JPH09216893A - エトポシド類の製法 - Google Patents

エトポシド類の製法

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JPH09216893A
JPH09216893A JP33629696A JP33629696A JPH09216893A JP H09216893 A JPH09216893 A JP H09216893A JP 33629696 A JP33629696 A JP 33629696A JP 33629696 A JP33629696 A JP 33629696A JP H09216893 A JPH09216893 A JP H09216893A
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Yukihiro Fusauchi
幸博 房内
Hiroshi Yoshikawa
博 好川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】有害なハロゲン系溶媒を使用せずかつ副生物を
抑え高収率でエトポシド類を得る。 【解決手段】保護を付した4′−デメチル−4−エピポ
ドフィロトキシンと保護を付したグルコース誘導体を保
護基を付した4′−デメチル−4−エピポドフィロトキ
シンの1重量部に対して1ないし7倍容量部の非ハロゲ
ン系有機溶媒中、触媒を用いて反応させて式(3) 〔式中、R1 ならびにR2 は水酸基の保護基を示す〕で
示される官能基の保護されたエトポシド類を得、必要に
応じて脱保護することを特徴とするエトポシド類の製
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗腫瘍剤として広く
使用されている4’−デメチル−4−エピポドフィロト
キシン−β−D−エチリデングルコシド(以下エトポシ
ドと称す)およびその化合物の官能基が保護されている
ものの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】後記式(1)で示される保護基を付した
4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと後記式
(2)で示される保護基を付したグルコ−ス誘導体を三
ふっ化ほう素ジアルキルエ−テル錯体を触媒として反応
させ、後記式(3)官能基の保護されたエトポシド類を
得る方法において溶媒としてジクロロメタン、クロロホ
ルムのハロゲン系溶媒が好適に使用されている(特開平
2−295996号、特公昭63−28438号)。ま
た特開平2−292295号によれば該反応をジクロロ
メタンの他、酢酸エチル、エ−テル、アセトンまたはア
セトニトリル等の溶媒中で行えることが記載されている
が、実際にはジクロロエタン中での合成例があるのみで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、ハロゲン系溶媒
の人に対する発癌性や環境への有害性から非ハロゲン系
溶媒への変換が望まれている。しかしながら本反応の場
合、触媒の失活、原材料または反応生成物への溶媒の影
響およびそれらの溶解性等の問題から実際に非ハロゲン
系溶媒で反応を行っている例は見当たらない。本発明者
等の検討によれば、非ハロゲン系溶媒中で通常使用され
る溶媒量で反応を行った場合、保護基を付された4’−
デメチル−4−エピポドフィロトキシン式(1)の2量
体が極めて大量に副生することがわかった。2量体の生
成は目的物の収量の低下のみならず品質の低下を来すの
で極力その生成を抑える手段が望まれる。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明者らは該反応に使
用される溶媒として、ハロゲン系溶媒に替わる非ハロゲ
ン系溶媒での反応を種々検討した結果、非ハロゲン系溶
媒の使用量、特に非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量を従
来のハロゲン系溶媒の場合の半分以下に減じるならば、
保護基を付された4’−デメチル−4−エピポドフィロ
トキシンの2量体の生成が著しく抑制されることを見い
出した。また、非ハロゲン化脂肪族溶媒と非ハロゲン化
芳香族系溶媒との混合溶媒が該2量体の生成を抑制する
ために反応溶媒として優れていることを見出し本発明の
完成にいたった。
【0005】即ち、本発明は次の(1)〜(9)に関す
る。 (1)式(1)
【0006】
【化7】
【0007】(式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示
される保護基を付された4’−デメチル−4−エピポド
フィロトキシンと式(2)
【0008】
【化8】
【0009】(式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示
される保護基を付されたグルコ−ス誘導体を、非ハロゲ
ン系溶媒中かつ式(1)で示される化合物の1重量部に
