JPH09217268A - 吸湿機能性繊維及び繊維製品 - Google Patents

吸湿機能性繊維及び繊維製品

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JPH09217268A
JPH09217268A JP8048264A JP4826496A JPH09217268A JP H09217268 A JPH09217268 A JP H09217268A JP 8048264 A JP8048264 A JP 8048264A JP 4826496 A JP4826496 A JP 4826496A JP H09217268 A JPH09217268 A JP H09217268A
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fiber
moisture
absorbing
water
fibers
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Yoshikatsu Mizukami
義勝 水上
Nobuyuki Numata
長之 沼田
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乾燥剤、調湿剤としての吸放湿効果、吸水効果
と消臭性、抗菌性を具備する吸湿機能性繊維およびその
繊維製品を廉価に提供するる。 【解決手段】吸水率が300重量%以上で、吸水後も繊
維形態を保持し、20℃、相対湿度65%での水分率が
35重量%以上で銀、銅、鉄、コバルト、ニッケルの少
なくとも1種を金属イオンとして含有することを特徴と
する吸湿機能性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾燥剤、調湿剤とし
て使用される吸湿機能性繊維およびそれを含有する繊維
製品、例えば不織布、編織物、布団、フィルター等に関
する。
【0002】
【従来の技術】既に鐘紡(株)より架橋ポリアクリル酸
ナトリウムからなる吸水性繊維が「ベルオアシス」とい
う商標で市販されている。この繊維は吸水率が4000
重量%と大きい上に、吸湿率が大きく、20℃、相対湿
度65%で水分率が約35重量%と他の繊維に比べると
非常に大きい吸湿性を示している。また、この吸水性繊
維は吸水すると繊維強度が殆どなくなるという欠点を持
っている。従って、洗濯する用途には適しておらず、含
有するカルボキシル基およびそのナトリウム塩基を水浴
中で金属イオンと中和、または置換することはできな
い。
【0003】また、ポリアクリロニトリル繊維を加水分
解して表面に近い部分をゲル化した吸水性繊維が東洋紡
績(株)から「ランシール」という商標で市販されてい
る。しかし、この吸水性繊維は吸湿性は大きくない。実
測してみると「ベルオアシス」の半分以下の吸湿性であ
る。また、吸湿性繊維としては東洋紡績(株)よりN3
8という繊維が市販されている。この繊維は高架橋ポリ
アクリレート繊維で消臭性、抗菌性、防かび性があると
繊維学会誌Vol.51、No.5、P211〜21
2、1995に記載されている。
【0004】しかし、ここで言う消臭性は分子の側鎖に
マイナスの官能基が付いているためにアンモニアやアミ
ンを吸着中和して消臭性を示すのみである。従って、官
能基の当量以上に消臭性は示さない。また、メルカプタ
ンにも効果はない。また、この繊維の吸水率は48重量
%と小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は乾燥
剤、調湿剤としての吸放湿効果、吸水効果と消臭性、抗
菌性を具備する吸湿機能性繊維およびその繊維製品を廉
価に提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは吸水性繊維
「ベルオアシス」の欠点である吸水時の強力低下を改良
するための改質方法を研究し、本発明の完成に至った。
本発明の吸湿機能性繊維は吸水率が300重量%以上
で、吸水後も繊維形態を保持し、20℃、相対湿度65
%での水分率が35重量%以上で銀、銅、鉄、コバル
ト、ニッケルの少なくとも1種を金属イオンとして含有
することを特徴とする吸湿機能性繊維である。
【0007】本発明の吸湿機能性繊維としては吸水性ポ
リマーと組成が類似したモノマーを使用する。カルボン
酸として例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、ソルビン酸、ケ
イ皮酸、クロトン酸、ベータアクリルオキシプロピオン
酸、およびこれらのアルカリ金属塩を用いることが出来
る。好ましくは(メタ)アクリル酸が経済的に好まし
