JPH09216931A - ポリカルボジイミド架橋体の製造方法 - Google Patents

ポリカルボジイミド架橋体の製造方法

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JPH09216931A
JPH09216931A JP8319162A JP31916296A JPH09216931A JP H09216931 A JPH09216931 A JP H09216931A JP 8319162 A JP8319162 A JP 8319162A JP 31916296 A JP31916296 A JP 31916296A JP H09216931 A JPH09216931 A JP H09216931A
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JP8319162A
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Takeshi Hachiman
健 八幡
Hiroshi Miyoshi
洋 三好
Yasuyuki Takiguchi
泰之 滝口
Yasuyoshi Kawamoto
泰良 河本
Akira Hayashida
章 林田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および機械的特性に優れるポリカルボ
ジイミド架橋体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
以上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存
在下に反応させることを特徴とするポリカルボジイミド
架橋体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性官能基であ
るカルボジイミド結合を有する高分子化合物に対し、特
定の機能性架橋剤を導入することによって、高機能性材
料、優れた耐熱性および機械的特性を有する高分子材
料、並びに高耐熱性を有する無機質材料を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイ
ソプロピルカルボジイミド、ジ−p−トルオイルカルボ
ジイミド等の低分子カルボジイミドは、脱水縮合試薬と
して一般に使用されている反応性の高い試薬であり、エ
ステル合成、ペプチド合成等の分野で利用されている。
一方、複数のカルボジイミド結合を分子中にもつポリカ
ルボジイミドは、一般に適当な溶媒中でカルボジイミド
化触媒の存在下、ジイソシアネートの脱炭酸縮合によっ
て製造される。特に、芳香族系のジイソシアネートから
得られるものは、耐熱性高分子として有用であることが
開示されている(J.Org.Chem.,28、20
69(1963)、米国特許第2,941,966
号)。
【0003】カルボジイミド結合は、アルコール類等の
水酸基を有する化合物と反応して、イソウレア型付加体
を形成するとされている。しかし、カルボジイミド結合
の高い反応性にもかかわらず、この反応には過剰の試
薬、高温、長時間等の反応条件が必要であることが
「J.Org.Chem.,34,3707(106
9)」に報告されている。また、この反応は収率も低
く、完全に反応することは難しく、反応の制御は困難で
あった。
【0004】特に、ポリカルボジイミドは、低分子カル
ボジイミドに比べてかなり低い反応性しか示さないこと
を発明者らは知見した。すなわち、ポリカルボジイミド
は固体状態では上記試薬に対して非常に安定であり、全
く反応せず、また、溶媒に溶解した溶液状態にして過酷
な条件を用いてもほとんど反応しない。このように、ポ
リカルボジイミドの高分子量体に対し、水酸基またはメ
ルカプト基を有する化合物を付加する方法については知
られておらず、さらには水酸基またはメルカプト基を分
子中に二以上有する化合物による高分子の架橋について
もまだ知られていない。
【0005】また、カルボジイミドとアルコール類の反
応には、触媒として、トリアルキル鉛アルコキシド
(J.Chem.Soc.(C),1480(196
8))、ホウフッ化水素酸(Arch.Pharm.