対して0.1〜7倍容量部の非ハロゲン化脂肪族溶媒及
び脱水縮合触媒の存在下に反応させて式(3)
【0010】
【化9】
【0011】(式中R1 ,R2 は前記と同一である)で
示される官能基の保護されたエトポシドを得、必要に応
じて脱保護することを特徴とするエトポシド類の製法。
【0012】(2)式(1)
【0013】
【化10】 (式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示される保護基
を付された4′−デメチル−4−エピポドフィロトキシ
ンと式(2)
【0014】
【化11】
【0015】(式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示
される保護基を付されたグルコース誘導体を非ハロゲン
化脂肪族溶媒と非ハロゲン化芳香族系溶媒との混合溶媒
中、脱水縮合触媒を用いて反応させて式(3)
【0016】
【化12】
【0017】(式中R1,2 は前記と同一である)で示
される官能基の保護されたエトポシドを得、必要に応じ
て脱保護することを特徴とするエトポシド類の製法。 (3)非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル、ケトンおよ
びエステル化合物である(2)記載の製法。
【0018】(4)非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル
化合物の場合、そのニトリル化合物の脂肪族炭化水素残
基が炭素数1ないし3のアルキル基またはアルキレン基
であり、ケトン化合物の場合、ケトン基の両端の脂肪族
炭化水素残基が炭素数1ないし5のアルキル基またはア
ルキレン基であり、エステル化合物の場合は酢酸および
プロピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルとからな
るエステルである(3)記載の製法。
【0019】(5)非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼ
ンまたはその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基ま
たはニトロ基であり、置換基の数が1ないし3である
(3)記載の製法。
【0020】(6)非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量が
式(1)で示される化合物1重量部に対して0.1ない
し4倍容量部であり、かつ混合溶媒の総量が式(1)で
示される化合物1重量部に対して1ないし10倍容量部
の範囲内である(2)記載の製法。
【0021】(7)非ハロゲン系脂肪族溶媒がアセトニ
トリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸
イソプロピルからなる群から選ばれる溶媒であり、非ハ
ロゲン化芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、およびニトロト
ルエンからなる群から選ばれる溶媒であり、脱水縮合触
媒が三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)エ−テル
で、その使用量が式(1)で示される化合物に対して1
ないし15当量の範囲内である(6)記載の製法。
【0022】(8)非ハロゲン系脂肪族溶媒が(1)ア
セトニトリルと(2)ベンゼン、トルエンまたはキシレ
ンとの混合溶媒で、アセトニトリルの使用量が式(1)
で示される化合物1重量部に対して0.3ないし3容量
部の範囲内で、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示され
る化合物1重量部に対して2ないし6容量部の範囲内で
あり、触媒の三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)
エ−テルの使用量が式(1)で示される化合物1に対し
て1ないし6当量の範囲内である(7)記載の製法。 (9)式(1)の保護を付した4′−デメチル−4−エ
ピポドフィロトキシンと式(2)の保護を付したグルコ
ース誘導体を、非ハロゲン系有機溶媒中、脱水縮合触媒
を用いて反応させ、式(3)で示される官能基の保護さ
れたエトポシド類を得、必要に応じて脱保護し、エトポ
シド類を製造する方法において非ハロゲン化脂肪族溶媒
がニトリル化合物であり、その使用量が式(1)の化合
物1重量部に対して、1〜10倍容量部であるエトポシ
ド類の製法。
【0023】
【発明の実施の形態】式(1)の保護された4’−デメ
チル−4−エピポドフィロトキシンの水酸基の保護基R
1 としては炭素数1ないし10のアシル基が好ましく、
例えば低級(C1〜C6)アルキルカルボニル基、低級
(C1〜C6)アルキルオキシカルボニル基、ベンゾイ
ル基あるいはベンジルオキシカルボニル基または1ない
し3のハロゲン原子等で置換された、(1)低級(C1
〜C6)アルキルカルボニル基、(2)低級(C1〜C
6)アルキルオキシカルボニル基、(3)ベンゾイル基
