JP3320534B2 - 顕色剤組成物および感圧記録シート - Google Patents

顕色剤組成物および感圧記録シート

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JP3320534B2 JP32375693A JP32375693A JP3320534B2 JP 3320534 B2 JP3320534 B2 JP 3320534B2 JP 32375693 A JP32375693 A JP 32375693A JP 32375693 A JP32375693 A JP 32375693A JP 3320534 B2 JP3320534 B2 JP 3320534B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顕色剤組成物、および
該組成物を支持体に塗布してなる感圧記録シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、感圧記録シートは、例えば、
電子供与性発色性化合物等を溶解した油性物質を内包す
るカプセルを主成分とするマイクロカプセル組成物を支
持体の片面に塗布した上用シート、支持体の片面に上記
電子供与性発色性化合物と接触した時に呈色する電子受
容性顕色剤を主成分とする顕色剤組成物を塗布し、反対
面に上記マイクロカプセル組成物を塗布した中用シー
ト、および、支持体の片面に上記顕色剤組成物を塗布し
た下用シートがあり、一般に、上用シート−下用シー
ト、あるいは、上用シート−中用シート−下用シートの
組み合わせで使用されている。また、支持体の同一面に
上記のマイクロカプセル組成物と電子受容性顕色剤組成
物を塗布して1枚のシートで複写可能とした単体複写シ
ートもある。
【0003】従来より、サリチル酸誘導体、例えば、
3,5−ジ置換サリチル酸誘導体の多価金属塩(例え
ば、特公昭51−25174号公報)、あるいは、サリ
チル酸エステル類とスチレン類とを反応させて、得られ
るサリチル酸エステル樹脂を加水分解した後、多価金属
化合物を作用させて得られるサリチル酸樹脂の多価金属
塩(特開平1−133780号公報)は、感圧記録シー
トの電子受容性顕色剤として有用であることが知られて
いる。しかし、これらのサリチル酸誘導体の多価金属塩
を電子受容性顕色剤とする感圧記録シートは、発色速
度、特に、低温環境下での発色速度が遅く、実用上充分
な発色濃度の画像を得るのに長時間を要するという難点
がある。現在では、発色速度が速い感圧記録シートが望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、発色
速度に優れた顕色剤組成物、ならびに該組成物を塗布し
てなる感圧記録シートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の要
望にこたえるべく、顕色剤組成物および感圧記録シート
に関し、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、サリチル酸誘導体の多価金属塩を成分と
する顕色剤と、一般式(1)(化2)で表される化合物
を含有する顕色剤組成物に関するものである。さらに
は、上記の顕色剤組成物を支持体に塗布してなる感圧記
録シートに関するものである。
【0006】
【化2】 (式中、X1 〜X12は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基またはアリール基を表す)本発明に係るサリチル酸
誘導体の多価金属塩としては、好ましくは、例えば、一
般式(2)(化3)で表されるサリチル酸誘導体の多価
金属塩を挙げることができる。
【0007】
【化3】 (式中、R1 〜R4 は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を
表し、また、R1 〜R4 の内、隣接する2つの基が結合
して環を形成してもよい)一般式(2)において、R1
〜R4 はそれぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アラルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
し、また、R1 〜R4 の内、隣接する2つの基が結合し
て環を形成してもよい。好ましくは、水素原子、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ
基、置換基を有してもよい総炭素数7〜20のアラルキ
ル基、置換基を有してもよい総炭素数6〜20のアリー
ル基、フッソ原子、塩素原子、臭素原子である。
【0008】本発明に係るサリチル酸誘導体の多価金属
塩の具体例としては、例えば、サリチル酸、3−メチル