(Weinheim),305,654(197
2))、塩化亜鉛(ドイツ特許第2,423,482
号)等が有効であるとの報告がある。しかし、これらの
触媒は重金属を含むかあるいは強酸であるため、後処理
過程において環境汚染が発生したり、取扱いに厳重な注
意が必要である等の問題がある。また、低分子カルボジ
イミドに対してはナトリウムアルコキシドを使用した報
告(An.Quim.,67,901(1971))も
あるが、ポリカルボジイミドの高分子量体に関する報告
はなされていない。
【0006】ポリカルボジイミド化合物の熱架橋に関し
ては、特開平3−247504号及び特開平3−247
505号に開示されているように、最終的にガラス状炭
素を与えることは知られている。また、ポリカルボジイ
ミドのカルボジイミド結合を三量化して架橋する方法に
関しては、特開昭61−235414号および特開昭6
1−268714号に開示されている。しかしながら、
水酸基またはメルカプト基を二以上有する化合物による
ポリカルボジイミド高分子量体架橋体の架橋および無機
質化に関しては知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボジイ
ミド結合を複数有する高分子化合物を原料として、様々
な機能および機械的特性をもつ架橋体を容易に得るため
の製造方法を提供する。さらには、該架橋体に残存する
カルボジイミド結合をさらに架橋することによる新規な
材料の製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より安全
かつ高分子量であるポリカルボジイミドに対しても有効
な方法を求めて鋭意検討した結果、ポリカルボジイミド
と水酸基を有する化合物との付加反応には、触媒量のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの添
加が有効であり、さらにはメルカプト基を有する化合物
の付加反応に対しても有効であることを見いだした。特
に、低分子カルボジイミドよりも反応性の低い高分子量
ポリカルボジイミドであっても、室温下、短時間にかつ
定量的に反応することを見いだした。
【0009】さらに、水酸基またはメルカプト基を二以
上有する化合物について検討した結果、該化合物による
ポリカルボジイミドの架橋反応に対しても、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属のアルコラートの添加が有効
であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、請求項1に記載のポリカルボジ
イミド架橋体の製造方法は、ポリカルボジイミド化合物
と分子中に二以上の水酸基またはメルカプト基を有する
化合物とをアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアル
コラートの存在下に反応させることを特徴とする。請求
項2に記載のポリカルボジイミド架橋体の製造方法は、
請求項1に記載の方法であって、上記分子中に二以上の
水酸基またはメルカプト基を有する化合物が多価アルコ
ール類であることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載のポリカルボジイミド架橋
体の製造方法は、請求項1に記載の方法であって、上記
分子中に二以上の水酸基またはメルカプト基を有する化
合物が二以上のシラノール基を有するシリコーン化合物
であることを特徴とする。請求項4に記載の熱架橋体の
製造方法は、ポリカルボジイミド化合物と分子中に二以
上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをアル
カリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存在
下に反応させて得られるイソウレア結合またはイソチオ
ウレア結合とカルボジイミドを有する架橋体に、50〜
300℃の加熱処理を施すことによって、該架橋体のカ
ルボジイミド結合を更に架橋させることを特徴とする。
【0012】請求項5に記載の架橋体の製造方法は、ポ
リカルボジイミド化合物と分子中に二以上の水酸基また
はメルカプト基を有する化合物とをアルカリ金属または
アルカリ土類金属のアルコラートの存在下に反応させて
得られるイソウレア結合またはイソチオウレア結合とカ
ルボジイミドを有する架橋体に、カルボジイミド結合の
三量化を促進する塩基性物質を添加して架橋させること
を特徴とする。請求項6に記載の無機質材料の製造方法
は、ポリカルボジイミド化合物と分子中に二以上の水酸
基またはメルカプト基を有する化合物とをアルカリ金属
またはアルカリ土類金属のアルコラートの存在下に反応
させて得られるイソウレア結合またはイソチオウレア結
合とカルボジイミドを有する架橋体に、50〜300℃
の加熱処理を施すことによって、カルボジイミド結合を
更に架橋させて熱架橋体を得て、該熱架橋体を更に50
0〜3000℃で加熱処理して無機化することを特徴と
する。
【0013】請求項7に記載の無機質材料の製造方法
は、ポリカルボジイミド化合物と分子中に二以上の水酸
基を有する化合物とをアルカリ金属またはアルカリ土類
金属のアルコラートの存在下に反応させて得られるイソ
ウレア結合またはイソチオウレア結合とカルボジイミド
を有する架橋体に、カルボジイミド結合の三量化を促進
する塩基性物質を添加することによって、更に架橋させ
て架橋体を得て、該架橋体を更に500〜3000℃で