あるいは(4)ベンジルオキシカルボニル基等が挙げら
れる。好ましくはアセチル基または1ないし3個のハロ
ゲン原子で置換されたアセチル基である。ここでハロゲ
ンはふっ素、塩素または臭素等を示し、特にモノクロロ
アセチル基またはジクロロアセチル基が好ましい。
【0024】式(2)の保護されたグルコ−ス誘導体の
水酸基の保護基R2 はR1 であげた保護基がいずれも使
用でき、例えば低級アルキルカルボニル基、ベンゾイル
基あるいは低級(C1〜C6)アルキルオキシカルボニ
ル基または1ないし3のハロゲン原子等で置換された、
(1)低級(C1〜C6)アルキルカルボニル基、
(2)ベンゾイル基あるいは(3)低級(C1〜C6)
アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。好ましく
はアセチル基または1ないし3個のハロゲン原子で置換
されたアセチル基である。ここでハロゲンはふっ素、塩
素または臭素等を示し、特にモノクロロアセチル基また
はジクロロアセチル基が好ましい。
【0025】反応溶媒としては、非ハロゲン系有機溶媒
が用いられ、例えば非ハロゲン化脂肪族溶媒及び非ハロ
ゲン化芳香族系溶媒の単独又は混合溶媒が用いられる。
非ハロゲン化脂肪族溶媒としては非ハロゲン化脂肪族極
性溶媒が好ましく、例えばニトリル、ケトン、エステ
ル、エーテル化合物が使用され、炭素数1〜10のもの
が好ましい。ニトリル化合物としては、好ましくは脂肪
族炭化水素残基が炭素数1ないし3のアルキル基または
アルキレン基のものが使用され、例えばアセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ブチロニトリルまたはアクリロ
ニトリル等が挙げられる。ケトン化合物としては、好ま
しくはケトン基の両端の脂肪族炭化水素残基が炭素数1
ないし5のアルキル基またはアルキレン基のものが使用
され、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルプ
ロピルケトン(2−ペンタノン)、3−ペンタノン、メ
チルイソブチルケトン(2−ヘキサノン)、3−ヘキサ
ノン、メチルビニルケトンまたはエチルビニルケトン等
が挙げられる。エステル化合物としては溶媒として使用
できるものであれば特に限定されないが好ましくは酢酸
およびプロピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルと
からなるエステルであり、例えば酢酸エチル、酢酸n−
プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸t
−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルお
よびプロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸2−プロ
ピルまたはプロピオン酸ブチル等が挙げられる。非ハロ
ゲン化芳香族系溶媒としては、好ましくはベンゼンまた
はその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基またはニ
トロ基であり、置換基の数が1ないし3のものが使用さ
れ、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、プロピルベンゼン類、ブチルベンゼン類、キシレ
ン、トリメチルベンゼン類、ニトロベンゼン、およびニ
トロトルエン類が挙げられる。
【0026】上記の反応溶媒中、特に好ましくは、非ハ
ロゲン化脂肪族溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピルからなる群
から選ばれる溶媒であり、非ハロゲン化芳香族系溶媒が
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニト
ロベンゼン、およびニトロトルエンからなる群から選ば
れる溶媒であり、更に好ましくは、非ハロゲン化脂肪族
溶媒がアセトニトリルであり、非ハロゲン化芳香族系溶
媒がトルエンである。
【0027】溶媒の使用量は式(1)で示される化合物
1重量部に対して好ましくは0.1ないし7倍容量部、
より好ましくは2ないし6倍容量部である。芳香族系溶
媒と脂肪族溶媒の混合溶媒を用いる場合は、混合溶媒の
総量はこの範囲よりも多くても構わないが非ハロゲン化
脂肪族溶媒はこの範囲が好ましく、混合溶媒のうち非ハ
ロゲン化脂肪族溶媒は好ましくは式(1)で示される化
合物1重量部に対して0.1ないし4倍容量部、更に好
ましくは0.3ないし3倍容量部含まれる。またアセト
ニトリルなどのニトリル系溶媒のときは式(1)で示さ
れる化合物1重量部に対して1〜10倍容量部程度でも
使用できる。
【0028】脱水縮合触媒としては例えば三ふっ化ほう
素ジアルキルエーテル錯体又はトリ(C1−C4)アル
キルシリルトリフルオロメタンスルホネートなどがあげ
られ、三ふっ化ほう素ジアルキルエ−テル錯体は炭素数
1ないし4のアルキル基からなるジアルキルエ−テル錯
