JPH09220679A - 連続熱間圧延方法 - Google Patents

連続熱間圧延方法

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JPH09220679A
JPH09220679A JP8067487A JP6748796A JPH09220679A JP H09220679 A JPH09220679 A JP H09220679A JP 8067487 A JP8067487 A JP 8067487A JP 6748796 A JP6748796 A JP 6748796A JP H09220679 A JPH09220679 A JP H09220679A
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慎二 松尾
Katsuhiro Maeda
勝宏 前田
Takaaki Nakamura
隆彰 中村
Hiroshi Tokida
弘 常田
Masamitsu Wakao
昌光 若生
Katsuhiro Minamida
勝宏 南田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延中に鋼材の接合部より切断することなく
安定した圧延を行う。 【解決手段】 複数の熱間圧延用鋼材を接合し、連続し
て熱間圧延する方法において、先行鋼材の後端と後行鋼
材の前端とを突き合わせて加熱して接合するに際し、接
合完了後接合部及びその近傍部の温度を下記式の温度範
囲に30秒以上保持した後、熱間圧延する。 Ar3変態温度≦接合部及びその近傍部の温度≦MnS
溶融温度

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材の連続熱間圧
延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材の熱間圧延では、特に鋼材のフロン
トとテール部の所謂非定常部の無張力による擦り傷と形
状不良、スレッディング速度による板幅・厚不良、加速
による温度不良と表面品位不良等によって発生する注文
歩留の悪化、また不良部除去作業、精整通板作業をでき
るだけ少なくするため、近年複数の熱間圧延用鋼材を順
次接合し、連続して所定の速度で圧延処理する所謂連続
熱間圧延方法が試みられている。
【0003】この連続熱間圧延方法は、例えば特公平7
−63724号公報に提案の様に連続式熱間圧延機に供
給する粗熱間圧延済みの鋼材または、高温薄肉連続鋳造
鋳片(フラットまたはコイル状)等の熱間圧延用鋼材を
事前に先端と後端部をフライングクロップシャーにて切
断し、鋼材間の後端切断面と先端切断面の全域または一
部を溶接接合処理し、多数の熱間圧延用鋼材を順次同一
圧延スケジュ−ルで、或いは複数のスケジュ−ルを連続
的にリレ−変更しながら熱間圧延し、圧延後分割切断し
複数台の巻き取り機で交互に巻き取り処理するものであ
る。
【0004】しかし前記特公平7−63724号公報で
提案の方法においては、圧延中に鋼材の接合部から破断
し、圧延を中断しなければ成らない状態が発生し、圧延
中の鋼材は圧延機内で噛み込んだ状態になるだけでな
く、各スタンド間でアコーディオン状態に変形し、鋼材
取り出し復旧に多大な労力と時間を要し、しかも設備稼
働率を著しく低下させる。また本来の連続化操業による
注文歩留りの向上メリットが享受できなくなる問題を有
するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は圧延
中に前記鋼材の接合部及びその近傍部(接合部から10
mm以内の部分)より破断することなく連続化操業によ
り安定した圧延を行うことができる連続熱間圧延方法を
提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の手段は、複数の
熱間圧延用鋼材を接合し、連続して熱間圧延する方法に
おいて、先行鋼材の後端と後行鋼材の前端とを突き合わ
せて加熱して接合するに際し、接合完了後接合部及びそ
の近傍部を下記の温度範囲に30秒以上保持した後、熱
間圧延することを特徴とする連続熱間圧延方法である。
【0007】Ar3変態温度≦接合部及びその近傍部の
温度≦MnS溶融温度 本発明を図1〜図3に基づいて説明する。
【0008】本発明者等は接合した鋼材が熱間圧延中に
接合部から破断する原因について詳細に調査・検討をし
た。鋼材間の接合部及びその近傍部(接合部から10m
m以内の部分)は図2の接合部及びその近傍部の温度履
歴を示す図のように、接合時、加熱昇温され、接合後は
周囲への伝熱にて冷却される。そして、この接合後にお
ける接合部及びその近傍部(溶接部から10mm以内の
部分)の冷却速度は急速であり、図3に示す冷却線Aの
ようにMnS析出領域Bを通過しないことが判明した。
即ち、図3は、接合部のMnS析出領域Bと冷却線A、
Aaとの関係を示す図である。冷却線AはMnS析出領