サリチル酸、6−エチルサリチル酸、5−イソプロピル
サリチル酸、5−sec −ブチルサリチル酸、5−tert−
ブチルサリチル酸、5−tert−アミルサリチル酸、5−
シクロヘキシルサリチル酸、5−n−オクチルサリチル
酸、5−tert−オクチルサリチル酸、5−イソノニルサ
リチル酸、3−イソドデシルサリチル酸、5−イソドデ
シルサリチル酸、5−イソペンタデシルサリチル酸、4
−メトキシサリチル酸、6−メトキシサリチル酸、5−
エトキシサリチル酸、6−イソプロポキシサリチル酸、
4−n−ヘキシルオキシサリチル酸、4−n−デシルオ
キシサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸、3,5−ジ−tert−オクチルサリチル酸、3,5−
ジイソノニルサリチル酸、3,5−ジイソドデシルサリ
チル酸、3−メチル−5−tert−ノニルサリチル酸、
【0009】3−tert−ブチル−5−イソノニルサリチ
ル酸、3−イソノニル−5−tert−ブチルサリチル酸、
3−イソドデシル−5−tert−ブチルサリチル酸、3−
イソノニル−5−tert−アミルサリチル酸、3−イソノ
ニル−5−tert−オクチルサリチル酸、3−イソノニル
−6−メチルサリチル酸、3−イソドデシル−6−メチ
ルサリチル酸、3−sec −オクチル−5−メチルサリチ
ル酸、3−イソノニル−5−フェニルサリチル酸、3−
フェニル−5−イソノニルサリチル酸、3−メチル−5
−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5
−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−イソ
ノニル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−
(α−メチルベンジル)−5−tert−ブチルサリチル
酸、3−ベンジルサリチル酸、5−ベンジルサリチル
酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、5−(α
−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチ
ルベンジル)サリチル酸、4−(α,α−ジメチルベン
ジル)サリチル酸、5−(α,α−ジメチルベンジル)
サリチル酸、
【0010】3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチ
ル酸、3,5−ジ(α,α−ジメチルベンジル)サリチ
ル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジ
メチルベンジル)サリチル酸、3−(1’,3’−ジフ
ェニルブチル)サリチル酸、5−(1’,3’−ジフェ
ニルブチル)サリチル酸、3−〔α−メチル−4’−
(α’−メチルベンジル)ベンジル〕サリチル酸、5−
〔α−メチル−4’−(α’−メチルベンジル)ベンジ
ル〕サリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−
(1’,3’−ジフェニルブチル)サリチル酸、3−
(1’,3’−ジフェニルブチル)−5−(α−メチル
ベンジル)サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−
フェニルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5
−フェニルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジ
ル)−5−フェニルサリチル酸、3−フェニル−5−
(α−メチルベンジル)サリチル酸、5−(4’−メチ
ルフェニル)サリチル酸、5−(4’−メトキシフェニ
ル)サリチル酸、5−フルオロサリチル酸、3−クロロ
サリチル酸、4−クロロサリチル酸、5−クロロサリチ
ル酸、5−ブロモサリチル酸、3−クロロ−5−(α−
メチルベンジル)サリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)−5−クロロサリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベ
ンジル−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−(α,
α−ジメチルベンジル)−1−ナフトエ酸、3−ヒドロ
キシ−7−(α,α−ジメチルベンジル)−2−ナフト
エ酸、
【0011】さらには、特開昭62−19486号公報
等に記載のカルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、特
開昭63−112537号公報、特開昭63−1867