い。
【0008】また、部分的にはスルホン酸として例えば
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、スルホン酸エチ
ル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸、ビニル
スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホ
ン酸およびこれらのアルカリ金属塩を用いることが出来
る。スルホン酸が含有されると吸水率が向上し、好まし
い。
【0009】架橋剤としては2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレートおよびそのエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドの付加物等が用いられる。架橋剤の量が多すぎ
ると吸水率が低下するため適当に選択する必要がある。
吸水性ポリマーの場合は多官能基を利用するが、繊維の
場合は多官能基でない方がゲル化が発生し難く、紡糸上
好ましい。
【0010】架橋を行うのは紡糸が完了し、繊維形成が
完了した時点で行う。エステル結合による架橋であるの
で加熱による脱水によって架橋は促進される。本発明の
吸湿機能性繊維はこの架橋を熱処理により適度に進行さ
せることによって、繊維の吸水時の形態保持性、即ちゲ
ル強度の向上を達成することができた。しかし、過度に
熱処理すると部分的には架橋が進行するが、部分的には
架橋が破壊されてしまうことが判明した。本発明の際に
用いる熱処理条件は210℃以上で、温度Y℃、処理時
間T分とすると、 210≦Y<305−(80/110)T 5≦T≦120 の範囲で行うことが好ましい。熱処理温度と熱処理時間
がこの範囲より小さいと大きな吸湿率が得られない。
【0011】この熱処理は熱風循環タイプの熱処理機、
例えばサクション式熱風乾燥機等で実施できるが、綿を
積層し、熱風を綿の上から吹き付け、下から吸引するサ
クションタイプの場合には熱処理斑が小さく好ましい。
このタイプの熱処理機を使用する場合には処理時間を短
縮できるが、安定した吸湿率を得るためには 210≦Y≦295−T 5≦T≦80 の範囲で行うことが好ましい。
【0012】本発明の吸湿機能性繊維は上記の吸湿性繊
維を銀、銅、鉄、コバルト、ニッケルの少なくとも1種
を金属イオンとして含有する溶液に接触させることによ
り中和反応及び/又は平衡置換反応を生起し、機能性を
付与することができる。この金属イオンを含有する溶液
としては水溶液、極性有機溶媒、極性有機溶媒の水溶
液、逆相エマルジョン等を使用することができる。極性
有機溶媒としてはアルコール類(例えばメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
プロピルアルコール、ブタノール等)、ケトン類(例え
ばアセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、ア
ミド類(例えばジメチルアセトアミド、ジメチルフォル
ムアミド等)等がある。
【0013】またこれらの極性溶媒に水を混合すること
により金属イオンの溶解度を飛躍的に増大させることが
できる。金属イオンの濃度は大きい方が反応には有利で
ある。取扱いにも有利である。金属イオンとしては水溶
性の金属塩を使用することが経済的に有利である。塩化
物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩等があるが、溶解
性の大きい硝酸塩、硫酸塩が取扱い易い。金属イオンの
濃度は溶媒、処理方法により異なり、適宜選択すると良
い。
【0014】金属イオンとの接触は浸漬法を使用するこ
とができる。浸漬後、未反応物の除去のために洗浄し、
乾燥することにより本発明の吸湿機能性繊維が得られ
る。金属イオンの種類により機能は異なる。金属イオン
が銀及び/又は銅の場合には本発明の吸湿機能性繊維に
抗菌性を付与することができる。また、金属イオンが
銅、鉄、コバルト、ニッケルの少なくとも1種を含有す
る場合には消臭性を付与することができる。
【0015】本発明の吸湿機能性繊維製品の金属イオン
の含有量は大きい方が好ましい。抗菌性を付与する場合
には100PPM以上、好ましくは500PPM以上、
より好ましくは1000PPM以上である。本発明の吸
湿機能性繊維製品に消臭性を付与する場合には50PP
M以上、好ましくは200PPM以上、より好ましくは
500PPM以上である。本発明の吸湿機能性繊維に上
記の機能を付与する場合には繊維製品として使用する混
合率を勘案し、適宜選択し、金属の種類および濃度を決