加熱処理して無機化することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】ポリカルボジイミドは、通常、ト
ルエン、キシレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素
系溶剤中、有機ジイソシアネートの加熱脱炭酸により製
造される。しかし、これらの製造方法では、一般に不溶
性の架橋生成物を与えるため、引き続く水酸基またはメ
ルカプト基を二以上有する化合物の架橋反応に対して好
ましくない。よって、本発明者らが開示した特願平7−
140144号の方法のように、反応温度、反応時間等
を制御して分子量を調整する方法が好ましい。
【0015】また、特開平2−292316号や特開平
4−279618号に開示されているテトラクロロエチ
レン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤や、テトラヒ
ドロフラン等の脂環式エーテル系溶剤を用いる方法は、
安定なポリカルボジイミドの溶剤として取得されるの
で、本発明に採用される出発物質として望ましい。本発
明者らが特願平7−140145号に開示したハロゲン
化芳香族炭化水素系溶剤や、芳香族カルボン酸エステル
系溶剤(特許出願中)も同様の理由により出発物質とし
て採用される。
【0016】有機ジイソシアネートとしては、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フ
ェニルイソシアネート)、ナフチレンジイソシアネート
等が挙げられる。本発明は、他の方法によって得られる
溶液状態の、複数のカルボジイミド結合を有する化合物
全てに適用できる。一般に使用し得るポリカルボジイミ
ドとしては、分子内にカルボジイミド結合を2以上有す
るものであり、好ましくは5以上有するものがよく、高
分子としての一般的な特性を引き出すために、より好ま
しくは分子量が5000以上のものがよい。
【0017】ポリカルボジイミドを水酸基またはメルカ
プト基を二以上有する化合物で架橋する場合には、クロ
ロベンゼン、テトラクロロエチレン等の適当な溶媒にポ
リカルボジイミドを溶解した状態で、水酸基またはメル
カプト基を二以上有する化合物と、アルカリ金属または
アルカリ土類金属のアルコラートを加えればよい。アル
カリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートを加え
ない系では、高温で加熱しても架橋反応はほとんど進行
しないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアル
コラートを加えることにより、室温程度でも短時間で反
応し、しかも加えた水酸基またはメルカプト基を二以上
有する化合物はほぼ定量的に反応する。アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアルコラートの添加量としては
極微量の触媒量でよく、カルボジイミド結合の0.1〜
20モル%、より好ましくは0.5〜10モル%の添加
が好ましい。
【0018】水酸基を二以上有する化合物としては、例
えば、エチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、カテコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、1,3−ビス(3−ヒドロキシ
プロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン等の多価アルコール類や、ジフェニルシランジオー
ル、1,4−ビス(ヒドロキシジメチルシリル)ベンゼ
ン等の分子中にシラノール基を複数有するシリコーン化
合物が例示される。メルカプト基を二以上有する化合物
としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,4
−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ト
ルエンジチオール、1,3−ビス(3−メルカプトプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。水酸
基またはメルカプト基を一つ有する化合物を用いる場合
は、ポリカルボジイミドとの架橋反応が進まず、好まし
くない。
【0019】また、ジチオトレイトール、ジチオエリト
リトール等の分子内に水酸基とメルカプト基の両方を有
する化合物に対しても本発明は有効である。本発明にお
けるアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラー
トとしては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜5
のアルコラートが挙げられる。例えば、カリウムメトキ
シド、カリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、カルシウムジメトキシド、マグネ
シウムジメトキシド等である。ポリカルボジイミドを水
酸基またはメルカプト基を二以上有する化合物で架橋す
る場合は、イソウレア型またはイソチオウレア型の結合
による架橋形式が形成される。
【0020】水酸基またはメルカプト基を二以上有する
化合物の添加量としては、成型加工時に問題が生じない
程度までの添加が可能である。すなわち、溶液状態で成
型加工する場合は、ゲルや沈澱物が析出しない程度、粉
末状で成型加工する場合はポリマーが溶融しかつ溶融粘
度が高過ぎない程度までの任意の価で可能である。ま