29号公報、特開平1−133780号公報等に記載の
ポリスチレン化サリチル酸樹脂誘導体、特開平2−16
0815号公報等に記載のポリベンジル化スチレン化サ
リチル酸樹脂誘導体などの多価金属塩が挙げられる。多
価金属の具体例としては、例えば、マグネシウム、亜
鉛、ニッケル、アルミニウム、カルシウムを挙げること
ができ、特に亜鉛が好ましい。これらのサリチル酸誘導
体の多価金属塩は、単独で、あるいは複数併用してもよ
い。さらには、複数種のサリチル酸誘導体を用いて多価
金属塩化した混合サリチル酸誘導体の多価金属塩でもよ
い。尚、上記のサリチル酸誘導体において、イソノニル
基、イソドデシル基、イソペンタデシル基とは、それぞ
れプロピレン3量体、プロピレン4量体または1−ブテ
ン3量体、プロピレン5量体が付加して生じた置換基の
総称である。上記のサリチル酸誘導体の一部は市販され
ており、また、例えば、フェノール誘導体からコルベ−
シュミット反応で得ることができる。
【0012】本発明に係るサリチル酸誘導体の多価金属
塩の製造方法としては、特に限定されるものではなく、
公知の方法を適用できる。例えば、1種以上のサリチル
酸誘導体と多価金属化合物(例えば、多価金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、有機カルボン酸塩)
とを溶融させて製造する方法(溶融法)、あるいは1種
以上のサリチル酸誘導体のアルカリ金属塩、アミン塩あ
るいはアンモニウム塩などの水可溶性のサリチル酸誘導
体の塩と、水可溶性の多価金属化合物(例えば、硫酸亜
鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニ
ウム等の硫酸塩、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化カ
ルシウム、塩化ニッケル、塩化アルミニウム等の塩化
物、酢酸亜鉛等の酢酸塩)とを、水存在下、作用させて
製造する方法(複分解法)が適用できる。
【0013】一般式(1)において、X1 〜X12はそれ
ぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリー
ル基を表し、好ましくは、水素原子、炭素数1〜8のア
ルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜1
0のアリール基である。一般式(1)で表される化合物
の具体例としては、例えば、3,3,3',3'−テトラメ
チル−1,1'−スピロビインダン、2,3,3,3',3'
−ペンタメチル−1,1'−スピロビインダン、5,5'−
ジメトキシ−1,1'−スピロビインダン、5,5'−ジ−
n−ブトキシ−1,1'−スピロビインダン、3,3,
3',3'−テトラメチル−5,6,5',6'−テトラメトキ
シ−1,1'−スピロビインダン、3,3,3',3'−テト
ラメチル−5,6,5',6'−テトラ−n−プロポキシ−
1,1'−スピロビインダン、3,3,3',3'−テトラメ
チル−6,7,6',7'−テトラエトキシ−1,1'−スピ
ロビインダン、3,3,3',3'−テトラメチル−6,7,
6',7'−テトラ−n−ヘキシルオキシ−1,1'−スピロ
ビインダン、3,3,−ジメチル−3',3'−ジフェニル
−1,1'−スピロビインダン、3,3,6,3',3',6'
−ヘキサメチル−1,1'−スピロビインダンを挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。これ
らは、単独で、あるいは複数併用してもよい。本発明に
係る一般式(1)で表される化合物は、例えば、J. Or
g. Chem., 41 、1698 (1976) 、Can. J. Chem., 42 、2
5 (1964) 等に記載の方法により製造することができ
る。例えば、インデン誘導体に、酸存在下、スチレン誘
導体を作用させることにより製造することができる。
【0014】本発明の顕色剤組成物は、サリチル酸誘導
体の多価金属塩を成分とする顕色剤と、一般式(1)で
表される化合物を含有する顕色剤組成物であり、その組
成は特に限定されるものではないが、通常、サリチル酸
誘導体の多価金属塩100重量部に対して、一般式
(1)で表される化合物は1〜100重量部程度、より
好ましくは、3〜50重量部程度である。また、本発明
の顕色剤組成物には、サリチル酸誘導体の多価金属塩を
成分とする顕色剤と、一般式(1)で表される化合物の
他に、さらに、スチレン誘導体のオリゴマー、好ましく
は、スチレン誘導体の2量体〜20量体程度のオリゴマ
ーを含有させることは、低温環境下での発色速度が一層
向上した顕色剤組成物を得るためには好ましいことであ
る。尚、該オリゴマーは、鎖状オリゴマー(例えば、ス
