JPH09255748A - ポリカルボジイミド誘導体の製造方法 - Google Patents

ポリカルボジイミド誘導体の製造方法

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JPH09255748A
JPH09255748A JP9002603A JP260397A JPH09255748A JP H09255748 A JPH09255748 A JP H09255748A JP 9002603 A JP9002603 A JP 9002603A JP 260397 A JP260397 A JP 260397A JP H09255748 A JPH09255748 A JP H09255748A
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JP
Japan
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polycarbodiimide
bond
carbodiimide
molecule
reacting
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JP9002603A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyoshi
洋 三好
Yasuyuki Takiguchi
泰之 滝口
Takeshi Hachiman
健 八幡
Yasuyoshi Kawamoto
泰良 河本
Akira Hayashida
章 林田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性および機械的特性に優れたポリカルボ
ジイミド誘導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
素原子を含むアミン化合物とを反応させることを特徴と
するポリカルボジイミド誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性官能基であ
るカルボジイミド結合を有する高分子化合物に対して、
特定の化合物を付加させて得られる、耐熱性および機械
的特性に優れた高分子材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイ
ソプロピルカルボジイミド、ジ−p−トルオイルカルボ
ジイミド等の低分子カルボジイミドは、脱水縮合試薬と
して一般に使用されている反応性の高い試薬であり、エ
ステル合成、ペプチド合成等の分野で利用されている。
一方、複数のカルボジイミド結合を分子中にもつポリカ
ルボジイミドは、一般に適当な溶媒中でカルボジイミド
化触媒の存在下、ジイソシアネートの脱炭酸縮合により
製造される。特に芳香族系のジイソシアネートから得ら
れるものは耐熱性高分子として有用であることが開示さ
れている(J.Org.Chem.,28、2069
(1963)、米国特許第2,941,966号)。
【0003】カルボジイミド結合は、アルコール類等の
水酸基を有する化合物と反応してイソウレア型付加体を
形成するとされている。しかしながら、カルボジイミド
結合の高い反応性にもかかわらず、この反応には過剰の
試薬、高温、長時間等の反応条件が必要であることが
「J.Org.Chem.,34、3707(196
9)」に報告されており、それに起因して収率も低く、
完全に反応することは難しく、反応の制御も困難であっ
た。
【0004】一方、カルボジイミド結合は、アミン類等
のアミノ基を有する化合物とは容易かつ簡便に反応して
グアニジン型付加体を形成することが知られている(D
ieMakromol.Chem.,67,1(196
3))。しかしながら、これは、ポリカルボジイミド化
合物に対して、1個のアミノ基を有する一般的な炭化水
素を付加する方法であり、機能性材料として幅広くその
有用性が認められている有機珪素化合物の付加について
は知られていない。
【0005】ポリカルボジイミド化合物の熱架橋に関し
ては、特開平3−247504号および特開平3−24
7505号によって開示されているように、最終的にガ
ラス状炭素を与えることが知られている。また、ポリカ
ルボジイミドのカルボジイミド結合を三量化して架橋す
る方法に関しては、特開昭61−235414号および
特開昭61−268714号によって開示されている。
しかしながら、ポリカルボジイミド化合物を分子内に1
個のアミノ基を有する有機珪素化合物と反応させて得ら
れるポリカルボジイミド誘導体について、更に架橋およ
び無機質化する技術に関しては知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カルボジイ
ミド結合を有する高分子化合物等を原料として、様々な
機能および機械的特性をもった誘導体を容易に得ようと
するものである。また、該誘導体に対してさらに処理を
加えることによって、耐熱性や機械的強度に優れる新規
