチル)サリチル酸、3−(1’,3’−ジフェニル
ブチル)−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3
−フェニルサリチル酸、5−フェニルサリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−5−フェニルサリチル酸、3
−(α,α−ジメチルベンジル)−5−フェニルサリチ
ル酸、3−フェニル−5−(α−メチルベンジル)サリ
チル酸、5−(4’−メチルフェニル)サリチル酸、5
−(4’−メトキシフェニル)サリチル酸、5−フルオ
ロサリチル酸、3−クロロサリチル酸、4−クロロサリ
チル酸、5−クロロサリチル酸、5−ブロモサリチル
酸、3−クロロ−5−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)−5−クロロサリチル
酸等の多価金属塩が挙げられる。
【0011】また、本発明に係る前記以外のサリチル酸
誘導体の多価金属塩として、2−ヒドロキシ−1−ベン
ジル−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−(α,α
−ジメチルベンジル)−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキ
シ−7−(α,α−ジメチルベンジル)−2−ナフトエ
酸、さらには、例えば、特開昭62−19486号公報
記載のカルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、特開昭
63−112537号公報、特開昭63−186729
号公報、特開平1−133780号公報等に記載のポリ
スチレン化サリチル酸樹脂誘導体、特開平2−1608
15号公報記載のポリベンジル化スチレン化サリチル酸
樹脂誘導体等の多価金属塩が挙げられる。
【0012】尚、上記のサリチル酸誘導体において、イ
ソノニル基、イソドデシル基、イソペンタデシル基と
は、それぞれプロピレン3量体、プロピレン4量体また
は1−ブテン3量体、プロピレン5量体が付加して生じ
た置換基の総称である。上記のサリチル酸誘導体の一部
は市販されており、また、例えば、フェノール誘導体か
らコルベ−シュミット反応で得ることができる。多価金
属の具体例としては、例えば、マグネシウム、亜鉛、ニ
ッケル、アルミニウム、カルシウムを挙げることがで
き、特に亜鉛が好ましい。これらのサリチル酸誘導体の
多価金属塩は、単独で使用しても、あるいは複数併用し
てもよい。さらには、複数種のサリチル酸誘導体を用い
て多価金属塩化した混合サリチル酸誘導体の多価金属塩
でもよい。
【0013】本発明に係るサリチル酸誘導体の多価金属
塩の製造方法としては、特に限定されるものではなく、
公知の方法を適用できる。例えば、1種以上のサリチル
酸誘導体と多価金属化合物(例えば、多価金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、有機カルボン酸塩)
とを溶融させて製造する方法(溶融法)、あるいは1種
以上のサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩あ
るいはアンモニウム塩などの水可溶性のサリチル酸誘導
体の塩と、水可溶性の多価金属化合物(例えば、硫酸亜
鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、
塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ニ
ッケル、塩化アルミニウム等の塩化物、酢酸亜鉛等の酢
酸塩)とを、水存在下、作用させて製造する方法(複分
解法)が適用できる。
【0014】本発明に係る顕色剤は、サリチル酸誘導体
の多価金属塩を成分とするものであるが、所望により公
知の顕色剤(例えば、酸性白土、活性白土、アタパルガ
イト、ベントナイト等の酸性粘土鉱物、フェノール類−
ホルムアルデヒド縮合物、フェノール類−サリチル酸類
−ホルムアルデヒド縮合物、またはこれら縮合物の多価
金属塩等)と併用してもよい。顕色剤中、サリチル酸誘
導体の多価金属塩の割合は、一般に、60重量%以上と
なるように調製するのが好ましく、より好ましくは、8
0重量%以上となるように調製する。
【0015】本発明に係るアセト酢酸アニリド誘導体と
しては、好ましくは、例えば、前記一般式(1)で表さ
れる化合物を挙げることができる。一般式(1)で表さ
れる化合物において、X1 〜X4 は水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基またはアセ
トアセチルアミノ基を表し、好ましくは、水素原子、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜8のアルキ