た、加える水酸基またはメルカプト基を二以上有する化
合物の量を制御することにより、架橋に使用したイソウ
レア結合またはイソチオウレア結合とカルボジイミド結
合の割合が任意の割合になるように容易に制御すること
ができる。したがって、反応させずに残しておいたカル
ボジイミド結合を様々な反応に利用することも可能であ
る。水酸基またはメルカプト基を二以上有する化合物の
添加量は、カルボジイミド結合に対して、好ましくは5
0モル%以下、特に好ましくは0.1〜30モル%であ
る。
【0021】架橋反応させずに残しておいたカルボジイ
ミド結合は、加熱処理あるいは三量化するなどして架橋
することにより、より機械的強度および耐熱性の高い高
分子材料を得ることができる。カルボジイミド結合をも
つポリマーを加熱する場合は、50〜300℃、好まし
くは100〜260℃の温度に加熱すればよい。この
際、真空中あるいは窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気
下で行うことが好ましいが、300℃以下であれば空気
中での加熱も可能である。50℃未満の加熱では、自己
架橋が進まず、300℃を超える加熱では、有機基の脱
離が起こり、強度特性の劣化を起こす。
【0022】カルボジイミド結合の触媒による架橋は、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の塩基性物質
の添加による三量化反応によっても可能である。塩基性
物質の添加量は、成型加工の際に支障のないような架橋
速度が得られる程度の触媒量でよく、カルボジイミド結
合に対し0.1〜10モル%の添加でよい。また、反応
温度も室温(−10〜30℃)でよいが、反応をより短
時間で行うには200℃以下、好ましくは100℃以下
での加熱が効果的である。反応時間は、1〜60分であ
る。これらのカルボジイミド結合の架橋により、より機
械的強度および耐熱性に優れた高分子材料を得ることが
できる。
【0023】上記の高分子材料を、真空中あるいは窒
素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下で一般にいわゆるガ
ラス状炭素の製造に用いられているような500〜30
00℃程度までの加熱処理を行うことにより、高耐熱性
無機質材料を得ることができる。500℃未満では無機
質化が起こらず、3000℃を超えると不経済である。
この場合、水酸基またはメルカプト基を二以上有する化
合物の種類と量を選択することにより、様々な性質をも
った新規な高耐熱性無機質材料の製造が可能となる。以
下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、
これらにより本発明を制限するものではない。
【0024】
【実施例】合成例1 原料ポリカルボジイミドの合成 市販の2,4−トリレンジイソシアネートを5.40
g、フェニルイソシアネートを90mg、3−メチル−
1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシドを12.
0mg、反応溶媒としてクロロベンゼンを50ml加
え、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃で3時間加熱
することによりポリカルボジイミドを得た。上記溶液を
ガラス板上にキャストし、これを風乾、さらに真空乾燥
により溶媒を除去し、厚さ40μmのポリカルボジイミ
ドフィルムを得た。このフィルムの引張強度測定の結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】合成例2 原料ポリカルボジイミドの合成 市販のメチレンビス(4−フェニルイソシアネート)を
7.75g、フェニルイソシアネートを90mg、3−
メチル−1−フェニルー3ーホスホレン−1−オキシド
を12.0mg、反応溶媒としてクロロベンゼンを50
ml加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃で1時
間加熱することによりポリカルボジイミドを得た。
【0027】合成例3 原料ポリカルボジイミドの合成 市販の2,4−トリレンジイソシアネートを5.40
g、フェニルイソシアネートを90mg、3−メチル−
1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシドを12.
0mg、反応溶媒としてテトラクロロエチレンを50m
l加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら3時間還流するこ
とによりポリカルボジイミドを得た。
【0028】実施例1 ポリカルボジイミドのトリエチレングリコールによる架
合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド1.08
g(カルボジイミド結合:8.3mmol)とクロロベ
ンゼン10mlの溶液に、トリエチレングリコールを
0.062g(カルボジイミド結合に対して5モル%)
加えた。上記溶液に28%ナトリウムメトキシド/メタ
ノール溶液を20mg(カルボジイミド結合に対して
1.2モル%)加えることにより架橋体を得た。得られ
た架橋体のIRスペクトルを図1のに示す。カルボジ
イミド由来の2140cm -1の吸収が減じ、代わりにイ
ソウレア結合由来の1660cm-1の吸収が現れてお
り、イソウレア型架橋の生成を示していた。上記架橋体
の溶液をガラス板上にキャストし、これを風乾、さらに