な材料を得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のポ
リカルボジイミド化合物の誘導体を得ることについて鋭
意検討した結果、分子内に珪素原子を含むアミン化合物
の使用が、ポリカルボジイミド化合物の付加反応を速や
かに進行させて架橋体を得ることに対して有効であるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、
請求項1に記載のポリカルボジイミド誘導体の製造方法
は、ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪素原子を含
むアミン化合物とを反応させることを特徴とする。請求
項2に記載のポリカルボジイミド誘導体の製造方法は、
請求項1に記載の製造方法であって、分子内に珪素原子
を含むアミン化合物が一般式
【化6】 (R1 は珪素原子を含む有機基であり、R2 は水素原子
または炭素数1〜6の炭化水素基である。)で示される
ことを特徴とする。
【0008】請求項3に記載のポリカルボジイミド誘導
体の製造方法は、請求項2に記載の製造方法であって、
1 が一般式
【化7】 (R3 およびR4 は炭素数1〜20の有機基であり、n
は1以上の整数である。)で示される構造を含むことを
特徴とする。ここで、nは、好ましくは1以上100以
下、更に好ましくは1以上50以下の整数である。請求
項4に記載のポリカルボジイミド誘導体の製造方法は、
請求項2に記載の製造方法であって、R1 が一般式
【化8】 (R5 およびR6 は炭素数1〜20の有機基であり、n
は1以上の整数である。)で示される構造を含むことを
特徴とする。ここで、nは、好ましくは1以上100以
下、更に好ましくは1以上50以下の整数である。
【0009】請求項5に記載のポリカルボジイミド誘導
体の製造方法は、請求項2に記載の製造方法であって、
1 が一般式
【化9】 (R7 およびR8 は炭素数1〜20の有機基であり、R
9 およびR10は水素原子または炭素数1〜20の有機基
であり、nは1以上の整数である。)で示される構造を
含むことを特徴とする。ここで、nは、好ましくは1以
上100以下、更に好ましくは1以上50以下の整数で
ある。請求項6に記載のポリカルボジイミド誘導体の製
造方法は、請求項2に記載の製造方法であって、R1
一般式
【化10】 (R11およびR12は炭素数1〜20の有機基であり、R
13は水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、n
は1以上の整数である。)で示される構造を含むことを
特徴とする。ここで、nは、好ましくは1以上100以
下、更に好ましくは1以上50以下の整数である。
【0010】請求項7に記載の熱架橋体の製造方法は、
ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪素原子を含むア
ミン化合物とを反応させて得られるグアニジン結合とカ
ルボジイミド結合を有するポリカルボジイミド架橋体
を、50〜300℃で加熱することによって、更にカル
ボジイミド結合の自己架橋を促進させることを特徴とす
る。請求項8に記載の架橋体の製造方法は、ポリカルボ
ジイミド化合物と分子内に珪素原子を含むアミン化合物
とを反応させて得られるグアニジン結合とカルボジイミ
ド結合を有するポリカルボジイミド架橋体に、カルボジ
イミド結合の三量化を促進する塩基性物質を添加して反
応させることによって、更にカルボジイミド結合の自己
架橋を促進させることを特徴とする。
【0011】請求項9に記載の無機質材料の製造方法
は、ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪素原子を含
むアミン化合物とを反応させて得られるグアニジン結合
とカルボジイミド結合を有するポリカルボジイミド架橋
体を、50〜300℃で加熱することによって、更にカ
ルボジイミド結合の自己架橋を促進させて得た熱架橋体
を、更に500〜3000℃で加熱処理して無機化する
ことを特徴とする。請求項10に記載の無機質材料の製
造方法は、ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪素原
子を含むアミン化合物とを反応させて得られるグアニジ
ン結合とカルボジイミド結合を有するポリカルボジイミ
ド架橋体に、カルボジイミド結合の三量化を促進する塩
基性物質を添加して反応させることによって、更にカル
ボジイミド結合の自己架橋を促進させて得た架橋体を、
更に500〜3000℃で加熱処理して無機化すること
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】ポリカルボジイミドは、通常トル
エン、キシレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素系
溶剤中、有機ジイソシアネートの加熱脱炭酸により製造
される。しかし、一般に不溶性の架橋生成物を与えるた
め、引き続く水酸基またはメルカプト基を有する化合物
の付加反応に対して好ましくない。よって、本発明者ら