ル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ニトロ基またはア
セトアセチルアミノ基であり、より好ましくは、水素原
子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基またはアセ
トアセチルアミノ基であり、特に好ましくは、水素原
子、塩素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、ニ
トロ基またはアセトアセチルアミノ基である。
【0016】アセト酢酸アニリド誘導体の具体例として
は、例えば、アセト酢酸アニリド、2’−メチルアセト
酢酸アニリド、3’−メチルアセト酢酸アニリド、4’
−メチルアセト酢酸アニリド、2’−エチルアセト酢酸
アニリド、4’−エチルアセト酢酸アニリド、4’−te
rt−ブチルアセト酢酸アニリド、4’−n−ヘキシルア
セト酢酸アニリド、4’−tert−オクチルアセト酢酸ア
ニリド、2’,4’−ジメチルアセト酢酸アニリド、
2’−メトキシアセト酢酸アニリド、3’−メトキシア
セト酢酸アニリド、4’−メトキシアセト酢酸アニリ
ド、2’−エトキシアセト酢酸アニリド、4’−エトキ
シアセト酢酸アニリド、4’−n−プロポキシアセト酢
酸アニリド、4’−n−ブトキシアセト酢酸アニリド、
4’−n−ヘキシルオキシアセト酢酸アニリド、4’−
n−オクチルオキシアセト酢酸アニリド、2’,4’−
ジメトキシアセト酢酸アニリド、2’,5’−ジメトキ
シアセト酢酸アニリド、2’−メトキシ−5’−メチル
アセト酢酸アニリド、
【0017】2’−フルオロアセト酢酸アニリド、4’
−フルオロアセト酢酸アニリド、2’−クロロアセト酢
酸アニリド、3’−クロロアセト酢酸アニリド、4’−
クロロアセト酢酸アニリド、4’−ブロモアセト酢酸ア
ニリド、2’,4’−ジクロロアセト酢酸アニリド、
2’,5’−ジクロロアセト酢酸アニリド、2’−クロ
ロ−4’−メチルアセト酢酸アニリド、5’−クロロ−
2’−メトキシアセト酢酸アニリド、5’−クロロ−
2’,4’−ジメトキシアセト酢酸アニリド、4’−ク
ロロ−2’,5’−ジメトキシアセト酢酸アニリド、
4’−クロロ−2’,5’−ジエトキシアセト酢酸アニ
リド、2’−ニトロアセト酢酸アニリド、3’−ニトロ
アセト酢酸アニリド、4’−ニトロアセト酢酸アニリ
ド、2’−メトキシ−4’−ニトロアセト酢酸アニリ
ド、4’−メトキシ−2’−ニトロアセト酢酸アニリ
ド、1,3−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼン、
1,4−ビス(アセトアセチルアミノ)ベンゼン等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。アセト酢酸アニリド誘導体は、一部の化合物に関し
ては市販されており、また公知の方法により製造するこ
とができる。すなわち、アニリン誘導体に、ジケテンを
作用させることにより製造することができる。
【0018】アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩におい
て、金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム
などの1価の金属塩を包含するものではあるが、より好
ましくは、多価金属塩であり、さらに好ましくは、2
価、3価あるいは4価の金属塩であり、特に好ましく
は、2価の金属塩である。多価金属塩の具体例として
は、例えば、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウ
ム、ニッケル、スズ、銅、鉛、モリブデン、タングステ
ン、モリブデン、ジルコニウム、ストロンチウム、マン
ガン、コバルト、チタン、アルミニウム、鉄の塩を挙げ
ることができる。好ましくは、亜鉛、マグネシウム、カ
ルシウム、バリウム、ニッケル、マンガン、コバルト、
アルミニウムの塩であり、より好ましくは、亜鉛、マグ
ネシウム、カルシウムの塩であり、特に好ましくは、亜
鉛の塩である。
【0019】また、本発明に係るアセト酢酸アニリド誘
導体の金属塩、例えば、1価のナトリウム、カリウム、
リチウム塩などのアルカリ金属塩は、通常、アセト酢酸
アニリド誘導体1当量に対し、0.8〜1.2当量、好
ましくは、1.0〜1.1当量の水酸化アルカリ金属化
合物、炭酸アルカリ金属化合物、炭酸水素アルカリ金属
化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウムなど)を水の存在下で作用させて製造す
ることができる。また、アセト酢酸アニリド誘導体の金
属塩において、多価金属塩は、通常、水の存在下でアセ
ト酢酸アニリド誘導体のアルカリ金属塩1当量に対し、
0.8〜1.5当量、好ましくは、1.0〜1.2当量
の多価金属化合物を作用させることにより製造すること