チレンの鎖状2量体である1,3−ジフェニル−1−ブ
テン)、または、環状オリゴマー(例えば、スチレンの
環状2量体である1−メチル−3−フェニルインダン)
でもよく、さらにはこれらの混合物でもよい。この場
合、スチレン誘導体のオリゴマーの量は、一般式(1)
で表される化合物100重量部に対し、1000重量部
程度以下、より好ましくは、800重量部程度以下にな
るように調製することが好ましい。
【0015】本発明の顕色剤組成物を調製する方法とし
ては、例えば、サリチル酸誘導体の多価金属塩および一
般式(1)で表される化合物を、一緒に分散処理する方
法、あるいは別々に分散処理した後、混合する方法が適
用できる。尚、分散処理は、通常、水媒体中で行われ、
顕色剤組成物は水分散液として得ることができる。通
常、顕色剤組成物は、平均粒子径3μm以下、好ましく
は、2μm以下にまで分散処理する。水分散液を得る方
法としては、例えば、 サリチル酸誘導体の多価金属塩および一般式(1)で
表される化合物を、水媒体中で、分散機として、例え
ば、ボールミル、アトライター、サンドグラインダー、
ペブルミル、コボルミル、ダイノミル、高速インペラー
分散機、高速ストーンミルなどを用い、粉砕・分散処理
し、水分散液を得る方法、 サリチル酸誘導体の多価金属塩および一般式(1)で
表される化合物を、有機溶媒に溶解後、水媒体中で、例
えば、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサーな
どを用い、乳化分散処理し、有機溶媒を除去して、水分
散液を得る方法、が挙げられる。
【0016】上記の方法において、使用する有機溶媒
としては、水に対する溶解性が小さく、顕色剤の溶解性
に優れ、且つ、比較的沸点が低いものが好ましい。係る
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレンなどの炭
化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラ
クロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1
−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、m−クロロ
トルエン、p−クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水
素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサ
ノールなどのアルコール系溶媒などを挙げることができ
る。これらの有機溶媒は単独で、あるいは複数併用する
ことができる。
【0017】有機溶媒の使用量は、特に制限するもので
はないが、通常、サリチル酸誘導体の多価金属塩100
重量部に対して、5〜500重量部程度、より好ましく
は、20〜300重量部程度である。尚、この場合、乳
化分散処理は、有機溶媒の沸点以下の温度で実施され、
大気圧下、あるいは加圧下で実施される。分散処理後
は、有機溶媒を留去し、顕色剤組成物の水分散液を得
る。有機溶媒を留去する方法としては、大気圧下、ある
いは減圧下、有機溶媒の沸点以上に加熱し有機溶媒を留
去することができる。このようにして得られる顕色剤組
成物の水分散液は、所望に応じて、上述の分散機(例え
ば、サンドグラインダー)を用いてさらに分散処理する
こともできる。水媒体中で、分散する際に用いる分散剤
としては、イオン性または非イオン性の界面活性剤が好
ましい。分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、アルキル変性ポリビニルアルコール、シアノエチル
変性ポリビニルアルコール、エーテル変性ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、アク
リルアミド/アルキルアクリレート共重合体、ポリスチ
レンスルフォン酸のアルカリ金属塩、無水マレイン酸/
イソブチレン共重合体、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
デンプンおよびその誘導体、カゼイン、アラビアゴム、
寒天、ゼラチンなどの合成または天然高分子化合物、ア
ルキルベンゼンスルフォン酸のアルカリ金属塩、アルキ
ルナフタレンスルフォン酸のアルカリ金属塩、ジアルキ
ルスルフォコハク酸のアルカリ金属塩、アルキルスルフ
ォン酸のアルカリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、多価アルコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
尚、これらの分散剤は単独で、あるいは複数併用するこ