体を表し、ジエチルエ−テル錯体が好ましいものとして
挙げられる。また、その使用量は例えば式(1)で示さ
れる化合物に対して通常は1〜15倍当量の範囲であ
り、1〜10倍当量が好ましく、さらに1〜6倍当量が
好ましい。
【0029】式(1)および式(2)で示される各化合
物の使用量は通常式(1)で示される化合物に対して式
(2)で示される化合物が1ないし5当量、好ましくは
1.2ないし3当量である。
【0030】この反応は一般的に10℃以下の低温、好
ましくは0〜−30℃、より好ましくは−5〜−20℃
の冷却下で行われ、反応系は出来るだけ無水状態で行わ
れ、必要に応じてモレキュラ−シ−ブ等の乾燥剤が用い
られる。
【0031】必要に応じて、上記反応で得られた式
(3)で示される反応生成物より保護基を脱離する。保
護基の脱離は常法例えば加水分解、加アルコール分解な
どの加溶媒分解、パラジウム触媒を用いる還元反応等に
より行うことができ、保護基がアシル基特にハロゲノア
シル基のとき、メタノ−ルまたはメタノ−ルを含有する
混合非ハロゲン系溶媒中で通常の脱アシル化触媒である
各種酢酸塩あるいはピリジン等塩基性物質の存在下加熱
することにより容易に進行する。
【0032】式(1)で表される化合物としては例えば
下記のものがあげられる。 (1)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポ
ドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCH2
l) (2)4’−ブロモアセチル−4’−デメチル−エピポ
ドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCH2
r) (3)4’−ジクロロアセチル−4’−デメチル−エピ
ポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCHCl
2 ) (4)4’−ジブロモアセチル−4’−デメチル−エピ
ポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCHBr
2 ) (5)4’−トリクロロアセチル−4’−デメチル−エ
ピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCCl
3 ) (6)4’−トリブロモアセチル−4’−デメチル−エ
ピポドフィロトキシン(式(1)のR1 =−COCBr
3 ) (7)4’−β,β,β−トリクロロエトキシカルボニ
ル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式
(1)のR1 =−COOCH2 CCl3 ) (8)4’−β,β,β−トリブロモエトキシカルボニ
ル−4’−デメチル−エピポドフィロトキシン(式
(1)のR1 =−COOCH2 CBr3
【0033】式(2)で表される化合物としては例えば
下記のものがあげられる。 (1)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−クロ
ロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR
2 =−COCH2 Cl) (2)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ブロ
モアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)のR
2 =−COCH2 Br) (3)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ジク
ロロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)の
2 =−COCHCl2 ) (4)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−ジブ
ロモアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)の
2 =−COCHBr2 ) (5)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−トリ
クロロアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)
のR2 =−COCCl3 ) (6)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−トリ
ブロモアセチル−β−D−グルコピラノ−ス(式(2)
のR2 =−COCBr3 ) (7)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−β,
β,β−トリクロロエトキシカルボニル−β−D−グル
コピラノ−ス(式(2)のR2 =−COOCH2CCl
3 ) (8)4,6−O−エチリデン−2,3−ジ−O−β,
β,β−トリブロモエトキシカルボニル−β−D−グル