ができる。尚、この場合の当量とは、アセト酢酸アニリ
ド誘導体のアルカリ金属塩1モルに対し、多価金属化合
物が、例えば、2価の金属化合物(例えば、硫酸亜鉛)
の場合には、0.5モルの2価の金属化合物が1当量に
相当するものである。この際、所望に応じて加熱を行っ
たり、あるいは有機溶媒を共存させてもよい。
【0020】尚、アセト酢酸アニリド誘導体のアルカリ
金属塩の水溶液としては、複数の異なるアセト酢酸アニ
リド誘導体のアルカリ金属塩の水溶液を用いてもよく、
例えば、アセト酢酸アニリドと4’−メチルアセト酢酸
アニリドのそれぞれのアルカリ金属塩水溶液の混合水溶
液を用いて調製された多価金属塩も本発明の感圧記録用
顕色剤組成物に使用することができる。多価金属化合物
の具体例としては、例えば、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、塩化亜鉛、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ニッケ
ル、塩化コバルト、塩化アルミニウム、臭化亜鉛等のハ
ロゲン化物、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等の酢酸塩、硝酸
亜鉛等の硝酸塩等を挙げることができる。多価金属化合
物は、単独で使用してもよく、または複数併用してもよ
い。また、アセト酢酸アニリド誘導体の多価金属塩は、
アセト酢酸アニリド誘導体を、水の存在下、水に難溶性
または水に不溶性の多価金属化合物(例えば、炭酸亜
鉛、酸化亜鉛、ほう酸亜鉛)とを、所望により分散剤の
共存下で、粉砕(湿式粉砕)する方法によっても製造す
ることができる。
【0021】上述のように製造されるアセト酢酸アニリ
ド誘導体の金属塩は、製造条件や、アセト酢酸アニリド
誘導体の種類あるいは金属の種類によって、時として水
和物等の溶媒和物を形成することがあるが、該溶媒和物
も本発明の感圧記録用顕色剤組成物に好適に使用しうる
ものである。勿論、公知の方法(例えば、乾燥)によ
り、該溶媒和物より、水などの溶媒を除いたアセト酢酸
アニリド誘導体の金属塩を製造することもできる。勿
論、該アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩の無溶媒和物
も本発明の感圧記録用顕色剤組成物に使用できる。本発
明の感圧記録用顕色剤組成物においては、アセト酢酸ア
ニリド誘導体の金属塩は、単独で使用してもよく、ある
いは複数併用してもよい。
【0022】本発明の感圧記録用顕色剤組成物は、サリ
チル酸誘導体の多価金属塩を成分とする顕色剤と、アセ
ト酢酸アニリド誘導体の金属塩を含有する顕色剤組成物
であり、その組成は特に限定されるものではないが、通
常、サリチル酸誘導体の多価金属塩を含む顕色剤100
重量部に対して、アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩は
1〜100重量部程度、より好ましくは、3〜50重量
部程度である。また、本発明の感圧記録用顕色剤組成物
には、サリチル酸誘導体の多価金属塩を成分とする顕色
剤と、アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩の他に、さら
に、スチレン誘導体のオリゴマー、好ましくは、スチレ
ン誘導体の2量体〜20量体程度のオリゴマーを含有さ
せることは、低温環境下での発色速度が一層向上した顕
色剤組成物を得ることができ好ましい場合がある。尚、
該オリゴマーは、鎖状オリゴマー(例えば、スチレンの
鎖状2量体である1,3−ジフェニル−1−ブテン)、
または、環状オリゴマー(例えば、スチレンの環状2量
体である1−メチル−3−フェニルインダン)でもよ
く、さらにはこれらの混合物でもよい。この場合、スチ
レン誘導体のオリゴマーの量は、アセト酢酸アニリド誘
導体の金属塩100重量部に対し、1000重量部程度
以下、より好ましくは、800重量部程度以下になるよ
うに調製することが好ましい。
【0023】本発明の感圧記録用顕色剤組成物は、通
常、水分散液として用いられ、支持体上に塗布され、顕
色剤層を形成する。調製方法としては、サリチル酸誘導
体の多価金属塩を含む顕色剤およびアセト酢酸アニリド
誘導体の金属塩を、水媒体中で、一緒に分散処理する方
法、あるいは別々に分散処理した後、混合する方法が適
用でき、例えば、サリチル酸誘導体の多価金属塩を含
む顕色剤およびアセト酢酸アニリド誘導体の金属塩を、
水媒体中で、分散機として、例えば、ボールミル、アト
ライター、サンドグラインダー、ペブルミル、コボルミ
ル、ダイノミル、高速インペラー分散機、高速ストーン
ミル、アニュラーミルなどを用い、粉砕・分散処理し、
水分散液を得る方法、サリチル酸誘導体の多価金属塩
を含む顕色剤およびアセト酢酸アニリド誘導体の金属塩
を、有機溶媒に溶解後、水媒体中で、例えば、超音波分