域Bを通過しないのでMnSは析出しないが、冷却線A
aはMnS析出領域Bを通過するのでMnSが析出す
る。
【0009】このことから、本発明者等は破断原因とし
てこの接合部及びその近傍部の接合後の冷却速度が速い
ため加熱によって溶融したSが殆どMnSとして析出せ
ず、溶融状態で存在し、このSが鋼材組織の粒子界面に
濃化することにより、材質脆化が発生し、圧延に必要な
鋼材の絞り値が小さくなるためであると推定した。
【0010】更に、本発明者は材質脆化の発生を抑制し
て接合部及びその近傍部からの破断を防止するための実
験・検討を行った結果、接合後、接合部及びその近傍部
が冷却され、MnS溶融点温度から圧延開始までの時間
(MnS析出時間)をある一定時間以上保持することに
より接合部及びその近傍部からの破断を防止できること
が判った。
【0011】つまり、本発明は図3に示す冷却線Aから
冷却線Cに冷却の軌跡を変えることによりMnS析出領
域Bを通過させ、接合部及びその近傍部におけるMnS
析出が促進されたことによるものであると考えられる。
次に、前記MnS析出時間を変えて、その都度、絞り値
(測定の方法は熱間引張圧延試験であり、絞り値は材料
破断時の断面減少率として算定した)を測定た結果を図
1に示す。
【0012】この図1より分かる様に、MnS析出時間
が30秒未満であると絞り値が45%未満となり圧延に
必要な絞り値を下回り、接合部及びその近傍部から破断
が生じる。これらから、MnS析出時間を30秒以上保
持にすることが破断させることなく安定した状態で圧延
するための必要条件であることが判明した。
【0013】尚、この時間はMnSが析出する温度範囲
である必要が有り、MnS溶融温度Tmは次式(ターク
ドーガンの式)で算出した。
【0014】log[%Mn][%S]=(-9020+215[%Mn])/
Tm+2.929−0.097[%Mn]
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施例)次に本発明の実施例の一例として、連鋳スラ
ブを粗圧延機で圧延後、先行材と後行材を走間式レーザ
ー溶接機にて加熱・接合し、その後、7スタンドの連続
熱間仕上圧延機により熱間圧延場合の結果を表1をもと
に説明する。
【0016】接合後の温度の保持は走間式レーザー溶接
機に設置した誘導加熱装置により実施した。
【0017】表1の実施例1〜4は各種鋼材を接合した
ものであるが、いずれも接合完了からの時間を30秒以
上の範囲内としたため、接合部の脆化が発生することは
なく、連続熱間圧延中に破断することが無かった。
【0018】これに比較し比較例1は上記対策を実施し
なかったため、連続熱間仕上圧延中4スタンドと5スタ
ンド間で破断し、連続圧延を中止した。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】従来法ではバーは圧延機内で噛み込んだ
状態になるだけでなく各スタンド間でアコーディオン状
態に変形し、バー取り出し復旧にかなりの時間を要し、
設備稼働率を著しく低下させる。また本来の連続化操業
による注文歩留りの向上メリットが享受できなくなる。
しかし、本発明によれば、接合部及びその近傍部のS脆
化により強度を低下することが無いため圧延中の破断の
危険性もなく、安定した連続熱間仕上圧延を実施するこ
とができ、復旧にかかる労力及び時間が不要となること
から、設備稼働率が向上し、更に連続化操業による注文
歩留り向上メリットを充分享受することが可能となる等
の多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】MnS析出時間と材料の絞り値の関係を示す図
である。
【図2】接合部及びその近傍部の温度履歴を示す図であ
る。
【図3】接合部のMnS析出領域Bと冷却線A及びCの
関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常田 弘 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 (72)発明者 若生 昌光 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 (72)発明者 南田 勝宏 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の熱間圧延用鋼材を接合し、連続し
    て熱間圧延する方法において、先行鋼材の後端と後行鋼
    材の前端とを突き合わせて加熱して接合するに際し、接
    合完了後接合部及びその近傍部を下記の温度範囲に30
    秒以上保持した後、熱間圧延することを特徴とする連続
    熱間圧延方法。 Ar3変態温度≦接合部及びその近傍部の温度≦MnS
    溶融温度
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