真空乾燥により溶媒を除去し、厚さ35μmの架橋体の
フィルムを得た。このフィルムの引張強度測定の結果を
表1に示す。架橋により強度が向上し、また柔軟性も保
持されていた。
【0029】実施例2 ポリカルボジイミドの1,6−ヘキサンジオールによる
架橋 合成例3の方法で得られたポリカルボジイミド0.98
g(カルボジイミド結合:8.3mmol)とトリクロ
ロエチレン10mlの溶液に、1,6−ヘキサンジオー
ル0.044g(カルボジイミド結合に対して5モル
%)とテトラヒドロフラン5mlの溶液を加えた。上記
溶液に28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液を
10mg(カルボジイミド結合に対して0.69モル
%)加えることにより架橋体を得た。得られた架橋体の
IRスペクトルでは、図1のと同様にイソウレア結合
由来の1660cm-1の吸収が現れており、イソウレア
型の架橋の生成を示していた。上記架橋体の溶液をガラ
ス板上にキャストし、これを風乾、さらに真空乾燥によ
り溶媒を除去し、厚さ35μmの架橋体のフィルムを得
た。このフィルムの引張強度測定の結果を表1に示す。
架橋により強度が向上し、また柔軟性も保持されてい
た。
【0030】実施例3 ポリカルボジイミドの1,4−ビス(ヒドロキシジメチ
ルシリル)ベンゼンによる架橋 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド1.08
g(カルボジイミド結合:8.3mmol)とクロロベ
ンゼン10mlの溶液に、1,4−ビス(ヒドロキシジ
メチルシリル)ベンゼン0.19g(カルボジイミド結
合に対して10モル%)とテトラヒドロフラン5mlの
溶液を加えた。上記溶液に28%ナトリウムメトキシド
/メタノール溶液を10mg(カルボジイミド結合に対
して0.62モル%)加えることにより架橋体を得た。
得られた架橋体のIRスペクトルでは、図1のと同様
にイソウレア結合由来の1660cm-1の吸収が現れて
おり、イソウレア型の架橋の生成を示していた。上記架
橋体の溶液をガラス板上にキャストし、これを風乾、さ
らに真空乾燥により溶媒を除去し、厚さ32μmの架橋
体のフィルムを得た。このフィルムの引張強度測定の結
果を表1に示す。架橋により強度が向上し、また柔軟性
も保持されていた。
【0031】実施例4 ポリカルボジイミドの1,3−ビス(3−メルカプトプ
ロピル)テトラメチルジシロキサンによる架橋 合成例2の方法で得られたポリカルボジイミド1.65
g(カルボジイミド結合:8.0mmol)とクロロベ
ンゼン10mlの溶液に、1,3−ビス(3−メルカプ
トプロピル)テトラメチルジシロキサンを0.11g
(カルボジイミド結合に対する水酸基のモル数:5モル
%)加えた。上記溶液に28%ナトリウムメトキシド/
メタノール溶液を30mg(カルボジイミド結合に対し
て1.9モル%)加えることにより架橋体を得た。得ら
れた架橋体のIRスペクトルでは、イソチオウレア結合
由来の1625cm-1の吸収が現れており、イソチオウ
レア型の架橋の生成を示していた。上記架橋体の溶液を
ガラス板上にキャストし、これを風乾、さらに真空乾燥
により溶媒を除去し、厚さ38μmの架橋体のフィルム
を得た。このフィルムの引張強度測定の結果を表に示
す。架橋により強度が向上し、また柔軟性も保持されて
いた。
【0032】実施例5 イソウレア結合とカルボジイミド結合とを有する架橋ポ
リマーの熱による架橋 実施例1の方法で得られた架橋体のフィルムを真空中、
200℃で1時間加熱処理することにより、厚さ32μ
mの架橋したポリマーのフィルムを得た。得られたフィ
ルムの引張強度測定の結果を表1に示す。加熱処理によ
る架橋により大幅に強度が向上し、また柔軟性も保たれ
ていた。
【0033】実施例6 イソウレア結合とカルボジイミド結合とを有する架橋ポ
リマーの塩基性物質による架橋 実施例1の方法で得られた架橋ポリマーのクロロベンゼ
ン溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デセンをカルボジイミド結合に対して1モル%加えた
後、ガラス板上にキャストした。これを風乾、真空乾
燥、さらに80℃で1時間加熱することにより、三量化
反応により架橋した厚さ28μmのフィルムを得た。得
られたフィルムの引張強度測定の結果を表1に示す。三
量化反応による架橋により大幅に強度が向上し、また柔
軟性も保たれていた。
【0034】実施例7 架橋ポリマーの無機化 実施例6の方法で得られた架橋ポリマーのフィルムを、
真空中、250℃で5時間加熱した。次に、250℃か
ら300℃までを15分、300℃から500℃までを
60分、500℃から1000℃までを90分の速度で
段階的に昇温し、最終的に1000℃で30分間維持
し、厚さは25μmの無機質フィルムを得た。引張強度
測定の結果を表1に示す。この無機質フィルムをSEM
で表面観察したところ、表面は極めて平滑であり、気泡
等の欠陥もほとんど観察されなかった。また、柔軟性に
も優れた強靭な無機質フィルムであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、カルボジイミド結合を
有する高分子化合物と水酸基またはメルカプト基を二以
上有する化合物の架橋反応を速やかに進行させ、常法で
は得られにくい架橋体を容易に得ることができる。ま
た、本発明の定量的反応性を利用して水酸基またはメル
カプト基を二以上有する化合物の添加量を調節するだけ
で、イソウレア結合またはイソチオウレア結合とカルボ