散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ラインホモミキ
サーなどを用い、乳化分散処理し、有機溶媒を除去し
て、水分散液を得る方法が挙げられる。通常、感圧記録
用顕色剤組成物は、平均粒子径3μm以下、好ましく
は、2μm以下にまで粉砕、分散処理される。
【0024】水媒体中で、分散する際には分散剤を用い
てもよい。用いる分散剤としては、イオン性または非イ
オン性の界面活性剤が好ましく、例えば、ポリビニルア
ルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、シアノ
エチル変性ポリビニルアルコール、エーテル変性ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸、アクリルアミド/アルキルアクリレート共重合体、
ポリスチレンスルフォン酸のアルカリ金属塩、無水マレ
イン酸/イソブチレン共重合体、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン、デンプンおよびその誘導体、カゼイン、アラビ
アゴム、寒天、ゼラチンなどの合成または天然高分子化
合物、アルキルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属
塩、アルキルナフタレンスルフォン酸のアルカリ金属
塩、ジアルキルスルフォコハク酸のアルカリ金属塩、ア
ルキルスルフォン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、多価アルコール脂肪酸エステルなどが
挙げられる。尚、これらの分散剤は単独で使用してもよ
く、あるいは複数併用してもよい。分散剤の使用量は、
特に制限されるものではないが、通常、サリチル酸誘導
体の多価金属塩を含む顕色剤100重量部に対して、1
〜30重量部程度である。
【0025】上記の方法において、使用する有機溶媒
としては、水に対する溶解度が小さく、顕色剤の溶解性
が優れ、且つ比較的沸点が低いものが好ましい。係る有
機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレンなどの炭化
水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラク
ロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−
トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、m−クロロ
トルエン、p−クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水
素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサ
ノールなどのアルコール系溶媒などを挙げることができ
る。これらの有機溶媒は単独で使用してもよく、あるい
は複数併用してもよい。有機溶媒の使用量は、特に制限
するものではないが、通常、サリチル酸誘導体の多価金
属塩を含む顕色剤100重量部に対して、5〜500重
量部程度、より好ましくは、20〜300重量部程度で
ある。
【0026】尚、この場合、乳化分散処理は、有機溶媒
の沸点以下の温度で実施され、大気圧下、あるいは加圧
下で実施される。分散処理後は、有機溶媒を留去し、感
圧記録用顕色剤組成物の水分散液を得る。有機溶媒を留
去する方法としては、大気圧下、あるいは減圧下、有機
溶媒の沸点以上に加熱し有機溶媒を留去することができ
る。このようにして得られる水分散液は、所望に応じ
て、上述の分散機(例えば、サンドグラインダー、アニ
ュラーミル)を用いてさらに分散処理することもでき
る。
【0027】本発明の感圧記録用顕色剤組成物の水分散
液は、上述のようにして得られた感圧記録用顕色剤組成
物の他に、さらに、バインダー、顔料等を含有していて
もよく、その濃度は、固形分濃度で10〜50重量%程
度、好ましくは、20〜40重量%程度である。
【0028】バインダーとしては、特に制限されるもの
ではないが、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、デンプンおよびその誘導体、アラビアゴム、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリ
ル酸、スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス、アク
リル酸エステル系ラテックス等のラテックス類などの合
成または天然高分子化合物が挙げられる。バインダーの
使用量は、特に限定されるものではないが、一般に、水
分散液の全固形分の5〜40重量%程度、好ましくは、
10〜30重量%程度となるように調製する。