コピラノ−ス(式(2)のR2 =−COOCH2CBr
3
【0034】また両者の反応によって得られた式(3)
の官能基の保護されたエトポシド類としては、それぞれ
原料に対応した保護基を有するものが得られる。具体的
には例えば下記のものがあげられる。 (1)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポ
ドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−クロロア
セチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式
(3)のR1 ,R2 =−COCH2 Cl) (2)4’−ジクロロアセチル−4’−デメチル−エピ
ポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−ジクロ
ロアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式
(3)のR1 ,R2 =−COCHCl2 ) (3)4’−トリクロロアセチル−4’−デメチル−エ
ピポドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−トリ
クロロアセチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド
(式(3)のR1 ,R2 =−COCCl3 ) (4)4’−ブロモアセチル−4’−デメチル−エピポ
ドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−ブロモア
セチル−4,6−O−エチリデン−グルコシド(式
(3)のR1 ,R2 =−COCH2 Br) (5)4’−クロロアセチル−4’−デメチル−エピポ
ドフィロトキシン−β−D−2,3−ジ−O−β,β,
β−トリクロロエトキシカルボニル−4,6−O−エチ
リデン−グルコシド(式(3)のR1 =−COCH2
l、R2 =−COOCH2 CCl3
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明
する。 実施例1 式(2)の(3)の化合物(式(2)においてR2 =C
OCHCl2 )1.67gとアセトニトリル0.5ml
およびトルエン2.5mlを撹拌混合した。混合液を−
10℃以下に冷却した。これに三ふっ化ほう素ジエチル
エ−テル錯体0.55gを加えた。次に式(1)の
(3)の化合物(式(1)においてR1 =COCHCl
2 )1.00gを加え反応温度を−10℃以下に保ちな
がら30分間反応を続けた。ピリジン0.46gを加え
反応を停止した。反応液に酢酸エチル20mlおよび水
20mlを加え撹拌した後分液した。さらに水洗を2回
繰り返し、式(3)の化合物(2)(式(3)において
1 、R2 =COCHCl2 )を含む有機層を得た。有
機層を高速液体クロマトグラフィ−で分析した結果、目
的物である式(3)の化合物(2)に対する副成した2
量体の割合は1.31%であった。
【0036】実施例2 実施例1においてアセトニトリル0.5mlに替えてア
セトン0.5mlを使用する他は全く同様の操作を行い
分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)に
対する副生した2量体の割合は6.96%であった。
【0037】実施例3 実施例1においてアセトニトリル0.5mlに替えて酢
酸エチル0.5mlを使用する他は全く同様の操作を行
い分析した結果、目的物である式(3)の化合物(2)
に対する副生した2量体の割合は4.13%であった。
【0038】実施例4 実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトル
エン2.5mlの混合溶媒に替えて酢酸エチル単独で3
mlを使用する他は全く同様の操作を行い分析した結
果、目的物である式(3)の化合物(2)に対する副生
した2量体の割合は11.42%であった。
【0039】比較例1 実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトル
エン2.5mlの混合溶媒に替えてアセトン単独で10
ml(式(1)の化合物に対し、10容量部)を使用す
る他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物であ
る式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の割
合は110.0%であった。
【0040】比較例2 実施例1においてアセトニトリル0.5mlおよびトル
エン2.5mlの混合溶媒に替えて酢酸エチル単独で1
0ml(式(1)の化合物に対し、10容量部)を使用
する他は全く同様の操作を行い分析した結果、目的物で
ある式(3)の化合物(2)に対する副生した2量体の
割合は43.99%であった。
【0041】
【発明の効果】本発明によって、有害なハロゲン系溶媒