とができる。分散剤の使用量は、特に制限されるもので
はないが、通常、サリチル酸誘導体の多価金属塩100
重量部に対して、1〜30重量部程度である。水分散液
を調製する際に使用する水の使用量に関しては、特に制
限するものではないが、取扱性などを考慮して、一般
に、水分散液中の顕色剤組成物の濃度が、3〜50重量
%程度、より好ましくは、5〜40重量%程度になるよ
うな量を使用することが好ましい。
【0018】顕色剤層を形成する塗液には、上述のよう
にして得られる顕色剤組成物の水分散液に、通常、さら
にバインダー、顔料などが配合される。バインダーとし
ては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、デンプンおよびその誘導
体、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリアクリル酸、スチレン/ブタジエン
共重合体ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス
等のラテックス類などの合成または天然高分子化合物が
挙げられる。顔料としては、例えば、酸化亜鉛、炭酸亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、タ
ルク、カオリン、活性白土、ケイソウ土、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、シリカを挙げ
ることができる。さらに、この顕色剤層用の塗液には、
所望により、各種添加剤(例えば、紫外線吸収剤、消泡
剤、pH調節剤、粘度調節剤、可塑剤、有機高分子化合
物等)を添加してもよい。
【0019】このようにして調製された顕色剤層用の塗
液は、公知の方法により、例えば、エアーナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、サイズプレス
コーター、カーテンコーター等の塗布装置により、支持
体(例えば、紙、プラスチックシート、合成紙、あるい
はこれらを組み合わせた複合シート)上に塗布して、顕
色剤層を形成し、感圧記録シートを作製することができ
る。支持体上の顕色剤層の重量(即ち、塗布量)は特に
限定されるものではないが、通常、乾燥重量で、0.5
g/m2 以上、好ましくは、0.5〜10g/m2 であ
る。
【0020】本発明の感圧記録シートの形態としては、
特に限定されるものではないが、例えば、 電子供与性発色性化合物とカプセルオイルを含有する
マイクロカプセルをシートの裏面に塗布した上用シート
と組み合わせて使用する下用シート、 複数枚の複写をするために上用シートと下用シートの
中間に挿入する、シートの表面に顕色剤層を、該シート
の裏面にマイクロカプセル層をそれぞれ設けた中用シー
ト、さらには、 シートの同一面にマイクロカプセルと顕色剤の両者を
塗布した単体複写シート等がある。 尚、上記のマイクロカプセルは、電子供与性発色性化合
物をカプセルオイルに溶解し、該溶液を、例えば、コア
セルベーション法、界面重合法、内部重合法、相分離
法、外部重合法等の公知の各種マイクロカプセル化法に
より製造することができる。
【0021】電子供与性発色性化合物としては、例え
ば、トリアリールメタン系化合物、ジアリールメタン系
化合物、ローダミン−ラクタム系化合物、フルオラン系
化合物、インドリルフタリド系化合物、ピリジン系化合
物、スピロ系化合物、フルオレン系化合物、フェノチア
ジン系化合物など各種公知の化合物が挙げられる。カプ
セルオイルとしては、例えば、綿実油、ヒマシ油、灯
油、パラフィン、塩素化パラフィン、ナフテン油、アル
キル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、アルキル
化ナフタレン、ジアリールアルカン、水素化ターフェニ
ル、ジアルキルフタレートなどの各種のオイルを挙げる
ことができる。これらのカプセルオイルは、単独で、あ
るいは複数併用してもよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、以下%は重量%を表す。 実施例1 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛20
g、3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビ
インダン4g、炭酸カルシウム120gと水200gの
混合物を、サンドグラインダーで、顕色剤分散粒子の平
均粒子径を1.5μmに微粒化、分散処理し、顕色剤組
成物の分散液を得た。この分散液に、10%ポリビニル
アルコール(PVA−117、クラレ製)水溶液100
gおよび50%カルボキシ変成SBRラテックス(SN
−307、住友ノーガタック製)10gを添加して、固