【0029】顔料としては、例えば、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、タ
ルク、カオリン、活性白土、ケイソウ土、水酸化亜鉛、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、
シリカ等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロ
ン粒子、尿素−ホルマリン充填剤、ポリエチレン粒子、
セルロース充填剤、デンプン粒子等の有機顔料を挙げる
ことができる。顔料の使用量は、特に限定されるもので
はないが、一般に、水分散液の全固形分の5〜90重量
%程度、好ましくは、10〜80重量%程度となるよう
に調製する。さらに、この水分散液には、所望により、
各種添加剤(例えば、紫外線吸収剤、消泡剤、pH調節
剤、粘度調節剤、可塑剤、有機高分子化合物等)を添加
してもよい。
【0030】このようにして調製された感圧記録用顕色
剤組成物の水分散液は、公知の方法により、例えば、エ
アーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコータ
ー、サイズプレスコーター、カーテンコーター、ショー
ト・ドウェルコーター等の塗布装置により、支持体(例
えば、紙、プラスチックシート、合成紙、あるいはこれ
らを組み合わせた複合シート)上に塗布して、顕色剤層
を形成し、感圧記録シートを作製することができる。支
持体上の顕色剤層の重量(即ち、塗布量)は特に限定さ
れるものではないが、通常、乾燥重量で、0.5g/m
2 以上、好ましくは、0.5〜10g/m2 である。
【0031】本発明の感圧記録シートの形態としては、
特に限定されるものではないが、例えば、 電子供与性発色性化合物とカプセルオイルを含有する
マイクロカプセルをシートの裏面に塗布した上用シート
と組み合わせて使用する下用シート、 複数枚の複写をするために上用シートと下用シートの
中間に挿入する、シートの表面に顕色剤層を、該シート
の裏面にマイクロカプセル層をそれぞれ設けた中用シー
ト、さらには、 シートの同一面にマイクロカプセルと顕色剤の両者を
塗布した単体複写シート等がある。 尚、上記のマイクロカプセルは、電子供与性発色性化合
物をカプセルオイルに溶解し、該溶液を、例えば、コア
セルベーション法、界面重合法、内部重合法、相分離
法、外部重合法等の公知の各種マイクロカプセル化法に
より処理して作製することができる。
【0032】電子供与性発色性化合物としては、例え
ば、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系
化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、フルオラン系
化合物、インドリルフタリド系化合物、ピリジン系化合
物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、フェノチア
ジン系化合物など各種公知の化合物が挙げられる。カプ
セルオイルとしては、例えば、綿実油、ヒマシ油、灯
油、パラフィン、塩素化パラフィン、ナフテン油、アル
キル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル
化ナフタレン、ジアリールアルカン、水素化ターフェニ
ル、ジアルキルフタレートなどの各種のオイルを挙げる
ことができる。これらのカプセルオイルは、単独で使用
してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、以下%は重量%を表す。 実施例1 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛20
g、2’−クロロアセト酢酸アニリドの亜鉛塩4g、炭
酸カルシウム120gと水200gの混合物を、サンド
グラインダーで、平均粒子径を1.5μmに微粒化分散
処理し、分散液を得た。この分散液に、10%ポリビニ
ルアルコール(PVA−117、クラレ製)水溶液10
0gおよび50%カルボキシ変成SBRラテックス(S
N−307、住友ノーガタック製)10gを添加して、
固形分濃度が、20%になるように水を加え、顕色剤組
成物の水分散液を得た。この顕色剤組成物の水分散液を
上質紙(50g/m2 )に乾燥時の塗布量(顕色剤層の
重量)が、5.0g/m2となるように塗布、乾燥し、
感圧記録シート(下用シート)を作製した。
【0034】実施例2 実施例1において、3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸亜鉛20gを使用する代わりに、下記の参考
例に示した方法で製造したポリスチレン化サリチル酸樹
脂の亜鉛塩20gを使用した他は、実施例1に記載した
方法により、平均粒子径が1.6μmの顕色剤組成物の