を使用せずかつ副生物を抑え高収率でエトポシド類を得
ることができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示される保護を
    付した4’−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと
    式(2) 【化2】 (式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示される保護を
    付したグルコ−ス誘導体を、非ハロゲン系溶媒中かつ式
    (1)で示される化合物の1重量部に対して0.1ない
    し7倍容量部の非ハロゲン化脂肪族溶媒及び脱水縮合触
    媒の存在下に反応させて式(3) 【化3】 (式中R1 ,R2 は前記と同一である)で示される官能
    基の保護されたエトポシド類を得、必要に応じて脱保護
    することを特徴とするエトポシド類の製法。
  2. 【請求項2】式(1) 【化4】 (式中R1 は水酸基の保護基を示す)で示される保護を
    付した4′−デメチル−4−エピポドフィロトキシンと
    式(2) 【化5】 (式中R2 は水酸基の保護基を示す)で示される保護を
    付したグルコース誘導体を非ハロゲン化脂肪族溶媒と非
    ハロゲン化芳香族系溶媒との混合溶媒中で脱水縮合触媒
    を用いて反応させて式(3) 【化6】 (式中R1,2 は前記と同一である)で示される官能基
    の保護されたエトポシド類を得、必要に応じて脱保護す
    ることを特徴とするエトポシド類の製法。
  3. 【請求項3】非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル、ケト
    ンまたはエステル化合物である請求項2記載の製法。
  4. 【請求項4】非ハロゲン化脂肪族溶媒がニトリル化合物
    の場合、そのニトリル化合物の脂肪族炭化水素残基が炭
    素数1ないし3のアルキル基またはアルキレン基であ
    り、ケトン化合物の場合、ケトン基の両端の脂肪族炭化
    水素残基が炭素数1ないし5のアルキル基またはアルキ
    レン基であり、エステル化合物の場合は酢酸またはプロ
    ピオン酸と炭素数1ないし4のアルコ−ルとからなるエ
    ステルである請求項3記載の製法。
  5. 【請求項5】非ハロゲン化芳香族系溶媒がベンゼンまた
    はその置換基が炭素数1ないし4のアルキル基またはニ
    トロ基であり、置換基の数が1ないし3である請求項3
    記載の製法。
  6. 【請求項6】非ハロゲン化脂肪族溶媒の使用量が式
    (1)で示される化合物1重量部に対して0.1ないし
    4容量部であり、かつ混合溶媒の総量が式(1)で示さ
    れる化合物1重量部に対して1ないし10容量部の範囲
    内である請求項2記載の製法。
  7. 【請求項7】非ハロゲン化脂肪族溶媒がアセトニトリ
    ル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケト
    ン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルおよび酢酸イ
    ソプロピルからなる群から選ばれる溶媒であり、非ハロ
    ゲン化芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キシレン、
    エチルベンゼン、ニトロベンゼン、およびニトロトルエ
    ンからなる群から選ばれる溶媒であり、脱水縮合触媒が
    三ふっ化ほう素ジアルキル(C=1〜4)エ−テルで、
    その使用量が式(1)で示される化合物に対して1ない
    し15当量の範囲内である請求項6記載の製法。
  8. 【請求項8】非ハロゲン化脂肪族溶媒が(1)アセトニ
    トリルと(2)トルエンとの混合溶媒で、アセトニトリ
    ルの使用量が式(1)で示される化合物1重量部に対し
    て0.3ないし3容量部の範囲内で、かつ混合溶媒の総
    量が式(1)で示される化合物1重量部に対して2ない
    し6容量部の範囲内であり、触媒の三ふっ化ほう素ジア
    ルキル(C1〜C4)エ−テルの使用量が式(1)で示
    される化合物に対して1ないし6当量の範囲内である請
    求項7記載の製法。
  9. 【請求項9】式(1)の保護を付した4′−デメチル−
    4−エピポドフィロトキシンと式(2)の保護を付した
    グルコース誘導体を、非ハロゲン系有機溶媒中、脱水縮
    合触媒を用いて反応させ、式(3)で示される官能基の
    保護されたエトポシド類を得、必要に応じて脱保護し、
    エトポシド類を製造する方法において非ハロゲン化脂肪
    族溶媒がニトリル化合物であり、その使用量が式(1)
    の化合物1重量部に対して、1〜10倍容量部であるエ
    トポシド類の製法。
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