ジイミド結合の割合を任意かつ容易に制御できる。
【0036】また、カルボジイミド結合と水酸基または
メルカプト基を二以上有する化合物の反応性を利用する
ことにより、様々な機能性、例えば、ゴム弾性、光応答
性等をもつ化合物を容易に高分子中に導入することがで
きるので、高機能材料の製造の分野でも幅広く応用可能
である。これらの高機能材料は、例えば、半導体封止材
料や高密度光記録材料等に用いられる。また、該架橋体
に残存するカルボジイミド結合をさらに架橋することに
より、機械的強度、熱的性質等に優れた新規な機能材料
を得ることができる。これらの新規な機能材料は、耐熱
性絶縁材料や液晶配向材料等に用いられる。さらには、
それらを加熱、焼成することにより高耐熱性、強靭性を
有した無機質材料を得ることができる。これらの無機質
材料は、ハードディスク基板、電池電極材料等に用いら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリカルボジイミドをトリエチレングリコール
により架橋したポリマーのIRスペクトルを示した図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝口 泰之 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 河本 泰良 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 林田 章 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
    以上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをア
    ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存
    在下に反応させることを特徴とするポリカルボジイミド
    架橋体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記分子中に二以上の水酸基またはメル
    カプト基を有する化合物が多価アルコール類であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリカルボジイミド架橋
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記分子中に二以上の水酸基またはメル
    カプト基を有する化合物が二以上のシラノール基を有す
    るシリコーン化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載のポリカルボジイミド架橋体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
    以上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをア
    ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存
    在下に反応させて得られるイソウレア結合またはイソチ
    オウレア結合とカルボジイミドを有する架橋体に、50
    〜300℃の加熱処理を施すことによって、該架橋体の
    カルボジイミド結合を更に架橋させることを特徴とする
    熱架橋体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
    以上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをア
    ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存
    在下に反応させて得られるイソウレア結合またはイソチ
    オウレア結合とカルボジイミドを有する架橋体に、カル
    ボジイミド結合の三量化を促進する塩基性物質を添加し
    て架橋させることを特徴とする架橋体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
    以上の水酸基またはメルカプト基を有する化合物とをア
    ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコラートの存
    在下に反応させて得られるイソウレア結合またはイソチ
    オウレア結合とカルボジイミドを有する架橋体に、50
    〜300℃の加熱処理を施すことによって、カルボジイ
    ミド結合を更に架橋させて熱架橋体を得て、該熱架橋体
    を更に500〜3000℃で加熱処理して無機化するこ
    とを特徴とする無機質材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリカルボジイミド化合物と分子中に二
    以上の水酸基を有する化合物とをアルカリ金属またはア
    ルカリ土類金属のアルコラートの存在下に反応させて得
    られるイソウレア結合またはイソチオウレア結合とカル
    ボジイミドを有する架橋体に、カルボジイミド結合の三
    量化を促進する塩基性物質を添加することによって、更
    に架橋させて架橋体を得て、該架橋体を更に500〜3
    000℃で加熱処理して無機化することを特徴とする無
    機質材料の製造方法。
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