定すれば良い。
【0016】本発明の吸湿機能性繊維製品は上記の本発
明の吸湿機能性繊維を含有する繊維製品である。繊維製
品の形態には例えば不織布、編織物、布団綿、中綿並び
に紡績糸等がある。これらの本発明の繊維製品の機能が
抗菌性の場合は、本発明の吸湿機能性繊維を20重量%
以上含有させる。好ましくは30重量%以上、より好ま
しくは50重量%以上である。また、本発明の繊維製品
の機能が消臭性の場合は、本発明の吸湿機能性繊維を
0.5重量%以上含有させる。好ましくは1重量%以
上、より好ましくは5重量%以上である。
【0017】この吸湿機能性繊維は天然繊維で最も吸湿
性の大きいウールより2倍以上の吸湿性を示す。例えば
20℃、65%相対湿度で35重量%以上の吸湿性を示
す。従って、例えば吸湿性の殆どない合成繊維のポリエ
ステルに5%含有すると7%の吸湿性を示すことにな
り、天然繊維のコットンと同程度の吸湿性を示すことに
なる。
【0018】本発明の不織布の製造方法としては例えば
上記の吸湿機能性繊維を混合し、カーディング、クロス
レイによりウェッブを作成する方法がある。このウェッ
ブをボンディングする方法として、サーマル法とニード
リング法がある。
【0019】サーマルボンディングするためには一般的
には熱融着繊維を混綿して用いるか、熱融着パウダー、
例えばポリエチレンパウダーを散布して用いても良い。
市販されている熱融着繊維の例としては例えばチッソ
(株)製の芯にポリプロピレン、鞘にポリエチレンを用
いた「ES」(商標名)や、鐘紡(株)製の鞘にポリエ
チレンまたは変性ポリエステル、芯にポリエステルを用
いた「ベルコンビ」等がある。サーマルボンディングす
るためには熱融着繊維、及び/又は熱融着パウダーを5
〜30重量%混合すれば良い。ボンディングを強固にす
るため、好ましくは15重量%以上である。ニードルパ
ンチングを併用すると5重量%未満であってもボンディ
ングが強固となり好ましい。
【0020】上記のカーディングを行う際には繊維強度
の小さい本発明の吸湿機能性繊維は単繊維の太さが大き
い方が良い。また、混綿する他の繊維の単繊維の太さは
細い方が良い。細い繊維がカードの針の下に沈み、針の
上の方にある太い繊維を包み込むようにしてウェッブを
形成することが出来る。このように混綿する繊維の単繊
維の太さを選択することによりウェッブを形成する際の
繊維の脱落を少なくすることが出来る。
【0021】繊維強度の低い吸湿機能性繊維の太さは6
デニール以上、15デニール以下が好ましく、繊維強度
の大きい繊維の太さは2デニール以上、5デニール以下
が好ましい。ウェッブの均一性は余り重要でないので、
シリンダーが1つの紡毛タイプのローラーカードで良
い。吸湿機能性繊維のデニールが大きいためフラットカ
ードより、ローラーカードが好ましい。また、繊維長は
50〜75mmが繊維損傷も少なく好ましい。
【0022】また、上記の吸湿機能性乾式不織布を製造
する別の方法として、エアレイ法を用いることが出来
る。サーマルボンディングの場合は熱融着繊維、及び/
又は熱融着パウダーからなるバインダーを5〜20重量
%混合すれば良い。5重量%未満ではボンディングが不
十分となるので、取扱い易くするためには他の不織布ま
たは紙で支持する必要がある。この支持体を用いると熱
融着繊維または熱融着パウダーを用いずに水分を付与す
ることにより、吸湿機能性繊維を相互に自己接着するこ
とが出来る。従って、この場合には熱融着繊維、及び/
又は熱融着パウダー用いずに脱落を防止することが出来
る。
【0023】カードを用いないエアレイ法の場合は繊維
強度の低い吸湿機能性繊維の太さは6デニール以上、1
5デニール以下が分散し易く好ましい。この吸湿機能性
繊維の繊維長は4〜15mmが同じ意味で好ましい。こ
の方法で用いる他の繊維は主体となる吸湿機能性繊維と
似通った性質を持っていることが好ましい。
【0024】上記の吸湿機能性乾式不織布はプレスする
ことにより高密度となり、膨潤性が増大する。プレス圧
力は大きい方が吸湿性乾式不織布をより薄くできるので
好ましい。また、プレスすることにより、吸湿性不織布
の引張強力は向上する。プレス方法はローラープレスで
も一般的なプレス法でも良く、エンボス等の模様が入っ
ていても良い。
【0025】本発明の吸湿機能性繊維は一般的な紡績方
法、例えば短紡、長紡、紡毛、セミソ毛、ラップヤー
ン、結束紡績等で紡績し、紡績糸を製造することができ
る。吸湿性が大きいため温湿度管理を十分に行うことが
好ましく、混紡率によっても異なるが、吸湿・消臭繊維
の含有量が30重量%未満でも、相対湿度が60%以下
の環境で紡績することが好ましい。より好ましくは55