が開示した特願平7−140144号の方法のように、
反応温度、反応時間等を制御して分子量を調整する方法
が好ましい。また、特開平2−292316号や特開平
4−279618号に開示されているテトラクロロエチ
レン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶剤や、テトラヒ
ドロフラン等の脂環式エーテル系溶剤を用いる方法は、
安定なポリカルボジイミドの溶液として取得されるの
で、本発明に採用される出発物質として望ましい。本発
明者らが特願平7−140145号に開示したハロゲン
化芳香族炭化水素系溶剤や芳香族カルボン酸エステル系
溶剤も同様の理由により出発物質として採用される。
【0013】上記有機ジイソシアネートの具体例として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、メチレンビ
ス(4−フェニルイソシアネート)、ナフチレンジイソ
シアネート等が挙げられる。本発明で用いられるポリカ
ルボジイミド化合物は、上記のポリカルボジイミドの製
造方法によって得られるものに限定されるものではな
く、他の方法によって得られる溶液状態の複数のカルボ
ジイミド結合を有する化合物全てが使用可能である。一
般に使用し得るポリカルボジイミドとしては、分子内に
カルボジイミド結合を2個以上有するものであり、好ま
しくは5個以上有するものがよく、高分子としての一般
的な特性を引き出すために、より好ましくは分子量が5
000以上のものがよい。
【0014】ポリカルボジイミドに、分子内に珪素原子
を含むアミン化合物を付加する場合には、ポリカルボジ
イミドをクロロベンゼン、テトラクロロエチレン等の適
当な溶媒に溶解した状態で、分子内に珪素原子を含むア
ミン化合物をそのままかあるいは同様の溶媒に溶解した
状態で添加すればよい。付加反応は、室温程度でも短時
間で反応し、しかも添加した分子内に珪素原子を含むア
ミン化合物はほぼ定量的に反応する。分子内に珪素原子
を含むアミン化合物としては、例えば、3−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン等の分子内にSi−O鎖を有するアミン類や、3−ア
ミノプロピル−2,2,2−トリエトキシジメチルジシ
ラン、3−アミノプロピル−2,2,2−トリメトキシ
ジメチルジシラン、3−アミノエチル−2,2,2−ト
リエトキシジメチルジシラン等の分子内にSi−Si鎖
を有するアミン類や、3−アミノプロピルトリエチルシ
ラン、3−アミノプロピルトリメチルシラン、3−アミ
ノプロピルジメチルエトキシシラン等の分子内にSi−
C鎖を有するアミン類や、ビス(エチルアミノ)ジメチ
ルシラン、ビス(エチルアミノ)ジエチルシラン、ビス
(エチルアミノ)エチルメチルシラン等の分子内にSi
−N鎖を有するアミン類が挙げられる。
【0015】珪素原子を含むアミン化合物をポリカルボ
ジイミドに付加する場合は、全てのカルボジイミド結合
に対して付加させることも可能であり、グアニジン型の
結合が形成される。珪素原子を含むアミン化合物の添加
量としては、成型加工時に問題が生じない程度までの量
が可能である。すなわち、溶液状態で成型加工する場合
は、ゲルや沈澱物が析出しない程度、粉末状で成型加工
する場合はポリマーが溶融しかつ溶融粘度が高過ぎない
程度までである。つまり、少なくともアミノ基が定量的
にポリカルボジイミド化合物中のカルボジイミド結合に
対して反応することの可能な量である、ポリカルボジイ
ミド化合物中のカルボジイミド結合に対して当量比が
1.0以下、好ましくは0.1〜1.0の任意の価で可
能である。
【0016】また、最終的に優れた特性を有する材料と
して架橋体を得るには、ポリカルボジイミド化合物中の
カルボジイミド結合に対して当量比が0.001以上の
価が必要である。また、珪素原子を含むアミン化合物の
量を制御することにより、グアニジン結合とカルボジイ
ミド結合の割合を任意の割合で容易に制御することがで
きる。したがって、反応させずに残しておいたカルボジ
イミド結合をその後の様々な反応に利用することも可能
である。また、数種類の異なった珪素原子を含むアミン
化合物を導入することも容易に可能である。
【0017】反応させずに残しておいたカルボジイミド
結合は、加熱処理あるいは三量化するなどして架橋する
ことによって、より機械的強度および耐熱性の高い高分
子材料を得ることができる。カルボジイミド結合をもつ
ポリマーを加熱する場合は、50℃以上300℃以下、
好ましくは100℃以上260℃以下の温度に加熱すれ
ばよい。50℃未満では、自己架橋が進まず、300℃
を超えると有機基の脱離が起こり、強度特性の劣化を引
き起こす。この際、真空中あるいは窒素、アルゴン等の
非酸化性雰囲気下で行うことが好ましいが、300℃以
下であれば空気中での加熱も可能である。
【0018】カルボジイミド結合の触媒による架橋は、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の塩基性物質
の添加による三量化反応によっても可能である。塩基性