形分濃度が、20%になるように水を加え、顕色剤の水
分散塗液を得た。この顕色剤組成物の水分散塗液を、上
質紙(50g/m2 )に、乾燥時の塗布量(顕色剤層の
重量)が、5.0g/m2 となるように塗布、乾燥し、
感圧記録シート(下用シート)を作製した。
【0023】実施例2 実施例1において、3,5−ジ(α−メチルベンジル)
サリチル酸亜鉛20gを使用する代わりに、参考例に示
した方法で製造したポリスチレン化サリチル酸樹脂の亜
鉛塩20gを使用した他は、実施例1に記載した方法に
より、顕色剤分散粒子の平均粒子径が1.6μmの顕色
剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シートを作製
した。
【0024】参考例 サリチル酸メチル152g、98%硫酸37gおよび
1,2−ジクロロエタン500mlをガラス製反応容器
に装入し、該溶液を攪拌しながら、該溶液に0〜2℃
で、4−メチルスチレン384gを滴下ロートを用い
て、6時間かけて供給した。供給後、同温度でさらに3
時間攪拌を行った。5重量%水酸化ナトリウム水溶液に
より中和した後、加熱し、1,2−ジクロロエタンを留
去した。さらに、水酸化ナトリウム40gと水1000
gの溶液を加え、95℃で6時間加熱、攪拌を行った。
該溶液に、水3000gを加えた後、25℃で、硫酸亜
鉛7水和物145gと水2000gの溶液を1時間かけ
て滴下した。さらに室温で2時間攪拌した後、濾過、水
洗、乾燥し、無色のサリチル酸樹脂の亜鉛塩530gを
得た。軟化点は112℃であった。
【0025】実施例3 3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸75g、
3−(α−メチルベンジル)−5−(1,3−ジフェニ
ルブチル)サリチル酸25gの混合物を、水酸化ナトリ
ウム11gと水500gの溶液に30℃で溶解し、該水
溶液に、硫酸亜鉛7水和物39.3gと水200gの溶
液を30分で滴下した。滴下後、30分間攪拌した後、
サリチル酸誘導体の混合亜鉛塩が析出した水溶液に、ト
ルエン100gを加え、攪拌後、トルエン層を分離し
た。該トルエン溶液を、50℃に昇温後、2,3,3,
3’,3’−ペンタメチル−1,1’−スピロビインダ
ン7gおよび3,3−ジメチル−3’,3’−ジフェニ
ル−1,1’−スピロビインダン3gを添加し、さらに
5%ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ
製)水溶液500gを加え、ホモミキサー〔AM−7
型、日本精機(株)製〕で、毎分10000回の回転数
で10分間乳化し、水中油型の乳化液を得た。該乳化液
を、加熱し、トルエンおよび一部の水を留去し、顕色剤
分散粒子の平均粒子径が1.3μmの顕色剤組成物の水
分散液(固形分濃度30%)を得た。次に、炭酸カルシ
ウム120g、活性白土30g、酸化亜鉛40g、40
%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液5gと水230g
を用い、サンドグラインダーで平均粒子径2μmになる
ように分散し顔料分散液を得た。この顔料分散液50g
に、10%ポリビニルアルコール水溶液40g、上記顕
色剤組成物の水分散液を加え、さらに、固形分濃度が、
20%になるように水を添加し、顕色剤の水分散塗液を
得た。この顕色剤の水分散塗液を、上質紙(50g/m
2 )に乾燥時の塗布量(顕色剤層の重量)が、5.0g
/m2 となるように塗布、乾燥し、感圧記録シートを作
製した。
【0026】実施例4 実施例3において、2,3,3,3’,3’−ペンタメ
チル−1,1’−スピロビインダン7gおよび3,3−
ジメチル−3’,3’−ジフェニル−1,1’−スピロ
ビインダン3gを使用する代わりに、3,3,3’,
3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン10
gおよびスチレンの鎖状2量体である1,3−ジフェニ
ル−1−ブテン5gを使用した他は、実施例3に記載し
た方法により、顕色剤分散粒子の平均粒子径が1.2μ
mの顕色剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シー
トを作製した。
【0027】実施例5 参考例で製造したポリスチレン化サリチル酸樹脂の亜鉛
塩100g、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,
1’−スピロビインダン7g、スチレンの鎖状2量体で
ある1,3−ジフェニル−1−ブテン4gおよびスチレ
ンの環状2量体である1−メチル−3−フェニルインダ
ン3gを100gのキシレンに溶解し、キシレン溶液を
調製した。このキシレン溶液を、0.2gの炭酸ナトリ