%以下である。調合率、撚数、構成本数等は吸湿・消臭
繊維の繊維強度が小さいため、吸湿機能性繊維が含まれ
ていないものと計算から除外して設計する方が良い。
【0026】上記の紡績糸を使用し、一般的な編織物を
容易に製造することができる。また、交撚、交編、交織
して編織物を製造することができる。さらには、布団綿
等は吹き込み成形にて本発明の吸湿・消臭繊維を混合
し、使用することができる。
【0027】また、本発明の吸湿機能性繊維製品は機能
を付与する以前の吸湿性繊維を使用した不織布、糸、編
み織物、縫製製品に後加工方法により機能を付与するこ
ともできる。その方法としては前記の浸漬法以外に、ス
プレー法、コーティング法等の一般的な加工方法が使用
できる。繊維の段階で機能を付与する方法は大量生産に
適しており、後加工方法は多品種小ロット生産に適して
いる。
【0028】上記の繊維製品には難燃性の繊維を混合す
る等によりその性能を付与したり、後加工により種々の
加工をすることができる。本発明の吸湿機能性繊維は吸
水性をも保持しているため、上記の繊維製品は吸水剤と
しての性能を併せ持つことができる。吸水後も繊維強度
は洗濯に耐える程度には残っているため、水洗濯が可能
であり、洗濯後も繰り返し使用することができる。さら
に、本発明の吸湿・消臭繊維は繰り返し、吸湿、脱湿す
ることができ、吸湿率が90%未満では非常に速やかに
吸湿、脱湿を行うことができる。繊維製品が薄い不織布
状であれば風がなくても、15分程度で平衡値に到達す
る。
【0029】本発明の繊維製品の吸湿・脱湿速度は繊維
製品の表面材を適宜選択することにより、決定すること
ができる。即ち、速度を大きくするためには空気との接
触面積、空気の透過速度を大きくすれば良い。逆に小さ
くするためには透湿性のないフィルム等で被覆し、フィ
ルムに穴を開ける等、空気との接触面積、空気の透過速
度を小さくすれば良い。
【0030】本発明の吸湿機能性繊維製品には補助的に
吸湿性がある他の素材を組み合わせて使用することもで
きる。例えば、吸湿性の大きい天然繊維、シルク、ウー
ル、コットン、パルプ等、吸水ポリマー、吸水性繊維及
びシリカゲル等がある。これらの素材は混合または、積
層等により併用することができる。
【0031】本発明の吸湿機能性繊維および吸湿機能性
繊維製品の吸湿率は、所定の温湿度にコントロールされ
た人工気象室に試験品を置き、恒量になった重量と80
℃の熱風乾燥機で恒量になった絶乾重量の差を絶乾重量
で除し、%で求めた。吸湿機能性繊維等のイオン交換水
の吸水率は遠心脱水法によりDIN53814に準じて
測定した。
【0032】吸水後の繊維形態の保持性の評価はポリエ
ステルタフタ織物の袋に試料を入れ、JISに準じて家
庭洗濯を5回繰り返し行い、その後で開袋し、目視で評
価した。不織布や紡績糸の繊維形態の保持性の評価も同
様にして行った。
【0033】抗菌性はシェークフラスコ法により測定し
た。また、消臭性はガスクロマトグラフを使用し、アン
モニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタンを所定
の濃度、バイエル瓶に注入して30分後の濃度を測定
し、初期濃度との差を初期濃度で除した数値を100倍
し、%で求めた。また、繊維および繊維製品中の金属の
定量は蛍光X線法により求めた。
【0034】
【発明の効果】本発明の吸湿機能性繊維ならびに繊維製
品は吸湿量が大きい。また、吸湿速度が大きいため、被
覆材を選定することにより、吸湿速度を自由に選定する
ことができる。さらに、繰り返し吸湿、脱湿が可能であ
り、調湿剤としても使用することができる。吸湿性と併
せ、吸水性もありながら水洗濯にも耐えられる。その
上、抗菌性、消臭性の機能を有する。
【0035】
【実施例】
実施例1 イオン交換水の吸水率が4300重量%の「ベルオアシ
ス」9d、51mmを熱風乾燥機で温度、処理時間を変
化させ、熱処理により、架橋を進行させた。熱処理後、
浴比1:100で硫酸銅0.5%水溶液に浸漬し、緩く
攪拌しつつ50℃、30分間処理した後、水洗し乾燥し
た。この本発明の吸湿機能繊維の吸水率、20℃、65
%相対湿度での吸湿率を測定し、表1に示した。また、
メチルメルカプタンの消臭性を測定し、表1に示した。
試験No.1〜7の繊維の中に含まれる銅は7200〜
12000ppmの範囲であった。また、シェークフラ
スコ法で測定した黄色ブドウ球菌の菌減少率は試験N
o.1〜7の繊維全て95%以上の値を示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 実施例1のNo.3の金属塩を硝酸コバルトにのみ変更
した本発明の吸湿・消臭繊維9d、6mmとパルプの重