物質の添加量は、成型加工の際に支障のないような架橋
速度が得られる程度の触媒量でよく、カルボジイミド結
合に対し0.1〜10モル%の添加でよい。また、温度
も室温(−10〜30℃)で可能であるが、より反応を
短時間で行うには200℃以下、好ましくは100℃以
下での加熱が効果的である。これらのカルボジイミド結
合の架橋により、高機能性を持ちつつ、機械的強度およ
び耐熱性に優れた高分子材料を得ることができる。
【0019】上記の高分子材料を、真空中あるいは窒
素、アルゴン等の非酸化性雰囲気下で一般にいわゆるガ
ラス状炭素の製造に用いられているような500℃から
3000℃程度までの加熱処理を行うことによって、高
耐熱性無機質材料を得ることができる。この場合、付加
する水酸基またはメルカプト基を有する化合物の種類と
量を選択することにより、様々な性質をもった新規な高
耐熱性無機質材料の製造が可能となる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらにより本発明を制限するものではな
い。合成例1 原料ポリカルボジイミドの合成 市販の2,4−トリレンジイソシアネートを16.2
g、フェニルイソシアネートを0.27g、3−メチル
−1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシドを3
6.0mg、反応溶媒としてクロロベンゼンを150m
l加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら120℃で3時間
加熱することによりポリカルボジイミドを得た。
【0021】実施例1 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピルトリエトキシ
シランの反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン1.03g(カルボジイミド結合に対
してアミノ基100モル%相当)を溶解したクロロベン
ゼン15mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液の
IRスペクトルの測定により、カルボジイミド結合に由
来した2140cm-1の吸収がほぼ消失し、グアニジン
型の結合に由来した3395cm-1に新規の吸収が現
れ、更に1636cm-1の吸収が増加したことによりグ
アニジン型の反応進行が確認できた。これにより、ポリ
カルボジイミド化合物と分子内に珪素原子を含むアミン
化合物の反応の存在が示された。
【0022】実施例2 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピルトリエトキシ
シランの反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン0.515g(カルボジイミド結合に
対してアミノ基50モル%相当)を溶解したクロロベン
ゼン15mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液の
IRスペクトルの測定により、カルボジイミド結合に由
来した2138cm-1の吸収が減少し、グアニジン型の
結合に由来した3398cm-1に新規の吸収が現れ、更
に1636cm-1の吸収が増加したことにより、グアニ
ジン型の反応進行が確認できた。
【0023】実施例3 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピルトリエトキシ
シランの反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン0.103g(カルボジイミド結合に
対してアミノ基10モル%相当)を溶解したクロロベン
ゼン15mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液の
IRスペクトルの測定により、カルボジイミド結合の2
140cm-1の吸収の他に、グアニジン型の結合に由来
した3400cm-1に新規の吸収が現れ、更に1637
cm-1の吸収が増加したことにより、グアニジン型の反
応進行が確認できた。
【0024】実施例4 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピル−2,2,2
−トリエトキシジメチルジシランの反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、3−アミノプロピル−
2,2,2−トリエトキシジメチルジシラン0.865
g(カルボジイミド結合に対してアミノ基100モル%
相当)を溶解したクロロベンゼン15mlを加え、室温
で1時間攪拌した。反応液のIRスペクトルの測定によ
り、カルボジイミド結合に由来した2140cm-1の吸
収がほぼ消失し、グアニジン型の結合に由来した339
5cm-1に新規の吸収が現れ、更に1636cm-1の吸
収が増加したことにより、グアニジン型の反応進行が確
認できた。