水分散液を得、さらに感圧記録シートを作製した。
【0035】参考例 サリチル酸メチル152g、98%硫酸37gおよび
1,2−ジクロロエタン500mlをガラス製反応容器
に装入し、該溶液を攪拌しながら、該溶液に0〜2℃
で、4−メチルスチレン384gを滴下ロートを用い、
6時間かけて供給した。供給後、同温度でさらに3時間
攪拌を行った。5重量%水酸化ナトリウム水溶液により
中和した後、加熱し、1,2−ジクロロエタンを留去し
た。さらに、水酸化ナトリウム40gを水1000gに
溶かした水溶液を加え、95℃で6時間加熱、攪拌を行
った。該溶液に、水3000gを加えた後、25℃で、
硫酸亜鉛7水和物145gを水2000gに溶かした水
溶液を1時間かけて滴下した。さらに室温で2時間攪拌
した後、濾過、水洗、乾燥し、無色のポリスチレン化サ
リチル酸樹脂の亜鉛塩530gを得た。軟化点は112
℃であった。
【0036】実施例3 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸75g、
3−(α−メチルベンジル)−5−(1,3−ジフェニ
ルブチル)サリチル酸25gの混合物を、水酸化ナトリ
ウム11gを水500gに溶かした水溶液に30℃で溶
解し、該水溶液に、硫酸亜鉛7水和物39.3gを水2
00gに溶かした水溶液を30分で滴下した。滴下後3
0分間攪拌した後、サリチル酸誘導体の混合亜鉛塩が析
出した水溶液に、トルエン100gを加え、攪拌後、ト
ルエン層を分離した。該トルエン溶液を、50℃に昇温
後、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10gを添加し、さら
に5%ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ
製)水溶液500gを加え、ホモミキサー〔AM−7
型、日本精機(株)製〕で、毎分10000回の回転数
で10分間乳化し、水中油型の乳化液を得た。該乳化液
を、加熱し、トルエンおよび一部の水を留去し、顕色剤
分散粒子の平均粒子径が1.3μmの分散液(固形分濃
度30%)を得た。次に、炭酸カルシウム120g、活
性白土30g、酸化亜鉛40g、40%ヘキサメタリン
酸ナトリウム水溶液5gと水230gを用い、サンドグ
ラインダーで平均粒子径2μmになるように分散し顔料
分散液を得た。この顔料分散液50gに、10%ポリビ
ニルアルコール水溶液40g、上記分散液を加え、さら
に、固形分濃度が、20%になるように水を添加し顕色
剤組成物の水分散塗液を得た。この顕色剤組成物の水分
散液を上質紙(50g/m2 )に乾燥時の塗布量(顕色
剤層の重量)が、5.0g/m2 となるように塗布、乾
燥し、感圧記録シートを作製した。
【0037】実施例4 実施例3において、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10g
を使用する代わりに、2’−メチルアセト酢酸アニリド
の亜鉛塩5gおよび4’−メトキシアセト酢酸アニリド
の亜鉛塩2gを使用した他は、実施例3に記載した方法
により、平均粒子径が1.2μmの顕色剤組成物の水分
散液を得、さらに感圧記録シートを作製した。
【0038】実施例5 実施例3において、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10g
を使用する代わりに、4’−ニトロアセト酢酸アニリド
の亜鉛塩6gおよび4’−クロロ−2’,5’−ジメト
キシアセト酢酸アニリドの亜鉛塩4gを使用した他は、
実施例3に記載した方法により、平均粒子径が1.2μ
mの顕色剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シー
トを作製した。
【0039】実施例6 実施例3において、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10g
を使用する代わりに、4’−エトキシアセト酢酸アニリ
ドの亜鉛塩5gを使用した他は、実施例3に記載した方
法により、平均粒子径が1.4μmの顕色剤組成物の水
分散液を得、さらに感圧記録シートを作製した。
【0040】実施例7 実施例3において、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10g
を使用する代わりに、1,3−ビス(アセトアセチルア
ミノ)ベンゼンの亜鉛塩8gを使用した他は、実施例3
に記載した方法により、平均粒子径が1.2μmの顕色
剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シートを作製
した。
【0041】実施例8 実施例3において、アセト酢酸アニリドの亜鉛塩10g
を使用する代わりに、4’−クロロアセト酢酸アニリド
の亜鉛塩8gおよびスチレンの鎖状2量体である1,3