量比1対2の混合物を吸引ネット上の坪量15g/m2
の紙の上に均一になるようにエアレイ法により連続的に
散布し、目付けが100g/m2 になるように積層し
た。目付けの調整はネットスピードと供給量を連続的に
計量し行った。次にこの第2層の上に坪量15g/m2
の紙を積層し、3層構造とし、本発明の吸湿機能性繊維
製品を製造した。この不織布の吸湿率は20℃、65%
相対湿度で13.7%とパルプのみの約2倍の大きい吸
湿性を示した。この繊維のトリメチルアミンを用いた消
臭率は99%であった。
【0038】実施例3 実施例1のNo.3の金属塩を硝酸ニッケルにのみ変更
した本発明の吸湿・消臭繊維9d、51mmと鐘紡
(株)製ポリエチレンテレフタレート繊維SD2d、5
1mmとを重量比1対2で混合し、短紡績により本発明
の吸湿機能性繊維製品の10番双糸を製造した。この糸
の吸湿率は20℃、65%相対湿度で12.8%とポリ
エステル繊維とコットン等量の糸の約2倍の大きい吸湿
性を示した。この繊維のトリメチルアミンを用いた消臭
率は99%であった。
【0039】実施例4 実施例1のNo.5の金属塩を硝酸銀にのみ変更した本
発明の吸湿・消臭繊維9d、51mmと鐘紡(株)製ポ
リエチレンテレフタレート繊維SD2d、51mmとを
重量比1対1で混合し、鐘紡(株)製ポリエチレンテレ
フタレートフィラメントFDY75D/24Fを巻回
し、ラップ紡績により本発明の吸湿機能性繊維製品の2
0番単糸を製造した。この糸を20ゲージの丸編み機で
天竺に編み上げた。この丸編地の吸湿率は20℃、65
%相対湿度で19.8%とポリエステル繊維とコットン
等量の編地の約4倍の大きい吸湿性を示した。この繊維
の黄色ブドウ状球菌を用いた菌減少率は99%であっ
た。
【0040】実施例5 実施例1のNo.3の吸湿機能性繊維を金属イオンで処
理せずに実施例4と同様にして丸編地を製造し、硝酸銀
水溶液に浸漬して緩く攪拌しつつ50℃、30分間処理
した後、水洗し乾燥した。硝酸銀水溶液の濃度、浸漬時
間を変更し、繊維製品中の銀の含有量を変化させ、黄色
ブドウ状球菌を用いた菌減少率を測定し、表2にその結
果を示した。
【0041】
【表2】
【0042】実施例6 実施例1のNo.3の吸湿機能性繊維を金属イオンで処
理せずに実施例4と同様にして丸編地を製造し、硝酸コ
バルト(Co)水溶液に浸漬して緩く攪拌しつつ50
℃、30分間処理した後、水洗し乾燥した。硝酸銀水溶
液の濃度、浸漬時間を変更し、繊維製品中の銀の含有量
を変化させ、トリメチルアミンを用いた消臭率を測定
し、表3にその結果を示した。
【0043】
【表3】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】架橋を行うのは紡糸が完了し、繊維形成が
完了した時点で行う。エステル結合による架橋であるの
で加熱による脱水によって架橋は促進される。本発明の
吸湿機能性繊維はこの架橋を熱処理により適度に進行さ
せることによって、繊維の吸水時の形態保持性、即ちゲ
ル強度の向上を達成することができた。しかし、過度に
熱処理すると部分的には架橋が進行するが、部分的には
架橋が破壊されてしまうことが判明した。本発明の際に
用いる熱処理条件は210℃以上で、温度Y℃、処理時
間T分とすると、 210≦Y<305−(80/110)T 5≦T≦120 の範囲で行うことが好ましい。熱処理温度と熱処理時間
がこの範囲より小さいと大きなゲル強度が得られない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この熱処理は熱風循環タイプの熱処理機、
例えばサクション式熱風乾燥機等で実施できるが、綿を
積層し、熱風を綿の上から吹き付け、下から吸引するサ
クションタイプの場合には熱処理斑が小さく好ましい。
このタイプの熱処理機を使用する場合には処理時間を短
縮できるが、ゲル強度を向上するためには 210≦Y<295−T 5≦T≦80 の範囲で行うことが好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水率が300重量%以上で、吸水後も
    繊維形態を保持し、20℃、相対湿度65%での水分率
    が35重量%以上で銀、銅、鉄、コバルト、ニッケルの
    少なくとも1種を金属イオンとして含有することを特徴
    とする吸湿機能性繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸湿機能性繊維を0.5
    重量%以上含有することを特徴とする繊維製品。
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