【0025】実施例5 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピルトリエチルシ
ランの反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、3−アミノプロピルト
リエチルシラン0.499g(カルボジイミド結合に対
してアミノ基100モル%相当)を溶解したクロロベン
ゼン15mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応液の
IRスペクトルの測定により、カルボジイミド結合に由
来した2140cm-1の吸収がほぼ消失し、グアニジン
型の結合に由来した3395cm-1に新規の吸収が現わ
れ、更に1636cm-1の吸収が増加したことにより、
グアニジン型の反応進行が確認できた。
【0026】実施例6 ポリカルボジイミドと3−アミノプロピルシロキサンの
反応 合成例1の方法で得られたポリカルボジイミド0.41
g(カルボジイミド結合:3.1mmol)を溶解した
クロロベンゼン5mlの溶液に、一般式
【化11】 で示される平均組成式の3−アミノプロピルシロキサン
2.47g(カルボジイミド結合に対してアミノ基10
0モル%相当)を溶解したクロロベンゼン15mlを加
え、室温で1時間攪拌した。反応液のIRスペクトルの
測定により、カルボジイミド結合に由来した2140c
-1の吸収がほぼ消失し、グアニジン型の結合に由来し
た3395cm-1に新規の吸収が現われ、更に1636
cm-1の吸収が増加したことにより、グアニジン型の反
応進行が確認できた。
【0027】実施例7 グアニジン結合とカルボジイミド結合とを有するポリマ
ーの熱架橋 実施例3の方法で得られたポリカルボジイミド誘導体の
クロロベンゼン溶液をガラス板上にキャストした。これ
を風乾、さらに真空乾燥により溶媒を除去し、ポリカル
ボジイミド架橋のフィルムを得た。このフィルムを真空
中、185℃で5分間加熱処理することにより、厚さ4
8μmのフィルムを得た。得られたフィルムの引張強度
を測定したところ、未処理のフィルムは24kgf/c
2 、加熱処理後のフィルムは各々280kgf/cm
2 であり、加熱処理による架橋により大幅に強度が向上
した。
【0028】実施例8 グアニジン結合とカルボジイミド結合とを有するポリマ
ーの塩基性物質による架橋 実施例3の方法で得られたポリカルボジイミド誘導体の
クロロベンゼン溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]ウンデセンをカルボジイミド結合に対して1モ
ル%加えた後、ガラス板上にキャストした。これを風
乾、真空乾燥、さらに80℃で1時間加熱することによ
り、イソウレア結合とカルボジイミド結合を有するポリ
マーをカルボジイミド結合の三量化反応により架橋した
厚さ52μmのフィルムを得た。得られたフィルムの引
張強度を測定したところ、未処理のフィルムは24kg
f/cm2 、塩基性物質を添加して架橋したフィルムは
220kgf/cm2 であり、架橋により大幅に強度が
向上した。
【0029】実施例9 架橋ポリマーの無機化 実施例6の方法で得られたグアニジン結合とカルボジイ
ミド結合とを有するポリマーの熱架橋フィルムを、真空
中、250℃で5時間加熱した。次に250℃から30
0℃までを15分、300℃から500℃までを60
分、500℃から1000℃までを90分の速度で段階
的に昇温し、最終的に1000℃で30分間維持し、厚
さ80μmの無機質フィルムを得た。この無機質フィル
ムをSEMで表面観察したところ、表面は極めて平滑で
あり、気泡等の欠陥もほとんど観察されなかった。引張
強度は750kgf/cm2であり、強靭な無機質フィ
ルムであった。
【0030】
【発明の効果】ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
素原子を含むアミン化合物とを反応させることによっ
て、ポリカルボジイミド化合物の誘導体を容易に得るこ
とができる。また、分子内に珪素原子を含むアミン化合
物の添加量を調節するだけで、任意にグアニジン結合と
カルボジイミド結合の割合を制御できるので、グアニジ
ン結合とカルボジイミド結合とを有するポリマーも容易
に取得可能である。
【0031】さらに、カルボジイミド結合と分子内に珪
素原子を含むアミン化合物の反応性を利用することによ
り、様々な機能性、例えばゴム弾性、光応答性等をもつ
化合物を容易に高分子中に導入することができるので、
高機能材料の製造の分野でも幅広く応用できる。これら
の高機能材料は、例えば、半導体封止材料や高密度光記
録材料等の分野で用いることができる。さらに、該付加
体に残存するカルボジイミド結合を更に架橋することに
より、機械的強度、熱的性質等に優れた新規な機能材料
を得ることができる。これらの新規な機能材料は、例え
ば耐熱性絶縁材料や液晶配向材料等の分野で用いること
ができる。さらにはそれらを加熱、焼成することによ
り、高耐熱性、強靭性を有する無機質材料を得ることが
できる。これらの無機質材料は、ハードディスク基板、