ウム、1gのアクリルアミド/エチルアクリレート共重
合体(重量平均分子量2500)と2gのポリビニルア
ルコールを含む水80gに、ホモミキサーを毎分800
0回の回転数で回転させながら、添加し、乳化液を得
た。この乳化液に、150gの水を添加後、該乳化液を
加熱し、キシレンおよび一部の水を留去し、顕色剤分散
粒子の平均粒子径が1.2μmの顕色剤組成物の水分散
液(固形分濃度30%)を得た。次に、炭酸カルシウム
120g、活性白土30g、酸化亜鉛40g、40%ヘ
キサメタリン酸ナトリウム水溶液5gと水230gを用
い、サンドグラインダーで平均粒子径2μmになるよう
に分散し顔料分散液を得た。この顔料分散液50gに、
10%ポリビニルアルコール水溶液40g、上記顕色剤
組成物の水分散液を加え、さらに、固形分濃度が、20
%になるように水を添加し顕色剤の水分散塗液を得た。
この顕色剤の水分散塗液を、上質紙(50g/m2 )に
乾燥時の塗布量(顕色剤層の重量)が、5.0g/m2
となるように塗布、乾燥し、感圧記録シートを作製し
た。
【0028】実施例6 実施例5において、3,3,3’,3’−テトラメチル
−1,1’−スピロビインダン7g、スチレンの鎖状2
量体である1,3−ジフェニル−1−ブテン4gおよび
スチレンの環状2量体である1−メチル−3−フェニル
インダン3gを使用する代わりに、3,3,3’,3’
−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン7gおよ
びスチレンの2〜10量体の混合物6gを使用した他
は、実施例5に記載した方法により、顕色剤分散粒子の
平均粒子径が1.2μmの顕色剤組成物の水分散液を
得、さらに感圧記録シートを作製した。
【0029】比較例1 実施例1において、3,3,3’,3’−テトラメチル
−1,1’−スピロビインダンを使用しなかった他は、
実施例1に記載した方法により、顕色剤分散粒子の平均
粒子径が1.5μmの顕色剤組成物の水分散液を得、さ
らに感圧記録シートを作製した。
【0030】比較例2 実施例5において、3,3,3’,3’−テトラメチル
−1,1’−スピロビインダン7g、スチレンの鎖状2
量体である1,3−ジフェニル−1−ブテン4gおよび
スチレンの環状2量体である1−メチル−3−フェニル
インダン3gを使用しなかった他は、実施例5に記載し
た方法により、顕色剤分散粒子の平均粒子径が1.2μ
mの顕色剤組成物の水分散液を得、さらに感圧記録シー
トを作製した。
【0031】上記のようにして作製した感圧記録シート
(下用シート)について、下記の方法で評価を行った。 ・感圧記録シートの評価 (低温発色性試験)実施例および比較例で作製した各感
圧記録シート(下用シート)、およびクリスタルバイオ
レットラクトン(CVL)を主な電子供与性発色性化合
物として含有するマイクロカプセルが塗布されている市
販の青発色用上用シート〔三菱製紙(株)製、N−4
0〕を、5℃、30%RHの恒温恒湿室内に5時間保存
した。次に、この恒温恒湿室内で、上用シートと下用シ
ートとの両塗布面を対向させて重ね合わせ、300kg/
cm2 の荷重圧を1秒間かけて発色させた。加圧後、3
0秒後の発色濃度をマクベス反射濃度計を用いて測定し
た。さらに、発色させた下用シートを同環境下で24時
間保存した後、同様に発色濃度を測定した。結果は第1
表(表1)に示した。発色濃度は、数値が大きい程、色
濃く発色していることを表している。
【0032】
【表1】 第1表の結果より、本発明の顕色剤組成物を塗布してな
る感圧記録シートは、低温環境下で、短時間で色濃く発
色することから、低温での初期発色性に優れていること
が判明した。
【0033】
【発明の効果】本発明により、低温発色性に優れた感圧
記録シート用の顕色剤組成物、および該組成物を塗布し
てなる感圧記録シートを提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−185722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/155 B41M 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サリチル酸誘導体の多価金属塩を成分とす
    る顕色剤と、一般式(1)(化1)で表される化合物を
    含有する感圧記録シート用顕色剤組成物。 【化1】 (式中、X1〜X12は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基またはアリール基を表す)
  2. 【請求項2】請求項1記載の感圧記録シート用顕色剤組
    成物を支持体の塗布してなる感圧記録シート。
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