−ジフェニル−1−ブテン5gを使用した他は、実施例
3に記載した方法により、平均粒子径が1.2μmの顕
色剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シートを作
製した。
【0042】実施例9 参考例で製造したポリスチレン化サリチル酸樹脂の亜鉛
塩100g、4’−メチルアセト酢酸アニリドの亜鉛塩
10g、スチレンの鎖状2量体である1,3−ジフェニ
ル−1−ブテン4gおよびスチレンの環状2量体である
1−メチル−3−フェニルインダン3gを100gのキ
シレンに溶解し、キシレン溶液を調製した。このキシレ
ン溶液を、炭酸ナトリウム0.2g、アクリルアミド/
エチルアクリレート共重合体(重量平均分子量250
0)1gとポリビニルアルコール2gを含む水80g
に、ホモミキサーを毎分8000回の回転数で回転させ
ながら、添加し、乳化液を得た。この乳化液に、水15
0gを添加後、該乳化液を、加熱し、キシレンおよび一
部の水を留去し、平均粒子径が1.2μmの分散液(固
形分濃度30%)を得た。次に、炭酸カルシウム120
g、活性白土30g、酸化亜鉛40g、40%ヘキサメ
タリン酸ナトリウム水溶液5gと水230gを用い、サ
ンドグラインダーで平均粒子径2μmになるように分散
し顔料分散液を得た。この顔料分散液50gに、10%
ポリビニルアルコール水溶液40g、上記分散液を加
え、さらに、固形分濃度が、20%になるように水を添
加し、顕色剤組成物の水分散液を得た。この顕色剤組成
物の水分散液を上質紙(50g/m2 )に乾燥時の塗布
量(顕色剤層の重量)が、5.0g/m2 となるように
塗布、乾燥し、感圧記録シートを作製した。
【0043】比較例1 実施例1において、2’−クロロアセト酢酸アニリドの
亜鉛塩を使用しなかった他は、実施例1に記載した方法
により、平均粒子径が1.5μmの顕色剤組成物の水分
散液を得、さらに感圧記録シートを作製した。
【0044】比較例2 実施例9において、4’−メチルアセト酢酸アニリドの
亜鉛塩10g、スチレンの鎖状2量体である1,3−ジ
フェニル−1−ブテン4gおよびスチレンの環状2量体
である1−メチル−3−フェニルインダン3gを使用し
なかった他は、実施例9に記載した方法により、平均粒
子径が1.2μmの顕色剤組成物の水分散液を得、さら
に感圧記録シートを作製した。
【0045】上記のようにして作製した感圧記録シート
(下用シート)について、下記の方法で評価を行った。 ・感圧記録シートの評価 (低温発色性試験)作製した各感圧記録シート(下用シ
ート)、およびクリスタルバイオレットラクトン(CV
L)を主な電子供与性発色性化合物として含有するマイ
クロカプセルが塗布されている市販の青発色用上用シー
ト〔三菱製紙(株)製、N−40〕を、5℃、30%R
Hの恒温恒湿室内に5時間保存した。次に、この恒温恒
湿室内で、上用シートと下用シートとの両塗布面を対向
させて重ね合わせ、300kg/cm2 の荷重圧を1秒間
かけて発色させた。加圧後、30秒後の発色濃度をマク
ベス反射濃度計を用いて測定した。さらに、発色させた
下用シートを同環境下で24時間保存した後、同様に発
色濃度を測定した。結果は第1表(表1)に示した。発
色濃度は、数値が大きい程、色濃く発色していることを
表している。
【0046】
【表1】 第1表の結果より、本発明の顕色剤組成物を塗布して得
られる感圧記録シートは、低温環境下で、短時間で色濃
く発色することから、低温での初期発色性に優れている
ことが判明した。
【0047】
【発明の効果】本発明により、低温発色性に優れた感圧
記録用顕色剤組成物、および該組成物を塗布して得られ
る感圧記録シートを提供することが可能になった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サリチル酸誘導体の多価金属塩を成分と
    する顕色剤と、アセト酢酸アニリド誘導体の金属塩を含
    有する感圧記録用顕色剤組成物。
  2. 【請求項2】 アセト酢酸アニリド誘導体が、一般式
    (1)(化1)で表される化合物である請求項1記載の
    感圧記録用顕色剤組成物。 【化1】 (式中、X1 〜X4 は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルコキシ基、ニトロ基またはアセトアセチルア
    ミノ基を表す)
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の感圧記録用顕色
    剤組成物を含有してなる水分散液。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の水分散液を支持体に塗布
    して得られる感圧記録シート。
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