電池電極材料等の分野で用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八幡 健 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 河本 泰良 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 林田 章 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
    素原子を含むアミン化合物とを反応させることを特徴と
    するポリカルボジイミド誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 分子内に珪素原子を含むアミン化合物が
    一般式 【化1】 (R1 は珪素原子を含む有機基であり、R2 は水素原子
    または炭素数1〜6の炭化水素基である。)で示される
    ことを特徴とする請求項1に記載のポリカルボジイミド
    誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 R1 が一般式 【化2】 (R3 およびR4 はC1〜C20の有機基であり、nは
    1以上の整数である。)で示される構造を含むことを特
    徴とする請求項2に記載のポリカルボジイミド誘導体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 R1 が一般式 【化3】 (R5 およびR6 は炭素数1〜20の有機基であり、n
    は1以上の整数である。)で示される構造を含むことを
    特徴とする請求項2に記載のポリカルボジイミド誘導体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 R1 が一般式 【化4】 (R7 およびR8 は炭素数1〜20の有機基であり、R
    9 およびR10は水素原子または炭素数1〜20の有機基
    であり、nは1以上の整数である。)で示される構造を
    含むことを特徴とする請求項2に記載のポリカルボジイ
    ミド誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 R1 が一般式 【化5】 (R11およびR12は炭素数1〜20の有機基であり、R
    13は水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、n
    は1以上の整数である。)で示される構造を含むことを
    特徴とする請求項2に記載のポリカルボジイミド誘導体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
    素原子を含むアミン化合物とを反応させて得られるグア
    ニジン結合とカルボジイミド結合を有するポリカルボジ
    イミド架橋体を、50〜300℃で加熱することによっ
    て、更にカルボジイミド結合の自己架橋を促進させるこ
    とを特徴とする熱架橋体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
    素原子を含むアミン化合物とを反応させて得られるグア
    ニジン結合とカルボジイミド結合を有するポリカルボジ
    イミド架橋体に、カルボジイミド結合の三量化を促進す
    る塩基性物質を添加して反応させることによって、更に
    カルボジイミド結合の自己架橋を促進させることを特徴
    とする架橋体の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に珪
    素原子を含むアミン化合物とを反応させて得られるグア
    ニジン結合とカルボジイミド結合を有するポリカルボジ
    イミド架橋体を、50〜300℃で加熱することによっ
    て、更にカルボジイミド結合の自己架橋を促進させて得
    た熱架橋体を、更に500〜3000℃で加熱処理して
    無機化することを特徴とする無機質材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 ポリカルボジイミド化合物と分子内に
    珪素原子を含むアミン化合物とを反応させて得られるグ
    アニジン結合とカルボジイミド結合を有するポリカルボ
    ジイミド架橋体に、カルボジイミド結合の三量化を促進
    する塩基性物質を添加して反応させることによって、更
    にカルボジイミド結合の自己架橋を促進させて得た架橋
    体を、更に500〜3000℃で加熱処理して無機化す
    ることを特徴とする無機質材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012526872A (ja) * 2009-05-15 2012-11-01 ライン・ケミー・ライノー・ゲーエムベーハー カルボジイミドを製造するための方法

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